JP3889653B2 - 板材搬送方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄板などの強磁性体の板材のみならず導電性を有する導体板であれば、その寸法サイズに関わらず、前段工程から次段工程へ充分に減速させて搬送できる板材搬送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属板を加工して製品を製造する工程では、その原材料となる大判の金属板が切断工程により所定の寸法サイズに切断され、その切断片が洗浄工程により1枚ずつ洗浄されて、次段工程へ搬送される。洗浄工程を行う洗浄装置には洗浄後の切断片を送り出す送出装置が併設されており、この送出装置により切断片が次段工程の装置へ送り出される。また、洗浄装置と次段工程の装置との間には、その洗浄装置側から次段工程の装置へ向けて複数の転動可能な搬送ローラが設けられており、その搬送ローラ上を滑ることによって、送出装置から送り出された切断片が次段工程の装置へ送られる。
【0003】
一方、次段工程の装置には、搬送ローラにより送られてきた切断片を受け入れて所定位置に位置決めする収容スペースが設けられており、この収容スペースにおける切断片の進入方向側の端部には、切断片の進行方向側の端面が当接可能な規制板が設けられている。このため、搬送ローラ上を滑って次段工程の装置へ送られてきた切断片は収容スペース内へ進入すると、その切断片の進行方向側の端面が規制板に衝突することによって、収容スペース内の所定位置に位置決めされる。
【0004】
この収容スペースには、次段工程の装置へ送られてきた切断片の速度を減速させるため、切断片が載置される面に制動用マグネット(磁石)が固定されている。この制動用マグネットによれば、金属板が鉄板などの強磁性体である場合、その磁力によって、収容スペース内へ進入してきた切断片が磁化され、切断片と制動用マグネット間に生じる引力が生じる。この引力によって、収容スペース内へ進入した切断片は、その速度が減速されて規制板に軽く衝突して、所定位置で停止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した制動用マグネットは、鉄板などの強磁性体を除いた金属板、即ち、常磁性体の非鉄金属板に関しては、全く制動作用を発揮できず、切断片が規制板に強く衝突して損傷してしまうという問題点があった。また、上記した製造工程において複数の製品や部品を加工する場合にあっては、金属板を切断した切断片は、その厚さや縦横長さなどの寸法サイズが必ずしも1種類に限られるものではなく、製品や部品の種類に応じて様々な寸法サイズの切断片が取り扱われる。
【0006】
切断片の寸法サイズが変化すると、送出装置による切断片の送出速度が変動してしまい、結果、切断片が収容スペースへ進入する速度が変動してしまう。しかも、制動用マグネットは次段工程の装置の収容スペースに配設されるので、収容スペースへ勢いよく切断片が進入する場合には、金属板が鉄板などの強磁性体であっても、制動用マグネットの磁力により充分に減速しきれず、切断片が規制板に強く衝突して損傷してしまう恐れがあるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、鉄板などの強磁性体の板材のみならず導電性を有する導体板であれば、その寸法サイズに関わらず、前段工程から次段工程へ充分に減速させて搬送できる板材搬送方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の板材搬送方法は、導体板を前段工程から次段工程へ搬送するための方法であり、導体板が載置可能な搬送ベルトを前段工程側から次段工程側へ向けて搬送するベルト搬送工程と、そのベルト搬送工程により搬送移動される搬送ベルトの下方に複数の磁石が配設され、その複数の磁石が搬送ベルトの搬送方向に向けて並設され、その複数の磁石が搬送方向に向けて順に正磁極と負磁極とが交互に配置されることで構成されている磁石列によって、その磁石列の各正磁極から各負磁極へ向かう磁界を、搬送ベルト上に発生させる磁界発生工程と、その磁界発生工程により磁界が発生されている搬送ベルト上に、前段工程で処理された導体板を、その搬送ベルトの搬送面上を摺動させるように前段工程側から次段工程側へ向けて送り出す送出工程と、その送出工程の送出によって、搬送ベルト上の磁界内に導体板を通過させて、その導体板に電磁誘導による渦電流を発生させ、この渦電流によって導体板自体に磁石列による磁界とは異なる別の磁界を発生させる電磁誘導工程と、その電磁誘導工程によって導体板に生じる磁界と磁石列の生じる磁界とが相互作用することによって、導体板の送出方向への移動を妨げる減速力を発生させ、その減速力によって前記送出工程により搬送ベルト上へ送出された導体板の速度を減速させる渦電流減速工程と、その渦電流減速工程に加えて、前記送出工程の送出により搬送ベルト上を摺動する導体板と搬送ベルトとの間に固体摩擦力を発生させて導体板に対する減速作用を促進する摩擦減速工程と、その摩擦減速工程及び渦電流減速工程によって、導体板の移動速度を搬送ベルトの搬送速度にまで低下させて、その導体板を前記ベルト搬送工程により搬送中の搬送ベルト上に載置して、次段工程へ移送する移送工程とを備えており、更に、前記ベルト搬送工程は、導体板の表面より摩擦係数が大きな搬送ベルトを搬送すると共に、前記送出工程により送り出された導体板が前記搬送ベルト上に到達した場合に、その搬送ベルトの搬送速度を前記送出工程による導体板の送出速度より低速に変更するものである
【0009】
この請求項1記載の板材搬送方法によれば、ベルト搬送工程によって、搬送ベルトが前段工程側から次段工程側へ向けて搬送される一方、前段工程により処理された導体板は、送出工程によって搬送ベルト上へ向けて送り出される。ここで、搬送ベルトの下方には、前段工程側から次段工程側へ正磁極と負磁極とが交互に複数並設された磁石列が配設されている。このため、搬送ベルト上には、磁石列の各正磁極から各負磁極へ向かう磁界が生じており、その磁界内を搬送ベルト上へ送出された導体板が通過する。搬送ベルト上の磁界内を通過する導体板には、その磁界による電磁誘導によって渦電流が発生され、この渦電流により導体板自体に磁石列による磁界とは異なる別の磁界が発生される。
【0010】
導体板に生じる磁界と磁石列の生じる磁界とが相互作用することによって、導体板の送出方向(即ち搬送ベルトの搬送方向)への移動を妨げる力(以下「減速力」と称す)が発生し、この減速力によって、送出工程により搬送ベルト上へ送出された導体板の速度が減速される。この減速力は、導体板の移動速度に比例する。この減速力によって、導体板の移動速度が搬送ベルトの搬送速度にまで低下し、結果、あたかも導体板が搬送ベルト上に吸着されるかのようにして載置される。搬送ベルトに載置された導体板は、移送工程によって、搬送ベルトの搬送速度で次段工程へ移送される。
【0011】
しかも、ベルト搬送工程は、導体板の表面より摩擦係数が大きな搬送ベルトを搬送すると共に、送出工程により送り出された導体板が前記搬送ベルト上に到達した場合に、その搬送ベルトの搬送速度を前記送出工程による導体板の送出速度より低速に変更するのである
【0012】
請求項2記載の板材搬送方法は、請求項1記載の板材搬送方法において、前段工程は、導体板の表面を洗浄油を用いて洗浄し、前記送出工程は、その洗浄油により洗浄された導体板を前記搬送ベルト上へ送り出す。
【0013】
請求項3記載の板材搬送方法は、請求項1又は2に記載の板材搬送方法において、前記ベルト搬送工程は、前段工程側から次段工程側へ下降傾斜された前記搬送ベルトを搬送する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である板材の搬送方法における導体板の減速方法の原理を示した概念図であり、アルミニウム(以下「アルミ」と称す)切断片10がコンベア装置1のコンベアベルト3上を移動速度V1で通過する瞬間を図示している。ここで、図1(a)は、コンベアベルト3及びアルミ切断片10を、コンベアベルト3の搬送方向(矢印V1方向)において縦断面視した側面図であり、図1(b)は、図1(a)中のアルミ切断片10の下面図である。
【0015】
なお、図1では、磁石2a〜2fの磁極及びアルミ切断片10に発生する磁極を「N」又は「S」で示しており、図中の「N」はN極(正磁極)を、「S」はS極(負磁極)を、それぞれ意味している。また、磁界5の磁力線を破線の矢印で、アルミ切断片10に生じる渦電流12〜15の方向を2点鎖線の矢印で、コンベアベルト3の搬送速度ベクトルを実線の矢印V1で、アルミ切断片10の移動速度ベクトルを実線の矢印V2で、それぞれ図示している。
【0016】
図1(a)に示すように、コンベア装置1は、コンベアベルト3上に被搬送物を載置して搬送するための装置であり、コンベアベルト3の搬送方向(矢印V1方向)へ向けて複数の磁石2a〜2fが一列状に並設された磁石列2を備えている。ここで、この磁石列2は、矢印V1方向へ搬送移動されるコンベアベルト3と別体に形成されており、コンベア装置1の筐体(図示せず)に固定されている。また、磁石列2の磁石2a〜2fの上方には樹脂製の帯状体であるコンベアベルト3が配設されている。コンベアベルト3は、その上面がアルミ切断片10を載置可能な搬送面4とされており、かかる搬送面4は、アルミ切断片10の表面より摩擦係数が大きくされている。
【0017】
ところで、磁石列2の磁石2a〜2fの内の隣り合うもの同士は、コンベアベルト3との対向面側(搬送面4側)における磁極が異なるものとされている。具体的に、コンベアベルト3の下方には、それの搬送方向(矢印V1方向)へ向けて磁石2aから磁石2fへ順にN極とS極とが交互に配置されており、このため、コンベアベルト3の搬送面4上方には、磁石2a,2c,2eのN極から、それらに隣り合う磁石2b,2d,2fのS極へ向かう磁界5が生じている。よって、コンベアベルト3は、その搬送面4の上方に磁石列2による磁界5が発生された状態で、搬送速度V1で搬送移動されるのである。なお、磁石列2を構成する磁石2a〜2fは、永久磁石または電磁石のいずれであっても良い。
【0018】
アルミ切断片10は、コンベアベルト3の搬送面4上へ到達した場合、そのコンベアベルト3の搬送面4の上方に生じた磁界5内へ進入する。このとき、磁界5は、矢印V2方向へ移動するアルミ切断片10の下面11側から上面12側へ向かう方向(厚さ方向)に透過し、フレミングの右手の法則に従った電磁誘導をアルミ切断片10の内部に生じさせる。この磁界5による電磁誘導によって、アルミ切断片10の下面11における磁石2b〜2fとの対向部分には誘導電流が生じ、この誘導電流が、図1(b)に示す渦電流12〜15となってアルミ切断片10内に流れる。
【0019】
これらの渦電流12〜15は、右ねじの法則に従った磁界を発生し、この渦電流12〜15の磁界によって、渦電流12〜15の中央付近にN極又はS極の磁極が発生し、このアルミ切断片10の下面11に発生した磁極は、図1(a)及び図1(b)に示すように、アルミ切断片10の移動方向(矢印V2方向)へN極及びS極が交互に発生している。このように渦電流12〜15によりアルミ切断片10に発生した各磁極、及び、磁石列2の搬送面4側の各磁極は、アルミ切断片10の矢印V2方向への移動を妨げる力(減速力)を生じる。この減速力によって、移動速度V2で移動するアルミ切断片10が、コンベアベルト3の搬送速度V1と等速にまで減速され、コンベアベルト3の搬送面4上に相対的に停止して載置されて、コンベアベルト3の搬送速度V1で搬送されるのである。
【0020】
なお、図1(a)では、アルミ切断片10と搬送面4との間に間隔が設けられているが、アルミ切断片10を搬送面4上へ実際に送出する場合には、アルミ切断片10の下面11が搬送面4上を摺動するように送出されるため、アルミ切断片10の下面11と搬送面4とがほぼ接触した状態となる。
【0021】
図2を参照して、上記したコンベア装置1を用いたアルミ切断片10の搬送工程について説明する。なお、図2のS1及びS2の工程は搬送工程に至る前の工程であり、S5〜S16までの工程が実際の搬送工程であり、S17の工程は搬送工程の次の工程である。図2は、アルミ板材の処理工程の一部を概念的に表した工程図の一例である。
【0022】
図2に示すように、アルミ切断片10は(S1)、その上面12及び下面11が洗浄装置によって洗浄油(S3)を用いて洗浄された後(S2)、送出装置によってコンベアベルト3の搬送面4上へ、送出速度V2で送出される(S4)。一方、コンベアベルト3は、S4の工程によりアルミ切断片10が送出される以前に、予め、洗浄装置側から次段工程装置側へ向けて搬送移動されており(S5)、かかる場合に、コンベアベルトの搬送速度V1はアルミ切断片10の送出速度V2とほぼ等速とされている(V1≒V2)。
【0023】
ここで、S5の工程により搬送移動されているコンベアベルト3上に、S4の工程により送出されたアルミ切断片10が到達すると(S6)、その到達が近接スイッチ(図示せず)により検出される。この検出を契機として、コンベアベルト3の搬送速度V1をS4の工程によるアルミ切断片の送出速度V2より低速に変更し(V1<V2)(S7)、その低速化された搬送速度V1でコンベアベルト3を搬送し続ける(S8)。
【0024】
さて、アルミ切断片10がコンベアベルト3上に到達すると(S6)、コンベアベルト3の下方に配置された磁石列2による磁界5はアルミ切断片10の厚さ方向に透過し(S9)、この磁界5によって、アルミ切断片10内に渦電流が発生する(S10)。この渦電流の発生(S10)によって、アルミ切断片10に磁界が発生し(S11)、このS11で発生した磁界と、磁石列2による磁界5との相互作用により、アルミ切断片10の移動速度V2を減速させる減速力が作用する(S12)。この減速作用(S12)に伴って、S11で発生した磁界と磁石列2による磁界5との相互作用により、アルミ切断片10がコンベアベルト3の搬送面4に引き付けられる(S13)。
【0025】
また、コンベアベルト3は、アルミ切断片10の表面より摩擦係数が大きな樹脂製の帯状体で形成され、且つ、S7の工程によって、アルミ切断片10の送出速度より低速で搬送されている。このため、アルミ切断片10およびコンベアベルト3間には、その両者の相対速度(=V2−V1)に比例した固体摩擦力が発生するので、かかる固体摩擦力によりアルミ切断片10に対する減速作用が更に促進される。その後、アルミ切断片10の移動速度V2がコンベアベルト3の搬送速度V1に一致するまで減速されると(V2≒V1)(S14)、アルミ切断片10は、搬送移動されているコンベアベルト3の搬送面4上で相対的に停止して(S15)、コンベアベルト3の搬送面4上に載置されて次段工程装置側へ移送される(S16)。
【0026】
しかも、アルミ切断片10は、その表面11,12に洗浄装置による洗浄油の油膜が形成されているので、この油膜と樹脂ベルト3と相互作用によって、搬送面4上に吸着されて移送される。この移送(S16)によって、アルミ切断片10が次段工程装置へ到達し、次段工程装置によって所定の処理が施されるのである(S17)。
【0027】
なお、請求項1記載の次段工程としては図2のS17の工程が、送出工程としてはS4の工程が、ベルト搬送工程としてはS8の工程が、移送工程としてはS16の工程が、それぞれ該当する。また、請求項2記載のベルト搬送工程としては図2のS7の工程が該当し、請求項1又は3記載の前段工程としては図2のS2の工程が該当する。更に、請求項1記載の前段工程側から次段工程側へ交互に複数並設された正磁極および負磁極としては、図1に示した磁石2a〜2fの搬送面4側の磁極が該当する。
【0028】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上述した実施例では、本発明の導体板としてアルミ切断片10を用いて説明したが、本発明が適用される導体板の材質は必ずしもアルミニウム(アルミニウム合金を含む)の板材に限定されるものではなく、電導性を有する導体の板材であれば、鉄板もしくは非鉄金属、又は、強磁性体もしくは常磁性体のいずれであっても良い。
【0029】
また、本実施例では、図1に示すように、コンベアベルト3の搬送面4をほぼ水平状態として搬送移動する場合について説明したが、コンベアベルト3の搬送方法は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、コンベアベルト3を、それの搬送方向へ下降傾斜させて、その下降傾斜方向と同一方向へアルミ切断片10を送出するようにしても良い。かかる場合、アルミ切断片10は、送出装置により下方へ送出されるので、そのアルミ切断片10の自重(重力)により更に加速され、その分、送出装置によるアルミ切断片10の送出速度が増加され、アルミ切断片10に作用する減速力が増すのである。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の板材搬送方法によれば、アルミニウムなどの導体の板材であれば、たとえ常磁性体である非鉄金属であっても、送出工程により送出された板材をベルト搬送工程により搬送される搬送ベルト上において減速できるという効果がある。しかも、搬送ベルト下方に配設される磁石列による磁界及び導体板の渦電流による磁界の相互作用による減速力は、導体板の移動速度に比例するので、送出工程により導体板が強く送り出された場合に、より大きな減速力で導体板を減速させることができるという効果がある。結果、導体板であれば寸法サイズに関わらず、送出工程により送り出された板材を確実に減速でき、従来のように規制板に導体板が強く衝突して損傷することを防止できるのである。
【0031】
また、導体板が鉄板などの強磁性体であれば、搬送ベルト下方に配設された磁石列の磁界は、搬送ベルト上へ送り出された導体板を更に磁化させて、その導体板及び搬送ベルト間に引力を発生させることができる。よって、移送工程によれば、導体板を搬送ベルト上に吸着させつつ載置して次段工程へ移送できるのである。
【0032】
更に、ベルト搬送工程により搬送される搬送ベルトは、導体板の表面より摩擦係数が大きくされいている。しかも、ベルト搬送工程は、送出工程により送り出された導体板が搬送ベルト上に到達した場合に、その搬送ベルトの搬送速度を送出工程による導体板の送出速度より低速に変更する。よって、導体板および搬送ベルト間には、その両者の相対速度に比例した固体摩擦力が発生するので、かかる固体摩擦力により導体板に対する減速作用を更に促進させることができるという効果がある。
【0033】
請求項2記載の板材搬送方法によれば、請求項1記載の板材搬送方法の奏する効果に加え、導体板は、その表面が前段工程により洗浄油を用いて洗浄された後、送出工程によって搬送ベルト上へ送り出される。よって、搬送ベルト上へ送り出された導体板の表面には洗浄油による油膜が形成されるので、かかる油膜によって、導体板を搬送ベルト上へより確実に吸着させて移送工程により移送できるという効果がある。
【0034】
請求項3記載の板材搬送方法によれば、請求項1又は2に記載の板材搬送方法の奏する効果に加え、ベルト搬送工程によって、搬送ベルトは前段工程側から次段工程側へ下降傾斜されつつ搬送される。よって、導体板は、送出工程によって、ベルト搬送工程により搬送される搬送ベルトの傾斜方向へ沿うように前段工程側から下方へ送出されるので、送出工程により送出される導体板が重力により更に加速され、その分、送出工程による導体板の送出速度を増加させることができる。よって、送出工程による導体板の送出速度の増加分、導体板に作用する減速力を増すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である板材の搬送方法における導体板の減速方法の原理を示した概念図であり、(a)は、コンベアベルト及びアルミ切断片を、コンベアベルトの搬送方向において縦断面視した側面図であり、(b)は、(a)中のアルミ切断片の下面図である。
【図2】 アルミ板材の処理工程の一部を概念的に表した工程図の一例である。
【符号の説明】
2 磁石列
3 コンベアベルト(搬送ベルト)
4 搬送面(搬送ベルトの表面)
10 アルミ切断片(導体板)
11 下面(導体板の表面)

Claims (3)

  1. 導体板を前段工程から次段工程へ搬送するための板材搬送方法において、
    導体板が載置可能な搬送ベルトを前段工程側から次段工程側へ向けて搬送するベルト搬送工程と、
    そのベルト搬送工程により搬送移動される搬送ベルトの下方に複数の磁石が配設され、その複数の磁石が搬送ベルトの搬送方向に向けて並設され、その複数の磁石が搬送方向に向けて順に正磁極と負磁極とが交互に配置されることで構成されている磁石列によって、その磁石列の各正磁極から各負磁極へ向かう磁界を、搬送ベルト上に発生させる磁界発生工程と、
    その磁界発生工程により磁界が発生されている搬送ベルト上に、前段工程で処理された導体板を、その搬送ベルトの搬送面上を摺動させるように前段工程側から次段工程側へ向けて送り出す送出工程と、
    その送出工程の送出によって、搬送ベルト上の磁界内に導体板を通過させて、その導体板に電磁誘導による渦電流を発生させ、この渦電流によって導体板自体に磁石列による磁界とは異なる別の磁界を発生させる電磁誘導工程と、
    その電磁誘導工程によって導体板に生じる磁界と磁石列の生じる磁界とが相互作用することによって、導体板の送出方向への移動を妨げる減速力を発生させ、その減速力によって前記送出工程により搬送ベルト上へ送出された導体板の速度を減速させる渦電流減速工程と、
    その渦電流減速工程に加えて、前記送出工程の送出により搬送ベルト上を摺動する導体板と搬送ベルトとの間に固体摩擦力を発生させて導体板に対する減速作用を促進する摩擦減速工程と、
    その摩擦減速工程及び渦電流減速工程によって、導体板の移動速度を搬送ベルトの搬送速度にまで低下させて、その導体板を前記ベルト搬送工程により搬送中の搬送ベルト上に載置して、次段工程へ移送する移送工程とを備えており、
    更に、
    前記ベルト搬送工程は、導体板の表面より摩擦係数が大きな搬送ベルトを搬送すると共に、前記送出工程により送り出された導体板が前記搬送ベルト上に到達した場合に、その搬送ベルトの搬送速度を前記送出工程による導体板の送出速度より低速に変更するものであることを特徴とする板材搬送方法。
  2. 前段工程は、導体板の表面を洗浄油を用いて洗浄し、
    前記送出工程は、その洗浄油により洗浄された導体板を前記搬送ベルト上へ送り出すことを特徴とする請求項1記載の板材搬送方法。
  3. 前記ベルト搬送工程は、前段工程側から次段工程側へ下降傾斜された前記搬送ベルトを搬送することを特徴とする請求項1又は2に記載の板材搬送方法。
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