JP3890757B2 - スピンドルモータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスクドライブ(以下HDDという)などに使用するディスク駆動用のスピンドルモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハードディスクドライブ(以下HDDという)などの磁気記録ディスク装置を駆動するためのモータとして、動圧軸受やボールベアリングを使用したスピンドルモータが使用されている。ところで、HDDは大容量化が進行している一方で、小型化の要望があり、しかも高い信頼性が同時に要求されている。
【0003】
従来のスピンドルモータについて図3を使用して説明する。図3は従来のスピンドルモータを示す断面図である。図3に示す従来例では動圧軸受を使用しており、動圧軸受は、モータベース4に固定した保持部1と、ハブ3と一体的に回転する軸2とから成る。また、軸2には斜線を組み合わせた溝が形成されており、保持部1と共に動圧軸受を形成している。
【0004】
軸2の下端にはフランジ6が取り付けられており軸2の抜けを防止している。更にフランジ6の下方にはスラスト19が取り付けられており動圧スラスト軸受を形成している。モータベース4上の保持部外周に該当する部分にはコア8及びコイル9が設けられており、コア8は12スロットで、外周にコイル9が巻回されている。
【0005】
軸2の上端にはハブ3が固着されており、ハブ3の下方内周のコア8に対向する位置には駆動用の環状駆動磁石10がロータヨーク17を介して設けられている。
【0006】
そして、コイル9に図示しない駆動回路によって駆動電流を印加すると、環状駆動磁石10との働きによってロータ11が回転する。このとき、環状駆動磁石10は8極に着磁されている。
【0007】
また、ロータ11には複数枚の磁気ディスク12がディスククランパ13をねじ14によってねじ止めすることによって固定されている。
【0008】
このように構成されたスピンドルモータの軸2の上面に形成された軸上面部15は円形の平面を形成しており、軸上面部15の周りにはハブ3によるドーナツ状の平面が形成されている。そして、軸上面部と所定の距離を保ちトップカバー16が形成されている。
【0009】
図4は、軸固定型のHDD用スピンドルモータを示す図である。軸2はモータベース4に接着固定されており、斜線を組み合わせた溝によって保持部1と共に流体軸受を形成している。軸2の上端にはフランジ6が取り付けられており、
軸2の抜けを防止している。更に、フランジの上にはスラスト19を形成し、その上部にカバー20を形成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、モータの回転中にHDDのトップカバー16に何らかの力が加わると、モータの軸上面部15とトップカバー16の下面とが接触して塵が発生してしまう。図4に示す従来例でも同様にカバー20とトップカバー16の下面とが接触して塵が発生する。このように発生した塵は磁気ディスク12の表面に広がり、ヘッドクラッシュ等の問題を引き起こす要因となってしまう。特に軸上面部15又はカバー20とトップカバー16との接触面積が大きいほど接触による塵の発生が多くなってしまう。
【0011】
しかしながら、HDDなどの磁気記録ディスク装置は、小型化の要求が強いため、軸上面部15又はカバー20とトップカバー16との間隙を狭くする必要があり、しかも、トップカバー16の板厚を薄くする必要があるため強度がなくなるという問題がある。従って、トップカバー16の下面と、軸上面部15又はカバー20との間隔は極めて狭く形成され、接触が避けられなくなってきている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した課題を解決するために、コイル9を巻回したコア8と前記コア8を固定したモータベース4とからなるステータ7と、前記モータベース4の中央に保持部1を介して回転自在に保持された軸2と、前記軸2の上面と所定の距離を隔てて設けられたトップカバー16と、前記コア8と対応する位置に設けた環状駆動磁石10と前記環状駆動磁石10を内周に設けたロータヨーク17と前記ロータヨーク17を保持し、前記軸2に固着されたハブ3とからなるロータ11と、前記ハブ3に一体的に取り付けられたディスク12とからなるスピンドルモータにおいて、前記軸2の中心部上面に前記軸2の太さよりも小さい半球形状の突出部18を前記トップカバーと所定の間隔を隔てて設けたことを特徴とするスピンドルモータを提供するものである。
【0013】
また、コイル9を巻回したコア8と前記コア8を固定したモータベース4とからなるステータ7と、前記モータベース4の中央に立設固定された軸2と、前記コア8と対応する位置に設けた環状駆動磁石10と前記環状駆動磁石10を内周に設けたロータヨーク17と前記ロータヨーク17を保持し、前記軸2に保持部1を介して回転自在に保持されたハブ3とからなるロータ11と、前記ハブ3の上面と所定の距離を隔てて設けられたトップカバー16と、前記ハブ3に一体的に取り付けられたディスク12とからなるスピンドルモータにおいて、前記ハブ3の中心部上面に前記軸2の太さよりも小さい半球形状の突出部18を前記トップカバー16と所定の間隔を隔てて設けたことを特徴とするスピンドルモータを提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスピンドルモータの一実施例について図1を参照して説明する。なお、従来例と同じ構成部材については同一の符号を付し説明を一部省略する。図1は本発明の一実施例に係るスピンドルモータを示す断面図である。同図に示す実施例では動圧軸受を使用しており、動圧軸受は、モータベース4に固定した保持部1と、ハブ3と一体的に回転する軸2とから成る。また、軸2には斜線を組み合わせた溝が形成されており、保持部1と共に動圧軸受を形成している。
【0015】
軸2の下端にはフランジ6が取り付けられており軸2の抜けを防止している。更にフランジ6の下方にはスラスト19が取り付けられており動圧スラスト軸受を形成している。モータベース4上の保持部外周に該当する部分にはコア8及びコイル9が設けられており、コア8は12スロットで、外周にコイル9が巻回されている。
【0016】
軸2の上端にはハブ3が固着されており、ハブ3の下方内周のコア8に対向する位置には駆動用の環状駆動磁石10がロータヨーク17を介して設けられている。なお、ハブ3の上面は軸2の上面より突出することはない。
そして、コイル9に図示しない駆動回路によって駆動電流を印加すると、環状駆動磁石10との働きによってロータ11が回転する。このとき、環状駆動磁石10は8極に着磁されている。
【0017】
また、ロータ11には複数枚の磁気ディスク12がディスククランパ13をねじ14によってねじ止めすることによって固定されている。
このように構成されたスピンドルモータの軸2の上面に形成された軸上面部15は円形の平面を形成しており、その中央には軸2の太さよりも充分に小さい半球形状の突出部18が形成されている。そして、突出部18と所定の距離を保ちトップカバー16が形成されている。なお、上述した突出部18はその頂点部が球形状であればどのような形状であっても良く、更に軸2と一体に成形しても別体に成形しても良いことはもちろんである。
【0018】
図2は、軸固定型のHDD用スピンドルモータを示す図である。軸2はモータベース4に接着固定されており、斜線を組み合わせた溝によって保持部1と共に流体軸受を形成している。軸2の上端にはフランジ6が取り付けられており、
軸2の抜けを防止している。更に、フランジの上にはスラスト19を形成し、その上部にカバー20を形成している。そして、カバー20の中央に軸2の太さよりも充分に小さい半球形状の突出部18が形成されている。なお、上述した突出部18はその頂点部が球形状であればどのような形状であっても良く、更にカバー20と一体に成形しても別体に成形しても良いことはもちろんである。
【0019】
また、本実施例では突出部18の半径をr、軸2の半径をRとしたときに、
【0020】
【数1】
Figure 0003890757
の関係となるように構成してある。
【0021】
このように構成したスピンドルモータでは、軸2又はカバー20の上面に半球形状の突出部18を形成しているのでトップカバー16が筐体内方向に変形しても接触する場所が突出部18の先端のみとなり、しかも突出部の先端が半球形状であるから接触によるトップカバー16の損傷が少なく塵が発生しにくくなる。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るスピンドルモータによれば、モータの回転中にHDDのトップカバーに力が加わって、モータの軸上面部とトップカバーの下面とが接触しても塵の発生を抑制することができるので、ヘッドクラッシュ等の問題を回避することができるという効果を奏する。このため、トップカバーを薄型化することができ、磁気ディスク装置を小型化する事が出来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピンドルモータの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係るスピンドルモータの他の実施例を示す断面図である。
【図3】従来のスピンドルモータを示す断面図である。
【図4】従来の他のスピンドルモータを示す断面図である。
【符号の説明】
1 保持部
2 軸
3 ハブ
4 モータベース
5 溝
6 フランジ
7 ステータ
8 コア
9 コイル
10 環状駆動磁石
11 ロータ
12 磁気ディスク
13 ディスククランパ
14 ねじ
15 軸上面
16 トップカバー
17 ロータヨーク
18 突出部
19 スラスト
20 カバー

Claims (2)

  1. コイルを巻回したコアと前記コアを固定したモータベースとからなるステータと、
    前記モータベースの中央に保持部を介して回転自在に保持された軸と、
    前記軸の上面と所定の距離を隔てて設けられたトップカバーと、
    前記コアと対応する位置に設けた環状駆動磁石と前記環状駆動磁石を内周に設けたロータヨークと前記ロータヨークを保持し、前記軸の上端に突出しないように固着されたハブとからなるロータと、
    前記ハブに一体的に取り付けられたディスクとからなるスピンドルモータにおいて、
    前記軸の中心部上面に前記軸の太さよりも小さい半球形状の突出部を前記トップカバーと所定の間隔を隔てて設けたことを特徴とするスピンドルモータ。
  2. コイルを巻回したコアと前記コアを固定したモータベースとからなるステータと、
    前記モータベースの中央に立設固定された軸と、
    前記コアと対応する位置に設けた環状駆動磁石と前記環状駆動磁石を内周に設けたロータヨークと前記ロータヨークを保持し、前記軸に保持部を介して回転自在に保持されたハブとからなるロータと、
    前記ハブの上面と所定の距離を隔てて設けられたトップカバーと、
    前記ハブに一体的に取り付けられたディスクとからなるスピンドルモータにおいて、
    前記ハブの中心部上面に前記軸の太さよりも小さい半球形状の突出部を前記トップカバーと所定の間隔を隔てて設けたことを特徴とするスピンドルモータ。
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