JP3889210B2 - バトラーマトリクス - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はハイブリッドと固定移相器とを用いて構成され、信号の入力端に応じて各出力端から出力される信号の位相を変化させ、各出力端から出力される信号により形成される波面の向きを制御するバトラーマトリクスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯機器、無線装置等の急増により、実装基板の小型軽量化および高周波における信号の減衰防止、低ノイズ化等の要求が急速に強まり、特にミリ波帯においてはこれらの実現が急務となっている。これらの要求に応えるため、ICチップの実装方法も従来のワイヤボンディングからフリップチップ方式に変わりつつある。このフリップチップ方式は接続用金属(バンプ)を介して、チップと基板とを直接接続する実装方法である。
【0003】
フリップチップ実装方法は、金ワイヤ等を用いて接続するワイヤボンディング実装方法に比べて回路面積が小さい、大幅な多ピン化が可能という特長がある。さらに、従来のワイヤボンディング実装方法と比べてチップと基板との接続長さを大幅に短くできるので、接続部のインダクタンスを小さくでき、かつ工作時のばらつきを抑制できる利点がある。
【0004】
これらは、例えば「“高密度実装の最新動向”,株式会社東レリサーチセンタ,1998年2月1日発行」に記載されている。
【0005】
次にバトラーマトリクスについて説明する。
図31は、例えば「昭和59年度電子通信学会総合全国大会」に発表された従来のバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図32は図31のA−A線に沿った位置における従来のバトラーマトリクスの断面図である。図において、201はバトラーマトリクス、202は主誘電体基板、202aは主誘電体基板202の上面、202bは主誘電体基板202の下面、203は主誘電体基板202の上側に配置された第1の誘電体基板、203aは第1の誘電体基板203の上面、204は主誘電体基板202の下側に配置された第2の誘電体基板、204bは第2の誘電体基板204の下面、205は主誘電体基板202の上面202aに形成された第1のストリップ導体、206は主誘電体基板202の下面202bに形成された第2のストリップ導体、207は第1の誘電体基板203の上面203aに形成された第1のグランド導体、208は第2の誘電体基板204の下面204bに形成された第2のグランド導体である。各誘電体基板の誘電率は同一である。
【0006】
A〜Dは第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部を構成する、主誘電体基板202の第1〜第4の領域、Eはストリップ導体が交差する線路交差部を構成する、主誘電体基板202の第5の領域、T1〜T4はバトラーマトリクス201に入力する信号の第1〜第4の入力端、T5〜T8はバトラーマトリクス201から出力する信号の第1〜第4の出力端である。第1〜第4の領域A〜Dの構成は同一である。なお、第1の領域Aと第2の領域Bとの間及び第3の領域Cと第4の領域Dとの間は、45°固定移相器を備えた固定移相器部を構成する領域である。バトラーマトリクス201は、90°ハイブリッドを4つ、45°固定移相器を2つ備え、ストリップ導体は一箇所で交差する。
【0007】
図33は主誘電体基板202の上面202aの第1の領域Aの拡大図である。図34は主誘電体基板202の下面202bの第1の領域Aの拡大図である。図において、209は第1のストリップ導体205の第1の1/4波長長さ部、T9は第1のハイブリッド部に入力する信号の第5の入力端、T12は第1のハイブリッド部から出力する信号の第6の出力端、210は第2のストリップ導体206の第2の1/4波長長さ部、T10は第1のハイブリッド部に入力する信号の第6の入力端、T11は第1のハイブリッド部から出力する信号の第5の出力端である。第1,第2の1/4波長長さ部209,210は所望の周波数における波長の1/4の長さを有する。第5,第6の入力端T9,T10には、第1,第2の入力端T1,T2に入力した信号が入力する。
【0008】
図35は主誘電体基板202の上面202aに垂直な方向から見た、主誘電体基板202の第1の領域Aの構成要素の位置関係を示す図である。図35に示すように、主誘電体基板202の上面202aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の1/4波長長さ部209,210が一致するように、第1,第2のストリップ導体205,206が主誘電体基板202に形成されている。このように第1,第2の1/4波長長さ部209,210が一致することにより、結合線路が構成されている。
【0009】
図36は主誘電体基板202の上面202aの第5の領域Eの拡大図である。図37は主誘電体基板202の下面202bの第5の領域Eの拡大図である。図において、211は第1のストリップ導体205の第1の幅狭部、T13は線路交差部に入力する信号の第7の入力端、T16は線路交差部から出力する信号の第8の出力端、212は第2のストリップ導体206の第2の幅狭部、T14は線路交差部に入力する信号の第8の入力端、T15は線路交差部から出力する信号の第7の出力端である。
【0010】
図38は主誘電体基板202の上面202aに垂直な方向から見た、主誘電体基板202の第5の領域Eの構成要素の位置関係を示す図である。図38に示すように、主誘電体基板202の上面202aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の幅狭部211,212の中心が一致し、第1,第2の幅狭部211,212が交差するように、第1,第2のストリップ導体205,206が主誘電体基板202に形成されている。このように第1,第2のストリップ導体205,206の交差部分の幅を狭くすることにより、結合が抑制されている。
【0011】
なお、図31に示すa位置及びb位置では、バイアホールにより、第1のストリップ導体205と第2のストリップ導体206が接続されている。また、ねじ止めにより、第1,第2の誘電体基板203,204は、主誘電体基板202に固定されている。
【0012】
このように従来のバトラーマトリクス201は、上面202aに第1のストリップ導体205が形成され下面202bに第2のストリップ導体206が形成された主誘電体基板202を、上面203aに第1のグランド導体207が形成された第1の誘電体基板203と、下面204bに第2のグランド導体208が形成された第2の誘電体基板204とで挟んだ3層構造をしている。
【0013】
次に動作について説明する。
第1の入力端T1から入力した信号は、第5の入力端T9から第1のハイブリッド部に入力する。第1のハイブリッド部に入力した信号は、上記結合線路を通じて磁界結合し、第5,第6の出力端T11,T12に分配される。第5の出力端T11から出力する信号は、第6の出力端T12から出力する信号より位相が90°進んでいる。
【0014】
第5の出力端T11から出力した信号は、固定移相器部を通過し、第2のハイブリッド部に入力する。第6の出力端T12から出力した信号は、線路交差部を通過し、第4のハイブリッド部に入力する。
【0015】
固定移相器部を通過する場合、線路交差部を通過する場合より、位相が45°遅れる。従って、第5の出力端T11から出力し、固定移相器部を通過して第2のハイブリッド部に入力する信号は、第6の出力端T12から出力し、線路交差部を通過して第4のハイブリッド部に入力する信号と比べて、第1のハイブリッド部で90°進み、固定移相器部で45°遅れるため、あわせて45°進んでいる。
【0016】
第2のハイブリッド部に入力した信号は、上述した場合と同様に、第1の出力端T5と第2の出力端T6に分配され、第4のハイブリッド部に入力した信号は、上述した場合と同様に、第3の出力端T7と第4の出力端T8に分配される。第1の出力端T5から出力する信号は、第2の出力端T6から出力する信号より位相が90°進んでおり、第3の出力端T7から出力する信号は、第4の出力端T8から出力する信号より位相が90°進んでいる。従って、第4の出力端T8から出力する信号と比べて、第1の出力端T5から出力する信号は位相が135°進み、第2の出力端T6から出力する信号は位相が45°進み、第3の出力端T7から出力する信号は位相が90°進んでいる。また、90°ハイブリッドを1回通過すると、3dBの電力損失が生じるため、第1〜第4の出力端T5〜T8からの出力信号は、第1の入力端T1への入力信号と比較すると、6dBの電力損失がある。
【0017】
このようにして第1の入力端T1から入力した信号は、45°の位相差で第1〜第4の出力端T5〜T8から出力する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバトラーマトリクスは以上のように上下面にストリップ導体が形成された誘電体基板を、片面にグランド導体が形成された誘電体基板で挟むように構成されているので、誘電体基板間にわずかな隙間が生じ、誘電体基板間の接続が弱い。また、このように構成されているので、バトラーマトリクスを構成する回路の測定などに使用する装置の端子や他の部品の実装が難しい。また、他の回路と同一基板上に構成することも困難である。従って、電気特性や実装の信頼性が低いという課題があった。
【0019】
また、多層基板を用い、その多層基板は上下面にストリップ導体が形成された誘電体基板を、片面にグランド導体が形成された誘電体基板で挟み、ねじ止めすることにより製造するので、高価であり、製造工程が複雑であるという課題があった。
【0020】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、電気特性や実装の信頼性が高く、また安価で製造が容易なバトラーマトリクスを得ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るバトラーマトリクスは、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、第1の上下接続部と第1のバンプとの間に設けられたコンデンサとを用いて構成され、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第2の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した第3のストリップ導体と、離間して設けられた第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第4のストリップ導体とを用いて構成されたものである。
【0022】
この発明に係るバトラーマトリクスは、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部とを用いて構成され、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第2の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した第3のストリップ導体と、離間して設けられた第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第4のストリップ導体とを用いて構成されたものである。
【0023】
この発明に係るバトラーマトリクスは、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第1の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第1の上下接続部と第1のバンプとの間に設けられた第1のコンデンサと、第2の上下接続部と第2のバンプとの間に設けられた第2のコンデンサとを用いて構成され、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第3の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した第4のストリップ導体と、離間して設けられた第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第5のストリップ導体とをを用いて構成されたものである。
【0024】
この発明に係るバトラーマトリクスは、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第1の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第2の上下接続部とを用いて構成され、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第3の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した第4のストリップ導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられた第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第5のストリップ導体とを用いて構成されたものである。
【0025】
この発明に係るバトラーマトリクスは、第1及び第2の結合線路構成部が、直線形状であるものである。
【0026】
この発明に係るバトラーマトリクスは、第1及び第2の結合線路構成部が、メアンダ形状であるものである。
【0027】
この発明に係るバトラーマトリクスは、ハイブリッド部構成用小誘電体基板が、主誘電体基板の誘電率より大きい誘電率を有するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスの上面図である。図2はこの発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図において、1はバトラーマトリクス、2は主誘電体基板、2aは主誘電体基板2の上面、3〜6は主誘電体基板2の上面2aにフリップチップ方式で実装された第1〜第4の小誘電体基板(ハイブリッド部構成用小誘電体基板)、7は主誘電体基板2の上面2aにフリップチップ方式で実装された第5の小誘電体基板(線路交差部構成用小誘電体基板)、8は主誘電体基板2の上面2aに形成された第1のストリップ導体、9〜12は第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部、13,14は第1,第2の45°固定移相器を備えた第1,第2の固定移相器部、15はマイクロストリップ線路が交差する線路交差部である。第1〜第4のハイブリッド部9〜12の構成は同一である。
【0029】
A1〜D1は第1〜第4のハイブリッド部9〜12を構成する、主誘電体基板2の第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、Eは線路交差部15を構成する、主誘電体基板2の第5の領域(線路交差部構成用領域)、T1〜T4はバトラーマトリクス1に入力する信号の第1〜第4の入力端、T5〜T8はバトラーマトリクス1から出力する信号の第1〜第4の出力端である。第1〜第4の小誘電体基板3〜6は、それぞれ主誘電体基板2の上面2aの第1〜第4の領域A1〜D1にフリップチップ方式で実装されており、第5の小誘電体基板7は、主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eにフリップチップ方式で実装されている。
【0030】
図3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A1の拡大図である。図4は第1の小誘電体基板3の下面の拡大図である。図5は第1のハイブリッド部9の側面図であり、第1の小誘電体基板3を主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A1にフリップチップ方式で実装した状態を示している。図において、16は第1のストリップ導体8の直線形状の第1の結合線路構成部、17は第1のストリップ導体8の第1の上下接続部、18は第1の上下接続部17上に形成された第1のコンデンサ、19は第1のコンデンサ18上に形成された第1のバンプ、T9,T10は第1のハイブリッド部9に入力する信号の第5,第6の入力端、T11,T12は第1のハイブリッド部9から出力する信号の第5,第6の出力端、3bは第1の小誘電体基板3の下面、20は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体、21は第2のストリップ導体20の直線形状の第2の結合線路構成部、22は第2のストリップ導体20の端部、2bは主誘電体基板2の下面、23は主誘電体基板2の下面2bに形成された第1のグランド導体である。第1,第2の結合線路構成部16,21は、所望の周波数における波長の1/4の長さ(すなわち、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さ)を有する。第1の上下接続部17は、第1の結合線路構成部16を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部16と接続した第2のストリップ導体20の端部22と第1のバンプ19を介して接続する。第1のコンデンサ18は、第1の上下接続部17と第1のバンプ19との間に設けられている。第5,第6の入力端T9,T10には、第1,第2の入力端T1,T2に入力した信号が入力する。
【0031】
図6は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部9の構成要素の位置関係を示す図である。図6に示すように、主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の結合線路構成部16,21が一致するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A1に実装されている。このように第1,第2の結合線路構成部16,21が一致することにより、結合線路が構成されている。また、第1のバンプ19が第2のストリップ導体20の端部22と接続するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A1に実装されている。
【0032】
図7は主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eの拡大図である。図8は第5の小誘電体基板7の下面の拡大図である。図9は第5の小誘電体基板7の上面の拡大図である。図10は線路交差部15の側面図であり、第5の小誘電体基板7を主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eにフリップチップ方式で実装した状態を示している。図において、24は第1のストリップ導体8の第2の上下接続部、25は第2の上下接続部24上に形成された第2のバンプ、26は主誘電体基板2の上面2aに形成された第2のグランド導体、27は第2のグランド導体26上に形成された第3のバンプ、28は主誘電体基板2の下面2bに形成された第1のグランド導体23と上面2aに形成された第2のグランド導体26とを接続する第1のバイアホール、T13,T14は線路交差部15に入力する信号の第7,第8の入力端、T15,T16は線路交差部15から出力する信号の第7,第8の出力端、7bは第5の小誘電体基板7の下面、29は第5の小誘電体基板7の下面7bに形成された第3のストリップ導体、30は第3のストリップ導体29の外側端部、31は第3のストリップ導体29の内側端部、32は第5の小誘電体基板7の下面7bに形成された第3のグランド導体、33は第3のストリップ導体29の内側端部31間に位置する第3のグランド導体32の中央部、34は中央部33と接続する第3のグランド導体32の周辺部、7aは第5の小誘電体基板7の上面、35は第5の小誘電体基板7の上面7aに形成された第4のストリップ導体、36は第5の小誘電体基板7の下面7bに形成された第3のストリップ導体29の内側端部31と上面7aに形成された第4のストリップ導体35とを接続する第2のバイアホールである。第2の上下接続部24は、離間して設けられ、第2の上下接続部24間を結ぶ直線を第8の入力端T14及び第7の出力端T15に接続する第1のストリップ導体8が横切る。中央部33は、第2の上下接続部24間を結ぶ直線と第1のストリップ導体8とが交差する領域上に位置する。第3のストリップ導体29は、中央部33を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部24と第2のバンプ25を介して接続する。第4のストリップ導体35は、離間して設けられた第3のストリップ導体29間を第2のバイアホール36を介して接続する。
【0033】
図11は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、線路交差部15の構成要素の位置関係を示す図である。図11に示すように、主誘電基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第7の入力端T13及び第8の出力端T16に接続する第1のストリップ導体8、第3のストリップ導体29、第4のストリップ導体35が一直線となるとともに、第4のストリップ導体35が第8の入力端T14及び第7の出力端T15に接続する第1のストリップ導体8と交差するように、第5の小誘電体基板7は主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eに実装されている。このため、第3のグランド導体32の中央部33が、第4のストリップ導体35と第1のストリップ導体8とが交差する部分での第4のストリップ導体35と第1のストリップ導体8との間に位置し、第3のグランド導体32の周辺部34が、第7の入力端T13と第8の出力端T16とを結ぶ線路と第8の入力端T14と第7の出力端T15とを結ぶ線路とで挟まれる領域に位置する。このように第3のグランド導体32の中央部33が、第4のストリップ導体35と第1のストリップ導体8とが交差する部分に位置することにより、結合が抑制されている。また、第2のバンプ25が第3のストリップ導体29の外側端部30と接続し、第3のバンプ27が第3のグランド導体32の周辺部34と接続するように、第5の小誘電体基板7は主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eに実装されている。
【0034】
第2のグランド導体26は第3のバンプ27を介して第3のグランド導体32と電気的に接続し、第1のバイアホール28を介して第1のグランド導体23と電気的に接続するので、第1のグランド導体23、第2のグランド導体26、及び第3のグランド導体32は、すべて同電位である。
【0035】
図12はこの発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスの回路図である。図において、37〜40は第1〜第4の90°ハイブリッド、41,42は第1,第2の45°固定移相器、43〜45は第2〜第4のコンデンサである。その他の構成要素は、図1〜図10において同一符号を付して示したものと同一あるいは同等である。図12に示すように、第1のコンデンサ18は第1の90°ハイブリッド37の入出力端に接続され、第2のコンデンサ43は第2の90°ハイブリッド38の入出力端に接続され、第3のコンデンサ44は第3の90°ハイブリッド39の入出力端に接続され、第4のコンデンサ45は第4の90°ハイブリッド40の入出力端に接続されている。
【0036】
このようにこの実施の形態のバトラーマトリクス1は、単層構造の主誘電体基板2の上面2aに、単層構造の第1〜第4の小誘電体基板3〜6をフリップチップ方式で実装し、主誘電体基板2に形成された導体と第1〜第4の小誘電体基板3〜6に形成された導体とを用いて第1〜第4のハイブリッド部9〜12を構成するとともに、単層構造の主誘電体基板2の上面2aに、単層構造の第5の小誘電体基板7をフリップチップ方式で実装し、主誘電体基板2に形成された導体と第5の小誘電体基板7に形成された導体とを用いて線路交差部15を構成する構造をしている。
【0037】
次に動作について説明する。
第1の入力端T1から入力した信号は、第5の入力端T9から第1のハイブリッド部9に入力し、第1のコンデンサ18、第1のバンプ19を介して第2の結合線路構成部21に到達する。第1,第2の結合線路構成部16,21が上下に位置するように、第1の小誘電体基板3が主誘電体基板2の上面に実装され結合線路が構成されているので、第2の結合線路構成部21に到達した信号は、上記結合線路を通じて磁界結合し、第5の出力端T11から第1のハイブリッド部9外に出力するとともに、第1のバンプ19、第1のコンデンサ18を介して第6の出力端T12から第1のハイブリッド部9外に出力する。第5の出力端T11から出力する信号は、第6の出力端T12から出力する信号より位相が90°進んでいる。
【0038】
第6の出力端T12から出力した信号は、第7の入力端T13から線路交差部15に入力し、第2のバンプ25、第3のストリップ導体29、第2のバイアホール36を介して第4のストリップ導体35に到達する。第3のグランド導体32の中央部33が第4のストリップ導体35と第1のストリップ導体8とが交差する部分に位置するように、第5の小誘電体基板7が主誘電体基板2の上面に実装され結合が抑制されているので、第4のストリップ導体35に到達した信号は、第2のバイアホール36、第3のストリップ導体29、第2のバンプ25を介してそのまま第8の出力端T16から線路交差部15外に出力する。第8の出力端T16から出力した信号は、第4のハイブリッド部12に入力する。
【0039】
一方、第5の出力端T11から出力した信号は、第1の固定移相器部13を通過し、第2のハイブリッド部10に入力する。
【0040】
第1の固定移相器部13を通過する場合、線路交差部15を通過する場合より、位相が45°遅れる。従って、第5の出力端T11から出力し、第1の固定移相器部13を通過して第2のハイブリッド部10に入力する信号は、第6の出力端T12から出力し、線路交差部15を通過して第4のハイブリッド部12に入力する信号と比べて、第1のハイブリッド部9で90°進み、第1の固定移相器部13で45°遅れるため、あわせて45°進んでいる。
【0041】
第2のハイブリッド部10に入力した信号は、上述した場合と同様に、第1の出力端T5と第2の出力端T6に分配され、第4のハイブリッド部12に入力した信号は、上述した場合と同様に、第3の出力端T7と第4の出力端T8に分配される。第1の出力端T5から出力する信号は、第2の出力端T6から出力する信号より位相が90°進んでおり、第3の出力端T7から出力する信号は、第4の出力端T8から出力する信号より位相が90°進んでいる。従って、第4の出力端T8から出力する信号と比べて、第1の出力端T5から出力する信号は位相が135°進み、第2の出力端T6から出力する信号は位相が45°進み、第3の出力端T7から出力する信号は位相が90°進んでいる。また、90°ハイブリッドを1回通過すると、3dBの電力損失が生じるため、第1〜第4の出力端T5〜T8からの出力信号は、第1の入力端T1への入力信号と比較すると、6dBの電力損失がある。
【0042】
このようにして第1の入力端T1から入力した信号は、45°の位相差で第1〜第4の出力端T5〜T8から出力する。第2〜第4の入力端T2〜T4から入力した信号も、同様にして、45°の位相差で第1〜第4の出力端T5〜T8から出力する。スイッチにより、信号の入力端を切り替えることにより、各出力端から出力される信号の位相を変化させ、各出力端から出力される信号により形成される波面の向きを制御することができる。
【0043】
以上のように、この実施の形態1によれば、単層構造の主誘電体基板2の上面2aに単層構造の第1〜第5の小誘電体基板3〜7をフリップチップ方式で実装し、第1〜第4のハイブリッド部9〜12及び線路交差部15を構成したので、誘電体基板間の接続強度が問われない。また、主誘電体基板2の上面2aが露出しているため、バトラーマトリクス1を構成する回路の測定などに使用する装置の端子や他の部品の実装が容易である。従って、電気特性や実装の信頼性が高いという効果が得られる。
【0044】
また、単層基板を用い、主誘電体基板2の上面2aに第1〜第5の小誘電体基板3〜7をフリップチップ方式で実装することにより製造するので、安価であり、製造工程が簡易であるという効果が得られる。
【0045】
また、90°ハイブリッドの入出力部にコンデンサを設けるので、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるという効果が得られる。
【0046】
また、主誘電体基板2の他の領域に所望の回路を形成することもでき、また、主誘電体基板2の下面2bにグランド導体が形成されているため、他のアクティブ素子と同様に、金属パッケージに実装することもできる。
【0047】
実施の形態2.
図13はこの発明の実施の形態2によるバトラーマトリクスの上面図である。図14はこの発明の実施の形態2によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図において、51はバトラーマトリクス、52は主誘電体基板2の上面2aに形成された第1のストリップ導体、53〜56は第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部である。第1〜第4のハイブリッド部53〜56の構成は同一である。
【0048】
A2〜D2は第1〜第4のハイブリッド部53〜56を構成する、主誘電体基板2の第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)である。第1〜第4の小誘電体基板3〜6は、それぞれ主誘電体基板2の上面2aの第1〜第4の領域A2〜D2にフリップチップ方式で実装されている。
【0049】
図15は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A2の拡大図である。図16は第1の小誘電体基板3の下面の拡大図である。図において、57は第1のストリップ導体52のメアンダ形状の第1の結合線路構成部、58は第1のストリップ導体52の第1の上下接続部、59は第1の上下接続部58上に形成された第1のバンプ、60は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体、61は第2のストリップ導体60のメアンダ形状の第2の結合線路構成部、62は第2のストリップ導体60の端部である。第1,第2の結合線路構成部57,61は、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する。第1の上下接続部58は、第1の結合線路構成部57を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部61と接続した第2のストリップ導体60の端部62と第1のバンプ59を介して接続する。
【0050】
図17は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部53の構成要素の位置関係を示す図である。図17に示すように、主誘電基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の結合線路構成部57,61が一致するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A2に実装されている。このように第1,第2の結合線路構成部57,61が一致することにより、結合線路が構成されている。また、第1のバンプ59が第2のストリップ導体60の端部62と接続するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A2に実装されている。
【0051】
なお、図13〜図17において、実施の形態1と同一あるいは同等の構成要素には、実施の形態1と同一の符号を付して示している。
動作は実施の形態1と同様である。
【0052】
以上のように、この実施の形態2によれば、コンデンサを設けたことにより得られる効果を除いて、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0053】
また、この実施の形態2によれば、結合線路がメアンダ形状であるので、90°ハイブリッドをより小型にできるという効果が得られる。
【0054】
なお、実施の形態1と同様に、90°ハイブリッドの入出力部にコンデンサを設けることにより、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるという効果が得られる。
【0055】
実施の形態3.
図18はこの発明の実施の形態3によるバトラーマトリクスの上面図である。図19はこの発明の実施の形態3によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図において、71はバトラーマトリクス、72は主誘電体基板2の上面2aに形成された第1のストリップ導体、73〜76は第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部である。第1〜第4のハイブリッド部73〜76の構成は同一である。
【0056】
A3〜D3は第1〜第4のハイブリッド部73〜76を構成する、主誘電体基板2の第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)である。第1〜第4の小誘電体基板3〜6は、それぞれ主誘電体基板2の上面2aの第1〜第4の領域A3〜D3にフリップチップ方式で実装されている。
【0057】
図20は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A3の拡大図である。図21は第1の小誘電体基板3の下面の拡大図である。図22は第1の小誘電体基板3の上面の拡大図である。図23は第1のハイブリッド部73の側面図であり、第1の小誘電体基板3を主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A3にフリップチップ方式で実装した状態を示している。図において、77は第1のストリップ導体72の第1の上下接続部、78は第1のストリップ導体72の第2の上下接続部、79は第1の上下接続部77上に形成された第1のコンデンサ、80は第2の上下接続部78上に形成された第2のコンデンサ、81は第1のコンデンサ79上に形成された第1のバンプ、82は第2のコンデンサ80上に形成された第2のバンプ、83は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体、84は第2のストリップ導体83の直線形状の第1の結合線路構成部、85は第2のストリップ導体83の第1の端部、86は第2のストリップ導体83の第3の上下接続部、3aは第1の小誘電体基板3の上面、87は第1の小誘電体基板3の上面3aに形成された第3のストリップ導体、88は第3のストリップ導体87の直線形状の第2の結合線路構成部、89は第3のストリップ導体87の第2の端部、90は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体83の第3の上下接続部86と上面3aに形成された第3のストリップ導体87の第2の端部89とを接続するバイアホールである。第1,第2の結合線路構成部84,88は、所望の周波数における波長の1/4の長さ(すなわち、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さ)を有する。第1の上下接続部77は離間して設けられ、第1の結合線路構成部84と接続した第2のストリップ導体83の第1の端部85と第1のバンプ81を介して接続する。第2の上下接続部78は離間して設けられ、第2の結合線路構成部88と接続した第3のストリップ導体87の第2の端部89とバイアホール90を介して接続した第2のストリップ導体83の第3の上下接続部86と第2のバンプ82を介して接続する。第1のコンデンサ79は、第1の上下接続部77と第1のバンプ81との間に設けられている。第2のコンデンサ80は、第2の上下接続部78と第2のバンプ82との間に設けられている。
【0058】
図24は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部73の構成要素の位置関係を示す図である。図24に示すように、主誘電基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の結合線路構成部84,88が一致するように、第2,第3のストリップ導体83,87が第1の小誘電体基板3に形成されている。このように第1,第2の結合線路構成部84,88が一致することにより、結合線路が構成されている。また、第1のバンプ81が第2のストリップ導体83の第1の端部85と接続し、第2のバンプ82が第2のストリップ導体83の第3の上下接続部86と接続するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A3に実装されている。
【0059】
なお、図18〜図24において、実施の形態1,2と同一あるいは同等の構成要素には、実施の形態1,2と同一の符号を付して示している。
動作は実施の形態1と同様である。
【0060】
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0061】
また、この実施の形態3によれば、小誘電体基板の上面及び下面に形成されたストリップ導体を用いて結合線路を構成するので、結合線路間距離が小誘電体基板の厚さで決まる。このため、結合線路間距離が高精度に定まり、90°ハイブリッドに入力した信号を高精度で分配できるという効果が得られる。
【0062】
実施の形態4.
図25はこの発明の実施の形態4によるバトラーマトリクスの上面図である。図26はこの発明の実施の形態4によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図において、91はバトラーマトリクス、92〜95は第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部である。第1〜第4のハイブリッド部92〜95の構成は同一である。
【0063】
A4〜D4は第1〜第4のハイブリッド部92〜95を構成する、主誘電体基板2の第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)である。第1〜第4の小誘電体基板3〜6は、それぞれ主誘電体基板2の上面2aの第1〜第4の領域A4〜D4にフリップチップ方式で実装されている。
【0064】
図27は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A4の拡大図である。図28は第1の小誘電体基板3の下面の拡大図である。図29は第1の小誘電体基板3の上面の拡大図である。図において、96は第1の上下接続部77上に形成された第1のバンプ、97は第2の上下接続部78上に形成された第2のバンプ、98は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体、99は第2のストリップ導体98のメアンダ形状の第1の結合線路構成部、100は第2のストリップ導体98の第1の端部、101は第2のストリップ導体98の第3の上下接続部、102は第1の小誘電体基板3の上面3aに形成された第3のストリップ導体、103は第3のストリップ導体102のメアンダ形状の第2の結合線路構成部、104は第3のストリップ導体102の第2の端部、105は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体98の第3の上下接続部101と上面3aに形成された第3のストリップ導体102の端部104とを接続するバイアホールである。第1,第2の結合線路構成部99,103は、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する。第1の上下接続部77は離間して設けられ、第1の結合線路構成部99と接続した第2のストリップ導体98の第1の端部100と第1のバンプ96を介して接続する。第2の上下接続部78は離間して設けられ、第2の結合線路構成部103と接続した第3のストリップ導体102の第2の端部104とバイアホール105を介して接続した第2のストリップ導体98の第3の上下接続部101と第2のバンプ97を介して接続する。
【0065】
図30は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部92の構成要素の位置関係を示す図である。図30に示すように、主誘電基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の結合線路構成部99,103が一致するように、第2,第3のストリップ導体98,102が第1の小誘電体基板3に形成されている。このように第1,第2の結合線路構成部99,103が一致することにより、結合線路が構成されている。また、第1のバンプ96が第2のストリップ導体98の第1の端部100と接続し、第2のバンプ97が第2のストリップ導体98の第3の上下接続部101と接続するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A4に実装されている。
【0066】
なお、図25〜図30において、実施の形態1〜3と同一あるいは同等の構成要素には、実施の形態1〜3と同一の符号を付して示している。
動作は実施の形態1と同様である。
【0067】
以上のように、この実施の形態4によれば、コンデンサを設けたことにより得られる効果を除いて、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0068】
また、この実施の形態4によれば、結合線路がメアンダ形状であるので、90°ハイブリッドをより小型にできるという効果が得られる。
【0069】
また、この実施の形態4によれば、小誘電体基板の上面及び下面に形成されたストリップ導体を用いてメアンダ形状の結合線路を構成するので、結合線路間距離が小誘電体基板の厚さで決まる。このため、結合線路間距離が高精度に定まり、90°ハイブリッドに入力した信号を高精度で分配できるという効果が得られる。
【0070】
なお、実施の形態3と同様に、90°ハイブリッドの入出力部にコンデンサを設けることにより、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるという効果が得られる。
【0071】
実施の形態5.
実施の形態5は、第1〜第4の小誘電体基板3〜6が主誘電体基板2の誘電率より大きい誘電率を有する点を除いて、実施の形態3と同様である。
【0072】
このように第1〜第4の小誘電体基板3〜6の誘電率が主誘電体基板2の誘電率より大きい場合、波長短縮率が大きくなり、90°ハイブリッドをより小型にできるという効果が得られる。
【0073】
実施の形態6.
実施の形態6は、第1〜第4の小誘電体基板3〜6が主誘電体基板2の誘電率より大きい誘電率を有する点を除いて、実施の形態4と同様である。
【0074】
このように第1〜第4の小誘電体基板3〜6の誘電率が主誘電体基板2の誘電率より大きい場合、波長短縮率が大きくなり、90°ハイブリッドをより小型にできるという効果が得られる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、第1の上下接続部と第1のバンプとの間に設けられたコンデンサとを有し、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第2の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した第3のストリップ導体と、離間して設けられた第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第4のストリップ導体とを有するようにバトラーマトリクスを構成したので、電気特性や実装の信頼性が高く、また、安価で、製造工程が簡易であり、さらに、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0076】
この発明によれば、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間における位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部とを有し、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第2の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した第3のストリップ導体と、離間して設けられた第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第4のストリップ導体とを有するようにバトラーマトリクスを構成したので、電気特性や実装の信頼性が高く、また、安価で、製造工程が簡易であるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0077】
この発明によれば、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第1の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第1の上下接続部と第1のバンプとの間に設けられた第1のコンデンサと、第2の上下接続部と第2のバンプとの間に設けられた第2のコンデンサとを有し、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第3の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した第4のストリップ導体と、離間して設けられた第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第5のストリップ導体とを有するようにバトラーマトリクスを構成したので、電気特性や実装の信頼性が高く、また、安価で、製造工程が簡易であり、さらに、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0078】
この発明によれば、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第1の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第2の上下接続部とを有し、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第3の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した第4のストリップ導体と、離間して設けられた第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第5のストリップ導体とを有するようにバトラーマトリクスを構成したので、電気特性や実装の信頼性が高く、また、安価で、製造工程が簡易であるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0079】
この発明によれば、第1及び第2の結合線路構成部が、直線形状であるようにバトラーマトリクスを構成したので、結合線路の設計が容易なバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0080】
この発明によれば、第1及び第2の結合線路構成部が、メアンダ形状であるようにバトラーマトリクスを構成したので、90°ハイブリッドをより小型にできるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0081】
この発明によれば、ハイブリッド部構成用小誘電体基板が、主誘電体基板の誘電率より大きい誘電率を有するようにバトラーマトリクスを構成したので、90°ハイブリッドをより小型にできるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスの上面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図3】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図4】 第1の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図5】 第1のハイブリッド部の側面図である。
【図6】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図7】 主誘電体基板の上面の第5の領域の拡大図である。
【図8】 第5の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図9】 第5の小誘電体基板の上面の拡大図である。
【図10】 線路交差部の側面図である。
【図11】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、線路交差部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスの回路図である。
【図13】 この発明の実施の形態2によるバトラーマトリクスの上面図である。
【図14】 この発明の実施の形態2によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図15】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図16】 第1の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図17】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態3によるバトラーマトリクスの上面図である。
【図19】 この発明の実施の形態3によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図20】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図21】 第1の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図22】 第1の小誘電体基板の上面の拡大図である。
【図23】 第1のハイブリッド部の側面図である。
【図24】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図25】 この発明の実施の形態4によるバトラーマトリクスの上面図である。
【図26】 この発明の実施の形態4によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図27】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図28】 第1の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図29】 第1の小誘電体基板の上面の拡大図である。
【図30】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図31】 従来のバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図32】 図31のA−A線に沿った位置における従来のバトラーマトリクスの断面図である。
【図33】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図34】 主誘電体基板の下面の第1の領域の拡大図である。
【図35】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、主誘電体基板の第1の領域の構成要素の位置関係を示す図である。
【図36】 主誘電体基板の上面の第5の領域の拡大図である。
【図37】 主誘電体基板の下面の第5の領域の拡大図である。
【図38】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、主誘電体基板の第5の領域の構成要素の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1 バトラーマトリクス、2 主誘電体基板、2a 上面、2b 下面、3〜6 第1〜第4の小誘電体基板(ハイブリッド部構成用小誘電体基板)、3a 上面、3b 下面、7 第5の小誘電体基板(線路交差部構成用小誘電体基板)、7a 上面、7b 下面、8 第1のストリップ導体、9〜12 第1〜第4のハイブリッド部、13,14 第1,第2の固定移相器部、15 線路交差部、16 第1の結合線路構成部、17 第1の上下接続部、18 第1のコンデンサ、19 第1のバンプ、20 第2のストリップ導体、21 第2の結合線路構成部、22 端部、23 第1のグランド導体、24 第2の上下接続部、25 第2のバンプ、26 第2のグランド導体、27 第3のバンプ、28 第1のバイアホール、29 第3のストリップ導体、30 外側端部、31 内側端部、32 第3のグランド導体、33 中央部、34 周辺部、35 第4のストリップ導体、36 第2のバイアホール、37〜40 第1〜第4の90°ハイブリッド、41,42 第1,第2の45°固定移相器、43〜45 第2〜第4のコンデンサ、51 バトラーマトリクス、52 第1のストリップ導体、53〜56 第1〜第4のハイブリッド部、57 第1の結合線路構成部、58 第1の上下接続部、59 第1のバンプ、60 第2のストリップ導体、61 第2の結合線路構成部、62 端部、71 バトラーマトリクス、72 第1のストリップ導体、73〜76 第1〜第4のハイブリッド部、77 第1の上下接続部、78 第2の上下接続部、79 第1のコンデンサ、80 第2のコンデンサ、81 第1のバンプ、82 第2のバンプ、83 第2のストリップ導体、84 第1の結合線路構成部、85 第1の端部、86 第3の上下接続部、87 第3のストリップ導体、88 第2の結合線路構成部、89 第2の端部、90 バイアホール、91 バトラーマトリクス、92〜95 第1〜第4のハイブリッド部、96 第1のバンプ、97 第2のバンプ、98 第2のストリップ導体、99 第1の結合線路構成部、100 第1の端部、101 第3の上下接続部、102 第3のストリップ導体、103 第2の結合線路構成部、104 第2の端部、105 バイアホール。A1〜D1 第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、A2〜D2 第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、A3〜D3 第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、A4〜D4 第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、E 第5の領域(線路交差部構成用領域)、T1〜T4 第1〜第4の入力端、T5〜T8 第1〜第4の出力端、T9,T10 第5,第6の入力端、T11,T12 第5,第6の出力端、T13,T14 第7,第8の入力端、T15,T16 第7,第8の出力端。
【発明の属する技術分野】
この発明はハイブリッドと固定移相器とを用いて構成され、信号の入力端に応じて各出力端から出力される信号の位相を変化させ、各出力端から出力される信号により形成される波面の向きを制御するバトラーマトリクスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯機器、無線装置等の急増により、実装基板の小型軽量化および高周波における信号の減衰防止、低ノイズ化等の要求が急速に強まり、特にミリ波帯においてはこれらの実現が急務となっている。これらの要求に応えるため、ICチップの実装方法も従来のワイヤボンディングからフリップチップ方式に変わりつつある。このフリップチップ方式は接続用金属(バンプ)を介して、チップと基板とを直接接続する実装方法である。
【0003】
フリップチップ実装方法は、金ワイヤ等を用いて接続するワイヤボンディング実装方法に比べて回路面積が小さい、大幅な多ピン化が可能という特長がある。さらに、従来のワイヤボンディング実装方法と比べてチップと基板との接続長さを大幅に短くできるので、接続部のインダクタンスを小さくでき、かつ工作時のばらつきを抑制できる利点がある。
【0004】
これらは、例えば「“高密度実装の最新動向”,株式会社東レリサーチセンタ,1998年2月1日発行」に記載されている。
【0005】
次にバトラーマトリクスについて説明する。
図31は、例えば「昭和59年度電子通信学会総合全国大会」に発表された従来のバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図32は図31のA−A線に沿った位置における従来のバトラーマトリクスの断面図である。図において、201はバトラーマトリクス、202は主誘電体基板、202aは主誘電体基板202の上面、202bは主誘電体基板202の下面、203は主誘電体基板202の上側に配置された第1の誘電体基板、203aは第1の誘電体基板203の上面、204は主誘電体基板202の下側に配置された第2の誘電体基板、204bは第2の誘電体基板204の下面、205は主誘電体基板202の上面202aに形成された第1のストリップ導体、206は主誘電体基板202の下面202bに形成された第2のストリップ導体、207は第1の誘電体基板203の上面203aに形成された第1のグランド導体、208は第2の誘電体基板204の下面204bに形成された第2のグランド導体である。各誘電体基板の誘電率は同一である。
【0006】
A〜Dは第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部を構成する、主誘電体基板202の第1〜第4の領域、Eはストリップ導体が交差する線路交差部を構成する、主誘電体基板202の第5の領域、T1〜T4はバトラーマトリクス201に入力する信号の第1〜第4の入力端、T5〜T8はバトラーマトリクス201から出力する信号の第1〜第4の出力端である。第1〜第4の領域A〜Dの構成は同一である。なお、第1の領域Aと第2の領域Bとの間及び第3の領域Cと第4の領域Dとの間は、45°固定移相器を備えた固定移相器部を構成する領域である。バトラーマトリクス201は、90°ハイブリッドを4つ、45°固定移相器を2つ備え、ストリップ導体は一箇所で交差する。
【0007】
図33は主誘電体基板202の上面202aの第1の領域Aの拡大図である。図34は主誘電体基板202の下面202bの第1の領域Aの拡大図である。図において、209は第1のストリップ導体205の第1の1/4波長長さ部、T9は第1のハイブリッド部に入力する信号の第5の入力端、T12は第1のハイブリッド部から出力する信号の第6の出力端、210は第2のストリップ導体206の第2の1/4波長長さ部、T10は第1のハイブリッド部に入力する信号の第6の入力端、T11は第1のハイブリッド部から出力する信号の第5の出力端である。第1,第2の1/4波長長さ部209,210は所望の周波数における波長の1/4の長さを有する。第5,第6の入力端T9,T10には、第1,第2の入力端T1,T2に入力した信号が入力する。
【0008】
図35は主誘電体基板202の上面202aに垂直な方向から見た、主誘電体基板202の第1の領域Aの構成要素の位置関係を示す図である。図35に示すように、主誘電体基板202の上面202aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の1/4波長長さ部209,210が一致するように、第1,第2のストリップ導体205,206が主誘電体基板202に形成されている。このように第1,第2の1/4波長長さ部209,210が一致することにより、結合線路が構成されている。
【0009】
図36は主誘電体基板202の上面202aの第5の領域Eの拡大図である。図37は主誘電体基板202の下面202bの第5の領域Eの拡大図である。図において、211は第1のストリップ導体205の第1の幅狭部、T13は線路交差部に入力する信号の第7の入力端、T16は線路交差部から出力する信号の第8の出力端、212は第2のストリップ導体206の第2の幅狭部、T14は線路交差部に入力する信号の第8の入力端、T15は線路交差部から出力する信号の第7の出力端である。
【0010】
図38は主誘電体基板202の上面202aに垂直な方向から見た、主誘電体基板202の第5の領域Eの構成要素の位置関係を示す図である。図38に示すように、主誘電体基板202の上面202aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の幅狭部211,212の中心が一致し、第1,第2の幅狭部211,212が交差するように、第1,第2のストリップ導体205,206が主誘電体基板202に形成されている。このように第1,第2のストリップ導体205,206の交差部分の幅を狭くすることにより、結合が抑制されている。
【0011】
なお、図31に示すa位置及びb位置では、バイアホールにより、第1のストリップ導体205と第2のストリップ導体206が接続されている。また、ねじ止めにより、第1,第2の誘電体基板203,204は、主誘電体基板202に固定されている。
【0012】
このように従来のバトラーマトリクス201は、上面202aに第1のストリップ導体205が形成され下面202bに第2のストリップ導体206が形成された主誘電体基板202を、上面203aに第1のグランド導体207が形成された第1の誘電体基板203と、下面204bに第2のグランド導体208が形成された第2の誘電体基板204とで挟んだ3層構造をしている。
【0013】
次に動作について説明する。
第1の入力端T1から入力した信号は、第5の入力端T9から第1のハイブリッド部に入力する。第1のハイブリッド部に入力した信号は、上記結合線路を通じて磁界結合し、第5,第6の出力端T11,T12に分配される。第5の出力端T11から出力する信号は、第6の出力端T12から出力する信号より位相が90°進んでいる。
【0014】
第5の出力端T11から出力した信号は、固定移相器部を通過し、第2のハイブリッド部に入力する。第6の出力端T12から出力した信号は、線路交差部を通過し、第4のハイブリッド部に入力する。
【0015】
固定移相器部を通過する場合、線路交差部を通過する場合より、位相が45°遅れる。従って、第5の出力端T11から出力し、固定移相器部を通過して第2のハイブリッド部に入力する信号は、第6の出力端T12から出力し、線路交差部を通過して第4のハイブリッド部に入力する信号と比べて、第1のハイブリッド部で90°進み、固定移相器部で45°遅れるため、あわせて45°進んでいる。
【0016】
第2のハイブリッド部に入力した信号は、上述した場合と同様に、第1の出力端T5と第2の出力端T6に分配され、第4のハイブリッド部に入力した信号は、上述した場合と同様に、第3の出力端T7と第4の出力端T8に分配される。第1の出力端T5から出力する信号は、第2の出力端T6から出力する信号より位相が90°進んでおり、第3の出力端T7から出力する信号は、第4の出力端T8から出力する信号より位相が90°進んでいる。従って、第4の出力端T8から出力する信号と比べて、第1の出力端T5から出力する信号は位相が135°進み、第2の出力端T6から出力する信号は位相が45°進み、第3の出力端T7から出力する信号は位相が90°進んでいる。また、90°ハイブリッドを1回通過すると、3dBの電力損失が生じるため、第1〜第4の出力端T5〜T8からの出力信号は、第1の入力端T1への入力信号と比較すると、6dBの電力損失がある。
【0017】
このようにして第1の入力端T1から入力した信号は、45°の位相差で第1〜第4の出力端T5〜T8から出力する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバトラーマトリクスは以上のように上下面にストリップ導体が形成された誘電体基板を、片面にグランド導体が形成された誘電体基板で挟むように構成されているので、誘電体基板間にわずかな隙間が生じ、誘電体基板間の接続が弱い。また、このように構成されているので、バトラーマトリクスを構成する回路の測定などに使用する装置の端子や他の部品の実装が難しい。また、他の回路と同一基板上に構成することも困難である。従って、電気特性や実装の信頼性が低いという課題があった。
【0019】
また、多層基板を用い、その多層基板は上下面にストリップ導体が形成された誘電体基板を、片面にグランド導体が形成された誘電体基板で挟み、ねじ止めすることにより製造するので、高価であり、製造工程が複雑であるという課題があった。
【0020】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、電気特性や実装の信頼性が高く、また安価で製造が容易なバトラーマトリクスを得ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るバトラーマトリクスは、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、第1の上下接続部と第1のバンプとの間に設けられたコンデンサとを用いて構成され、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第2の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した第3のストリップ導体と、離間して設けられた第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第4のストリップ導体とを用いて構成されたものである。
【0022】
この発明に係るバトラーマトリクスは、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部とを用いて構成され、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第2の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した第3のストリップ導体と、離間して設けられた第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第4のストリップ導体とを用いて構成されたものである。
【0023】
この発明に係るバトラーマトリクスは、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第1の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第1の上下接続部と第1のバンプとの間に設けられた第1のコンデンサと、第2の上下接続部と第2のバンプとの間に設けられた第2のコンデンサとを用いて構成され、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第3の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した第4のストリップ導体と、離間して設けられた第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第5のストリップ導体とをを用いて構成されたものである。
【0024】
この発明に係るバトラーマトリクスは、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第1の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第2の上下接続部とを用いて構成され、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第3の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した第4のストリップ導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられた第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第5のストリップ導体とを用いて構成されたものである。
【0025】
この発明に係るバトラーマトリクスは、第1及び第2の結合線路構成部が、直線形状であるものである。
【0026】
この発明に係るバトラーマトリクスは、第1及び第2の結合線路構成部が、メアンダ形状であるものである。
【0027】
この発明に係るバトラーマトリクスは、ハイブリッド部構成用小誘電体基板が、主誘電体基板の誘電率より大きい誘電率を有するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスの上面図である。図2はこの発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図において、1はバトラーマトリクス、2は主誘電体基板、2aは主誘電体基板2の上面、3〜6は主誘電体基板2の上面2aにフリップチップ方式で実装された第1〜第4の小誘電体基板(ハイブリッド部構成用小誘電体基板)、7は主誘電体基板2の上面2aにフリップチップ方式で実装された第5の小誘電体基板(線路交差部構成用小誘電体基板)、8は主誘電体基板2の上面2aに形成された第1のストリップ導体、9〜12は第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部、13,14は第1,第2の45°固定移相器を備えた第1,第2の固定移相器部、15はマイクロストリップ線路が交差する線路交差部である。第1〜第4のハイブリッド部9〜12の構成は同一である。
【0029】
A1〜D1は第1〜第4のハイブリッド部9〜12を構成する、主誘電体基板2の第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、Eは線路交差部15を構成する、主誘電体基板2の第5の領域(線路交差部構成用領域)、T1〜T4はバトラーマトリクス1に入力する信号の第1〜第4の入力端、T5〜T8はバトラーマトリクス1から出力する信号の第1〜第4の出力端である。第1〜第4の小誘電体基板3〜6は、それぞれ主誘電体基板2の上面2aの第1〜第4の領域A1〜D1にフリップチップ方式で実装されており、第5の小誘電体基板7は、主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eにフリップチップ方式で実装されている。
【0030】
図3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A1の拡大図である。図4は第1の小誘電体基板3の下面の拡大図である。図5は第1のハイブリッド部9の側面図であり、第1の小誘電体基板3を主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A1にフリップチップ方式で実装した状態を示している。図において、16は第1のストリップ導体8の直線形状の第1の結合線路構成部、17は第1のストリップ導体8の第1の上下接続部、18は第1の上下接続部17上に形成された第1のコンデンサ、19は第1のコンデンサ18上に形成された第1のバンプ、T9,T10は第1のハイブリッド部9に入力する信号の第5,第6の入力端、T11,T12は第1のハイブリッド部9から出力する信号の第5,第6の出力端、3bは第1の小誘電体基板3の下面、20は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体、21は第2のストリップ導体20の直線形状の第2の結合線路構成部、22は第2のストリップ導体20の端部、2bは主誘電体基板2の下面、23は主誘電体基板2の下面2bに形成された第1のグランド導体である。第1,第2の結合線路構成部16,21は、所望の周波数における波長の1/4の長さ(すなわち、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さ)を有する。第1の上下接続部17は、第1の結合線路構成部16を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部16と接続した第2のストリップ導体20の端部22と第1のバンプ19を介して接続する。第1のコンデンサ18は、第1の上下接続部17と第1のバンプ19との間に設けられている。第5,第6の入力端T9,T10には、第1,第2の入力端T1,T2に入力した信号が入力する。
【0031】
図6は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部9の構成要素の位置関係を示す図である。図6に示すように、主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の結合線路構成部16,21が一致するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A1に実装されている。このように第1,第2の結合線路構成部16,21が一致することにより、結合線路が構成されている。また、第1のバンプ19が第2のストリップ導体20の端部22と接続するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A1に実装されている。
【0032】
図7は主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eの拡大図である。図8は第5の小誘電体基板7の下面の拡大図である。図9は第5の小誘電体基板7の上面の拡大図である。図10は線路交差部15の側面図であり、第5の小誘電体基板7を主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eにフリップチップ方式で実装した状態を示している。図において、24は第1のストリップ導体8の第2の上下接続部、25は第2の上下接続部24上に形成された第2のバンプ、26は主誘電体基板2の上面2aに形成された第2のグランド導体、27は第2のグランド導体26上に形成された第3のバンプ、28は主誘電体基板2の下面2bに形成された第1のグランド導体23と上面2aに形成された第2のグランド導体26とを接続する第1のバイアホール、T13,T14は線路交差部15に入力する信号の第7,第8の入力端、T15,T16は線路交差部15から出力する信号の第7,第8の出力端、7bは第5の小誘電体基板7の下面、29は第5の小誘電体基板7の下面7bに形成された第3のストリップ導体、30は第3のストリップ導体29の外側端部、31は第3のストリップ導体29の内側端部、32は第5の小誘電体基板7の下面7bに形成された第3のグランド導体、33は第3のストリップ導体29の内側端部31間に位置する第3のグランド導体32の中央部、34は中央部33と接続する第3のグランド導体32の周辺部、7aは第5の小誘電体基板7の上面、35は第5の小誘電体基板7の上面7aに形成された第4のストリップ導体、36は第5の小誘電体基板7の下面7bに形成された第3のストリップ導体29の内側端部31と上面7aに形成された第4のストリップ導体35とを接続する第2のバイアホールである。第2の上下接続部24は、離間して設けられ、第2の上下接続部24間を結ぶ直線を第8の入力端T14及び第7の出力端T15に接続する第1のストリップ導体8が横切る。中央部33は、第2の上下接続部24間を結ぶ直線と第1のストリップ導体8とが交差する領域上に位置する。第3のストリップ導体29は、中央部33を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部24と第2のバンプ25を介して接続する。第4のストリップ導体35は、離間して設けられた第3のストリップ導体29間を第2のバイアホール36を介して接続する。
【0033】
図11は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、線路交差部15の構成要素の位置関係を示す図である。図11に示すように、主誘電基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第7の入力端T13及び第8の出力端T16に接続する第1のストリップ導体8、第3のストリップ導体29、第4のストリップ導体35が一直線となるとともに、第4のストリップ導体35が第8の入力端T14及び第7の出力端T15に接続する第1のストリップ導体8と交差するように、第5の小誘電体基板7は主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eに実装されている。このため、第3のグランド導体32の中央部33が、第4のストリップ導体35と第1のストリップ導体8とが交差する部分での第4のストリップ導体35と第1のストリップ導体8との間に位置し、第3のグランド導体32の周辺部34が、第7の入力端T13と第8の出力端T16とを結ぶ線路と第8の入力端T14と第7の出力端T15とを結ぶ線路とで挟まれる領域に位置する。このように第3のグランド導体32の中央部33が、第4のストリップ導体35と第1のストリップ導体8とが交差する部分に位置することにより、結合が抑制されている。また、第2のバンプ25が第3のストリップ導体29の外側端部30と接続し、第3のバンプ27が第3のグランド導体32の周辺部34と接続するように、第5の小誘電体基板7は主誘電体基板2の上面2aの第5の領域Eに実装されている。
【0034】
第2のグランド導体26は第3のバンプ27を介して第3のグランド導体32と電気的に接続し、第1のバイアホール28を介して第1のグランド導体23と電気的に接続するので、第1のグランド導体23、第2のグランド導体26、及び第3のグランド導体32は、すべて同電位である。
【0035】
図12はこの発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスの回路図である。図において、37〜40は第1〜第4の90°ハイブリッド、41,42は第1,第2の45°固定移相器、43〜45は第2〜第4のコンデンサである。その他の構成要素は、図1〜図10において同一符号を付して示したものと同一あるいは同等である。図12に示すように、第1のコンデンサ18は第1の90°ハイブリッド37の入出力端に接続され、第2のコンデンサ43は第2の90°ハイブリッド38の入出力端に接続され、第3のコンデンサ44は第3の90°ハイブリッド39の入出力端に接続され、第4のコンデンサ45は第4の90°ハイブリッド40の入出力端に接続されている。
【0036】
このようにこの実施の形態のバトラーマトリクス1は、単層構造の主誘電体基板2の上面2aに、単層構造の第1〜第4の小誘電体基板3〜6をフリップチップ方式で実装し、主誘電体基板2に形成された導体と第1〜第4の小誘電体基板3〜6に形成された導体とを用いて第1〜第4のハイブリッド部9〜12を構成するとともに、単層構造の主誘電体基板2の上面2aに、単層構造の第5の小誘電体基板7をフリップチップ方式で実装し、主誘電体基板2に形成された導体と第5の小誘電体基板7に形成された導体とを用いて線路交差部15を構成する構造をしている。
【0037】
次に動作について説明する。
第1の入力端T1から入力した信号は、第5の入力端T9から第1のハイブリッド部9に入力し、第1のコンデンサ18、第1のバンプ19を介して第2の結合線路構成部21に到達する。第1,第2の結合線路構成部16,21が上下に位置するように、第1の小誘電体基板3が主誘電体基板2の上面に実装され結合線路が構成されているので、第2の結合線路構成部21に到達した信号は、上記結合線路を通じて磁界結合し、第5の出力端T11から第1のハイブリッド部9外に出力するとともに、第1のバンプ19、第1のコンデンサ18を介して第6の出力端T12から第1のハイブリッド部9外に出力する。第5の出力端T11から出力する信号は、第6の出力端T12から出力する信号より位相が90°進んでいる。
【0038】
第6の出力端T12から出力した信号は、第7の入力端T13から線路交差部15に入力し、第2のバンプ25、第3のストリップ導体29、第2のバイアホール36を介して第4のストリップ導体35に到達する。第3のグランド導体32の中央部33が第4のストリップ導体35と第1のストリップ導体8とが交差する部分に位置するように、第5の小誘電体基板7が主誘電体基板2の上面に実装され結合が抑制されているので、第4のストリップ導体35に到達した信号は、第2のバイアホール36、第3のストリップ導体29、第2のバンプ25を介してそのまま第8の出力端T16から線路交差部15外に出力する。第8の出力端T16から出力した信号は、第4のハイブリッド部12に入力する。
【0039】
一方、第5の出力端T11から出力した信号は、第1の固定移相器部13を通過し、第2のハイブリッド部10に入力する。
【0040】
第1の固定移相器部13を通過する場合、線路交差部15を通過する場合より、位相が45°遅れる。従って、第5の出力端T11から出力し、第1の固定移相器部13を通過して第2のハイブリッド部10に入力する信号は、第6の出力端T12から出力し、線路交差部15を通過して第4のハイブリッド部12に入力する信号と比べて、第1のハイブリッド部9で90°進み、第1の固定移相器部13で45°遅れるため、あわせて45°進んでいる。
【0041】
第2のハイブリッド部10に入力した信号は、上述した場合と同様に、第1の出力端T5と第2の出力端T6に分配され、第4のハイブリッド部12に入力した信号は、上述した場合と同様に、第3の出力端T7と第4の出力端T8に分配される。第1の出力端T5から出力する信号は、第2の出力端T6から出力する信号より位相が90°進んでおり、第3の出力端T7から出力する信号は、第4の出力端T8から出力する信号より位相が90°進んでいる。従って、第4の出力端T8から出力する信号と比べて、第1の出力端T5から出力する信号は位相が135°進み、第2の出力端T6から出力する信号は位相が45°進み、第3の出力端T7から出力する信号は位相が90°進んでいる。また、90°ハイブリッドを1回通過すると、3dBの電力損失が生じるため、第1〜第4の出力端T5〜T8からの出力信号は、第1の入力端T1への入力信号と比較すると、6dBの電力損失がある。
【0042】
このようにして第1の入力端T1から入力した信号は、45°の位相差で第1〜第4の出力端T5〜T8から出力する。第2〜第4の入力端T2〜T4から入力した信号も、同様にして、45°の位相差で第1〜第4の出力端T5〜T8から出力する。スイッチにより、信号の入力端を切り替えることにより、各出力端から出力される信号の位相を変化させ、各出力端から出力される信号により形成される波面の向きを制御することができる。
【0043】
以上のように、この実施の形態1によれば、単層構造の主誘電体基板2の上面2aに単層構造の第1〜第5の小誘電体基板3〜7をフリップチップ方式で実装し、第1〜第4のハイブリッド部9〜12及び線路交差部15を構成したので、誘電体基板間の接続強度が問われない。また、主誘電体基板2の上面2aが露出しているため、バトラーマトリクス1を構成する回路の測定などに使用する装置の端子や他の部品の実装が容易である。従って、電気特性や実装の信頼性が高いという効果が得られる。
【0044】
また、単層基板を用い、主誘電体基板2の上面2aに第1〜第5の小誘電体基板3〜7をフリップチップ方式で実装することにより製造するので、安価であり、製造工程が簡易であるという効果が得られる。
【0045】
また、90°ハイブリッドの入出力部にコンデンサを設けるので、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるという効果が得られる。
【0046】
また、主誘電体基板2の他の領域に所望の回路を形成することもでき、また、主誘電体基板2の下面2bにグランド導体が形成されているため、他のアクティブ素子と同様に、金属パッケージに実装することもできる。
【0047】
実施の形態2.
図13はこの発明の実施の形態2によるバトラーマトリクスの上面図である。図14はこの発明の実施の形態2によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図において、51はバトラーマトリクス、52は主誘電体基板2の上面2aに形成された第1のストリップ導体、53〜56は第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部である。第1〜第4のハイブリッド部53〜56の構成は同一である。
【0048】
A2〜D2は第1〜第4のハイブリッド部53〜56を構成する、主誘電体基板2の第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)である。第1〜第4の小誘電体基板3〜6は、それぞれ主誘電体基板2の上面2aの第1〜第4の領域A2〜D2にフリップチップ方式で実装されている。
【0049】
図15は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A2の拡大図である。図16は第1の小誘電体基板3の下面の拡大図である。図において、57は第1のストリップ導体52のメアンダ形状の第1の結合線路構成部、58は第1のストリップ導体52の第1の上下接続部、59は第1の上下接続部58上に形成された第1のバンプ、60は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体、61は第2のストリップ導体60のメアンダ形状の第2の結合線路構成部、62は第2のストリップ導体60の端部である。第1,第2の結合線路構成部57,61は、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する。第1の上下接続部58は、第1の結合線路構成部57を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部61と接続した第2のストリップ導体60の端部62と第1のバンプ59を介して接続する。
【0050】
図17は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部53の構成要素の位置関係を示す図である。図17に示すように、主誘電基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の結合線路構成部57,61が一致するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A2に実装されている。このように第1,第2の結合線路構成部57,61が一致することにより、結合線路が構成されている。また、第1のバンプ59が第2のストリップ導体60の端部62と接続するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A2に実装されている。
【0051】
なお、図13〜図17において、実施の形態1と同一あるいは同等の構成要素には、実施の形態1と同一の符号を付して示している。
動作は実施の形態1と同様である。
【0052】
以上のように、この実施の形態2によれば、コンデンサを設けたことにより得られる効果を除いて、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0053】
また、この実施の形態2によれば、結合線路がメアンダ形状であるので、90°ハイブリッドをより小型にできるという効果が得られる。
【0054】
なお、実施の形態1と同様に、90°ハイブリッドの入出力部にコンデンサを設けることにより、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるという効果が得られる。
【0055】
実施の形態3.
図18はこの発明の実施の形態3によるバトラーマトリクスの上面図である。図19はこの発明の実施の形態3によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図において、71はバトラーマトリクス、72は主誘電体基板2の上面2aに形成された第1のストリップ導体、73〜76は第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部である。第1〜第4のハイブリッド部73〜76の構成は同一である。
【0056】
A3〜D3は第1〜第4のハイブリッド部73〜76を構成する、主誘電体基板2の第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)である。第1〜第4の小誘電体基板3〜6は、それぞれ主誘電体基板2の上面2aの第1〜第4の領域A3〜D3にフリップチップ方式で実装されている。
【0057】
図20は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A3の拡大図である。図21は第1の小誘電体基板3の下面の拡大図である。図22は第1の小誘電体基板3の上面の拡大図である。図23は第1のハイブリッド部73の側面図であり、第1の小誘電体基板3を主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A3にフリップチップ方式で実装した状態を示している。図において、77は第1のストリップ導体72の第1の上下接続部、78は第1のストリップ導体72の第2の上下接続部、79は第1の上下接続部77上に形成された第1のコンデンサ、80は第2の上下接続部78上に形成された第2のコンデンサ、81は第1のコンデンサ79上に形成された第1のバンプ、82は第2のコンデンサ80上に形成された第2のバンプ、83は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体、84は第2のストリップ導体83の直線形状の第1の結合線路構成部、85は第2のストリップ導体83の第1の端部、86は第2のストリップ導体83の第3の上下接続部、3aは第1の小誘電体基板3の上面、87は第1の小誘電体基板3の上面3aに形成された第3のストリップ導体、88は第3のストリップ導体87の直線形状の第2の結合線路構成部、89は第3のストリップ導体87の第2の端部、90は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体83の第3の上下接続部86と上面3aに形成された第3のストリップ導体87の第2の端部89とを接続するバイアホールである。第1,第2の結合線路構成部84,88は、所望の周波数における波長の1/4の長さ(すなわち、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さ)を有する。第1の上下接続部77は離間して設けられ、第1の結合線路構成部84と接続した第2のストリップ導体83の第1の端部85と第1のバンプ81を介して接続する。第2の上下接続部78は離間して設けられ、第2の結合線路構成部88と接続した第3のストリップ導体87の第2の端部89とバイアホール90を介して接続した第2のストリップ導体83の第3の上下接続部86と第2のバンプ82を介して接続する。第1のコンデンサ79は、第1の上下接続部77と第1のバンプ81との間に設けられている。第2のコンデンサ80は、第2の上下接続部78と第2のバンプ82との間に設けられている。
【0058】
図24は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部73の構成要素の位置関係を示す図である。図24に示すように、主誘電基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の結合線路構成部84,88が一致するように、第2,第3のストリップ導体83,87が第1の小誘電体基板3に形成されている。このように第1,第2の結合線路構成部84,88が一致することにより、結合線路が構成されている。また、第1のバンプ81が第2のストリップ導体83の第1の端部85と接続し、第2のバンプ82が第2のストリップ導体83の第3の上下接続部86と接続するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A3に実装されている。
【0059】
なお、図18〜図24において、実施の形態1,2と同一あるいは同等の構成要素には、実施の形態1,2と同一の符号を付して示している。
動作は実施の形態1と同様である。
【0060】
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0061】
また、この実施の形態3によれば、小誘電体基板の上面及び下面に形成されたストリップ導体を用いて結合線路を構成するので、結合線路間距離が小誘電体基板の厚さで決まる。このため、結合線路間距離が高精度に定まり、90°ハイブリッドに入力した信号を高精度で分配できるという効果が得られる。
【0062】
実施の形態4.
図25はこの発明の実施の形態4によるバトラーマトリクスの上面図である。図26はこの発明の実施の形態4によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。図において、91はバトラーマトリクス、92〜95は第1〜第4の90°ハイブリッドを備えた第1〜第4のハイブリッド部である。第1〜第4のハイブリッド部92〜95の構成は同一である。
【0063】
A4〜D4は第1〜第4のハイブリッド部92〜95を構成する、主誘電体基板2の第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)である。第1〜第4の小誘電体基板3〜6は、それぞれ主誘電体基板2の上面2aの第1〜第4の領域A4〜D4にフリップチップ方式で実装されている。
【0064】
図27は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A4の拡大図である。図28は第1の小誘電体基板3の下面の拡大図である。図29は第1の小誘電体基板3の上面の拡大図である。図において、96は第1の上下接続部77上に形成された第1のバンプ、97は第2の上下接続部78上に形成された第2のバンプ、98は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体、99は第2のストリップ導体98のメアンダ形状の第1の結合線路構成部、100は第2のストリップ導体98の第1の端部、101は第2のストリップ導体98の第3の上下接続部、102は第1の小誘電体基板3の上面3aに形成された第3のストリップ導体、103は第3のストリップ導体102のメアンダ形状の第2の結合線路構成部、104は第3のストリップ導体102の第2の端部、105は第1の小誘電体基板3の下面3bに形成された第2のストリップ導体98の第3の上下接続部101と上面3aに形成された第3のストリップ導体102の端部104とを接続するバイアホールである。第1,第2の結合線路構成部99,103は、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する。第1の上下接続部77は離間して設けられ、第1の結合線路構成部99と接続した第2のストリップ導体98の第1の端部100と第1のバンプ96を介して接続する。第2の上下接続部78は離間して設けられ、第2の結合線路構成部103と接続した第3のストリップ導体102の第2の端部104とバイアホール105を介して接続した第2のストリップ導体98の第3の上下接続部101と第2のバンプ97を介して接続する。
【0065】
図30は主誘電体基板2の上面2aに垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部92の構成要素の位置関係を示す図である。図30に示すように、主誘電基板2の上面2aに垂直な方向から見たとき、第1,第2の結合線路構成部99,103が一致するように、第2,第3のストリップ導体98,102が第1の小誘電体基板3に形成されている。このように第1,第2の結合線路構成部99,103が一致することにより、結合線路が構成されている。また、第1のバンプ96が第2のストリップ導体98の第1の端部100と接続し、第2のバンプ97が第2のストリップ導体98の第3の上下接続部101と接続するように、第1の小誘電体基板3は主誘電体基板2の上面2aの第1の領域A4に実装されている。
【0066】
なお、図25〜図30において、実施の形態1〜3と同一あるいは同等の構成要素には、実施の形態1〜3と同一の符号を付して示している。
動作は実施の形態1と同様である。
【0067】
以上のように、この実施の形態4によれば、コンデンサを設けたことにより得られる効果を除いて、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0068】
また、この実施の形態4によれば、結合線路がメアンダ形状であるので、90°ハイブリッドをより小型にできるという効果が得られる。
【0069】
また、この実施の形態4によれば、小誘電体基板の上面及び下面に形成されたストリップ導体を用いてメアンダ形状の結合線路を構成するので、結合線路間距離が小誘電体基板の厚さで決まる。このため、結合線路間距離が高精度に定まり、90°ハイブリッドに入力した信号を高精度で分配できるという効果が得られる。
【0070】
なお、実施の形態3と同様に、90°ハイブリッドの入出力部にコンデンサを設けることにより、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるという効果が得られる。
【0071】
実施の形態5.
実施の形態5は、第1〜第4の小誘電体基板3〜6が主誘電体基板2の誘電率より大きい誘電率を有する点を除いて、実施の形態3と同様である。
【0072】
このように第1〜第4の小誘電体基板3〜6の誘電率が主誘電体基板2の誘電率より大きい場合、波長短縮率が大きくなり、90°ハイブリッドをより小型にできるという効果が得られる。
【0073】
実施の形態6.
実施の形態6は、第1〜第4の小誘電体基板3〜6が主誘電体基板2の誘電率より大きい誘電率を有する点を除いて、実施の形態4と同様である。
【0074】
このように第1〜第4の小誘電体基板3〜6の誘電率が主誘電体基板2の誘電率より大きい場合、波長短縮率が大きくなり、90°ハイブリッドをより小型にできるという効果が得られる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、第1の上下接続部と第1のバンプとの間に設けられたコンデンサとを有し、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第2の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した第3のストリップ導体と、離間して設けられた第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第4のストリップ導体とを有するようにバトラーマトリクスを構成したので、電気特性や実装の信頼性が高く、また、安価で、製造工程が簡易であり、さらに、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0076】
この発明によれば、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間における位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部とを有し、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第2の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した第3のストリップ導体と、離間して設けられた第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第4のストリップ導体とを有するようにバトラーマトリクスを構成したので、電気特性や実装の信頼性が高く、また、安価で、製造工程が簡易であるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0077】
この発明によれば、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第1の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、第1の上下接続部と第1のバンプとの間に設けられた第1のコンデンサと、第2の上下接続部と第2のバンプとの間に設けられた第2のコンデンサとを有し、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第3の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した第4のストリップ導体と、離間して設けられた第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第5のストリップ導体とを有するようにバトラーマトリクスを構成したので、電気特性や実装の信頼性が高く、また、安価で、製造工程が簡易であり、さらに、結合線路の短縮化、通過帯域の広帯域化、増幅器との組み合わせた際の直流電流の阻止が小型にできるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0078】
この発明によれば、上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、ハイブリッド部が、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第1の結合線路構成部と接続した第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、第2の結合線路構成部と接続した第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、第1のストリップ導体の第2の上下接続部とを有し、線路交差部が、ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る第1のストリップ導体と、第3の上下接続部間を結ぶ直線と第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、グランド導体を挟んで離間して設けられ、第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した第4のストリップ導体と、離間して設けられた第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した第5のストリップ導体とを有するようにバトラーマトリクスを構成したので、電気特性や実装の信頼性が高く、また、安価で、製造工程が簡易であるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0079】
この発明によれば、第1及び第2の結合線路構成部が、直線形状であるようにバトラーマトリクスを構成したので、結合線路の設計が容易なバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0080】
この発明によれば、第1及び第2の結合線路構成部が、メアンダ形状であるようにバトラーマトリクスを構成したので、90°ハイブリッドをより小型にできるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【0081】
この発明によれば、ハイブリッド部構成用小誘電体基板が、主誘電体基板の誘電率より大きい誘電率を有するようにバトラーマトリクスを構成したので、90°ハイブリッドをより小型にできるバトラーマトリクスが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスの上面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図3】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図4】 第1の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図5】 第1のハイブリッド部の側面図である。
【図6】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図7】 主誘電体基板の上面の第5の領域の拡大図である。
【図8】 第5の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図9】 第5の小誘電体基板の上面の拡大図である。
【図10】 線路交差部の側面図である。
【図11】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、線路交差部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態1によるバトラーマトリクスの回路図である。
【図13】 この発明の実施の形態2によるバトラーマトリクスの上面図である。
【図14】 この発明の実施の形態2によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図15】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図16】 第1の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図17】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態3によるバトラーマトリクスの上面図である。
【図19】 この発明の実施の形態3によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図20】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図21】 第1の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図22】 第1の小誘電体基板の上面の拡大図である。
【図23】 第1のハイブリッド部の側面図である。
【図24】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図25】 この発明の実施の形態4によるバトラーマトリクスの上面図である。
【図26】 この発明の実施の形態4によるバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図27】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図28】 第1の小誘電体基板の下面の拡大図である。
【図29】 第1の小誘電体基板の上面の拡大図である。
【図30】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、第1のハイブリッド部の構成要素の位置関係を示す図である。
【図31】 従来のバトラーマトリクスを構成する主誘電体基板の上面図である。
【図32】 図31のA−A線に沿った位置における従来のバトラーマトリクスの断面図である。
【図33】 主誘電体基板の上面の第1の領域の拡大図である。
【図34】 主誘電体基板の下面の第1の領域の拡大図である。
【図35】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、主誘電体基板の第1の領域の構成要素の位置関係を示す図である。
【図36】 主誘電体基板の上面の第5の領域の拡大図である。
【図37】 主誘電体基板の下面の第5の領域の拡大図である。
【図38】 主誘電体基板の上面に垂直な方向から見た、主誘電体基板の第5の領域の構成要素の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1 バトラーマトリクス、2 主誘電体基板、2a 上面、2b 下面、3〜6 第1〜第4の小誘電体基板(ハイブリッド部構成用小誘電体基板)、3a 上面、3b 下面、7 第5の小誘電体基板(線路交差部構成用小誘電体基板)、7a 上面、7b 下面、8 第1のストリップ導体、9〜12 第1〜第4のハイブリッド部、13,14 第1,第2の固定移相器部、15 線路交差部、16 第1の結合線路構成部、17 第1の上下接続部、18 第1のコンデンサ、19 第1のバンプ、20 第2のストリップ導体、21 第2の結合線路構成部、22 端部、23 第1のグランド導体、24 第2の上下接続部、25 第2のバンプ、26 第2のグランド導体、27 第3のバンプ、28 第1のバイアホール、29 第3のストリップ導体、30 外側端部、31 内側端部、32 第3のグランド導体、33 中央部、34 周辺部、35 第4のストリップ導体、36 第2のバイアホール、37〜40 第1〜第4の90°ハイブリッド、41,42 第1,第2の45°固定移相器、43〜45 第2〜第4のコンデンサ、51 バトラーマトリクス、52 第1のストリップ導体、53〜56 第1〜第4のハイブリッド部、57 第1の結合線路構成部、58 第1の上下接続部、59 第1のバンプ、60 第2のストリップ導体、61 第2の結合線路構成部、62 端部、71 バトラーマトリクス、72 第1のストリップ導体、73〜76 第1〜第4のハイブリッド部、77 第1の上下接続部、78 第2の上下接続部、79 第1のコンデンサ、80 第2のコンデンサ、81 第1のバンプ、82 第2のバンプ、83 第2のストリップ導体、84 第1の結合線路構成部、85 第1の端部、86 第3の上下接続部、87 第3のストリップ導体、88 第2の結合線路構成部、89 第2の端部、90 バイアホール、91 バトラーマトリクス、92〜95 第1〜第4のハイブリッド部、96 第1のバンプ、97 第2のバンプ、98 第2のストリップ導体、99 第1の結合線路構成部、100 第1の端部、101 第3の上下接続部、102 第3のストリップ導体、103 第2の結合線路構成部、104 第2の端部、105 バイアホール。A1〜D1 第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、A2〜D2 第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、A3〜D3 第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、A4〜D4 第1〜第4の領域(ハイブリッド部構成用領域)、E 第5の領域(線路交差部構成用領域)、T1〜T4 第1〜第4の入力端、T5〜T8 第1〜第4の出力端、T9,T10 第5,第6の入力端、T11,T12 第5,第6の出力端、T13,T14 第7,第8の入力端、T15,T16 第7,第8の出力端。
Claims (7)
- 90°ハイブリッドを備えたハイブリッド部と、固定移相器を備えた固定移相器部と、マイクロストリップ線路が交差する線路交差部とを備えたバトラーマトリクスにおいて、
上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、
下面に第2のストリップ導体が形成され、上記主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、
下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、上記主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、
上記ハイブリッド部は、上記ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する上記第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する上記第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、上記ハイブリッド部構成用領域に上記第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、上記第2の結合線路構成部と接続した上記第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、上記第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、上記第1の上下接続部と上記第1のバンプとの間に設けられたコンデンサとを備え、
上記線路交差部は、上記ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、上記第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、上記第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る上記第1のストリップ導体と、上記第2の上下接続部間を結ぶ直線と上記第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する上記線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、上記グランド導体を挟んで離間して設けられ、上記第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した上記第3のストリップ導体と、離間して設けられた上記第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した上記第4のストリップ導体とを備えた
ことを特徴とするバトラーマトリクス。 - 90°ハイブリッドを備えたハイブリッド部と、固定移相器を備えた固定移相器部と、マイクロストリップ線路が交差する線路交差部とを備えたバトラーマトリクスにおいて、
上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、
下面に第2のストリップ導体が形成され、上記主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、
下面に第3のストリップ導体、上面に第4のストリップ導体が形成され、上記主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、
上記ハイブリッド部は、上記ハイブリッド部構成用領域に設けられた、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の上記第1のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の上記第2のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、上記ハイブリッド部構成用領域に上記第1の結合線路構成部を挟んで離間して設けられ、上記第2の結合線路構成部と接続した上記第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、上記第1のストリップ導体の第1の上下接続部とを備え、
上記線路交差部は、上記ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、上記第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、上記第2の上下接続部間を結ぶ直線を横切る上記第1のストリップ導体と、上記第2の上下接続部間を結ぶ直線と上記第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する上記線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、上記グランド導体を挟んで離間して設けられ、上記第2の上下接続部と第2のバンプを介して接続した上記第3のストリップ導体と、離間して設けられた上記第3のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した上記第4のストリップ導体とを備えた
ことを特徴とするバトラーマトリクス。 - 90°ハイブリッドを備えたハイブリッド部と、固定移相器を備えた固定移相器部と、マイクロストリップ線路が交差する線路交差部とを備えたバトラーマトリクスにおいて、
上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、
下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、上記主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、
下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、上記主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、
上記ハイブリッド部は、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する上記第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有する上記第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、上記ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、上記第1の結合線路構成部と接続した上記第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、上記第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、上記ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、上記第2の結合線路構成部と接続した上記第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した上記第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、上記第1のストリップ導体の第2の上下接続部と、上記第1の上下接続部と上記第1のバンプとの間に設けられた第1のコンデンサと、上記第2の上下接続部と上記第2のバンプとの間に設けられた第2のコンデンサとを備え、
上記線路交差部は、上記ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、上記第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、上記第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る上記第1のストリップ導体と、上記第3の上下接続部間を結ぶ直線と上記第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する上記線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、上記グランド導体を挟んで離間して設けられ、上記第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した上記第4のストリップ導体と、離間して設けられた上記第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した上記第5のストリップ導体とを備えた
ことを特徴とするバトラーマトリクス。 - 90°ハイブリッドを備えたハイブリッド部と、固定移相器を備えた固定移相器部と、マイクロストリップ線路が交差する線路交差部とを備えたバトラーマトリクスにおいて、
上面に第1のストリップ導体が形成された主誘電体基板と、
下面に第2のストリップ導体、上面に第3のストリップ導体が形成され、上記主誘電体基板の上面のハイブリッド部構成用領域にフリップチップ方式で実装されたハイブリッド部構成用小誘電体基板と、
下面に第4のストリップ導体、上面に第5のストリップ導体が形成され、上記主誘電体基板の上面の線路交差部構成用領域にフリップチップ方式で実装された線路交差部構成用小誘電体基板とを備え、
上記ハイブリッド部は、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の上記第2のストリップ導体の第1の結合線路構成部と、所望の周波数における出力端間の位相差が90°となる長さを有するメアンダ形状の上記第3のストリップ導体の第2の結合線路構成部とを用いて構成された結合線路と、上記ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、上記第1の結合線路構成部と接続した上記第2のストリップ導体と第1のバンプを介して接続した、上記第1のストリップ導体の第1の上下接続部と、上記ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられ、上記第2の結合線路構成部と接続した上記第3のストリップ導体とバイアホールを介して接続した上記第2のストリップ導体と第2のバンプを介して接続した、上記第1のストリップ導体の第2の上下接続部とを備え、
上記線路交差部は、上記ハイブリッド部構成用領域に離間して設けられた、上記第1のストリップ導体の第3の上下接続部と、上記第3の上下接続部間を結ぶ直線を横切る上記第1のストリップ導体と、上記第3の上下接続部間を結ぶ直線と上記第1のストリップ導体とが交差する領域上に位置する上記線路交差部構成用小誘電体基板の下面の領域に設けられたグランド導体と、上記グランド導体を挟んで離間して設けられ、上記第3の上下接続部と第3のバンプを介して接続した上記第4のストリップ導体と、離間して設けられた上記第4のストリップ導体間をバイアホールを介して接続した上記第5のストリップ導体とを備えた
ことを特徴とするバトラーマトリクス。 - 第1及び第2の結合線路構成部は、直線形状であることを特徴とする請求項1または請求項3記載のバトラーマトリクス。
- 第1及び第2の結合線路構成部は、メアンダ形状であることを特徴とする請求項1または請求項3記載のバトラーマトリクス。
- ハイブリッド部構成用小誘電体基板は、主誘電体基板の誘電率より大きい誘電率を有することを特徴とする請求項3または請求項4記載のバトラーマトリクス。
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