JP3890332B2 - 受音器及び音響発生機能試験装置 - Google Patents

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Description

この発明は、受音器及び音響発生機能試験装置に係り、携帯端末等の試験対象としての電子機器のイヤホンジャック等に接続されるヘッドホン等の受音器、及び電子機器の音響特性を試すために用いられるた音響発生機能試験装置に関する。
携帯電話機や簡易型携帯電話(PHS)、携帯情報端末(PDA)等の小型の電子機器には、音声や音楽をイヤホンを用いて聴くための、イヤホンジャックが設けられている。
従来より、携帯端末等の電子機器の音響発生機能に係る試験の一部として、イヤホンが接続されるイヤホンジャックから所望の信号が出力されるか否かの良否判定の試験を行うような場合には、このイヤホンジャックに、試験用の例えばヘッドホンを接続して、試験者が実際に耳近傍から発せられる音声や音楽を聴き取ったり、ヘッドホン等を装着せずにイヤホンジャックにスピーカを接続して発生音を聴き取って、良否判定する官能試験を行っている。
しかしながら、通常、上述したような小型の電子機器の生産ラインでは、複数のラインが密集している場合が多く、スピーカを用いて官能試験を行う場合は、試験者は、隣接したラインの同じ試験工程で用いられるスピーカからの発生音と区別がつかず、対象のスピーカからは音が発せられていなくても、勘違いして試験対象の電子機器を良品と判断してしまう虞があるという問題があった。
また、試験者が、ヘッドホンを装着して官能試験を行う場合には、周囲の音源の影響は排除できるももの、長時間ヘッドホンを装着していることによって、難聴等の健康上の被害が懸念され、試験者に負担がかかるという問題があった。さらに、例えば、緊急時に、サイレンや非常放送の音が聴き取れないという問題があった。
このため、開閉可能な蓋部をイヤホンに取り付けて、必要に応じて開放したり塞ぐようにしたヘッドホンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなヘッドホンを用いて試験を行うことによって、試験時には外部の音を遮断してイヤホンから発せられる音に集中して判定誤りを防ぐとともに、試験時以外には周囲の音も容易に聴き取れるようにすることが可能となる。
なお、電子機器のイヤホンジャックから供給される電気信号を増幅して、スピーカから発生音を放射する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平02−203698号公報 特開平10−23127号公報
解決しようとする第1の問題点は、上記従来技術では、上記ヘッドホンを試験のために使用しようとすると、試験者が手動で操作して蓋を開閉させることとなるので、例えば、イヤホンからの発生音と、携帯電話機等の電子機器のスピーカ(例えばレシーバや着信音等発生用のスピーカ)の発生音とを交互に聴く必要があるような複雑な試験には対応できず、例えば、試験用の音を聴き逃してしまったり、取り違えたりしてしまって、たとえ聴覚の優れた試験者であってもその判定能力が生かせず、正確にかつ確実に試験を行うことができないという点である。
また、第2の問題点は、試験者が手動で操作して蓋を開閉させることとなるので、例えば、複雑な操作を必要とする場合に、依然として試験者に負担がかかるという点である。
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、正確にかつ確実に試験を行うことができる受音器及び音響発生機能試験装置を提供することを第1の目的としている。
また、試験者の負担を軽減することができる受音器及び音響発生機能試験装置を提供することを第2の目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、音響発生機能を有する電子機器に接続され、該電子機器から供給される電気信号を対応する音波に変換して使用者の耳部へ向けて放射するイヤホン部を備えてなる受音器に係り、前記イヤホン部は、前記使用者の耳部を覆い込んで、外部空間と隔てるための耳カバー部材と、該耳カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、前記耳カバー部材によって覆われた前記耳部近傍の空間と前記外部空間との間の音波の伝播量を調節する伝播量調節手段と備えてなると共に前記電気信号が、前記音響発生機能を試験するための試験信号であり、かつ、前記伝播量調節手段は、入力され駆動制御信号に基づいて、前記耳カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、前記伝播量を調節する構成になされていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の受音器に係り、上記耳カバー部材は、上記使用者の耳部を取り囲むように装着される耳当て部材と、該耳当て部材に取り付けられ、上記耳部を覆い込むための蓋部材とを有し、上記伝播量調節手段は、上記駆動制御信号に基づいて、上記蓋部材を変位させて、上記耳部近傍の空間を上記外部空間に対して開放状態とするか又は遮断状態とする駆動手段を有することを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の受音器に係り、上記蓋部材は所定の回動軸の周りに回動自在に配置され、上記駆動手段は上記蓋部材を回動させるモータからなることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の受音器に係り、上記駆動制御信号は、上記駆動手段を制御する制御手段から供給されることを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の受音器に係り、前記制御手段が、前記駆動手段と共に前記電子機器を制御し、前記イヤホン部に音波を放射させるための前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す出力制御信号を前記電子機器に供給することを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の受音器に係り、前記制御手段が、前記駆動手段に、前記遮断状態となるように前記蓋部材を変位させるための前記駆動制御信号を供給した後に、前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す前記出力制御信号を前記電子機器に供給することを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項5又は6記載の受音器に係り、前記制御手段が、前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す前記出力制御信号を前記電子機器に供給し、所定時間経過後に、前記駆動手段に、前記開放状態となるように前記蓋部材を変位させるための前記駆動制御信号を供給することを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1に記載の受音器に係り、前記使用者の左右の耳部へ向けて音波を放射する一対の前記イヤホン部を備えてなることを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、音響発生機能を有する電子機器に接続され、該電子機器の音響発生機能を試験するために用いられる音響発生機能試験装置に係り、電気信号を対応する音波に変換して使用者の耳部へ向けて放射するイヤホン部を備えてなる受音器と、該受音器及び前記電子機器を制御する制御手段とを備え、前記イヤホン部が、前記使用者の耳部を覆い込んで、外部空間と隔てるための耳カバー部材と、該耳カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、前記耳カバー部材によって覆われた前記耳部近傍の空間と前記外部空間との間の音波の伝播量を調節する伝播量調節手段と有し、前記伝播量調節手段は、前記制御手段から入力された駆動制御信号に基づいて、前記耳カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、前記音響伝播量を調節することを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項記載の音響発生機能試験装置に係り、前記耳カバー部材が、前記使用者の耳部を取り囲むように装着される耳当て部材と、該耳当て部材に取り付けられ、前記耳部を覆い込むための蓋部材とを有し、前記伝播量調節手段が、前記駆動制御信号に基づいて、前記蓋部材を変位させて、前記耳部近傍の空間を前記外部空間に対して開放状態とするか又は遮断状態とする駆動手段を有することを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、請求項10記載の音響発生機能試験装置に係り、前記蓋部材が所定の回動軸の周りに回動自在に配置され、前記駆動手段は前記蓋部材を回動させるモータからなることを特徴としている。
また、請求項12記載の発明は、請求項9、10又は11記載の音響発生機能試験装置に係り、前記イヤホン部が、音響発生機能を有する電子機器に接続され、前記電気信号は前記電子機器から供給されることを特徴としている。
また、請求項13記載の発明は、請求項9乃至12のいずれか1に記載の音響発生機能試験装置に係り、前記制御手段が、前記イヤホン部に音波を放射させるための前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す出力制御信号を前記電子機器に供給することを特徴としている。
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載の音響発生機能試験装置に係り、前記制御手段が、前記駆動手段に、前記遮断状態となるように前記蓋部材を変位させるための前記駆動制御信号を供給した後に、前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す前記出力制御信号を前記電子機器に供給することを特徴としている。
また、請求項15記載の発明は、請求項13又は14記載の音響発生機能試験装置に係り、前記制御手段が、前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す前記出力制御信号を前記電子機器に供給し、所定時間経過後に、前記駆動手段に、前記開放状態となるように前記蓋部材を変位させるための前記駆動制御信号を供給することを特徴としている。
また、請求項16記載の発明は、請求項9乃至15のいずれか1に記載の音響発生機能試験装置置に係り、前記使用者の左右の耳部へ向けて音波を放射する一対の前記イヤホン部を備えてなることを特徴としている。
この発明の構成によれば、伝播量調節手段は、入力された駆動制御信号に基づいて、カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、音波の伝播量を調節するので、例えば、試験を開始する前に、蓋部材を閉じさせ、試験終了後に、蓋部材を開かせるように制御することによって、例えば複雑な試験を行う場合であっても、正確にかつ確実に試験を行うことができる。
また、伝播量調節手段は、入力された駆動制御信号に基づいて、カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、音波の伝播量を調節するので、例えば、試験を開始する前に、蓋部材を閉じさせ、試験終了後に、蓋部材を開かせるように制御することによって、例えば複雑な試験を行う場合であっても、試験者の負担を軽減することができる、
伝播量調節手段が、入力された駆動制御信号に基づいて、カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、音波の伝播量を調節して、例えば、試験を開始する前に、蓋部材を閉じさせ、試験終了後に、蓋部材を開かせるように制御することによって、例えば複雑な試験を行う場合であっても、正確にかつ確実に試験を行うという第1の目的を実現した。
また、伝播量調節手段が、入力された駆動制御信号に基づいて、カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、音波の伝播量を調節して、例えば、試験を開始する前に、蓋部材を閉じさせ、試験終了後に、蓋部材を開かせるように制御することによって、例えば複雑な試験を行う場合であっても、試験者の負担を軽減するという第2の目的を実現した。
図1は、この発明の一実施例に係る音響発生機能試験装置の構成を示す図、図2は、同音響発生機能試験装置の構成を示すブロック図、図3は、同音響発生機能試験装置のヘッドホンの構成を示す図であって、両イヤホン部が閉鎖状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された様子を示す正面図、図4は、同ヘッドホンの構成を示す図であって、両イヤホン部が閉鎖状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された様子を示す側面図、図5は、同ヘッドホンの構成を示す図であって、両イヤホン部が開放状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された様子を示す正面図、図6は、同ヘッドホンの構成を示す図であって、両イヤホン部が開放状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された様子を示す側面図、図7は、同ヘッドホンの左用イヤホン部の構成を示す図であって、同左用イヤホン部が閉鎖状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された際の様子を一部透視状態で示す側面図、図8は、同左用イヤホン部の構成を示す図であって、同左用イヤホン部が開放状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された際の様子を一部透視状態で示す側面図、また、図9は、同左用イヤホン部の構成を一部透視状態で示す図である。
この例の音響発生機能試験装置1は、図1及び図2に示すように、試験対象の例えば携帯電話機(電子機器)2のイヤホンジャック(音響出力用接続器具)55に接続され、携帯電話機2から供給される電気信号としての音響信号を受けて、対応する音声や音楽等の音波を発生させる試験用ヘッドホン3と、当該音響発生機能試験装置1を構成する試験用ヘッドホン3等や試験対象の携帯電話機2を制御するコントローラ4と、キーボードやマウス等からなる操作部5と、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等からなる表示部6とを備えてなっている。
試験用ヘッドホン3は、図3乃至図6に示すように、左用イヤホン部8と、右用イヤホン部9と、両端部にそれぞれ左用イヤホン部8及び右用イヤホン部9が取り付けられ、試験者(使用者)の頭部Hに装着するための逆U字形に湾曲したヘッドバンド11とを有してなっている。
左用イヤホン部8は、図2及び図7乃至図9に示すように、携帯電話機2のイヤホンジャック55から供給される電気信号を受けて、対応する音声や音楽等の音波に変換して出力するスピーカ13と、試験者の左耳Yの周囲に配置されるリング状の耳当て部14と、所定の回動軸Xの周りに回動する開閉自在の耳当て部14耳当て部1415と、蓋部15を回動軸Xの周りに回動させる蓋駆動部16とを有している。
ここで、耳当て部14、蓋部15及び蓋駆動部16によって、試験者の左耳の周囲を開放状態として試験者が外部の音を容易に知覚可能とするか、又は試験中に試験者の左耳の周囲を蓋部15によって塞いで略密閉状態として外部から試験者の左耳に達する音を遮断して、スピーカ13から発せられる試験用の音を聴くことが可能とされる。
蓋駆動部16は、耳当て部14の内壁部に取り付けられ、コントローラ4から送られた駆動信号によって回転するモータ18と、モータ18の回転軸に取着されたモータギア19と、モータギア19と噛合して従動回転する従動ギア21と、従動ギア21の周縁部に一端部が固定され、他端部が蓋部15の所定の部位に固定された作動部材22とを有している。
ここで、モータ18の回転(正転)に伴って作動部材22とともに蓋部15が回動軸Xの周りに回転して蓋部15が開き、モータ18が逆転することによって、作動部材22が後退して、蓋部15が元の位置に戻って閉じることとなる。
なお、図9で、符号24は、スピーカ13に電気信号を供給するための電気信号線を含むケーブル、符号25は、モータ18に駆動信号を供給す電気信号線を含むケーブル、符号26は、ケーブル24,25の電気信号線が纏められたケーブルを示している。
右用イヤホン部9も、左用イヤホン部8と同様に、スピーカ28と、試験者の右耳の周囲に当接されるリング状の耳当て板29と、所定の回動軸の周りに回動する開閉自在の蓋部31と、蓋部31を所定の回動軸の周りに回動させる蓋駆動部(不図示)とを有している。
ここで、耳当て板29、蓋部31及び蓋駆動部によって、試験者の左耳の周囲を開放状態として試験者が外部の音を容易に知覚可能とするか、又は試験中に試験者の右耳の周囲を蓋部31によって塞いで略密閉状態として外部から試験者の右耳に達する音を遮断して、スピーカ28から発せられる試験用の音を聴くことが可能とされる。
右用イヤホン部9の蓋駆動部は、コントローラ4から送られた駆動信号によって回転するモータ32と、モータ32の回転軸に取着されたモータギア(不図示)と、モータギアと噛合して従動回転する従動ギア(不図示)と、従動ギアの周縁部に一端部が固定され、他端部が蓋部31の所定の部位を押圧する作動棒(不図示)とを有している。
コントローラ4は、携帯電話機2に電気信号のイヤホン部への出力を促す所定の出力駆動信号を供給すると共に、所定のタイミングで試験用ヘッドホン2にモータ駆動信号を供給する。
コントローラ4は、CPU等からなる制御部34と、制御部34が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部35と、入出力部36とを有している。
記憶部35は、内部記憶装置と外部記憶装置とからなる。内部記憶装置は、RAMやROM等の半導体メモリからなる。外部記憶装置は、FDが装着されるFDドライバ、HDが装着されるHDドライバ、MOディスクが装着されるMOディスクドライバ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライバ、磁気デープ装置等からなっている。
この例では、入出力部36は、モータ18,32を駆動するためのモータ駆動回路を含んでいる。
携帯電話機(電子機器)2は、折畳可能な筐体41を備え、図1及び図2に示すように、当該携帯電話機本体の構成各部を制御する制御部42と、制御部42が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部43と、電波の送受信を行うアンテナ44と、アンテナ44を介して無線電波の送受信を行い、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部45と、数字や文字の入力操作等を行うための多数の各種操作キー等からなる操作部46と、折畳時に内側となる側に配設され液晶表示装置からなり例えば待受画面や機能設定画面等が表示される主表示部47と、折畳時に外側となる側に配設され液晶表示装置からなる補助表示部48と、受話音声出力用スピーカからなる受話部49と、音声入力用のマイクロフォンからなる送話部51と、例えば周囲の風景や人物等を撮影するための電子カメラユニット52と、着信時に着信音を発生すると共に撮影時に擬似シャッタ音を発生するリンガ発生部53と、LEDを有し例えば着信時や通話時に発光する発光部54と、試験時に試験用ヘッドホン3が接続されるイヤホンジャック55と、試験時にコントローラとの間で所定のデータの授受を行うためのデータ送受信用コネクタ56を備えてなっている。
制御部42は、共にCPU(中央処理装置)等からなり、記憶部43に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部43に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し各種制御処理を実行する。
記憶部43は、ROM、RAM等の半導体メモリからなり、制御部42が実行する操作制御処理プログラムや、通信制御処理プログラム、表示制御処理プログラム、ホームページを閲覧するためのプログラムとしてのブラウザ、電子メールを作成したり送受信するためのプログラムとしてのメーラ等の各種処理プログラム等をが記憶されたプログラム記憶領域と、各機能の設定情報や通信履歴情報、電話帳情報等の各種情報が記憶された情報記憶領域とを有すると共に、この記憶部43には、制御部42がプログラム実行時に用いる各種レジスタやフラグが確保されている。
また、上記情報記憶領域には、音響機能試験を行うための音声や音楽(例えば着信時に出力される着信通知用楽曲)に対応する試験用データが記憶されている。
無線通信部45は、RF回路や、変復調回路、ベースバンド処理回路等からなり、音声やデータを変調してアンテナ7を介して無線電波として送信すると共に、無線電波をアンテナ7を介して受信して音声やデータに復調し、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる。
操作部46、ブラウザを起動させてホームページを閲覧するためのブラウザモード選択キー、操作を決定するために用いられる決定キー、操作メニューを表示させるためのメニューキー、文字入力モードを切り換えるための入力モード切替えキー、電話帳を登録したり検索するための電話帳キー、音声通話を行うために用いる通話開始キー、操作を1つ前の状態へ戻すクリアキー、及び電源の入切りを行った各種操作を中止するために用いられる電源キーを含む機能キー群と、主表示部47に表示された表示画面上のカーソルを上下左右方向へ移動させるためのカーソルキーと、例えば数字等を入力するためのテンキー群とを有している。
リンガ発生部53は、着信時に着信音を発生する。なお、このリンガ発生部53は、ハンズフリー時にも使用される。
次に、図1乃至図9を参照して、上記構成の音声・音響出力機能試験装置1の動作について説明する。
まず、図1に示すように、試験用ヘッドホン3とコントローラ4と携帯電話機2とを相互に接続する。すなわち、試験用ヘッドホン3とコントローラ4とは、ケーブル26,61,62,63を介して接続され、試験用ヘッドホン3と携帯電話機2とは、ケーブル26,61,64を介して接続され、コントローラ4と携帯電話機2とは、ケーブル63,65を介して接続される。
ここで、ケーブル26(61)は、左用の(右用の)スピーカ13(28)に電気信号を供給するための電気信号線を含むケーブル、及び左用の(右用の)モータ18(32)に駆動信号を供給す電気信号線を含むケーブルであり、分岐部66で、ケーブル62,64に分岐される。
また、ケーブル62は、左用及び右用のモータ18,32に駆動信号を供給す電気信号線を含むケーブルである。また、ケーブル64は、左用及び右用のスピーカ13,28に電気信号を供給するための電気信号線を含むケーブルであり、接続プラグ69が、携帯電話機2のイヤホンジャック55に嵌入されて接続される。
また、ケーブル65は、コントローラ4が携帯電話機2に制御信号等を供給するための電気信号線を含むケーブルであり、ケーブルコネクタ67が携帯電話機2のデータ送受信用コネクタ56に接続される。 また、ケーブル63は、ケーブル62,63の電気信号線が纏められたケーブルであり、ケーブルコネクタ68がコントローラ4の機器側コネクタ68に接続される。
携帯電話機2のイヤホンジャック55の機能を含む音響発生機能の試験を開始する前に、コントローラ4は、試験用ヘッドホン3にモータ駆動信号を供給する。これによって、モータ18、32が回転(逆転)する。モータ18の回転によって、モータギア19、従動ギア21が回転し作動部材22が後退して、蓋部15が閉じる。同様に、モータ32の回転によって蓋部31が閉じる。
次に、コントローラ4は、携帯電話機2に、試験用の電気信号としての所定の音響信号の出力を促す出力制御信号を供給し、これによって、携帯電話機2は、ケーブル64,26,61を介して、試験用の所定の音響信号をスピーカ13,28に供給する。
スピーカ13,28は、音響信号を受けて、対応する音声や音楽等の音波を発生させる。
試験者は、外部の音に影響されることなくスピーカ13,28から発せられる試験音を聴いて確認して試験を実施し、携帯電話機2の良否の判定を行う。
次に、コントローラ4は、所定の一連の試験が終了すると、試験用ヘッドホン3にモータ駆動信号を供給する。これによって、モータ18,32が回転(正転)する。モータ18の回転によって、作動部材22とともに蓋部15が回動軸Xの周りに回転して蓋部15が開く。同様に、モータ32の回転によって、蓋部31が回動軸Xの周りに回転して蓋部31が開く
これによって、試験者は、外部の音を容易に聴くことができる。
このように、この例の構成によれば、必要なとき(すなわち、試験実施中)のみ自動的に蓋部が閉められ、外部から到来する音波が遮断されるので、外部の音源の影響を排除することができ、試験者は、確実かつ正確に試験を行うことができる。
例えば、イヤホンジャックにスピーカを接続して、スピーカから出力される音を試験者が聴くことによって試験を実施する場合に比べ、周囲で実施されている例えば同一の試験工程での発生音と混同して、誤判断を引き起こすこともない。すなわち、不良とすべき携帯電話機2を良品と判断するよう不具合を防ぐことができる。
したがって、試験の精度を向上させることができる。
しかも、コントローラ4は、試験を開始する前に、試験用ヘッドホン3にモータ駆動信号を供給して、モータ18,32の回転によって蓋部15,31を閉じさせ、試験終了後に、試験用ヘッドホン3にモータ駆動信号を供給して、蓋部15,31を開かせるように制御するので、例えば複雑な試験を行う場合であっても正確にかつ確実に試験を行うことができる。
また、必要なとき(すなわち、試験実施中)以外は自動的に蓋部が開かれ、外部から到来する音を容易に聴くことができ、難聴等の健康上の被害を防止することができ、試験者に対する負担を軽減することができる。さらに、例えば、緊急時に、サイレンや非常放送の音が聴き取りにくくなる不具合を回避することができる。
また、コントローラ4は、試験を開始する前に、試験用ヘッドホン3にモータ駆動信号を供給して、モータ18,32の回転によって蓋部15,31を閉じさせ、試験終了後に、試験用ヘッドホン3にモータ駆動信号を供給して、蓋部15,31を開かせるように制御するので、例えば複雑な試験を行う場合であっても、試験者の負担を軽減することができる。
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施例では、駆動手段としてモータを用いる場合について述べたが、これ以外に、磁石やばねを組み合わせて用いても良いし、エアを用いても良い。
また、蓋部を、回動軸の周りに回動させて開閉させる場合について述べたが、スライド動作によって開閉させるようにしても良い。この場合、単一のモータを例えばヘッドバンドの中央部に配置して、両イヤホン部の蓋部を同時に変位させるように構成しても良い。
また、作動部材を廃して、蓋部をモータのシャフトに直接取り付けて回動させるようにしても良い。ここで、蓋部の面法線が回動軸と互いに平行となるように、蓋部を回動させるように構成しても良い。
また、ヘッドホンの接続プラグがイヤホンジャックに嵌着されたときに、携帯電話機からコントローラへ接続検知信号を送信するように構成しても良い。
また、マイクロフォンが装着されたヘッドセットに適用しても良い。また、ヘッドホンに限らず単体のイヤホンにも適用しても良い。
また、作動部材22の他端部を蓋部15に固定せずに、作動部材22の先端が蓋部15の所定の部位を押圧することによって回転させて開かせ、作動部材22を後退させて、蓋部15が自重によって、元の位置に戻って閉じるように構成しても良い。
また、携帯電話機2のイヤホンジャックの試験に限らず、例えばパーソナルコンピュータのスピーカ接続端子の試験を行う際に用いるようにしても良い。
また、試験用のデータを携帯電話機の記憶部に用意する場合について述べたが、コントローラ内に用意しても良い。また、特に試験用として用意しなくても既存のデータを流用するようにしても良い。
携帯端末としては、携帯電話機のほか、簡易型携帯電話(PHS)端末や、携帯情報端末(PDA)、携帯型のコンピュータに対して適用できる。また、電子機器として、携帯端末のほか、これ以外の音声出力部(スピーカ等)を備えた表示装置や音響装置、パーソナルコンピュータ等に対して適用できる。
この発明の一実施例に係る音響発生機能試験装置の構成を示す図である。 同音響発生機能試験装置の構成を示すブロック図である。 同音響発生機能試験装置のヘッドホンの構成を示す図であって、両イヤホン部が閉鎖状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された様子を示す正面図である。 同ヘッドホンの構成を示す図であって、両イヤホン部が閉鎖状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された様子を示す側面図である。 同ヘッドホンの構成を示す図であって、両イヤホン部が開放状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された様子を示す正面図である。 同ヘッドホンの構成を示す図であって、両イヤホン部が開放状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された様子を示す側面図である。 同ヘッドホンの左用イヤホン部の構成を示す図であって、同左用イヤホン部が閉鎖状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された際の様子を一部透視状態で示す側面図である。 同左用イヤホン部の構成を示す図であって、同左用イヤホン部が開放状態とされて同ヘッドホンが試験者の頭部に装着された際の様子を一部透視状態で示す側面図である。 同左用イヤホン部の構成を一部透視状態で示す図である。
符号の説明
1 音響発生機能試験装置
2 携帯電話機(電子機器)
3 試験用ヘッドホン(受音器)
4 コントローラ(制御手段)
8 左用イヤホン部(イヤホン部)
9 右用イヤホン部(イヤホン部)
13,28 スピーカ
14,29 耳当て部(耳当て部材、耳カバー部材の一部)
15,31 蓋部(蓋部材、耳カバー部材の一部)
16 蓋駆動部(伝播量調節手段)
18,32 モータ(駆動手段)

Claims (16)

  1. 音響発生機能を有する電子機器に接続され、該電子機器から供給される電気信号を対応する音波に変換して使用者の耳部へ向けて放射するイヤホン部を備えてなる受音器であって、
    前記イヤホン部は、前記使用者の耳部を覆い込んで、外部空間と隔てるための耳カバー部材と、該耳カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、前記耳カバー部材によって覆われた前記耳部近傍の空間と前記外部空間との間の音波の伝播量を調節する伝播量調節手段と備えてなると共に
    前記電気信号が、前記音響発生機能を試験するための試験信号であり、かつ、
    前記伝播量調節手段は、入力され駆動制御信号に基づいて、前記耳カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、前記伝播量を調節する構成になされていることを特徴とする受音器。
  2. 前記耳カバー部材は、前記使用者の耳部を取り囲むように装着される耳当て部材と、該耳当て部材に取り付けられ、前記耳部を覆い込むための蓋部材とを有し、
    前記伝播量調節手段は、前記駆動制御信号に基づいて、前記蓋部材を変位させて、前記耳部近傍の空間を前記外部空間に対して開放状態とするか又は遮断状態とする駆動手段を有することを特徴とする請求項1記載の受音器。
  3. 前記蓋部材は所定の回動軸の周りに回動自在に配置され、前記駆動手段は前記蓋部材を回動させるモータからなることを特徴とする請求項2記載の受音器。
  4. 前記駆動制御信号は、前記駆動手段を制御する制御手段から供給されることを特徴とする請求項2又は3記載の受音器。
  5. 前記制御手段は、前記駆動手段と共に前記電子機器を制御し、前記イヤホン部に音波を放射させるための前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す出力制御信号を前記電子機器に供給することを特徴とする請求項記載の受音器。
  6. 前記制御手段は、前記駆動手段に、前記遮断状態となるように前記蓋部材を変位させるための前記駆動制御信号を供給した後に、前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す前記出力制御信号を前記電子機器に供給することを特徴とする請求項記載の受音器。
  7. 前記制御手段は、前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す前記出力制御信号を前記電子機器に供給し、所定時間経過後に、前記駆動手段に、前記開放状態となるように前記蓋部材を変位させるための前記駆動制御信号を供給することを特徴とする請求項5又は6記載の受音器。
  8. 前記使用者の左右の耳部へ向けて音波を放射する一対の前記イヤホン部を備えてなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1に記載の受音器。
  9. 音響発生機能を有する電子機器に接続され、該電子機器の音響発生機能を試験するために用いられる音響発生機能試験装置であって、
    電気信号を対応する音波に変換して使用者の耳部へ向けて放射するイヤホン部を備えてなる受音器と、該受音器及び前記電子機器を制御する制御手段とを備え、
    前記イヤホン部は、前記使用者の耳部を覆い込んで、外部空間と隔てるための耳カバー部材と、該耳カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、前記耳カバー部材によって覆われた前記耳部近傍の空間と前記外部空間との間の音波の伝播量を調節する伝播量調節手段と有し、
    前記伝播量調節手段は、前記制御手段から入力された駆動制御信号に基づいて、前記耳カバー部材の少なくとも一部を開閉させて、前記音響伝播量を調節することを特徴とする音響発生機能試験装置。
  10. 前記耳カバー部材は、前記使用者の耳部を取り囲むように装着される耳当て部材と、該耳当て部材に取り付けられ、前記耳部を覆い込むための蓋部材とを有し、
    前記伝播量調節手段は、前記駆動制御信号に基づいて、前記蓋部材を変位させて、前記耳部近傍の空間を前記外部空間に対して開放状態とするか又は遮断状態とする駆動手段を有することを特徴とする請求項記載の音響発生機能試験装置。
  11. 前記蓋部材は所定の回動軸の周りに回動自在に配置され、前記駆動手段は前記蓋部材を回動させるモータからなることを特徴とする請求項10記載の音響発生機能試験装置。
  12. 前記イヤホン部は、音響発生機能を有する電子機器に接続され、前記電気信号は前記電子機器から供給されることを特徴とする請求項9、10又は11記載の音響発生機能試験装置。
  13. 前記制御手段は、前記イヤホン部に音波を放射させるための前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す出力制御信号を前記電子機器に供給することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1に記載の音響発生機能試験装置。
  14. 前記制御手段は、前記駆動手段に、前記遮断状態となるように前記蓋部材を変位させるための前記駆動制御信号を供給した後に、前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す前記出力制御信号を前記電子機器に供給することを特徴とする請求項13に記載の音響発生機能試験装置。
  15. 前記制御手段は、前記電気信号の前記イヤホン部への出力を促す前記出力制御信号を前記電子機器に供給し、所定時間経過後に、前記駆動手段に、前記開放状態となるように前記蓋部材を変位させるための前記駆動制御信号を供給することを特徴とする請求項13又は14記載の音響発生機能試験装置。
  16. 前記使用者の左右の耳部へ向けて音波を放射する一対の前記イヤホン部を備えてなることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか1に記載の音響発生機能試験装置。
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