JP3889118B2 - エンドレス画像の縮小方法および縮小装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンドレス画像の縮小方法および縮小装置に関し、特に、壁紙や床材などの建材に利用されるエンドレス画像を、特定の縮小方向にのみ縮小した画像を得るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
壁紙,床材などの建材の表面を装飾する模様として、通常、エンドレス画像が用いられることが多い。エンドレス画像は、たとえば、左辺の境界部分の模様が右辺の境界部分の模様に連続したり、上辺の境界部分の模様が下辺の境界部分の模様に連続したりする画像であり、このようなエンドレス画像が印刷された建材は、空間的に複数枚を繰り返し配置しても、模様の不連続が生じないために、境界部分が目立たないという利点を有する。このようなエンドレス画像は、建材だけでなく、服飾製品にも広く利用されている。
【0003】
一般に、種々の模様を工業製品に利用する場合、寸法を適合させる処理が必要になることが多い。特に、印刷工程では、印刷用のシリンダの径によって、版の大きさが定まるため、実際に用いるシリンダ径に応じて、原画像の寸法を調整する必要が生じる。たとえば、円周長1mのシリンダを用いた印刷工程に適した原画像を、円周長60cmのシリンダを用いた印刷工程に転用する場合、原画像のシリンダ周方向に関する長さを、40cm分だけ切り詰める必要がある。一般の原画像の場合、不要な40cm分を切り落として用いればよいが、エンドレス画像の場合、単なる切り落とし処理を行っただけでは、エンドレスという特性が維持できなくなり問題が生じる。
【0004】
このような問題を解消するために、従来は、2つのアプローチが採られている。第1のアプローチは、不要な部分の切り落とし処理を行った後に、切り落とし線の境界部分について、模様の修正(レタッチ処理)を行い、切り落とし後もエンドレス画像が得られるような調整を行う方法である。比較的単純な模様の場合は、このような調整処理を採ることができる。第2のアプローチは、画像全体を所定方向に縮小する方法である。たとえば、円周長1mのシリンダを用いた印刷工程に適した原画像を、円周長60cmのシリンダを用いた印刷工程に転用する場合は、原画像をシリンダの周方向に関して60%に縮小すればよい。最近は、コンピュータを利用した画像処理技術の進歩により、このような画像の縮小処理は、簡単に行うことができる。画像全体に対して縮小が行われるため、原画像がエンドレス画像であった場合、縮小画像もそのままエンドレス画像になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の2つのアプローチには、いずれにも問題がある。まず、第1のアプローチは、模様が複雑になればなるほど、調整処理の労力が増大するという大きな問題をかかえている。特に、建材などに最も好んで用いられている木目柄や石目柄の模様の場合、自然界の揺らぎの成分を含んだ複雑な模様になるため、エンドレス画像にするための調整処理には、多大な労力が必要となる。もちろん、原画像を用意する段階では、多大な労力を費やしてエンドレス画像を形成する処理を行う必要があるが、上述の第1のアプローチを採ると、寸法調整のたびに、原画像形成時と同じ労力を繰り返し費やす必要がある。
【0006】
一方、第2のアプローチを採れば、エンドレスの特性を維持するための特別な調整処理は不要であり、また、画像の縮小処理は、コンピュータを利用して容易に行うことができるため、労力はほとんどかからない。しかしながら、縦横比が変化するため、模様の印象が大きく変わってしまうという根本的な問題を有している。たとえば、原画像を縦方向に60%に縮小したとすると、原画像上の模様は、縮小画像上では上下に潰れた形態に変化することになる。これは特に、背景上に多数の単位パターンを配置してなるエンドレス画像の場合に大きな問題となる。たとえば、いわゆる水玉模様では、1つの円形の水玉を単位パターンとして、この単位パターンを背景上に多数配置することにより模様が形成されている。ところが、この水玉模様を縦方向に60%に縮小したとすると、個々の水玉が楕円形になり、全体的に模様の印象が大きく変化してしまうことになる。
【0007】
木目柄模様のひとつとして、建材などに非常に広く利用されているパターンとして、導管溝パターンがある。導管は植物の生理作用を営むための物資の輸送路に相当する管であり、天然木から切り出した材面には、この導管を切断することによって得られる多数の溝が見られる。この多数の溝からなるパターンが導管溝パターンである。通常、この導管溝パターンの原画像は、天然木の材面を写真撮影することによって用意されるが、エンドレス画像にするためには、細かなレタッチ処理が加えられる。このレタッチ処理は、非常に細かな作業であり、長年の経験と高度な技術が要求される。このため、この導管溝パターンに関しては、原画像の一部を切り落としてからレタッチ処理により修正を加えるという上述の第1のアプローチを採ることは、非効率的である。一方、原画像全体を縮小するという上述の第2のアプローチを採った場合、個々の導管溝の形状が変化してしまうため、全体的に模様の印象が変わってしまうことになる。このため、せっかく天然木の材面から原画像のパターンを抽出しているにもかかわらず、縮小画像では、不自然さが残るという問題が生じることになる。
【0008】
そこで本発明は、背景上に多数の単位パターンを配置してなるエンドレス画像を、個々の単位パターンの形状を維持しつつ、かつ、エンドレスの特性を維持しつつ、所定の縮小方向に関して縮小することができる縮小方法および縮小装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、背景上に多数の単位パターンを配置してなり、かつ、一方の境界部分の模様が他方の境界部分の模様に連続するエンドレス画像を、コンピュータを用いて所定の縮小方向に関して縮小する方法において、
縮小対象となる原画像をデジタルデータとして入力する画像入力段階と、
原画像に対する縮小方向および縮小率αを設定する条件設定段階と、
原画像上に配置されている個々の単位パターンを認識する単位パターン認識段階と、
設定した縮小率に基づいて、原画像上の多数の単位パターンのいくつかを間引く間引処理段階と、
設定した縮小方向の最端位置に基準線を定義し、間引処理によって残った各残存単位パターンにそれぞれ代表点を定義し、各代表点と基準線との距離Lを求め、縮小率αを用いて、各残存単位パターンについての移動量ΔLを、ΔL=(1−α)・Lなる演算により求める移動量算出段階と、
各残存単位パターンを、縮小方向へ移動量ΔLだけ移動させる移動処理段階と、
移動処理後の画像のうち、基準線側の縮小率αに相当する部分を、求める縮小画像として出力する画像出力段階と、
を行うようにしたものである。
【0010】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係るエンドレス画像の縮小方法において、
画像入力段階で、原画像を、所定の画素値を有する多数の画素の配列として入力し、
単位パターン認識段階で、所定の条件を満たす画素値をもち隣接配置された一群の画素を、1つの単位パターンとして認識するようにしたものである。
【0011】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1の態様に係るエンドレス画像の縮小方法において、
間引処理段階で、縮小率をαとして、(1−α)に等しい確率で「間引き」を示す値をとる乱数を発生させ、単位パターン認識段階において認識した個々の単位パターンに対して、乱数を作用させ、「間引き」を示す値が得られた単位パターンを間引くようにしたものである。
【0012】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1の態様に係るエンドレス画像の縮小方法において、
移動により、縮小画像の一方の境界部分から、その一部がはみ出すことになった単位パターンが存在する場合には、はみ出した部分を他方の境界部分に配置し、境界を跨いで連続するエンドレス画像が得られるような調整処理を行うようにしたものである。
【0013】
(5) 本発明の第5の態様は、背景上に多数の単位パターンを配置してなり、かつ、一方の境界部分の模様が他方の境界部分の模様に連続するエンドレス画像を、所定の縮小方向に関して縮小する画像処理を行う装置において、
縮小対象となる原画像を、所定の画素値を有する多数の画素の配列として入力する画像入力手段と、
原画像に対する縮小方向および縮小率αを設定する条件設定手段と、
所定の条件を満たす画素値をもち隣接配置された一群の画素を、1つの単位パターンとして認識することにより、原画像上に配置されている個々の単位パターンを認識する単位パターン認識手段と、
最小値Minと最大値Maxとの間の値を一様にとる乱数Rndを発生させる乱数発生手段と、
単位パターン認識手段が認識した個々の単位パターンに対して、乱数発生手段によって発生させた乱数を与え、Rnd>(Max−Min)・α+Minなる乱数Rndが与えられた単位パターンを間引く処理を行う間引処理手段と、
縮小方向の最端位置に基準線を定義し、間引処理によって残った各残存単位パターンにそれぞれ代表点を定義し、各代表点と基準線との距離Lを求め、縮小率αを用いて、各残存単位パターンについての移動量ΔLを、ΔL=(1−α)・Lなる演算により求め、各残存単位パターンを、縮小方向へ移動量ΔLだけ移動させる移動処理手段と、
移動処理後の画像のうち、基準線側の縮小率αに相当する部分を、求める縮小画像として出力する画像出力手段と、
を設けたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
【0015】
§l. 単位パターンからなるエンドレス画像
ここでは、説明の便宜上、図1に示すような単純な水玉模様の原画像Mに対して本発明を適用する例を述べる。この原画像Mは、上辺1,下辺2,左辺3,右辺4によって囲まれた矩形領域からなる画像であり、横幅W,縦幅Vの寸法をもっている。原画像M上の模様は、背景B上に多数の水玉パターンを配してなるものであり、ここでは、個々の水玉パターンを単位パターンPと呼ぶことにする。
【0016】
この図1に示す原画像Mは、エンドレス画像を構成している。すなわち、上辺1を境界線とする境界部分の模様は、下辺2を境界線とする境界部分の模様に連続する模様となっており、また、左辺3を境界線とする境界部分の模様は、右辺4を境界線とする境界部分の模様に連続する模様となっている。したがって、たとえば、この原画像Mを縦横にそれぞれ2枚ずつ配置し、合計4枚を隣接して並べれば、図2に示すように違和感のない連続模様が得られる。4枚の画像M1〜M4は、いずれも図1に示す原画像Mと同一のエンドレス画像であり、境界線Z1およびZ2において模様は連続している。壁紙や床材などの建材では、このようなエンドレス画像を模様として用いることが多い。なお、このようなエンドレの原画像を用意するための具体的な手法は既に公知の技術であるため、ここでは、このようなエンドレスの原画像Mが既に用意されているという前提で以下の説明を行うことにする。
【0017】
ここでは、説明の便宜上、図1に示すような単純な水玉模様の原画像Mを用いた例を示すことにするが、実用上は、より複雑な模様に対して本発明を適用するのが一般的である。もともと本発明は、木目柄の導管溝パターンといった非常に複雑なエンドレス模様に適用するために開発されたものであり、後述する実施例では、この導管溝パターンに適用した例を示してある。もっとも、本発明の基本思想は、背景上に多数の単位パターンを配置してなるエンドレス画像に広く適用可能なものであり、水玉模様や導管溝パターンだけでなく、たとえば、漫画のキャラクターを単位パターンとした模様などにも適用可能である。
【0018】
さて、図1に示すような原画像Mが用意されていても、この原画像を工業製品に利用する場合、寸法を適合させる処理が必要になる場合がある。たとえば、図1の原画像Mが、円周長1mのシリンダを用いた印刷工程を想定して用意されたものであったとし、この原画像を利用して、円周長60cmのシリンダを用いて印刷を行う場合を考えよう。この場合、たとえば、原画像Mの横幅Wをそのままに維持しつつ、縦幅Vだけを60%に切り詰める必要が生じる。ところが、図1に示す原画像Mの上部60%だけを残し、下部40%を切り落としてしまうと、エンドレス画像としての特性が維持できなくなる。たとえば、原画像Mの上部60%の部分からなる2枚の同一画像M5,M6を用意して、これを上下に配置すると、図3に示すように、境界線Z3において模様の不連続が生じてしまう。別言すれば、画像M5,M6は、もはやエンドレス画像ではなくなってしまう。したがって、このような不要な部分を切り落とすというアプローチを採った場合には、画像M5,M6をエンドレス画像に修正するためのレタッチ処理が必要になる。このようなレタッチ処理には、多大な労力を必要とすることは既に述べたとおりである。
【0019】
これに対して、画像全体を所定方向に縮小するというアプローチを採れば、エンドレスの特性を維持することができるため、レタッチ処理は不要になるが、縦横比が変化するため、模様の印象が大きく変わってしまうという弊害が生じることになる。たとえば、図1に示す原画像Mを縦方向にのみ60%縮小すると、図4に示すような模様が得られ、横方向にのみ60%縮小すると、図5に示すような模様が得られる。いずれもエンドレス画像にはなっているが、個々の水玉パターンは楕円状に変形し、原画像の模様と比べて印象が大きく変わってしまうことになる。
【0020】
本発明に係る縮小方法は、このような弊害に対処するためのものであり、この方法によれば、単位パターンの形状を維持しつつ、かつ、エンドレスの特性を維持しつつ、所定の縮小方向に関して原画像を縮小することができる。
【0021】
§2. 本発明に係るエンドレス画像の縮小方法
続いて、本発明に係るエンドレス画像の縮小方法を、図1に示す原画像Mに対して適用した具体例に基づいて説明する。図6は、この縮小方法の基本手順を示す流れ図である。なお、本発明に係る縮小方法は、コンピュータを利用して実行されるものであり、図6に示すステップS1〜S7は、コンピュータもしくはその周辺機器を用いて行う処理である。
【0022】
まず、ステップS1の画像入力段階において、縮小対象となる原画像がデジタルデータとしてコンピュータに入力される。この実施形態では、図1に示す原画像Mが、所定の画素値を有する多数の画素の配列(いわゆるビットマップデータ)として入力されたものとする。原画像Mの具体的な入力手法としては、コンピュータに対する一般的な画像入力の手法を採ればよい。たとえば、原画像Mが媒体上に描画されたものであれば、スキャナ装置などの画像入力装置を用いてコンピュータへの取り込みを行えばよいし、原画像Mが既にデジタルデータとして用意されたものであれば、所定のインターフェイスを介して、そのままデータを取り込めばよい。入力対象となる原画像Mとしては、背景上に多数の単位パターンを配置してなり、かつ、一方の境界部分の模様が他方の境界部分の模様に連続するエンドレス画像であれば、どのような画像でもかまわない。
【0023】
続くステップS2の条件設定段階では、入力した原画像Mに対する縮小方向および縮小率αが、縮小処理の条件として設定される。ここでは、説明の便宜上、図1に示す原画像Mを、縦方向に50%に縮小する場合を考える。オペレータは、キーボードやマウスなどの入力機器を用いて、このような条件設定をコンピュータに対して行うことになる。本実施形態では、ステップS1で入力した画像は、コンピュータ内部において、図7に示すようなXY二次元座標系上で定義される。すなわち、原画像Mの横方向がX軸、縦方向がY軸にそれぞれ沿うように、XY平面上に原画像Mが定義される。したがって、この原画像Mを縦方向に縮小する場合、縮小方向は図に矢印で示すようにY軸方向に設定されることになる。なお、後述するように、本実施形態では、縮小方向は向きも特定するようにしており、図7に示す例では、縮小方向は「+Y軸方向(図の上方向)」であり、座標軸に符号を付して設定される。一方、縮小率αは数値として設定され、上述の例の場合、α=50%なる設定がなされることになる。結局、以下の処理は、W×Vの寸法をもった原画像Mに対して、W×(V/2)の寸法をもった縮小画像を得る処理ということになる。
【0024】
次に、ステップS3の単位パターン認識段階では、入力した原画像M上に配置されている個々の単位パターンPを認識する処理が行われる。たとえば、図7に示す例では、個々の水玉模様が、単位パターンP1〜P12として認識されている。前述したように、ステップS1では、原画像Mが、所定の画素値を有する多数の画素の配列として入力されているので、このステップS3の単位パターン認識段階では、所定の条件を満たす画素値をもち隣接配置された一群の画素を、1つの単位パターンとして認識する処理を行えばよい。たとえば、原画像Mがモノクロ二値画像であり、単位パターンを構成する水玉模様の内部が画素値「1」、背景部分が画素値「0」を有する画素から構成されている場合、画素値「1」をもち、互いに隣接配置された一群の画素が1つの単位パターンPとして認識されることになる。もちろん、原画像Mがカラー画像の場合も同様の手法で単位パターンの認識が可能である。要するに、単位パターンを構成する画素のとる画素値と背景を構成する画素のとる画素値とを識別するための何らかの条件を与え、この条件に基づいて、単位パターンの認識を行えばよい。
【0025】
なお、本実施形態では、更に、原画像Mがエンドレス画像であることを考慮して、境界を跨いで配置された1組の単位パターンを同一の単位パターンとして認識する処理を行うようにしている。たとえば、図7に示す例では、パターンP5aとパターンP5bとは、境界線を跨いで隣接配置されているので、これらは同一の単位パターンP5の一部分であるとの認識がなされる。結局、図7に示す例では、単位パターンP1〜P12までの合計12個の単位パターンが認識されることになる。
【0026】
続く、ステップS4の間引処理段階では、縮小率αに基づいて、入力した原画像M上の多数の単位パターンPのいくつかを間引く処理が行われる。すなわち、ステップS3において認識された単位パターンの総数をnとすると、(1−α)・n個の単位パターンを間引き(消去して背景画像に置き換える)、総数(α・n)個の残存単位パターンのみを残すようにする。この間引処理では、原画像Mの全領域にわたってほぼ均等に間引きが行われるようにするのが好ましく、実際には、乱数を発生させて、どの単位パターンを間引くかを決定するようにするとよい。すなわち、縮小率をαとして、(1−α)に等しい確率で「間引き」を示す値をとる乱数を発生できるようにしておき、総数n個の単位パターンのそれぞれに対して乱数を発生させ、「間引き」を示す値が得られた単位パターンに対して間引処理を行うようにすればよい。
【0027】
ここでは、図7に示すような総数12個の単位パターンP1〜P12のうち、奇数番目の6個の単位パターンP1,P3,…が間引対象になったものとして、以下の説明を続けることにする。図8は、このような間引処理を行うことにより得られた間引画像M10を示す図である。この例では、縮小率α=50%であるから、総数12個の単位パターンのうち、6個の単位パターンが間引かれたことになる。結局、画像上には、偶数番目の6個の単位パターンP2,P4,…が残存単位パターンとして残されている。間引かれた単位パターンP1,P3,…は、もはや不要であり、コンピュータ上での実際の処理としては、原画像M上の単位パターンP1,P3が配置されていた領域を背景模様に置換する処理が行われることになる。
【0028】
続いて、ステップS5の移動量算出段階において、各残存単位パターンごとに移動量が算出される。まず、間引画像M10の縮小方向の最端位置に基準線が定義される。この例の場合、図9に示すように、縮小方向(+Y軸方向)の最端位置に相当する間引画像M10の上辺に基準線Rが定義されることになる(縮小方向を−Y軸方向に設定した場合には、逆に下辺に基準線Rが定義される)。次に、各残存単位パターンPにそれぞれ代表点Qを定義する。この代表点Qは、残存単位パターンPを移動する際の基準として用いられる点であり、個々の単位パターンPを代表する点として機能すれば、どの位置に定義してもかまわないが、ここでは、各単位パターンPの中心点に代表点Qを定義している。図9に示す点Q2,Q4,Q6,Q8,Q10,Q12は、それぞれ残存単位パターンP2,P4,P6,P8,P10,P12の代表点である。単位パターンPが任意形状の場合には、たとえば、基準線Rに最も近い点を代表点に定義したり、外接矩形の中心点を代表点に定義したりすればよい。
【0029】
こうして、各残存単位パターンPについて、それぞれ代表点Qが定義できたら、各代表点Qと基準線Rとの距離Lを求め、縮小率αを用いて、各残存単位パターンについての移動量ΔLを、ΔL=(1−α)・Lなる演算により求める。この例では、縮小率α=50%であるから、ΔL=L/2になる。図9に示す距離L2,L4,L6,L8,L10,L12は、それぞれ代表点Q2,Q4,Q6,Q8,Q10,Q12と基準線Rとの距離であり、結局、各残存単位パターンP2,P4,P6,P8,P10,P12についての移動量は、それぞれL2/2,L4/2,L6/2,L8/2,L10/2,L12/2になる。
【0030】
ステップS6の移動処理段階では、各残存単位パターンを、縮小方向へ各移動量ΔLだけ移動させる処理が行われる。この例では、各残存単位パターンP2,P4,P6,P8,P10,P12は、Y軸正方向へ、それぞれL2/2,L4/2,L6/2,L8/2,L10/2,L12/2だけ移動させられることになる。図10は、移動処理後の画像M20を示す。この単位パターンの移動処理は、いわば各単位パターンを背景画像上で動かす処理であり、もとの単位パターンの位置は背景画像によって置換されることになる。このような移動処理を行うと、図10に示すように、残存単位パターンが、上半分の領域に集まることになる。たとえば、縮小率αを30%に設定した場合には、残存単位パターンは上部30%の領域に集まることになる。
【0031】
最後に、ステップS7の画像出力段階において、移動処理後の画像のうち、基準線R側の縮小率αに相当する部分を、求める縮小画像として出力する処理が行われる。この例の場合、図10に示す移動処理後の画像M20のうち、基準線R側の縮小率50%に相当する上半分の部分が、求める縮小画像として出力されることになる。別言すれば、図10に一点鎖線で示すような新境界線Nが定義され、この新境界線Nより上の部分が縮小画像として出力されることになる。図11は、こうして出力された縮小画像M30を示す。図7に示す原画像Mと比べると、横幅Wは同じであるが、縦幅VがV/2に縮小されていることがわかる。しかも、縮小画像M30は、原画像Mと同様にエンドレス画像を構成しており、また、個々の単位パターンも、元の原画像上の単位パターンと同じ形状を維持している。更に、単位パターンの密度も、元の原画像と同じになるため、模様としての全体的な印象は原画像と全く変わりはない。
【0032】
なお、このステップS7の画像出力段階は、縮小画像の利用形態に応じて、適当な媒体を用いた画像出力を行えばよい。たとえば、フィルム上に縮小画像を出力して、そのままフィルム製版工程を続けてもよいし、電子記録媒体上に縮小画像を出力して、電子製版工程を行ってもよい。
【0033】
§3. 境界部分の調整処理
以上、本発明に係るエンドレス画像の縮小方法の基本手順を具体例に即して説明したが、実際には、移動により、縮小画像の境界部分から単位パターンの一部がはみ出すケースがあり、このようなケースに対して何ら対処を行わないと、厳密な意味でのエンドレス縮小画像を得ることはできない。ここでは、このような「移動によりはみ出した単位パターン」に対する厳密な処理を述べることにする。もっとも、実用上は、このような厳密な処理を行わなくても、近似的なエンドレス縮小画像を得ることができるので、ここで述べる境界部分の厳密な処理は、本発明を実施する上で必ずしも行う必要はない。
【0034】
ここで述べる境界部分の厳密な処理は、移動により、一方の境界部分から、その一部がはみ出すことになった単位パターンが存在する場合には、はみ出した部分を他方の境界部分に配置し、境界を跨いで連続するエンドレス画像が得られるような調整を行う処理と言うことができる。
【0035】
以下、この調整処理を具体的に説明するために、図7に示すような総数12個の単位パターンP1〜P12のうち、縮小率α=50%として、偶数番目の6個の単位パターンP2,P4,…が間引対象になった場合を考えよう。図12は、このような間引処理を行うことにより得られた間引画像M15を示す図である。この例では、奇数番目の6個の単位パターンP1,P3,…が残存単位パターンとして残っているが、その中の単位パターンP5は、2つの部分パターンP5a,P5bに分かれている。ここで、+Y軸方向を縮小方向として移動処理を行うために、各残存単位パターンの中心に代表点Q1,Q3,…を定義すると、図13に示すようになる。図示のL1,L3,…は、それぞれ代表点Q1,Q3,…と基準線Rとの距離である。なお、図示の例では、部分パターンP5aの中心点は、間引画像M15の領域外に位置するため、単位パターンP5の代表点Q5は、部分パターンP5bの中心点の方に定義している。このように、境界線に跨がって配置された単位パターンについては、いずれか一方のみについて移動処理を実行すればよい。
【0036】
こうして、各残存単位パターンPについて、それぞれ代表点Qが定義できたら、所定の縮小率αに基づいて、各単位パターンを移動させる。ここでは、縮小率α=50%であるから、各残存単位パターンP1,P3,P5,P7,P9,P11についての移動量は、それぞれL1/2,L3/2,L5/2,L7/2,L9/2,L11/2になる。図14は、このような移動処理後の画像M25を示す。ここで注目すべき点は、単位パターンP1,P9の一部が基準線Rの上方にはみ出しており、単位パターンP5の一部が新境界線Nの下方にはみ出している点である。
【0037】
このように、境界部分からはみ出した単位パターンが存在する場合には、はみ出した部分を他方の境界部分に配置し、境界を跨いで連続するエンドレス画像が得られるような調整処理を行えばよい。たとえば、図14に示す例の場合、上辺から一部がはみ出した単位パターンP1,P9については、他方の境界である下辺に向かって縮小画像の縦幅(V/2)に相当する距離だけ隔たった位置に、それぞれ同一の単位パターンP1′,P9′を定義し、下辺から一部がはみ出した単位パターンP5については、他方の境界である上辺に向かって縮小画像の縦幅(V/2)に相当する距離だけ隔たった位置に、同一の単位パターンP5′を定義することにより、図15に示すような調整処理後の画像M28を得るようにすればよい。この調整処理後の画像M28の上半分を取り出せば、図16に示すような縮小画像M35を得ることができる。この縮小画像M35において、単位パターンP1,P5,P9は、境界線を跨いで部分パターンP1aおよびP1b,部分パターンP5aおよびP5b,部分パターンP9aおよびP9bに分かれており、全体的にエンドレス画像を構成している。
【0038】
以上のような境界部分の調整処理を行えば、移動によって単位パターンの一部が縮小画像の境界からはみ出すような場合にも、厳密なエンドレス画像を得ることができるようになる。なお、各単位パターンの中で基準線Rに最も近い点を代表点と定義するようにすれば、移動によってはみ出す単位パターンの数を低減させることができる。
【0039】
§4. 本発明に係るエンドレス画像の縮小装置
続いて、図17のブロック図を参照しながら、本発明に係るエンドレス画像の縮小装置の基本構成を説明する。この装置は、§2で述べたエンドレス画像の縮小方法を実行するための装置であり、背景上に多数の単位パターンを配置したエンドレス画像からなる原画像Mを、所定の縮小方向に関して、所定の縮小率αで縮小する画像処理を行い、最終的に縮小画像M30を得る機能を有する。
【0040】
まず、画像入力手段10は、縮小対象となる原画像Mを、所定の画素値を有する多数の画素の配列として入力する機能を有する。紙などの媒体によって原画像Mが用意される場合には、スキャナ装置によって画像入力手段10を構成すればよい。また、デジタルデータとして原画像Mが用意される場合には、このデジタルデータが記録された媒体からデータを読み込むためのドライブ装置によって画像入力手段10を構成すればよい。
【0041】
単位パターン認識手段20は、画像入力手段10が入力した原画像M内の単位パターンを1つ1つ認識する処理を実行する。この認識処理は、既に述べたように、所定の条件を満たす画素値をもち隣接配置された一群の画素を、1つの単位パターンとして取り扱う処理を行えばよい。
【0042】
間引処理手段30は、乱数発生手段40が発生した乱数を利用して、条件設定手段50に設定された条件に基づいて、いくつかの単位パターンを間引く処理を実行し、間引画像M10を生成する。条件設定手段50には、原画像Mに対する縮小方向および縮小率αが設定される。乱数発生手段40は、最小値Minと最大値Maxとの間の値を一様にとる乱数Rndを発生させる機能を有する。間引処理手段30は、単位パターン認識手段20が認識した個々の単位パターンに対して、乱数発生手段40によって発生させた乱数を与え、Rnd>(Max−Min)・α+Minなる乱数Rndが与えられた単位パターンを間引く処理を行うことになる。たとえば、単位パターン認識手段20によって、合計10000個の単位パターンが認識され、縮小率α=0.6の場合、ランダムに4000個の単位パターンが間引かれることになる。乱数発生手段40が発生する乱数の最小値Minおよび最大値Maxを、それぞれMin=0,Max=1とすれば、発生される乱数Rndは、0〜1の間の値をとることになる。そこで、個々の単位パターンごとにそれぞれ1つの乱数Rndを発生させて与え、Rnd>0.6なる乱数が与えられた単位パターンを間引くようにすれば、ほぼ4000個の単位パターンが間引かれることになる(間引かれる単位パターンの数は、必ずしも4000個ちょうどにはならないが、実用上は問題はない)。
【0043】
移動処理手段60は、条件設定手段50によって設定された縮小率αおよび縮小方向の情報に基づいて、間引画像M10上の残存単位パターンを縮小方向へ移動させ、移動処理後の画像M20を生成する処理を実行する。すなわち、縮小方向の最端位置に基準線Rを定義し、各残存単位パターンにそれぞれ代表点Qを定義し、各代表点Qと基準線Rとの距離Lを求め、縮小率αを用いて、各残存単位パターンについての移動量ΔLを、ΔL=(1−α)・Lなる演算により求め、各残存単位パターンを、縮小方向へ移動量ΔLだけ移動させる処理を行う。
【0044】
画像出力手段70は、移動処理後の画像M20のうち、基準線R側の縮小率αに相当する部分を、求める縮小画像M30として出力する機能を有する。縮小画像M30を、紙などの媒体上に出力する場合には、プリンタなどを画像出力手段70として用いればよいし、縮小画像M30をデジタルデータとして出力する場合には、磁気記録装置などを画像出力手段70として用いればよい。
【0045】
なお、図17では、この装置の機能面に着目し、各構成要素を機能ブロックとして示したが、実際には、この装置はコンピュータを利用して構築されるものである。たとえば、単位パターン認識手段20,間引処理手段30,乱数発生手段40,条件設定手段50,移動処理手段60の各手段は、汎用コンピュータに、専用のアプリケーションソフトウエアを組み込むことによって構成することができ、画像入力手段10および画像出力手段70は、このコンピュータに対するデータの入出力機器によって構成することができる。
【0046】
【実施例】
ここでは、建材などで広く利用されている木目柄の導管溝パターンを原画像として、本発明を適用した実施例を述べる。はじめに、図18に示すような導管溝原画像を用意する。この導管溝原画像は、天然木の材面に現れた導管溝パターンを写真撮影し、これをスキャナ装置によりコンピュータ内に取り込み、コンピュータ上で所定のレタッチ処理を加えることによりエンドレス画像としたものである。したがって、既に原画像の段階において、図示したようなXY二次元座標系上の画素配列を構成している。なお、各画素は、「黒(導管溝内部)」または「白(背景部分)」のいずれかを採り、原画像は二値画像として与えられることになる。
【0047】
図18の導管溝原画像を良く観察すると、多数の線状模様から構成されていることがわかる。電子出願の制約から、図面上では、1つ1つの線状模様が認識しにくいかもしれないが、1つの線状模様は1つの導管溝(植物の生理作用に必要な物資の供給管を切断することにより得られる溝)に対応している。本実施例では、この1つの導管溝を、1つの単位パターンとして取り扱う。すなわち、前述の実施形態では、単純な円形の水玉模様が単位パターンを構成していたが、この実施例に係る導管溝パターンでは、細かな線状の導管溝が単位パターンを構成することになる。
【0048】
このような導管溝パターンは、まず、黒画素(導管溝内部を構成する画素)および白画素(背景部分を構成する画素)の集合として、コンピュータ内に取り込まれる(いわゆるビットマップデータによる表現)。続いて、個々の導管溝の認識処理、すなわち個々の単位パターンの認識処理が実行される。単位パターンの認識は、互いに隣接する黒画素の集合を1つの単位パターンとして把握することによって行われる。
【0049】
たとえば、図19に示すような画素の集合を考えてみる。この例では、単位パターンP(i)およびP(i+1)の上部が示されている。単位パターンP(i)もP(i+1)も、それぞれ1つの導管溝に相当し、いわば図19は、図18に示す導管溝原画像の一部分を拡大した図に相当する。単位パターンの認識処理は、このような画素配列を順に走査しながら、一群となった黒画素を確認する処理になる。たとえば、図19に示す例では、第1行目〜第3行目を走査した時点では黒画素は発見されないが、第4行目の走査時点で黒画素が発見されることになる。各画素位置を(行数,列数)で示すことにすると、最初に発見される黒画素は、(4,6),(4,7),(4,8)の3画素である。続く第5行目の走査では、更に、(5,5),(5,6),(5,7),(5,8)の4つの黒画素が発見され、その位置から、第5行目の4つの黒画素は第4行目の3つの黒画素に隣接することが判断できる。更に、第6行目の走査では、(6,5),(6,6),(6,7),(6,8),(6,9)の5つの黒画素からなる群と、(6,16),(6,17)の2つの黒画素からなる群とが発見される。ここで、左側の黒画素群は、第4〜5行目の黒画素に隣接するので、同一の単位パターンに所属する黒画素として認識されるが、右側の黒画素群は離れているため、この時点では、別々の単位パターンに所属する黒画素として認識される。
【0050】
このような処理を続けてゆけば、図18に示す導管溝原画像に含まれているすべての単位パターンを1つ1つ認識することができる。なお、個々の導管溝のパターンを、より正確に認識するための具体的な手法は、たとえば、特開平8−212333号公報に開示されている。
【0051】
この実施例では、こうして認識された個々の単位パターンを、ランレングスデータの形式でメモリ上に記録するようにしている。たとえば、図19に示す2つの単位パターンP(i),P(i+1)は、図20に示すようなランレングスデータによって表現することができる。各ランレングスデータは、同じ画素行に連続配置された黒画素群を示しており、この黒画素群の左端の画素位置と、構成要素となる黒画素の数とが羅列されている。たとえば、図20の単位パターンP(i)を示す最初のランレングスデータ「(4,6),3」は、(4,6)の位置にある画素を左端として、合計3個の黒画素が横に並んでいる状態を示している。
【0052】
図18に示す導管溝原画像に含まれている単位パターンの総数が、たとえば10000個であったとすると、単位パターンP(1)〜P(10000)のそれぞれについて、図20に示すようなランレングスデータが用意されることになる。縮小率α=60%の場合、この10000個の単位パターンの中からランダムに約4000個が間引かれ、約6000個の残存単位パターンについて、それぞれ移動処理が実行される。この実施例では、原画像の上辺を基準線Rとし、各導管溝を構成する画素のうち、基準線Rに最も近い画素(図における上端の画素)を代表点とした移動処理を行っている。上述のように、個々の単位パターンについてそれぞれランレングスデータを用意しておけば、この移動処理は、各ランレングスデータの行を示す数値を修正する単純な処理ですむ。また、上述の§4で述べた調整処理は行っていない。
【0053】
図21は、このような処理を経て、最終的に得られた縮小画像である。図18に示す原画像と比べると、画像自体の寸法は縦方向(Y軸方向)に60%の縮小が行われていることになるが、個々の導管溝(単位パターン)の形状は変形を受けていないため、天然木の自然な風合いが損なわれることはない。しかも、導管溝の密度にも変化がないため、模様全体の印象は、元の原画像と全く変わりはなく、エンドレスの特性もほぼ維持されている。これに対し、図22は、図18に示す原画像を、通常の方法によって、縦方向に全体的に60%に縮小したものである。このように全体的な縮小を行うと、個々の導管溝の形状も縦方向に60%に圧縮されることになり、自然な風合いが損なわれてしまう。
【0054】
【発明の効果】
以上のとおり本発明に係るエンドレス画像の縮小方法および縮小装置によれば、多数の単位パターンを配置してなるエンドレス画像を縮小する際に、単位パターンの間引きを行った後に移動を行うようにしたため、各単位パターンの形状を維持しつつ、かつ、エンドレスの特性を維持しつつ、所定の縮小方向に関して縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る縮小方法の適用対象となる単純な水玉模様からなるエンドレス画像を示す平面図である。
【図2】図1に示すエンドレス画像を縦横に繰り返し配置して模様が連続することを示す平面図である。
【図3】図1に示すエンドレス画像の上部60%だけを残し、下部40%を切り落としてしまうと、エンドレス画像としての特性が維持できなくなることを示す平面図である。
【図4】図1に示すエンドレス画像全体を縦方向に60%縮小した状態を示す平面図である。
【図5】図1に示すエンドレス画像全体を横方向に60%縮小した状態を示す平面図である。
【図6】本発明に係るエンドレス画像の縮小方法の基本手順を示す流れ図である。
【図7】図1に示すエンドレス画像に対して、各単位パターンの認識処理を行った状態を示す平面図である。
【図8】図7に示す12個の単位パターンのうちの50%を間引くことにより得られる間引画像M10を示す平面図である。
【図9】図8に示す6個の残存単位パターンについて、それぞれの移動量を算出する処理を示す平面図である。
【図10】図8に示す6個の残存単位パターンについて、縮小方向への移動を行うことにより得られる移動処理後の画像M20を示す平面図である。
【図11】図10に示す移動処理後の画像M20の上半分のみを取り出すことにより得られる縮小画像M30を示す平面図である。
【図12】図7に示す12個の単位パターンのうちの50%を間引くことにより得られる別な間引画像M15を示す平面図である。
【図13】図12に示す6個の残存単位パターンについて、それぞれの移動量を算出する処理を示す平面図である。
【図14】図12に示す6個の残存単位パターンについて、縮小方向への移動を行うことにより得られる移動処理後の画像M25を示す平面図である。
【図15】図14に示す6個の残存単位パターンについて、境界からはみ出した部分の調整処理を行った後の画像M28を示す平面図である。
【図16】図15に示す調整処理後の画像M28の上半分のみを取り出すことにより得られる縮小画像M35を示す平面図である。
【図17】本発明に係るエンドレス画像の縮小装置の基本構成を示すブロック図である。
【図18】本発明に係る縮小方法の適用対象となる木目柄の導管溝原画像を示す平面図である。
【図19】図18に示す原画像について、各導管溝(単位パターン)を認識するための手法を示す図である。
【図20】図19に示す導管溝(単位パターン)をランレングスデータによって表現する手法を示す図である。
【図21】図18に示す導管溝原画像に対して、本発明に係る縮小方法を適用して得られる60%の縮小画像を示す平面図である。
【図22】図18に示す導管溝原画像に対して、従来の通常の縮小方法を適用して得られる60%の縮小画像を示す平面図である。
【符号の説明】
1…原画像の上辺
2…原画像の下辺
3…原画像の左辺
4…原画像の右辺
10…画像入力手段
20…単位パターン認識手段
30…間引処理手段
40…乱数発生手段
50…条件設定手段
60…移動処理手段
70…画像出力手段
B…背景
L1〜L12…代表点Q1〜Q12と基準線Rとの距離
M,M1〜M6…原画像
M7,M8…縮小画像
M10,M15…間引画像
M20,M25…移動処理後の画像
M30,M35…縮小画像
N…新境界線
P,P1〜P12…単位パターン
P(i),P(i+1)…単位パターン(導管溝)
P1a,P1b,P5a,P5b,P9a,P9b…部分パターン
Q1〜Q12…単位パターンP1〜P12の代表点
R…基準線
V…原画像の縦幅
W…原画像の横幅
Z1,Z2,Z3…境界線
Claims (5)
- 背景上に多数の単位パターンを配置してなり、かつ、一方の境界部分の模様が他方の境界部分の模様に連続するエンドレス画像を、コンピュータを用いて所定の縮小方向に関して縮小する方法であって、
縮小対象となる原画像をデジタルデータとして入力する画像入力段階と、
前記原画像に対する縮小方向および縮小率αを設定する条件設定段階と、
前記原画像上に配置されている個々の単位パターンを認識する単位パターン認識段階と、
前記縮小率に基づいて、前記原画像上の多数の単位パターンのいくつかを間引く間引処理段階と、
前記縮小方向の最端位置に基準線を定義し、前記間引処理によって残った各残存単位パターンにそれぞれ代表点を定義し、各代表点と前記基準線との距離Lを求め、前記縮小率αを用いて、各残存単位パターンについての移動量ΔLを、ΔL=(1−α)・Lなる演算により求める移動量算出段階と、
前記各残存単位パターンを、前記縮小方向へ前記移動量ΔLだけ移動させる移動処理段階と、
移動処理後の画像のうち、前記基準線側の縮小率αに相当する部分を、求める縮小画像として出力する画像出力段階と、
を有することを特徴とするエンドレス画像の縮小方法。 - 請求項1に記載のエンドレス画像の縮小方法において、
画像入力段階で、原画像を、所定の画素値を有する多数の画素の配列として入力し、
単位パターン認識段階で、所定の条件を満たす画素値をもち隣接配置された一群の画素を、1つの単位パターンとして認識することを特徴とするエンドレス画像の縮小方法。 - 請求項1に記載のエンドレス画像の縮小方法において、
間引処理段階で、縮小率をαとして、(1−α)に等しい確率で「間引き」を示す値をとる乱数を発生させ、単位パターン認識段階において認識した個々の単位パターンに対して、前記乱数を作用させ、「間引き」を示す値が得られた単位パターンを間引くことを特徴とするエンドレス画像の縮小方法。 - 請求項1に記載のエンドレス画像の縮小方法において、
移動により、縮小画像の一方の境界部分から、その一部がはみ出すことになった単位パターンが存在する場合には、はみ出した部分を他方の境界部分に配置し、境界を跨いで連続するエンドレス画像が得られるような調整処理を行うことを特徴とするエンドレス画像の縮小方法。 - 背景上に多数の単位パターンを配置してなり、かつ、一方の境界部分の模様が他方の境界部分の模様に連続するエンドレス画像を、所定の縮小方向に関して縮小する画像処理を行う装置であって、
縮小対象となる原画像を、所定の画素値を有する多数の画素の配列として入力する画像入力手段と、
前記原画像に対する縮小方向および縮小率αを設定する条件設定手段と、
所定の条件を満たす画素値をもち隣接配置された一群の画素を、1つの単位パターンとして認識することにより、前記原画像上に配置されている個々の単位パターンを認識する単位パターン認識手段と、
最小値Minと最大値Maxとの間の値を一様にとる乱数Rndを発生させる乱数発生手段と、
前記単位パターン認識手段が認識した個々の単位パターンに対して、前記乱数発生手段によって発生させた乱数を与え、Rnd>(Max−Min)・α+Minなる乱数Rndが与えられた単位パターンを間引く処理を行う間引処理手段と、
前記縮小方向の最端位置に基準線を定義し、前記間引処理によって残った各残存単位パターンにそれぞれ代表点を定義し、各代表点と前記基準線との距離Lを求め、前記縮小率αを用いて、各残存単位パターンについての移動量ΔLを、ΔL=(1−α)・Lなる演算により求め、前記各残存単位パターンを、前記縮小方向へ前記移動量ΔLだけ移動させる移動処理手段と、
移動処理後の画像のうち、前記基準線側の縮小率αに相当する部分を、求める縮小画像として出力する画像出力手段と、
を備えることを特徴とするエンドレス画像の縮小装置。
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JP18179097A JP3889118B2 (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | エンドレス画像の縮小方法および縮小装置 |
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- 1997-06-23 JP JP18179097A patent/JP3889118B2/ja not_active Expired - Fee Related
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