JP3890677B2 - 作業車の走行装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、作業車の走行装置に関し、水平制御可能な走行フレームに対し、左右側の前部ローリングアームを支承する前部ローリングメタルの取り付け手段等にかかわる技術分野に属し、作業車としてのコンバイン,雪上車,建設機械等に利用できる。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
作業車における走行時に、走行面の状態等により車体が傾斜するときは、この車体の傾斜状態を、左右の前部及び後部ローリングメタルで支承する前部及び後部ローリングアームを上下回動させ、このローリングアームからクローラフレームを介して左右の走行クローラを昇降させるローリング制御によって左右水平状態に修正する。従来では、このような左右の前部ローリングアームを支承する左右の前部ローリングメタルを、走行フレームの中央側に位置する左右の縦中フレームに各々独立して取り付けると共に、この取り付け時に該両メタルの一側に倒れ防止用の補強杆を貫通支持しているもの等が一般的であった。
【0003】
しかし、このように左右の前部ローリングメタルを走行フレームの左右の縦中フレームに各別に取り付ける場合、たとい補強杆によって貫通支持されていてもこれが組付け式のものであるため、このローリングメタルの取付姿勢がローリングアームの上下回動時の荷重によって撓みを生じ、機能的にも耐久的にも支障をきたすことになりかねないと共に、該両メタルの補強杆が横方向で低位置にあるため、走行面の凸部や軽度の障害物等に引っ掛かって走行を阻害され易いものであった。また、左右の前部ローリングメタルに補強杆を貫通させながら取り付ける必要があるため、部品点数が増えると共に、組立てが面倒で煩わしいものであった。
【0004】
そこでこの発明は、左右の前部ローリングメタルを連結杆により一体的に連結すると共に、この連結杆の中央部を上方側へ円弧状に湾曲させる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、走行フレーム(1)側に設ける左右のフレーム(7,7)の前側に左右の前部ローリングメタル(5,5)を取り付け、該左右の前部ローリングメタル(5,5)における軸受部を挟んだ前側と後側との位置に、前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)とを各々連結して一体的に構成すると共に、該前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)との中央部を上方側へ円弧状に湾曲させて形成し、前記左右の前部ローリングメタル(5,5)に左右の前部ローリング軸(2c,2c)を各々軸支し、該左右の前部ローリング軸(2c,2c)の内側端部に上部アーム(2a,2a)を取り付けて該左右の上部アーム(2a,2a)を挟んだ前側と後側との位置に前記前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)とが配置されるように構成すると共に、前記左右の前部ローリング軸(2c,2c)の外側端部に下部アーム(2b,2b)を取り付けて左右の 前部ローリングアーム(2,2)を形成して、該前部ローリングアーム(2,2)における下部アーム(2b,2b)の下端部と左右のクローラフレーム(24,24)の前部側とを回動可能に連結し、左右の後部ローリング軸(31,31)の内端部に上部アーム(3a,3a)を各々取り付けると共に該左右の後部ローリング軸(31,31)の外端部に下部アーム(3b,3b)を各々取り付けて左右の後部ローリングアーム(3,3)を形成し、該左右の後部ローリングアーム(3,3)における下部アーム(3b,3b)の下端部と前記左右のクローラフレーム(24)の後部側とを回動可能に連結し、前記左右の前部ローリングアーム(2,2)における上部アーム(2a,2a)の上端部と左右の後部ローリングアーム(3,3)における上部アーム(3a,3a)の中間部とを左右の連結杆(35,35)によって回動可能に連結すると共に、前記左右の後部ローリングアーム(3,3)における上部アーム(3a,3a)の上端部と左右のローリングシリンダ(36,36)のピストンの先端部とを連結して構成したことを特徴とする作業車の走行装置の構成とする。
請求項2記載の発明は、走行フレーム(1)側に設ける左右のフレーム(7,7)の前側に左右の前部ローリングメタル(5,5)を取り付け、該左右の前部ローリングメタル(5,5)における軸受部を挟んだ前側と後側との位置に、前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)とを各々連結して一体的に構成すると共に、該前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)との中央部を上方側へ円弧状に湾曲させて形成し、前記左右の前部ローリングメタル(5,5)に左右の前部ローリング軸(2c,2c)を各々軸支し、該左右の前部ローリング軸(2c,2c)の内側端部に上部アーム(2a,2a)を取り付けて該左右の上部アーム(2a,2a)を挟んだ前側と後側との位置に前記前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)とが配置されるように構成すると共に、前記左右の前部ローリング軸(2c,2c)の外側端部に下部アーム(2b,2b)を取り付けて左右の前部ローリングアーム(2,2)を形成して、該前部ローリングアーム(2,2)における下部アーム(2b,2b)の下端部と左右のクローラフレーム(24,24)の前部側とを回動可能に連結し、前記左右のフレーム(7,7)の後側にピッチングメタル(26,26)を各々固定すると共に該左右のピッチングメタル(26,26)にピッチング軸(27)を回動自在に軸支し、該ピッチング軸(27)の左右端部に左右のピッチングアーム(28,28)の一端部を軸支して、該左右のピッチングアーム(28,28)の他端部を連結アーム(29)の左右一端部に回動可能に連結し、左右の後部ローリング軸(31,31)の内端部に上部アーム(3a,3a)を各々取り付けると共に該左右の後部ローリング軸(31,31)の外端部に下部アーム(3b,3b)を各々取り付けて左右の後部ローリングアーム(3,3)を形成し、前記左右の後部ローリング軸(31,31)における上部アーム(3a,3a)と下部アーム(3b,3b)との間に前記連結アーム(29)の左右他端部を各々回動可能に軸支して、前記左右の後部ローリングアーム(3,3)における下部アーム(3b,3b)の下端部と前記左右のクローラフレーム(24)の後部側とを回動可能に連結し、前記ピッチングアーム(28)の他端部側を上方へ延長して該延長した上端部と前記走行フレーム(1)側に連結したピッチングシリンダ(33)のピストン先端部とを連結し、前記左右の前部ローリングアーム(2,2)における上部アーム(2a,2a)の上端部と左右の後部ローリングアーム(3,3)における上部アーム(3a,3a)の中間部とを左右の連結杆(35,35)によって回動可能に連結し、前記左右の後部ローリングアーム(3,3)における上部アーム(3a,3a)の上端部と左右のローリングシリンダ(36,36)のピストンの先端部とを連結すると共に、該左右のローリングシリンダ(36,36)と前記左右のピッチングアーム(28,28)の他端部側とを保持板(37,37)によって連結し、該左右のローリングシリンダ(36,36)と保持板(37,37)との連結部を前記走行フレーム(1)側の横フレーム(1b)にリンク(39,39)を介して各々揺動可能連結して構成したことを特徴とする作業車の走行装置の構成とする。
【0006】
【作用】
上記の構成により、作業車における走行時に、走行面の状態により車体が傾斜するときは、左右の前部及び後部ローリングアーム2,3を上下回動させ、この上下回動による走行クローラ等の昇降作用により車体を左右水平状態に修正させるが、この左右の前部ローリングアーム2,2を支承する左右の前部ローリングメタル5,5を前後の連結杆6a,6bによって一体的に連結し、この一体となった左右の前部ローリングメタル5,5を走行フレーム1側のフレーム7に取り付けることにより、左右の前部ローリングアーム2,2の上下回動時の荷重に対し左右の前部ローリングメタル5,5の取付部の撓みを少なくできると共に、この連結杆6a,6bを上方側へ円弧状に湾曲させて適宜高さhを確保することにより、走行面に対しロードクリアランスを大きくとることができる。
【0007】
【発明の効果】
請求項1,2記載の発明によると、従来の如く、左右の前部ローリングメタル5,5を組付け式の倒れ防止用補強杆を用い各々独立して左右のフレーム7,7に取り付けているときのように、左右の前部ローリングアーム2,2の上下回動時の荷重によってその取付部に撓みが生じ機能的にも耐久的にも支障をきたすようなことがなく、該両メタル5,5が荷重による影響を受け難いものである。また、該補強杆を横方向で低位置に設けているときのように、走行面の凸部や軽度の障害物等によって走行を阻害されるようなことがなく、特にコンバイン等においては湿田等での泥土の抜けがよく円滑に走行することができる。また、該両メタル5,5を単一部品に纏めて部品点数を少なくすることができるから、左右のフレーム7,7に簡単容易に取り付けることができる。
【0008】
【0009】
【実施例】
以下に、この発明の実施例を作業車としてのコンバインについて図面に基づき説明する。
図8はコンバインの全体構成を示すもので、走行フレーム1の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クロ−ラ8を有する走行装置9を配設し、該走行フレーム1上にフィ−ドチェン10に挟持して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留するグレンタンク11と、このタンク11の穀粒を機外に排出する排穀オーガ12とを備えた脱穀装置13を載設する。
【0010】
該脱穀装置13の前方側に前端位置から立毛穀稈を分草する分草体14と、分草された穀稈を引き起こす引起部15と、引き起こされた穀稈を刈り取る刈刃部16と、この刈り取られた穀稈を後方側へ搬送しながら横倒れ姿勢に変更して、該フィ−ドチェン10へ受渡しする掻込及び供給搬送部17を有する刈取装置18を、該走行フレーム1の前端部へ懸架部19によって懸架支持すると共に、油圧駆動による刈取昇降シリンダ20によって土壌面に対し昇降自在に装架して設ける。
【0011】
該刈取装置18の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置21と、この操作のための操作席22とを設け、この操作席22の後方側に該グレンタンク11を配置すると共に、これらの走行装置9,脱穀装置13,刈取装置18,操作装置21等によってコンバインの車体4を構成する。
図3及び図4はコンバインの走行装置9を示すもので、前記走行フレーム1は角パイプ等によって形成される略方形状の外周フレーム1aと、この外周フレーム1aに対して適宜位置に複数の縦及び横方向の縦中フレーム7と横中フレーム1bとを各々配置して構成する。
【0012】
該走行フレーム1の中央側に配置した左右の縦中フレ−ム(フレーム)7の前側下部に箱状で各々左右側に折曲させて形成した支持枠23を固着し、この左右の支持枠23の下面側に各々前部ローリングメタル5を螺子5a等により締結固定して設け、この左右の前部ローリングメタル5の軸受部を挟んだ前後側位置に、各々前後の連結杆6a,6bを連結して一体構造とすると共に、この前後の連結杆6a,6bの中央部近傍を上方側へ各々適宜高さh、つまりロードクリアランスを有利に確保可能な高さhに円弧状に湾曲形成して構成する。(図1及び図2参照)
該左右の前部ローリングメタル5に各々回動可能に軸支した左右の前部ローリング軸2cの内側端部と外側端部に、各々上部アーム2aと下部アーム2bとを側面視く字状に分割軸止して左右の前部ローリングアーム2を形成する。この左右の前部ローリングアーム2の下部アーム2bの下端部位置と、左右の縦中フレ−ム7の外側下方に各々位置する左右のクローラフレーム24の前部側位置とを回動可能にピン25により連結して構成する。
【0013】
該左右の縦中フレ−ム7の後側下部に各々固定したピッチングメタル26にピッチング軸27を回動可能に軸支し、このピッチング軸27の左右側端部に各々左右のピッチングアーム28の一端部を軸止すると共に、その他端部と、平面視H字状の連結アーム29の左右側の一端部とを回動可能に各々ピン30により連結して構成する。
【0014】
左右の後部ローリング軸31の内端部と外端部に、各々上部アーム3aと下部アーム3bとを側面視く字状に分割軸止して左右の後部ローリングアーム3を形成すると共に、該左右の後部ローリング軸31の上部アーム3aと下部アーム3bの間に該連結アーム29の左右側他端部を各々回動可能に軸支し、該左右の後部ローリングアーム3の下部アーム3bの下端部位置と、該左右のクローラフレーム24の後部側位置とを回動可能にピン32により連結して構成する。
【0015】
該右のピッチングアーム28の他端部側を上方へ延長し、この延長した上端部と、前記走行フレーム1の上側に設けた油圧等によって伸縮作用するピッチングシリンダ33のピストン先端部とをピン連結すると共に、このピッチングシリンダ33の固定側を横中フレ−ム(横フレーム)1bの上側に固定した取付部34に回動可能にピン連結して構成する。
【0016】
該左右の前部ローリングアーム2の上部アーム2aの上端部と、該左右の後部ローリングアーム3の上部アーム3aの中間部とを各々4点平行リンクを形成可能に左右の連杆(連結杆)35によって回動可能にピン連結して構成する。
該左右の後部ローリングアーム3の上部アーム3aを、連杆35の連結位置より更に上方側へ延長し、その上端部と、油圧等によって伸縮作用する左右のローリングシリンダ36のピストンの先端部とを各々ピン連結すると共に、この左右のローリングシリンダ36の固定側と、左右のピッチングアーム28の他端部から突出させた突起部とを、帯状の保持板37により各々両側より挾む状態で回動可能にピン38により連結し、該固定側の連結部をリンク39を介して揺動可能に該横中フレーム1bに各々連結して構成する。
【0017】
このように、該左右の前部及び後部ローリングアーム2,3と左右のローリングシリンダ36の作用により、車体4を昇降又は左右傾斜させるローリング機構と、該ピッチングアーム28とピッチングシリンダ33の作用により、車体4を前後傾斜させるピッチング機構の演算制御を行わせるコントローラ40を設けて構成する。
【0018】
前記左右のクローラフレーム24の後端上部側に、各々左右の後部転輪41を回動可能に支持する後部転輪受42と、この後部転輪受42を前後調節可能に保持する支持ア−ム43とを後方に向け固着すると共に、該左右のクローラフレーム24の外側面下部側に、各々所定の間隔をおいて複数個の接地転輪44を遊転自在に軸支する。これら左右の後部転輪41及び複数個の接地転輪44と、走行フレーム1の前端部に装架した走行用ミッションケ−ス45から動力を伝達する駆動輪46とに、前記左右の走行クロ−ラ8を各々巻掛け張設して構成する。47は補助転輪を示す。
【0019】
前記ピッチングシリンダ33の伸縮ストロークを検出する前後ストロークセンサ48を該シリンダ33の下部側に設け、このセンサ48の作用アームとピッチングアーム28上端部近傍とをロット49により連結すると共に、該左右のローリングシリンダ36の伸縮ストロークを検出する左右ストロークセンサ50を該左右のシリンダ36の上部に設け、このセンサ50の作用アームと後部ローリングアーム3の上端連結部とをロット51により連結して構成する。
【0020】
車体4の前後傾斜を検出する前後傾斜センサ52と、左右傾斜を検出する左右傾斜センサ53とを、前記走行フレーム1のグレンタンク11下部側空間に配置すると共に(図7参照)、該前後及び左右傾斜センサ52,53による傾斜状態の検出により車体4の水平状態への調整制御を自動的に行わせる前後スイッチ54及び左右スイッチ55と、車体4を前後左右に適宜に傾斜させる4箇の押ボタンからなる手動の傾斜スイッチ56と、車体4を昇降させる手動の車高スイッチ57とを各々前記操作装置21の一側に配置して構成する。(図8参照)
図5に示す如く、前記CPUを主体的に配してローリング機構とピッチング機構の演算制御を行うコントローラ40の入力側に、前記前後ストロークセンサ48,左右ストロークセンサ50,前後傾斜センサ52,左右傾斜センサ53,前後スイッチ54,左右スイッチ55,傾斜スイッチ56,車高スイッチ57等を各々接続すると共に、その出力側へ、前記ピッチングシリンダ33を作動させる伸長側のピッチング電磁弁58と短縮側のピッチング電磁弁59,左右のローリングシリンダ36を作動させる伸長側の左右のローリング電磁弁60と短縮側の左右のローリング電磁弁61,アンロード弁62等を各々接続して構成する。
【0021】
車体4がピッチングを起こして前後側に傾斜するときは、前後スイッチ54のONと前後傾斜センサ52による傾斜の検出により、コントローラ40を制御してピッチングシリンダ33を作動させ、ピッチングアーム28の上下回動作用により、連結アーム29を介して左右の後部ローリングアーム3により左右のクローラフレーム24の後部側を前部ローリング軸2cを支点として上下動させて、走行フレーム1に対して左右の走行クロ−ラ8を同時に昇降させることにより、相対的に車体4を前後傾斜させて水平状態に調整するピッチング制御を行わせることができる。
【0022】
また、車体4がローリングを起こして左右側に傾斜するときは、左右スイッチ55のONと左右傾斜センサ53による傾斜の検出により、コントローラ40を制御して左又は右のローリングシリンダ36を作動させ、前部及び後部ローリングアーム2,3と連杆35による平行リンク作用により左又は右のクローラフレーム24を平行に上下動させて、走行フレーム1に対して左又は右の走行クロ−ラ8を昇降させることにより、相対的に車体4を左右傾斜させて水平状態に調整するローリング制御を行わせることができる。
【0023】
また、車体4を走行クロ−ラ8に対して平行に昇降させるときは、車高スイッチ57のONにより左右のローリングシリンダ36を同時に同量作動させ、前部及び後部ローリングアーム2,3と連杆35による平行リンク作用により左右のクローラフレーム24を平行に上下動させて、走行フレーム1に対し左右の走行クロ−ラ8を同一に昇降させることにより、相対的に車体4を平行に昇降させることができる。
【0024】
このような作用を行うときに、左右の前部ローリングアーム2の上下回動作用を支承する左右の前部ローリングメタル5を、前後の連結杆6a,6bにより連結して強固な一体構造とすることにより、左右の前部ローリングメタル5が左右の前部ローリングアーム2の上下回動時の荷重を受けて、その取付部が撓む現象を小さく抑制することができると共に、該前後の連結杆6a,6bの中央部近傍を上方側へ各々適宜高さh円弧状に湾曲させて、走行土壌面に対するロードクリアランスを大きく確保することにより、湿田等における泥土の抜けがよくなり円滑に走行することができる。
【0025】
なお、該前後の連結杆6a,6bが、左右の前部ローリングメタル5の軸受部を挟んだ前後側位置に一体構造で連結されていることにより、部品製作時の捩じれ等が少なく製作が容易であり、単一部品に纏めることができるから部品点数を削減できると共に、左右の縦中フレーム7への取り付けが容易となる。
また、従来において、左右の縦中フレーム7の左右の前部ローリングメタル5の取付位置近傍を補強している横方向の連結フレームfを、左右の前部ローリングメタル5を前後の連結杆6a,6bによって連結することにより省略して部品を節減することが可能となるが、別案として、図6に示す如く、この連結フレームfを省略せずにそのまま使用し、左右の前部ローリングメタル5の前後の連結杆6a,6bのうち該連結フレームfと重複する前連結杆6aを省略して、後連結杆6bのみを連結して一体構造となるよう変更することにより、前後の連結杆6a,6bを連結した場合と同じ効果を有するものである。
【0026】
また、図7に示す如く、前記走行フレーム1の左右の縦中フレーム7の略中間位置における前端側外周フレーム1aと横中フレーム1bとの間に、脱穀装置13を補助的に支持するための縦補助フレーム63が連結されているが、この縦補助フレーム63の前端側外周フレーム1aとの接続部分に、油圧ホースやハーネス等の配設物pがこの縦補助フレーム63を横切るときに、走行フレーム1の上面より突出しないよう収納する収納溝63aを設けて構成する。
【0027】
このように、前記ピッチングシリンダ33と右のローリングシリンダ36の油圧ホースやその他電気回路のハーネス等を束ねた配設物pは、配設の都合上該縦補助フレーム63を横切ることが必要となるが、このとき、縦補助フレーム63に収納溝63aを設けていることにより、走行フレーム1の上面から突出しないよう配設物pを収納することができるから、配設に無理を生じることがないと共に、この配設物pが近傍を通過するエンジンEからの伝動ベルトd等に接触して損傷するようなことがない。なお、該収納溝63aに蓋64を設けるようにしてもよい。
【0028】
また、上記と異なる実施例として、図9に示す如く、左右水平制御を行わない型式のものにおいて、前記走行フレーム1の左の縦中フレーム7に相当するものとして左の縦中フレーム65を設け、この左の縦中フレーム65の前側下部と後側下部に、前記前部ローリングメタル5と略同形状の前部及び後部ローリングメタル66を各々取り付け、この両ローリングメタル66に、前記前部ローリングアーム2と略同形状の前部及び後部ローリングアーム67を各々回動可能に軸支し、この両ローリングアーム67の各下部アーム67bの下端部位置と、左の縦中フレーム65の外側下方に位置する左のクローラフレーム68の前部側と後部側とを各々回動可能にピン68a連結して構成する。
【0029】
該前部及び後部ローリングアーム67の各上部アーム67aの上端部位置間を連杆69により各々回動可能にピン連結し、この連杆69の中間部位置に調節取付金69aを突設すると共に、該左右の縦中フレーム65間の上面に横方向に前後の受金フレーム70を各々連結し、この前後の受金フレーム70間の該調節取付金69aと重接する位置に、複数の調節孔70bを設けた調節受金70aを固着して設け、この調節受金70aの調節孔70bと調節取付金69aの取付孔69bとを貫通固定する固定ピン71を設けて構成する。なお、右側の構成については左側と左右対称とする。
【0030】
このように、左右水平制御を行わない型式のものに左右水平制御を行う型式の部品、例えば前部ローリングアーム2や前部ローリングメタル5等を共用化することによって、組立ても同じ手順で行うことができると共に、固定ピン71による調節取付金69aと調節受金70aの調節孔70b位置の変更により連杆69を前後に移動させ、前部及び後部ローリングアーム67の回動に伴うクローラフレーム68の上下動により車高を有段に調節規制することができる。なお、クローラフレーム68を取り替えることにより容易に接地長の変更も可能である。
【0031】
また、左右水平制御を行わない型式のものでも上記とは多少異なる実施例として、図10に示す如く、前記走行フレーム1を供用して縦中フレーム7の支持枠23を後部にも設けその両下面部に、前記前部ローリングメタル5と略同形状の前部及び後部ローリングメタル72を各々固定し、この両メタル72の軸受部に各々スプラインSを設けると共に、前記前部ローリングアーム2の下部アーム2bと略同形状の前部及び後部の下部アーム73の軸支部にも同じスプラインSを各々設け、この両スプラインS部にスプラインSを設けた前部及び後部アーム軸74を各々嵌挿支持し、この支持された両下部アーム73の下端部位置と、縦中フレーム7の外側下方に位置するクローラフレーム75の前部側と後部側とを各々回動可能にピン75a連結して構成する。なお、これらの構成については左右対称とする。
【0032】
このように、左右水平制御を行わない型式のものに左右水平制御を行う型式の部品、例えば走行フレーム1,前部ローリングメタル5,前部ローリングアーム2の下部アーム2b等の大物部品を含めて共用化することによって、構成が容易であり組立ても同じ手順で行うことができると共に、前部及び後部ローリングメタル72と前部及び後部の下部アーム73と前部及び後部アーム軸74とを各スプラインSにより回動角度を変更させ、両下部アーム73の回動に伴うクローラフレーム75の上下動により車高を有段に調節規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 走行フレームに対する左右の前部ローリングメタルの取付関係を示す斜視図。
【図2】 走行フレームに対する左右の前部ローリングメタルの取付関係を示す正面図。
【図3】 走行装置における走行クローラの昇降機構関係を示す側面図。
【図4】 走行装置における走行クローラの昇降機構関係を示す平面図。
【図5】 機体の左右及び前後水平制御の自動回路を示すブロック図。
【図6】 走行フレームに対する左右の前部ローリングメタルの取付関係を示す斜視図。
【図7】 走行フレームの構成を示す斜視図及び一部の側面図。
【図8】 コンバインの全体構成を示す側面図。
【図9】 別実施例の左右水平制御を行わないものの車高調節機構を示す斜視図。
【図10】 別実施例の左右水平制御を行わないものの車高調節機構を示す側面図及び斜視図。
【符号の説明】
1 走行フレーム
1b 横中フレーム(横フレーム)
2 前部ローリングアーム
2a 上部アーム
2b 下部アーム
2c 前部ローリング軸
3 後部ローリングアーム
3a 上部アーム
3b 下部アーム
5 前部ローリングメタル
6a 前側の連結杆
6b 後側の連結杆
7 縦中フレーム(フレーム)
24 クローラフレーム
26 ピッチングメタル
27 ピッチング軸
28 ピッチングアーム
29 連結アーム
31 後部ローリング軸
33 ピッチングシリンダ
35 連杆(連結杆)
36 ローリングシリンダ
37 保持板
39 リンク
Claims (2)
- 走行フレーム(1)側に設ける左右のフレーム(7,7)の前側に左右の前部ローリングメタル(5,5)を取り付け、該左右の前部ローリングメタル(5,5)における軸受部を挟んだ前側と後側との位置に、前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)とを各々連結して一体的に構成すると共に、該前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)との中央部を上方側へ円弧状に湾曲させて形成し、前記左右の前部ローリングメタル(5,5)に左右の前部ローリング軸(2c,2c)を各々軸支し、該左右の前部ローリング軸(2c,2c)の内側端部に上部アーム(2a,2a)を取り付けて該左右の上部アーム(2a,2a)を挟んだ前側と後側との位置に前記前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)とが配置されるように構成すると共に、前記左右の前部ローリング軸(2c,2c)の外側端部に下部アーム(2b,2b)を取り付けて左右の前部ローリングアーム(2,2)を形成して、該前部ローリングアーム(2,2)における下部アーム(2b,2b)の下端部と左右のクローラフレーム(24,24)の前部側とを回動可能に連結し、左右の後部ローリング軸(31,31)の内端部に上部アーム(3a,3a)を各々取り付けると共に該左右の後部ローリング軸(31,31)の外端部に下部アーム(3b,3b)を各々取り付けて左右の後部ローリングアーム(3,3)を形成し、該左右の後部ローリングアーム(3,3)における下部アーム(3b,3b)の下端部と前記左右のクローラフレーム(24)の後部側とを回動可能に連結し、前記左右の前部ローリングアーム(2,2)における上部アーム(2a,2a)の上端部と左右の後部ローリングアーム(3,3)における上部アーム(3a,3a)の中間部とを左右の連結杆(35,35)によって回動可能に連結すると共に、前記左右の後部ローリングアーム(3,3)における上部アーム(3a,3a)の上端部と左右のローリングシリンダ(36,36)のピストンの先端部とを連結して構成したことを特徴とする作業車の走行装置。
- 走行フレーム(1)側に設ける左右のフレーム(7,7)の前側に左右の前部ローリングメタル(5,5)を取り付け、該左右の前部ローリングメタル(5,5)における軸受部を挟んだ前側と後側との位置に、前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)とを各々連結して一体的に構成すると共に、該前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)との中央部を上方側へ円弧状に湾曲させて形成し、前記左右の前部ローリングメタル(5,5)に左右の前部ローリング軸(2c,2c)を各々軸支し、該左右の前部ローリング軸(2c,2c)の内側端部に上部アーム(2a,2a)を取り付けて該左右の上部アーム(2a,2a)を挟んだ前側と後側との位置に前記前側の連結杆(6a)と後側の連結杆(6b)とが配置されるように構成すると共に、前記左右の前部ローリング軸(2c,2c)の外側端部に下部アーム(2b,2b)を取り付けて左右の前部ローリングアーム(2,2)を形成して、該前部ローリングアーム(2,2)における下部アーム(2b,2b)の下端部と左右のクローラフレーム(24,24)の前部側とを回動可能に連結し、前記左右のフレーム(7,7)の後側にピッチングメタル(26,26)を各々固定すると共に該左右のピッチングメタル(26,26)にピッチング軸(27)を回動自在に軸支し、該ピッチング軸(27)の左右端部に左右のピッチングアーム(28,28)の一端部を軸支して、該左右のピッチングアーム(28,28)の他端部を連結アーム(29)の左右一端部に回動可能に連結し、左右の後部ローリング軸(31,31)の内端部に上部アーム(3a,3a)を各々取り付けると共に該左右の後部ローリング軸(31,31)の外端部に下部アーム(3b,3b)を各々取り付けて左右の後部ローリングアーム(3,3)を形成し、前記左右の後部ローリング軸(31,31)における上部アーム(3a,3a)と下部アーム(3b,3b)との間に前記連結アーム(29)の左右他端部を各々回動可能に軸支して、前記左右の後部ローリングアーム(3,3)における下部アーム(3b,3b)の下端部と前記左右のクローラフレーム(24)の後部側とを回動可能に連結し、前記ピッチングアーム(28)の他端部側を上方へ延長して該延長した上端部と前記走行フレーム(1)側に連結したピッチングシリンダ(33)のピ ストン先端部とを連結し、前記左右の前部ローリングアーム(2,2)における上部アーム(2a,2a)の上端部と左右の後部ローリングアーム(3,3)における上部アーム(3a,3a)の中間部とを左右の連結杆(35,35)によって回動可能に連結し、前記左右の後部ローリングアーム(3,3)における上部アーム(3a,3a)の上端部と左右のローリングシリンダ(36,36)のピストンの先端部とを連結すると共に、該左右のローリングシリンダ(36,36)と前記左右のピッチングアーム(28,28)の他端部側とを保持板(37,37)によって連結し、該左右のローリングシリンダ(36,36)と保持板(37,37)との連結部を前記走行フレーム(1)側の横フレーム(1b)にリンク(39,39)を介して各々揺動可能連結して構成したことを特徴とする作業車の走行装置。
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JP15073597A JP3890677B2 (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 作業車の走行装置 |
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JP15073597A JP3890677B2 (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 作業車の走行装置 |
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JPH10338178A JPH10338178A (ja) | 1998-12-22 |
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-
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JPH10338178A (ja) | 1998-12-22 |
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