JPH10326302A - ちりめん模様の作成方法および作成装置 - Google Patents

ちりめん模様の作成方法および作成装置

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JPH10326302A
JPH10326302A JP9150020A JP15002097A JPH10326302A JP H10326302 A JPH10326302 A JP H10326302A JP 9150020 A JP9150020 A JP 9150020A JP 15002097 A JP15002097 A JP 15002097A JP H10326302 A JPH10326302 A JP H10326302A
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JP
Japan
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plane
value
pixels
pattern
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JP9150020A
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English (en)
Inventor
Naoki Kawai
直樹 河合
Takeshi Oshima
健 大嶋
Toshio Ariyoshi
俊雄 有吉
Tetsuo Jinriki
哲夫 神力
Tomotaka Noda
智孝 野田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンピュータを利用して所望のちりめん模様
を作成する。 【解決手段】 第1の画素プレーンPL1上に多数の格
子点を配置し、ランダムな長さをもった線分をランダム
な角度で接続することにより作成した折れ線を、各格子
点にランダムな向きに配置する。各折れ線を三次スプラ
イン曲線に置換し、自由曲線からなる骨格図形Fを定義
し、プレーンPL1上に黒画素で描画する。第2の画素
プレーンPL2上の着目画素Pについて、プレーンPL
2上に対応画素Pを求め、対応画素Pとこれに最も
近い黒画素との距離を、着目画素Pの参照距離値として
定義する。参照距離値のとるべき範囲を所定幅をもった
複数の区間に分割し、奇数番目の区間については白、偶
数番目の区間については黒の画素値を対応づけ、プレー
ンPL2上の全画素を白または黒で表現すれば、ちりめ
ん模様が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はちりめん模様の作成
方法および作成装置に関し、特に、建材などの表面に施
すちりめん模様の画像をコンピュータを用いて作成する
手法に関する。
【0002】
【従来の技術】壁紙や化粧板といった建材の表面には、
種々の模様が印刷あるいはエンボス加工によって表現さ
れている。このような印刷物やエンボス製品の表面を装
飾する模様としては、天然の木材の表面をモチーフとし
た木目模様が代表的であるが、細かな皺の集合を表現し
た「ちりめん模様」も広く利用されている。特に、建材
の分野では、いわゆるソフトウッド系の木目柄の表面の
質感を表現するために、この「ちりめん模様」のエンボ
ス加工が利用されている。
【0003】「ちりめん模様」を印刷したり、エンボス
加工したりする場合、原稿として用いる原画像が必要に
なる。このような原画像を得る方法としては、実際のち
りめんの生地を写真撮影した後に加工する方法も考えら
れるが、通常は、デザイナーが手作業でちりめん模様を
描き起こすのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ちりめん模様は、模様
の中でも特に細かく込み入った模様である。このため、
手作業によるデッサンで描き起こす作業は、非常に時間
と労力を必要とする作業になる。しかも、一度描いた模
様について、皺の形成態様や込み入り具合などを修正す
ることは非常に困難であり、柄を変更することは実用上
不可能である。また、比較的大きな面積をもった壁紙な
どに用いる場合、単位絵柄を空間的に繰り返し配置して
用いるという手法を採ることが多く、この場合、いわゆ
るリピータブルな絵柄(上辺の模様と下辺の模様とが連
続し、右辺の模様と左辺の模様とが連続した絵柄)とし
て、ちりめん模様を描き起こす必要があり、手作業で行
う場合には、非常に高度な技術が要求される。
【0005】そこで本発明は、コンピュータを利用して
所望のちりめん模様を作成することのできる手法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、コンピュータを用いて、
所定の模様作成面上にちりめん模様を作成する方法にお
いて、それぞれが有限長の線からなる骨格図形を多数発
生させる骨格図形発生段階と、多数の画素を配列してな
る第1の画素プレーンを定義し、多数の骨格図形をこの
第1の画素プレーン上に配置し、骨格図形が配置された
画素を黒画素、それ以外の画素を白画素と定義し、第1
の画素プレーン上の黒画素の集合により、多数の骨格図
形を描画する骨格図形描画段階と、第1の画素プレーン
と同一の画素配列を有する第2の画素プレーンを定義
し、この第2の画素プレーン上の着目画素について、そ
れぞれ第1の画素プレーン上で同位置に配列されている
対応画素を求め、第1の画素プレーン上で、対応画素の
最も近くに存在する黒画素と対応画素との距離を求め、
求めた距離値を着目画素についての参照距離値と定義す
る処理を、第2の画素プレーン上の個々の画素をそれぞ
れ着目画素として繰り返し実行し、第2の画素プレーン
上の各画素のそれぞれについて参照距離値を定義する参
照距離値定義段階と、参照距離値と所定の画素値とを対
応づける画素値テーブルを用意し、この画素値テーブル
に基づいて、第2の画素プレーン上の各画素にそれぞれ
所定の画素値を対応づける画素値付与段階と、第2の画
素プレーン上の画素の集合からなる画像を、ちりめん模
様を表現する画像として出力する画像出力段階と、を行
うようにしたものである。
【0007】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係るちりめん模様の作成方法において、骨格図
形発生段階で、それぞれ乱数により決定された長さを有
する複数n本の線分を、それぞれ乱数により決定された
角度をもって相互接続することにより、n本の線分から
なる折れ線を形成し、この折れ線を構成する個々の線分
を、両端点位置を同じくする曲線に置換し、n本の置換
曲線からなる骨格図形を発生させるようにしたものであ
る。
【0008】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2
の態様に係るちりめん模様の作成方法において、置換曲
線として、三次以上のスプライン曲線もしくは三次以上
のベジェ曲線を用い、n本の置換曲線が滑らかに連結す
るようにしたものである。
【0009】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1
〜第3の態様に係るちりめん模様の作成方法において、
骨格図形描画段階で、第1の画素プレーン上に規則的に
配置された多数の格子点を定義し、各骨格図形を個々の
格子点に配置するか、もしくは、予め設定した最大変位
量以下の値をとる変位量を個々の格子点ごとに乱数を用
いて決定し、個々の格子点をこの変位量だけ変位させて
得られる変位点に各骨格図形を配置するようにしたもの
である。
【0010】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1
〜第4の態様に係るちりめん模様の作成方法において、
参照距離定義段階で、対応画素およびその周囲の画素に
ついて、対応画素に近い画素から順に1画素ずつ黒画素
か白画素かを調べる調査処理を行い、最初に遭遇した黒
画素と対応画素との距離を参照距離値と定義するように
したものである。
【0011】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5
の態様に係るちりめん模様の作成方法において、参照距
離定義段階で、対応画素に対して種々の位置関係にある
個々の画素と対応画素との間のユークリッド距離を示す
距離テーブルを予め用意しておき、この距離テーブルに
基づいてユークリッド距離の小さな画素から順に調査処
理を行うようにし、黒画素に遭遇した場合には、距離テ
ーブルに示されたユークリッド距離を参照距離値として
用いるようにしたものである。
【0012】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1
〜第6の態様に係るちりめん模様の作成方法において、
画素値付与段階で、参照距離値の変化に対して周期的に
変化する画素値を対応づけた画素値テーブルを用いるよ
うにしたものである。
【0013】(8) 本発明の第8の態様は、コンピュー
タを用いて、所定の模様作成面上にちりめん模様を作成
する方法において、それぞれ同一の画素配列を有する第
1の画素プレーンおよび第2の画素プレーンを用意する
段階と、第1の画素プレーン上に、多数の折れ線図形を
配置し、この折れ線図形を構成する個々の線分を曲線に
置換することにより、曲線からなる骨格図形を定義する
段階と、第1の画素プレーン上の各画素について、骨格
図形が配置されている画素については黒画素、それ以外
の画素については白画素と定義する段階と、第2の画素
プレーン上の着目画素について、それぞれ第1の画素プ
レーン上で同位置に配列されている対応画素を求め、第
1の画素プレーン上で、対応画素の最も近くに存在する
黒画素と対応画素との距離を求め、求めた距離値を着目
画素についての参照距離値と定義する処理を、第2の画
素プレーン上の個々の画素をそれぞれ着目画素として繰
り返し実行し、第2の画素プレーン上の各画素のそれぞ
れについて参照距離値を定義する段階と、参照距離値と
所定の画素値とを対応づける画素値テーブルを用意し、
この画素値テーブルに基づいて、第2の画素プレーン上
の各画素にそれぞれ所定の画素値を対応づける段階と、
第2の画素プレーン上の画素の集合からなる画像を、ち
りめん模様を表現する画像として出力する段階と、を行
うようにしたものである。
【0014】(9) 本発明の第9の態様は、所定の模様
作成面上に、ちりめん模様の画像を作成する装置におい
て、作成すべきちりめん模様を規定するパラメータを入
力するパラメータ入力手段と、所定の数値範囲内の乱数
を発生させる乱数発生手段と、入力したパラメータに発
生させた乱数を作用させて、有限長の線からなる骨格図
形を発生させる骨格図形発生手段と、多数の画素を配列
してなる第1の画素プレーンを定義し、入力したパラメ
ータに発生させた乱数を作用させて、第1の画素プレー
ンに骨格図形をランダムに多数配置し、骨格図形が配置
された画素を黒画素、それ以外の画素を白画素と定義
し、第1の画素プレーン上の黒画素の集合により、多数
の骨格図形を描画する骨格図形描画手段と、第1の画素
プレーンと同一の画素配列を有する第2の画素プレーン
を定義し、この第2の画素プレーン上の着目画素につい
て、それぞれ第1の画素プレーン上で同位置に配列され
ている対応画素を求め、第1の画素プレーン上で、対応
画素の最も近くに存在する黒画素と対応画素との距離を
求め、求めた距離値を着目画素についての参照距離値と
定義する処理を、第2の画素プレーン上の個々の画素を
それぞれ着目画素として繰り返し実行し、第2の画素プ
レーン上の各画素のそれぞれについて参照距離値を定義
する参照距離値定義手段と、参照距離値と所定の画素値
とを対応づける画素値テーブルを有し、この画素値テー
ブルに基づいて、各画素にそれぞれ所定の画素値を対応
づける画素値付与手段と、それぞれ所定の画素値が対応
づけられた画素の集合からなる画像を、ちりめん模様を
表現する画像として出力する画像出力手段と、を設けた
ものである。
【0015】
【発明の実施の形態】§0. 概要手順 以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
図1は本発明に係るちりめん模様の作成方法の基本手順
を示す流れ図である。これらの各手順は、コンピュータ
を用いて実行され、実際には、数値データや画像データ
をメモリ内あるいは記憶媒体内で取り扱う処理になる。
この手順の概要は次のとおりである。まず、ステップS
1において、骨格図形を発生させる。この骨格図形は、
発生させるちりめん模様の「核」ともいうべき有限長の
線からなる図形であり、この「核」に肉付けをするよう
な形式で模様を作成するのが本発明の特徴である。多数
の骨格図形を発生させたら、ステップS2において、こ
れらの骨格図形を第1の画素プレーン上の所定位置に配
置して描画を行う。すなわち、ステップS1で発生させ
た骨格図形が幾何学上の図形であったのに対し、ステッ
プS2で描画された骨格図形は画素の集合から構成され
ることになる(ここでは、骨格図形を構成する画素を黒
画素と呼び、背景となる画素を白画素と呼ぶことにす
る)。もっとも、実際の演算処理においては、ステップ
S1において全骨格図形を発生させた後にステップS2
においてこれらを描画する、というプロセスを採る代わ
りに、骨格図形を1つ発生させるたびに描画を行ってゆ
く、というプロセスを採る方が処理が簡単になる。続い
て、ステップS3では、多数の骨格図形が描画されてい
る第1の画素プレーンと同一の画素配列を有する第2の
画素プレーンが定義され、この第2の画素プレーンを構
成する各画素に所定の参照距離値を定義する。ここで、
第2の画素プレーン上にある特定の着目画素についての
参照距離値は、第1の画素プレーン上で同位置に配列さ
れている対応画素に基づいて決定される。すなわち、第
1の画素プレーン上で、対応画素の最も近くに存在する
黒画素と対応画素との距離が参照距離値となる。続くス
テップS4では、この参照距離値に基づいて、第2の画
素プレーン上の各画素に特定の画素値が付与される。最
後のステップS5では、この第2の画素プレーン上の画
素からなる画像が、ちりめん模様の画像として出力され
る。以下、これら各ステップについて詳述する。
【0016】§1. 骨格図形の発生 まず、ステップS1の骨格図形発生の処理を説明する。
本発明における「骨格図形」とは、「有限長の線からな
る図形」を意味する。図2に、このような骨格図形の一
例を示す。図2(a) は、折れ線からなる骨格図形、図2
(b) は三角形からなる骨格図形、図2(c) は円からなる
骨格図形を示している。また、図2(d)は、自由曲線か
らなる骨格図形を示し、図2(e) は閉じた自由曲線から
なる骨格図形を示し、図2(f) は部分的に交差した自由
曲線からなる骨格図形を示している。
【0017】このように、本発明で用いる骨格図形は、
原理的には「有限長の線からなる図形」であれば、どの
ような図形でもかまわないが、より自然な風合いをもっ
たちりめん模様を作成する上では、曲線からなる骨格図
形を用いるのが好ましい。これは、図2(a) ,(b) に示
すような直線からなる骨格図形を用いると、骨格図形の
角に現れる不連続性が、最終的に作成されたちりめん模
様全体にも反映されるためである。ちりめん模様が、こ
のような空間的な不連続成分を含んでいると、全体的に
模様の流れに不連続感が生じることになり、一般的には
好ましくない。特に、作成されたちりめん模様をエンボ
スパターンとして利用する場合、エンボスシート上に
は、ちりめん模様が凹凸構造として形成されることにな
るので、不連続成分が含まれていると、異方性反射の空
間的変化に不連続が生じ、ちりめん模様特有の柔らかい
質感表現が阻害されることになる。もちろん、デザイン
上の必要性から意図的に不連続を強調したちりめん模様
を作成する場合には、図2(a) ,(b) に示すような直線
からなる骨格図形を用いた方が好ましい場合もあるが、
ここでは、ごく一般的なちりめん模様を作成するため
に、曲線からなる骨格図形を用いた実施形態を説明す
る。
【0018】本発明に係るちりめん模様の作成方法の中
枢をなす処理は、コンピュータを用いた演算処理であ
る。ところが、直線図形を取り扱う演算処理に比べて、
曲線図形を取り扱う演算処理は、演算負担がかなり重く
なる。しかも、同じ曲線図形の中でも、図2(c) に示す
円のような単純な幾何学図形に比べ、図2(d) 〜(f) に
示すような自由曲線からなる図形は、形状を記述するた
めに必要なデータ量も多く、図形の発生処理や配置処理
を行うためには、かなりの演算負担が強いられる。た
だ、より自然なちりめん模様を作成する上では、できる
だけランダムな形状をもった骨格図形を用いた方が効果
的であり、円のような単純な骨格図形よりも、自由曲線
からなる骨格図形を用いる方が好ましい。
【0019】そこで、ここでは、折れ線に基づいて発生
させた曲線図形を骨格図形として用いる実用的な手法
を、本発明の好ましい一実施形態として述べることにす
る。図3に示す骨格図形F(実線で示す図形)は、曲線
F1,F2,F3,F4から構成されているが、各曲線
F1〜F4はそれぞれ線分L1〜L4(破線で示す)を
置換した置換曲線である。このように、1つの線分を、
その両端点位置を同じくする置換曲線に置き換える手法
は、コンピュータグラフィックスの技術として種々の方
法が知られている。特に、三次以上のスプライン曲線を
用いると、複数の置換曲線を端点において接続し、全体
として1本の自由曲線を形成する場合でも、全体的に滑
らかな自由曲線を形成することが可能になる。本実施形
態では、三次スプライン曲線を置換曲線として用いるこ
とにより、滑らかな自由曲線からなる骨格図形を得てい
る。
【0020】たとえば、図4に示すように、端点D0,
D1間に線分L1が定義され、端点D1,D2間に線分
L2が定義されている場合、両端点D0,D1を通る置
換曲線F1と、両端点D1,D2を通り、置換曲線F1
になめらかに接続する置換曲線F2とを、三次以上のス
プライン曲線によって定義することができる。したがっ
て、図3に示す置換曲線F1〜F4を、各端点D1,D
2,D3においてなめらかに接続するスプライン曲線と
して定義すれば、これら置換曲線F1〜F4からなる骨
格図形Fは、全体的に滑らかな自由曲線になる。なお、
なめらかな自由曲線としては、三次以上のスプライン曲
線の他にも、三次以上のベジェ曲線などが知られてお
り、たとえば、三次ベジェ曲線を用いてもほぼ同様の結
果を得ることができる。
【0021】結局、任意の折れ線図形が与えられた場
合、この折れ線図形を構成する個々の線分に対する置換
曲線を定義するために必要なパラメータ(たとえば、置
換曲線の次数や共通接線の方向を示すパラメータなど)
を予め設定しておけば、滑らかに接続された複数の置換
曲線からなる骨格図形を一義的に求めることが可能にな
る。たとえば、図3に示す例では、線分L1〜L4によ
って構成される折れ線図形Lが与えられれば、予め設定
されたパラメータに基づいて、置換曲線F1〜F4によ
って構成される骨格図形Fが一義的に求められることに
なる。
【0022】ところで、図3に示すような折れ線図形L
をランダムに発生させる処理は、乱数を用いることによ
り、比較的簡単な演算で行うことができる。図5は、図
3に示す折れ線図形Lの構成を解析するための構造図で
ある。ここに示す折れ線図形Lは、4本の線分L1〜L
4の端点を相互に接続してなる図形である。この折れ線
図形Lの両端点は点D0および点D4であり、中間点D
1〜D3において折れ曲がっている。中間点D1〜D3
は、それぞれ個々の線分の接続点であり、これら中間点
D1〜D3において、線分相互の分岐角度θ1〜θ3が
定義できる(この例では、各中間点の左側に位置する線
分が伸びる方向(破線の方向)に対して、右側に位置す
る線分の伸びる方向を反時計回りの角度値で示してい
る)。このような折れ線図形Lに基づいて発生させた骨
格図形Fは、本発明で利用するのに適した曲線からなる
骨格図形になる。
【0023】図5に示すような折れ線図形Lは、コンピ
ュータ内の演算処理を行う上で、非常に効率的な取り扱
いを行うことができる。すなわち、図5に示すように、
X軸およびY軸を定義したXY平面上において、5点D
0〜D4のXY座標値と相互の接続順序(D0→D1→
D2→D3→D4の順)とを示すデータを用意するだけ
で、この折れ線図形を一義的に定義することが可能にな
る。また、ランダムな折れ線図形を多数発生させる場合
にも、効率的な手法を採ることができる。すなわち、そ
れぞれ乱数により決定された長さを有する複数n本の線
分を、それぞれ乱数により決定された角度をもって相互
接続することにより、n本の線分からなる折れ線を形成
することが可能である。たとえば、図5に示すような4
本の線分からなる折れ線を形成する場合であれば、乱数
により各線分L1〜L4の長さを決定し、乱数により各
分岐角度θ1〜θ3を決定すればよい。このように、乱
数を利用して多数の折れ線図形を発生させるようにすれ
ば、同じ4本の線分からなる折れ線図形であっても、そ
の形態や全長は千差万別となる。したがって、ランダム
に発生させた折れ線図形の各線分をスプライン曲線もし
くはベジェ曲線で置換して得られる骨格図形の形態や全
長も千差万別となる。
【0024】なお、ここでは、このような折れ線図形L
についての中心点と配向ベクトルとを、図6に示すよう
に定義する。まず、この折れ線図形Lの正則外接矩形R
(一組の対辺がX軸に平行で、もう一組の対辺がY軸に
平行な矩形であって、この骨格図形に外接するもの)の
中心点C(2本の対角線の交点)を、この折れ線図形L
自身の中心点と定義する。また、この折れ線図形Lを構
成する各線分の始点D0から終点D4へ向かうベクトル
Vを、この折れ線図形Lの配向ベクトルと定義する。折
れ線図形Lの中心点Cは、後の配置処理において、この
折れ線図形Lの位置を示す代表点として利用され、配向
ベクトルVは、この折れ線図形Lの配向性を示すベクト
ルとして利用される。
【0025】§2. 骨格図形の描画 次に、ステップS2の骨格図形描画の処理を説明する。
ステップS2では、多数の画素を配列してなる第1の画
素プレーンPL1を定義し、ステップS1で発生させた
多数の骨格図形Fをこの第1の画素プレーンPL1上に
配置し、骨格図形Fが配置された画素を黒画素、それ以
外の画素を白画素と定義し、第1の画素プレーンPL1
上の黒画素の集合により、多数の骨格図形Fを描画する
処理が実行される。ここでは、第1の画素プレーンPL
1上の画素配列として、ごく一般的な縦横の行列状の画
素配列を定義している。なお、全画素数は、作成すべき
ちりめん模様の解像度などを考慮して適宜決定すればよ
い。
【0026】一般に、自然界の模様をコンピュータを用
いて人為的に生成する場合、乱数を利用して個々の要素
を配置する手法が採られることが多い。しかしながら、
本発明のように、ちりめん模様を生成する場合には、
「核」となる骨格図形を乱数を利用して全くランダムに
配置することは必ずしも適切ではない。実際、骨格図形
を全くランダムに配置した状態で以下のプロセスを実施
したところ、作成されたちりめん模様には、全体的に粗
密のむらが生じ、「均一に分布した皺」を表現する上で
は好ましくない結果となった。
【0027】本願発明者は、多数の骨格図形を第1の画
素プレーンPL1上に配置する際に、ある程度規則的な
配置を行うと、「均一に分布した皺」を表現する上では
好ましいことを見出だした。そこで、本実施形態では、
第1の画素プレーンPL1上に規則的に配置された多数
の格子点を定義し、各骨格図形を個々の格子点上に配置
するようにしている。図7は、第1の画素プレーンPL
1上に正方格子を定義し、規則的に配置された多数の格
子点Qを定義した状態を示し、図8は、これら各格子点
Q上に、ステップS1で発生させた折れ線図形Lを配置
した状態を示す。なお、§1で述べたように、線分をス
プライン曲線やベジェ曲線で置換するためのパラメータ
を予め設定しておけば、折れ線図形Lに基づいて、自由
曲線からなる骨格図形Fを一義的に定義することができ
るので、ここで行う骨格図形の配置処理は、実際には、
折れ線図形の配置処理になる。
【0028】個々の折れ線図形Lを個々の格子点Q上に
配置する際には、上述した折れ線図形の中心点Cが格子
点Q上にくるようにすればよい。このとき、各折れ線図
形Lの向きはある程度ランダムになるようにするとよ
い。具体的には、各折れ線図形Lの配向ベクトルVの向
きが、個々の折れ線図形ごとに異なるような配置を行う
とよい。たとえば、1つの折れ線図形を配置するたび
に、−180°〜+180°の範囲内の任意の配置角度
φを乱数を利用してランダムに発生させ、折れ線図形の
配向ベクトルVが所定の基準方向(たとえば、Y軸方
向)に対して配置角度φをなすような向きに、折れ線図
形を回転させて割り付けを行えばよい。また、配置角度
φの範囲に制限を加えることにより、全体的に配向性を
もったちりめん模様を作成することも可能になる。たと
えば、−10°〜+10°の範囲内で任意の配置角度φ
を乱数を利用してランダムに発生させるようにすれば、
個々の折れ線図形はいずれもほぼ所定の基準方向(たと
えばY軸)を向いて配置されることになり、最終的に得
られるちりめん模様も、この基準方向に沿った配向性を
有する模様になる。
【0029】このように、多数の折れ線図形を規則的な
格子点上に配置すると、全体的に粗密のムラのない「均
一に分布した皺」を表現することが可能になる。折れ線
図形の中心点は、規則的な格子配列をとることになる
が、個々の折れ線図形の形態や全長はランダムであり、
配置角度もランダムに設定することができるため、全体
としては、ランダムな印象を与えるちりめん模様が作成
できる。ただ、個々の折れ線図形の配置をよりランダム
にし、自由度の高いちりめん模様を作成したい場合に
は、乱数を利用して個々の格子点を所定の変位量だけ変
位させるようにすることも可能である。図9は、図7に
示す正方格子の各格子点Qを、それぞれランダムに決定
した所定の変位量だけ変位させて得られる変位点Q
示す図であり、図10は、このような変位点Q上に個
々の折れ線図形を配置した状態を示す図である。
【0030】既に述べたように、折れ線図形を全くラン
ダムに配置すると、最終的に得られるちりめん模様に粗
密のムラが生じてしまう。このため、変位点Qを得る
ための変位量には制限を設けるようにするのが好まし
い。すなわち、予め所定の最大変位量(たとえば、格子
間隔の1/2の量)を設定しておき、この最大変位量以
下の値をとる変位量を個々の格子点ごとに乱数を用いて
決定するようにすればよい。なお、ここでいう変位量に
は、変位方向の情報をも含ませておき、変位量の絶対値
もその方向もランダムになるようにするのが好ましい。
具体的には、X軸方向の変位量ΔxとY軸方向の変位量
Δyとを組み合わせ、(Δx,Δy)なる形で変位量を
定義するようにし、Δx,Δyのそれぞれを別個に乱数
を用いて定義するようにすればよい。
【0031】こうして、第1の画素プレーンPL1上に
多数の折れ線図形Lを配置したら、個々の折れ線図形L
を、前述したように、スプライン曲線で置換し、自由曲
線からなる骨格図形Fに置き換えればよい。たとえば、
図10に示すように配置された個々の折れ線図形Lを、
それぞれ自由曲線からなる骨格図形Fに置換すれば、第
1の画素プレーンPL1上には、図11に示すような多
数の骨格図形Fが配置されることになる。
【0032】なお、第1の画素プレーンPL1上にこの
ように配置された個々の骨格図形Fは、あくまでも幾何
学上の抽象的な図形であって、コンピュータ上では、単
なる数式によって表現された図形にすぎない。そこで、
第1の画素プレーンPL1上の画素配列を用いて、この
骨格図形Fを実体のある画素の集合として描画する処理
を行う。図12は、1本の骨格図形Fについての描画処
理の概念を示す図である。骨格図形F自体は幅をもたな
い幾何学上の曲線であるが、この曲線が通る画素を黒画
素(図ではハッチングを施して示す)、それ以外の画素
を白画素と定義すれば、黒画素の集合により、抽象的な
骨格図形Fを実体のある画像として描画することができ
る。実際のコンピュータ上での処理としては、メモリ上
に個々の画素に対応する記憶場所を用意し、各記憶場所
に所定の画素値(たとえば、黒画素を「1」、白画素を
「0」で表現した画素値)を格納してゆく処理を行えば
よい。結局、第1の画素プレーンPL1上の全画素に
は、黒画素もしくは白画素を示す画素値が定義されるこ
とになる。
【0033】なお、図1の流れ図では、ステップS1に
おいて骨格図形を発生させる処理を行い、ステップS2
において骨格図形を描画する処理を行うという概念が示
されているが、コンピュータ上で行う実際の処理として
は、必ずしもこれらの処理を別個に行う必要はなく、等
価な結果がより効率的に得られるのであれば、むしろス
テップS1の処理とステップS2の処理とを渾然一体と
して行うのが好ましい。
【0034】たとえば、上述した例では、まず図7に示
すように、第1の画素プレーンPL1上に規則的な格子
点Qを定義し、続いて、各格子点をランダムに変位させ
て、図9に示すような変位点Qを定義した上で、個々
の変位点Q上に骨格図形Fを描画する処理を順次行っ
てゆくと、効率のよい処理を行うことができる。すなわ
ち、まず第1の画素プレーンPL1上の全画素を白画素
とする初期設定を行う。そして、1本の折れ線図形Lを
ランダムに発生させ、この1本の折れ線図形Lを第1の
変位点Qの上にランダムな向きに配置し、この折れ線
図形Lを構成する個々の線分を置換曲線に置き換えるこ
とにより1本の骨格図形Fを配置し、この骨格図形F上
に配置されている画素を黒画素に変更する処理を行う。
このような処理を、全変位点Qについて行えば、ステ
ップS2の骨格図形描画処理は完了する。
【0035】なお、このようにして多数の骨格図形Fを
描画した結果、隣接して描画された骨格図形どうしが平
面的に重なりを生じたとしても、以下のプロセスを実行
する上では何ら支障はない。また、上述の例では、第1
の画素プレーンPL1として矩形の領域を定義している
が、実際には、どのような形状の領域を第1の画素プレ
ーンPL1として定義してもよく、第1の画素プレーン
PL1は必ずしも平面に限定されるものではない。たと
えば、三次元物体の表面に模様をマッピングするような
場合は、曲面上に第1の画素プレーンPL1を定義する
ことも可能である。
【0036】§3. 参照距離値の定義 続いて、ステップS3の参照距離値の定義処理を説明す
る。ここでは、まず、第1の画素プレーンPL1と同一
の画素配列を有する第2の画素プレーンPL2が定義さ
れる。図13は、第1の画素プレーンPL1と第2の画
素プレーンPL2との対応関係を示す概念図である。両
画素プレーンPL1,PL2は、同一の画素配列を有し
ており、たとえば、第1の画素プレーンPL1上に10
00行1000列の画素配列が形成されている場合、第
2の画素プレーンPL2上にも同じく1000行100
0列の画素配列が形成されている。このため、両画素プ
レーン上の画素間には1対1の対応関係があり、図示の
ように、第2の画素プレーンPL2上の任意の着目画素
Pについて、第1の画素プレーンPL1上に特定の対応
画素P(画素配列上で、着目画素と同位置に配置され
ている画素)を求めることができる。
【0037】第1の画素プレーンPL1上には、既にス
テップS2の骨格図形描画処理によって、多数の骨格図
形Fが黒画素によって描画されている。そこで、この第
1の画素プレーンPL1上において、対応画素Pの最
も近くに存在する黒画素を探し、この最も近くに存在す
る黒画素と対応画素Pとの距離を求め、求めた距離値
を、第2の画素プレーンPL2上の着目画素Pについて
の参照距離値と定義する。図14は、図13に示す対応
画素Pの近傍の拡大平面図である。この例では、対応
画素Pの近傍に、骨格図形F(1),F(2),F
(3)が配置されているが、これらの各骨格図形と対応
画素Pとの最短距離(ここでは、画素の中心点間距離
を画素間の距離と定義している)が、それぞれ図示のよ
うにd1,d2,d3であったとしよう(白抜きで示し
た画素f1,f2,f3は、それぞれ骨格図形F
(1),F(2),F(3)を構成する画素の中で、対
応画素Pに最も近い画素になる)。ここで、たとえ
ば、d1<d3<d2であったとすると、結局、対応画
素Pの最も近くに存在する黒画素は、骨格図形F
(1)上の画素f1ということになり、対応画素P
画素f1との間の距離d1が、図13に示す第2の画素
プレーンPL2上の着目画素Pについての参照距離値と
して定義されることになる。
【0038】ステップS3の参照距離値定義の処理は、
第2の画素プレーンPL2上の全画素をそれぞれ着目画
素として、上述の手法による参照距離値の定義を繰り返
し実行し、第2の画素プレーンPL2上の全画素のそれ
ぞれについて所定の参照距離値を定義する処理である。
なお、以後のプロセスを実施する上では、各画素につい
ての参照距離値の情報のみが必要であり、最も近くに存
在する骨格図形を特定する情報は必要ない。したがっ
て、たとえば、特定の着目画素Pについては、「その参
照距離値はd1である」という情報が得られていれば十
分であり、「最も近くに存在する骨格図形はF(1)で
ある」という情報は必要ない。こうして、ステップS3
では、個々の画素にそれぞれ1つずつの参照距離値が定
義され、結局、第2の画素プレーンPL2上には、参照
距離値をスカラー値とする一種のスカラー場が形成され
たことになる。後述するように、このスカラー値は、画
素値に対応づけられることになる。
【0039】なお、特定の対応画素Pについて、最も
近くに存在する黒画素との距離を求める処理を、一般的
な数理演算によって行うと、演算処理の負担はかなり重
くなる。既に述べたように、各骨格図形は、複数のスプ
ライン曲線あるいはベジェ曲線によって表現されてお
り、1つの骨格図形との距離を求めるためには、高次の
方程式を用いた演算が必要になる。そこで、本発明で
は、第1の画素プレーンPL1上に実体のある黒画素の
集合として個々の骨格図形が描画されている点を利用
し、対応画素Pおよびその周囲の画素について、対応
画素Pに近い画素から順に1画素ずつ黒画素か白画素
かを調べる調査処理を行い、最初に遭遇した黒画素と対
応画素Pとの距離を参照距離値と定義する手法を用い
ている。
【0040】図15は、この手法の概念を示す図であ
る。まず、対応画素P自身が黒画素か否かを調べる。
対応画素P自身が黒画素であれば、求める参照距離値
は0となる。対応画素P自身が白画素であった場合に
は、続いて、図15(a) に示すように、対応画素P
周囲の8個の画素について、黒画素が存在するか否かを
調べる。この周囲の8個の画素がいずれも白画素であっ
た場合には、図15(b)に示すように、更にその周囲の
16個の画素について、黒画素が存在するか否かを調べ
る。このように、最初の黒画素が発見されるまで、対応
画素Pに近い画素から順に1画素ずつ黒画素か白画素
かを調べる調査処理を行ってゆけばよい。そして、たと
えば、図15(c) に示す状態まで調査範囲を広げたとき
に、黒画素Pa,Pbに遭遇した場合、対応画素P
最も近い黒画素Pbとの距離(幾何学上のユークリッド
距離を指し、この例の場合、「ルート10」になる)を
決定すればよい。
【0041】もっとも、実用上は、図16に示すような
距離テーブルを用意しておき、この距離テーブルに基づ
いて、調査処理を順次行うようにするのが好ましい。こ
の距離テーブルは、対応画素Pに対して種々の位置関
係にある個々の画素と対応画素Pとの間のユークリッ
ド距離を示すテーブルである。図示の例では、中央に
「0」と記された位置が、対応画素Pの位置を示して
おり、その上下左右の4つの画素位置については、ユー
クリッド距離「1」、斜めに隣接する4つの画素位置に
ついては、ユークリッド距離「ルート2」が記されてい
る。以下、同様に、各画素位置には、中央の対応画素P
との間のユークリッド距離が記されている(図16に
示す距離テーブルは、7×7の大きさであるが、実際に
は、より大きなテーブルが用意される)。
【0042】このような距離テーブルを用意しておけ
ば、この距離テーブル上でユークリッド距離の小さな画
素から順に調査処理を行い、黒画素に遭遇した場合に
は、この距離テーブルに示されたユークリッド距離を参
照距離値として用いることができる。具体的には、ま
ず、ユークリッド距離「0」と記された画素、すなわ
ち、対応画素P自身についての調査処理を行い、対応
画素P自身が黒画素であれば、参照距離値は直ちに
「0」と決定されることになる。対応画素P自身が白
画素であった場合、続いて、ユークリッド距離「1」と
記された上下左右に隣接する4つの画素についての調査
処理を行い、この4つの画素の中に1つでも黒画素が含
まれていれば、参照距離値は直ちに「1」と決定される
ことになる。黒画素が含まれていなければ、続いて、ユ
ークリッド距離「ルート2」と記された斜めに隣接する
4つの画素についての調査処理を行い、この4つの画素
の中に1つでも黒画素が含まれていれば、参照距離値は
直ちに「ルート2」と決定されることになる。以下、同
様の調査処理を繰り返し実行してゆけば、比較的単純な
処理によって、参照距離値を決定することができる。
【0043】ところで、壁紙などの比較的大きな面積を
もった印刷物やエンボス製品に模様を施す場合、単位絵
柄を空間的に繰り返し配置するという手法を採ることが
多い。たとえば、一辺30cmの正方形状の単位絵柄か
らなる模様を作成し、この単位絵柄を3行3列に隣接配
置すれば、全体として90cm四方の模様を得ることが
できる。ただ、このような手法を採る場合、単位絵柄の
境界線において模様が不連続になるのを避けるため、い
わゆるリピータブルな単位絵柄を作成する必要がある。
たとえば、上述のような3行3列の繰り返し配置を行う
場合には、上辺の模様と下辺の模様とが連続し、右辺の
模様と左辺の模様とが連続するような絵柄を作成する必
要がある。
【0044】このように、最終的にリピータブルな単位
絵柄としての性質をもったちりめん模様を作成する場合
は、次のような工夫を行えばよい。まず、画素プレーン
PL1,PL2として、同一図形を隣接配置することに
より二次元平面を埋め尽くすことが可能な図形を輪郭と
する有限平面を用いるようにする。本実施形態では、縦
横に画素を配してなる一般的な矩形の輪郭をもつ有限平
面により画素プレーンPL1,PL2を構成している
が、二次元平面を埋め尽くすことができる図形は、矩形
以外にも、正三角形、二等辺三角形、六角形などがあ
り、これらの図形を輪郭とする有限平面を画素プレーン
として用いてもかまわない。
【0045】リピータブルなちりめん模様を作成するに
は、このステップS3における参照距離値定義段階で、
第1の画素プレーンPL1の輪郭近傍の画素についての
距離を求める際に、輪郭外に同一の画素プレーンが隣接
配置されているものと仮定し、この隣接配置された画素
プレーン内の骨格図形をも考慮した上で、距離を求める
ようにすればよい。
【0046】図17は、このような手法の概念図であ
る。図の中央に示す画素プレーンPL1(0)が、第2
の画素プレーンPL2に対応した本来の画素プレーンP
L1である。この例では、その周囲に4個の画素プレー
ンPL1(1)〜PL1(4)が配置されている。これ
らの画素プレーンPL1(1)〜PL1(4)は、いず
れも画素プレーンPL1(0)と同一のものであり、い
ずれの画素プレーン上にも、たとえば図11に示すよう
に多数の骨格図形が全く同一の態様で描画されている。
ここで、画素プレーンPL1(0)の輪郭近傍(図にハ
ッチングを施した領域)の画素についての距離を求める
場合、輪郭外に隣接配置された画素プレーンPL1
(1)〜PL1(4)の輪郭近傍(図にハッチングを施
した領域)内の骨格図形をも考慮した上で、距離を求め
るようにするのである。たとえば、画素プレーンPL1
(0)の下辺近傍の対応画素P(0)(これは、画素
プレーンPL1(3)の下辺近傍の画素P(3)と同
一のもの)についての距離を求める場合は、画素プレー
ンPL1(4)の上辺近傍に存在する骨格図形F(4)
(これは、画素プレーンPL1(0)の上辺近傍に存在
する骨格図形F(0)と同一のもの)をも考慮すること
になり、もし、対応画素P(0)に最も近い骨格図形
が画素プレーンPL1(4)の上辺近傍に存在する骨格
図形F(4)であった場合には、この骨格図形F(4)
との距離を対応画素P(0)についての参照距離値と
して定義すればよい。
【0047】このようなリピータブルなちりめん模様を
作成する際に、上述した距離テーブルを用いた手法を利
用する場合には、たとえば、図18に示すように、画素
プレーンPL1(0)の下辺近傍の対応画素P(0)
上に距離テーブルの中央の画素位置を対応づけ、画素プ
レーンPL1(0)とPL1(4)との境界線Zを跨ぐ
ようにして、距離テーブルを適用すればよい。
【0048】このような手法で、第2の画素プレーンP
L2上の全画素について、それぞれ参照距離値を定義し
て、二次元スカラー場を形成すれば、この二次元スカラ
ー場はリピータブルな場となる。すなわち、この二次元
スカラー場を上下左右に多数隣接配置した場合であって
も、境界部分におけるスカラー値の不連続性は生じな
い。このため、第2の画素プレーンPL2上に最終的に
作成されるちりめん模様も、リピータブルな絵柄とな
り、上下左右に多数隣接配置した場合であっても、境界
部分における模様の不連続は生じなくなる。
【0049】§4. 画素値の付与 こうして、第2の画素プレーンPL2上の個々の画素に
ついて、それぞれ参照距離値が定義されたら、ステップ
S4において、各参照距離値に基づいて画素値を付与す
る処理が行われる。この処理は、予め用意された画素値
テーブルに基づいて一義的に行うことができる。画素値
テーブルは、参照距離値と所定の画素値との対応づけを
定義したテーブルであり、最終的に作成するちりめん模
様の色合い、濃淡差などを考慮して用意される。図19
は、このような画素値テーブルの一例を示す図である。
この例では、横軸に参照距離値、縦軸に画素値がとら
れ、両者の対応関係が関数の形式で定義されている。本
発明における「画素値テーブル」とは、このように、参
照距離値と画素値とを対応づけることができるテーブル
であればどのような形態のものでもよく、いわゆる表形
式のテーブルだけでなく、関数式として定義したテーブ
ルであってもかまわない。
【0050】画素値として、たとえば0〜255までの
8ビットの値を対応づけるようにすれば、最終的に各参
照距離値は8ビットの画素値に変換され、模様作成面上
には、8ビットの画素値をもつ画素の集合によって表現
されたちりめん模様が作成されることになる。この8ビ
ットの画素値を階調値として用いてモノクロ印刷を行え
ば、256段階の階調変化をもったちりめん模様が得ら
れることになる。もちろん、C,M,Yなどの各色要素
ごとに画素値を定義するようにすれば、カラーのちりめ
ん模様を得ることも可能である。また、画素値として
は、必ずしも階調値を定義する必要はなく、別に用意し
たカラーパレット上の色番号を画素値として定義するこ
とも可能である。たとえば、任意の256色をカラーパ
レット上に定義し、この定義した色に0〜255番まで
の色番号を付与しておき、画素値として0〜255番ま
での色番号を定義しておくようにすれば、カラーパレッ
ト上に用意した色を用いたちりめん模様を作成すること
ができる。
【0051】図19に示す画素値テーブルでは、画素値
の定義の仕方に特に規則性はみられないが、幾重にも重
なった多数の皺を強調したちりめん模様を作成する上で
は、参照距離値の変化に対して周期的に変化する画素値
を対応づけた画素値テーブルを用いるのが好ましい。図
20は、このような画素値テーブルの一例を示す図であ
る。参照距離値を示す横軸は、4つの区間〜に分割
されており、各区間ごとに全く同じ形態の関数が定義さ
れている。すなわち、参照距離値の変化に対して、周期
的に変化するような画素値の関数が定義されていること
になる。
【0052】図21に示す画素値テーブルは、画素値と
して“0”および“1”の二値のみを用い、参照距離値
の変化に対して周期的に変化するような画素値を対応づ
けた画素値テーブルである。すなわち、参照距離値のと
るべき範囲は所定幅をもった複数の区間,,…に分
割され(ここに示す実施例では、区間以降の各区間幅
はいずれも等しく、区間の区間幅だけがその半分に設
定されている。このような設定により、最終的に等幅な
白黒パターンが得られるようになる)、奇数番目の区間
については画素値“0”が対応づけられ、偶数番目の区
間については画素値“1”が対応づけられている。この
ような画素値テーブルを用いて画素値の付与を行うと、
白画素および黒画素から構成される二値画像として、非
常に鮮明なちりめん模様を得ることができる。図22
は、このような二値画像として得たちりめん模様の部分
拡大図である。中央に核となる骨格図形F(自由曲線を
黒画素で描画したもの)が配置されており、この骨格図
形Fを幾重にも取り巻くようなパターン形成がなされて
いることがわかる。
【0053】ここに示されている部分は、いわば1つの
骨格図形Fの勢力圏内の画素からなるパターンであり、
実際には、それぞれ独自の勢力圏をもった多数の骨格図
形が隣接して配置されることになるが、各勢力圏の境界
部分では、パターンは自然に融合した状態となり、全体
として違和感のない自然なちりめん模様が形成される。
たとえば、図示の孤立した画素Pについては、最も近い
骨格図形が図示の骨格図形Fの場合には、この骨格図形
Fの勢力圏に入り、この骨格図形Fとの間の距離(参照
距離値)に基づいて画素値が決まることになるが、最も
近い骨格図形が図示されていない別な骨格図形の場合に
は、この別な骨格図形の勢力圏に入り、この別な骨格図
形との間の距離(参照距離値)に基づいて画素値が決ま
ることになる。
【0054】このような二値画像からなるちりめん模様
は、特に、エンボス製品に利用するのに適している。た
とえば、図22に示されている白い領域を凸、黒い領域
を凹とするようなエンボス加工を行ってこのちりめん模
様を表現すれば、いわゆるソフトウッド系の木目柄に適
した質感を表現することができる。ここで、白い領域の
幅、黒い領域の幅は、いずれも図21に示す画素値テー
ブルにおける横軸の各分割区間の幅に対応しており、図
22に示す例では、この分割区間の幅を1画素分の幅に
設定しているが、この幅を調整することにより、任意の
幅をもったパターン形成が可能になる。
【0055】§5. 画像の出力 これまで述べてきた一連の処理は、いずれもコンピュー
タ内部のデータ処理として実行され、ステップS4の画
素値付与が完了した段階では、ちりめん模様を表わすラ
スター画像データがコンピュータ内に作成されたことに
なる。そこで、最後のステップS5において、このラス
ター画像データの出力が行われる。この画像出力は、後
の印刷工程やエンボス工程に適した形態で行えばよい。
たとえば、製版フィルム上に画像を物理的に出力するこ
ともできるし、刷版装置へラスター画像データのまま出
力することもできる。あるいは、ラスター画像データの
まま外部記憶装置へと出力し、一時的に格納しておくこ
ともできる。
【0056】本発明のひとつの特徴は、このようにして
出力された結果を見ながら、修正を施すことが容易にで
きる点である。たとえば、核となる骨格図形の密度をよ
り高くしたい場合には、図7に示す格子点の密度をより
高めた上で、上述の処理をやり直せばよいし、皺を構成
する線の幅をより細かくしたい場合には、図21に示す
画素値テーブルの分割区間の幅を狭く設定しなおした上
で、上述の処理をやり直せばよい。
【0057】結局、本発明に係る手法で作成されたちり
めん模様の画像は、次のような特徴を有することにな
る。まず、模様形成面上に、有限長の線からなる骨格図
形が多数定義される。そして、この模様形成面上には、
多数の画素が定義されており、各画素は、最も近くに存
在する骨格図形との距離の値によって一義的に定義され
る画素値を有している。このような特徴をもった画像に
より形成されるちりめん模様は、コンピュータを用いて
作成するのに適し、比較的単純なアルゴリズムで作成が
可能になる。また、パラメータの設定が容易であり、要
望どおりの態様をもった模様を簡単に得ることができる
ようになる。
【0058】§6. ちりめん模様の作成装置 図23は、上述した方法を実施するために用いるちりめ
ん模様の作成装置の基本構成を示すブロック図である。
実際には、この装置は、コンピュータを利用して構築さ
れることになるが、ここではその機能に着目し、複数の
機能ブロックの集合としてとらえることにする。
【0059】まず、パラメータ入力手段10は、作成す
べきちりめん模様を規定するパラメータを入力する手段
であり、オペレータは、このパラメータ入力手段10に
対して種々のパラメータを入力することになる。具体的
には、模様作成面のサイズを示すパラメータ、格子点の
間隔を示すパラメータ、骨格図形の形状を示すパラメー
タ、骨格図形の配置態様を示すパラメータ、画像の解像
度を示すパラメータ、画素値テーブルを定義するパラメ
ータ、などが設定されることになる。
【0060】乱数発生手段20は、所定の数値範囲内の
乱数を発生させる機能を有する。この乱数は、骨格図形
の発生処理や配置処理において利用されることになる。
骨格図形発生手段30は、パラメータ入力手段10に入
力されたパラメータに、乱数発生手段20で発生した乱
数を作用させて、有限長の線からなる骨格図形を発生さ
せる機能を有し、具体的には上述の§1で述べた処理を
実行する。また、骨格図形描画手段40は、多数の画素
を配列してなる第1の画素プレーンを定義し、パラメー
タ入力手段10に入力されたパラメータに、乱数発生手
段20で発生した乱数を作用させて、この第1の画素プ
レーンに骨格図形をランダムに多数配置し、骨格図形が
配置された画素を黒画素、それ以外の画素を白画素と定
義し、第1の画素プレーン上の黒画素の集合により、多
数の骨格図形を描画する機能を有し、具体的には上述の
§2で述べた処理を実行する。なお、実際のプログラム
を作成する際には、既に述べたように、骨格図形発生手
段30と骨格図形配置手段40とを融合させた形態に
し、まず、折れ線図形を発生させ、これを配置し、折れ
線を構成する線分を曲線に置換して骨格図形を発生さ
せ、画素プレーン上に描画する、という処理を行った方
が効率的である。
【0061】参照距離値定義手段50は、第1の画素プ
レーンと同一の画素配列を有する第2の画素プレーンを
定義し、この第2の画素プレーン上の着目画素につい
て、それぞれ第1の画素プレーン上で同位置に配列され
ている対応画素を求め、第1の画素プレーン上で、対応
画素の最も近くに存在する黒画素と対応画素との距離を
求め、求めた距離値を着目画素についての参照距離値と
定義する処理を、第2の画素プレーン上の個々の画素を
それぞれ着目画素として繰り返し実行し、第2の画素プ
レーン上の各画素のそれぞれについて参照距離値を定義
する機能を有し、具体的には上述の§3で述べた処理を
実行する。また、画素値付与手段60は、参照距離値と
所定の画素値とを対応づける画素値テーブルを有し、こ
の画素値テーブルに基づいて、各画素にそれぞれ所定の
画素値を対応づける機能を有する。具体的には上述の§
4で述べた処理を実行することになる。画像出力手段7
0は、それぞれ所定の画素値が対応づけられた画素の集
合からなる画像を、ちりめん模様を表現する画像として
出力する機能を有し、具体的には上述の§5で述べた処
理を実行する。こうして、最終的にちりめん模様を有す
る画像Gが出力されることになる。
【0062】
【実施例】以下、本発明に係るちりめん模様の作成方法
を、より具体的な実施例に基づいて説明する。この実施
例は、図22にその一部を示すような二値画像からなる
ちりめん模様を作成する例であり、前段階、中段階、後
段階の3段階により構成されている。図24はこの実施
例の前段階の手順を示す流れ図、図25は中段階の手順
を示す流れ図、図26は後段階の手順を示す流れ図であ
る。
【0063】前段階の手順は次のとおりである。まず、
図24のステップS11において、種々のパラメータの
入力が行われる。はじめに、画素プレーンのサイズを示
す横の寸法width と縦の寸法heightとが入力される。こ
の寸法により、最終的に作成される画像サイズが定ま
る。次に、線幅wlが入力される。この線幅wlは、図
22に示す例における黒い領域あるいは白い領域の幅に
相当する。続いて入力される正方格子の間隔dsは、図
7に示すような格子点Qの縦横の間隔である。更に、折
れ線図形配置角最大値φmax と格子点の変位量最大値dp
max とが入力される。折れ線図形配置角最大値φmax
は、折れ線図形を配置する際の配置角(図6に示す配向
ベクトルVと模様作成面上の基準方向とのなす角)の上
限を示す値であり、たとえば、φmax =10°に設定し
た場合、実際の配置角度は−10°〜+10°の範囲内
に制限されることになり、かなり配向性の強いちりめん
模様が作成されることになる。これに対し、たとえば、
φmax =90°に設定すると、配置角度は−90°〜+
90°に分布することになり、実質的に配向性をもたな
い模様が形成されることになる。一方、格子点の変位量
最大値dpmax は、図9に示すように、規則的な格子点Q
を所定の変位量だけ変位させて変位点Qを定義する際
の変位量の上限を示す値であり、X方向の変位量の最大
値およびY方向の変位量の最大値を示す値となる。この
他にも、後述する各ステップで用いる種々のパラメータ
が入力されるが、これら個々の細かなパラメータについ
ては、後の各ステップにおいて説明する。
【0064】続くステップS12では、縦横方向の格子
点の数が演算される。すなわち、横方向の格子点の数n
sxは、nsx=width /dsで演算され、縦方向の格
子点の数nsyは、nsy=height/dsで演算される
(流れ図では、各変数に所定の数値を代入する意味を示
す一般的な記号「:=」を用いて演算式を定義してい
る)。次のステップS13では、格子点間隔の厳密な再
計算が行われる。すなわち、ステップS11で入力した
格子間隔dsは正方格子についてのものであるが、画像
サイズwidth ×heightによっては、このような正方格子
では厳密に等間隔な格子点配置ができない。そこで、こ
のステップS13において、X軸方向の厳密な格子点間
隔dsxをdsx=width /nsxと定義し、Y軸方向
の厳密な格子点間隔dsyをdsy=height/nsyと
定義しなおしている。このような厳密な定義は、特に、
リピータブルな単位画像としてのちりめん模様を作成す
る場合に重要である。次のステップS14では、着目中
の格子点の列番号を示すパラメータisxと、行番号を
示すパラメータisyとを、それぞれ初期値1に設定す
る。したがって、この時点では、まず、1行1列目の格
子点が着目されることになる。
【0065】以上、前段階として述べた処理は、いわば
これに続く中段階の準備段階というべき処理になる。図
25に示す中段階の処理は、第1の画素プレーン上に骨
格図形を描画してゆく処理である。
【0066】まず、ステップS21では、折れ線図形が
1つ作成される。折れ線図形を作成する具体的な手順に
ついては、後に図27を参照しながら述べることにす
る。ここでは、一応、図5に示すような折れ線図形Lが
1つ作成されたものとする。続くステップS22では、
折れ線図形の配置角度φt、格子点の変位量dpx,d
pyが定義される。まず、配置角度φtは、φt=rn
d(−1,+1)*φmax なる演算式で定義される。こ
こで、rnd(a,b)はa〜bの範囲内の乱数を意味
する。たとえば、ステップS11において、φmax =1
0°に設定した場合、φtは−10°〜+10°の範囲
内の任意の角度として定義されることになる。また、X
軸方向の変位量dpxは、dpx=rnd(−1,+
1)*dpmaxなる演算式で定義され、Y軸方向の変位量
dpyは、dpy=rnd(−1,+1)*dpmax なる
演算式で定義される。たとえば、ステップS11におい
てdpmax =1mmに設定した場合、dpxおよびdpy
は、−1mm〜+1mmの範囲内の任意の変位量として
定義される。次のステップS23では、ステップS21
で作成した1つの折れ線図形を、ステップS22で定義
した条件で配置する処理が行われる。この配置処理の具
体的な手順については、後に図28を参照しながら述べ
ることにする。
【0067】続いて、ステップS24において、ステッ
プS23で配置された1つの折れ線図形を構成する各線
分を、三次スプライン曲線に置換し、1つの骨格図形を
定義する処理が行われる。たとえば、図3に破線で示す
ような折れ線図形Lが配置されている場合、この折れ線
図形Lを構成する個々の線分L1〜L4が、それぞれ三
次スプライン曲線F1〜F4に置換され、自由曲線から
なる骨格図形Fが定義されることになる。次に、ステッ
プS25において、ステップS24で定義された骨格図
形の描画が行われる。すなわち、図12に示すように、
第1の画素プレーンPL1上の各画素のうち、骨格図形
Fが配置されている画素のみを黒画素とする処理が行わ
れる。
【0068】こうして、1つの格子点について、1つの
骨格図形が描画されたら、ステップS26およびS27
を経て、同じ行の隣接する格子点についての骨格図形描
画を繰り返し実行し、1行の格子点すべてについての描
画処理が完了したら、ステップS28〜S30を経て、
すべての行について同様の描画処理を繰り返し実行す
る。以上で、中段階の処理は完了である。これにより、
たとえば図11に示すように、第1の画素プレーンPL
1上に多数の骨格図形がランダムに描画されたことにな
る。
【0069】一方、後段階の手順は次のとおりである。
まず、図26のステップS31において、第2の画素プ
レーンPL2上の着目画素の列番号を示すパラメータi
xと、行番号を示すパラメータiyとが、それぞれ初期
値1に設定される。したがって、この時点では、まず、
第2の画素プレーンPL2上の1行1列目の画素が着目
されることになる。
【0070】ステップS32では、第2の画素プレーン
PL2上の着目画素P(ix,iy)について、第1の
画素プレーンPL1上に対応画素P(ix,iy)が
定義され、この対応画素Pから最も近い骨格図形への
距離が求められ、求めた距離が、もとの着目画素P(i
x,iy)についての参照距離値dmin と定義される。
具体的には、図16に示すような距離テーブルを用い
て、既に述べたように、対応画素P(ix,iy)に
最も近い黒画素が探索されることになる。
【0071】続いて、ステップS33では、この着目画
素P(ix,iy)について定義された参照距離値dmi
n が、どの区間に所属するかが演算される。すなわち、
まず、fval =dmin /wl+0.5なる演算で実数f
val が求められ、これを整数化した値ival が求められ
る。この値ival は、図21における区間,,…を
示す値であり、線幅wlは、この区間の幅に相当する。
続くステップS34において、値ival が奇数か偶数か
が判断され、奇数の場合はステップS35においてこの
着目画素P(ix,iy)に画素値“0”が付与され、
偶数の場合はステップS36においてこの着目画素P
(ix,iy)に画素値“1”が付与されることにな
る。
【0072】こうして、1つの着目画素について、所定
の画素値が付与されたら、ステップS37およびS38
を経て、同じ行の隣接する画素についての画素値付与処
理を繰り返し実行し、1行の画素すべてについての処理
が完了したら、ステップS39〜S40を経て、すべて
の行の画素について同様の画素値付与処理を繰り返し実
行する。こうして、第2の画素プレーンPL2上の全画
素について画素値が付与されたら、最後に、ステップS
41において、画素データの出力が行われる。
【0073】続いて、図27に示す流れ図を参照しなが
ら、上述したステップS21(図25)における折れ線
図形作成処理の詳細な手順を説明する。まず、ステップ
S51において、1つの折れ線図形中の線分数nlと、
線分長の最大値Lmax および最小値Lmin と、最大分岐
角度θmax と、をデータとして入力する。これらのデー
タは、ステップS11(図24)において入力された
「その他のパラメータ」である。ここで、線分数nl
は、1つの折れ線図形を構成する線分の数を示し、たと
えば、図5に示す折れ線図形Lは、nl=4なる設定に
より得られる。また、線分長の最大値Lmax および最小
値Lmin は、図5に示す折れ線図形Lにおける各線分L
1〜L4の長さの最大値および最小値を規定するパラメ
ータであり、最大分岐角度θmax は、図5に示す折れ線
図形Lにおける線分相互の分岐角度θ1〜θ3の絶対値
の最大値を規定するパラメータである(ただし、この実
施例では−90°≦θ≦+90°に設定)。
【0074】次のステップS52では、種々の変数の初
期設定がなされる。変数ilは、現在着目中の頂点(折
れ線図形を構成する線分の端点)の番号を示す変数であ
り、il=0なる初期設定により、図2に示す折れ線図
形Lを作成する場合であれば、頂点D0が最初に着目す
る頂点となる。変数θは、現在の着目中の頂点から伸ば
す線分の方向を示す角度変数である。この実施例では、
Y軸方向をθ=0°と定義している。また、変数x(i
l)およびy(il)は、着目中の頂点のX座標値およ
びY座標値を示す変数であり、この実施例では最初の頂
点を原点とするXY座標系を用いている。すなわち、図
5に示す折れ線図形Lを作成する場合であれば、最初の
頂点D0が原点(0,0)に定義されることになる。
【0075】ステップS53では、頂点の番号を示す変
数ilが1だけインクリメントされ、続くステップS5
4は、新たな頂点の座標値(x(il),y(il))
が決定される。すなわち、まず、新たなθの値が、θ+
rnd(−1,+1)*θmax なる演算でランダムに決
定され、線分の長さLが、L=Lmin +rnd(0,
1)*(Lmax −Lmin )なる演算でランダムに決定さ
れる。結局、新たな頂点のX座標値x(il)は、旧頂
点のX座標値x(il−1)にL*sinθを加えるこ
とにより得られ、新たな頂点のY座標値y(il)は、
旧頂点のY座標値y(il−1)にL*cosθを加え
ることにより得られる。
【0076】以上の処理が、ステップS55を経て、i
l=nlになるまで繰り返し実行され、1つの折れ線図
形が作成されることになる。たとえば、図5に示す折れ
線図形Lは、上述の処理を4回繰り返すことにより作成
される。
【0077】続いて、図28に示す流れ図を参照しなが
ら、上述したステップS23(図25)における折れ線
図形配置処理の詳細な手順を説明する。まず、ステップ
S61において、1つの折れ線図形中の線分数nlと、
頂点座標列(x(i),y(i))と、折れ線図形の配
向ベクトルの向きφs(たとえば、図6に示す折れ線図
形Lであれば、配向ベクトルVとY軸とのなす角度)
と、折れ線図形の中心点の座標xc,yc(たとえば、
図6に示す折れ線図形Lであれば、始点D0を原点にと
ったときの中心点Cの相対座標)と、折れ線図形の配置
角φtと、格子点座標(px,py)と、格子点の変位
量(dpx,dpy)と、がデータとして入力される。
これらの各データは、いずれも先行するプロセスで得ら
れている。
【0078】次のステップS62では、実質回転角度φ
が、φ=φt−φsなる演算によって求められる。ここ
で、φtは、ステップS22において定義された配置角
であり、φsはステップS21で作成された折れ線図形
の配向ベクトルの向きを示す角度である。ステップS2
1で作成された折れ線図形は、既にY軸に対して角度φ
sだけ傾斜しているため、この折れ線図形を配置角φt
で配置するためには、実質的にφt−φsなる差に相当
する角度だけ回転させて配置すればよい。実質回転角度
φは、この実質的な回転角度を示すものである。続くス
テップS63では、実質中心点座標が、qx=px+d
px、qy=py+dpyなる演算によって求められ
る。ここで、(px,py)は折れ線図形を配置すべき
格子点Qの座標であり、(dpx,dpy)は各座標軸
方向の変位量である。したがって、座標(qx,qy)
は変位点Qの座標を示すものであり、折れ線図形は、
この変位点Qにその中心点Cを重ねるようにして配置
すればよいことになる。
【0079】次のステップS64では、頂点の番号を示
す変数ilを初期値0に設定し、ステップS65におい
て、実質回転角度φだけ回転させるための演算を行う。
すなわち、実質回転角度φだけ回転させた後の、第il
番目の頂点の新たな座標値x(il),y(il)を求
める演算が行われる。まず、旧座標値x(il),y
(il)から、中心点Cの相対座標値xc,ycを差し
引き、中心点Cを基準とした相対座標値に変換する。続
いて、この中心点Cを原点とした極座標(r,θ)によ
り、第il番目の頂点の位置を表現する。そして、θの
値を、実質回転角度φを加えることにより更新し、回転
後の極座標(r,θ)を求める。最後に、x(il)=
r*cosθ、y(il)=r*sinθなる演算によ
り、回転後の新たな座標値x(il),y(il)を求
める。続く、ステップS66では、実質中心点座標(q
x,qy)に、回転後の折れ線図形Lの中心点Cを重ね
るように配置した場合の第il番目の頂点の座標値が、
新たな座標値x(il),y(il)として求められ
る。
【0080】このような処理が、ステップS67および
S68を経て、第nl番目の頂点についてまで繰り返し
実行され、1つの折れ線図形の配置処理が完了する。
【0081】最後に、この実施例による手法によって作
成されたちりめん模様の具体例を図29に示しておく。
このように、最終的に作成されるちりめん模様の特性
と、パラメータとの関係は次のとおりである。 個々のちりめん要素の密度→正方格子の間隔ds 個々のちりめん要素の大きさ→線分長Lmin ,Lmax 個々のちりめん要素の配向性→骨格図形配置角の最大
値φmax 個々のちりめん要素の均一性→格子点の変位量最大値
dpmax 個々のちりめん要素の縮れ具合→最大分岐角度θmax
【0082】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、コンピュ
ータを利用して所望のちりめん模様を容易に作成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るちりめん模様の作成方法の基本手
順を示す流れ図である。
【図2】本発明に係るちりめん模様の作成方法におい
て、ちりめん模様の核となる骨格図形の一例を示す図で
ある。
【図3】折れ線図形Lに基づいて、自由曲線からなる骨
格図形Fを構成する例を示す図である。
【図4】折れ線図形を構成する線分L1,L2を、スプ
ライン曲線もしくはベジェ曲線によって置換する処理を
示す図である。
【図5】骨格図形のもとになる折れ線図形の構造を説明
する図である。
【図6】図5に示す折れ線図形についての中心点Cおよ
び配向ベクトルVの定義方法を示す図である。
【図7】本発明に係るちりめん模様の作成方法におい
て、第1の画素プレーンPL1上に定義された正方格子
を示す図である。
【図8】図7に示す正方格子の各格子点Q上に、それぞ
れ折れ線図形Lを配置した状態を示す図である。
【図9】図7に示す正方格子の各格子点Qをランダムに
変位させて変位点Qを形成した状態を示す図である。
【図10】図9に示す各変位点Q上に、それぞれ折れ
線図形Lを配置した状態を示す図である。
【図11】図10に示す各折れ線図形Lの線分を曲線に
置換することにより、自由曲線からなる骨格図形Fを形
成した状態を示す図である。
【図12】第1の画素プレーンPL1上に、自由曲線か
らなる骨格図形Fを描画する処理を示す図である。
【図13】第1の画素プレーンPL1上の着目画素Pに
ついて、第2の画素プレーンPL2上に対応画素P
定義した状態を示す図である。
【図14】対応画素Pに最も近い黒画素f1との距離
d1を示す図である。
【図15】対応画素Pに最も近い黒画素を探索する処
理の概念図である。
【図16】対応画素Pに最も近い黒画素を探索する処
理を効率的に行うために用いる距離テーブルを示す図で
ある。
【図17】最終的にリピータブルな単位絵柄としての性
質をもったちりめん模様を作成する場合の参照距離値の
定義方法を説明する図である。
【図18】最終的にリピータブルな単位絵柄としての性
質をもったちりめん模様を作成する場合の距離テーブル
の利用方法を説明する図である。
【図19】本発明に係るちりめん模様の作成方法におい
て用いられる画素値テーブルの一例を示す図である。
【図20】本発明に係るちりめん模様の作成方法におい
て用いられる周期的な画素値テーブルの一例を示す図で
ある。
【図21】二値画像からなるちりめん模様を作成する際
に用いられる画素値テーブルの一例を示す図である。
【図22】本発明に係る方法により、二値画像として得
たちりめん模様の部分拡大図である。
【図23】本発明に係るちりめん模様の作成装置の基本
構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の一実施例に係るちりめん模様の作成
方法の前段階の手順を示す流れ図である。
【図25】本発明の一実施例に係るちりめん模様の作成
方法の中段階の手順を示す流れ図である。
【図26】本発明の一実施例に係るちりめん模様の作成
方法の後段階の手順を示す流れ図である。
【図27】本発明の一実施例に係るちりめん模様の作成
方法における折れ線図形作成処理の手順を示す流れ図で
ある。
【図28】本発明の一実施例に係るちりめん模様の作成
方法における骨格図形配置処理の手順を示す流れ図であ
る。
【図29】本発明の一実施例に係る方法で実際に作成さ
れたちりめん模様の一例を示す図である。
【符号の説明】 10…パラメータ入力手段 20…乱数発生手段 30…骨格図形発生手段 40…骨格図形描画手段 50…参照距離値定義手段 60…画素値付与手段 70…画像出力手段 C…折れ線図形の中心点 D0〜D4…折れ線図形の頂点(線分の端点) d1〜d3…骨格図形と対応画素との距離 F…骨格図形 F1〜F4…置換曲線 f1〜f3…黒画素 F(0)〜F(4)…骨格図形 G…ちりめん模様を有する画像 L…折れ線図形 L1〜L4…折れ線図形を構成する個々の線分 P…着目画素 P…対応画素 P(0),P(3)…輪郭近傍の画素 Pa,Pb…黒画素 PL1…第1の画素プレーン PL1(0)〜PL1(4)…第1の画素プレーン PL2…第2の画素プレーン Q…格子点 Q…変位点 R…折れ線図形の正則外接矩形 T1…接線 V…折れ線図形の配向ベクトル Z…画素プレーンの境界線 θ1〜θ3…線分の分岐角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神力 哲夫 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 野田 智孝 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータを用いて、所定の模様作成
    面上にちりめん模様を作成する方法であって、 それぞれが有限長の線からなる骨格図形を多数発生させ
    る骨格図形発生段階と、 多数の画素を配列してなる第1の画素プレーンを定義
    し、前記多数の骨格図形をこの第1の画素プレーン上に
    配置し、骨格図形が配置された画素を黒画素、それ以外
    の画素を白画素と定義し、前記第1の画素プレーン上の
    黒画素の集合により、多数の骨格図形を描画する骨格図
    形描画段階と、 前記第1の画素プレーンと同一の画素配列を有する第2
    の画素プレーンを定義し、この第2の画素プレーン上の
    着目画素について、それぞれ前記第1の画素プレーン上
    で同位置に配列されている対応画素を求め、前記第1の
    画素プレーン上で、前記対応画素の最も近くに存在する
    黒画素と前記対応画素との距離を求め、求めた距離値を
    前記着目画素についての参照距離値と定義する処理を、
    前記第2の画素プレーン上の個々の画素をそれぞれ着目
    画素として繰り返し実行し、前記第2の画素プレーン上
    の各画素のそれぞれについて参照距離値を定義する参照
    距離値定義段階と、 前記参照距離値と所定の画素値とを対応づける画素値テ
    ーブルを用意し、この画素値テーブルに基づいて、前記
    第2の画素プレーン上の各画素にそれぞれ所定の画素値
    を対応づける画素値付与段階と、 前記第2の画素プレーン上の画素の集合からなる画像
    を、ちりめん模様を表現する画像として出力する画像出
    力段階と、 を有することを特徴とするちりめん模様の作成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の作成方法において、 骨格図形発生段階で、それぞれ乱数により決定された長
    さを有する複数n本の線分を、それぞれ乱数により決定
    された角度をもって相互接続することにより、n本の線
    分からなる折れ線を形成し、この折れ線を構成する個々
    の線分を、両端点位置を同じくする曲線に置換し、n本
    の置換曲線からなる骨格図形を発生させることを特徴と
    するちりめん模様の作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の作成方法において、 置換曲線として、三次以上のスプライン曲線もしくは三
    次以上のベジェ曲線を用い、n本の置換曲線が滑らかに
    連結するようにしたことを特徴とするちりめん模様の作
    成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の作成方
    法において、 骨格図形描画段階で、第1の画素プレーン上に規則的に
    配置された多数の格子点を定義し、各骨格図形を個々の
    格子点に配置するか、もしくは、予め設定した最大変位
    量以下の値をとる変位量を個々の格子点ごとに乱数を用
    いて決定し、個々の格子点をこの変位量だけ変位させて
    得られる変位点に各骨格図形を配置することを特徴とす
    るちりめん模様の作成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の作成方
    法において、 参照距離定義段階で、対応画素およびその周囲の画素に
    ついて、前記対応画素に近い画素から順に1画素ずつ黒
    画素か白画素かを調べる調査処理を行い、最初に遭遇し
    た黒画素と前記対応画素との距離を参照距離値と定義す
    ることを特徴とするちりめん模様の作成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の作成方法において、 参照距離定義段階で、対応画素に対して種々の位置関係
    にある個々の画素と前記対応画素との間のユークリッド
    距離を示す距離テーブルを予め用意しておき、この距離
    テーブルに基づいてユークリッド距離の小さな画素から
    順に調査処理を行うようにし、黒画素に遭遇した場合に
    は、前記距離テーブルに示されたユークリッド距離を参
    照距離値として用いることを特徴とするちりめん模様の
    作成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の作成方
    法において、 画素値付与段階で、参照距離値の変化に対して周期的に
    変化する画素値を対応づけた画素値テーブルを用いるこ
    とを特徴とするちりめん模様の作成方法。
  8. 【請求項8】 コンピュータを用いて、所定の模様作成
    面上にちりめん模様を作成する方法であって、 それぞれ同一の画素配列を有する第1の画素プレーンお
    よび第2の画素プレーンを用意する段階と、 前記第1の画素プレーン上に、多数の折れ線図形を配置
    し、この折れ線図形を構成する個々の線分を曲線に置換
    することにより、曲線からなる骨格図形を定義する段階
    と、 前記第1の画素プレーン上の各画素について、前記骨格
    図形が配置されている画素については黒画素、それ以外
    の画素については白画素と定義する段階と、 前記第2の画素プレーン上の着目画素について、それぞ
    れ前記第1の画素プレーン上で同位置に配列されている
    対応画素を求め、前記第1の画素プレーン上で、前記対
    応画素の最も近くに存在する黒画素と前記対応画素との
    距離を求め、求めた距離値を前記着目画素についての参
    照距離値と定義する処理を、前記第2の画素プレーン上
    の個々の画素をそれぞれ着目画素として繰り返し実行
    し、前記第2の画素プレーン上の各画素のそれぞれにつ
    いて参照距離値を定義する段階と、 前記参照距離値と所定の画素値とを対応づける画素値テ
    ーブルを用意し、この画素値テーブルに基づいて、前記
    第2の画素プレーン上の各画素にそれぞれ所定の画素値
    を対応づける段階と、 前記第2の画素プレーン上の画素の集合からなる画像
    を、ちりめん模様を表現する画像として出力する段階
    と、 を有することを特徴とするちりめん模様の作成方法。
  9. 【請求項9】 所定の模様作成面上に、ちりめん模様の
    画像を作成する装置であって、 作成すべきちりめん模様を規定するパラメータを入力す
    るパラメータ入力手段と、 所定の数値範囲内の乱数を発生させる乱数発生手段と、 前記パラメータに前記乱数を作用させて、有限長の線か
    らなる骨格図形を発生させる骨格図形発生手段と、 多数の画素を配列してなる第1の画素プレーンを定義
    し、前記パラメータに前記乱数を作用させて、前記第1
    の画素プレーンに前記骨格図形をランダムに多数配置
    し、骨格図形が配置された画素を黒画素、それ以外の画
    素を白画素と定義し、前記第1の画素プレーン上の黒画
    素の集合により、多数の骨格図形を描画する骨格図形描
    画手段と、 前記第1の画素プレーンと同一の画素配列を有する第2
    の画素プレーンを定義し、この第2の画素プレーン上の
    着目画素について、それぞれ前記第1の画素プレーン上
    で同位置に配列されている対応画素を求め、前記第1の
    画素プレーン上で、前記対応画素の最も近くに存在する
    黒画素と前記対応画素との距離を求め、求めた距離値を
    前記着目画素についての参照距離値と定義する処理を、
    前記第2の画素プレーン上の個々の画素をそれぞれ着目
    画素として繰り返し実行し、前記第2の画素プレーン上
    の各画素のそれぞれについて参照距離値を定義する参照
    距離値定義手段と、 前記参照距離値と所定の画素値とを対応づける画素値テ
    ーブルを有し、この画素値テーブルに基づいて、前記各
    画素にそれぞれ所定の画素値を対応づける画素値付与手
    段と、 それぞれ所定の画素値が対応づけられた画素の集合から
    なる画像を、ちりめん模様を表現する画像として出力す
    る画像出力手段と、 を有することを特徴とするちりめん模様の作成装置。
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