JP3891469B2 - 水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置 - Google Patents

水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被脱水物を入れる乾燥容器、その容器から水蒸気を抽気し内部を減圧する水蒸気圧縮手段、その水蒸気圧縮手段から吐出される加圧水蒸気を凝縮しその潜熱で前記乾燥容器内の被脱水物を脱水する凝縮手段とで構成される水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生ごみ、汚泥、廃液等の水分を多く含む高含水廃棄物は、貯蔵や運搬に困難を伴う難処理物であり、焼却を行う場合には多量の助燃剤を要するため、エネルギー浪費型の処理となっている。水分を蒸発させれば大幅な減量化が可能になることに加え、再資源化も容易になるが、水の大きな蒸発潜熱(100°Cで2257kJ/kg)に起因して莫大な熱エネルギーが必要である。
従来の乾燥装置では、例えばガスを燃焼させた熱風や石油ボイラーからの水蒸気を用いて被乾燥物を加熱しているが、水蒸気の潜熱は、そのまま捨てていた。このために乾燥処理には多量のエネルギーを要していた。
【0003】
そこで、乾燥処理の省エネルギー化を目的に出願人は、発生した水蒸気を圧縮して凝縮潜熱を回収利用する技術を特開平9−126652号公報、特開平10−103861号公報、および特開平10−103862号公報に開示しており、さらに特願平11−292514号、特願平11−335792号などの一連の出願を行っている。
【0004】
特開平9−126652号公報に開示の技術は、図5に示すように、高含水廃棄物Wを入れた気密断熱容器Vを予熱し、次いで水蒸気圧縮機Pを運転することにより容器V内を減圧して100°C未満で沸騰させ、生じた水蒸気を大気圧以上に加圧することで100°C以上にて凝縮器Cで凝縮させ、その際の潜熱を利用して廃棄物Wを加熱している。なお、符号18は凝縮水を排出する蒸気トラップ、符号22は、不凝縮性ガスを排出するレリーフ弁をそれぞれ示している。
また、特開平10−103861号公報に開示の技術は、予熱を行うための上記ボイラー接続法に関し、さらに、特開平10−103862号公報には、圧縮機の吸入蒸気を過熱させるためのスーパーヒーターに関し、特願平11−292514号には、撹拌伝熱に関し、特願平11−335792号には、サイクロンをスーパーヒーターと兼用する技術に関してそれぞれ提案している。
【0005】
一般に、水蒸気を圧縮した後に凝縮させてその潜熱を回収する技術は蒸気再圧縮(Vapor Re−Compression:以下VRCと記す)方式として知られており、例えばビール麦汁の煮沸工程等に適用されている。しかし、これまでのVRC装置は、液状物質の濃縮用に限られ、プラント規模の大型装置 (典型的には圧縮機駆動電動機の出力が数百KW以上)用の技術であり、構造が複雑で運転操作も難しかった。
【0006】
本出願人は、本技術のさらなる改良を推進して来たが、前記一連の発明に既知技術の利用を行ってもなお以下の問題点があることが判明し、研究の結果、本発明に至ったものである。
(1) 本発明が主対象とする小型(圧縮機駆動用電動機出力が数KW〜数十KW程度)の水蒸気圧縮機に関する技術。
(2) 撹拌伝熱機構に関する技術。
(3) 不凝縮性ガスの排除に関する技術。
【0007】
すなわち、上記問題点(1)に関し、本発明のような目的に対応する水蒸気圧縮機としては、耐熱性が高く、かつオイルフリー性が求められている。耐熱性に関しては、100°C程度の水蒸気を吸引して圧縮工程で昇温するので200°Cまで使えることが求められている。このような高温では、熱膨張と材質劣化の問題が避け難い。また、潤滑油は高温で炭化し易く、さらに水分によって加水分解するのでシリンダーの潤滑にオイルを用いない、いわゆるオイルフリー型の圧縮機が必要である。
【0008】
ターボ式圧縮機では、かかる耐熱性およびオイルフリー化の要件を満たすことは可能ではある。しかし、水蒸気のような分子量(18)の小さい気体に対しては遠心力が小さく、ターボ式では大型化しないと性能が出ず、このため前記VRCは大型装置となっている。駆動用電動機が100KW以下の小型ターボ式圧縮機を用いたVRCもあるが、昇圧幅が小さくいわゆるブロワー(送風機)の範疇に入り、本発明の目的を達成できない。
また、水蒸気圧縮機として、スクリュー部に潤滑油を使用していないドライスクリュー式が用いられることもあるが、大型装置向きであることに変わりがなく、しかも、スクリューを高速回転させるのでタイミングギヤ等の騒音が大きく、高価である。
【0009】
問題点(2)の伝熱機構に関し、前記特開平9−126652号公報に開示の技術では、乾燥容器内に水蒸気凝縮器を固定して設けているが、このような構造では固形物を含む高含水廃棄物に対しては不適である。
そして、前記特開平10−103861号公報に開示の技術では、二重ジャケット式の水蒸気凝縮器で内部に撹拌翼を組み合わせているが、伝熱面積を容器の表面積以上にできないので伝熱面積の不足の問題が生じる。
水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置においては、成績効率(COP)を上げるために伝熱面積を大きくすることが必要であり、二重ジャケット式の水蒸気凝縮器では表面積が容器寸法(長さ等)の2乗でしか増えないのに対し、体積は3乗で増えるので容器を大きくするほど単位容積当たりの表面積が小さくなる欠点を有している。
【0010】
そこで、特願平11−292514号で提案の技術では、水蒸気凝縮器を乾燥容器内部で回転させる構造にして伝熱面積の制限を克服している。
しかし、この構造は、横型円筒容器を前提とした構造のため縦型円筒容器には適用できない。そして、回転軸が水平のため撹拌翼の重量による軸のたわみが生じ易く、また、回転させなければ凝縮水の排水が困難であり、かつ不凝縮性ガスが溜まり易い。さらに、逆ピッチのコイルを組み合わせるという複雑な構造で製作費が嵩むといった問題点を有している。
また、被脱水物の種類によっては、乾燥によって塊状になる場合があり、これに対しては、破砕する手段が必要である。
【0011】
次に、上記問題点(3)の不凝縮性ガス排除に関し、前記一連の発明においては、不凝縮性ガスを排出する手段として、不凝縮性ガス排出弁(蒸気用空気抜き弁、エアベント、レリーフ弁)を分岐配管に取り付けている。この不凝縮性ガスの成因としては、運転開始時に容器内に入っていた空気、水分に溶解したり被脱水物に含まれていた気体、または装置上のやむを得ない真空漏れ(シールなどからの)がある。なお、不凝縮性ガスは大部分が空気であるので、以下は単に空気と記す。
【0012】
フロン等の冷媒を密閉系で使用する通常のヒートポンプとは異なって、水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置では、冷媒である水蒸気への空気の混入を避けることは困難であり、かつ量的にも無視できない。そして、不凝縮性ガス排出弁を分岐配管に設置する程度の対策では不十分であることがその後の研究で判明した。従来のVRC装置では、空気を排出する手段として専用の真空ポンプを設けている例もあるが、装置の構成が複雑になり、かつ高価でポンプ駆動のために動力を消費する。
空気と水蒸気の混合気体から空気を直接分離するのは難しいので、混合気体を冷却し、水蒸気を凝縮させて残った空気を排出するのがこの技術の基本である。前記一連の発明においては、凝縮させるための冷却が不十分であり、したがって、空気と共にかなりの比率で水蒸気を一緒に捨てるので熱エネルギーの損失が避けられなかった。
【0013】
【知見】
前記(1)の問題点に関し発明者は、空気圧縮機や真空ポンプ用に用いられているウイング式オイルフリー圧縮機が、その改良によって水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置に用いる水蒸気圧縮機としての要件を満たせることを高度な知見を基に予測し、試作実験を行って確認した。
【0014】
ウイング式圧縮機は、レシプロ(往復動)式の一種であるから(後記および図4参照)、圧縮比(吸入と吐出の圧力比)が変化しても比較的良好な圧縮効率を維持できる特徴を有し、水蒸気ヒートポンプ用に適している。例えば、蒸発脱水運転では、圧縮比1.5程度と小さい時もあれば、空気を排除する真空運転時には、圧縮比が10に達することもある。
このように圧縮比が大きく変動することに対して、ターボ式では圧縮比を高くできない上、サージング現象の問題があり、スクリュー式でも設計圧力比を外れると圧縮効率が大きく低下する問題がある。
そして、耐熱性に関してウイング式圧縮機は、ピストンとシリンダーとのクリアランス変化をシールバーの出入りによって吸収できる構造のため、熱膨張を考慮してクリアランスを大きく設定しても漏れ量を少なく抑えることができる。
【0015】
なお、空気用のウイング式オイルフリー圧縮機を、そのまま水蒸気用に用いることはできず、主に、以下の点についての改良が行われた。
すなわち、200°Cでも焼け付かないクリアランスの設定、軸受に熱を伝え難い(熱伝導率の低い)回転子の材料(例えばステンレス)と耐熱グリース封入型ベアリングの採用、シリンダー内に水を入れない機器構造と運転上の工夫、および発錆し難い材質や表面処理(メッキ)の採用などである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の問題点に対処した水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置、すなわち、水蒸気圧縮機の耐熱性が高く、かつオイルフリーであり、被脱水物への伝熱性能が改善され、不凝縮性ガス排除性能の優れた水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、被脱水物を入れる乾燥容器と、その乾燥容器内を減圧し水蒸気を抽気する水蒸気圧縮手段と、その水蒸気圧縮手段から吐出される加圧水蒸気を凝縮しその潜熱で前記乾燥容器内の被脱水物を脱水する凝縮手段とで構成される水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置において、前記乾燥容器内に回転軸を立設し、その回転軸の周囲を螺旋状に巡る複数の螺旋体を設けその内部に水蒸気通路を形成して第1の凝縮手段を構成すると共に被脱水物の撹拌を行う撹拌伝熱手段を設け、前記回転軸内に前記水蒸気圧縮手段からの水蒸気を上端に向け噴出しその動圧によって前記螺旋体内部の水蒸気通路を掃気する構成としている。
【0018】
したがって、本発明によれば、乾燥容器内において撹拌伝熱手段が回転し、中空螺旋体内部の水蒸気通路内で水蒸気が凝縮し、その潜熱によって被脱水物が加熱されると共に撹拌され、脱水が促進される。そして、中空螺旋体はその本数や太さを任意に設定することで必要な伝熱面積を確保でき、また、同一形状の螺旋体を並行して取り付けることで製作容易でコストが低減できる。
そして、縦置きの構成となるので、軸の撓みや凝縮手段内部に凝縮水や不凝縮性ガスが滞留するという問題が生じない。
【0019】
さらに、回転軸内では噴出された水蒸気の動圧が静圧に変わって凝縮手段内に強制的に流れを生じ、内部に不凝縮性ガスの滞留するのが防止される。
【0020】
そして、本発明は、前記乾燥容器の底部に二重壁空間を形成し第2の凝縮手段を構成している。水分は底部に溜まりやすいため脱水には効果的であり、この第2の凝縮手段により、さらに伝熱面積を増加することができる。
【0021】
さらに、本発明は、前記撹拌伝熱手段に塊状物の破砕手段を設けている。
これにより、被脱水物に大きな塊が混入していたり、脱水して塊状に固結しても、破砕されて容易に容器から取り出すことができる。
【0022】
また、本発明では、前記水蒸気圧縮手段がシリンダ内を回転子が揺動して圧縮作用を行うウイング式の圧縮機である。
このように、ウイング式の圧縮機を採用することで、水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置に必要な高耐熱性かつオイルフリー化が可能になる。
【0023】
そして、本発明は、第1または第2の凝縮手段の下流からの不凝縮性ガス排出管路を設け、前記乾燥容器から水蒸気圧縮手段へ抽気する管路と熱交換する熱交換手段を設けている。
したがって、排出管路内のガスは冷却されて水蒸気成分は凝縮し、不凝縮性ガスの比率が高められて排出される。なお、冷却された熱は、水蒸気圧縮機の吸入側水蒸気に移行し熱損失にはならない。また、圧縮機側水蒸気は飽和温度より高い過熱状態となるので、湿り蒸気の吸入による体積効率の低下が防止される。
【0024】
本発明は、乾燥容器から水蒸気圧縮手段への抽気管路にサイクロンを設け前記熱交換手段と一体化して構成している。
したがって、一体化によって構成部品数が減少しコストダウンと熱交換性能の改善とが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1には、全体の構成が示されている。被脱水物Wを入れる乾燥容器Vを構成する真空容器1には、その内部に中空螺旋体4などで構成された撹拌伝熱手段C1が内装され、その底部には二重ジャケット式凝縮器7が形成されている。そして、乾燥容器V内を減圧し水蒸気を抽気する水蒸気圧縮手段Pである水蒸気圧縮機16と、凝縮手段C(前記撹拌伝熱手段C1および二重ジャケット式凝縮器7)の下流から空気を含む水蒸気を抜き出し、水蒸気圧縮手段Pの吸入側水蒸気と熱交換して水蒸気成分を凝縮し、空気抜き弁22より排出する不凝縮性ガス排除手段Eとが主な構成である。
【0026】
図2および図3には、乾燥容器Vおよび撹拌伝熱手段C1の詳細が示されている。断熱した真空容器1の内部には、回転軸2が上下を軸受8、8Aで支持されて立設されており、その回転軸2は中空で内部には水蒸気通路が形成され、上下にそれぞれ半径方向に延びる枝管3、3Aが接続されている。そして、回転軸2の周囲を螺旋状に巡って複数の中空螺旋体4が設けられ、前記2本の枝管3、3Aの間を互いに連通させ、中空螺旋体4の内部で水蒸気が凝縮し、その潜熱で外面に接する被脱水物Wを加熱するように構成されている。
また、回転軸2は、前記図1に示すように、減速機付電動機20によって動力伝達機構(例えば、チェーン)21を介して回転駆動され、中空螺旋体4で容器1内の被脱水物Wを撹拌するように構成されている。
なお、図2の符号9および10は真空容器1に設けられた被脱水物Wの投入口および排出口をそれぞれ示し、符号14は容器の脚を示している。
【0027】
なお、中空螺旋体4の具体的構造は、図2では金属(例えばステンレス)の丸パイプで示されているが、角パイプや金属板を合わせた偏平な中空構造物であっても良く、その本数や太さを変えることにより、伝熱面積が必要に応じて確保される。そして、各パイプ間の隙間寸法については、脱水して微粉化した被脱水物Wを落とすなどの任意の設定が可能である。
また、この構造のさらなる特徴は、同一ピッチのコイルを並行に取り付けるため製作が容易であり、特に図2の構成では長尺パイプを曲げ加工することにより溶接箇所が少ないためコストダウンが容易である。
【0028】
そして、回転軸2の内部には、水蒸気圧縮機16に接続された吐出管5から軸の上端部に向けて水蒸気を噴出するように構成されており、水蒸気の速度が大きい(例えば10m/sec以上)ことを利用し、回転軸上端でその速度エネルギを静圧に変換し、中空螺旋体4の内部に強制的な流れを形成して通路内に溜まる空気を掃気するようになっている。
【0029】
また、上記の撹拌式伝熱手段C1に加え、真空容器1の底部には二重ジャケット式凝縮器7(第2の凝縮手段)が構成されている。
ここに水蒸気を導入することによって伝熱面積を増加させると共に、容器1の底部に溜まりがちな水分を効果的に蒸発させることができる。なお、この二重ジャケットを容器1の側壁まで立ち上げてさらに伝熱面積を増加させることが可能である。
【0030】
そして、撹拌伝熱手段C1の上方の枝管3には可動刃11が取り付けられ、容器1の内壁には固定刃12が対向して設けられて塊状物の破砕手段が構成されている。
塊状の被脱水物は、螺旋体4の回転によって上方に送られ、刃11、12の隙間より径が大きければここで破砕される。図3に示すように、可動刃11と固定刃12との噛み合わせ部を回転(矢印方向)により外から内へ移動するように設置すれば、堅い物質(金属や石など)を挟み込むことによるロックを避けることができる。
なお、図1、2において符号15は、下方の枝管3Aに取り付けられ、容器底部の被脱水物Wを掻き上げるスクレーパーを示している。
【0031】
次に、図4には、水蒸気圧縮手段Pであるウイング式オイルフリー方式の水蒸気圧縮機16の構造が示されている。
図において、シリンダー16a内には回転子16bが揺動可能に設けられ、シールバー16fを介して4室に分けられている。そして、シリンダー16a内部には吸気通路が穿孔された2個の吸入弁台16dが挿入され、その吸気通路から吸入弁16cを介して各室にそれぞれ吸入口が開口されており、また、シリンダー16a側面に取り付けられた吐出通路へ各室から吐出口が吐出弁16eを介して連通されている。
【0032】
回転子16bは、図示してない電動機の回転運動をクランク機構によって往復運動に換えて揺動し、図4に示す状態では、回転子16bが時計方向に回るとプラス記号で示された空間内が圧縮され、吐出弁16eを押し上げて吐出される。同時にマイナス記号で示された空間内は圧力が下がり、吸入弁16cが開いてシリンダー16a内に水蒸気が吸入される。次に、回転子16bが反時計方向に回転するときは、プラスとマイナスとが入れ替わり、同様に吸引、圧縮、吐出が行われる。
シリンダー16aと回転子16bとのクリアランスは、自己潤滑性(カーボン系など)のシールバー16fを用いることで、オイルフリー化が行われている。シリンダー16a側面のクリアランスについても、同様のシールバー構造が用いられている。
【0033】
図1に戻り、水蒸気圧縮機16の吸入側は、容器1の接続管6から後記する熱交換手段17を介して配管され、吐出側は吐出管5によって撹拌式伝熱手段C1の回転軸2の内部に連通されている。
なお、図中の符号26は、予熱または追い焚きのために予熱ボイラー(図示なし)から水蒸気を供給するボイラー接続配管を示し、符号25は、その排気弁を示している。
【0034】
次に、不凝縮性ガス(空気)の排除手段Eについて説明する。図1において、不凝縮ガス抜き管24は、第2の凝縮手段C2の二重ジャケット式凝縮器7から熱交換手段17を介して空気抜き弁22から大気に開放されている。
一方、容器1から水蒸気圧縮機16への接続管6にはサイクロン17A(符号23はその分離物の排出口)が介装されており、そのサイクロン17Aは、前記熱交換手段17と一体化されて熱交換が行われている。すなわち、不凝縮性ガス側は冷却され(沸騰温度、例えば95°Cは、凝縮温度、例えば110°Cより低い)、水蒸気成分は凝縮されて空気の比率が高められて空気抜き弁22から、凝縮水は蒸気トラップ18の排水口19からそれぞれ排出される。そして、圧縮機16の吸入水蒸気は、加熱され、飽和温度より高い過熱状態となり、湿り蒸気の吸入による体積効率の低下が防止される。
【0035】
以下、本発明による運転方法の一実施形態を説明する。
まず、被脱水物Wを真空容器1の上部に設けられた投入口9から投入し、次いで図示しない予熱ボイラーからの水蒸気をボイラー接続配管26より導入する。水蒸気は、第1および第2凝縮手段C1、C2で凝縮されて被脱水物Wは予熱される。そこで、被脱水物Wの温度が100°C近くまで上昇した時点で予熱用水蒸気を止め、水蒸気圧縮機16を運転する。
水蒸気圧縮機16を運転すると、まず容器1内の空気が排除され、圧力が下がる。空気は凝縮しないので、開閉弁25を開いて排出する。このようにして大部分の空気を排出した後に開閉弁25を閉じ、残留した空気(溶存空気および漏洩空気)は蒸気用空気抜き弁22より定常的に排出する。なお、僅かな量の空気でも凝縮手段4、7に溜まると、圧力が上昇して圧縮動力が大幅に増加するため、継続的かつ確実に排出する必要がある。
空気が殆ど無い状態の運転圧力の一例として、乾燥容器V内では95°Cで沸騰絶対圧力が約84kPa、凝縮手段4、7内部の凝縮絶対圧力が143kPa(飽和温度で110°C)以下を想定している。
【0036】
圧縮機16から吐出された水蒸気は、回転軸2内から枝管3を経て螺旋体4に入り、ここで被脱水物Wに熱を与えて凝縮する。凝縮水は螺旋体4内を流下し、下方の枝管3Aを経て容器1の底部の凝縮水排水口13から蒸気トラップ18に行き、配水口19から排出される。なお、水蒸気は、螺旋体4内部を通過するのではなく、凝縮による体積減少(約1500分の1)を補填するように流動する。また、凝縮は、容器底部の二重ジャケット式凝縮器7でも生じる。
蒸気トラップ18は、内部フロート弁の作用により、液体を通過させるが気体は阻止する機能を有している。
被脱水物は、撹拌伝熱手段C1のゆっくりした回転(例えば10回転/min)によって螺旋体4上で擦れながら熱交換し、脱水して微細化した被脱水物Wは螺旋体4の隙間から落下する。水分の凝集作用によるダマ(球)や塊状の物体は上部に送られ、破砕手段(11、12)で破砕される。
脱水または濃縮の終了は、凝縮水の計量、時間、圧力や温度の変化を検知して行われる。脱水物はスクレーパー15の作用で外周に押し出され容器1の下部に設けられた排出口10から取り出される。
【0037】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成され、以下に示す効果を奏する。
(1) 乾燥容器内の撹拌伝熱手段によって被脱水物は水蒸気の潜熱で加熱されると共に撹拌されており、回転による送り作用によって高粘性や高含水廃棄物へも効果的に伝熱され、その回転も低速で行え、動力の過大消費することもない。
また、撹拌伝熱手段を構成する中空螺旋体は、本数や太さを任意に設定することができ、容易に必要な伝熱面積を確保でき、そして、同一形状の螺旋体を並行して取り付けることで製作容易でコストが低減できる。
(2) 縦置きの構成により、軸の撓みの問題も生ぜず、回転させなくとも凝縮水は自然流下で排水し、伝熱性のよい廃液などでは、撹拌動力をゼロにすることも可能である。
(3) 水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置に対し、ウイング式水蒸気圧縮機を対応させることで、耐熱性、オイルフリー化の問題が解決でき、従来、この用途に対して実用的な水蒸気圧縮機が見出だせなかった問題が解消できる。
(4) 不凝縮性ガスの排出は、水蒸気圧縮機吸気側との熱交換による水蒸気成分の凝縮によって容易に、かつ熱損失を伴わず行える。
そして、熱交換手段をサイクロンと一体化することで、構成の簡素化が図れ、コストダウンが可能になる。
(5) 本装置は、汚泥、廃液などの高含水廃棄物の脱水を行ってその減量化、再資源化を容易にする他、食品や医薬の生産施設における濃縮、脱水、乾燥処理などにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す構成図。
【図2】本発明の撹拌伝熱手段を内蔵する乾燥容器を示す断面図。
【図3】図2の上部から見た横断面図。
【図4】本発明のウイング式水蒸気圧縮機の基本構成を示す断面図。
【図5】従来の水蒸気ヒートポンプ式脱水装置を示す断面図。
【符号の説明】
C・・・凝縮手段
E・・・不凝縮性ガス排除手段
P・・・水蒸気圧縮手段
V・・・乾燥容器
1・・・真空容器
2・・・回転軸
3、3A・・・枝管
4・・・中空螺旋体
7・・・二重ジャケット式凝縮器
8、8A・・・軸受および回転シール
11・・・回転刃
12・・・固定刃
13・・・排水口
16・・・水蒸気圧縮機
16a・・・シリンダー
16b・・・回転子
16c・・・吸入弁
16e・・・吐出弁
16f・・・シールバー
17・・・熱交換手段
17A・・・サイクロン
18・・・蒸気トラップ
22・・・空気抜き弁
24・・・不凝縮ガス抜き管

Claims (6)

  1. 被脱水物を入れる乾燥容器と、その乾燥容器内を減圧し水蒸気を抽気する水蒸気圧縮手段と、その水蒸気圧縮手段から吐出される加圧水蒸気を凝縮しその潜熱で前記乾燥容器内の被脱水物を脱水する凝縮手段とで構成される水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置において、前記乾燥容器内に回転軸を立設し、その回転軸の周囲を螺旋状に巡る複数の螺旋体を設けその内部に水蒸気通路を形成して第1の凝縮手段を構成すると共に被脱水物の撹拌を行う撹拌伝熱手段を設け、前記回転軸内に前記水蒸気圧縮手段からの水蒸気を上端に向け噴出しその動圧によって前記螺旋体内部の水蒸気通路を掃気する構成としたことを特徴とする水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置。
  2. 前記乾燥容器の底部に壁空間を形成して第2の凝縮手段を構成した請求項1に記載の水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置。
  3. 前記撹拌伝熱手段に塊状物の破砕手段を設けた請求項1または2に記載の水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置。
  4. 前記水蒸気圧縮手段がシリンダ内を回転子が揺動して圧縮作用を行うウイング式圧縮機である請求項1〜3のいずれかに記載の水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置。
  5. 前記第1または第2の凝縮手段の下流からの不凝縮性ガス排出管路を設け、前記乾燥容器から水蒸気圧縮手段へ抽気する管路と熱交換する熱交換手段を設けた請求項1〜4のいずれかに記載の水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置。
  6. 前記乾燥容器から水蒸気圧縮手段への抽気管路にサイクロンを設け、前記熱交換手段と一体化して構成した請求項5に記載の水蒸気ヒートポンプ式蒸発脱水装置。
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