JP3889073B2 - 結晶性半導体作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は結晶性を有する珪素半導体被膜、例えば、多結晶珪素膜、単結晶珪素膜、微結晶珪素膜の作製方法に関する。本発明を用いて作製された結晶性珪素膜は各種半導体デバイスに用いられる。
【0002】
【従来の技術】
薄膜半導体を用いた薄膜トランジスタ(以下TFT等)が知られている。これは、基板上に薄膜半導体、特に珪素半導体膜を形成し、この薄膜半導体を用いて構成されるものである。TFTは、各種集積回路に利用されているが、特にアクティブマトリックス型の液晶表示装置の各画素の設けられたスイッチング素子、周辺回路部分に形成されるドライバー素子として注目されている。
【0003】
TFTに利用される珪素膜としては、非晶質珪素膜を用いることが簡便であるが、その電気的特性は半導体集積回路に用いられる単結晶半導体のものに比較するとはるかに低いという問題がある。このため、アクティブマトリクス回路のスイッチング素子のような限られた用途にしか用いられなかった。TFTの特性向上のためには、結晶性を有する珪素薄膜を利用するばよい。単結晶珪素以外で、結晶性を有する珪素膜は、多結晶珪素、ポリシリコン、微結晶珪素等と称されている。このような結晶性を有する珪素膜を得るためには、まず非晶質珪素膜を形成し、しかる後に加熱(熱アニール)によって結晶化させればよい。この方法は、固体の状態を保ちつつ非晶質状態が結晶状態に変化するので、固相成長法と呼ばれる。
【0004】
しかしながら、珪素の固相成長においては、加熱温度が600℃以上、時間は10時間以上が必要であり、基板として安価なガラス基板を用いることが困難であるという問題がある。例えばアクティブ型の液晶表示装置に用いられるコーニング7059ガラスはガラス歪点が593℃であり、基板の大面積化を考慮した場合、600℃以上の熱アニールをおこなうことには問題がある。
【0005】
このような問題に対して、本発明者らの研究によれば、非晶質珪素膜の表面にニッケルやパラジウム、さらには鉛等の元素を微量に堆積させ、しかる後に加熱することで、550℃、4時間程度の処理時間で結晶化を行なえることが判明している。
【0006】
上記のような微量な元素(結晶化を助長する触媒元素)を導入するには、スパッタリングによって、触媒元素もしくはその化合物の被膜を堆積すればよい。しかしながら、上記のような元素が半導体中に多量に存在していることは、これら半導体を用いた装置の信頼性や電気的安定性を阻害するものであり好ましいことではない。スパッタリングによって成膜をおこなうと、その量、すなわち厚さを精密に制御することは難しく、また、基板内で均一な厚さを得ることはさらに困難であった。このため、得られる半導体デバイスの特性にバラツキが生じた。
【0007】
また、スパッタリングによる成膜においては、スパッタリングの衝撃によって、非晶質珪素膜が大きなダメージを受けることから、得られる半導体デバイスの特性は必ずしも満足のゆくものではなかった。
【0008】
スパッタリングの代わりにスピンコーティングのごとき手段によって被膜を形成する方法もある。しかしながら、スピンコーティング法によって均一な被膜を得ることは難しかった。例えば、液晶ディスプレーのごとき、長方形の基板においては、四端に溶液が集まりやすく、膜厚は不均一であった。また、溶媒が乾燥して触媒元素化合物の被膜が生成する際には、乾燥の不均一性や結晶核の発生によって膜の厚さが不均一となり、半導体デバイスのバラツキの要因となった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、触媒元素を用いた通常の固相成長法に必要な温度よりも低い温度における熱処理によって、結晶性を有する薄膜珪素半導体の作製において、
(1)触媒元素の微量の制御を可能とする。
(2)触媒元素の均一な導入を可能とする。
といった要求を満たすことを目的とする。さらに、
(3)触媒元素の導入に際して生産性を高める
ことも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を満足するために、触媒元素を有する蒸気あるいはガスを非晶質珪素膜表面に直接的あるいは間接的に吸着せしめ、該吸着した触媒元素を用いて低温結晶化を行うものである。
【0011】
上記構成は以下の基本的な有意性を有する。
(a)非晶質珪素膜中の触媒元素の濃度は、表面に吸着する触媒元素の量で決まる。そして前記表面に吸着する触媒元素の量は、該触媒元素の表面への吸着速度と表面からの脱離速度の比で決まり、これは基板温度及び全圧が一定であった場合には、気相中の触媒元素を含む蒸気あるいはガスのケミカルポテンシャル、今回の場合では分圧で一義的に決定することが可能となる。
(b)表面への吸着過程では、表面に極めて均一な被膜が形成される。触媒元素を含む蒸気あるいはガスの分圧を制御することにより、完全な単分子吸着層(被覆率=1)、被覆率が1に満たない単分子吸着層、複数の分子層よりなる多層吸着層、の3種類の吸着層を形成可能であり、特に完全な単分子吸着層領域においては時間変化及び若干の分圧変化に対してプラト─な領域が広く得られるため、制御性が非常に高い。
(c)用いているのが吸着現象のみであるので、基本的に非常に低エネルギ─で触媒元素を含む膜の形成が可能であり、他のスパッタや蒸着法に比較して、何らのダメージも非晶質珪素膜に与えられない。
【0012】
本発明においては、触媒元素添加用に用いることができる化合物が多いのもまた1つの特徴ということができる。例えば水溶性の塩の類を選んだ場合には、これらを純水に溶解し、アルゴン等のキャリアガスを用いてバブリングすることによりチャンバ─に搬送できる。蒸気圧は溶液の温度及びキャリアガス流量で制御できる。有機溶媒に可溶な化合物の場合にも同様の手法を用いることができる。
一部の揮発性の塩及び有機金属の類を用いる場合には、これらは融点が低く、其自体がある程度の蒸気圧を持つため、これらの化合物の加熱温度を制御することによりチャンバ─に導入する触媒元素の量(分圧)が制御できる。この様な有機金属材料の例としては、触媒元素としてニッケルを用いる場合には、ビスシクロペンタジエニルニッケル(Bis(cyclopemtadienyl)nickel、Ni(C552 、以下、BCPニッケル、もしくはBCP塩という)やビスメチルシクロペンタジエニルニッケル(Bis(methylcyclopentadienyl)nickel、Ni(CH3542 、以下、BMCPニッケル、もしくはBMCP塩という)、ビス−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオノニッケル(Bis−(2,2,6,6−tetramethyl−3,5−hptanediono)nickel、Ni(C111922 )等を用いればよい。
【0013】
BCPニッケルの場合には融点は173〜174℃であり、90℃、130℃における蒸気圧はそれぞれ、0.04torr、0.6torrである。BMCPニッケルの場合には融点は34℃であり、90℃、130℃における蒸気圧はそれぞれ、1.6torr、15torrである。
【0014】
これらの有機金属の吸着によって得られる被膜は、触媒元素が導入されるべき領域の非晶質珪素膜に直接堆積されてもよいが、非晶質珪素膜表面は非常に活性であって容易に酸化されやすく、その結果表面状態しいては吸着形態にむらが生じやすいという問題がある。その際には、逆に非晶質珪素膜表面に100Å以下の薄い酸化膜をまず形成し、その上に堆積してもよい。この方法は、有機金属だけに限った手法ではなく、水溶液のバブリングによって触媒元素を導入する場合にも、表面での接触角を小さくし、均一な被膜を得るのに効果的である。
【0015】
また、触媒元素もしくはその化合物の被膜を選択的に堆積することにより、結晶成長を選択的に行なうことができる。例えば、選択的にマスク膜を形成し、特定の部分だけ、非晶質珪素膜の表面が実質的に露出されているようにする。マスク膜に要求される厚さはマスク膜の材質によって異なるが、酸化珪素の場合には500Å以上もあれば十分で、場合によっては更に薄くても構わない。むしろ重要なのは膜厚よりも膜質であって、今回の吸着現象を用いた触媒添加方法は、ステップカバレ─ジが分子レベルであるため、ピンホ─ル等が存在するとその内部に容易に到達してしまうので注意が必要である。そして、触媒元素を有する被膜を本発明によって堆積させることにより、非晶質珪素膜の特定の部分だけ触媒元素が導入されるようにする。
【0016】
この場合には、触媒元素もしくはその化合物の被膜が導入されなかった領域に向かって、被膜が堆積された領域から珪素膜の面に平行な方向に結晶成長をおこなうことができる。このように珪素膜の面に平行な方向に結晶成長が行なわれた領域を本明細書中においては横方向に結晶成長した領域と称する。
【0017】
このような横方向に結晶成長が行なわれた領域では、触媒元素の濃度が低いことが確かめられている。半導体装置の活性層領域として、結晶性珪素膜を利用することは有用であるが、活性層領域中における触媒元素の濃度は一般に低い方がより好ましい。従って、上記横方向に結晶成長が行なわれた領域を用いて半導体装置の活性層領域を形成することはデバイス作製上有用である。しかしながら、従来の触媒元素の添加方法においては、このような選択的な触媒元素を有する被膜の堆積をおこなうには、その前にフォトリソグラフィー工程を経ねばならず工程が複雑になってしまうという欠点があった。しかしながら、触媒元素を含む有機金属化合物を用いた場合、これらの材料は紫外光で分解しやすいため、単分子吸着層形成後に残存させたい部分のみに紫外光照射を行い分解せしめ、その他の分解していない有機金属化合物を有機系溶媒で洗浄することにより、同様の構成を容易にとることが可能となる。
【0018】
しかしながら、上記いずれの手法を用いるにしても、その後のフォトリソグラフィー工程(一般的にはアイランド形成)の前に加熱結晶化工程が存在するため、基板の収縮等の障害が生じる可能性もある。したがって、横方向の結晶成長を選択するには、そのような問題を考慮する必要がある。
【0019】
本発明は、通常は以下の工程によって実施される。すなわち、
▲1▼チャンバー内に基板を配置し、基板を所定の温度に制御する。
▲2▼チャンバー内に非晶質珪素膜の結晶化を助長する触媒元素を有する蒸気もしくはガスを導入し、非晶質珪素膜表面に吸着させる。
▲3▼必要に応じて、前記非晶質珪素膜表面に吸着した触媒元素に対し、熱、光、を作用させて分解させ、基板表面に触媒元素もしくはその化合物の被膜を形成する。
▲4▼前記非晶質珪素膜を加熱処理することにより、結晶化させる。
である。
【0020】
このうち、▲2▼の工程について図9を用いて説明する。試料としてはガラス基板上に酸化珪素膜、次いで非晶質珪素膜を成膜し、該非晶質珪素膜表面をUV/オゾンにより〜10Å程度酸化して接触角を改善したものを用いた例を示す。尚、図9のモデルは、前記分圧とSPC後の触媒金属濃度との対応関係から推測したもので、縦軸の単位(ML)は(mono layer)即ち単分子層を意味している。
【0021】
材料を常圧あるいは減圧のチャンバ─に設置し、次いで触媒金属を含む蒸気あるいはガスを供給する。すると前記蒸気あるいはガスの分圧が低い場合には、試料表面にこれら分子がまだらに吸着して(A)の状態となる。これが被覆率が1に満たない単分子吸着層に相当する。この状態は図9に示される様に、前記蒸気あるいはガスの分圧の変動に敏感であり、それ故制御が困難である。
【0022】
ついで更に分圧を上げていくと、試料表面全体に均一に触媒金属を含む化合物が吸着する領域(B)となる。この領域が前述の完全な単分子吸着層(被覆率=1)に相当し、一般的にはALEウィンドウと呼ばれている。勿論全ての吸着の場合に図9の様になる訳ではなく、今回は試料表面をUV/オゾンにより〜10Å程度酸化して接触角を改善したことにより、このような吸着を起こりやすくしたのである。即ち、一度吸着した分子の上に次の分子が吸着するよりも、UV/オゾンにより形成された酸化膜上に吸着した方がエネルギ─の得が得られるために、領域(B)が比較的広い領域に渡って得られるのである。また、このような単分子層吸着を起こさせるには、分子の表面でのマイグレ─ションが必須となるため、ある程度の温度も必要である。
【0023】
しかしながら、前述の様な分圧制御及び温度制御だけではALEウィンドウが殆どない場合があり、この際には原料ガスの流速を非常に高めて、基板表面に単原子層以上吸着できない状況をつくり出す等の工夫が必要なこともある。このようにして得られた単分子層吸着領域は、基本的は一種の飽和領域であるために分圧の変動、成膜(吸着)時間の時間的変動等に対して鈍感であり、それ故にマ─ジンが大きくとれるという長所を有する。
【0024】
さらに分圧を上げていくと、飽和特性は破れ、既に吸着した分子上に次の分子が吸着し始める(C)。図9のモデルでは、更に分圧を上げた状況において、再び被覆率2のプラト─な領域(D)があるように示されている。しかしこれはあくまでもモデルであり、第2層以降は図9ほど綺麗にはプラト─な領域は得られない様である。これは、一様に吸着する場合と、更に縦に積み重なって吸着する場合とで、エネルギ─差が小さいためであると考えられる。よって、(D)でなく(B)の領域を用いる方がやはりプロセスマ─ジンが大きく、もし更に厚く堆積する必要のある場合(即ち触媒元素の添加量を高める必要がある場合)には、一度加熱等の吸着した化合物の分解工程を挟んで領域(B)を複数回繰り返す様にすれば良い。これは▲3▼の工程を兼用することができる。
【0025】
また上記吸着及び分解工程における雰囲気は減圧でもよいし、大気圧で行っても良い。減圧で行う場合にはLPCVDの如き構成の装置を流用すれば良く、また大気圧の場合にはAPCVD(常圧CVD)の如き装置を用いることが可能である。ただしこれらも温度と原料で決定されるものであり、吸着と再脱離が丁度バランスしてALEウィンドウが広くとれる領域を用いれば良いということになる。ただ一般的には減圧装置の使用はスル─プットおよびコストの面から望ましくなく、大気圧に近い領域でALEウィンドウが広くとれる様に原料及び温度を工夫することが望ましい。
【0026】
また▲3▼の工程中あるいは該工程後に堆積した触媒元素と非晶質珪素とを界面において反応させ、反応生成物を形成することは有用である。該生成物を予め形成しておくことにより、その後の熱結晶化工程における結晶化をより容易に行うことが可能である。この理由は明確ではないが、それら生成物が結晶核として作用したものと推測される。
【0027】
▲4▼の工程に関しては、チャンバーからいったん外部に取り出したのち、別の熱アニール装置においておこなってもよいが、チャンバー内で引き続きおこなってもよい。
【0028】
なお、▲4▼の工程の後に、レーザー等の強光を照射すると、固相成長によって完全に結晶化しなかった部分まで結晶化させることができ、より特性の良好な結晶性珪素を得ることができる。用いるべきレーザーに関しては、各種エキシマレーザーが利用しやすい。
【0029】
本発明においては、触媒元素としてニッケルを用いた場合に最も顕著な効果を得ることができるが、その他利用できる触媒元素の種類としては、好ましくはPd、Pt、Cu、Ag、Au、In、Sn、P、As、Sbを利用することができる。また、VIII族元素、IIIb、IVb、Vb元素から選ばれた一種または複数種類の元素を利用することもできる。
【0030】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例では、ガラス基板上の前面にわたり結晶性を有する珪素膜を形成する例を示す。図1を用いて、触媒元素(ここではニッケルを用いる)を導入し、結晶化する工程までを説明する。本実施例においては、基板としてコーニング7059ガラスを用いた。またその大きさは100mm×100mmとする。
【0031】
まず、基板11上に酸化珪素膜12をスパッタリング法やプラズマCVD法によって形成した。酸化珪素膜12の厚さは1000〜5000Å、例えば、2000Åとした。
【0032】
次に、非晶質珪素膜13をプラズマCVD法やLPCVD法によってアモルファス状のシリコン膜を100〜1500Å形成する。ここでは、プラズマCVD法によって非晶質珪素膜13を500Åの厚さに成膜した。(図1(A))
【0033】
そして、汚れ及び自然酸化膜を取り除くためにフッ酸処理を行い、基板を図2に示されるチャンバー201に設置した。ここで、チャンバー201について簡単に説明する。チャンバー201には外部からガスを導入するチューブと排気するチューブが接続されており、前者は2系統ある。第1は有機ニッケルガス・蒸気を導入する系統であり、第2はそのキャリヤガスである。第1の系統では、ベーパライザーから発生した有機ニッケルガス・蒸気(例えば、BMCPニッケル)を適当なガス(例えば、水素)によって搬送する。この際には有機ニッケルが配管内に凝結しないように、配管は適当な温度、好ましくはベーパライザーと同じ温度か、それよりも高い温度に保たれている必要がある。
【0034】
第1のガス系統からは有機ニッケルガス・蒸気が得られるが、その濃度を必要とする量に制御することは難しい。すなわち、蒸気圧はベーパライザーの温度によって決定されるからであり、温度のわずかの違いによって濃度が著しく変動するからである。そこで、第2のガス系統からキャリヤガス(例えば、アルゴン)を導入して、有機ニッケルガス・蒸気を希釈する。またこの希釈は、流速をコントロ─ルすることにも用いる。
【0035】
このようにして有機ニッケルガスもしくは蒸気はチャンバー201に導入される。チャンバー内にはペルチェ素子によりコントロ─ルされる基板温度制御機構204が設けられており、その上に基板を設置する。そして基板は材料に応じてALEウィンドウが最も大きくなるような温度に加熱される。今回は基板加熱の必要は無かったが、吸着量を制御するため基板温度を25℃に制御して行った。
【0036】
もちろん、チャンバー全体も有機ニッケルが凝結しない程度の温度に保つことが望まれる。
【0037】
本構成のチャンバーを用いたニッケル膜の堆積方法について述べる。まず、基板をセットする。そして、チャンバー内を適当な圧力まで排気する。本工程はそれほどの高真空を必要とされないので、1〜500mTorrの排気でも十分である。次に基板温度制御機構204に通電して、基板を25℃に制御する。
【0038】
この状態でV12を開けアルゴンを流し、チャンバ─内を所定の圧力にする。アルゴン流量は1SLMとし、反応圧力は今回は1×105 Paで行った。次に、所定の圧力及び温度で定常状態になったのを確認した後、触媒金属元素を含有する有機金属を導入する。今回は、BMCPニッケルを用い、その流量は100sccmとし、キャリアガスであるアルゴンと同時にV11を開けることにより表面に照射して、非晶質珪素膜表面に吸着せしめる。今回の条件においてBMCPニッケルの分圧は約3×103 Paで、単分子層吸着となる条件で行った。(図1(B))
【0039】
そして有機金属ガスの照射と同期して、触媒金属元素を含む有機金属分子が表面に吸着した非晶質珪素膜表面に対し、光源202から光を照射する。(図1(C))この光源はレ─ザ─光等でも良いし、他の光源例えばキセノンランプ、ハロゲンランプ、低圧及び高圧水銀ランプ等でも良い。これはあくまでも非晶質珪素膜表面における有機金属の分解をアシストするだけであり、その為それほど強い強度の光は必要ない。この光照射の意義について以下に説明する。
【0040】
非晶質珪素膜表面に前記有機ニッケル金属ガスが吸着した場合、チャンバ─内の平衡状態は基板が25℃における平衡状態であり、その後の加熱結晶化の際には平衡が破れその殆どが再脱離して気相に逃げてしまう。これは今回用いたBMCPニッケルが融点が低く、蒸気圧の高い材料であるために生じる問題であり、水溶性の塩を用いてバブリングにより輸送、吸着させた場合には起こらない問題である。そこで今回は吸着直後に光照射(特に紫外線照射)を行い吸着した分子を分解せしめ、これらを揮発性の低い化合物に変成せしめる工程が必要となるのである。ここで注意しなければならないのは、前記触媒金属を含む蒸気あるいはガスが光照射後も流れ続けていると、また新たに2層目の吸着過程が進行してしまうため、光照射と同期して前記蒸気あるいはガスのフロ─を止めることが必要なことである。
【0041】
光源として今回はキセノンランプを用い、シャッタ─203を用いてガスの照射停止と同期するようにした。すると、上記ガス照射及び光照射の1シ─ケンス毎に、ほぼ単原子層のNiを吸着させることができた。この様にして基板表面にはニッケル化合物膜14が形成される。(図1(D))
【0042】
その後、固相成長の工程に移る。固相成長工程は、ニッケル化合物膜を堆積したチャンバ─と同一チャンバ─内で行っても良い。しかしながら、一般的にはスル─プットが大きく低下してしまう(枚葉式であるため)ので、外部に取り出し、拡散炉等で行うことが妥当である。今回も別の縦型炉を用いることにする。チャンバー内のガスを人体に対して無害なガスに完全に置換する。そして、チャンバーを大気に開放し、基板を取り出す。その後の固相成長工程は従来の場合と同様である。
【0043】
固相成長時は基板を500〜650℃、例えば、コ─ニングの7059基板を用いた場合には550℃に加熱するように設定し、この状態で放置することによって、固相成長が進行する。基板としてコ─ニング1737基板を用いた場合には更に温度を上げることが可能で600℃程度での結晶化が可能となる。この様に温度を上げた場合にも、従来の触媒金属を添加した場合に比較して非常に短時間で結晶成長が可能(従来法で24時間程度が2時間程度に短縮される)となるため、十分なアドバンテ─ジを得ることができる。このようにして結晶化した珪素膜15を得ることができた。前述の通り、上記の加熱処理は450℃以上の温度で行うことができるが、温度が低いと加熱時間を長くしなけらばならず、生産効率が低下する。また、650℃程度以上とすると基板として用いるガラス基板の耐熱性の問題が表面化してしまう。熱アニール温度はこのように生産性と基板の耐熱性とを考慮して決定されなければならない。(図1(E))
【0044】
本実施例の様に、被覆率がほぼ1の単分子層吸着を用いた場合には、得られる結晶性珪素膜における粒径が揃っていることが特徴である。セコエッチを施し、粒径をAFM(セイコ─電子製 SPI−3000)の粒径評価のモ─ドで測定した。すると平均粒径は約0.5μmで、標準偏差(σ)は0.1μm以下であった。それに対し、領域Aの被覆率1以下の領域を用いたものを評価すると、平均粒径が約0.6μmであったのに対し、標準偏差(σ)が0.5μm以上とばらついていた。また、領域Cの多分子層吸着領域でも、平均粒径が0.3μm程度であるのに対し、標準偏差(σ)が0.3μm以上とやはりばらついており、被覆率1の単分子層吸着の有意性が明らかとなった。一般的に、多結晶珪素を用いたTFTの弱点として、チャネルを横切る粒界の数が素子毎で大きく異なり、それが素子特性のバラツキに直結するという現象が挙げられる。それに対し、本発明の被覆率1の単分子層吸着を用いた場合には、これらの粒界の数を揃えられるため、TFTの均一性を大幅に向上させることが可能である。
【0045】
〔実施例2〕
本実施例では、実施例1と同様の原料を用い、選択的に光照射を行って、該光照射が行われた領域のみにニッケルを添加する例を示す。図3を用いて、触媒元素(ここではニッケルを用いる)を導入し、結晶化する工程までを説明する。本実施例においても、基板としてコーニング1737ガラスを用いた。またその大きさは100mm×100mmとする。
【0046】
基板11上に非晶質珪素膜13を形成し、自然酸化膜除去後にチャンバ─101内に導入するまでは実施例1と同様であるため割愛する。
【0047】
次に選択的に光照射を行う部分について図3を用いながら説明する。チャンバー101内に基板11を設置後、実施例1と同様の操作により有機ニッケルガスを導入する。そして該有機ニッケルガスを導入し、吸着平衡に達するのを見計らって、アルゴンレ─ザ─105を基板表面に照射する。この照射に関しては、アルゴンレ─ザ─がCWレ─ザ─であるため、シャッタ─106を用いてパルスとなるように構成した。その後100秒程度キャリアガスのみを流し、チャンバ─内の雰囲気から有機ニッケルガスを排除する。そして次にまたガス及び光照射を行った。この様なシ─ケンスを10回程度繰り返すことにより、単原子層の厚み×シ─ケンスの回数分の厚さのニッケル層を厳密に形成することが可能であった。今回実施例1と異なり複数回繰り返し成膜したのは、横成長を十分に行わしめるためである。また、光を照射しなかった部分においては、表面での有機ニッケルの分解が殆ど起こらないため、単分子層が積層はされず、最終的にも単分子層のままである(有機ニッケルガスの分圧が単分子層吸着分以上に高くなることがないため)。そして最後にキャリアガスのみを流しながら、基板温度を上昇させることにより、残った単分子吸着層を完全に再脱離せしめて、光照射を行った部分の上にのみニッケル化合物を堆積せしめた。
【0048】
チャンバー内に基板温度制御機構104を設け、その上に試料107を置く構成は実施例1と同様である。もちろん、チャンバー全体も有機ニッケルが凝結しない程度の温度に保つことが望まれる。
【0049】
その後、固相成長の工程に移るわけであるが、本実施例においてはその基板温度と熱結晶化に必要な基板温度が大きく異なるため、同一チャンバー内で行うことはスループットの点から得策ではない。そこで基板を外部に取り出して固相成長工程に移る方法であるを採用することになる。その場合には、ヒーター104を切り、基板を冷却し、内部を窒素でパ─ジ後チャンバーを大気に開放し、基板を取り出す。その後の固相成長工程は実施例1とほぼ同様であるが、今回は横成長を行わせるために実施例1よりも温度を高め600℃とし(コ─ニング1737基板を使用しているため可能である)、その時間を4時間とした。
【0050】
結果として、光照射を行った領域のみに楕円状に結晶化が発生し、該領域から周囲に100μm程度の横成長領域が観測された。またそれ以上離れた領域には結晶化は殆ど観測されず、選択的にニッケルが添加できたことが確認された。
【0051】
〔実施例3〕
本実施例は、実施例1に示す方法でニッケルを非晶質珪素表面に形成後、連続してニッケルシリサイドを表面において形成させ、その後熱結晶化を施した例を示す。
【0052】
キセノンランプよって有機ニッケルを分解、堆積させるまでは実施例2と同様であるため省略する。
【0053】
その後、内部の残留ガスを追い出すためにV13を開けて、有機ニッケルを完全に排気し、その後窒素パ─ジを行う。そして窒素を流した状態でヒ─タ─204の温度を上げ、約450℃程度あるいはそれ以上とする。すると単原子層として吸着したニッケルと非晶質珪素からニッケルシリサイドが形成される。
【0054】
上記工程によってシリサイドを形成したものを、実施例2のシリサイド化を行っていないものと比較すると、シリサイド形成を行うことにより熱結晶化時に核発生密度が向上することが電子顕微鏡観察から判明した。
【0055】
〔実施例4〕
本実施例では、実施例1とは異なった原料及び方法を用いてガラス基板上の前面にわたり結晶性を有する珪素膜を形成する例を示す。図4を用いて、触媒元素(ここではニッケルを用いる)を導入し、結晶化する工程までを説明する。本実施例においては、基板としてコーニング7059ガラスを用いた。またその大きさは100mm×100mmとする。
【0056】
まず、基板11上に酸化珪素膜12をスパッタリング法やプラズマCVD法によって形成した。酸化珪素膜12の厚さは1000〜5000Å、例えば、2000Åとした。
【0057】
次に、非晶質珪素膜13をプラズマCVD法やLPCVD法によってアモルファス状のシリコン膜を100〜1500Å形成する。ここでは、プラズマCVD法によって非晶質珪素膜13を500Åの厚さに成膜した。(図4(A))
【0058】
そして、汚れ及び自然酸化膜を取り除くためにフッ酸処理を行い、基板を図10に示されるチャンバー600に設置した。ここで、チャンバー600について簡単に説明する。チャンバー600には外部からガスを導入するチューブと排気するチューブが接続されており、前者は3系統ある。第1はパ─ジ用のラインで、ガスとしては窒素あるいはアルゴン等が用いられる。第2のラインはニッケル蒸気を導入する系統であり、一定温度に保持されたベ─パライザ─601中にニッケル塩を溶解した水溶液602を入れ、キャリアガスをバブリングさせることによりチャンバ─600にニッケル塩を導入する機構となっている。第3のラインは水蒸気導入用で、第2のラインの分圧と第3のラインの分圧をコントロ─ルすることにより、吸着するニッケル化合物の濃度をより細かく制御できる。尚、前記第3のラインは必要に応じ省略しても良い。また、図示はされていないが、水蒸気が配管内に凝結しないように、配管は適当な温度(100℃以上)に保たれる様に構成されている。
【0059】
チャンバー600内にペルチェ素子によりコントロ─ルされる基板温度制御機構607が設けられていることは実施例1等と同様である。そしてその上に基板605を設置する。そして基板はALEウィンドウが最も大きくなるような温度に加熱される。今回も基板加熱の必要は無かったが、吸着量を制御するため基板温度を50℃に制御して行った。
【0060】
もちろん、チャンバー全体も水蒸気が凝結しない程度の温度に保つことが望まれる。
【0061】
本構成のチャンバーを用いたニッケル膜の堆積方法について述べる。まず、基板をセットする。そして、チャンバー内を適当な圧力まで排気する。本工程はそれほどの高真空を必要とされないので、1〜500mTorrの排気でも十分である。次に基板温度制御機構607に通電して、基板を50℃に制御する。
【0062】
この状態でライン606を通してアルゴンを流し、チャンバ─内を所定の圧力にする。アルゴン流量は1SLMとし、反応圧力は5×105 Paで行った。次に、所定の圧力及び温度で定常状態になったのを確認した後、ニッケル塩を含有する蒸気を導入する。今回は、硝酸ニッケル塩(6N)を用いて、1000ppmとなるように溶解した水溶液602を用いて導入した。また、ベ─パライザ─601及び604の温度とキャリアガス流量を調節して、ニッケルを含む水蒸気の分圧と、同含まない水蒸気の分圧が1対1となる条件で吸着を行った。この条件は被覆率が1に満たない領域であることが、後のSIMS分析から判明しており、更にニッケルを含む水蒸気の分圧を高めることにより被覆率1の状態を形成することが可能である。(図4(B))
【0063】
そして実施例1においては、この後にある意味で定着工程とも呼ぶべき光照射工程があったが、本実施例で用いている無機塩は高融点の不揮発性材料であるため、その様な工程は必要ない。
【0064】
その後、固相成長の工程に移る。以降の固相成長条件等は実施例1と同様であるため割愛する。(図4(C))
【0065】
〔実施例5〕
本実施例は、実施例1に示す作製方法において、1200Åの酸化珪素膜を選択的に設け、この酸化珪素膜をマスクとして選択的にニッケルを導入し、固相成長をおこなうことによって、横方向の結晶化をおこなう例である。図5に本実施例における作製工程の概略を示す。まず、ガラス基板(コーニング7059、10cm角)21上に、酸化珪素膜22を厚さ1000〜5000Åに形成した。さらに、プラズマCVD法もしくは減圧CVD法によって、非晶質珪素膜23を厚さ500〜1000Åに形成した。さらに、マスク膜となる酸化珪素膜24を1000Å以上、ここでは1200Åの厚さに、スパッタ法によって成膜した。この酸化珪素膜24の膜厚については、発明者等の実験によると500Åでも問題がないことを確認しているが、ピンホール等の存在によって、意図しない箇所にニッケルが導入されることを防ぐため、ここでは更に余裕を持たせた。(図5(A))
【0066】
そして通常のフォトリソパターニング工程によって、必要とするパターンに酸化珪素膜24をパーニングし、ニッケル導入のための窓25を形成した。このような加工をおこなった基板を、実施例1と同様にチャンバー101に設置し、有機ニッケルガスを用いて、その表面に適当な厚さのニッケル化合物膜26を堆積した。(図5(B))
【0067】
そして550℃(窒素雰囲気)、8時間の加熱処理を施すことにより、非晶質珪素膜23の結晶化をおこなった。この際、まず、ニッケル化合物膜が非晶質珪素膜と密着した部分27の領域において、結晶化が始まった。(図5(C))
【0068】
その後、結晶化は図中の矢印に示すようにその周囲へ進行し、マスク膜24で覆われた領域28でも結晶化がおこなわれた。(図5(D))
【0069】
このようにして、非晶質珪素膜の結晶化がおこなわれた。図5(E)に示すように、本実施例のごとき、横方向の結晶化をおこなった場合には、大きくわけて3つの性質の異なる領域が得られる。第1はニッケル化合物膜が非晶質珪素膜と密着していた領域で、図5(E)では27で示される領域である。この領域は、熱アニール工程の最初の段階で結晶化する。この領域をタテ成長領域と称する。この領域では、比較的ニッケル濃度が高く、また、結晶化の方向のそろっておらず、その結果、珪素の結晶性がそれほど優れないため、フッ酸その他の酸に対するエッチングレートが比較的大きい。
【0070】
第2は横方向の結晶化のおこなわれた領域で、図5(E)では28で示される。この領域をヨコ成長領域と称する。この領域は結晶化の方向がそろっており、ニッケル濃度も比較的低く、デバイスに用いるには好ましい領域である。第3は横方向の結晶化の及ばなかった非晶質領域である。
【0071】
〔実施例6〕
本実施例は、実施例2に示された選択的結晶成長方法を実施例5に応用した例である。まず大きく異なるのは酸化珪素膜よりなるマスクを形成する必要が全くないことである。図6に本実施例における作製工程の概略を示す。まず、ガラス基板(コーニング7059、10cm角)51上に、酸化珪素膜52を厚さ1000〜5000Åに形成した。さらに、プラズマCVD法もしくは減圧CVD法によって、非晶質珪素膜53を厚さ500〜1000Åに形成した。(図5(A))
【0072】
そして実施例1に用いたのとほぼ同様の構成を持つチャンバ─中に前記基板を設置し、実施例1に従い触媒金属元素(今回はニッケル)を含む有機金属54を非晶質珪素膜表面に吸着(分解を伴わない緩い吸着)せしめる。(図6(B))次にこれと同期して、ニッケルを添加したい領域のみに光照射を行う。(図6(C))これは次の様に行う。
【0073】
チャンバー内に設置された基板の上方に窓を設け、該窓には所定のパターンが形成されたレチクルを設置できるようにしてある。次にこの窓及びレチクルの上方からレーザーを照射し、レチクル上でマスクの無い領域のみに光照射をせしめる。ここでレーザーを用いるのは、通常のパターニングギャップよりもレチクルと基板とが離れているため、コヒーレントな光源を用いないと形成されるパターンが大幅にぼやけてしまうからである。勿論このパターニング精度を上げるためには、前記窓、レチクルと基板間の距離を小さくすることが望ましい。しかしながら基板は加熱された状態にあるため、このギャップをステッパー等と同等にすることは不可能であり、そのためこの方法は比較的大きなパターンを形成するのに適していると言える。結果として、光が照射された領域のみに単分子層のニッケル膜あるいはその化合物膜55を形成することが可能となった。勿論実施例2と同様に上記シーケンスを複数回繰り返してニッケル添加量を調節することは重要である。(図6(D))
【0074】
そして550℃(窒素雰囲気)、8時間の加熱処理を施すことにより、非晶質珪素膜53の結晶化をおこなった。この際、まず、ニッケル化合物膜が非晶質珪素膜と密着した部分56の領域において、結晶化が始まった。(図6(D))
【0075】
その後、結晶化は図中の矢印に示すようにその周囲へ進行し、結果としてニッケルが堆積しなかった領域57においても横成長による結晶化がおこなわれた。(図6(E))
【0076】
このようにして、非晶質珪素膜の結晶化がおこなわれた。図6(E)に示すように、本実施例のごとき、横方向の結晶化をおこなった場合には、大きくわけて3つの性質の異なる領域が得られる。第1はニッケル化合物膜が非晶質珪素膜と密着していた領域で、図6(E)では56で示される領域である。この領域は、熱アニール工程の最初の段階で結晶化する。この領域をタテ成長領域と称する。この領域では、比較的ニッケル濃度が高く、また、結晶化の方向のそろっておらず、その結果、珪素の結晶性がそれほど優れないため、フッ酸その他の酸に対するエッチングレートが比較的大きい。
【0077】
第2は横方向の結晶化のおこなわれた領域で、図6(E)では57で示される。この領域をヨコ成長領域と称する。この領域は結晶化の方向がそろっており、ニッケル濃度も比較的低く、デバイスに用いるには好ましい領域である。第3は横方向の結晶化の及ばなかった非晶質領域53である。
【0078】
〔実施例7〕
本実施例は、本発明の方法を利用して作製した結晶性珪素膜を用いて、薄膜トランジスタ(TFT)を作製する例を示す。図7に本実施例の作製工程の概要を示す。まずガラス基板301上に下地の酸化珪素膜302を2000Åの厚さに成膜した。この酸化珪素膜302は、ガラス基板からの不純物の拡散を防ぐために設けられる。そして、非晶質珪素膜を実施例1と同様な方法で500Åの厚さに成膜した。(図7(A))
【0079】
そして,実施例4と同様に硝酸ニッケル膜304を非晶質珪素膜表面に実施例4と同様の手法により単分子層吸着せしめた。(図7(B))
【0080】
その後、550℃で4時間の熱アニールをおこなうことによって、非晶質珪素膜303を結晶化させ、結晶性珪素膜305とした。そして、これにKrFエキシマーレーザー光(波長248nm)を照射し、さらに、結晶化を向上せしめた。レーザーのエネルギー密度は300〜400mJ/cm2 が好ましかった。このように、固相成長による結晶化に加えて、レーザー光を照射して、さらに結晶性を高めるのは、実施例5においても述べたが、ニッケル化合物膜と非晶質珪素が密着した部分では結晶化の方向がそろっておらず、かつ今回のニッケル添加で得られる結晶が針状晶であるために固相成長のみでは十分に結晶化できない領域が形成されてしまうためである。特に、結晶粒界には多くの非晶質の残存物が観察された。そこで、レーザー照射をおこなうことによって、このような結晶粒界の非晶質成分まで完全に結晶化させてしまうことが望まれるのである。(図7(C))
【0081】
次に、結晶化した珪素膜をパターニングして、島状の領域306を形成した。この島状の領域306はTFTの活性層を構成する。そして、プラズマCVD法によって厚さ200〜1500Å、ここでは1000Åの酸化珪素膜307を堆積した。この酸化珪素膜はゲイト絶縁膜としても機能する。(図7(D))
【0082】
上記酸化珪素膜307の作製には注意が必要である。ここでは、TEOSを原料とし、酸素とともに基板温度150〜600℃、好ましくは300〜450℃で、RFプラズマCVD法で分解・堆積した。TEOSと酸素の圧力比は1:1〜1:3、また、圧力は0.05〜0.5torr、RFパワーは100〜250Wとした。あるいはTEOSを原料としてオゾンガスとともに減圧CVD法もしくは常圧CVD法によって、基板温度を350〜600℃、好ましくは400〜550℃として形成した。成膜後、酸素もしくはオゾンの雰囲気で400〜600℃で30〜60分アニールしてもよい。
【0083】
その後、厚さ2000Å〜1μmの燐のドープされた多結晶珪素膜を減圧CVD法によって形成して、これをパターニングし、ゲイト電極308を形成した。その後、イオンドーピング法(プラズマドーピング法ともいう)によって、TFTの島状シリコン膜中に、ゲイト電極をマスクとして自己整合的に不純物(燐)を注入した。ドーピングガスとしてはフォスフィン(PH3 )を用いた。ドーズ量は、1×1014〜4×1015cm-2とした。こうして、N型不純物(燐)領域309、310を形成した。(図7(E))
【0084】
その後、全面に層間絶縁物311として、TEOSを原料として、これと酸素とのプラズマCVD法、もしくはオゾンとの減圧CVD法あるいは常圧CVD法によって酸化珪素膜を厚さ3000〜8000Å形成した。基板温度は250〜450℃、例えば、350℃とした。成膜後、表面の平坦性を得るため、この酸化珪素膜を機械的に研磨したり、エッチバック方式による平坦化をおこなってもよい。そして、層間絶縁物311をエッチングして、TFTのソース/ドレインにコンタクトホールを形成し、クロムもしくは窒化チタンの配線・電極312、313を形成した。
【0085】
最後に、水素中で300〜400℃で0.1〜2時間アニールして、シリコンの水素化を完了する。このようにして、TFTが完成した。同時に多数のTFTを作製し、マトリクス状に配列せしめてアクティブマトリクス型液晶表示装置等の集積回路としてもよい。(図7(F))
【0086】
〔実施例7〕
本実施例はTFTを作製する工程に関する。図8に本実施例の作製工程の概要を示す。まずガラス基板401上に下地の酸化珪素膜402を2000Å、さらにその上に非晶質珪素膜403を500Åの厚さにそれぞれ成膜した。そして、マスク膜404に選択的に窓404を開けた。(図8(A))
【0087】
そして,実施例4と同様の手法により硝酸ニッケル膜406を実施例4と同様の手法により形成する。尚、吸着をより容易せしめるべく、非晶質珪素膜表面には薄く酸化膜層をオゾン処理によって形成しておいた(図示せず)。(図8(B))
【0088】
その後、550℃で8時間の熱アニールをおこなうことによって、非晶質珪素膜403を図の矢印の示すように横方向に結晶化させ、タテ成長領域408とヨコ成長領域409を形成した。この工程で結晶化しなかった領域は非晶質領域410のままであった。(図8(C))
【0089】
本実施例のように横方向の結晶化ではヨコ成長領域の結晶性が良好であるので実施例6のようにその後にレーザー光等を照射して結晶性を高めなくとも、TFTを作製するとは可能であるため、本実施例ではレーザー光の照射はおこなわなかった。しかし、レーザー光を照射するとより特性の良いTFTが得られる。
【0090】
次に、結晶化した珪素膜をパターニングして、島状の領域411を形成した。この島状の領域411はTFTの活性層を構成する。図からも分かるが、この島状領域411には、タテ成長の領域408とヨコ成長の領域409、非晶質の領域410が含まれている。そして、本実施例ではTFTのチャネル領域がヨコ成長領域409となるようにした。これは、チャネル領域がTFTの特性を左右する重要な部分であるためである。
【0091】
その後、酸化珪素膜412を堆積した。この酸化珪素膜はゲイト絶縁膜としても機能する。引き続き、厚さ2000Å〜1μmのアルミニウム膜をスパッタ法によって形成して、これをパターニングし、ゲイト電極413を形成した。アルミニウムにはスカンジウム(Sc)を0.15〜0.2重量%ドーピングしておいてもよい。そして、基板をpH≒7、1〜3%の酒石酸のエチレングリコール溶液に浸し、白金を陰極、このアルミニウムのゲイト電極を陽極として、陽極酸化をおこなった。陽極酸化は、最初一定電流で220Vまで電圧を上げ、その状態で1時間保持して終了させた。本実施例では定電流状態では、電圧の上昇速度は2〜5V/分が適当である。この結果、厚さ1500〜3500Å、例えば、2000Åの陽極酸化物414がゲイト電極413の上面および側面に形成された。(図8(D))
【0092】
その後、イオンドーピング法(プラズマドーピング法ともいう)によって、各TFTの島状シリコン膜中に、ゲイト電極部をマスクとして自己整合的に不純物(燐)を注入した。ドーピングガスとしてはフォスフィン(PH3 )を用いた。ドーズ量は、1×1014〜4×1015cm-2とした。このドーピング工程においては、陽極酸化物414が存在するため、不純物領域415、416とゲート電極が重ならないで、離れている、いわゆるオフセット状態となっている。
【0093】
その後、KrFエキシマーレーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を照射して、上記不純物領域の導入によって結晶性の劣化した部分の結晶性を改善させた。レーザーのエネルギー密度は150〜400mJ/cm2 、好ましくは200〜250mJ/cm2 であった。こうして、N型不純物(燐)領域415、416を形成した。これらの領域のシート抵抗は200〜800Ω/□であった。このレーザー照射の工程によって島状珪素領域411のうち、非晶質の領域410も結晶化された。(図8(E))
【0094】
その後、全面に酸化珪素膜417を厚さ5000Å堆積した。その後、酸化珪素膜417を緩衝フッ酸溶液にてエッチングして、TFTのソース/ドレインにコンタクトホールを形成し、窒化チタンとアルミニウムの多層膜の配線・電極418、419を形成した。なお、コンタクトホールのエッチングの工程においては、島状珪素領域のうち、タテ成長の領域はヨコ成長の領域や非晶質だった領域よりもエッチングレートが高いため、図に示すような深くエッチングされた領域420が生じた。このことからも明らかなように、コンタクトホール全体がタテ成長領域に含まれるようになると、コンタクト不良が生じる危険が強いため、コンタクトホールはタテ成長以外の領域にもかかるように設計することが望まれる。このようにして、TFTが完成した。(図8(F))
【0095】
【効果】
非晶質珪素膜の結晶化を促進する触媒元素の導入方法として、該触媒元素を含有する蒸気、ガスを用い、これらを非晶質珪素膜表面に直接あるいは極薄酸化膜を介して吸着せしめることにより触媒元素の濃度を精密に制御して、しかも均一に添加できるようになり、結晶性の均一性を高めることができた。特に吸着過程において単分子層吸着を用いることにより、均一性、制御性、及び再現性を特に高めることが可能である。その結果、結晶性珪素膜を用いた信頼性の高い電子デバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による単原子層吸着の工程図
【図2】 本発明の単分子層吸着工程に用いる装置図
【図3】 本発明の単分子層吸着工程に用いる装置図
【図4】 本発明による単原子層吸着の工程図
【図5】 本発明を用いた結晶成長法の工程図
【図6】 本発明を用いた結晶成長法の工程図
【図7】 本発明をTFT製造工程に応用した場合の工程図
【図8】 本発明をTFT製造工程に応用した場合の工程図
【図9】 本発明の吸着過程のモデル図
【図10】本発明の単分子層吸着工程に用いる装置図
【符号の説明】
11・・・・ガラス基板
12・・・・酸化珪素膜
13・・・・非晶質珪素膜
14・・・・ニッケル化合物吸着層
15・・・・ニッケルあるいはニッケル化合物層
16・・・・結晶性珪素膜

Claims (5)

  1. 非晶質珪素膜が形成された基板をチャンバー内に配置し、
    前記チャンバー内に非晶質珪素膜の結晶化を助長する触媒元素を有する有機金属の蒸気もしくはガスを導入し、
    前記非晶質珪素膜表面に単分子吸着層を形成し、
    前記非晶質珪素膜表面に形成した前記単分子吸着層に対して光を作用させて分解した後、加熱処理することによって前記非晶質珪素膜を結晶化させることを特徴とする結晶性半導体作製方法。
  2. 基板上に非晶質珪素膜を作製し、
    前記非晶質珪素膜上に選択的にマスク膜を形成し、
    前記基板をチャンバー内に配置し、
    前記チャンバー内に非晶質珪素膜の結晶化を助長する触媒元素を有する有機金属の蒸気もしくはガスを導入し、
    前記非晶質珪素膜表面に単分子吸着層を形成し、
    前記非晶質珪素膜表面に形成した前記単分子吸着層に対して光を作用させて分解した後、加熱処理することによって前記非晶質珪素膜を結晶化させることを特徴とする結晶性半導体作製方法。
  3. 非晶質珪素膜が形成された基板をチャンバー内に配置し、
    前記チャンバー内に設置された基板の上方に、所定のパターンが形成されたレチクルを配置した窓を前記チャンバーに設け、
    前記チャンバー内に非晶質珪素膜の結晶化を助長する触媒元素を有する有機金属の蒸気もしくはガスを導入し、
    前記非晶質珪素膜表面に単分子吸着層を形成し、
    前記単分子吸着層に対して前記窓及びレチクルの上方からレーザーを照射することによって、前記単分子吸着層を分解した後、加熱処理することによって前記非晶質珪素膜を結晶化させることを特徴とする結晶性半導体作製方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、前記非晶質珪素膜上に10nm以下の酸化膜を形成することを特徴とする結晶性半導体作製方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一において、前記触媒元素はNi、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、In、Sn、P、As、Sbから選ばれた一種または複数種類の元素であることを特徴とする結晶性半導体作製方法。
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