JP3889316B2 - プリーツスクリーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリーツスクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリーツスクリーンは、ヘッドボックスに上下方向所定寸法ごとにプリーツが形成されるスクリーンの上端をヘッドボックスに取り付け、スクリーンの下端にボトムレールを取り付け、ヘッドボックスから昇降可能に垂下された昇降コードをボトムレールに連結して、昇降コードを操作して昇降させることによりスクリーンをプリーツに従って畳み込むかまたは展開するかするようにしている。
【0003】
このようなプリーツスクリーンは、スクリーンの全体形状が矩形状のものが標準的であるが、窓の多様化に伴ってブラインドのスタイル(タイプ)もバリエーションが求められ、プリーツスクリーンにおいても標準的な矩形状のタイプから台形窓、三角形窓、半円形窓といった変形窓に対応するべく、変形状のタイプとなった様々なものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのプリーツスクリーンでは、いずれのタイプにおいても、通常の昇降以外には意匠を変化させることはできず、変形状のタイプによっては、昇降もできずに何らの意匠の変化もできないものもあり、いずれにしても変化に乏しいという問題がある。
【0005】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、プリーツスクリーンにおいて、変化に富んだ斬新なものを提供することをその目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、ヘッドボックスに上下方向所定寸法ごとにプリーツが形成されるスクリーンの上端を取り付け、スクリーンの下端にボトムレールを取り付け、ヘッドボックスから昇降可能に垂下された第1昇降コードによってボトムレールを上昇可能にし、第1昇降コードを昇降させることによりスクリーンを畳み込みまたは展開するようにしたプリーツスクリーンにおいて、ボトムレールをその中央部付近において折曲がり可能とし、ヘッドボックスから昇降可能に垂下された第2昇降コードによってボトムレールの折曲部または中央部付近を移動可能にしたことを特徴とする。
【0007】
第2昇降コードによって、ボトムレールの折曲部を上昇させると、ボトムレールが折れ曲がっていく。これにより、スクリーンの中央部が下方から畳み込まれていく。さらに第2昇降コードによって、ボトムレールがその折曲部で完全に折れ曲がるまでボトムレールの折曲部を上昇させることができるようにすると、全体のスクリーンの形状は扇形状となる。このようして、スクリーンの形状を変化させることができるので、意匠の変化に富んだものとすることができる。
【0008】
好ましくは、前記スクリーンをボトムレールに対してスライド可能に取り付けるとよい。ボトムレールの中央部が折れ曲がっていくに連れて、ボトムレールの厚みの正弦成分だけボトムレールの実質的な長さが変化する。しかしながら、スクリーンは、その長さが変化しないから、そのボトムレールの実質的な長さの変化分だけ、スクリーンがボトムレールに対してスライドすることで、変化分に相当する分だけスクリーンが移動する。こうして、スクリーンがボトムレールに対してスライドすることで、スクリーンに無理な力が作用するのを防ぎ、ボトムレールの実質的な長さの変化分を吸収することができる。
【0009】
また、前記ボトムレールを折り曲げたときに、互いに折り曲げられたボトムレールの下面同士を互いに吸引させる着脱手段を設けるとよい。この着脱手段により、ボトムレールが完全に折れ曲がったときに、ボトムレールが隙間なく折れ曲がった状態を維持することができ、スクリーンの完全な扇形状を形成することができるようになる。よって、意匠をさらに向上させることができる。
【0010】
また、前記ボトムレールの折曲部を、ボトムレールの中央部が上に凸となる方向にのみ折れ曲がり可能とするとよい。これにより、ボトムレールが反対側に折れ曲がることを阻止することもできる。但し、スクリーンの中央部が展開されて、スクリーンの端部が畳み込まれた形状の変化を所望する場合には、このような折れ曲がりの規制は不要である。
【0011】
また任意には、前記折曲部は、常時、ボトムレールの直線を維持する方向に付勢されるとよい。または、ボトムレールの中央部よりの重量が重くなるようにするとよい。これにより、第2昇降コードを操作しない通常時には、ボトムレールは折曲せずに直線状に維持される。そして、第1昇降コードによって、ボトムレールを昇降させると、一般的なプリーツスクリーンと同様に、ボトムレールが直線を維持しつつ昇降し、見栄えを良好に保つことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るプリーツスクリーンを表す斜視図である。プリーツスクリーン10はヘッドボックス12を有しており、ヘッドボックス12は、窓枠等にブラケット13によって取り付けられる。ヘッドボックス12には、スクリーン14の上端が取り付けられている。スクリーン14には、上下方向所定寸法ごとに多数のプリーツが形成される。また、スクリーン14の下端には、ボトムレール16が取り付けられている。
【0014】
ボトムレール16は、その中央部で折れ曲がり可能となっており、具体的には、ボトムレール16の両翼を構成する一対のボトムレール部材22、22から構成され、各ボトムレール部材22、22が中央部材23にヒンジ結合されており、互いに折れ曲がり可能となっている。但し、ボトムレール部材22、22のヒンジ結合されたヒンジ部26、26は、ボトムレール部材22、22に対して、それぞれの結合点が上に凸となる方向にのみ折曲することを許容するものであり、また、ばね等の付勢手段により、常時は、ボトムレール部材22、22の非折曲状態を維持するように付勢されている。または、このような付勢手段を用いる以外に、ボトムレール部材22、22のヒンジ部26付近の重量を他の部分の重量よりも、相対的に大きくして、その重量によって非折曲状態を維持するものとすることにしてもよい。
【0015】
また、ボトムレール部材22、22のそれぞれヒンジ部と反対側の端部の裏面には、磁石、磁性体等を用いた着脱手段28、28が取り付けられており、この着脱手段28、28によって、ボトムレール部材22、22同士が着脱可能となっている。
【0016】
図5及び図6に示すように、各ボトムレール部材22、22内には、それぞれスライドレール24、24がスライド可能にはめ込まれており、中央部材23内にも、中央レール25がスライド可能にはめ込まれている。それぞれのスライドレール24は、スクリーン14の右部分及び左部分の下端に固着され、中央レール25はスクリーン14の中央部の下端に固着されている。スクリーン14は、スライドレール24、24と一緒に、ボトムレール16に対してスライド可能となっている。
【0017】
ヘッドボックス12からは昇降可能に第1昇降コード30が垂下される。第1昇降コード30は、スクリーン14の幅方向に離間して複数、設けられるとよい。そして、第1昇降コード30の一端側は、スクリーン14の各プリーツを挿通し、且つ、対応するスライドレール24の長孔を挿通して、ボトムレール16の対応するボトムレール部材22に連結される。尚、第1昇降コード30とボトムレール16との連結は、完全に一体的な連結に限られず、第1昇降コード30の一端側を上昇させるとボトムレール16を上昇させることができる範囲での連結であればよい。一方、第1昇降コード30の他端は、ヘッドボックス12内を長手方向に案内されて、ヘッドボックス12内に配設される図示しないストッパーを経由した後、ヘッドボックス12の一端側(図では右端側)から導出されて、第1操作つまみ31に連結される。
【0018】
また、ヘッドボックス12からは昇降可能に第2昇降コード32が垂下される。第2昇降コード32の一端側は、スクリーン14の各プリーツを挿通し、且つ、中央の中央レール25を挿通して、ボトムレール16の中央部材23に連結される。尚、第2昇降コード32とボトムレール16との連結は、完全に一体的な連結に限られず、第2昇降コード32の一端側が上昇するとボトムレール16を上昇させることができる範囲での連結であればよい。一方、第2昇降コード32の他端は、ヘッドボックス12内を長手方向に案内されて、ヘッドボックス12内に配設される図示しないストッパーを経由した後、ヘッドボックス12の他端(図では左端)から導出されて、第2操作つまみ33に連結される。尚、第2昇降コード32は第1昇降コード30と同じ端部からヘッドボックス12を導出されるようにしてもよい。
【0019】
以上のように構成されるプリーツスクリーン10の作用を説明する。まず、第1操作つまみ31を操作して、第1昇降コード30の一端側を上昇させると、第1昇降コード30の一端が連結されるボトムレール16が上昇する。このとき、一対のボトムレール部材22、22は、ヒンジ部26における付勢手段により非折曲状態、即ち直線を維持しつつ、上昇する。これにより、スクリーン14は、その下方から畳み込まれていく。そして、第1操作つまみ31を操作して、ストッパーを作動させることにより、第1昇降コード30の移動が禁止されると、ボトムレール16が上下途中位置または完全に上昇した位置で保持されて、スクリーン14は、その一部または全部が畳み込まれた状態となる(図2)。また、逆に、第1操作つまみ31を操作して、ストッパーを解除させることにより、第1昇降コード30の移動が許容されると、再び、ボトムレール16を任意の高さへと移動させることができる。以上の操作は、通常のプリーツスクリーンと同様である。
【0020】
次に、ボトムレール16が任意の高さ位置に保持された状態で、第2操作つまみ33を操作して、第2操作コード32の一端側を上昇させると、第2昇降コード32の一端が連結されるボトムレール16の中央部が上昇する。これにより、図3に示すように、ヒンジ部26が上昇していき、一対のボトムレール部材22、22がヒンジ部26において互いに折曲していく。尚、このとき、ボトムレール部材22、22が互いに折れ曲がっていくに連れて、ボトムレール部材22の厚みの正弦成分だけボトムレール16の実質的な長さが変化する。しかしながら、スクリーン14の幅の長さは変化しないから、そのボトムレール16の実質的な長さの変化分だけ、スライドレール24、24は、ボトムレール部材22、22に対してスライドする。こうして、スクリーン14に無理な力が作用するのを防ぎ、ボトムレール16の実質的な長さの変化分を吸収することができる。
【0021】
ボトムレール16の中央部が上昇すると、スクリーン14はその中央部のみが畳み込まれていく。畳み込みはスクリーン14のプリーツに従って行われていく。
【0022】
さらに第2昇降コード32の一端側を上昇させていくと、ヒンジ部26がさらに上昇していき、一対のボトムレール部材22、22のヒンジ部26と反対側の端部同士が接近する。これにより、着脱手段28、28が互いに吸引し合って、ボトムレール部材22、22同士が結合すると、ボトムレール部材22、22の間に隙間がなくなり、図4のような扇形状が完成する。この場合にも、スクリーン14の中央部においてプリーツに従い、畳み込まれるので、見栄えは良好である。
【0023】
この実施形態によれば、通常時においては、一般的なプリーツスクリーンと同様に動作させることができ、また所望時には形状を変化させることができ、意匠の変化に富んだプリーツスクリーンとすることができる。
【0024】
第2操作つまみ33を操作して、ストッパーを作動させることにより第2昇降コード32の移動を禁止すると、プリーツスクリーンはそのときの状態を保持する。よって、図3から図4の任意の形状の状態で保持することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第2昇降コードによって、ボトムレールの折曲部を移動させると、ボトムレールが折れ曲がっていく。これにより、スクリーンの中央部が畳み込まれまたは展開されていき、スクリーンの形状が変化する。こうして、プリーツスクリーンとしては斬新なスクリーンの形状の変化を行わせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプリーツスクリーンを表す斜視図であり、プリーツスクリーンの通常時の状態を表す。
【図2】本発明の実施形態に係るプリーツスクリーンを表す斜視図であり、プリーツスクリーンの通常時に、その一部を畳み込んだ状態を表す。
【図3】本発明の実施形態に係るプリーツスクリーンを表す斜視図であり、ボトムレールを折り曲げて、プリーツスクリーンの形状を変化させた時の状態を表す。
【図4】本発明の実施形態に係るプリーツスクリーンを表す斜視図であり、ボトムレールを完全に折り曲げて、プリーツスクリーンの形状を変化させた時の状態を表す。
【図5】本発明の実施形態に係るプリーツスクリーンのボトムレール付近の分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るプリーツスクリーンのボトムレール付近の部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
10 プリーツスクリーン
12 ヘッドボックス
14 スクリーン
16 ボトムレール
22 ボトムレール部材
26 ヒンジ部(折曲部)
28 着脱手段
30 第1昇降コード
32 第2昇降コード
Claims (5)
- ヘッドボックス(12)に上下方向所定寸法ごとにプリーツが形成されるスクリーン(14)の上端を取り付け、スクリーン(14)の下端にボトムレール(16)を取り付け、ヘッドボックス(12)から昇降可能に垂下された第1昇降コード(30)によってボトムレール(16)を上昇可能にし、第1昇降コード(30)を昇降させることによりスクリーン(14)を畳み込みまたは展開するようにしたプリーツスクリーンにおいて、
ボトムレール(16)をその中央部付近において折曲がり可能とし、ヘッドボックス(12)から昇降可能に垂下された第2昇降コード(32)によってボトムレール(16)の折曲部(26)または中央部付近を移動可能にし、前記スクリーン(14)を、ボトムレール(16)に対してスライド可能に取り付けたことを特徴とするプリーツスクリーン。 - ヘッドボックス(12)に上下方向所定寸法ごとにプリーツが形成されるスクリーン(14)の上端を取り付け、スクリーン(14)の下端にボトムレール(16)を取り付け、ヘッドボックス(12)から昇降可能に垂下された第1昇降コード(30)によってボトムレール(16)を上昇可能にし、第1昇降コード(30)を昇降させることによりスクリーン(14)を畳み込みまたは展開するようにしたプリーツスクリーンにおいて、
ボトムレール(16)をその中央部付近において折曲がり可能とし、ヘッドボックス(12)から昇降可能に垂下された第2昇降コード(32)によってボトムレール(16)の折曲部(26)または中央部付近を移動可能にし、前記ボトムレール(16)を折り曲げたときに、互いに折り曲げられたボトムレール(22、22)の下面同士を互いに吸引させる着脱手段(28)を設けることを特徴とするプリーツスクリーン。 - ヘッドボックス(12)に上下方向所定寸法ごとにプリーツが形成されるスクリーン(14)の上端を取り付け、スクリーン(14)の下端にボトムレール(16)を取り付け、ヘッドボックス(12)から昇降可能に垂下された第1昇降コード(30)によってボトムレール(16)を上昇可能にし、第1昇降コード(30)を昇降させることによりスクリーン(14)を畳み込みまたは展開するようにしたプリーツスクリーンにおいて、
ボトムレール(16)をその中央部付近において折曲がり可能とし、ヘッドボックス(12)から昇降可能に垂下された第2昇降コード(32)によってボトムレール(16)の折曲部(26)または中央部付近を移動可能にし、前記折曲部(26)を、常時、ボトムレール(16)の直線を維持する方向に付勢することを特徴とするプリーツスクリーン。 - ヘッドボックス(12)に上下方向所定寸法ごとにプリーツが形成されるスクリーン(14)の上端を取り付け、スクリーン(14)の下端にボトムレール(16)を取り付け、ヘッドボックス(12)から昇降可能に垂下された第1昇降コード(30)によってボトムレール(16)を上昇可能にし、第1昇降コード(30)を昇降させることによりスクリーン(14)を畳み込みまたは展開するようにしたプリーツスクリーンにおいて、
ボトムレール(16)をその中央部付近において折曲がり可能とし、ヘッドボックス(12)から昇降可能に垂下された第2昇降コード(32)によってボトムレール(16)の折曲部(26)または中央部付近を移動可能にし、前記ボトムレール(16)を中央部寄りの重量が重くなるようにしたことを特徴とするプリーツスクリーン。 - 前記ボトムレール(16)の折曲部(26)を、ボトムレール(16)の中央部が上に凸となる方向にのみ折曲がり可能としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプリーツスクリーン。
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