JP3890418B2 - 発光器具 - Google Patents

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Description

本発明は、真空紫外光を利用する発光器具に関する。
従来より、波長200nm以下の紫外光、すなわち真空紫外領域の紫外光で励起される真空紫外光用蛍光体が種々提案されている。これら各種真空紫外光用蛍光体は、希ガスランプ等の照明装置やプラズマディスプレイ等の表示装置に広く用いられている。
このような用途に用いる真空紫外光用蛍光体としては、様々な種類のものが知られており、ほとんどは無機物質から構成されている。これらの真空紫外光用蛍光体のうち、いくつかの種類のものは水銀線用蛍光体を改良することによって得られている。
水銀線用蛍光体とは、水銀線(254nm)の波長域の紫外光で励起される蛍光体であり、これを改良して得られる真空紫外光用蛍光体としては、たとえば、緑色に発光するBaAl1219:Mn2+、Zn2SiO4:Mn2+等、赤色に発光する(Y.Gd)BO3
Eu3+、Y23:Eu3+等、青色に発光するBaMgAl1019:Eu2+などが一般的に良く用いられている。その他にも、真空紫外領域で励起されやすい工夫を凝らした、アルカリ土類金属のアルミノケイ酸塩蛍光体(特許文献1)、希土類酸化物蛍光体(特許文献2)、希土類リン酸蛍光体(特許文献3)、などの真空紫外光用蛍光体が知られている。
しかしながら、これらの蛍光体は、一般に母材が紫外光をあまり透過しないため、まず粉体状に加工する必要がある。しかも発光に寄与するのが粉体の最表面層(数十nm程度)のみであり、通常の水銀線の紫外光を照射した場合と比較して、輝度が著しく低いという問題がある。また、照射された紫外光を母材が吸収するため、蛍光体の照射欠陥などを生じやすく、材料劣化が激しいという問題もある。特に、上記の蛍光体をプラズマディスプレイで使用した場合、イオン衝撃が大きいため、材料劣化が非常に激しく、プラズマディスプレイの寿命が短くなるなどの問題を生じさせている。
さらに、上記した従来の蛍光体は、真空紫外光によって励起されると、温度劣化しやすいという欠点がある。特に、青色蛍光体であるBaMgAl1019:Eu2+は、有機バインダーを300〜500℃でベーキング処理する際に表面のEu2+(二価ユーロピウムイオン)が酸化されるために、劣化しやすいという欠点がある。
そこで、これらの蛍光体における問題点の解消を図るべく、様々な新規蛍光体が提案されている。具体的には、上記のような照射欠陥、材料劣化、温度消失等の不具合を防ぐことを目的として、表面に酸化物皮膜を形成した真空紫外光用蛍光体がいくつか提案されている(下記特許文献4〜6等参照)。また、蛍光の輝度を根本的に増加させることを目的として、母材に紫外光透過率の高いフッ化物を使用した真空紫外光用蛍光体(下記特許文献7参照)も提案されている。
しながら、上述した新規な蛍光体においても、実用上、未だ克服すべき種々の課題が残されている。例えば、表面に酸化物皮膜を形成した真空紫外光用蛍光体では、母材自体の紫外光透過率を向上する工夫がなされている訳ではない。そのため、発光するのは蛍光体の最表面層のみであることに変わりはない。したがって、発光強度が低いことなどの、従来の真空紫外光用蛍光体が抱える問題点を根本的に解決するには至っていない。
また、フッ化物を使用した真空紫外光用蛍光体は、母体がフッ化物であるため、酸化物
を母材とした真空紫外光用蛍光体に比べると、化学的・機械的にはるかに不安定であり、実用性に欠けるという欠点がある。また、フッ化物等は環境に対しても悪影響を及ぼす等問題が多い。
特開2002−294230号公報 特開2002−256262号公報 特開2002−212553号公報 特開平8−319483号公報 特開平10−330746号公報 特開平10−298548号公報 特開2002−020745号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、上記した問題点を解消し得る、優れた性能を有する真空紫外光用蛍光体を開発すると共に、その特性を利用した新規な発光器具を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、重金属及び希土類元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を酸化物として含むアルカリホウケイ酸塩ガラスに熱処理を施してSiO2を主成分とする不溶相と、B23を主成分と
する可溶相とに分相させ、その後酸処理を施すと、非常に高い紫外線透過率を有する高ケイ酸質の多孔質ガラスが得られることを見出した。そして、該多孔質ガラスに特定の金属成分を吸着させた後焼成することによって、化学的・機械的安定性に優れ、且つ真空紫外領域の光を照射すると強く蛍光を発する蛍光体を得ることができ、この蛍光体を発光体とすることによって、各種用途に有効に利用できる優れた性能の発光器具が得られることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発光器具を提供するものである。
1. 少なくとも一部が真空紫外光によって発光する蛍光体により形成された密閉容器と、該密閉容器に設けられた真空紫外光の照射源とを有する発光器具であって、
該蛍光体が、SiO2を96重量%以上、B23を0.5〜2重量%、Al23を0.
1〜0.8重量%、並びに周期表3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分を50〜2000ppm含有し、Feの存在量が5ppm以下の高ケイ酸ガラスであることを特徴とする発光器具。
2. 蛍光体が、高ケイ酸多孔質ガラスを焼成して得られる高ケイ酸ガラスを母材として、該多孔質ガラスの細孔部の焼結によって形成されるシリカ相の界面部分に、周期表3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分が分散した構造のガラスである上記項1に記載の発光器具。
3. 蛍光体が、下記(i)〜(iv)の工程で得られる高ケイ酸ガラスであることを特徴とする上記項1又は2に記載の発光器具:
(i)重金属及び希土類元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を酸化物とし
て含むアルカリホウケイ酸塩ガラスに熱処理を施して分相させる工程、
(ii)上記(i)工程で分相処理が施されたアルカリホウケイ酸ガラスに対して酸処理を行い、多孔質ガラスとする工程、
(iii)上記(ii)工程で得られた多孔質ガラスに、周期表3A族、4A族、5A族、6
A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分を吸着させる工程、
(iv)上記(iii)工程で金属成分を吸着させた多孔質ガラスを焼成する工程。
4. アルカリホウケイ酸塩ガラスが、MnO2、CeO2、Cr23、Co23及びCuOからなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物を0.1〜2重量%含有するものである上記項3に記載の発光器具。
5. 多孔質ガラスに吸着させる金属成分が、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Ag、Eu、Ce及びTbからなる群から選ばれた少なくとも一種である上記項3又は4に記載の発光器具。
6. 真空紫外光の照射源が、該密閉容器中に封入された希ガス及び該密閉容器に設けられた紫外光発生用電極からなるものである上記項1〜5のいずれかに記載の発光器具。
7. 密閉容器内に封入された希ガスが、キセノン、クリプトン、アルゴン又はヘリウムである上記項6に記載の発光器具。
8. 真空紫外光の照射源が、密閉容器外で発生させた真空紫外光を閉容器中に導入して照射する構造の真空紫外光照射装置である上記項1〜5のいずれかに記載の発光器具。
9. 密閉容器の少なくとも一部を構成する蛍光体が、管状、湾曲面状、矩形状、平板状又はレンズ状である上記項1〜8のいずれかに記載の発光器具。
10.上記項1〜9のいずれかに記載の発光器具を複数個配置した照明装置。
本発明の発光器具は、少なくとも一部が真空紫外光によって発光する蛍光体(以下、「真空紫外光蛍光体」ということがある)により形成された密閉容器と、該密閉容器中に備えられた紫外光の照射源とを有するものである。
まず、本発明の発光器具で用いる蛍光体及びその製造方法について説明する。
蛍光体及びその製造方法
発光器具の材料とする真空紫外光用蛍光体は、紫外線透過率の高い高ケイ酸ガラスを母材として、その中に特定の金属成分が凝集することなく分散したものである。この様な真空紫外線用蛍光体は、高い紫外光透過率を有し、耐熱性、化学的耐久性、機械的強度などに優れ、更に、真空紫外領域の紫外線の放射により強い蛍光を発するものである。
(1)原料ガラス:
該真空紫外光用蛍光体を製造する際には、原料として、重金属及び希土類元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を酸化物として含むアルカリホウケイ酸塩ガラスを用いる。この様なアルカリホウケイ酸ガラスによれば、後述する分相工程において、該アルカリホウケイ酸ガラスに熱処理を施してSiO2を主成分とする不溶相(ケイ酸相)と
、B23を主成分とする可溶相(ホウ酸相)とに分相させる際に、該ガラス中に不可避的に含まれる低価数の鉄イオン(Fe2+)をFe3+としてホウ酸相に濃縮させることができる。
該アルカリホウケイ酸ガラスとしては、重金属及び希土類元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を含有する以外は、公知のアルカリホウケイ酸ガラスと同様の組成のものを用いることができる。この様なアルカリホウケイ酸ガラスは、通常、Si、B、O、Na、Al、Ca等の元素を含むガラスである。
具体的には、ガラス全体の重量を基準として、SiO2を45〜60重量%程度、B23を24〜36重量%程度、アルカリ金属酸化物を5〜9重量%程度、Al23を1〜4
重量%程度、CaOを2〜6重量%程度含有するガラスを用いることができる。該アルカリホウケイ酸ガラスには、その他の金属酸化物が3重量%程度まで含まれても良い。
重金属及び希土類元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素の含有量については、これらの元素を酸化物として換算した量が、ガラス全体の重量を基準として0.1〜2重量%程度であることが好ましい。
アルカリホウケイ酸ガラス中に含まれる重金属及び希土類元素の内で、重金属としては、Mn、Cr、Co、Cu等を例示できる。希土類元素としては、Ce等を例示できる。重金属及び希土類元素は、酸化物の形態として一種又は二種以上が含まれることが必要である。これらの酸化物は、高価数の酸化物としてガラス中に含まれることが好ましい。例えば、Mn、Cr、Co、Cu及びCeについては、それぞれ、MnO2、CeO2、Cr23、Co23及びCuOとして含まれることが好ましい。これらの高価数の酸化物は、酸化剤として機能するため、ホウケイ酸ガラス中の鉄をより効果的にFe3+の状態にすることができる。
該アルカリホウケイ酸ガラスは、通常のアルカリホウケイ酸ガラス用の原料と同様の原料を用いて、目的とする組成となるように原料を混合し、加熱して溶融させた後、冷却することによって製造することができる。例えば、大気中などの含酸素雰囲気中で、1350〜1450℃程度で原料を溶融させた後、冷却すればよい。
上記した溶融工程は、2回行うことが好ましい。それぞれの溶融工程の条件は、上記した条件と同様でよい。溶融工程を2回行うことによって、溶融を一回だけ行う場合と比較して、より紫外光透過率の高い真空紫外光用蛍光体を製造することができる。溶融工程を2回行う場合には、ホウ素源となる化合物、例えば、ホウ酸については、2回目の溶融工程において添加することが好ましい。これにより、得られる真空紫外光用蛍光体の母材の紫外光透過率をより高くすることができる。
(2)分相及び酸処理工程
上記したアルカリホウケイ酸ガラスに熱処理を施すことによって、該ガラスを、SiO2を主成分とする不溶相(ケイ酸相)と、B23を主成分とする可溶相(ホウ酸相)とに
分相させる。
熱処理の条件については、十分に分相が進行するように適宜決めればよく、通常、大気中などの含酸素雰囲気中において550〜650℃程度で20〜80時間程度加熱すればよい。
この際、アルカリホウケイ酸ガラス中に不可避的に含まれる低価数の鉄イオン(Fe2+)が酸化されて高価数の鉄イオン(Fe3+)の状態となる。高価数の金属イオンは、ホウ酸相に濃縮される傾向があるので、高価数のFe3+となった鉄は、ホウ酸相中に濃縮される。
次いで、分相処理を施したアルカリホウケイ酸ガラスに対して酸処理を行う。酸処理を行うことによって、B23を主成分とする可溶相(ホウ酸相)が溶出して多孔質ガラスとなる。この際、ホウ酸相に分散している鉄イオンが、ホウ素、ナトリウム、カルシウムなどのイオンと共に除去されて、Fe含有量の低い高ケイ酸質の多孔質ガラスが得られる。
酸処理については、可溶相が十分に溶出される条件とすればよく、例えば、米国特許第2106744号に記載された酸処理条件と同様の条件で行うことができる。例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸を0.5〜2規定程度の濃度で含む酸水溶液を用い、分相処理を施したアルカリケイ酸ガラスをこの溶液中に80〜100℃程度で16〜40時間程度浸漬すればよい。処理時間が不足すると、ホウ酸相を十分に溶出させることができず、一方、処理時間が長くなると、ガラスに割れなどが生じ易くなるので好ましくない。
上記した酸処理は、2回以上繰り返しても良い。
また、上記アルカリホウケイ酸塩ガラスは、酸処理時において、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)又はその塩を含有する酸性溶液を用いて、更に、処理を行うことが好ましい。この処理によれば、EDTAがアルカリホウケイ酸塩ガラス中の金属と錯塩を形成するため、製造される真空紫外光用蛍光体中のFe濃度をさらに低下させることができる。その結果、波長185nm付近において、母材が石英ガラスとほぼ同程度の紫外光透過率を有する真空紫外光用蛍光体を得ることができる。
EDTA又はその塩を含有する酸性溶液による処理の条件については、特に限定的ではないが、例えば、塩酸、硝酸、硫酸などの酸を含む水溶液中に、EDTA及びその塩から選ばれた少なくとも一種の成分を0.1〜0.3重量%程度添加した水溶液を用い、この水溶液中にアルカリケイ酸ガラスを浸漬すればよい。この酸性水溶液のpHについては、特に限定的ではないが、通常、1〜3程度のpH値であることが好ましい。処理温度については、特に限定的ではないが、通常80〜100℃程度とすればよく、処理時間については、通常、16〜48時間程度とすればよい。
尚、上記した酸処理及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)又はその塩を含有する酸性溶液による処理の終了後、必要に応じて、得られた多孔質ガラスを大気中等の含酸素雰囲気中で300〜500℃程度に加熱して、1〜5時間程度乾燥させてもよい。これにより、多孔質ガラスに吸着した酸、EDTA、硝酸アニオンなどを分解して、より優れた性能のガラスとすることができる。
(3)吸着工程
次いで、上記した方法で得られた多孔質高ケイ酸ガラスに金属成分を吸着させる。金属成分は、金属原子または金属イオンの形態で吸着させればよい。金属原子と金属イオンを同時に吸着させてもよい。
吸着させる金属成分としては、周期表3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分(以下、「発光元素成分」ということがある)を用いる。これらの金属成分は、一種のみ吸着させてもよく、或いは二種以上吸着させても良い。
周期表3A族に属する元素としては、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、およびランタノイド(La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム))等が挙げられる。周期表4A族に属する元素としては、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)等が挙げられる。周期表5A族に属する元素としては、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)等が挙げられる。周期表6A族に属する元素としては、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)等が挙げられる。周期表7A族に属する元素としては、Mn(マンガン)、Tc(テクネチウム)、Re(レニウム)等が挙げられる。また、周期表8族に属する元素としては、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Os(オスミウム)、Ir(イルジウム)、Pt(白金)等が挙げられる。また、周期表1B族に属する元素としては、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)等が挙げられる。また、周期表2B族に属する元素としては、Zn(亜鉛)、Cd(カドミウム)、Hg(水銀)等が挙げられる。また、周期表4B族に属する元素としては、Si(ケイ素)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)等が挙げられる。
これらの内で、特に、周期表第4周期に属する元素、第5周期に属する元素、ランタノ
イドなどが好ましい。これらの元素を金属原子又はイオンとして吸着させることにより、特に発光強度の高い真空紫外光用蛍光体を得ることができる。
周期表第4周期に属する元素及び第5周期に属する元素としては、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Ag等が好ましく、ランタノイドとしては、Eu、Ce、Tb等が好ましい。これらの元素は、一種単独又は二種以上混合して用いることができ、金属原子又はイオンとして吸着させればよい。特に、Cu,Sn、Zn、Eu,Gd及びTbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分が好ましい。
多孔質高ケイ酸ガラスに発光元素成分を吸着させるには、具体的には、上記した発光元素成分を含む溶液中に、多孔質高ケイ酸ガラスを浸漬する方法、発光元素成分を含む溶液を多孔質高ケイ酸ガラスに塗布する方法、CVD、スパッタなどの気相法を利用して中に導
入する方法等を採用できる。これらの方法によれば、多孔質ガラスの表面及び細孔中に発光元素成分を十分に吸着させることができる。特に、発光元素成分を含む溶液中に多孔質高ケイ酸ガラスを浸漬する方法によれば、発光元素成分を容易に多孔質ガラスに浸透させることができ、強い発光を呈する真空紫外光用蛍光体を得ることができる。
上記した発光元素成分を含む溶液としては、周期表3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分を含む化合物を溶解した溶液を用いることができる。例えば、上記元素を含む硝酸塩、酸化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、有機金属塩等の化合物、これら化合物の水和物等を含む溶液を用いることができる。該溶液における溶媒については、特に限定はなく、水、有機溶媒などを適宜選択すればよい。
発光元素成分を含む化合物の濃度については、特に限定的ではなく、使用する金属成分が完全に溶解する濃度であればよく、例えば、0.002〜0.06重量%程度の濃度の水溶液を用いることができる。金属成分の濃度が高すぎると、焼成時に表面に析出したり、曇りが発生しやすくなり、一方、濃度が低すぎると吸着量が不足して十分な発光性能が得られないので好ましくない。
この溶液中に多孔質ガラスを浸漬する際の条件については特に限定的ではないが、通常、室温の溶液中に多孔質ガラスを浸漬すればよい。溶液中への多孔質ガラスの添加量については、特に限定的ではなく、吸着させようとする金属成分量によって適宜決めれば良い。例えば、上記した濃度範囲の溶液10〜25ml中に、多孔質ガラスを0.1〜0.3g程度浸漬して、30分〜3時間程度放置すればよい。
また、上記多孔質ガラスに金属成分を吸着させた後、一旦これを乾燥し、再び金属成分を吸着させてもよい。金属成分等を吸着させる工程と乾燥工程は、複数回繰り返すことも可能である。これにより、上記多孔質ガラスに発光元素成分を確実に吸着させることが可能となり、濃度消光を防いでより発光強度の強い真空紫外光用蛍光体を得ることができる。
本発明では、更に、必要に応じて、該多孔質ガラスに、B,N,F,Al、P及びSからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を吸着させることができる。これらの元素は、増感剤として機能するものであり、上記した金属成分の周囲に存在して、金属成分の環境を変えて発光強度を増加させる働きをするものである。
B、N、F、Al、P及びSからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素(以下、「増感剤成分」ということがある)を多孔質ガラスに吸着させる方法については、特に限定的ではないが、例えば、増感剤成分を含む溶液中に多孔質ガラスを浸漬する方法、増感剤
成分を含む溶液を多孔質ガラスに塗布する方法等によって行うことができる。
増感剤成分を含む溶液としては、例えば、増感剤成分を含む可溶性化合物を溶解した水溶液を用いることができる。これらの化合物の濃度については、特に限定的ではないが、例えば、20〜45重量%程度、好ましくは30〜40重量%程度とすればよい。
この様な濃度範囲の水溶液を用いることによって、発光元素成分の周囲に増感剤成分が配位して有効に作用して、発光強度を増加させることができる。増感剤成分の濃度が高すぎると、ガラスの失透が生じやすくなるので好ましくない。また、この水溶液には、酸を加えることが好ましい。酸を含む水溶液を用いることによって、増感剤成分がガラス表面に析出しやすくなる。酸としては、硝酸、塩酸、硫酸などを用いることができ、特に硝酸が好ましい。酸の濃度は、特に限定的ではないが、通常、0.1〜3規定程度とすればよい。酸濃度が高すぎると、増感剤成分が酸化物として析出しやすくなり、一方、酸濃度が低すぎると増感剤成分の吸着性が低下するので好ましくない。
増感剤成分を含む溶液による処理条件については、特に限定的ではないが、例えば、上記した金属成分を吸着させる条件と同様とすればよい。
多孔質ガラスに増感剤成分を吸着させる処理は複数回行っても良い。これにより、容易に増感剤成分を多孔質ガラスに浸透させることができ、より強く発光する真空紫外光用蛍光体を得ることができる。
多孔質ガラスに増感剤成分を吸着させる工程は、後述する焼成工程の前であれば、どの段階で行ってもよく、回数等の条件も適宜設定可能である。従って、多孔質ガラスに発光元素成分を吸着させる工程の前後どの段階で増感剤成分を吸着させてもよく、発光元素成分と増感剤成分とを上記多孔質ガラスに吸着させる工程を同時に行ってもよい。また、多孔質ガラスに発光元素成分を吸着させる工程と該多孔質ガラスに増感剤成分を吸着させる工程との間に乾燥工程が入ってもよいし、これら2つの吸着工程と乾燥工程とを複数回繰り返すこともできる。
(4)焼成工程
上記した方法で多孔質ガラスに発光元素成分を吸着させた後、該多孔質ガラスを焼成する。これにより、細孔が消失して、全体が収縮して透明なガラスとなる。
焼成温度は、900〜1600℃程度とすることが好ましい。この程度の温度範囲で焼成することによって、発光元素成分が吸着した多孔質ガラスの孔径、表面状態等を適切に制御して、紫外光透過性、耐熱性、化学的耐久性、機械的強度等に優れ、強い発光を呈する真空紫外光用蛍光体を得ることができる。
これに対して、焼成温度が900℃を下回ると、十分な発光を呈する真空紫外光用蛍光体が得られず、一方、焼成温度が1600℃を上回ると、焼成した場合に基質のガラスが軟化することがあるので好ましくない。
焼成雰囲気については、特に限定はなく、例えば、大気中等の酸素含有雰囲気中、還元雰囲気中等で焼成することができる。例えば、還元雰囲気中で焼成する方法としては、カーボンを入れたアルミナるつぼ中で焼成する方法等が挙げられる。
焼成時間については特に限定的ではないが、目的とする焼成の程度に応じて、30分〜3時間程度の範囲から適宜焼成時間を決めればよい。焼成時間が短すぎると十分に細孔が消失しないので好ましくない。
焼成後に得られた酸化物ガラスは、放冷しても良いが、急速に冷却することによって、ガラスマトリックスと金属成分との反応を防止することができ、より強い蛍光を発する真空紫外光用蛍光体を製造できる。冷却方法については、特に限定されるものではないが、例えば、一定温度の恒温槽内で冷却する方法、大気中に放置する方法等が挙げられる。冷却速度等は適宜設定可能であるが、通常、5℃/秒程度以上、好ましくは10℃/秒程度以上の速度で冷却することが望ましい。
上記した真空紫外光用蛍光体の製造方法によれば、比較的低廉な原料であるアルカリホウケイ酸ガラスを原料とするために、低コストで真空紫外光用蛍光体を製造することができる。しかも上記した製造方法によれば、比較的簡単な方法で大量に真空紫外光用蛍光体を製造することができる。
(5)真空紫外光用蛍光体
上記した方法によれば、原料とするアルカリホウケイ酸塩ガラス中に不可避的に含まれるFeがホウ酸相に濃縮され、酸処理によって溶出除去されることにより、Fe濃度の非常に低い多孔質ガラスを得ることができる。この様な多孔質ガラスに特定の金属成分(発光元素成分)を吸着させて焼成することにより、高い紫外光透過率を示し、真空紫外光によって励起されて強い発光を示す真空紫外光用蛍光体を得ることができる。
特に、セリウムまたはクロムを含むアルカリホウケイ酸塩ガラスから作製する場合には、焼成工程の前にEDTA又はその塩を含有する酸性溶液で処理することにより、波長185nm付近で石英ガラスとほぼ同程度の紫外光透過率を示す真空紫外光用蛍光体を得ることができる。
また、本発明で用いる高ケイ酸質ガラスは、発光元素成分の含有量が比較的少なく、溶融法やCVD法などによって得られる石英ガラスと比べると低コストである。したがって、本発明によれば、石英ガラスとほぼ同じ紫外光透過率を有する真空紫外光用蛍光体を、石英ガラスよりも低コストで大量に製造することができる。
また、本発明で用いる真空紫外光用蛍光体は、従来のいわゆるバイコール法によって製造されたガラスと同様にシリカ多孔質である。このため、透光性と高い表面積をあわせ持つが、更に、バイコール法によって製造したガラスと比較して鉄分の含有量が少なく、Hgフリーランプで使用されるXe光(176nm)等の真空紫外光に対して高い透過性を示す。このため、該真空紫外光用蛍光体は、従来のバイコール法によって製造されるガラスよりも紫外光透過率が高く、真空紫外光を可視域の光へ効率よく変換することができる。
更に、該真空紫外光用蛍光体は、ガラス母体が安定な酸化物ガラスであるため、耐熱性、化学的耐久性、機械的強度等も良好である。したがって、より短波長の光で励起できるだけでなく、紫外光照射による欠陥も発生し難いという利点を有する。
上記した方法で得られる蛍光体は、SiO2を96重量%程度以上、B23を0.5〜
2重量%程度、Al23を0.1〜0.8重量%程度、並びに周期表3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分を50〜2000ppm程度含有し、Feの存在量が5ppm以下の高ケイ酸ガラスである。
この様な蛍光体は、高ケイ酸多孔質ガラスを焼成して得られる高ケイ酸ガラスを母材として、該多孔質ガラスの細孔部の焼結によって形成されるシリカ相の界面部分に、周期表
3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分が分散した構造を有するガラスである。この様な構造のガラスは、上記金属成分が凝集することなく、均一性良く分散していることにより、真空紫外光によって励起される際に、非常に強い発光を示すことができる。
この様な本発明の真空紫外光用蛍光体は、従来のバイコール法によって製造されるガラスと比べて、より短波長の光で励起させることができ、真空紫外光を含む紫外光、X線等を可視域の光へ高効率に変換することができる。
発光器具
本発明の発光器具は、少なくとも一部が上記した真空紫外光によって発光する蛍光体により形成された密閉容器と、該密閉容器中に備えられた真空紫外光の照射源とを有するものである。
該密閉容器は、発生する蛍光の利用方法に応じて、全体が該蛍光体によって形成されていても良く、或いは、その一部が該蛍光体によって形成されていても良い。例えば、密閉容器の全面が発光する蛍光ランプとする場合には、密閉容器の全体を該蛍光体で形成すればよい。また、一方向にのみ発光させる場合には、発光方向の面のみを該蛍光体によって形成すればよい。
該蛍光体の形状については特に限定的ではなく、目的に応じて適切な形態を決めればよい。例えば、管状、湾曲面状、矩形状、平板状、レンズ状などの各種形状とすることができる。該蛍光体を種々の形状に成形するには、例えば、上記アルカリホウケイ酸塩ガラスを溶融させた後に、種々の形状の金型に流し込んで冷却すればよい。
真空紫外光の照射源は、該密閉容器の内部において真空紫外光を発生させる構造であってもよく、或いは、外部において発生させた真空紫外光を該密閉容器内に導入する構造の真空紫外光照射装置であってもよい。
該密閉容器の内部において真空紫外光を発生させる場合には、該密閉容器中に希ガスを封入し、該密閉装置に紫外線発生用電極を設置すればよい。希ガスとしては、キセノン、クリプトン、アルゴン、ヘリウム等を用いることができる。電極は、該密閉容器の内部又は外部に設置することができる。
外部において発生させた真空紫外光を導入する場合には、真空紫外光発生装置としては、エキシマランプなどを用いることができる。真空紫外光の導入方法としては、光源を容器に接続して該容器中に真空紫外光を直接導入する方法でもよく、或いは、石英ファイバーなどを用いて外部において発生した真空紫外光を該容器中に導入する方法でもよい。
以下、本発明の発光器具の実施態様を示す図面を参照して、本発明の発光器具についてより具体的に説明する。
図1は、少なくとも一部が上記蛍光体によって形成された密閉容器と、その内部に封入された希ガスと、該密閉容器中に備えられた紫外光発生用電極を有する発光器具を模式的に示す図面である。図1の発光器具は、上記蛍光体によって形成された管状の発光部の両端に紫外光発生用電極を設置した構造の密閉容器中に、希ガスが封入された構造である。該発光器具では、両端に設置した電極に通電して希ガスを放電させて真空紫外光を発生させ、これを管状の蛍光体に照射して可視光を発生させて、蛍光ランプとして用いることができる。
図2は、図1と同様の構造の発光器具において、発光部が、球状の蛍光体によって形成された発光器具である。この様な構造の発光器具によれば、管状の発光部を有する発光器具と比較して、発生する可視光を外部に均一に放出することができる。
図3は、セル構造を有する発光器具の一例を模式的に示す図面である。図3の発光器具は、密閉容器の前面(可視光の放射面)が上記した蛍光体により形成され、該密閉容器中に希ガスが封入され、更に、該密閉容器の外部に電極を設置したセル構造の発光器具である。この様なセル構造の発光器具は、例えば、ディスプレー等の平型の発光デバイスとして用いることができる。
図4は、図3と同様のセル構造の発光器具において、外部において発生させた真空紫外光を導入する構造の真空紫外光照射装置を設けたものである。この様な真空紫外光照射装置を設けた発光器具では、密閉容器の蛍光体で形成される面以外の部分については、真空媒体、シリカガラス等の透明媒体で形成することができる。
図5は、密閉容器の一部が上記蛍光体によって形成された球面状のレンズであり、該密閉容器の内部に紫外光照射装置を備えた構造の発光器具である。この様な構造の発光器具は、可視光を前面広角度に散乱させて放出することができ、蛍光ランプとして有効に利用できる。紫外線照射装置、透明媒体などは、図4の発光器具と同様でよい。
図6の(a)に示す発光器具は、図5と同様の構造の発光器具において、微小な構造とした蛍光ランプである。この様な微小構造の蛍光ランプは、例えば、図6の(b)に示す様に、複数個を平面状に配置することによって、発光照明装置として利用することができる。
以上の通り、本発明の発光器具は、その形状に応じて、例えば、蛍光ランプ、ディスプレイ、LCDのバックライト、プラズマディスプレイ等の表示装置等の光源として有効に利用できる。
本発明の発光器具は、高い紫外光透過率を示し、真空紫外光によって励起されて強い発光を示す高ケイ酸ガラスを蛍光体として用いるものである。この様な高ケイ酸質ガラスは、真空紫外光によって励起できるだけでなく、耐熱性、化学的耐久性、機械的強度等も良好であり、紫外光照射による欠陥も発生し難い材料である。更に、該蛍光体は、石英ガラスとほぼ同様の優れた紫外光透過率を有し、しかも石英ガラスよりも低コストで大量に製造することが可能である。従って、この様な蛍光体を用いることにより、低コストで大型の発光器具を容易に製造することができる。
以上の通り、本発明によれば、紫外光発生源として水銀を用いることなく、より安全性の高いXeガス等の放電により発生する真空紫外光を利用して、低コストで耐久性に優れた各種の発光器具を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
市販の試薬:Na2CO3、CaCO3、Al(OH)3、SiO2及びCe23、を用いて
、Na2O:11.5(wt%)、CaO:6.0(wt%)、Al23:4.0(wt
%)、SiO2:77.6(wt%)、Ce23:1.0(wt%)のガラス組成となる
ように各試薬を秤量・混合し、白金坩堝を用いて、1450℃で4時間溶融させて、ガラスを得た。
このガラスを粗粉砕し、得られた粉砕ガラスにH3BO3を溶融させて混合ガラスを得た。その際、粉砕ガラス100重量部に対して、B23に換算して50重量部となるように、H3BO3を加えた。溶融させた混合ガラスを冷却し、厚さ0.8mm弱の板状ガラスを得た。
得られた板状ガラスを研磨した後、590℃の熱処理炉で40時間熱処理を行い、分相させた。次いで、分相させた板状ガラスと1N硝酸とを密閉容器中に仕込み、90℃で24時間酸処理を行った。酸処理した板状ガラスを、さらに大気中で室温から400℃まで3時間かけてゆっくり昇温して乾燥させて、多孔質ガラスを得た。
この多孔質ガラス0.1gを、0.2gのCuCl2・2H2Oを25mlの蒸留水に溶解させた水溶液中に入れ、25℃で60分間放置した後、350℃で乾燥させた。この操作を再度繰り返し、その後、カーボンを入れたアルミナるつぼ中で2℃/分の速度で1100℃まで温度を上昇させ、2時間大気中で熱処理を行い、金属成分としてCuを含有する焼成ガラスを得た。
得られたCu含有ガラスは、SiO2を98.4重量%、B23を1.32重量%、A
23を0.21重量%、Cuを0.058重量%含有し、鉄の存在量は1ppm未満であった。
このようにして得たCu含有ガラスを、Xeが数Torr封入されたガイスラー管中に入れ、100Vの電圧をかけて、テスラーコイルを用いて放電を行った。すると、電気を消した昼間の部屋において、Xeの放電光によって励起された、可視光の緑色の発光を肉眼で観察できた。
実施例2
実施例1と同様にして得た多孔質ガラス0.1gを、0.2gのEu(NO3)3・xH2
Oを10mlの蒸留水に溶解させた水溶液中に入れ、25℃で60分間放置した後、350℃で乾燥させた。この操作を再度繰り返し、その後、カーボンを入れたアルミナるつぼ中で2℃/分の速度で1100℃まで温度を上昇させ、2時間大気中で熱処理を行い、金属成分としてCuを含有する焼成ガラスを得た。
得られたEu含有ガラスは、SiO2を98.3重量%、B23を1.30重量%、A
23を0.20重量%、Euを0.045重量%含有し、鉄の存在量は1.2ppmであった。この様にして得たEu含有ガラスを、Xeが数Torr封入されたガイスラー管中に入れ、100Vの電圧をかけて、テスラーコイルを用いて放電を行った。すると、電気を消した昼間の部屋において、Xeの放電光によって励起された、可視光の青色の発光を肉眼で観察できた。
実施例3
実施例1と同様にして得た多孔質ガラス0.1gを、0.5gのY(NO33・6H2Oと0.5gのEu(NO3)3・xH2Oを10mlの蒸留水に溶解させた水溶液中に入れ、25
℃で60分間放置した後、350℃で乾燥させた。この操作を再度繰り返し、その後、カーボンを入れたアルミナるつぼ中で2℃/分の速度で1100℃まで温度を上昇させ、2時間大気中で熱処理を行い、金属成分としてEuとYを含有する焼成ガラスを得た。
得られたEu含有ガラスは、SiO2を98.3重量%、B23を1.30重量%、Al
23を0.20重量%、Euを0.089重量%、Yを0.090重量%含有し、鉄の存在
量は1ppm以下であった。
この様にして得たEu含有ガラスを、Xeが数Torr封入されたガイスラー管中に入れ、100Vの電圧をかけて、テスラーコイルを用いて放電を行った。すると、電気を消した昼間の部屋において、Xeの放電光によって励起された、可視光の赤色の発光を肉眼で観察できた。
管状の蛍光体を用いた蛍光ランプを模式的に示す図面。 球状の蛍光体を用いた蛍光ランプを模式的に示す図面。 セル構造の発光器具の一例を模式的示す図面。 セル構造の発光器具の他の例を模式的に示す図面。 球面レンズ状の蛍光体を用いた発光ランプを模式的に示す図面。 微小構造の発光器具を複数用いた照明装置を模式的に示す図面。

Claims (10)

  1. 少なくとも一部が真空紫外光によって発光する蛍光体により形成された密閉容器と、該密閉容器に設けられた真空紫外光の照射源とを有する発光器具であって、
    該蛍光体が、SiO2を96重量%以上、B23を0.5〜2重量%、Al23を0.
    1〜0.8重量%、並びに周期表3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分を50〜2000ppm含有し、Feの存在量が5ppm以下の高ケイ酸ガラスであることを特徴とする発光器具。
  2. 蛍光体が、高ケイ酸多孔質ガラスを焼成して得られる高ケイ酸ガラスを母材として、該多孔質ガラスの細孔部の焼結によって形成されるシリカ相の界面部分に、周期表3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分が分散した構造のガラスである請求項1に記載の発光器具。
  3. 蛍光体が、下記(i)〜(iv)の工程で得られる高ケイ酸ガラスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光器具:
    (i)重金属及び希土類元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を酸化物とし
    て含むアルカリホウケイ酸塩ガラスに熱処理を施して分相させる工程、
    (ii)上記(i)工程で分相処理が施されたアルカリホウケイ酸ガラスに対して酸処理を行い、多孔質ガラスとする工程、
    (iii)上記(ii)工程で得られた多孔質ガラスに、周期表3A族、4A族、5A族、6
    A族、7A族、8族、1B族、2B族及び4B族の各族に属する元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属成分を吸着させる工程、
    (iv)上記(iii)工程で金属成分を吸着させた多孔質ガラスを焼成する工程。
  4. アルカリホウケイ酸塩ガラスが、MnO2、CeO2、Cr23、Co23及びCuOからなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物を0.1〜2重量%含有するものである請求項3に記載の発光器具。
  5. 多孔質ガラスに吸着させる金属成分が、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Ag、Eu、Ce及びTbからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項3又は4に記載の発光器具。
  6. 真空紫外光の照射源が、該密閉容器中に封入された希ガス及び該密閉容器に設けられた紫外光発生用電極からなるものである請求項1〜5のいずれかに記載の発光器具。
  7. 密閉容器内に封入された希ガスが、キセノン、クリプトン、アルゴン又はヘリウムである請求項6に記載の発光器具。
  8. 真空紫外光の照射源が、密閉容器外で発生させた真空紫外光を閉容器中に導入して照射する構造の真空紫外光照射装置である請求項1〜5のいずれかに記載の発光器具。
  9. 密閉容器の少なくとも一部を構成する蛍光体が、管状、湾曲面状、矩形状、平板状又はレンズ状である請求項1〜8のいずれかに記載の発光器具。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の発光器具を複数個配置した照明装置。
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