JP3887830B2 - 副搬送波通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はフェージングのあるチャネル環境の中で移動体にデータを伝送するための通信システムに関する。特に、本システムは前方誤り訂正符号化技術、インターリーブ、チャネル状態情報の伝送を組み合わせて利用し、商用FMチャネルの帯域内の副搬送波を利用した通信システムに関する。より詳細には、本発明は符号化されたデジタルデータが多数のフレームに分割され、各フレームが多数のデータサブフレームと同期サブフレームに再分割され、各サブフレームが移動体の受信機で伝送チャネルに信頼性を得るため多数のビットを含む通信システムに関する。更に、本システムは受信機が受信されたチャネル状態を送信された既知のビット系列と相関をとり、その相関を計量(メトリック)に変換し、量子化前のデータ信頼性係数を得るため各データのフィールドにわたり補間を行い、更にデータの各ビットに対しデータ信頼性係数を得るため補間された係数を量子化し、各ビット信頼性係数をデータのデインターリーブに続くビタビアルゴリズム復号器使用する通信システムに関している。
【0002】
【従来の技術】
交通情報を伝送する通信システムおよびフェージングのあるチャネル環境での通信用のシステムは既知の技術である。出願者が知っている最良の従来の技術には、現存のFMラジオ放送基盤を利用して自動車運転者に交通関連情報を知らせるためヨーロッパで展開されているヨーロッパ無線データシステム(RDS)がある。しかし、RDSシステムは、ほぼ8キロビット/秒のユーザーデータ速度で動作するこの発明に対し、ほぼ0.3キロビット/秒のユーザーデータ速度で動作するため種々の欠点がある。更に、RDSシステムには皮相容量を増加させるため誤り訂正符号に加え交通メッセージを符号化することが必要であり、これは装置の価格を上昇させるが、この発明のデータ速度には達しない。
【0003】
他の2つの交通情報システムは日本で最近導入され、一方は8キロビット/秒のユーザーデータ速度を有している副搬送波システムを利用しており、副搬送波の注入レベルにダイナミックな制御を取り入れている。副搬送波の注入レベルにダイナミックな制御を取り入れるためには、システムの送信機の端により複雑で高価な装置が必要であり、更に放送信号の強度が弱い状態では性能がより一層悪く成りやすい。セイコーテレコミュニケーション社により開発された他の日本のシステムも、高速のデータ速度で働くが、帯域幅が広い弱いFSK変調に基づいている。このように、このシステムの応用分野では、6局から7局の異なるFM局が、この発明のシステムでは1局のみのFM局が必要であるエリアにサービスするため必要である。
【0004】
フェージングのあるチャネル環境の中で補償用としてチャネル状態の情報を使用することは知られた技術である。出願者が知っているこの分野の最良の従来の技術には米国特許第4945549号および第4519068号と、IEEE Journal on Selected Areas in Commun−icationsの1987年2月、Vol.SAC−5,No.2、ページ215から225に掲載のJ.ハーゲンオイヤ(Hagenauer)他著の“移動衛星チャネルにおけるフェージング補償用前方誤り訂正符号”と、1980年チューリッヒセミナーデジタル通信、議事録、IEEE Catalog,No.80CH 1521−4 Com,ページG2.1−G2.7に掲載のJ.ハーゲンオイヤ著“フェージングおよびバーストチャネル用畳み込み符号のビタビ復号法”がある。従来の技術の文献のいずれにも、ソフト決定用復号器が利用されている。しかし、この種のシステムでは各ビットにデータの信頼性を得るのに対し、データビットのブロックにチャネル状態を推測するチャネル状態情報を利用している。米国特許第4945549号に開示されたシステムでは、チャネル状態情報は伝送されたパイロットトーンの電力から得られている。それ故、特別なビット系列にはデータフィールドのそれぞれの前または後にデータが加えられていないが、データの信頼性はこの発明のように受信された全てのデータビットに対し得られる。
【0005】
【発明の概要】
商用FMチャネル帯域内の副搬送波を使用した通信システムが移動受信体にデータを伝送するため提供されている。この通信システムには商用放送局用のためにFM放送チャネルの副搬送波信号として定められる所定の周波数を有する信号を発生するための回路が含まれている。この通信システムには更に入力で受信されたデジタルデータを誤り訂正符号符号化する符号化回路が含まれているが、このデジタルデータは多数の連続したビットとして義される。この通信システムにはデジタルメッセージを形成するため所定の第1の系列を持つ複数のビットを符号化されたデジタルデータに加え符号化回路の出力に接続された回路が含まれている。デジタルメッセージを受けるため、複数のビットを加えるための回路の出力に接続された一番目の入力(1)と、デジタルメッセージを副搬送波信号で変調するための発生回路に接続された二番目の入力(2)を有する副搬送波変調器も設けられている。FM放送チャネルの搬送波信号で、変調された副搬送波信号周波数変調するため商用FM放送局のFM送信機に変調された副搬送波信号を接続する回路が設けられている。この通信システムには更に、商用FM放送局が送信するFM放送チャネルを受ける受信回路があり、この受信回路にはFM変調された搬送波信号から変調された副搬送波信号を復元するFM復調器が含まれている。副搬送波復調器も設けられているが、この副搬送波復調器は変調された副搬送波信号からデジタルメッセージを復元するためFM復調器に接続されている。デジタルメッセージから符号化されたデジタルデータを取り出し、更に第2のビット系列を形成するため取り出し回路が副搬送波復調器に接続されている。取り出し回路に接続された復号回路は、データ信頼性係数るため第2のビット系列を所定の第1のビット系列と比較するため(1)と、デジタルデータを出力に与えるためデータ信頼性係数に対応して符号化されたデジタル信号を復号するため(2)に設けられている。復号回路の出力に接続された利用装置はデジタルデータを復号器から受け操作するため与えられている。
【0006】
【実施例】
図1から図6には、商用FMラジオ局55の副搬送波を使用してデータを移動受信器に伝送する通信システム100を示している。以下の記載で分かるように、この通信システム100は、高信頼性のリアルタイムデータ伝送を行なうフェージングのある移動商用放送チャネルにわたり速いデータ速度でデータを伝送することに特に関している。いかなる特別なタイプのデータ伝送にも限定されないが、この通信システム100は交通情報を多数の移動体10に伝送するため、現在開発中のインテリジェント車両ハイウエイシステムの要素として特に使用される。特にシステム100はフェージングのあるチャネル環境の中で、8キロビット/秒の比較的速いデータ速度で伝送を行なう交通情報を与えている。このように、このシステム100では商用FMシステムの現在の基盤を利用して、遅延なしに最新の交通メッセージを車両の表示ユニット92に与えている。
【0007】
図1には、商用FM放送局55を示しているが、この放送局ではアナログ音声信号40の形の従来のプログラム材料を従来のFM送信機50に加えており、この送信機50の出力はラジオ局のアンテナ60に接続されている。交通情報は交通情報プロセッサ70により発生するが、このプロセッサ70によりデジタルの形の交通情報が副搬送波交通情報チャネル(STIC)変調器110に与えられている。STIC変調器は放送局55においてFMチャネル放送の副搬送波である信号についてプロセッサ70からのデジタル情報を変調している。STICからの出力はアナログ信号で変調するためFM送信機50に接続されている。商用局のFMチャネル帯域内の副搬送波のこの種の変調は、株相場、契約制音楽放送、外国語放送等のような内容を伝送する技術では良く知られている。副搬送波のこのような変調は当業者には良く知られているので、これに関連する方法および装置についてのこれ以上の記載は当業者がこの発明を全て完全に理解するのに必要であるとは考えられない。
【0008】
移動体10のそれぞれは、FM変調されたラジオ周波数の信号30、32を受信するため車両のアンテナ12に接続された従来のFM受信機80を有する自動車である。FM受信機80は受信したラジオ周波数信号を復調し、変調された副搬送波をSTIC復調器に接続している。STIC復調器150は変調された副搬送波からデジタル交通情報を復元し、そのデータを車両用交通コンピュータ90に接続している。車両用交通コンピュータ90により処理されるこの種の情報はコンピュータ90に接続され車両内にあるディスプレイ92に表示され、交通妨害および利用できる他のルートに関する情報を自動車運転手に与える。
【0009】
移動体10のそれぞれに役に立つデータを与える特別な重要性はフェージングのある場合においてシステム100が高い正確性を有してデータを伝送できることである。図示のように、ラジオ周波数の信号は送信アンテナ60から受信アンテナ12に直接通る場合と、自然物またはビル20のような人工の構造物から反射され間接的にアンテナ12に接続される場合がある。ラジオ周波数の信号32はビル構造物20から反射される結果、信号30に対し時間が遅延される、すなわち位相がシフトされる。このように、信号30と信号32はアンテナ12で加法的に組み合わされるか、または反対に一方が他方から引かれるように組み合わされる。引算の結果による信号レベルの低下は一般にマルチパスフェイドと呼ばれている。このようなマルチパスによる信号の組合せはかなり位置に左右されるので、これにより移動体との通信には位置が絶えず変化する特別な問題が生ずる。以下の記載から分かるように、STIC変調器110と復調器150は信頼性のあるデータを移動体10に伝送するように、更に復調器150での信頼性を決めるためユニークな所定の系列を有しデジタルデータで伝送される多数のチャネル状態ビットを特に使用するように設計されている。
【0010】
次に図2には、STIC変調器110のブロック図を示している。交通情報を示すデジタルデータは、交通情報プロセッサ70からデータ接続ライン72により符号器112に接続されている。符号器112はプロセッサ70から受けたデジタルデータを前方誤り訂正符号を付けて符号化する。ブロック符号は良く知られた前方誤り訂正符号であり、特にリードソロモン符号は符号器112に利用できる有益なブロック誤り訂正符号である。たたみこみ符号は他の前方誤り訂正符号であり、この特許の出願の発明に利用されている。実際、実用される実施例では、率がほぼ2分の1で拘束の長さが7であるたたみこみ符号がうまく使用されている。符号器112からの符号化されたデータはデータ接続ライン114によりインターリーバ116に接続されている。インターリーブは以下に更に記載するように、連続したビットを所定数のビットで分けるように、符号化されたデジタルデータのビットの順序を変える良く知られた手段である。
【0011】
図には示していないが、符号器112の出力からのデータは、音声とパイロット信号の高調波と副搬送波の混合により生ずる相互変調積から生じ、FM搬送波帯域の音声帯域内に落ちるあらゆる妨害を軽減するため、符号器112とインターリーバ116の間で排他的論理和を利用し擬似ランダムパターンのビットと組み合わされる。擬似ランダム信号、符号化されたデータとの排他的論理和を利用することにより、可聴の相互変調積はビットの擬似ランダム組合せがない時生ずるトーン、ホイッスルまたはほえ声とは異なり白色雑音に聞こえる。受信機では符号化されたデータを復元するため排他的論理和が再び利用され、同一の擬似ランダムビット系列と復元されデインターリーブされたデータ信号とが組み合わせられる。
【0012】
次に図3には、インターリーバ116の図的な表現を示している。インターリーバ116には符号化されたデータを記憶するためメモリ配列200が含まれている。配列200には1296個の列210と72個の行220がある。符号化されたデータはライン114によりメモリ入力回路230に接続され、この入力回路230は一度に1列メモリ配列を満たすようにされている。このように、一番目の72ビットは列0を満たし、73番目のビットは位置0、1(0行1列)に記憶される。データで満たされた配列の後、データは一度に1行読み出される。このように、出力回路240は行0の全てのビット、すなわちビット0−1295を読み出し、次の行1から全てのビットを読み出すことが行なわれる。それ故、例えば一番目の列の最初の2行内で読み出された連続ビットは1295ビット離れて読み出されるが、これは入力が列毎に行なわれ、出力が行毎に行なわれるからである。出力回路240によりメモリ配列から読み出されたデータビットは、図2に示すようにフレーム同期回路120に接続するためデータライン118に出力される。インターリーブはフェージングチャネル環境で生ずるバースト誤りの影響を軽減するための良く知られた方法である。バースト誤りを受けにくい通信用のリンクを与えるためインターリーブ技術を使用することにより、所要の誤り訂正能力を有するが、他方従来の符号のようにバースト誤りがある時動作の悪い前方誤り訂正符号を使用することができる。
【0013】
図2に示すように、インターリーブ116の出力はデータリンク118によりフレーム同期回路120に接続され、このデータリンク118によりメモリ出力回路240からインターリーブされたデータビットが与えられる。フレーム同期回路120はインターリーブされ符号化されたデータを多数のデータフレーム510に分割するが、各データフレーム510は図6に示すように多数のデータサブフレーム514に再び分割される。各フレーム510には同期サブフレーム512と18個のサブフレーム514が含まれている。各同期サブフレーム512は時分割多重通信に従来から使用されている。同期サブフレーム512には56ビットの相関ワードと、16ビットのフレーム識別ワード522と、4チャネル状態ビットのフィールド524とが含まれている。18個のデータサブフレーム514のそれぞれは72データビットのフィールド530と、4チャネル状態ビットにより定められている。このように、全てのサブフレーム(同期およびデータ)には4チャネル状態ビットのフィールド524、532がそれぞれあるが、これらの機能は以下に記載する。発明の内容に対しては重要でないが、72個のフレーム510を集めることにより1つのスーパーフレーム500が定まるが、各スーパーフレームにより全てのデータビットが決まり、これには72×1296のメモリ配列200が入っている。
【0014】
図2に戻り、フレーム同期回路120はライン118に接続されたデータが加わるインターリーバ116から符号化されたデータを受ける入力と、ライン124に接続されたデータを経由しチャネル状態ビット発生器122からデータを受ける入力とがあるように示されている。前に記載したように、4チャネル状態ビットは各スーパーフレーム500を形成する各フレーム510の同期サブフレーム514、512とデータに付け加えられている。チャネル状態ビットは通信リンクの信頼性を評価する手段としてデータと共に伝送される所定のビット系列である。チャネル状態ビット発生器は4ビット系列をフレーム同期回路120に形成された各サブフレームに与えるためのハードワイヤ論理回路または読み出し専用メモリである。
【0015】
回路120からのフレームデータにより定められるデジタルデータのメッセージはデータ接続ライン126を通り変調器130に接続されている。多くの変調方法がFM放送チャネルの副搬送波に対し符号化されたデータを変調するため利用されている。種々のコヒーレント、非コヒーレントまたは差動コヒーレント変調方法が利用されている。トレリス(Trellis)符号変調、ガウス性フィルタミニマムシフトキーイング、レベルシフトミニマムシフトキーイング、更に差動4相位相変調が特に適切である。しかし、差動4相位相変調(DQPSK)はより好ましく、実用的な実施例に上手く利用されている。DQPSK変調の使用により変調過程が容易になり振幅変動の少ない信号が得られる。
【0016】
副搬送波信号源134は接続ライン136により副搬送波信号を変調器130に供給する。副搬送波信号は主搬送波信号から76kHzの近くに集中しておりほぼ16kHzの公称帯域幅を有している。ほぼ19000ビット/秒の伝送速度を与える直角変調はほぼ8キロビット/秒のユーザー速度を生ずる。変調された副搬送波は従来のFM変調技術により商用プログラムで変調するため変調器130からFM変調器52に接続ライン32により出力されている。
【0017】
次に図4については、FM受信機80のFM復調器に接続されたSTIC復調器を示している。アンテナ12により受信された信号はFM復調器84に接続され、従来の方法で変調されたプログラムは車両のスピーカシステム(図示していない)に加えられるが、変調された副搬送波データリンク82により副搬送波復調器300に出力される。復調器300はSTIC変調器110の変調器130を使用した変調方法を補完している。このように、DQPSKが副搬送波を変調するため利用されると、DQPSK復調器300はSTIC復調器150内に利用される。DQPSK復調器には復調器技術で良く知られているように、副搬送波の周波数のほぼ等しい周波数を有する周波数信号源が含まれている。復調器300の出力はデータ接続ライン302によりチャネル状態ビットの取り出し回路310に接続しているように示されている。
【0018】
チャネル状態ビットの取り出し回路310はチャネル状態ビットフィールドを各フレーム510のサブフレーム512、514のそれぞれから分離している。データフィールド530およびチャネル状態ビット524、532を識別するため同期フィールド520、522を使用することにより、チャネル状態ビットの系列は各サブフレームおよびデータ接続ライン314に対する出力から取り出される。データフィールド530はデータ接続ライン312により取り出し回路310からデインターリーブ回路360に出力される。取り出されたチャネル状態ビットはデータの各ビットに対し信頼性を確保するため利用されるが、この信頼性は“ソフト”決定を行なうため復号器により利用される。従来から、ビタビアルゴリズム復号器のような復号器用ソフト決定アルゴリズムは復調されたデータビットの振幅に基づいている。しかし、FM復調器は信号内のあらゆる振幅変動を取り除くためリミッタを利用している。このように、復号されるあらゆるビットの“値”に対して確実な決定を行なうため復号器により利用できる振幅変動はない。
【0019】
データの各ビットの信頼性を測る他の方法を与えるため、4チャネル状態ビットが各サブフレームに加えられている。チャネル状態ビットは既に記載したように送信機で与えられ、受信されたビットが伝送されたビットと異なるかどうか決定するため受信機で分析するための周知のビット系列である。送信されたチャネルビット系列との違いの度合いにより通信チャネルの信頼性を測定できる。以下に記載のように、データの信頼性は伝送されるデータの各ビットに対し確立され、この信頼性は復号された各ビットの状態を決定するため復号器により利用される。
【0020】
チャネル状態ビットを利用する一番目のステップは相関ブロック320で行なわれ、チャネル状態ビットはSTIC変調器110内で利用された周知のチャネルビット系列と相関が取られる。相関が取られたチャネル状態ビットは次に計量(メトリック:metric)に変換され、相関ブロック320の出力は接続ライン322により計量マッピングブロック330に接続される。ブロック330内で、チャネル状態ビットの4ビット系列中の誤り数復号器での最尤法を満たし、かつ復号法に応じた処理しやすい値に変換される
【0021】
図6に関連ししかも特に重要であることを既に述べたように、全てのサブフレームには同期サブフレーム512を有するチャネルビットフィールドが含まれているが、チャネル状態ビットの系列は各データフィールド530の前および後にある。チャネル状態の情報は全てのデータフィールドの前および後にあるので、チャネル状態ビットを利用してデータフィールドにわたり補間することができる。このように、計量マッピングブロック330から、データは全てのデータフィールド530の各ビットに非量子化データの信頼性を与えるため接続ライン332により補間ブロック340に接続されている。
【0022】
補間の後、各ビットに対し行なわれたデータの信頼性は接続ライン342により量子化器350に接続される。ブロック350において、補間されたデータは復号器370が使用できる値に量子化される。実用的な実施例では、9つの可能な値、即ち2つの2値状態(“0”および“1”)のそれぞれに対し“良さ”の4つのレベルと“消す”を示す1つの値を生ずるが、この抹消の値はビットの正しい値が不確かであることを示している。各ビットに対し量子化された値はデータリンク352によりデインターリーバ360に伝えられるが、これらの関連のあるデータビットを記憶している。
【0023】
次の図5には、デインターリーバ360のブロック図を示している。デインターリーバ360には並列状態で配置された402aから402nの多数の平面が含まれているメモリ配列400がある。この発明の内容には図示のようなマルチ平面、またはシングル2次元配列として構成されるような特別な構造のメモリ配列400は重要でない。シングル配列が使用されると、各データビットは配列をブロックに分割すること、すなわち記憶のため連続したメモリ位置を使用することにより、当該データの信頼性と関連づけられている。図示のメモリ構造では、メモリ平面402のそれぞれには多数の行420と多数の列410とがあり、ここにあるメモリ記憶セルはそれぞれの行と列の交点にある。チャネル状態ビットはブロック310内で取り出されるので、データはデータリンク352によりメモリ入力回路430に接続されている。
【0024】
STIC変調器110のインターリーバ116により行なわれるビット系列の分離を戻すため、デインターリーバ360はインターリーバ116で行なわれる方法と反対の方法で記憶し、データをメモリ配列から読み出す必要がある。それ故、入力回路430に加えられたデータは行毎に記憶されるが、各行は1296個の記憶位置を有しており、72個の行を有するインターリーバ116と同じ数により配列の平面が定められている。データの各ビットに関連のある量子化された判定の信頼性の情報はデータ接続ライン352により入力回路430に加えられている。量子化されたデータを定めるビットのそれぞれはデータビットと並列に記憶され、量子化された判定の信頼性の情報は402bから402nのメモリ平面のそれぞれの行毎に記憶される。メモリ平面は量子化されたデータの信頼性を表すビット数の関数である。実用的な実施例では、3ビットが利用されている。2ビットは“良さ”の4つの異なるレベルを表すためであり、1ビットは“消す”フラグとして使用されている。
【0025】
メモリ配列が一杯になると、配列はスーパーフレーム500が加えられたデータを含んでおり、出力回路440はデータを読み出す。符号器112からインターリーバ116に与えたように、符号化されたデータビットを元の系列で再配列することにより、データは列毎に読み出される。メモリ平面402a内に記憶され符号化されたデータビットはデータ接続ライン362により復号器370に出力されるが、402bから402nのメモリ平面に記憶され量子化された判定の信頼性の情報はデータリンク364を通り復号器370に出力される。
【0026】
図4に示すように復号器370はデータリンク362を通しデインターリーバ360からデータを受け、出力ライン372に復号化されたデータを与えるためデータリンク364に加えられ量子化された判定の信頼性の情報を利用している。復号器370はビタビアルゴリズムの復号器である場合がある。実用的な実施例において、ビタビアルゴリズムの復号器は前述の通り、量子化された判定の信頼性の情報を示す3ビットを使用している。復号器370からの出力はデータリンク372により車両用交通コンピュータ90に接続されている。車両用交通コンピュータ90は復号器370から供給されるデータを処理し、ディスプレイ92によりユーザーに便利な情報を表示するが、これはデータ接続ライン94によりコンピュータに接続されているように示されている。
【0027】
このように、交通情報のデータは商用FMチャネルの放送チャネルの副搬送波を利用し速いデータ速度で移動体に通信できる。交通情報のデータは交通情報プロセッサ70から多数の連続したビットの形でSTIC変調器110に加えられている。受信されたデジタルデータは復号器112により、デジタルデータをたたみこみ的に符号化する前方誤り訂正符号と共に符号化する。データの符号化の後、符号化されたデータのビット系列はインターリーブされ、ビットの順序は符号化されたデジタルデータの連続したビットが所定数のビットにより分けられるように変えられる。インターリーブされ符号化されたデータは多数のデータフレームに分割され、データフレーム510のそれぞれは多数のデータサブフレーム514により形成されている。データフレーム510のそれぞれに対し同期サブフレーム512が付け加えられている。符号化されたデジタルデータをデータフレーム510に分割するにはチャネルテストデータをサブフレーム512、514のそれぞれに加えることが含まれているが、このチャネルテストワードは所定の多数のビット系列により定められている。このように各データフィールドはチャネルテストワードの前および後にある。
【0028】
チャネルテストワードをデータサブフレームに加えることにより所定の周波数を有した信号と組み合わせたメッセージサブフレームを形成するが、この周波数は商用FMチャネルの副搬送波を定めている。副搬送波は差動直角位相シフトキーイング変調器130を使用した多数のメッセージサブフレームで変調されている。変調された副搬送波はFM搬送波信号を変調するため、商用FMラジオ局55のFM変調器52に加えられているが、この変調された信号は送信用アンテナ60に加えられている。
【0029】
周波数変調された搬送波信号は少なくとも1つの移動受信体10で受信されるが、受信アンテナ12で受信されたラジオ周波数信号は受信体の復調器84で復調される。FM復調器84は副搬送波を復調しメッセージサブフレームを復元するため、変調された副搬送波をDQPSK復調器300に加えている。メッセージサブフレームは次の多数のチャネルテストワードを形成するため、処理され多数のメッセージサブフレームから多数のデータサブフレームのそれぞれを取り出す。チャネルテストワードはデータの信頼性を得るためデータと共に伝送された周知のビット系列と比較される。比較は伝送された周知の所定の系列を有した受信データから取り出された多数の連続したビットの間の相関の形で行なわれる。この相関はメトリックに変換され、更にこのメトリックデータサブフレームの各ビットに対し量子化の信頼性係数を得るためデータサブフレームの連続した組にわたり補間される。補間の段階の後、量子化されていないデータ信頼性係数は各ビットに対してのデータ信頼性係数を得るため量子化される。各ビットに対するデータ信頼性係数は関連したデータビットに対応してデインターリーバ360のメモリ配列内に記憶されている。
【0030】
データは関連のある量子化されたデータ信頼性係数に沿ってデータビットをデインターリーブすることにより復号されるが、このデインターリーブの過程により符号化されたデータの元の連続したビットを予め分けた所定数のインターリーブビットを取り除くことにより符号化されたデータの再配置が行なわれる。符号化されたデータビットの現在の系列は、ビタビアルゴリズム復号器である“ソフト”決定処理の復号器を利用して関連のあるデータの信頼性と共に復号器370に送られる。次に、現在復号化されたデータはデータをユーザーに示すためディスプレイ92を有している車両用交通コンピュータ90のような利用装置に伝送される。
【0031】
商用FMラジオ放送チャネルの副搬送波でデータを伝送するための通信システム100およびそれにより定められる方法により、交通情報を自動車に与えるための、容量が大きく耐久性があり性能が向上される移動ラジオ周波数のデータ伝送が行なわれる。商用FM放送チャネルはマルチパスフェージングを受けるが、システム100を定めるエレメントが連結されていることにより、他の妨害条件と同様に、これらのフェージング条件下でも伝送誤りに対するシステムの影響を減少する手段が得られる。システム100は交通情報を車両に直接伝えるため高速道路の基盤に余分な増加を必要とすることなしに信頼性の高い通信を与えている。
【0032】
本発明は特別な形態および実施例に関連して記載したが、本発明の内容および範囲から外れることなしに前述の発明に種々の変更を行なうことができる。例えば、同等なエレメントが前述の特別に示し記載したものから取り替えることができ、特にある場合には本発明の内容または範囲から外れることなしにエレメントの特別な位置を入れ替えまたは間に他のものを入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 通信システム全体のブロック図である。
【図2】 通信システムの副搬送波変調部分のブロック図である。
【図3】 通信システムのインターリーバのブロック図である。
【図4】 通信システムの副搬送波復調部分のブロック図である。
【図5】 通信システムのデインターリーバのブロック図である。
【図6】 通信システムにより伝送されるデジタルメッセージのフレーム構造図である。
【符号の説明】
10 移動体
12 受信アンテナ
20 ビル
30、32 ラジオ周波数の信号
40 アナログ音声信号
50 FM送信機
52 FM変調器
55 商用FMラジオ
60 アンテナ
70 交通情報プロセッサ
72 データ接続ライン
80 FM受信機
82 副搬送波データリンク
84 FM復調器
90 車両用交通コンピュータ
92 車両の表示ユニット
94 データ接続ライン
100 通信システム
110 副搬送波交通情報チャネル(STIC)変調器
112 符号器
114 データ接続ライン
116 インターリーバ
118 データライン
120 フレーム同期回路
122 チャネル状態ビット発生器
126 データ接続ライン
130 変調器
134 副搬送波信号源
150 STIC復調器
200 メモリ配列
210 列
220 行
230 入力回路
240 出力回路
300 副搬送波復調器
302 データ接続ライン
310 取り出し回路
312、314 データ接続ライン
320 相関ブロック
330 計量マッピングブロック
332、342 接続ライン
340 補間ブロック
350 量子化器
352 データリンク
360 デインターリーブ回路
362 データ接続ライン
364 データリンク
370 復号器
400 メモリ配列
402a,…402n メモリ平面
410 列
420 行
430 メモリ入力回路
440 出力回路
500 スーパーフレーム
510 データフレーム
512 同期サブフレーム
514 データサブフレーム
522 フレーム識別ワード
524 4チャネル状態ビット
530 72データビット
540 4チャネル状態ビット

Claims (17)

  1. 商用FMチャネルの帯域内の副搬送波を使用し、
    商用FM放送局用のFM放送チャネルの副搬送波信号として定められた所定の周波数を有する信号の発生手段と、
    複数の連続したビットとして定義されるデジタルデータを入力とし、入力デジタルデータを誤り訂正符号により符号化する符号化手段と、
    前記符号化手段の出力に接続され、前記符号化されたデジタルデータをインターリーブするインターリーブ手段と、
    前記インターリーブ手段の出力に接続され、デジタルメッセージを形成するため、第1のビット系列を構成する予め定められた複数のビットを前記符号化されたデジタルデータのフレームの各サブフレームに追加する追加手段と、
    前記デジタルメッセージを受けるため、前記追加手段の出力に接続された第1の入力と、前記デジタルメッセージにより、副搬送波信号を変調するため、前記発生手段に接続された第2の入力を有する副搬送波変調手段と、
    前記FM放送チャネルの搬送波信号を、前記変調された副搬送波信号により周波数変調を行うため、前記商用FM放送局のFM送信機に前記変調された副搬送波信号を接続する手段と、
    前記商用FM放送局が送信する前記FM放送チャネルの受信手段であって、前記変調された搬送波信号から、前記変調された副搬送波信号を復元するFM復調手段と
    前記FM復調手段に接続され、前記変調された副搬送波信号から前記デジタルメッセージを復元する副搬送波復調手段と、
    前記副搬送波復調手段に接続され、前記復元したデジタルメッセージの前記符号化されたデジタルデータの各サブフレームから前記第1のビット系列を取り出す抽出手段と、
    前記抽出手段に接続され、前記第1のビット系列と受信機も保有している前記予め定められた複数のビットとを比較して、両者の違いの度合いにより、前記符号化されたデジタルデータの各ビットに対する信頼性を示すデータ信頼性係数を生成し、データ信頼性係数に応じ、それぞれのビットにデータ信頼性係数を関連付けつつ、前記符号化されたデジタルデータをデインターリーブするデインターリーブ手段と、
    前記デインターリーブ手段に接続され、前記デインターリーブされたデジタルデータを復号する復号手段と、
    前記復号手段の出力に接続され、前記デジタルデータを受信し、利用する利用手段と、
    を備えた通信システム。
  2. 前記インターリーブ手段は、(1)多数の行と列を有する第1のメモリ配列と、(2)前記第1のメモリ配列に対して列ごとに前記符号化されたデジタルデータを書き込む手段と、(3)前記第1のメモリ配列から行ごとに前記符号化されたデジタルデータを読み出す手段とを含む請求項に記載の通信システム。
  3. 前記追加手段は、前記符号化されたデジタルデータを読み出す手段に接続され、それぞれが複数のサブフレームより構成されるデジタルデータフレームを形成するフレーム手段を含み、前記所定の第1のビット系列を構成する予め定められた複数のビットを前記サブフレームに追加する請求項に記載の通信システム。
  4. 前記デインターリーブ手段は、前記抽出手段の第1の出力に接続され、前記取り出した第1のビット系列と、前記予め定められた複数のビットとの相関を形成する相関手段を含む請求項に記載の通信システム。
  5. 前記デインターリーブ手段は、前記相関手段の出力に接続され、前記相関をメトリックに変換する変換手段を含む請求項に記載の通信システム。
  6. 前記デインターリーブ手段は、前記相関手段の出力に接続され、前記メトリックを一組の連続するサブフレームにわたり補間する補間手段を含む請求項に記載の通信システム。
  7. 前記デインターリーブ手段は、前記補間手段の出力に接続され、前記符号化されたデジタルデータの各ビットの前記データ信頼性係数を形成するための量子化手段を含む請求項に記載の通信システム。
  8. 前記データ信頼性係数は、複数のビットから形成される請求項に記載の通信システム。
  9. 前記復号手段は、前記デインターリーブ手段の出力に接続され、前記関連付けられたデータ信頼性係数に応じて、前記符号化されたデジタルデータから、前記デジタルデータの各ビットを復元するためのビタビタイプ復号器を含む請求項に記載の通信システム。
  10. 前記利用手段は、前記ビタビタイプ復号器の出力に接続され、前記デジタルデータを蓄積し表示するプロセッサを含む請求項に記載の通信システム。
  11. 商用FMラジオ局の商用FMチャネル帯域内の副搬送波を使用し、
    データソースから、複数の連続したビットとして定義されるデジタルデータを受信し、;
    符号化手段において、前記のデジタルデータを誤り訂正符号により符号化し、;
    インターリーブ手段において、前記符号化されたデジルデータをインターリーブし、;
    追加手段において、インターリーブ後に、前記符号化されたデジタルデータを、複数のデータサブフレームからなる複数のデータフレームに分割し、複数のメッセージサブフレームを形成するために、予め定められた複数のビット系列により定義される第1のチャネルテストワードを、前記複数のデータサブフレームのそれぞれに追加し、;
    副搬送波変調手段において、前記複数のメッセージサブフレームで、前記副搬送波を変調し、;
    前記変調された副搬送波により、商用FMラジオ局の商用FMチャネル用に定められた所定の周波数を有する搬送波信号を周波数変調し、前記周波数変調された搬送波信号を複数の移動体に放送するためのアンテナに接続し、;
    前記少なくとも1つの移動体が前記周波数変調された搬送波信号を受信し、;
    FM復調手段において、前記変調された副搬送波を復元するため、前記の受信した周波数変調搬送波信号を復調し、;
    副搬送波復調手段において、前記メッセージサブフレームを復元するため前記変調された副搬送波を復調し、;
    抽出手段において、各メッセージサブフレームから、第1のチャネルテストワードを抽出し、;
    デインターリーブ手段において、前記抽出したのチャネルテストワードと、前記予め定められた複数のビット系列とを比較して、両者の違いの度合いにより、前記符号化されたデジタルデタの各ビットに対する信頼性を示すデータ信頼性係数を生成し、前記各ビットとデータ信頼性係数を関連付けつつ、前記符号化されたデジタルデータをデインターリーブし、;
    復号手段において、前記データ信頼性係数に応じて、前記デインターリーブされたデジタルデータを連続して復号し、;
    前記の復号化されたデジタルデータを利用装置に伝送する、;
    ステップを備え、データを通信する方法。
  12. 前記符号化のステップは、前記デジタルデータの畳み込み符号化のステップを含む請求項11に記載の通信方法。
  13. 前記追加手段におけるデータフレームに分割するステップは、前記データフレームのそれぞれに同期サブフレームを加えるステップを含む請求項11に記載の通信方法。
  14. 前記副搬送波を変調するステップは、差動4相位相変調器を使用して前記副搬送波を変調するステップを含む請求項11に記載の通信方法。
  15. 前記副搬送波を復調するステップは、差動4相位相復調器を使用して前記副搬送波を復調するステップを含む請求項11に記載の通信方法。
  16. 前記デインターリーブ手段における、抽出した第1のチャネルテストワードと、前記予め定められた複数のビット系列との比較は、
    前記第のチャネルテストワードと、前記予め定められた複数のビット系列の相関を形成し、;
    前記相関をメトリックに変換し、;
    前記データサブフレームの各ビットに対し、量子化されていないデータ信頼性係数を形成するため、前記メトリックを一組の連続するデータサブフレームにわたり補間し、;
    各ビットに対し前記データ信頼性係数を形成するため、前記データサブフレームの各ビットに対し、量子化されていないデータの信頼性係数を量子化する;
    ステップを含む請求項11に記載の通信方法。
  17. 前記復号化のステップは、前記の符号化されたデジタルデータをビタビタイプ復号器で復号化するステップを含む請求項11に記載の通信方法。
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