JP3889878B2 - ハウジングレス式オイルクーラのコア部 - Google Patents

ハウジングレス式オイルクーラのコア部 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルクーラのコア部に係わり、特に、プレート部材を積層して形成されるハウジングレス式オイルクーラのコア部に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プレート部材を積層して形成されるハウジングレス式オイルクーラとしては、例えば、実開平1−88165号公報等に開示されるものが知られている。
図9は、この種のハウジングレス式オイルクーラを示すもので、このオイルクーラのコア部11は、アルミニュウムからなる第1プレート13および第2プレート15を積層し、これ等のプレート13,15の間に冷却水室17およびオイル室19を交互に形成して構成されている。
【0003】
そして、隣接するオイル室19が、中央に配置されるオイル戻り管21を中心にして対称位置に形成される一対のオイル通路23により連通されている。
また、オイル室19内には、インナーフィン25が収容され、このインナーフィン25のオイル通路23に対応する位置にオイル通路孔27が形成されている。
【0004】
そして、このオイルクーラでは、オイル通路23の一部が所定の閉塞プレート13A,15Aにおいて閉塞されている。
このハウジングレス式オイルクーラは、オートトランスミッションケースに装着されて使用され、オートトランスミッションケースからのオイルが、図に矢符で示すように、コア部11内に流入した後、閉塞プレート13A,15Aの部分でターンしながらコア部11のオイル室19を通過し、冷却水室17内の冷却水と熱交換した後、オイル戻り管21からオートトランスミッションケースに戻される。
【0005】
そして、このハウジングレス式オイルクーラでは、閉塞プレート13A,15Aによりオイルをターンして流すようにしたので、オイルの流速が大きくなり流れが乱流となるため、オイル室19を流れるオイルと、冷却水室17を流れる冷却水との熱交換効率を向上することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のハウジングレス式オイルクーラでは、複数の第1プレート13と第2プレート15とを積層し、コア部11を形成した後に、複数の第1プレート13が所定の位置関係で積層されていることを外部から確認することが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、複数の第1プレートが所定の位置関係で積層されていることを外部から容易,確実に確認することができるハウジングレス式オイルクーラのコア部を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1のハウジングレス式オイルクーラのコア部は、複数の通路穴が形成される第1プレートと、複数の通路穴が形成される第2プレートとを交互に積層するとともに、前記第1プレートの内側に前記第2プレートを配置してなるハウジングレス式オイルクーラのコア部において、前記第1プレートの外周に、前記第1プレートの通路穴の位置と所定の位置関係を有する突出部または凹部を形成してなることを特徴とする。
【0009】
(作用)
請求項1のハウジングレス式オイルクーラのコア部では、第1プレートの外周に、第1プレートの通路穴の位置と所定の位置関係を有する突出部または凹部が形成され、これ等の突出部または凹部が、例えば、コア部の外周に、直線状に位置される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す一実施形態について説明する。
図1ないし図3は、本発明のハウジングレス式オイルクーラのコア部の一実施形態を備えたハウジングレス式オイルクーラを示すもので、これ等の図において、符号31は、コア部を示している。
【0011】
このコア部31の上下には、図2および図3に示すように、アルミニウムからなる上下ケーシング33,35が配置されている。
上ケーシング33は、カバー部材37により覆われており、上ケーシング33とカバー部材37との間にオイル出口タンク39が形成されている。
このオイル出口タンク39は、コア部31の中央に配置されるオイル戻り管41に連通されている。
【0012】
コア部31の下ケーシング35の下端には、オートトランスミッションケースへの取付部材43が配置され、下ケーシング35と取付部材43には、オイル流入口35a,43aが形成されている。
また、上ケーシング33およびカバー部材37には、図3に示すように、冷却水を流入する冷却水流入管45、および、冷却水を流出する冷却水流出管47が開口されている。
【0013】
この実施形態では、コア部31は、ろう材をクラッドしたアルミニウムからなる第1プレート51と第2プレート53とを交互に積層して構成されている。
そして、これ等のプレート51,53の間に冷却水室55とオイル室57とが交互に形成されている。
また、隣接するオイル室57が、図2に示したように、中央に配置されるオイル戻り管41を中心にして対称位置に形成される一対のオイル通路59により連通されている。
【0014】
さらに、オイル室57内には、インナーフィン61が収容され、このインナーフィン61のオイル通路59に対応する位置にオイル通路孔63が形成されている。
一方、隣接する冷却水室55が、図3に示したように、中央に配置されるオイル戻り管41を中心にして対称位置に形成される一対の冷却水通路65により連通されている。
【0015】
そして、このオイルクーラでは、オイル通路59の一部が所定の閉塞プレート51A,53Aにおいて閉塞されている。
すなわち、図4に示すように、コア部31は、第1プレート51と第2プレート53との間に、インナーフィン61を配置し、これ等を積層して構成されているが、第1プレート51と第2プレート53における所定の閉塞プレート51A,53Aにおいては、オイル通路59の一部が閉塞され、プレート側閉塞部51a,53aが形成されている。
【0016】
そして、閉塞プレート51A,53Aの両側に位置するインナーフィン61Aに形成されるオイル通路孔63のうちプレート側閉塞部51a,53aに対応するオイル通路孔63、すなわち、通常オイル通路孔63が形成されている部分が閉塞され、インナーフィン側閉塞部61aとされている。
【0017】
この実施形態では、インナーフィン61はアルミニュウムからなり、閉塞プレート51A,53Aの両側に位置するインナーフィン61Aが、閉塞プレート51A,53Aにろう付けされている。
そして、この実施形態では、第1プレート51および閉塞プレート51Aの外周に、第1プレート51および閉塞プレート51Aに形成されるオイル通路59および冷却水通路65の位置と所定の位置関係を有して第1の突出部71が形成されている。
【0018】
この第1の突出部71は、第1プレート51および閉塞プレート51Aの外周に形成される筒状部73の縁部に一体形成される矩形状の凸部を、外方に向けて折曲して形成されている。
また、この実施形態では、閉塞プレート51Aの外周に、閉塞プレート51Aに形成されるオイル通路59および冷却水通路65の位置と所定の位置関係を有して第2の突出部75が形成されている。
【0019】
この第2の突出部75は、第1の突出部71と同様に、閉塞プレート51Aの外周に形成される筒状部73の縁部に一体形成される矩形状の凸部を、外方に向けて折曲して形成されている。
また、この第2の突出部75は、第1の突出部71に対して、例えば、22.5度の角度をおいて形成されている。
【0020】
そして、コア部31の組み付け後には、図1に示したように、第1プレート51および閉塞プレート51Aに形成される第1の突出部71が、コア部31の軸長方向に、直線状に位置される。
また、閉塞プレート51Aに形成される第2の突出部75が、コア部31の軸長方向に平行な同一直線上に位置される。
【0021】
上述したハウジングレス式オイルクーラは、予め、各部品に非腐食性フラックスを塗布し、これを乾燥させた後、組み付けて、これ等を炉中にて加熱し各部品をろう付けすることにより製造される。
そして、上述したハウジングレス式オイルクーラでは、オイルは、図5に示すように、オートトランスミッションケース側から、コア部31の下部のオイル流入口43a,35aを通り、コア部31に流入した後、最初の閉塞プレート51A,53Aにより流れをターンされ、オイル室57をオイル流入口43a,35aと反対側に流れ、この後、次の閉塞プレート51A,53Aにより流れをターンされ、オイル室57をオイル流入口43a,35a側に流れ、さらに、上ケーシング33により流れをターンされた後、オイル流入口43a,35a側と反対側からオイル出口タンク39に流入し、この後、オイル戻り管41を通って、オートトランスミッションケース側に循環される。
【0022】
一方、冷却水は、図6に示すように、コア部31の上部の冷却水流入管45からコア部31に流入した後、第1プレート51および第2プレート53の冷却水通路65を通り、各冷却水室55を充満した後、オイル室57内のオイルと熱交換され、冷却水流出管47から流出する。
しかして、上述したハウジングレス式オイルクーラのコア部では、第1プレート51および閉塞プレート51Aの外周に、第1プレート51および閉塞プレート51Aのオイル通路59および冷却水通路65の位置と所定の位置関係を有する第1の突出部71を形成したので、コア部31の組み付け後には、図1に示したように、第1プレート51および閉塞プレート51Aに形成される第1の突出部71が、コア部31の軸長方向に、直線状に位置されるため、複数の第1プレート51および閉塞プレート51Aが所定の位置関係で積層されていることを外部から容易,確実に確認することができる。
【0023】
また、閉塞プレート51Aに形成される第2の突出部75が、コア部31の軸長方向に平行な同一直線上に位置されるため、コア部31の所定の位置に閉塞プレート51Aが積層されていることを外部から容易,確実に確認することができる。
【0024】
なお、以上述べた実施形態では、第1プレート51および閉塞プレート51Aに、第1の突出部71を形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、第1プレート51および閉塞プレート51Aの筒状部73に第1の凹部71Aを形成し、この第1の凹部71Aを確認するようにしても良い。
【0025】
そして、この場合には、閉塞プレート51Aには、図8に示すように、第2の突出部75の位置に第2の凹部75Aを形成しても良い。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1のハウジングレス式オイルクーラのコア部では、第1プレートの外周に、第1プレートの通路穴の位置と所定の位置関係を有する突出部または凹部を形成したので、これ等の突出部または凹部が、例えば、コア部の外周に、直線状に位置されていることを確認することにより、複数の第1プレートが所定の位置関係で積層されていることを外部から容易,確実に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハウジングレス式オイルクーラのコア部の一実施形態を有するハウジングレス式オイルクーラを示す側面図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図1のコア部のプレートおよびインナーフィンの配置状態を示す分解斜視図である。
【図5】図1のハウジングレス式オイルクーラのオイルの流れを示す断面図である。
【図6】図1のハウジングレス式オイルクーラの冷却水の流れを示す断面図である。
【図7】第1プレートの他の例を示す斜視図である。
【図8】閉塞プレートの他の例を示す斜視図である。
【図9】従来のハウジングレス式オイルクーラのコア部を示す断面図である。
【符号の説明】
31 コア部
51 第1プレート
51A 閉塞プレート
51a プレート側閉塞部
53 第2プレート
53A 閉塞プレート
53a プレート側閉塞部
55 冷却水室
57 オイル室
59 オイル通路
61 インナーフィン
61a インナーフィン側閉塞部
63 オイル通路孔
65 冷却水通路
71 第1の突出部
75 第2の突出部
71A 第1の凹部
75A 第2の凹部

Claims (1)

  1. 複数の通路穴(59,65)が形成される第1プレート(51,51A)と、複数の通路穴(59,65)が形成される第2プレート(53,53A)とを交互に積層するとともに、前記第1プレート(51,51A)の内側に前記第2プレート(53,53A)を配置してなるハウジングレス式オイルクーラのコア部において、
    前記第1プレート(51,51A)の外周に、前記第1プレート(51,51A)の通路穴(59,65)の位置と所定の位置関係を有する突出部(71)または凹部(71A)を形成してなることを特徴とするハウジングレス式オイルクーラのコア部。
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