JP3889984B2

JP3889984B2 - フレキシブルパレット

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Publication number: JP3889984B2
Application number: JP2002108902A
Authority: JP
Inventors: 芳太郎木戸; 達也坂田; 和彦小林
Original assignee: Nihon Matai Co Ltd
Current assignee: Nihon Matai Co Ltd
Priority date: 2001-09-13
Filing date: 2002-04-11
Publication date: 2007-03-07
Anticipated expiration: 2022-04-11
Also published as: WO2003024818A1; US20040217250A1; TW558540B; JP2003160134A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばプラスチック製の織布やシート等を用いて製作されるフレキシブルパレットに係り、特にフォークの挿入が容易で、しかもフォークを多少斜めにしても脱落するおそれがないフレキシブルパレットに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、木材を用いて製作された木製パレットは一般に知られているが、輸出用貨物に木製パレットを用いた場合、仕向国（オーストラリア，ニュージーランド等）によっては、木材の燻蒸処理が要求されることもあり、その分輸送コストが嵩むとともに、燻蒸処理の有効期間が１ケ月間程度と短く、時間的制約があるという問題もある。
【０００３】
そこで一部では、段ボール等の紙材を用いて製作される紙製パレットが提案されており、本出願人も先に、例えば特願平１０−１１５６９０号において、この種の紙製パレットを提案した。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人が先に提案した紙製パレットは、紙材のみにより大きな強度を得ることができ、ベニヤ板やチップボード等の硬質板で補強する必要がない等、多くの利点を有しているが、小さく折りたたむことができないため、運搬時や保管時に嵩張るという問題があるとともに、水分を含んだ場合には、小さな外力でも簡単に変形してしまうという問題もある。
【０００５】
ところで、パレットはフォークリフトの２本のフォークに装着されて使用するのが通例であるが、パレット上に載置される貨物の底部が荷重で簡単に変形してしまうような特殊な貨物を除き、ほとんどの貨物の荷重は、フォークリフトの２本のフォークで支持されることになる。このため、フォークリフトの２本のフォークが挿脱できる構造であれば、パレット自体は必ずしも剛体である必要はなく、フレキシブルな構造であっても、充分に使用することができるものと予想される。
【０００６】
また、従来のパレットは、木製であっても紙製であっても、フォークポケットを空間として確保する構造であるため、必然的にパレットが一定以上の高さを有することになるが、この高さを低くすることができれば、コンテナ輸送等の積載効率を向上させることができるものと予想される。特に、パレットは殆どの場合ワンウェイで、繰返し使用されることがないため、積載効率を向上させることができることは、輸送コストの点で極めて有利である。
【０００７】
本発明は、かかる知見に基づきなされたもので、製造が容易で安価に製作することができるとともに、運搬時や保管時に小さく折りたたむことができ、また使用後の廃棄量も少ないフレキシブルパレットを提供することを目的とする。
【０００８】
本発明の他の目的は、貨物上に積付けられる２段目以上の貨物のパレットとして適用した場合であっても、フォークポケットにフォークリフトのフォークを容易に挿入することができるフレキシブルパレットに提供するにある。
【０００９】
本発明の他の目的は、細長い補強材を設けても、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内にスムースに挿入することができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１０】
本発明の他の目的は、パレット本体上に、底部が平坦でない重量貨物が積載された場合であっても、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内にスムース挿入することができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１１】
本発明の他の目的は、上下の貨物の間にパレットが位置する場合であっても、フォークポケットの位置を容易に視認することができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１２】
本発明の他の目的は、フォークポケット挿入側の端部を、常に開いておくことができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１３】
本発明の他の目的は、パレット本体上に重量物が載置された場合であっても、開いているフォークポケット挿入側の端部が、閉じてしまうことがないフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１４】
本発明の他の目的は、上下の貨物の間にパレットが位置する場合であっても、フォークポケットにフォークリフトのフォークを容易に挿入することができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１５】
本発明の他の目的は、上下の貨物の間にパレットが位置する場合であっても、フォークポケットの挿入端を開くことができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１６】
本発明の他の目的は、パレット本体上に重量物が載置されている場合であっても、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に容易に挿入することができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１７】
本発明の他の目的は、フォークポケット内へのフォークの挿入を、より容易なものとすることができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１８】
本発明の他の目的は、パレット上の貨物の荷重が、パレット本体の縁部にまで負荷されているような場合であっても、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に容易に挿入することができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００１９】
本発明の他の目的は、パレット本体上に貨物が載置されていない状態で、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に挿入した際に、フォークポケット部材が皺になってフォークを挿入することができないといった不具合がないフレキシブルパレットを提供するにある。
【００２０】
本発明の他の目的は、パレット本体上に、レジンのような流動性のある貨物を載置した場合であっても、パレット本体がフォークから脱落してしまうといった不具合がないフレキシブルパレットを提供するにある。
【００２１】
本発明の他の目的は、パレット本体上に、詰まると流動性のない米のような貨物を載置した場合であっても、フォークポケット部材とフォークの間の抵抗を小さくして、フォークのフォークポケット内への挿入を、スムースに行なうことができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００２２】
本発明の他の目的は、パレット本体上に貨物が載置されていない状態で、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に挿入する場合であっても、パレット本体が移動してフォークを挿入できないといった不具合がないとともに、フォークを多少斜めに傾けても、パレット本体上から貨物が落下するおそれがないフレキシブルパレットを提供するにある。
【００２３】
本発明の他の目的は、パレット本体の下面を平坦な面とすることができるとともに、フォークポケットへのフォークの挿入を容易なものとすることができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００２４】
本発明のさらに他の目的は、複数の小型貨物を一体化して１つの大きな貨物とし、同一のパレット上に載置する，いわゆる「配積み」のように底部に凹凸ができる貨物の場合には、剛体パレットとして使用することができ、しかもその際にも、パレットの高さを大幅に低くすることができるフレキシブルパレットを提供するにある。
【００２５】
前記目的を達成するため本発明は、少なくとも上面材を有する軟質のパレット本体と；前記上面材の下面に配設され、パレット本体に取付けられた状態において、フォークリフトの一対のフォークの間隔に対応して互いに離間して設けられ、それぞれフォークの挿入口を有して実質的に筒状をなす一対のフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材と；を設けるようにしたことを特徴とする。そして、パレット本体およびフォークポケット部材を軟質材で製作することにより、製造が容易で安価に製作することが可能となり、また運搬時や保管時に小さくたたむことが可能となる。また、使用後の廃棄量も少なくすることが可能となる。さらにフォークリフトの一対のフォークの間隔に対応して互いに離間して設けられ、それぞれフォークの挿入口を有して実質的に筒状をなす一対のフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材を設けたことにより、作業時にフォークをフォークポケットに対して正確に位置決めしてづれなく装着することができ、一対のフォークポケットをパレットの中心線と対称に設けておけばフレキシブルパレットの荷積状態での重量バランスを容易に保持することができる。
【００２６】
本発明はまた、パレット本体におけるフォークポケット挿入側の端縁に、パレット本体よりも高剛性の細長い補強材を設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、貨物上に積付けられる２段目以上の貨物のパレットとして適用した場合であっても、両側のフォークポケットの間の間隔がほぼ一定に維持され、フォークポケット内にフォークを挿入できないといった不具合がない。
【００２７】
本発明はまた、細長い補強材を、パレット本体上の貨物よりも外方位置に設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、細長い補強材の部分に貨物の重量が負荷されて、フォークをフォークポケット内に挿入し難くなるといった不具合がない。
【００２８】
本発明はまた、パレット本体におけるフォークポケットの上方に対応する位置に、パレット本体よりも高剛性の帯板状をなすフォークポケット補強材を設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、パレット本体上に、底部が平坦でない重量貨物が載置された場合であっても、フォークポケット上に作用する負荷が平均化され、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内にスムースに挿入することが可能となる。
【００２９】
本発明はまた、上面材におけるフォークポケット挿入側の端部に、上方に凸に湾曲する挿入端補強材を設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、フォークポケット挿入側の端部を、常に開いておくことができ、フォークリフトのフォークを、フォークポケットに容易に挿入することが可能となる。
【００３０】
本発明はまた、挿入端補強部材を、パレット本体上の貨物よりも外方に位置させるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、パレット本体上に重量物が載置された場合であっても、開いているフォークポケット挿入側の端部が、閉じてしまってフォークを挿入することができないといった不具合がない。
【００３１】
本発明はまた、上面材のフォークポケット挿入端に対応する部位に、パレット本体上の貨物よりも外方に突出する舌片を設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、上下の貨物の間にパレットが位置する場合であっても、常に舌片が貨物外に突出することになり、フォークポケットの位置を容易に視認することが可能となる。
【００３２】
本発明はまた、舌片に、増剛性処理を施すようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、上下の貨物の間にパレットが位置する場合であっても、フォークポケットにフォークリフトのフォークを容易に挿入することが可能となる。
【００３３】
本発明はまた、舌片を、パレット本体上の貨物の外面にそって、上方に引上げるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、上下の貨物の間にパレットが位置する場合であっても、フォークポケットの挿入端を上下に開いておくことが可能となる。また、上方に引上げた舌片を貨物に固定するようにすれば、パレットと貨物とが一体化されて、貨物の安定性を向上させることが可能となる。
【００３４】
本発明はまた、フォークポケット部材の挿入先端下面を、上面材側から切り離すようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、フォークポケット部材の挿入先端部分が上下に開き易くなり、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に容易に挿入することが可能となる。
【００３５】
本発明はまた、フォークポケット部材の上面材側から切離された部分に、増剛性処理を施すようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、フォークポケット部材内にフォークリフトのフォークを挿入する際に、フォークポケット部材の上面材側から切離された部分が、フォークと一緒にフォークポケット内に巻き込まれることがなくなり、フォークの挿入がより容易となる。
【００３６】
本発明はまた、フォークポケット部材の上面材側から切離された部分を、パレット本体の外縁よりも外方に突出させるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、パレット上の貨物の荷重が、パレット本体の縁部にまで負荷されているような場合であっても、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に容易に挿入することが可能となる。
【００３７】
本発明はまた、フォークポケット部材の少なくとも内面上部を、プラスチックフィラメントを用いた織布で形成するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、フォークポケット部材の内面上部が、所定の剛性を有する滑り易い面となり、パレット本体上に貨物が載置されていない状態で、フォークリフトのフォークをフォークポケット内に挿入した場合であっても、フォークポケット部材が皺になってフォークを挿入できないといった不具合がない。
【００３８】
本発明はまた、織布を、フォーク挿入方向に延在する縦糸が細径で横糸が太径のプラスチックフィラメントを用いて形成するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、パレット本体上に、レジンのような流動性のある貨物を載置した場合であっても、パレット本体がフォークから脱落してしまうといった不具合がない。
【００３９】
本発明はまた、織布を、フォーク挿入方向に延在する縦糸が太径で横糸が細径のプラスチックフィラメントを用いて形成するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、パレット本体上に、詰まると流動性のない米のような貨物を載置した場合であっても、フォークポケット部材とフォークとの間の抵抗を小さくして、フォークのフォークポケット内への挿入を、スムースに行なうことが可能となる。
【００４０】
本発明はまた、パレット本体の接地面および貨物との接触面に、難滑処理を施すようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、パレット本体上に貨物が載置されていない状態で、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に挿入する場合であっても、パレット本体が移動してフォークを挿入できないといった不具合がなく、またフォークを多少斜めに傾けても、パレット本体上から貨物が落下するおそれもない。
【００４１】
本発明はまた、パレット本体を、上面材と；上面材の下面に配設され、上面材とほぼ同一形状寸法の下面材と；で構成し、フォークポケットを、上面材と下面材との間に形成するとともに、下面材のフォークポケット挿入側の端縁を、上面材よりも外方に突出させるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、パレット本体の下面を、平坦な面とすることが可能となるとともに、フォークポケットへのフォークの挿入を容易なものとすることが可能となる。
【００４２】
本発明はさらに、少なくとも上面材を有する軟質のパレット本体と；前記上面材の下面に配設され、パレット本体に取り付けられた状態において、フォークリフトの一対のフォークの間隔に対応して互いに離間して設けられ、それぞれフォークの挿入口を有して実質的に筒状をなす一対のフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材と；を備えているとともに、前記パレット本体は、上面材と；上面材の下面に配設され、上面材とほぼ同一形状寸法の下面材と；を備え、フォークポケット部材は、下面材の下面に設けられているとともに、上面材と下面材とは、四辺のうちの少なくとも一辺が開放可能となっていて、両面材間にパレット本体補強板が挿入可能となっていることを特徴とする。そしてこれにより、いわゆる「配積み」のように底部に凹凸ができる貨物の場合には、剛体パレットとして使用することが可能となり、しかもその際にも、パレットの高さを大幅に低くすることが可能となる。
【００４３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図１ないし図４は、本発明の第１の実施の形態に係るフレキシブルパレットを示すもので、このフレキシブルパレット１は、ＰＥ，ＰＰ，ＰＥＴ等のプラスチックフィルムあるいはフラットヤーン織布で形成される上面材３を有する軟質のパレット本体２を備えており、このパレット本体２の下面側には、前記上面材３と同一材質，同一寸法の下面材４が縫合されている。そして、上面材３と下面材４との間には、図示しないフォークリフトのフォークを挿入するための実質的に筒状をなすフォークポケット５が二箇所に形成されている。
【００４４】
これら各フォークポケット５に対応する上面材３の下面、および下面材４の上面には、図３および図４に示すように、内面材６，７がそれぞれ取付けられており、これにより、フォークポケット５部分に適度な剛性が付与されるとともに、フォークリフトのフォークとの間に適度な滑りが確保されるようになっている。
【００４５】
これら各内面材６，７は、例えばＰＰモノフィラメントを用いた織布で形成されており、そのフィラメントの繊度は、４００ｄ（デニール）ないし２０００ｄの間で選択され、かつフォーク挿入方向に延在する縦糸とこれに直交する横糸とは、相互に異なる径のフィラメントが用いられるようになっている。
【００４６】
すなわち、縦糸を細径，横糸を太径にした場合には、フォークリフトのフォークとの間の抵抗が多少高めになる。このため、フレキシブルパレット１で、例えばレジンのような流動性のある貨物を運搬する場合には、縦糸が細径，横糸が太径の織布を用いることにより、運搬中にフレキシブルパレット１がフォークから脱落するのを、有効に防止することができる。
【００４７】
一方、縦糸を太径，横糸を細径にした場合には、フォークリフトのフォークとの間の抵抗が多少低めになる。このため、フレキシブルパレット１で、詰まると流動性がない例えば米のような貨物を運搬する場合には、縦糸が太径，横糸が細径の織布を用いることにより、フォークのフォークポケット５への挿入をスムースに行なうことができ、フォークが引掛かって挿入できないといった不具合がない。
【００４８】
前記下面材４のフォークポケット５両端に対応する両側位置には、図２に示すように、外側スリット８および内側スリット９がそれぞれ設けられており、これにより、フォークポケット端部１０が、上面材３側から切離され、フォークリフトのフォークを容易にフォークポケット５に挿入することができるようになっている。なお、両側の内側スリット９に挾まれた部分１１は、図２に示すように、下面材４の下面側に折返され二枚重ねで結合されるようになっている。
【００４９】
前記各フォークポケット端部１０の上方位置，すなわち前記内面材６の端部下面には、図２および図４に示すように、リング状のロープ通し材１２がそれぞれ取付けられており、またこれに直交するフレキシブルパレット１の両側縁には、図１ないし図３に示すように、上面材３と下面材４との間で挾持した状態で、合計４個のロープ通し材１３が取付けられている。
【００５０】
これら各ロープ通し材１２，１３は、フレキシブルパレット１とこれに載置された貨物とをロープで固縛して一体化する際に使用されるものであるが、各フォークポケット５の端部にロープ通し材１２を取付けることで、上面材３の端部を、実質的にフレキシブルパレット１の外縁によりも外方に突出させたことになり、フォークのフォークポケット５への挿入を、より簡単に行なうことができるようになっている。
【００５１】
次に、前記フレキシブルパレット１の製造方法について説明する。
製造に際しては、まず図５に示すように、上面材３の下面二箇所に、内面材６を縫合する。次いで、図６に示すように、上面材３の内面材６延在方向両端縁を、帯状の縁包み材１４で包んで縫合するとともに、ロープ通し材１２を、内面材６の下面側に縫合する。これにより、フォークポケット５両端縁の剛性が高くなり、フォークをフォークポケット５に挿入した際に、上面材３がフォークポケット５内に巻き込まれることがなくなる。
【００５２】
次いで、図７に示すように、下面材４の上面二箇所に、内面材７を縫合し、その後、図８に示すように、下面材４の内面材７延在方向両端縁を、帯状の縁包み材１５で包んで縫合する。この際、縁包み材１５の縫合により、フォークポケット５両端縁の剛性が高くなり、フォークをフォークポケット５に挿入した際に、下面材４がフォークポケット５内に巻き込まれることがなくなる。
【００５３】
次いで、図９に示すように、下面材４のロープ通し材１２両側位置に、例えばヒートカットにより外側スリット８および内側スリット９をそれぞれ設ける。これにより、フォークポケット端部１０および挾まれた部分１１がそれぞれ形成されることになる。挾まれた部分１１は、その後下面材４の下面側に折返して縫合する。
【００５４】
次いで、図１０に示すように、前記上面材３と下面材４とを二枚重ねにするとともに、その間にロープ通し材１３を介装し、この状態で、上面材３と下面材４とを縫合する。これにより、両面材３，４の間に、フォークポケット５が形成される。
【００５５】
最後に、ロープ通し材１３に対応する位置に孔１７を有する帯状の外縁材１６で、両面材３，４の図１０における両側端縁を包み、これを両端材３，４に縫合して、図１１に示すフレキシブルパレット１を完成させる。
【００５６】
しかして、前記フレキシブルパレット１は、すべてをプラスチック材で製作できるので、製造が容易で安価に製作することができ、使用後の廃棄量も少なくすることができる。また、運搬時や保管時に小さく折りたたむことができ、また雨水等で濡れても、変形したり強度が低下するおそれが全くない。
【００５７】
なお、前記第１の実施の形態においては、各内面材６，７を、ＰＰモノフィラメントを用いた織布で形成する場合について説明したが、フォークリフトのフォークとの間の滑りをより良好にする必要がある場合には、ＰＥモノフィラメントを用いた織布で、各内面材６，７を形成するようにすればよい。
【００５８】
図１２は、本発明の第２の実施の形態を示すもので、前記第１の実施の形態におけるフレキシブルパレット１の構成に加え、細長い補強材２０を追加するようにしたものである。
【００５９】
すなわち、上面材３上面のフォークポケット５挿入側の両端縁には、図１２に示すように、上面材３の幅員のほぼ全長に亘って、細長い補強材２０がそれぞれ配設されている。これら各補強材２０は、プラスチック製，木製，金属製またはゴム製の棒材，管材または板材、あるいはプラスチックシートを丸めたり折りたたんだりしたもの等、上面材３よりも高剛性の素材で構成されており、各補強材２０は、上面材３上に載置される貨物２１よりも外方位置に、固定または着脱可能に装着されている。そして、これら各補強材２０により、フレキシブルパレット１の平坦度が維持され、両側のフォークポケット５間の間隔が狭くなって、フォークリフトのフォークをフォークポケット５に挿入できないといった不具合や、左右のフォークポケット５の位置が上下方向にずれて、フォークをフォークポケット５に挿入し難くなるといった不具合が発生しないよう考慮されている。
なお、その他の点については、前記第１の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【００６０】
しかして、上面材３上面のフォークポケット５挿入側の両端縁に、補強材２０を配設するようにしているので、フレキシブルパレット１を、貨物２１上に積付けられる２段目以上の貨物２１のパレットとして適用した場合であっても、両側のフォークポケット５の間の間隔がほぼ一定に維持され、フォークポケット５内にフォークを挿入することができないといった不具合がない。また、左右のフォークポケット５の位置が、上下方向にずれるといった不具合もない。また、各補強材２０は、貨物２１よりも外方に位置しているので、貨物２１の重量が補強材２０の部分に集中的に負荷されて、フォークを挿入できないといった不具合もない。
【００６１】
なお、前記第２の実施の形態においては、２本の補強材２０を設ける場合について説明したが、フォークの挿入方向が予め決まっている場合には、フォーク挿入側の端部のみに１本の補強材２０を設ければ、所期の効果は期待できる。
【００６２】
図１３ないし図１５は、本発明の第３の実施の形態を示すもので、前記第１の実施の形態におけるフレキシブルパレット１の構成に、挿入端補強材３０および延長片３１を追加するようにしたものである。
【００６３】
すなわち、上面材３におけるフォークポケット５挿入側の両端部には、図１３および図１４に示すように、例えばプラスチック製のロープ等で形成される挿入端補強材３０が合計４個配されており、これら各挿入端補強材３０は、例えば上面材３で包んで縫製することにより、上面材３に固定されているとともに、その形状は、図１５に示すように、上方に凸に湾曲している。そしてこれにより、フォークポケット５の端部を常時開いた状態にすることができるようになっている。
【００６４】
なお、前記各挿入端補強材３０も、前記第２の実施の形態における補強材２０と同様、上面材３上に載置される貨物２１よりも外方位置に設けられており、これにより開いた状態のフォークポケット５の端部が、貨物２１の重量で押し潰されないようになっている。
【００６５】
一方、下面材４におけるフォークポケット５挿入側の両端縁には、図１３および図１４に示すように、上面材３の端縁よりも外方に突出する延長片３１が、下面材４を延長することにより一体的に設けられており、これら各延長片３１は、プラスチックシートその他の増剛性材３２を一体に縫合することにより、増剛性処理が施されている。
【００６６】
前記各延長片３１は、フォークリフトのフォークをフォークポケット５に挿入し易くするために設けたものであるが、その長さが必要以上に長いと、却って挿入し難くなることが本発明者等の実験により確認されており、適切な長さは５〜１５ｃｍ程度である。
【００６７】
前記上面材３の上面および下面材４の下面には、図１４に示すように、ＥＶＡシートまたはゴムシート等の難滑シート３３，３４がラミネート，糊貼り，縫製等の方法により一体に設けられている。そして、上面材３の難滑シート３３により、パレット本体２上からの貨物２１の落下を防止することができるとともに、下面材４の難滑シート３４により、パレット本体２上に貨物２１がない状態で、フォークリフトのフォークをフォークポケット５に挿入する際に、フレキシブルパレット１が滑ってフォークをフォークポケット５に挿入できないといった不具合が発生しないようになっている。
なお、その他の点については、前記第１の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【００６８】
しかして、挿入端補強材３０を設けることにより、フォークポケット５の端部を常時開いておくことができ、フォークリフトのフォークの挿入が極めて容易である。また、下面材４には、増剛性処理が施された延長片３１が設けられているので、フォークポケット５へのフォークの挿入が、より容易である。
【００６９】
なお、前記第３の実施の形態においては、挿入端補強材３０を、フォークポケット５の両端部にそれぞれ設けるとともに、延長片３１も両端縁にそれぞれ設ける場合について説明したが、フォークの挿入方向が予め決まっている場合には、挿入側の端部のみに設ければ所期の効果は得られる。
【００７０】
図１６および図１７は、本発明の第４の実施の形態を示すもので、前記第３の実施の形態における挿入端補強材３０に代え、舌片４０を設けるようにしたものである。
【００７１】
すなわち、上面材３におけるフォークポケット５挿入端位置には、図１６および図１７に示すように、パレット本体２上に載置される貨物２１よりも外方に突出する舌片４０が、上面材３を延長することにより一体に設けられており、その突出長さは、下面材の延長片３１とほぼ同一長さに設定されている。そして、前記各舌片４０は、プラスチックシートその他の増剛性材４２を一体に縫合することにより、増剛性処理が施されている。
なお、その他の点については、前記第３の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【００７２】
しかして、上面材３に設けられた舌片４０は、パレット本体２上の貨物２１よりも外方に突出しているので、上下の貨物２１の間にフレキシブルパレット１が配されているような場合であっても、フォークポケット５の位置を容易に視認することができる。しかも舌片４０は、増剛性処理が施されているので、フォークポケット５にフォークを挿入する際に、舌片４０がフォークポケット５内に巻き込まれることがなく、フォークの挿入が容易である。
【００７３】
図１８および図１９は、本発明の第５の実施の形態を示すもので、前記第４の実施の形態における舌片４０に代え、舌片５０および結束紐５１を用いるようにしたものである。
【００７４】
すなわち、上面材３におけるフォークポケット５挿入端位置には、図１８および図１９に示すように、パレット本体２上の貨物２１よりも外方に突出する舌片５０が、上面材３と一体に設けられており、その突出先端部には、結束紐５１が取付けられている。そして、これら各舌片５０は、図１９に示すように、貨物２１の外面にそって上方に引上げられ、結束紐５１を介して貨物２１に連結されるか、あるいは結束紐５１同志が貨物２１の外面で結束されるようになっている。なお、その他の点については、前記第４の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【００７５】
しかして、舌片５０は貨物２１の外面にそって引上げられるので、フォークポケット５の位置を容易に視認することができ、また舌片５０を上方に引上げることで、フォークポケット５の端部が開くことになるので、フォークの挿入も容易である。
【００７６】
図２０は、本発明の第６の実施の形態を示すもので、前記第１の実施の形態におけるフレキシブルパレット１の構成に加え、帯板状をなすフォークポケット補強材６０を追加するようにしたものである。
【００７７】
すなわち、上面材３上面の左右のフォークポケット５に対応する位置には、図２０に示すように、フォークポケット５の全長に亘って、帯板状をなすフォークポケット補強材６０がそれぞれ配設されている。これら各フォークポケット補強材６０は、プラスチック板，板紙，段ボールあるいはベニヤ板等、上面材３よりも高剛性の板材で構成されており、各フォークポケット補強材６０は、上面材３に一体に固定されている。そして、これら各フォークポケット補強材６０により、フォークポケット５の上面側が補強されることになり、フレキシブルパレット上に、底部が平坦でない重量貨物が載置された場合であっても、フォークポケット５に作用する負荷が平均化され、フォークリフトのフォークを、フォークポケット５内にスムースに挿入することができるようになっている。
なお、その他のの点については、前記第１の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【００７８】
しかして、各フォークポケット５の上面側が、フォークポケット補強材６０によって補強されているので、フォークポケット５上に部分的に大きな荷重が負荷されたとしても、フォークポケット補強材６０によって、この荷重が平均化される。このため、フォークリフトのフォークを、フォークポケット５内にスムースに挿入することができる。
【００７９】
図２１ないし図２３は、本発明の第７の実施の形態を示すもので、フレキシブルパレット１を、剛体パレットとしても使用できるようにしたものである。
【００８０】
すなわち、本実施の形態に係るフレキシブルパレット１は、図２１ないし図２３に示すように、パレット本体２が、上面材３と下面材４とで構成されており、これら両面材３，４は、対向する二辺のみが縫合部７０によって連結されて筒状をなしている。そして、これら両面材３，４間には、ベニヤ板，段ボール，板紙，硬質プラスチック板あるいは金属板等、一定以上の剛性を有するパレット本体補強板７１が挿脱可能に挿入配置されている。そしてこれにより、軟質のパレット本体２を剛体化し、フレキシブルパレット１を剛体パレットとして使用することができるようになっている。
【００８１】
また、前記下面材４の下面には、図２１ないし図２３に示すように、筒状をなすフォークポケット部材７２がそれぞれ取付けられており、これら各フォークポケット部材７２により、フォークポケット５が形成されるようになっている。
なお、その他の点については前記第１の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【００８２】
しかして、フレキシブルパレット１を剛体パレットとしても使用することができるので、いわゆる「配積み」のように底部に凹凸ができる貨物であっても、また複数の小型貨物を、一体化することなくパレット本体２上に同時に載置した場合であっても、問題なく運搬することができる。しかもその場合でも、従来の剛体パレットに比較して、パレットの高さを大幅に低くすることができ、積載効率を向上させて輸送コストを低減できる。
【００８３】
なお、前記第７の実施の形態においては、筒状のフォークポケット部材７２によりフォークポケット５を形成する場合について説明したが、帯状のフォークポケット部材を下面材４の下面に取付けて、フォークポケット５を形成するようにしてもよい。
【００８４】
また、前記各実施の形態においては、フォークポケット５の上面側にも下面側にも、内面材６，７を配設する場合ついて説明したが、少なくとも上面側の内面材６が存在すれば、所期の効果は期待できる。
【００８５】
また、前記各実施の形態においては、内面材６，７を、モノフィラメントを用いた織布で形成する場合について説明したが、プラスチックフィルムを用いて形成するようにしてもよい。
【００８６】
ただし、プラスチックフィルムを用いる場合には、その滑り摩擦係数を、表１に示す範囲とすることが好ましく、またその強度は、表２に示す値とすることが好ましいことが、本発明者等の実験により確認されている。
【００８７】
【表１】

【００８８】
【表２】

【００８９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、前記目的を達成するため本発明は、少なくとも上面材を有する軟質のパレット本体と；前記上面材の下面に配設され、パレット本体に取付けられた状態において、フォークリフトの一対のフォークの間隔に対応して互いに離間して設けられ、それぞれフォークの挿入口を有して実質的に筒状をなす一対のフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材と；を設けるようにしたことを特徴とする。そして、パレット本体およびフォークポケット部材を軟質材で製作することにより、製造が容易で安価に製作することが可能となり、また運搬時や保管時に小さくたたむことが可能となる。また、使用後の廃棄量も少なくすることが可能となる。さらにフォークリフトの一対のフォークの間隔に対応して互いに離間して設けられ、それぞれフォークの挿入口を有して実質的に筒状をなす一対のフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材を設けたことにより、作業時にフォークをフォークポケットに対して正確に位置決めしてづれなく装着することができ、一対のフォークポケットをパレットの中心線と対称に設けておけばフレキシブルパレットの荷積状態での重量バランスを容易に保持することができる。
【００９０】
本発明はまた、パレット本体におけるフォークポケット挿入側の端縁に、パレット本体よりも高剛性の細長い補強材を設けるようにしているので、貨物上に積付けられる２段目以上の貨物のパレットとして適用した場合であっても、両側のフォークポケットの間の間隔がほぼ一定に維持され、フォークポケット内にフォークを挿入できないといった不具合がない。
【００９１】
本発明はまた、細長い補強材を、パレット本体上の貨物よりも外方位置に設けるようにしているので、細長い補強材の部分に貨物の重量が負荷されて、フォークをフォークポケット内に挿入し難くなるといった不具合がない。
【００９２】
本発明はまた、パレット本体におけるフォークポケットの上方に対応する位置に、パレット本体よりも高剛性の帯板状をなすフォークポケット補強材を設けるようにしているので、パレット本体上に、底部が平坦でない重量貨物が載置された場合であっても、フォークポケット上に作用する負荷が平均化され、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内にスムースに挿入することができる。
【００９３】
本発明はまた、上面材におけるフォークポケット挿入側の端部に、上方に凸に湾曲する挿入端補強材を設けるようにしているので、フォークポケット挿入側の端部を、常に開いておくことができ、フォークリフトのフォークを、フォークポケットに容易に挿入することができる。
【００９４】
本発明はまた、挿入端補強部材を、パレット本体上の貨物よりも外方に位置させるようにしているので、パレット本体上に重量物が載置された場合であっても、開いているフォークポケット挿入側の端部が、閉じてしまってフォークを挿入することができないといった不具合がない。
【００９５】
本発明はまた、上面材のフォークポケット挿入端に対応する部位に、パレット本体上の貨物よりも外方に突出する舌片を設けるようにしているので、上下の貨物の間にパレットが位置する場合であっても、常に舌片が貨物外に突出することになり、フォークポケットの位置を容易に視認することができる。
【００９６】
本発明はまた、舌片に、増剛性処理を施すようにしているので、上下の貨物の間にパレットが位置する場合であっても、フォークポケットにフォークリフトのフォークを容易に挿入することができる。
【００９７】
本発明はまた、舌片を、パレット本体上の貨物の外面にそって、上方に引上げるようにしているので、上下の貨物の間にパレットが位置する場合であっても、フォークポケットの挿入端を上下に開いておくことができる。また、上方に引上げた舌片を貨物に固定するようにすれば、パレットと貨物とが一体化され、貨物の安定性を向上させることができる。
【００９８】
本発明はまた、フォークポケット部材の挿入先端下面を、上面材側から切り離すようにしているので、フォークポケット部材の挿入先端部分が上下に開き易くなり、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に容易に挿入することができる。
【００９９】
本発明はまた、フォークポケット部材の上面材側から切離された部分に、増剛性処理を施すようにしているので、フォークポケット部材内にフォークリフトのフォークを挿入する際に、フォークポケット部材の上面材側から切離された部分が、フォークと一緒にフォークポケット内に巻き込まれることがなくなり、フォークの挿入がより容易となる。
【０１００】
本発明はまた、フォークポケット部材の上面材側から切離された部分を、パレット本体の外縁よりも外方に突出させるようにしているので、パレット上の貨物の荷重が、パレット本体の縁部にまで負荷されているような場合であっても、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に容易に挿入することができる。
【０１０１】
本発明はまた、フォークポケット部材の少なくとも内面上部を、プラスチックフィラメントを用いた織布で形成するようにしているので、フォークポケット部材の内面上部が、所定の剛性を有する滑り易い面となり、パレット本体上に貨物が載置されていない状態で、フォークリフトのフォークをフォークポケット内に挿入した場合であっても、フォークポケット部材が皺になってフォークを挿入できないといった不具合がない。
【０１０２】
本発明はまた、織布を、フォーク挿入方向に延在する縦糸が細径で横糸が太径のプラスチックフィラメントを用いて形成するようにしているので、パレット本体上に、レジンのような流動性のある貨物を載置した場合であっても、パレット本体がフォークから脱落してしまうといった不具合がない。
【０１０３】
本発明はまた、織布を、フォーク挿入方向に延在する縦糸が太径で横糸が細径のプラスチックフィラメントを用いて形成するようにしているので、パレット本体上に、詰まると流動性のない米のような貨物を載置した場合であっても、フォークポケット部材とフォークとの間の抵抗を小さくして、フォークのフォークポケット内への挿入を、スムースに行なうことができる。
【０１０４】
本発明はまた、パレット本体の接地面および貨物との接触面に、難滑処理を施すようにしているので、パレット本体上に貨物が載置されていない状態で、フォークリフトのフォークを、フォークポケット内に挿入する場合であっても、パレット本体が移動してフォークを挿入できないといった不具合がなく、またフォークを多少斜めに傾けても、パレット本体上から貨物が落下するおそれもない。
【０１０５】
本発明はまた、パレット本体を、上面材と；上面材の下面に配設され、上面材とほぼ同一形状寸法の下面材と；で構成し、フォークポケットを、上面材と下面材との間に形成するとともに、下面材のフォークポケット挿入側の端縁を、上面材よりも外方に突出させるようにしているので、パレット本体の下面を、平坦な面とすることができるとともに、フォークポケットへのフォークの挿入を容易なものとすることができる。
【０１０６】
本発明はさらに、パレット本体を、上面材と；上面材の下面に配設され、上面材とほぼ同一形状寸法の下面材と；で構成し、フォークポケット部材を、下面材の下面に設けるとともに、上面材および下面材の四辺のうちの少なくとも一辺を開放可能として、両面材間にパレット本体補強材を挿入することができるようにしているので、いわゆる「配積み」のように底部に凹凸ができる貨物の場合には、剛体パレットとして使用することができ、しかもその際にも、パレットの高さを大幅に低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態に係るフレキシブルパレットを示す平面図である。
【図２】図１と同様の底面図である。
【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。
【図４】図１のＩＶ−ＩＶ線断面相当図である。
【図５】上面材の製造方法を示す説明図である。
【図６】図５のＶＩ−ＶＩ線断面図である。
【図７】下面材の製造方法を示す説明図である。
【図８】図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線断面図である。
【図９】下面材に外側スリットおよび内側スリットを設けた状態を示す説明図である。
【図１０】上面材と下面材とを縫合した状態を示す説明図である。
【図１１】完成したフレキシブルパレットを下面材側から見た説明図である。
【図１２】本発明の第２の実施の形態を示す図１相当図である。
【図１３】本発明の第３の実施の形態を示す図１相当図である。
【図１４】図１３のＸＩＶ−ＸＩＶ線断面相当図である。
【図１５】挿入端補強材の形状を示す説明図である。
【図１６】本発明の第４の実施の形態を示す図１相当図である。
【図１７】図１６のＸＶＩＩ−ＸＶＩＩ線断面相当図である。
【図１８】本発明の第５の実施の形態を示す図１相当図である。
【図１９】図１８のＸＩＸ−ＸＩＸ線断面相当図である。
【図２０】本発明の第６の実施の形態を示す図１相当図である。
【図２１】本発明の第７の実施の形態を示す図１相当図である。
【図２２】図２１を側方から見た構成図である。
【図２３】図２２のＸＸＩＩＩ−ＸＸＩＩＩ線断面図である。
【符号の説明】
１フレキシブルパレット
２パレット本体
３上面材
４下面材
５フォークポケット
６，７内面材
８外側スリット
９内側スリット
１０フォークポケット端部
１２，１３ロープ通し材
１４，１５縁包み材
１６外縁材
２０補強材
２１貨物
３０挿入端補強材
３１延長片
３２，４１増剛性材
３３，３４難滑シート
４０，５０舌片
５１結束紐
６０フォークポケット補強材
７０縫合部
７１パレット本体補強板
７２フォークポケット部材

Claims

少なくとも上面材を有する軟質のパレット本体と；前記上面材の下面に配設され、パレット本体に取付けられた状態において、フォークリフトの一対のフォークの間隔に対応して互いに離間して設けられ、それぞれフォークの挿入口を有して実質的に筒状をなす一対のフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材と；を具備することを特徴とするフレキシブルパレット。
少なくとも上面材を有する軟質のパレット本体と；前記上面材の下面に配設され、パレット本体に取付けられた状態において実質的に筒状をなすフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材と；を具備し、パレット本体は、フォークポケット挿入側の端縁に、パレット本体よりも高剛性の素材で構成された細長い補強材を有していることを特徴とするフレキシブルパレット。
細長い補強材は、パレット本体上の貨物よりも外方に位置していることを特徴とする請求項２記載のフレキシブルパレット。
パレット本体は、フォークポケットの上方に対応する位置に、パレット本体よりも高剛性の板材で構成された帯板状をなすフォークポケット補強材を有していることを特徴とする請求項１、２または３記載のフレキシブルパレット。
少なくとも上面材を有する軟質のパレット本体と；前記上面材の下面に配設され、パレット本体に取り付けられた状態において、フォークリフトの一対のフォークの間隔に対応して互いに離間して設けられ、それぞれフォークの挿入口を有して実質的に筒状をなす一対のフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材と；を備え、前記上面材は、フォークポケット挿入側の端部に、上方に凸に湾曲する挿入端補強材を有していることを特徴とするフレキシブルパレット。
挿入端補強材は、パレット本体上の貨物よりも外方に位置していることを特徴とする請求項５記載のフレキシブルパレット。
少なくとも上面材を有する軟質のパレット本体と；前記上面材の下面に配設され、パレット本体に取り付けられた状態において、フォークリフトの一対のフォークの間隔に対応して互いに離間して設けられ、それぞれフォークの挿入口を有して実質的に筒状をなす一対のフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材と；を備え、前記上面材は、パレット本体上の貨物よりも外方に突出する舌片を有し、この舌片は、パレット本体上の貨物の外面にそって上方に引き上げられて、パレット本体上の貨物に固定されることを特徴とするフレキシブルパレット。
フォークポケット部材の少なくとも内面上部は、プラスチックフィラメントを用いた織布で形成されていることを特徴とする請求項１、２、３、５、６、または７記載のフレキシブルパレット。
織布は、フォーク挿入方向に延在する縦糸が細径で横糸が太径のプラスチックフィラメントを用いて形成されていることを特徴とする請求項８記載のフレキシブルパレット。
織布は、フォーク挿入方向に延在する縦糸が太径で横糸が細径のプラスチックフィラメントを用いて形成されていることを特徴とする請求項８記載のフレキシブルパレット。
パレット本体の接地面および貨物との接触面は、難滑処理が施されていることを特徴とする請求項１、５または７記載のフレキシブルパレット。
パレット本体は、上面材と；上面材の下面に配設され、上面材とほぼ同一形状寸法の下面材と；を備え、フォークポケットは、上面材と下面材との間に形成されていることを特徴とする請求項１、５または７記載のフレキシブルパレット。
少なくとも上面材を有する軟質のパレット本体と；前記上面材の下面に配設され、パレット本体に取り付けられた状態において、フォークリフトの一対のフォークの間隔に対応して互いに離間して設けられ、それぞれフォークの挿入口を有して実質的に筒状をなす一対のフォークポケットを形成する軟質のフォークポケット部材と；を備えているとともに、前記パレット本体は、上面材と；上面材の下面に配設され、上面材とほぼ同一形状寸法の下面材と；を備え、フォークポケット部材は、下面材の下面に設けられているとともに、上面材と下面材とは、四辺のうちの少なくとも一辺が開放可能となっていて、両面材間にパレット本体補強板が挿入可能となっていることを特徴とするフレキシブルパレット。