JP3889888B2 - ピン立設板及び樹脂製配線基板 - Google Patents

ピン立設板及び樹脂製配線基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピン保持板に多数のピンが立設されたピン立設板、及びこのピン立設板と配線板とを備える樹脂製配線基板に関し、特に、配線板とピン立設板との接合部分で強度が高く、かつ電気的不良が生じ難い樹脂製配線基板及びピン立設板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂製配線基板として、ピン保持板に入出力端子としてのピンが多数立設されたピン立設板を、エポキシ樹脂などの樹脂、あるいはこれらの樹脂とガラス繊維等との複合材料からなる絶縁材を用いた樹脂製の配線板に固着したものが知られている。例えば、図7に示す樹脂製配線基板70は、予め釘頭状(ネイルヘッド状)の頭部P1Aを持つピンP1を、予めピン保持板72に形成した導体層CLに第1ハンダ材STでハンダ付けし、多数のピンP1をピン保持板72に立設したピン立設板73を製造しておく。そして、このピン立設板73の各々のピンP1の頭部P1Aを、配線板71の裏側主面71A(図中下側)に形成したピンパッドPDに第2ハンダ材SRでハンダ付けして、ピン立設板73と配線板71とを接続したものである。
ところで、この樹脂製配線基板70は、ピン立設板73と配線板71とを第2ハンダ材SRでハンダ付けする際に、ピンP1の頭部P1Aと配線板71に設けたピンパッドPDとの間に挟まれた第2ハンダ材SRの層がつぶれて拡がり、隣接する入出力端子間同士でショートがすることある。特に、入出力端子のピッチの縮小化に伴い、この危険性が極めて高くなる。
【0003】
そこで、特開平4−129260公報では、このピンP1の頭部P1Aに突出部を有した形状、即ち、図8に示すように、釘頭状の頭部P2Aから突出した突出部P2Bを有するピンP2を用いて、突出部P2BをピンパッドPDに当接させてハンダ付けする樹脂製配線基板80が示されている。このようにすると、ピンP2と配線板71とを第2ハンダ材SRで接合する際に、ピンP2の頭部P2Aと配線板71に設けたピンパッドPDとの間に、ピンP2の突出部P2Bが介在するので、頭部P2AとピンパッドPDとに挟まれた第2ハンダ材SRが横に拡がって、互いにショートすることはなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この突出部P2Bを有するピンP2は、汎用されていないので、これを製造するために別途金型等を製作しなければならない。さらに、汎用されている釘頭状のピンP1と比べると、金型等が複雑になるので、ピンの製造コストが高くつく。一般に配線基板に使うピンの数は数10本ないし1000程度と多数であるので、ピンの単価上昇が樹脂製配線基板の大きなコストアップとなる。
さらに、この樹脂製配線基板80は、ピンP2に応力が発生した場合、ピンの突出部P2Bと配線板71のピンパッドPDとの当接面で亀裂が発生し、結果この接合部分が破壊されることがあり、強度的に実用十分ではない。
【0005】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、ピン立設板を備える樹脂製配線基板でありながら、ピンと配線板の接合強度が高く、電気的不良が生じ難く、かつ安価な樹脂製配線基板及びこのようなピンを立設したピン立設板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、第1主面と第2主面とを有する板形状をなし、上記第1主面と第2主面との間を貫通する多数の貫通孔と、少なくとも上記第1主面の上記貫通孔周縁に形成された導体層と、を有するピン保持板と、上記第2主面側から突出する先端部と、上記貫通孔を貫通する中間部と、上記先端部及び中間部より径大な基端部であって、上記貫通孔に係合し、上記導体層にハンダ付けされた係合部、および、上記係合部と導体層とをハンダ付けする第1ハンダ材よりも高融点で、上記係合部の基端側面に固着され、基端方向に膨出するハンダ材またはロウ材を有する当接部を備える基端部と、を有する多数のピンと、を備えることを特徴とするピン立設板である。
【0007】
本発明によれば、ピンの基端部は、当接部と係合部とを有する。従って、このようなピンを持つピン立設板を配線板に接合する場合、ピン立設板のうちのピン保持板と配線板との間には、ピンの基端部の高さ分だけ、即ち、係合部の他、当接部を加えた高さ分だけ隙間が空くことになる。このため、ピンとピンパッドとをハンダ付けするための第2ハンダ材が拡がって、隣接する入出力端子間同士でショートすることはない。
【0008】
また、本発明のピン立設板を配線板に接合する場合、ピンの係合部とピンパッドの間には、ハンダ付けに用いた第2ハンダ材の他、ピンの先端部、中間部及び係合部(以下これらを合わせてピン本体ともいう)よりも柔らかなハンダ材やロウ材を有する当接部が介在することになる。このため、ピンとピンパッドの間に応力が生じた場合でも、当接部のハンダ材やロウ材も変形して応力を吸収して緩和するため破壊しにくくなり、ピンパッドにコバール等からなる釘頭状のピンを直接ハンダ付けした場合に比して、極めて高い接続強度を得ることができる。
【0009】
さらに、コバール等からなるピン本体の比較的平滑な表面に比して、当接部の表面は、細かな凹凸が形成される。これは、ハンダ材やロウ材が冷却されて固化する際に、細かな凹凸やボイドが形成されるためである。このため、ハンダ付けの際、第2ハンダ材と当接部との接触面積が増える。この点から、比較的滑らかな表面を持つピン本体基端部自身を当接部と同形状にした場合よりもハンダ付けにより当接部が強固に接続できる利点もある。
しかも、各ピンは、ピン保持板と固着されているため、特定のピンにのみ応力が掛かってもピン保持板に、あるいはピン保持板を介して他のピンにも応力が分散されるので、ピン保持板を無くして個々のピンを接続しただけの場合に比べ、強固にピンを接続することができる。
【0010】
ここで、ピン保持板は、所定の電気絶縁性、強度、耐熱性等を有するものであれば良く、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂、ガラス−エポキシ樹脂複合材料、ガラス−BT樹脂複合材料などこれらの樹脂とガラス繊維やポリアミド繊維等との複合材料、これらの樹脂とアルミナ等のセラミック粉末との複合材料、連続多孔質PTFEなどの三次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂等を含浸硬化させた複合材料などが挙げられる。
また、ピン保持板に形成された貫通孔は、ピンの先端部および中間部をこの貫通孔に挿入もしくは圧入することができ、かつピンの基端部(のうちの係合部)を係合させることのできる内径をなすものであれば良い。
【0011】
また、ピン保持板に形成された導体層は、少なくとも第1主面の貫通孔周縁に形成されていれば良く、例えば、第1主面に金属層を有するピン保持板に、貫通孔を形成し、エッチング等で貫通孔周縁に形成したもので良い。
なお、第1主面の貫通孔周縁のほか貫通孔内壁にも、導体層(スルーホール導体)を形成し、第1主面の貫通孔周縁でピンの係合部とハンダ付けするほか、貫通孔内壁の導体層(スルーホール導体)とピンの中間部とをハンダ付けすると良い。ピンとピン保持板との接合強度をより高くすることができるからである。
【0012】
ピン本体(先端部、中間部、および基端部のうち係合部)の材質としては、強度や加工性等を考慮して適宜選択すれば良いが、コバールや42Ni−Fe合金、銅合金等が挙げられる。
また、ピンの当接部のハンダ材およびロウ材としては、ピンをピン保持板の導体層とハンダ付けする際に溶融しないように、この際に使用する第1ハンダ材よりも融点の高いものの中から、ピン本体の材質やメッキの容易さ等を考慮して適宜選択すれば良く、例えば、Ag−Cuなどの銀ロウ材やAu−Si,Au−Sn,Au−Ge等の金系ロウ材、95Pb−5Sn,90Pb−10Sn等の高温ハンダ材が挙げられる。なお、この当接部は、ハンダ材およびロウ材のみから構成される場合の他、酸化防止等のためにNiメッキやAuメッキを掛けておいても良い。このようにしても、ハンダ材およびロウ材のみから構成される場合と同様、上記したように、ピンと配線板との接合強度を極めて高くすることができる。
また、ピンをピン保持板にハンダ付けする第1ハンダ材としては、上記したようにハンダ付けの際、当接部が溶解しないように、これより融点の低いもので、かつその後に接続する配線板のハンダ付け温度等を考慮して選択すればよいが、例えば、95Sn−5Sbハンダ材、Pb−Sn系ハンダ材(例えば、37Pb-63Sn共晶ハンダ材、50Pb-50Sn、90Pb-10Sn等)、Sn−Ag系ハンダ材(例えば、96.5Sn-3.5Ag)等が挙げられる。
【0013】
ここで、上記ピン立設板であって、前記係合部は釘頭状であり、前記当接部は、前記係合部の基端側面全面から前記基端方向に球面状に膨出する上記ハンダ材またはロウ材を有する球面状当接部であることを特徴とするピン立設板とすると良い。
【0014】
球面状その他の形状の当接部をピン本体と同じ金属で形成する場合には、ピン形成時にプレス等によって当接部を一体成形するのが通常であるが、小さなピンであるので、このような球面状当接部は成形困難であり、単価が高くなる。一般に配線基板に使うピンの数は数10本ないし1000本程度の多数であるので、僅かな単価上昇でも大きなコストアップになる。
一方、本発明で用いるピンは、釘頭状の係合部の基端側面の全面に膨出するロウ材等を有する球面状当接部を備える。このため、形成容易な釘頭状のピンを用いることができ、しかも、この係合部の基端側面にロウ材片を載置して加熱溶融することで、容易に半球状など球面状にロウ材(ハンダ材)を溶着させることができる。しかも、このような釘頭状のピンにロウ材を溶着したものは、セラミック製配線基板において大量に使用されているので、結局安価に入手することができる。従って、ピンが安価で入手容易であり、さらなるコスト低減が可能となる。
【0015】
また、本発明によれば、ピンの当接部は球面状であるので、当接部とピンパッドとは、略一点で接することになる。このため、当接部とピンパッドとをハンダ付けする際に、当接部とピンパッドとの間で容易に横ずれをするため、セルフアライメント効果による力が生じたときに、容易にピン保持板が面に沿う方向に動くから、当接部とピンパッドとの位置関係が自動的に正しい位置に配置されやすい。従って、当接部とピンパッドとを確実に所定の位置で接合させることができる。
【0016】
ここで、上記ピン立設板であって、前記導体層は、前記第1主面のうち前記貫通孔周縁にのみ形成され、前記ピンの基端部と上記貫通孔周縁の導体層とがハンダ付けされていることを特徴とするピン立設板とすると良い。
【0017】
本発明によれば、導体層は、ピン保持板の第1主面のうち貫通孔周縁にのみ形成され、第2主面の貫通孔周縁や貫通孔内壁には形成されない。そして、ピンの基端部のうちの係合部とこの導体層のみをハンダ付けすることで、ピンがピン保持板に固着されている。
このため、このピン立設板では、例えば上記したように、第1主面に金属箔が張られたピン保持板に貫通孔を形成し、エッチング等で貫通孔周縁に導体層を形成するなど、第1主面の貫通孔周縁に導体層を形成するだけで足り、貫通孔内壁にスルーホールメッキを施すなどの工程が不要となるので、より安価なピン立設板とすることができる。
【0018】
なお、さらに上記ピン立設板であって、前記ピンの中間部は、前記貫通孔に圧入されていることを特徴とするピン立設板が好ましい。ピンの基端部(係合部)と導体層とがハンダ付けされているほかに中間部がピン保持板の貫通孔に圧入されていると、ピンはより強固にピン保持板に保持されるからである。
一方、前記ピン立設板であって、前記ピンの中間部は、前記貫通孔に遊挿されていることを特徴とすることもできる。ピンの中間部が貫通孔に遊挿されているので、ピンを他の配線基板に実装しようとしてピン挿入口やソケットにピンを挿入する際など、ピンに応力が掛かったときにも、ピンの先端部のみでなく中間部も変形して応力を吸収して緩和することができるからである。
【0019】
また、他の解決手段は、第1配線板主面と第2配線板主面とを有する板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記第1配線板主面、第2配線板主面及び内部の少なくともいずれかに形成された配線と上記第2配線板主面に形成されたピンパッドとを有する配線板と、上記ピン立設板とを、上記ピンパッドに前記ピンの当接部を当接させ、前記当接部のハンダ材またはロウ材よりも融点の低い第2ハンダ材でハンダ付けすることにより接続してなる樹脂製配線基板である。
【0020】
本発明によれば、この樹脂製配線基板は、上記ピン立設板のうちの各々のピンの当接部を、第2主面にピンパッドを備える配線板のピンパッドにそれぞれ当接させ、ハンダ付けで接続したものである。従って、上記したように、ピン保持板と配線板との間には、ピンの係合部だけでなく当接部も介在する。このため、この樹脂製配線基板は、ピン立設板と配線板とを接合した際に、ピン当接部とピンパッドとをハンダ付けする第2ハンダ材が横に拡がって隣接する入出力端子間でショートすることがないので、信頼性の高い樹脂製配線基板とすることができる。
【0021】
また、上記したように、ピンの係合部とピンパッドとの間には、ピン本体よりも柔らかなハンダ材やロウ材を有する当接部が介在するため、ピンとピンパッドの間に応力が生じても、当接部のハンダ材やロウ材が変形して応力を吸収して緩和するので、接続強度が極めて高い。さらに、当接部の表面に細かな凹凸を有するので、当接部とピンパッドとのハンダ付けの際、第2ハンダ材と当接部との接触面積が増えるから、本発明におけるピンは、比較的滑らかな表面を持つピンを用いるよりも、強固に接続されている。
【0022】
特に、ピンの当接部を球面状当接部とした場合には、球面状当接部とピンパッドとは、略一点で接することになる。このため、配線板とピン保持板とのハンダ付けの際に、セルフアライメント効果によってピン立設板が容易に移動するので、球面状当接部とピンパッドとの位置関係が自動的に正しい位置に配置されやすく、球面状当接部とピンパッドとが確実に所定の位置で接合された樹脂製配線基板となる。
【0023】
ここで、ピン保持板を配線板に接続する第2ハンダ材、即ち、ピンパッドとピンの当接部とを接続する第2ハンダ材は、ピンの当接部のハンダ材やロウ材よりも融点の低いもので、その前あるいはその後に搭載する電子部品のハンダ付け温度等を考慮して選択すればよいが、例えば、Pb−Sn系ハンダ材(例えば、37Pb-63Sn共晶ハンダ材、50Pb-50Sn、90Pb-10Sn等)、Sn−Ag系ハンダ材(例えば、96.5Sn-3.5Ag)等が挙げられる。ただし、ピンをピン保持板(導体層)に第1ハンダ材によりハンダ付けした後に、ピンをピンパッドに第2ハンダ材によりハンダ付けするので、このとき、ピンをピン保持板に接合した第1ハンダ材が溶解しないように、ピンをピンパッドに接合する第2ハンダ材は、融点のより低いものを選択するのが良い。一旦ピン保持板に固着されたピンが、第1ハンダ材の再溶融によって、固着位置がずれたり、ピン保持板から抜けたりすることなないので、ピン立設板と配線板とが、より確実に接続された樹脂製配線基板とすることができるからである。
【0024】
配線板は、その第1配線板主面、第2配線板主面および内部の少なくともいずれかに配線層を備えているものであり、従って、絶縁層が単数層であるものの他、複数層積層にされたものも含まれる。
また、配線板を構成する樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂等の樹脂が挙げられる。また、複合材料としては、例えば、ガラス−エポキシ樹脂、ガラス−BT樹脂などのように、ガラス繊維やポリアミド繊維などの有機繊維に上記した樹脂を含浸硬化させたもの、これらの樹脂とアルミナ等のセラミック粉末との複合材料、連続多孔質PTFEなどの三次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂等を含浸硬化させた複合材料などが挙げられる。
ピンパッドは、配線板の第1配線板主面又は第2配線板主面において、ピンを当接させてハンダ付け可能とした部分を指す。
なお、ピン保持板と配線板との間の隙間に樹脂を注入し両者を固着してなる樹脂製配線基板としても良い。より強固にピン保持板が配線板に固着されて、樹脂製配線基板の信頼性を向上させることができるからである。
【0025】
また、他の解決手段は、第1配線板主面と第2配線板主面とを有する板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記第1配線板主面、第2配線板主面及び内部の少なくともいずれかに形成された配線と上記第2配線板主面に形成されたピンパッドとを有する配線板と、第1主面と第2主面とを有する板形状をなし、上記第1主面と第2主面との間を貫通する多数の貫通孔と少なくとも上記第1主面の上記貫通孔周縁に形成された導体層とを有するピン保持板と、上記第2主面側から突出する先端部と、上記貫通孔を貫通する中間部と、上記先端部及び中間部より径大な基端部であって、上記貫通孔に係合し、上記導体層にハンダ付けされた係合部、および、上記係合部と導体層とをハンダ付けする第1ハンダ材よりも高融点で、上記係合部の基端側面に固着され、基端方向に膨出するハンダ材またはロウ材を有する当接部を備える基端部と、を有し、上記当接部が上記ピンパッドに当接しつつ、上記当接部のハンダ材またはロウ材よりも低融点の第2ハンダ材によりハンダ付けされた多数のピンと、を備えることを特徴とする樹脂製配線基板である。
【0026】
本発明によれば、このピンは、一方でピンパッドが形成された配線板に、他方で導体層が形成されたピン保持板に接合、固着されている。即ち、ピンの基端部のうちの係合部から膨出する当接部とピンパッドとが、当接した状態でハンダ付けされることにより、ピンと配線板とが接合されている。そして、ピンの基端部の係合部と、ピン保持板に形成された導体層とがハンダ付けされることにより、ピンとピン保持板とが固着されている。つまり、配線板とピン保持板との間には、ピンの係合部だけでなく当接部も介在する。このため、ピン当接部とピンパッドとをハンダ付けするための第2ハンダ材が拡がって、隣接する入出力端子間同士でショートすることはなく、信頼性の高い樹脂製配線基板とすることができる。
【0027】
また、上記したように、ピンの係合部とピンパッドとの間には、ピン本体よりも柔らかなハンダ材やロウ材を有する当接部が介在するため、ピンとピンパッドの間に応力が生じても、当接部のハンダ材やロウ材が変形して応力を吸収するので、接続強度が極めて高い。さらに、当接部の表面に細かな凹凸を有するので、第2ハンダ材と当接部との接触面積が増えるから、本発明におけるピンは、比較的滑らかな表面を持つピンよりも、強固に接続されている。
【0028】
ここで、上記樹脂製配線基板であって、前記係合部は釘頭状であり、前記当接部は、前記係合部の基端側面全面から前記基端方向に球面状に膨出する前記ハンダ材またはロウ材を有し、前記ピンパッドと当接する球面状当接部であることを特徴とする樹脂製配線基板とすると良い。
【0029】
本発明では、釘頭状の係合部の基端側面の全面に膨出するロウ材等を有する球面状当接部を備えたピンを用いる。このため、形成容易な釘頭状のピン(ピン本体)を用い、このような釘頭状のピンに球面状にロウ材を溶着した汎用のピンを用いることができるので、安価に入手することができ、安価な樹脂製配線基板とすることができる。
【0030】
ここで、上記樹脂製配線基板であって、前記導体層は、前記第1主面のうち前記貫通孔周縁にのみ形成され、前記ピンの基端部と上記貫通孔周縁の導体層とがハンダ付けされていることを特徴とする樹脂製配線基板とすると良い。
【0031】
本発明によれば、導体層は、ピン保持板の第1主面のうち貫通孔周縁にのみ形成され、貫通孔内壁やピン保持板の第2主面の貫通孔周縁には形成されない。そして、ピンの基端部のうちの係合部とこの導体層のみをハンダ付けすることで、ピンとピン保持板とを固着している。
このため、上記したように、この導体層は、例えば第1主面に金属箔を有するピン保持板に、貫通孔を形成し、エッチング等で貫通孔周縁に導体層を形成するなど、第1主面の貫通孔周縁に形成すれば良く、スルーホールメッキを施して導体層を形成するのに比して、手間やコストがかからないため、安価な樹脂製配線基板とすることができる。
【0032】
なお、中間部の外径と貫通孔の内径を適宜設計して、ピンの中間部が貫通孔内に圧入されている場合には、さらにピンの接合強度を高くすることができる。
一方、貫通孔の内径をピンの中間部の外径より十分に大きくして、中間部を貫通孔内に遊挿させた場合には、ピンのうち変形可能な部分が増すので、樹脂製配線基板を他の配線基板に実装する際に、ピン挿入口やソケットと当接するなどしてピンにかかる応力を効果的に吸収できる。
なお、上記した樹脂製配線基板において、さらにピン保持板と配線板との間の隙間に樹脂を注入し、両者を固着してなる樹脂製配線基板としても良い。より強固にピン保持板が配線板に固着されて、樹脂製配線基板の信頼性を向上させることができるからである。
【0033】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
まず、図1(a)に示すピン立設板25は、図示しないが平面視正方形状で板状のピン保持板21を備える。このピン保持板21には、多数のピン16が第1主面(図中上面)21Aから第2主面(図中下面)21Bへ挿入されて立設している。これらのピンは、先端側が第2主面21Bから図中下方に向けて突出し、基端側が第1主面21Aに係合した状態で、ピン保持板21に固着されている。
図1(b)に示すように、このピン保持板21は、厚さ1mmのガラスBT樹脂複合材料の保持板21本体からなり、後に接合される配線板11のピンパッド14の位置に対応して、直径φ0.45mmの多数の貫通孔24が形成されている。そして、第1主面21A、第2主面21Bのうち、貫通孔周縁にそれぞれ厚さ20μmの第1貫通孔周縁部22A、第2貫通孔周縁部22Bを、貫通孔24の内壁面に厚さ10μmの内周部22Cを有する導体層22が形成されている。
【0034】
一方、ピン16は、ピン保持板21の第2主面21Bより突出した部分である先端部16Aと、貫通孔24を貫通した部分である中間部16Bと、基端部16Cとを備える。ここで、先端部16Aと中間部16Bは、直径φ0.38mm×長さ2mmの棒状をなす。また、基端部16Cは、釘頭状の係合部17A(φ0.6mm×0.2mmt)、およびこの係合部の基端側面17A1の全面から半球状(半径約0.3mm)に膨出する球面状当接部17Bを有する。ピン16のうち先端部16Aと中間部16Bと係合部17Aとは一体成形で製造された釘頭状のピン本体16Pを構成しており、本実施形態では、コバール(Fe−Ni−Co合金)からなる。一方、球面状当接部17Bは、共晶銀ロウ(72Ag-28Cu:融点780℃)からなる。また、ピン16(ピン本体16Pおよび球面状当接部17B)の表面には、後述するように、図示しないがNi−Pメッキ(厚さ2.5μm)およびAuメッキ(厚さ0.05μm)が酸化防止やハンダ付け性向上のために施されている。
【0035】
係合部17Aと導体層22のうち第1貫通孔周縁部22Aとが、また、中間部16Bと貫通孔内壁に形成された内周部22Cとが、それぞれ第1ハンダ材23でハンダ付けされることによって、ピン16がピン保持板21に固着されている。この第1ハンダ材23は、ハンダ付けの際、球面状当接部17Bが再溶融しない温度でハンダ付けすることができ、しかも、後に、配線板やICチップを接合する際の温度では再溶融しないように考慮された融点を有する。本実施形態では、共晶銀ロウの融点が十分高い(780℃)ので、球面状当接部17Bの再溶融を考慮する必要はないが、後に接合する配線板のハンダ付け温度やICチップicのハンダ付け温度(183℃)を考慮して、95Sn−5Sbハンダ材(融点238〜240℃)を用いている。
【0036】
次に、このピン立設板25を備える樹脂製配線基板10について、図2を参照しつつ説明する。
図2(a)に示す樹脂製配線基板10は、図示しないが平面視板形状で、ピン保持板21およびこれと略同じ大きさの平面視正方形状の配線板11とを備える。その第2配線主面(図中下面)11Bには、ピン立設板25が、ピンの当接部17Bとピンパッド14とをハンダ付けすることで、接合されている。一方、配線板11の第1配線板主面11Aには、破線で示すようにICチップicを搭載出来るようになっている。
【0037】
図2(b)に示すように、配線板11は、エポキシ材料からなる絶縁層12A,12B,12C…が積層され、絶縁層12Aの図中下面側には、厚さ20μmのCuメッキおよび厚さ5μmのNiメッキからなるピンパッド14が多数形成されると共に、このピンパッド14の周縁部が若干掛かるようにしてソルダーレジスト層13が形成されたものである。ピンパッド14のうちソルダーレジスト層13からの露出部は、直径φ0.9mmである。なお、配線板11内には、ピンパッド14に接続しまたは接続しないビア15Aや内部配線層15Bが、公知の手法によって形成されている。例えば、本実施形態では、ビア15Aは絶縁層に穿孔後、メッキおよび導電性材料の充填により、内部配線層15Bはメッキにより形成されている。
【0038】
配線板11のピンパッド14には、ピン16の球面状当接部17Bがピンパッド14に当接するようにして、第2ハンダ材18でハンダ付けにより固着されている。この第2ハンダ材18は、球面状当接部17Bとピンパッド14とをハンダ付けする際、球面状当接部17B、およびピン16をピン保持板21に固着しているハンダ材23が再溶融しないように考慮された融点を有する。本実施形態では、共晶銀ロウの融点が十分高い(780℃)ので、球面状当接部17Bの再溶融を考慮する必要はないが、ピン16とピン保持板21とのハンダ付け温度およびICチップicのハンダ付け温度を考慮して、37Pb−63Snハンダ材(融点183℃)を用いている。
【0039】
また、このようにした樹脂配線基板10は、ピン保持板21と配線板11との間に、ピンの基端部16Cの高さ分だけ、即ち、ピン16の係合部17Aの他、当接部17Bの高さ分だけ隙間が空くことになる。このため、ピン16とピンパッド14とをハンダ付けする第2ハンダ材18が横に拡がって、隣接する入出力端子間同士でショートすることはない。
【0040】
また、この樹脂配線基板10は、配線板11とピン立設板25との接合強度が高く、ピン16とピンパッド14のとの間に応力がかかっても、従来のようにこの接合部分が破壊することはなく、実用十分な接合強度がある。これは、ピン16の係合部17Aとピンパッド14との間に、係合部17Aから半球状に膨出した共晶銀ロウ材を有する球面状当接部17Bおよび第2ハンダ材18が介在しているからである。というのも、ヤング率(kg/mm2)で比較したとき、コバールは14000〜15500であるのに対し、共晶銀ロウ材は9200であることからも判るように、ロウ材やハンダ材は柔らかく変形しやすい。このため、係合部17Aとピンパッド14との間に介在するロウ材(当接部17B)や第2ハンダ材18が変形することにより、応力が緩和されて、破壊しにくくなるものと考えられる。なお、ピン本体16Pを42合金や銅で形成した場合も、ヤング率が42合金は15000,無酸素銅は12000であることから、同様に当接部17Bや第2ハンダ材18で応力が緩和できる。
【0041】
さらに、ピン本体(例えば係合部17A)の表面は比較的滑らかであり、表面粗度で0.05〜0.5μmRa程度であるのに対し、球面状当接部17Bの表面粗度は0.5〜5μmRaと粗面になっている。これは、銀ロウ材が冷えて固まる際に、その表面に凹凸やボイドが発生するため、メッキ処理後においてもこの凹凸が残り、当接部17Bの表面が粗面になると考えられる。このように表面が粗となっていると第2ハンダ材18との接触面積が増え接続がより強固になることも、接続強度の向上に寄与したと考えられる。
【0042】
次いで、このピン立設板25および樹脂製配線板10の製造方法について説明する。
ピン立設板25は、図3(a)〜図3(c)に示す工程で製造する。公知の手法により、図3(a)に示すピン保持板21を形成する。具体的には、両面銅張積層板を用意し、所定の位置にドリルで貫通孔24を穿孔し、サブトラクティブ法によって、貫通孔24周縁および貫通孔24内壁に、スルーホールメッキを施して導体層22(第1貫通孔周縁部22A、第2貫通孔周縁部22Bおよび内周部22C)を形成する。このピン保持板21の第1主面(図中上面)21A上の第1貫通孔周縁部22A上に、図3(b)に示すように、スクリーン印刷により95Sn−5Sbハンダ材のハンダペーストSTを塗布する。
【0043】
次に、釘頭状の係合部17Aに溶着した球面状当接部17Bを備えるピン16を多数用意し、このピン16を先端部16Aから貫通孔24へ挿入する。ピン16は、釘頭状の基端部16C(係合部17A)で貫通孔24と係合して止まる。この状態で、リフロー炉(図示しない)に投入し加熱して(例えば、本実施形態では、最高260℃、240℃以上100秒保持)、ハンダペーストSTを溶融させることにより、図3(c)に示すように、ピン16をピン保持板21に第1ハンダ材23でハンダ付けする。このとき、溶融した第1ハンダ材23は、導体層22のうち内周部22C上までぬれ拡がり、ピン16の係合部17Aと第1貫通孔周縁部22Aとが、また、ピンの中間部16Bと内周部22Cとが固着される。この際、球面状当接部17Bは、共晶銀ロウの融点が780℃であるため、再溶融することなく当初の形状、本例では半球状の形状を保ち続ける。
このようにして、ピン立設板25が完成する。
【0044】
さらに、樹脂製配線基板10は、図3(c)のピン立設板25を用いて、図4(a)〜図4(c)の工程で製造する。図4(a)に示すように、配線板11は、公知の手法で複合材料の絶縁層を順次積層して形成したもので、その第2配線板主面(図中上面)11Bには、Cuメッキによって形成され(厚さ20μm)、表面にNiメッキ(厚さ5μm)が施されたピンパッド14が多数(図では2ヶ)露出している。なお、Niメッキ層の酸化を防止するため、ピンパッド14の露出面には、ごく薄く(厚さ0.05μm)Auメッキ(図示しない)が施されている。この配線板11のピンパッド14に、図4(b)に示すように、スクリーン印刷により37Pb−63Snハンダ材のハンダペーストSPを塗布する。
【0045】
次に、図3(c)のピン立設板25を上下逆さにして、図4(b)の配線板11上に戴置し、ピン立設板25の自重で、球面状当接部17Bをピンパッド14上のハンダペーストSPに押し付ける。
この状態で、リフロー炉(図示しない)に投入し加熱して(例えば、本実施形態では、最高220℃、183℃以上100秒保持)、ハンダペーストSPを溶融させることにより、図4(c)に示すように、ピン16(球面状当接部17B)をピンパッド14に第2ハンダ材18でハンダ付けする。この際、球面状当接部17Bは、共晶銀ロウの融点が780℃であるため、再溶融することなく当初の形状、本例では半球状の形状を保ち続ける。このため、係合部17Aとピンパッド14とは、少なくとも球面状当接部17Bの高さ(本例では、約0.3mm)の分だけ間隔が空いた状態でハンダ付けされ、この間には、銀ロウ材(球面状当接部17B)および第2ハンダ材18が介在することになる。このため、ピン16とピンパッド14とをハンダ付けする際、第2ハンダ材18が横に拡がって、隣接する入出力端子間同士でショートすることはない。
【0046】
また、球面状当接部17Bとピンパッド14とは、略一点で接することになるので、加熱時に、球面状当接部17Bとピンパッド14との間で容易に横ずれをする。このため、セルフアライメント効果による力が生じたときに、容易にピン保持板25が面に沿う方向に動くから、球面状当接部17Bとピンパッド14との位置関係が自動的に正しい位置に配置されやすい。従って、ピン保持板25と配線板11とを確実に接続することができるので、信頼性の高い樹脂製配線基板10となる。
このようにして樹脂製配線基板10が完成する。
【0047】
なお、釘頭状の頭部を持つピン本体16Pの頭部(係合部17A)に銀ロウ材を半球状に溶着させて球面状当接部17Bを形成したピン16は、公知の手法によって形成すればよい。例えば、係合部17Aの基端側面17A1(図1(b)参照)に銀ロウ片を載置し、加熱して銀ロウ材を溶融させて表面張力で半球状にし、その後冷却してピン16を得る方法が挙げられる。この手法による場合には、球面状当接部17Aの体積従って寸法が、銀ロウ片の体積(寸法)によって規制されるため、均一な体積を持つ銀ロウ片を用いることで、均一な寸法の球面状当接部17Aを容易かつ安価に形成できて好ましい。また、このようなピン本体16Pに銀ロウ材を固着したピン16は、セラミック製PGA型配線基板の製造において、大量に生産・使用されているので、容易かつ安価に入手でき、しかも品質も安定している。
なお、球面状当接部17Bを含めピン16には、予めNi−Pメッキ(厚さ2.5μm)およびAuメッキ(0.05μm)を掛けておく。これは、ピン本体(コバール部分)の酸化防止とハンダ付け性向上のためである。また、メッキ後に、メッキ残渣を除去するために、熱処理を施すことが好ましい。熱処理の条件としては、還元雰囲気にて150〜450℃が好ましく、さらには、300〜450℃が好ましい。150℃以上では残留水分を除去でき、また、300℃以上では有機残渣を除去できるからである。また、450℃以上になると、AuメッキがNiメッキ中に完全に拡散してしまい、ハンダの濡れ性が極端に悪くなってしまう。
【0048】
また、このピン16は、従来技術において用いた突出部P2Bを持つピンP2(図7参照)や、球面状当接部をもコバールとし、ピン本体16P(先端部16A、中間部16Bおよび係合部17A)と一体に成型したものよりも製造容易で安価となる。このような一体成型のピンを形成するには、球面状当接部を機械加工あるいは特殊形状のプレス型による加工で形成する必要があり、ピンの単価が高くなるからである。
なお、上記から容易に理解できるように、球面状当接部17Bの高さは、ピンパッド14の径や係合部17Aの径等を考慮し、ピンパッド14と係合部17Aの間隔(配線板11の第2配線板主面11Bとピン保持板21の第1主面21Aとの間隔)を所望の範囲に規制するために適宜選択すれば良く、その形状は概略球面状となっていればよい。
【0049】
(実施形態2)
次いで、第2の実施の形態について図5を参照しつつ説明する。本実施形態は、上記実施形態1とピンの形状が異なるのみであるので、異なる部分のみ説明し、同様な部分の説明は省略又は簡略化する。
本実施形態に係るピン立設板45には、図5のから判るように、実施形態1と同様に、釘頭状の係合部37Aを備えるピン36が立設されている。このピン36の係合部37Aには、半球状に膨出する共晶銀ロウ材が固着して当接部37Bが形成されているが、実施形態1の球面状当接部17Bと異なり、係合部37Aの一部、具体的には基端側面37A1の略中央部から膨出している。
【0050】
本実施形態に係る樹脂製配線基板30は、このようなピン立設板45を、実施形態1と同様に、配線板11のピンパッド14にピン36の当接部37Bを当接させハンダ付けすることにより、接合したものである。
このため、係合部37Aとピンパッド14との間に介在する第2ハンダ材18の体積比率を実施形態1(図2(b)参照)に比して相対的に大きくできる。また、係合部37Aとピンパッド14との間隔を小さくできる。
また、本実施形態の樹脂製配線基板30においても、ピン36の係合部37Aとピンパッド14との間には、銀ロウ材(当接部37B)や第2ハンダ材18が介在するので、ピン36の接続強度を高くすることが出来る。
【0051】
本実施形態の樹脂製配線基板30の製造方法は、実施形態1のそれと同様であるが、ピン36の製造が若干異なるので説明する。本実施形態に用いるピン36は、例えば、上記実施形態1と同様に、ピン本体16Pに半球状に銀ロウ材を溶着させたの後、銀ロウを溶解するエッチング液(例えば、小島化学薬品製GSSD7等)で一部溶解することにより、その体積及び寸法を減少させることで形成できる。
【0052】
(実施形態3)
次いで、第3の実施の形態について図6を参照しつつ説明する。本実施形態は、上記実施形態1と導体層およびピンと導体層の接合部分が異なるのみであるので、異なる部分のみ説明し、同様な部分の説明は省略又は簡略化する。
本実施形態に係るピン立設板65は、図6のから判るように、その導体層62は、実施形態1における第1貫通孔周縁部22Aに相当する部分、即ちピン保持板61の第1主面61Aの貫通孔64周縁にのみ形成されている。そして、ピン16とピン保持板61とは、導体層62と係合部17Aのみが第1ハンダ材63でハンダ付けせれることにより、固着されている。
【0053】
本実施形態に係る樹脂製配線基板50は、このようなピン立設板65を、実施形態1と同様に、配線板11のピンパッド14にピン16の当接部17Bを当接させハンダ付けすることにより、接合したものである。なお、第1ハンダ材63の量は、実施形態1の第1ハンダ材23より少量としておくのが良い。
本図から判るように、ピン16の中間部16Bは、貫通孔64内に圧入されることなく、遊挿されているので、ピン16のうち変形可能な部分が実施形態1と比べて多い。このため、この樹脂製配線板50をプリント配線板(図示しない)に形成した貫通孔に挿入したり、ソケットに挿入したりする際に、ピン16にかかる応力を効果的に吸収することができる。
【0054】
本実施形態の樹脂製配線基板50の製造方法は、上記実施形態1のそれと概略同様であるが、ピン保持板25の製造方法が異なるので説明する。片面にのみ銅箔が張られた銅張積層板に、所定の位置にドリルで穿孔し、貫通孔64を成形する。その後、エッチングで貫通孔64の周縁に導体層62を形成してピン保持板61とする。このため、メッキ処理が不要となるので、実施形態1の場合のように、サブトラクティブ法などによって、貫通孔24周縁および貫通孔24内壁にスルーホールメッキを施して導体層22を形成するのに比して、手間やコストがかからない。
【0055】
以上において、本発明を各実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、球面状当接部17B,37Bには、共晶銀ロウを用いたが、金系ロウ材や他の銀ロウ材、あるいはハンダ付けに使用する第1ハンダ材23,63、第2ハンダ材18よりも融点の高いハンダ材(例えば、95Pb-5Snなど)を用いても良いことは明らかである。
また、当接部17B,37Bは、ピンパッド14と当接する部分がいずれも半球状の球面状当接部17B,37Bを示したが、円柱状、円錐状その他の形状であっても良い。このようにしても同様に係合部17A,37Aとピンパッド14との間にロウ材や第2ハンダ材18が介在して、応力を緩和できるからである。但し、ピン製造の容易さを勘案すると、球面状当接部を形成したピンを用いるのが好ましい。
【0056】
また、上記実施形態では、ピン保持板21,61にピン16,36を固着してピン立設板25,45,65とし、配線板11にこのピン立設板25等を接合して樹脂製配線基板10,30,50を製造しているが、製造方法はこれに限らず、例えば、配線板11にピン16,36を固着した後、これにピン保持板21等を固着するようにしても良い。
また、上記実施形態では、樹脂製配線基板10,30,50を製造した後、ICチップicを搭載するが、ICチップicの搭載は、樹脂製配線基板10,30,50の完成後でなくても良く、例えば、予め配線板11にICチップicを搭載した後、この配線板11とピン立設板25,45,65とを接続するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るピン立設板について、(a)は全体図、(b)は部分拡大断面図である。
【図2】 実施形態に係る樹脂製配線基板について、(a)は全体図、(b)は部分拡大断面図である。
【図3】 実施形態に係るピン立設板および樹脂製配線基板の製造方法を示す説明図であり、(a)はピン保持板を示し、(b)はピン保持板第1主面の貫通孔および貫通孔周縁に第1ハンダ材を印刷する工程を示し、(c)はピンをピン保持板に立設し、固着させてピン立設板をつくる工程を示す。
【図4】 実施形態に係る樹脂製配線基板の製造方法を示す説明図であり、(d)は配線板を示し、(e)は配線板のピンパッド上に第2ハンダ材を印刷する工程を示し、(f)は配線板にピン立設板を接合して樹脂製配線板をつくる工程を示す。
【図5】 他の実施形態に係る樹脂製配線基板の構造を示す部分拡大断面図であり、釘頭状の係合部の一部に当接部を設けたものを示す。
【図6】 他の実施形態に係る樹脂製配線基板の構造を示す部分拡大断面図であり、第1主面の貫通孔周縁にのみ形成された導体層と係合部が固着したものを示す。
【図7】 釘頭状の頭部を持つピンをピン保持板に第1ハンダ材で固着して立設し、このピンの頭部を配線板の第2配線板主面に設けたピンパッドにハンダ付けして接合した従来の樹脂製配線基板の部分拡大断面図である。
【図8】 突出部を有する釘頭状のピンをピン保持板に第1ハンダ材で固着して立設し、このピンの突出部を配線板の第2配線板主面に設けたピンパッドに当接させてハンダ付けし、接合した従来の樹脂製配線基板の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10,30,50 樹脂製配線基板
11 配線板
11A 第1配線板主面
11B 第2配線板主面
12A,12B,12C 絶縁層
14 ピンパッド
16,36 ピン
16A,36A 先端部
16B,36B 中間部
16C,36C 基端部
17A,37A 係合部
17B,37B 当接部
21,61 ピン保持板
21A,61A 第1主面
21B,61B 第2主面
22,62 導体層
22A 第1導体層周縁部
24,64 貫通孔
25,45,65 ピン立設板

Claims (7)

  1. 第1主面と第2主面とを有する板形状をなし、
    上記第1主面と第2主面との間を貫通する多数の貫通孔と、
    少なくとも上記第1主面の上記貫通孔周縁に形成された導体層と、
    を有するピン保持板と、
    上記第2主面側から突出する先端部と、
    上記貫通孔を貫通する中間部と、
    上記先端部及び中間部より径大な基端部であって、上記貫通孔に係合し、上記導体層にハンダ付けされた係合部、および、上記係合部と導体層とをハンダ付けする第1ハンダ材よりも高融点で上記係合部の基端側面に固着され基端方向に膨出するハンダ材またはロウ材を有する当接部を備える基端部と、
    を有する多数のピンと、
    を備えることを特徴とするピン立設板。
  2. 請求項1に記載のピン立設板であって、
    前記係合部は釘頭状であり、
    前記当接部は、前記係合部の基端側面全面から前記基端方向に球面状に膨出する上記ハンダ材またはロウ材を有する球面状当接部であることを特徴とするピン立設板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のピン立設板であって、
    前記導体層は、前記第1主面のうち前記貫通孔周縁にのみ形成され、
    前記ピンの基端部と上記貫通孔周縁の導体層とがハンダ付けされていることを特徴とするピン立設板。
  4. 第1配線板主面と第2配線板主面とを有する板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記第1配線板主面、第2配線板主面及び内部の少なくともいずれかに形成された配線と上記第2配線板主面に形成されたピンパッドとを有する配線板と、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載のピン立設板とを、
    上記ピンパッドに前記ピンの当接部を当接させ、前記当接部のハンダ材またはロウ材よりも融点の低い第2ハンダ材でハンダ付けすることにより接続してなる樹脂製配線基板。
  5. 第1配線板主面と第2配線板主面とを有する板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記第1配線板主面、第2配線板主面及び内部の少なくともいずれかに形成された配線と上記第2配線板主面に形成されたピンパッドとを有する配線板と、
    第1主面と第2主面とを有する板形状をなし、上記第1主面と第2主面との間を貫通する多数の貫通孔と少なくとも上記第1主面の上記貫通孔周縁に形成された導体層とを有するピン保持板と、
    上記第2主面側から突出する先端部と、上記貫通孔を貫通する中間部と、上記先端部及び中間部より径大な基端部であって、上記貫通孔に係合し、上記導体層にハンダ付けされた係合部、および、上記係合部と導体層とをハンダ付けする第1ハンダ材よりも高融点で上記係合部の基端側面に固着され基端方向に膨出するハンダ材またはロウ材を有する当接部を備える基端部と、を有し、上記当接部が上記ピンパッドに当接しつつ、上記当接部のハンダ材またはロウ材よりも低融点の第2ハンダ材によりハンダ付けされた多数のピンと、
    を備えることを特徴とする樹脂製配線基板。
  6. 請求項5に記載の樹脂製配線基板であって、
    前記係合部は釘頭状であり、
    前記当接部は、前記係合部の基端側面全面から前記基端方向に球面状に膨出する前記ハンダ材またはロウ材を有し、前記ピンパッドと当接する球面状当接部であることを特徴とする樹脂製配線基板。
  7. 請求項5または請求項6に記載の樹脂製配線基板であって、
    前記導体層は、前記第1主面のうち前記貫通孔周縁にのみ形成され、
    前記ピンの基端部と上記貫通孔周縁の導体層とがハンダ付けされていることを特徴とする樹脂製配線基板。
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