JP3888110B2 - 光ハンダ方法および光ハンダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は光ハンダ方法、および光ハンダ装置に関し、特に、通信用光ファイバーの外表面に対するハンダによる封止に関する。
【0002】
最近、光ファイバーを使った高速通信網が発達してきており、長距離にわたってファイバーを敷く場合などにおいて、ファイバーによる光減衰を補うなどの理由により、ファイバー同志の間には光アンプなどが使われ、その接続には光コネクタが用いられる。
【0003】
図5に光コネクタの構造を示す。光ファイバー50はファイバーコア51とその周囲を覆う絶縁被覆52より構成され、図に示すように光コネクタ53側の端部は絶縁被覆52が剥ぎ取られ、ファイバーコア51が露出した状態になっている。
ファイバーコア51は、ファイバーコア51の外径とほぼ等しい内径を有する支持部材54によって貫通支持されており、この支持部材54が光コネクタ53と接続することで両者は正確な位置精度をもって接続される。光コネクタ53の内部には光センサ55が配置されており、ファイバーの先端はこのセンサ55に対して位置精度が要求される。センサ55で受光された光は処理部57に導かれる。また、光コネクタ53の内部空間には、センサの感度低下という理由からゴミや不純物などが存在してはならず、このため、光コネクタ53と支持部材54は隙間を有することなく密着して構成される。
そして、ファイバーコア51の外表面にはハンダ56が付着されている。これは、矢印に示すように、絶縁被膜52と支持部材54の境界からゴミや不純物が進入して、ファイバーコア51の外面と支持部材54の貫通孔内面との間に生じる微小空隙からゴミや不純物が進入しないようにするためのものである。
【0004】
このようにファイバーコア51(以下、便宜上、単に「ファイバー」あるいは「光ファイバー」とも称する)は、支持部材54との間に空隙を生じさせないために、ハンダによる気密封止が必要となる。
なお、光コネクター内部への不純物の進入防止なら、ハンダによらず、他の手段、例えば、シリコン剤の充填などが考えられるが、光コネクターは数十年、あるいは百年以上という長期間にわたり安定して機能することが要求される。特に、海底に光ファイバー網が設置される場合もあり、半永久的に接着部分の損傷が発生しないということが絶対的に必要となる。このような意味において、ハンダによる封止が最適な構造を提供することができる。
このような技術を開示したものに、例えば、特開平4−152307号などがある。
【0005】
従来からファイバーコア51と支持部材54のハンダによる封止は、高周波を用いた誘導加熱方式により行われていた。これは、ファイバーコアの直径がφ0.1mm程度と極めて細いため、強度や位置固定等の理由により、ハンダごてを使った接触式のハンダによる封止ができないからである。
図6に、この高周波誘導加熱方式によるハンダによる封止装置の概略構造を示している。
高周波コイル60は、ファイバー支持部材54、ファイバーコア51と同心円上に配置されており、その間に誘導加熱可能なガラス隔壁61が設けられる。これにより、ハンダによる封止領域を不活性ガスで満すことができる。また、ファイバー支持部材54の上面にはリング状のハンダ(Au基ハンダ)56がその中心孔をファイバーコア51が貫通するように配置されている。
そして、この状態において高周波コイル60を通電することにより、誘導加熱により、リング状のAu基ハンダを溶融してハンダによる封止を行うものである。なお、ファイバー支持部材54にはファイバーコア51を通すための貫通孔が設けられており、また、両者の不所望な反応の発生進行を防止するために、通常はファイバーコア51に金メッキ58(蒸着でもよい)が予め施されている。
【0006】
しかしながら、この誘導加熱方式は以下の問題があった。
▲1▼.高周波コイル60を通電することのよる誘導加熱は、ファイバー支持部材54を加熱して、その伝熱を利用して上部に設置したハンダを溶融するものであるが、ハンダを溶融するための温度制御が困難であり、また、ハンダの溶融に時間がかかる。
▲2▼.また、前記のようにファイバー支持部材54とファイバーコア51には、予め金メッキ58が施されているが、基体金属を露出させないという観点からその厚さは1μm以上を必要としている。しかしながら、ファイバーコア51は、ファイバー支持部材54の中心孔を貫通して配置しているため、このような厚い金メッキが必要となれば、両者の隙間を大きく設ける必要があり、このためハンダ溶融時にファイバーコア51をファイバー支持部材54の同心円中心部に正確に位置できないという問題を生じる。この場合、光コネクターとして見れば光センサとの位置関係に問題を生じることになる。
また、このような金メッキをすることは、金そのものの使用量を多くしてしまい、コストアップの要因にもなってしまう。
【0007】
一方、ハンダ付け技術として、高周波コイルを使った誘導加熱方式ではなく、光ビームによる方法も存在する。
この光ビームによるハンダ接合は、電子部品のリード部相互間やリードとプリント基板のハンダ接合に広く利用されている。具体的には、特許第2624411号に開示されるように、キセノンランプやYAGレーザからの放射光をハンダによる封止箇所に予め配置されたハンダに照射するものである。
【0008】
この光ハンダ装置には、一般に安価なクリームハンダが使われていた。ここで、「クリームハンダ」とは錫、鉛などの材料にフラックスやその他の不純物を混ぜてクリーム状の形態としたものであり、ハンダ接合すべき基板に予め形成されている酸化膜をハンダ処理時に剥離するとともに、ハンダ処理中においても酸化膜を発生させないという大きな利点を有している。
このクリームハンダは注射器のようなディスペンサーから一定量を予め照射領域に供給して塗布した後、光照射によってハンダ接合が行われる。
【0009】
しかしながら、このような光ハンダ接合は、腐食という問題に対してあまりシビアではない電子部品の接合には有効な方法かもしれないが、本発明が対象とする光コネクタ用ファイバーコアのハンダ接合は必ずしも適していないことが判明した。
その理由は、クリームハンダに含まれるフラックスがハンダとともにファイバーコアに残存してしまい、このフラックスによる腐食が10年以上というレベルで耐久性、信頼性が求められる光コネクターにとって致命的な問題となるからである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、光コネクターにおけるファイバーコアへのハンダ接合において、従来行われていた高周波誘導加熱方式ではなく光照射をいう方法によりハンダ接合を行うとともに、当該用途に適したハンダ処理を可能とする画期的な光ハンダ方法及び光ハンダ装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の光ハンダ方法は、光照射によりファイバー外表面に対してハンダによる封止を行う方法において、以下の工程からなることを特徴とする。
▲1▼.ハンダによる封止領域を形成するケーシング内部を不活性ガスまたは還元性ガス雰囲気にする工程
▲2▼.このケーシング内に加熱対象のファイバ−を固定する工程
▲3▼.このファイバーに対して光を照射する工程
▲4▼.ケーシング内部に先端が位置するハンダフィーダから、糸状のハンダを供給する工程
▲5▼.この供給されたハンダに光が照射されることで当該ファイバーの外表面にハンダによる封止を行う工程
【0012】
さらに、前記工程に加えて、前記▲3▼のファイバーに対して光を照射する工程の前に、ファイバーを急速加熱する工程、および、ファイバーに対する光照射中、あるいは照射後において、当該記急速加熱する工程を停止させる工程を有することを特徴とする。
さらに、前記急速加熱する工程を停止させた後に、ファイバーに対して急速冷却する工程を有することを特徴とする。
【0013】
この発明の光ハンダ装置は、光照射によりファイバー外表面に対して半田付けを行う装置において、半田付け領域を形成するとともにファイバ−を支持するファイバー固定部と、このファイバー固定部の半田付け領域を覆うケーシングと、このケーシング内に不活性ガスまたは還元性ガスを充填する手段と、先端から半田を供給するとともに当該先端がケーシング内に位置する半田フィーダを有することを特徴とする。
【0014】
前記固定されたファイバーに対して、前記光照射とは別に、当該ファイバーを急速加熱するヒータ部材を有することを特徴とする。
さらに、前記固定されたファイバーに対して、当該ファイバーを急速冷却する手段を有することを特徴とする。
また、前記ハンダは、Au基のフラックスレス共晶型合金糸半田であることを特徴とする。
【0015】
この発明の特徴は、第一に、ハンダによる封止領域を覆うケーシングを設けて、不活性ガス等によって、このケーシング内部を与圧することである。これにより、照射領域の酸素濃度を低減できるとともに、このケーシング内に糸半田フィーダの先端を収納させることで、照射処理時に必要な量だけを調整して供給できる構造としている。
このため、高周波加熱によるハンダに比べて温度制御が容易であり、また、加熱時間を大きく短縮させることができる。さらには、ハンダはフラックスを含まない、例えば、Au基ハンダを使うことができ、窒素ガスで照射領域を覆うとともに、当該領域に必要な量だけハンダを供給するので酸化の問題を良好に改善することができる。
第二に、ハンダによる封止時にファイバーコアに対する急速加熱処理をするので、支持部材やファイバーの昇温時間を極力短くすることができる。また、光照射中または光照射直後にこのヒータ部材を支持部材から切り離し、かつ、熱伝導率の放熱部材を支持部材に接触させることで降温時間も極力短くすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明に係る光ハンダ装置の一実施例を示す。
光ハンダ装置の全体構成は光照射部1、糸ハンダフィーダ2、ケーシング3より構成される。光照射部1には光源としてキセノンランプやYAGレーザが内蔵されており、この光源からの放射光が反射ミラーなどの光学素子を介して光照射部1から出射される。光照射部1は、外部に光源を配置して光ファイバーで導光することもできるが、この実施例のように光源を内蔵することで高いエネルギー効率を得ることができる。
なお、より好ましくは光源として、ウシオ電機製のミラー一体型キセノンランプを採用することができる。このランプを内蔵することで例えば300Wのランプ入力に対して最大約30W(変換効率10%)の照射エネルギーを得ることができ、ランプが極めて小型であるため光照射部全体も小型にすることができる。このミラー一体型キセノンランプそのものについては、例えば、特許第3158873号、特許第2823800号、特許第3183145号、特許第3183151号などがある。
また、光照射部1の中にはシャッターが設けられ、ランプの点灯とは別にシャッターの開閉により、光照射部1から放射を制御する。
【0017】
糸ハンダフィーダ2は、先端供給部21がケーシング3内に位置しており、ハンダによる封止部にハンダを供給する。この先端供給部21からは、例えば、外径φ0.2mm程度の糸状のハンダが迅速に供給される。なお、糸ハンダフィーダ2全体がケーシング3内に位置してもかまわないが、少なくとも先端供給部21はケーシング3内に位置する必要がある。
ここで、本発明の光ハンダはハンダ供給手段として糸ハンダフィーダを使う点に特徴を有している。これは、ハンダに対してのみ直接光照射するのではなく、その前に予めファイバー支持部材やその他の部材を予熱照射することができ、この予熱照射を終えた後でハンダフィーダから必要量のハンダを供給するものである。この点、図6で示した高周波誘導加熱方式に用いていたリング状のハンダを使う場合には、予めハンダの周囲の部位を加熱することが不可能になり、つまり、予備加熱ができないということになる。
一例をあげると、フィーダ2からは、例えば、φ0.2mmのAu-Snハンダが0.1mmピッチで、ハンダの溶け具合に応じて少しずつ供給され、トータル量で0.7mm供給されます。つまり、ハンダを溶かしながら少しずつ供給する。
【0018】
ケーシング3は、例えば、アルミなどの金属とガスシールのためのゴムパッキンなど よりなり全体が箱型の形状をしている。ケーシング3の内部は不活性ガス雰囲気あるいは還元性ガス雰囲気とされており、ケーシング3の側壁の一部には、このようなガスを供給するための供給口32が設けられている。ケーシング3の下部は架台構造物31となっており、その一部には下方からファイバー支持部材54が挿入できるように開口を設けた構造となっている。ここで、ファイバー支持部材54の外径は、例えば、φ0.8mm程度であり、上記架台構造物31に設けられた開口は、例えば外径に対して公差+0.1mm以下程度の大きさのものであり、その隙間はケーシング内部を低酸素状態に維持できる程度の大きさである。架台構造物31からはファイバーコア51の絶縁被覆52が伸び出している。
なお、不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどを採用することができ、還元性ガスとしては、例えば、窒素ガスに微量の水素ガスを混合したガスなどを採用することができる。
【0019】
ファイバー支持部材54は、例えば、固定部材41上に固定されて昇降機構などによってケーシング3内の所定位置にファイバーコア51が位置するように設定される。なお、ファイバー支持部材54とファイバーコア51との関係は図5に示したとおりである。ここで、ファイバー支持部材54は、例えばコバールからなるものであり、耐熱性、耐腐食性を有するものである。
【0020】
ファイバーコア51は、例えば、φ50μmのものであって、ハンダによる封止される外表面には、予めハンダと同じ材料の金属がメッキされている。これは、ハンダとの接合を容易にするためであり、一般的に行われていることである。
また、ハンダには、フラックスを含有しないハンダ材料が必要となる。この理由は、前記のとおり、ハンダによる封止後においてフラックスから生じる腐食が光コネクターという用途には致命的となるからである。そして、フラックス以外にも不純物などを含まないことが同様の理由から望ましい。そして、本発明では高融点、耐腐食性に優れているという点から金(Au)を主成分とするハンダが最も適しており、Snなどと合金を形成する場合には共晶状態にすることが低融点という点で効果的である。
【0021】
ケーシング3の内部には、急速加熱機構42と急速冷却機構43を有している。これらは図示略の制御機構、あるいはケーシング外部からの制御信号を受けて、図に示す矢印の方向に瞬時に移動するものであり、この移動によりファイバー支持部材54と接触をする。
【0022】
図2は、急速加熱機構42をファイバー支持部材54に接触するように移動させた状態図を示す。これは、ファイバー支持部材54やファイバーコア51を予め予熱するものであり、この状態では、まだ、ハンダは供給されていない。
急速加熱装置42は、ヒータを内蔵した発熱体であり、例えば350〜450℃まで発熱をする。発熱の機構は、例えば、電熱線を利用したもの、高周波加熱プレート、セラミックヒータを使うことができる。
なお、予備加熱には、光照射部1からの照射をさらに加えることでより効果的に行うこともできる。
【0023】
図3は、急速冷却機構43をファイバー支持部材54に接触するように異動させた状態図出を示す。これは、光照射中あるいは照射後において接合部を急速に冷却するためのものであり、ファイバーコア51の周囲にはハンダ56が存在する。
急速冷却装置43は、伝熱性の良い部材、例えば、銅やアルミニウム、あるいはそれらの合金からなる金属部材であり、ファイバー支持部材54に接触することで急速に放熱することを可能とする。
【0024】
ここで、本発明の光ハンダ方法、および光ハンダ装置は、フラックスを使わないハンダ、例えば、Au基ハンダを使うのでハンダ処理後のフラックスによる腐食という問題を良好に解決することができる。さらに、不活性ガスや還元性ガス雰囲気で処理をすることで、ハンダ処理時の高温に対して酸化発生を良好に抑えることもできる。
このような急速加熱機構や急速冷却機構を採用することで、きわめて良好にハンダによる封止をすることが可能となり、例えば、ファイバーコア51に予め必要とする金メッキは、例えば0.2μm程度となり、その使用量は極めて薄くなる。このことは、金の使用量が減少するだけでなく、ファイバー支持部材とファイバーコアの位置合わせ精度を格段に向上させることができる。
【0025】
次に、この光ハンダ装置の動作を説明する。
図4は、ハンダによる封止作業のフローシーケンスを示す。
(ア)まず、ケーシング3内に不活性ガスあるいは還元性ガスを供給して、ケーシング3内を当該ガス雰囲気とする。
(イ)次に、架台構造物31に設けられた開口部からファイバー支持部材54を上昇挿入させて、ファイバーコア51が所定の照射領域に達すると固定構造物41によって位置固定を行う。
(ウ)次に、急速加熱機構42をファイバー支持部材54に接触させて、ファイバー支持部材54とファイバーコア51を予備加熱する。この加熱により、ファイバーコア51は、
約300℃の高温にまで昇温される。なお、急速加熱装置42自体は、事前に稼動させて自身を所定の高温状態に保持させておく(コ)。
(エ)次に、ケーシング内部の酸素濃度が所定濃度以下であることと、ファイバー支持部材54が所定温度まで予備加熱されたことを確認する。
(オ)そして、光照射部1から光を放射させる。ランプを事前に点灯させておき、シャッターを開くことで光を放射させる。また、急速加熱機構をファイバー支持部材から離れるように退避させる。
【0026】
(カ)次に、糸ハンダフィーダから所定量のハンダを照射領域に送り込む。なお、急速加熱機構は、光照射を開始した直後の少しの間は、ファイバー支持部材との接触を維持しておきてもかまわない。そして、このとき、急速加熱機構52の発熱量を大きくするように作動させることでハンダの溶融時間をより短縮化させることができる。
(キ)そして、光照射を停止させる。なお、照射時間は、例えば約2秒程度である。
(ク)この後、急速冷却機構43をファイバー支持部材54で接触させる。なお、この接触は、光照射中であってもかまわないし照射停止後であってもかまわない。ただし、照射終了後の場合は直後に接触させる必要がある。これにより、ファイバー支持部材54の降温時間を短縮させることができる。
(ケ)そして、最後にファイバー支持部材54をケーシングから降下させて、あるいはケーシングを外すことでファイバーコア51を取り出し。
以上の流れにより、1つのファイバーコアに対するハンダによる封止が完了して、続けてハンダ処理を行う場合には、この流れを繰り返すことになる。
この一つの流れは、概ね20秒ぐらいの時間を要し、従来の高周波誘導コイルで行う場合の約1分に比して大きく短縮されている。
【0027】
ここで、急速冷却機構について補足説明をする。
例えば、ハンダ材料として金(Au)と錫(Sn)の合金を使用した場合、この急速冷却機構が存在しない場合を考えると、ハンダによる封止作業中において、ファイバー側にメッキしていた金が溶食を起こし、この溶食した金がハンダの中に混入することで金の濃度が相対的にあがり、Au−Snハンダの共晶条件が外れてしまう。ここで、「共晶」とは合金において融点が最も低くなる混合割合で成立する状態をいうが、共晶条件から外れることでハンダの融点が下がるため、さらなる高温加熱、加熱時間の増大が必要となり、このことは金メッキをさらに溶食させることにもつながるため悪条件を繰り返すことになる。
このような状態を防止するためには、ハンダを溶融するためには急速にハンダを加熱する必要があるが、一度、溶融したならば急速に冷却させることで、ファイバにメッキされた金の溶食を低減する必要がある。
【0028】
本発明の光ハンダ方法、および光ハンダ装置は、以下の特徴を有する。
▲1▼.第一に、光照射によるハンダによる封止を行うことで、直接、ハンダを加熱することができるため、従来の高周波誘導コイルを使った場合に比べて、温度制御が容易であり、ハンダの溶融時間も大幅に短縮させることができる。
具体例をあげると、図6で示した従来の高周波誘導加熱方式が10〜20秒要するところ、本発明の光照射方式では2〜3秒で処理が完了している。
▲2▼.第二に、フラックスを含まないハンダを使うことで、ハンダによる封止後において、当該接合部分から腐食の発生を良好に防止することができる。このことは高信頼性、耐腐食性が強く要求される光コネクターのファイバーコアのハンダによる封止においては極めて有用なことである。
さらに、フラックスは含まないが、ハンダによる封止領域を不活性ガス雰囲気等に形成させることでハンダによる封止時における酸化発生の問題も良好に防止することができる。
▲3▼.第三に、急速加熱機構を設けることで、光照射直前にはハンダを予め予熱させることができ作業時間を大きく短縮させることができ、また、急速冷却機構を設けることで、光照射中や光照射後においてハンダを急速に冷却させることで作業時間の短縮とメッキの溶食に伴う問題の発生を良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光ハンダ装置を示す。
【図2】この発明の光ハンダ装置を示す。
【図3】この発明の光ハンダ装置を示す。
【図4】この発明の光ハンダ方法のシーケンスフローを示す。
【図5】ファイバーコアのハンダによる封止の状態を示す。
【図6】従来の高周波誘導加熱方式のハンダ装置を示す。
【符号の説明】
1 光照射部
2 糸ハンダフィーダ
3 ケーシング
4 ファーバー支持部材

Claims (2)

  1. 金メッキが施されたファイバーコアとファイバー支持部材とよりなるファイバーに対し、光照射によりファイバーコアとファイバー支持部材とをフラックスレスのハンダによって封止を行う光ハンダ方法において、
    1.ハンダによる封止領域を形成するケーシング内部を不活性ガスまたは還元性ガス雰囲気にする工程と、
    2.このケーシング内に加熱対象のファイバーを固定する工程と、
    3.ヒータ部材をファイバー支持部材に接触させてファイバーコアおよびファイバー支持部材を急速加熱する工程と、
    4.3の工程の後に、ファイバーに対して光を照射する工程と、
    5.ケーシング内部に先端が位置するハンダフィーダから、Au基共晶型合金糸ハンダを供給する工程と、
    6.この供給されたハンダに光が照射されることで、ファイバーコアとファイバー支持部材とのハンダによる封止を行う工程と、
    7.6の工程中若しくは6の工程の後に、3の工程を終了すると共に金属部材をファイバー支持部材に接触させてファイバーコアおよびファイバー支持部材を急速冷却する工程と、
    からなることを特徴とする光ハンダ方法。
  2. 金メッキが施されたファイバーコアとファイバー支持部材とよりなるファイバーに対し、光照射によりファイバーコアとファイバー支持部材とをハンダによって封止を行う光ハンダ装置において、
    ファイバーを支持するファイバー固定部と、ファイバーコアおよびファイバー支持部材のハンダ付け領域を覆うケーシングと、このケーシング内に不活性ガスまたは還元性ガスを充填する手段と、先端からAu基共晶型合金糸ハンダを供給するとともに当該先端がケーシング内に位置するハンダフィーダと、光照射とは別にファイバー支持部材に接触してファイバーコアおよびファイバー支持部材を急速加熱するヒータ部材と、ファイバー支持部材に接触してファイバーコアおよびファイバー支持部材を急速冷却する金属部材と、
    を有することを特徴とする光ハンダ装置。
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