JP3887641B2 - 誘電体バリア放電エキシマ光源 - Google Patents

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Description

この発明は、高効率で真空紫外(VUV: Vacuum Ultra Violet)領域の波長の光を発光する真空紫外光源に関する。特に、マイクロエレクトロニクスの分野において、紫外光による材料のクリーニングあるいは紫外光による材料表面の再構成(surface reformation:サーフェス リフォーメーション)に利用される真空紫外光源(以後、「VUV光源」ということもある。)として利用できる、高効率誘電体バリア放電エキシマ光源に関する。
VUV帯域の波長の光を発光する自然放出光源(spontaneous radiation lamp)としては、特に不活性ガスのB-X遷移のVUV領域での輻射を利用する、ガス放電光源がよく知られている。この種のガス放電光源として代表的な光源は、エキシマ分子が基底状態のエネルギー準位に遷移する際に発生する強い発光を得ることができる、誘電体バリア放電を利用したVUV自然放出光源である。
誘電体バリア放電とは、電極間に誘電体であるガラスあるいはセラミックス等を配置して構成される放電装置によって実現される放電である。電極間に誘電体を配置することによって、電極間でアーク放電が発生することを防ぐことができ、エキシマ分子による発光を安定して実現することができる。
誘電体バリア放電を利用したこの種の光源の動作原理は、ガス中を流れる誘電体バリア放電によってプラズマ化学反応が引き起こされて生成される、いわゆるエキシマ分子が放電ガスプラズマ中に形成され、このエキシマ分子が自然放出(spontaneous radiation)によって発光することによる。
エキシマ分子の特色は、励起状態でのみ安定な分子結合を有していること、および基底状態は、分離可能な状態で存在することである。このことが様々なエネルギーバンド帯域での輻射の発生を決定する。中でもB-X遷移が最も強力に発光に寄与する。つまり、非放射遷移によってエキシマ分子が形成され、そしてそのエキシマ分子が基底状態のエネルギー準位への放射遷移を起こして発光する。B-X遷移のために、最高80%のガス放電放射電力が集中されるという事実(観測事実)から、B-X遷移に基づく発光は、高効率であることが期待される。
上記B-X遷移に基づく放射の波長は、大半の光学材料によって強く吸収されるVUV領域に対応するので、この発明のVUV光源はVUV光を取り出すための取り出し窓を有していない。すなわち、VUV帯域の波長の光を照射する試料(表面)および光源の電極ユニットは、同時に放射を得るために使用される同じガス媒体(Ar、Kr、Xe)の中に設置される。また、この発明のVUV光源は、上記B-X遷移に基づく放射を吸収しない材料で作製された、VUV光を取り出すための取り出し窓を具えて構成することも可能である。
上述のVUV帯域の波長の光を発光する自然放出光源としては、水素(二重水素)のVUVの自然放出発光による光源が知られている(非特許文献1参照)。また、水素と低圧力での不活性ガスあるいはそれらとハロゲンとの混合ガス相互共鳴遷移による放射光源が知られている(非特許文献2参照)。同様に、エキシマのB-X遷移による輻射を得るための高圧力の希ガス放電管も知られている(非特許文献3、4及び5参照)。上記非特許文献3、4及び5に開示された光源は、高輝度の光源であるという特長を有する。
また、様々な方法が、高圧ガスを励起するための方法として考案されている。例えば、電子線を利用する方法(特許文献1参照)、コロナ放電を利用する方法(特許文献2及び非特許文献6参照)、バリア放電を利用する方法(非特許文献4、5、7及び8参照)等である。電子線励起を利用するケースでは、活性ガスを閉じ込めるチェンバーと電子線装置の電極とを分離するための装置が必要となる。これは複雑な構成の装置である。
より簡便に実現する装置としてコロナ放電を利用する方法が検討されているが、これは、コロナ放電を安定化することが難しい。安定化させるためには50%のパワーロスを容認しなければならない。また、放電箇所に複数の放電箇所を有する複数点放電チェンバーを利用する場合、抵抗制御のためのパワーロスは、相当に大きくなる。その上、コロナ放電領域内にだけエキシマ分子が閉じ込めるための条件が存在する(特許文献2参照)。
まず、60%程度というエキシマ分子の最高輻射効率は、Xe原子を励起することによる一障壁放電(one-barrier discharge)によって実現できることが示されている。(非特許文献7参照)。このことは、後に実験によって確かめられている(非特許文献8参照)。
非特許文献7によれば、Xe光源を高効率で発光させるために必要な条件の一つは、大部分のXe原子が励起されること、及び寄生振動プロセスの最小エネルギー損失が実現する励起モードを選択することである。その上、短い電圧立ち上がり時間を持つパルス電源を使い、均一な放電を実現することが必要である。非特許文献7で報告されている光源は、Xeガスが封入され、金属の棒状のカソードを具え、溶融石英(Suprasil quartz-type:商品名Suprasilとして販売されている溶融石英)でシールされた光源である。アノードは、溶融石英管の外部表面にメッシュが配置された構造である。
この光源の放電管内において、放電電流が、正極と負極とを平行に交互に配置された複数の電極間に流れて、ガスの放電プラズマからの輻射が発生する。ArガスあるいはKrガス(B-X遷移による発光波長は、それぞれ126、146 nmである。)を利用する光源の場合には、160 nm以下の波長の光を溶融石英が吸収することから、ArガスあるいはKrガスと電極とが溶融石英でシールされた光源として構成することは不適切である。
非特許文献5及び9に開示された光源は、輻射を取り出すための窓を有していない。すなわち、ArガスあるいはKrガスと電極とが溶融石英でシールされた光源として構成されていない。放電は、正極と負極の電極を交互に接続された長尺方向に平行に並べられて構成される電極とそれを囲む誘電体管との間で起こる。この構成の光源は、非特許文献7に開示された光源と比較して不都合な点は、発光に寄与するガスの圧力の低下にともなって放電が開始される電圧(絶縁破壊電圧)が高くなることである。
米国特許第6,052,401号明細書 米国特許第6,400,089号明細書 A. N. Zaidel, E. Ya. Schreider, VUV spectroscopy, Moscow "Nauka", 1967. L. P. Schischatskaya, S. A. Yakovlev, G. A. Volkova, VUV lamps with a large emitting surface, Optical Journal, Vol.65, No.12, pp.93-95, 1998. Y. Tanaka, Continuous emission spectra of rare gases in the vacuum ultraviolet region, J. Opt. Soc. Am. Vol.45, No. 9, pp.710-713, 1955. G. A. Volkova, N. N. Kirillova, E. N. Pavlovskaya, I. V. Podmoschenskii, A. V. Yakovleva, VUV irradiation lamp. Bul. of Inventions, 1982, No.41 p.179. U. Kogelschatz, Silent-discharge driven excimer UV sources and their applications, Appl. Surf Sci, Vol. 54, pp.410-423, 1992. M. Salvermoser, D. E. Murnick, Efficient, stable, corona discharge 172 nm xenon excimer light source, J. Appl. Phys. Vol. 94, No. 6, pp. 3722-3731, 2003. F. Vollkommer, L. Hitzschke, Dielectric Barrier Discharge, The 8th International. Symposium on Science and Technology of LIGHT SOURCES LS-8, Greifswald, Germany, pp.51-60, 1998. R. P. Mildren, Rl J. Carman, Enhanced performance of a dielectric barrier discharge lamp using short-pulsed excitation, J. Phys. D: Appl. Phys. Vol. 34, pp. L1-L6, 2001. H. Esrom and U. Kogelschatz, Appl. Surf. Sci. Vol. 54, p.440, 1992.
この発明の目的は、高効率の発光が実現するVUV光源を提供すること、及び放電管の壁による輻射の吸収を防ぎ、高輝度のVUV領域の波長の光が得られる自然放出光源を提供することにある。また、VUV領域の波長の光を照射する対象(被照射物体)に効率よく照射させることが可能なカソード及びアノードの構造を提供することにある。
この発明の第1の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、このアノードを取り囲む長尺のカソードとを有する。カソードは、真っ直ぐな半筒状体とこの半筒状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する。そして、アノードとカソードとは長尺方向に互いに平行に配置される。また、アノードと対向する側のカソードの表面はVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
この発明の第2の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、このアノードを取り囲む長尺のカソードを具えて構成される。カソードは、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体とこの半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する。アノードとカソードとは長尺方向に互いに平行に配置される。また、アノードと対向する側のカソードの表面はVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
この発明の第3の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状が矩形である四面からなる中空の管状体からなるアノード電極とを有するアノードと、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体とこの半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有するカソードとを具えて構成される。カソードはアノードを取り囲む位置に配置され、かつアノードと前記カソードとは長尺方向に互いに平行に配置される。また、アノードと対向する側のカソードの表面はVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
この発明の第4の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードが、真っ直ぐな長尺の筒状体に平行であるように複数個並列をなして配置されて構成されるアノード群と、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有するカソードとを具えて構成される。カソードはこのアノード群を取り囲む位置に配置され、アノードとカソードとは長尺方向に互いに平行に配置される。また、アノード群と対向する側のこのカソードの表面はVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
この発明の第5の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状が矩形である四面からなる中空の管状体からなるアノード電極とを有するアノードが、この真っ直ぐな長尺の管状体に平行であるように複数並列をなして配置されて構成されるアノード群と、このアノードを取り囲む真っ直ぐな長尺のカソードであって、長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具えて構成される。また、アノードとカソードとは長尺方向に互いに平行に配置されており、アノードと対向する側のカソードの表面はVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
この発明の第6の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、アノードを取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな半筒状体とこの半筒状体に互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具える放電電極ユニットを具えて構成される。この放電電極ユニットは、長尺の方向に平行に並列をなして配置され。また、アノードと対向する側のカソードの表面はVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
この発明の第7の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、このアノードを取り囲む長尺のカソードであって、長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体とこの半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具える放電電極ユニットを具えて構成される。この放電電極ユニットは、長尺の方向に平行に並列をなして配置される。また、アノードと対向する側のカソードの表面はVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
この発明の第8の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状が矩形である四面からなる中空の管状体からなるアノード電極とを有するアノードと、このアノードを取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体と該半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具える放電電極ユニットを具えて構成される。この放電電極ユニットが長尺の方向に平行に並列をなして配置される。また、アノードと対向する側のカソードの表面はVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
この発明の第9の誘電体バリア放電エキシマ光源は、カソードが、真っ直ぐな半管状体の長尺方向に平行に付加的な棒状の導体を複数一平面上に並べて配置した形状で具えていることが特徴である。すなわち、アノード群とカソードワイヤー群との間に、カソードと同電位である、真っ直ぐな半管状体の長尺方向に平行に付加的な棒状の導体が配置されている。
この発明の第10の誘電体バリア放電エキシマ光源は、アノード電極が半円筒形であって、この半円筒形の凸面が、カソードワイヤー群が配置されている方向に向けられて設置され、かつこの半円筒形の長尺方向に沿った端の形状が、この半円筒形の内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成されていることが特徴である。
この発明の第11の誘電体バリア放電エキシマ光源は、アノード電極が半管形であって、この半管形の底面が、前記カソードワイヤー群が配置されている方向に向けられて設置され、かつこの半管形の長尺方向に沿った端の形状が、この矩形の内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成されていることが特徴である。
第1参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具えて構成される。この筒状体の中心軸と螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、アノードをカソードワイヤーが、取り囲むように配置して構成される。
第2参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具えて構成される。この筒状体の中心軸と螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、アノードをカソードワイヤーが、取り囲むように配置して構成される。そして、アノードとカソードワイヤーとが、反射体の内部に配置されている。また、反射体は、真っ直ぐな長尺の半筒状体であって、この半筒状体の長尺方向と、筒状体の中心軸及び螺旋形状体の中心軸とが平行に配置されている。
第3参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具え、筒状体の中心軸と螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、アノードをカソードワイヤーが、取り囲むように配置して構成される同軸形放電電極ユニットを具えている。この同軸形放電電極ユニットは、互いの中心軸が平行であるように複数個が並列をなして、一つの反射体の内部に配置されている。この反射体は、長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体であり、この長尺方向と上記筒状体の中心軸とは平行に配置されている。
この発明の第12の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具え、筒状体の中心軸と螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、アノードをカソードワイヤーが、取り囲むように配置して構成される同軸形放電電極ユニットを備えている点は、上述のこの発明の12から14の誘電体バリア放電エキシマ光源と共通する。異なる点は、アノードが半円筒形であって、この半円筒形の長尺方向に沿った端の形状が、この半円筒形の内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成されている点である。
第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体と、この誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具える。そして、筒状体の中心軸と螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、アノードをカソードワイヤーが、取り囲むように配置して構成される。また、カソード及びアノードは、発光波長に対して透明である誘電体材料で作製された管の内部に設置されており、発光波長に対して透明である誘電体材料で作製された管によって、カソード及びアノードが封止されている。
上述のこの発明の第1〜第12の誘電体バリア放電エキシマ光源、及び第1〜第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源においては、アノードとカソードの間隔を0〜2 mmであるように構成するのが好適である。
また、上述のこの発明の第1〜第12の誘電体バリア放電エキシマ光源、及び第1〜第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源においては、冷却用の液体または気体がアノードの筐体内部を循環することが可能である構造として構成するのが好適である。
この発明の第1〜第3の誘電体バリア放電エキシマ光源は、カソードにカソードワイヤー群が装着されているので、このワイヤー群を構成するワイヤーの近傍領域での電界強度を増すことができ、誘電体バリア放電が発生しやすい構造となっている。また、高い圧力の放電ガス中で安定した放電を実現させることができ、エキシマ光源への注入電力に対する発光効率を高くすることができる。すなわち、高輝度の真空紫外領域の波長の光を発光する自然放出光源を提供することが可能となる。
また、アノードと対向する側のカソードの表面には、真空紫外放射光を反射する反射面が形成されているので、真空紫外領域の波長の光を照射する被照射物体に効率よく照射させることが可能となる。
また、この発明の第1〜第3の誘電体バリア放電エキシマ光源は、上述の真空紫外放射光を発生させる領域と、この真空紫外放射光を照射する被照射物体とが配置される領域との間に窓を配置しない構成であるので、真空紫外放射光が窓を構成する材料の吸収を受けない。従って、窓によって吸収されない分、より強い真空紫外放射光を被照射物体に照射させることができる。
また、この発明の第4〜第8の誘電体バリア放電エキシマ光源は、単体のアノードに代えて、アノード群を具える構成となっている。このようにすることによって、アノード電極を被覆する誘電体の総面積を、アノードの数を増やすことで広げることができるので、被照射物体に対して、照射できる面積を広げることができる。
また、この発明の第9の誘電体バリア放電エキシマ光源は、カソードが、真っ直ぐな半管状体の長尺方向に平行に付加的な棒状の導体を複数一平面上に並べて配置した形状で具えているので、導入導線及びカソードワイヤー群を構成するワイヤーに起因するインダクタンスを減らすことができる。このことによって、誘電体バリア放電エキシマ光源に導入する電力の効率を高くすることができ、高効率の発光が実現する真空紫外光源とすることができる。
また、第10あるいは第11の誘電体バリア放電エキシマ光源では、設定されるアノード電極が、半円筒形の長尺方向に沿った端の部分の形状、あるいは矩形の半管形の長尺方向に沿った端の部分の形状が、この半円筒形の内側あるいはこの矩形の半管形の内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成される。このことによって、電極間の静電容量を減らすことができ、また、プラズマが形成される領域を半円筒形の凸面の部分あるいは矩形の半管形の底面の側の誘電体表面に限定して確定することができ、より効率的に放射される真空紫外光を、被照射物体に照射させることができる光源を作製できる。
また、第1参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源は、誘電体で被覆された真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード電極と、螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具えて構成され、この筒状体の中心軸と螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、アノードをカソードワイヤーが、取り囲むように配置して構成される。このことによって、放電プラズマが占める領域の容積を大きくすることができ、これにともない放射される真空紫外光の強度を増すことができる。
また、第2参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源は、反射体が設けられているので、放電によって放射される真空紫外光を、ほぼ平行な方向に揃えて出射することができる。このことにより、より効率的に被照射物体に真空紫外光を照射することができる。
また、第3参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源によれば、同軸形放電電極ユニットを複数個具える構成となっているので、アノード電極を被覆する誘電体の総面積を、アノードの数を増やすことで広げることができる。そのことにより発光する部分である放電ガスのプラズマが形成される領域が広がり、結果として、被照射物体に対して、照射できる面積を広げることができる。
また、この発明の第12の誘電体バリア放電エキシマ光源によれば、第10の誘電体バリア放電エキシマ光源のアノード電極及びそれを被覆する誘電体の構造と同一の電極を具えており、第1参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具えて構成されているので、この発明の第10あるいは第11の誘電体バリア放電エキシマ光源同様に、電極間の静電容量を減らすことができ、また、プラズマが形成される領域を安定して半円筒形の凸面の部分あるいは半円管形の底面の側の誘電体表面に限定して確定することができ、より効率的に放射される真空紫外光を、被照射物体に照射させることができる真空紫外光源とすることができる。
また、この発明の第1〜12の誘電体バリア放電エキシマ光源、及び第1〜第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源において、アノードとカソードとの間隔を0〜2 mmと狭く構成すれば、これらの誘電体バリア放電エキシマ光源に電力を供給する高電圧パルス電源の電圧を低く設定することができる。その結果、駆動電源として必要とされる電圧が低くて済むことになり、それだけ高電圧パルス電源を作りやすくなる。その上、アノードとカソードとの間隔を0〜2 mmと狭く構成すれば、プラズマを誘電体の表面近傍に局在させることができ、プラズマの温度が上昇することによる発光効率の低下を最も効率的に防ぐことができる。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、各図は、この発明が理解出来る程度に各構成成分の形状、大きさ及び配置関係を概略的に示してあるに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、特定の材料及び条件等を用いることがあるが、これら材料及び条件は好適例の一つに過ぎず、従って何らこれらに限定されない。また、各図において同様の構成要素については同一の番号を付して示し、それらの機能等に関して、その重複する説明を省略することもある。
<実施例1>
図1及び図2を参照してこの発明の第1の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造及びその動作原理を説明する。図1は、この発明の第1の誘電体バリア放電エキシマ光源を、アノードの長尺方向と直交する方向に沿って切断した概略的横断面図である。図2は、この発明の誘電体バリア放電エキシマ光源を、アノードの長尺方向と平行な向きに沿って切断した概略的縦断面図である。
アノード電極10は、真っ直ぐな長尺の筒状体から構成されており、この筒状体の外周を誘電体12が覆う構造となっている。アノード15は、アノード電極10と誘電体12とを具えている。以後の説明においては、アノード電極と誘電体とからなる構造体をアノード構造体と称することもある。
またカソード25は、真っ直ぐな半円筒状の形状のカソード部分20とカソードワイヤー群16を具える。またカソード部分20は、真っ直ぐな半円筒状の形状であり、カソード25は、アノード電極10を取り囲み、かつアノード電極10とカソード部分20とは、長尺方向に互いに平行に配置される。カソードワイヤー群16は、複数ワイヤー(wire stubs:ワイヤースタブ)が互いに平行になるように、ワイヤーの両端がカソード部分20を構成する半筒状体の長尺方向に沿った方向に延在する両端20Dに固定されている。また、アノード電極10と対向する側のカソード部分20の表面20Sは、VUVの輻射を反射する反射面が形成されている。以後の説明において、カソード部分とカソードワイヤー群とからなる構造体をカソード構造体と称することもある。
アノード電極10は導入導線14によって高電圧パルス電源18に接続され、カソード25は導入導線22によって接地される。また、アノード電極10とカソード25及び被照射物体24は、Ar、Kr、Xe等の不活性ガス(放電ガス)が充填されたチェンバー(図示を省略してある。)内に配置される。そして、アノード電極10の電位は、カソード25に対して正の電位となるように、高電圧パルス電源18からパルス電圧が印加される。すなわち、アノード電極10には、正極性の高電圧パルスが印加される。
アノード電極10とカソード25間に高電圧パルス電圧が印加されると、両電極間に誘電体バリア放電が起こり、放電プラズマが発生する。この放電プラズマにより、放電ガスの原子が励起され、瞬時にエキシマ分子を形成する。このエキシマ分子が元の原子の状態である基底状態に遷移する(B-X遷移)際に輻射(VUV帯域の発光)を発生させる。すなわち自然放出による発光(spontaneous emission)が起こり、自然放出光源が実現する。
なお、図1に示すこの発明の第1の誘電体バリア放電エキシマ光源において、アノード15とカソードワイヤー群16とが接触して配置される場合も含む。この場合には、この光源に電力を供給する高電圧パルス電源18の電圧が最も低い状態で、この光源を動作させることが可能であって、その結果、光源に求められる供給電圧を低く設定できる。これによって、光源の駆動電源に求められる出力電圧が低くてもよい事になり、それだけ電源の設計が容易となる。
以下の説明において、実施例ごとにアノード構造体とカソード構造体の形状は異なるが、これら両極間に高電圧パルス電圧が印加されると、離間又は接触して配置された両電極間に誘電体バリア放電が起こり、瞬時にエキシマ分子が形成され、このエキシマ分子の自然放出により発光するという動作原理は、この発明の第2〜12の誘電体バリア放電エキシマ光源、及び第1から第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源においても共通する。
この輻射による放射光を以後、VUV放射光ということもある。また、エキシマ分子が元の原子の状態である基底状態に遷移する際に発生する輻射を、エキシマ発光というともある。この輻射の波長は放電ガスの種類によって決まる。この輻射によって、アノード電極10を被覆している誘電体12とカソード25との間の空間、すなわち誘電体12の周辺において発光が起こる。アノード電極10を誘電体12によって被覆することによって、一旦発生した放電がアーク放電に移行することを防ぎ、エキシマ発光を維持させることができる。
この発明の第1の誘電体バリア放電エキシマ光源は、上述のVUV放射光を発生させる領域と、このVUV放射光を照射する被照射物体24とが配置される領域とを仕切る、VUV放射光を吸収する材料からなる窓を配置しないことが第1の特徴である。このことによって、VUV放射光が窓を構成する材料の吸収を受けないので、効率よく被照射物体24にVUV放射光を照射させることができる。
誘電体バリア放電エキシマ光源では、連続的な発光を得るために連続放電が実現することが理想であるが、通常のアーク放電では放電電流密度が低いために数ナノ秒程度の寿命しかないエキシマ分子を高密度で発生させることができず、エキシマ発光はほとんど得られない。そこで、アノード電極10を誘電体12で被覆した構造の電極を採用して、誘電体バリア放電を起こすことによって、擬似的な連続放電でありながら高い放電電流密度を確保することができるように工夫されている。
カソード20に装着されるカソードワイヤー群16を、直径の小さな、細い複数ワイヤーによって構成することによって、このワイヤーの近傍領域での電界強度を増すことができる。このことによって、誘電体バリア放電が発生しやすくするとともに、高い圧力の放電ガス中で安定した放電を実現させることができる。高い圧力の放電ガス中で安定した一様な放電を実現させることができることによって、エキシマ分子の濃度を高く保つことができ、エキシマ光源への注入電力に対する発光効率を高くすることができる。すなわち、高輝度のVUV領域の波長の光を発光する自然放出光源を提供することが可能となる。
図1に示すように、被照射物体24に効率よく照射光(VUVスペクトル帯域の光)を照射するために、アノード電極10と対向する側のカソード部分20の表面はVUVスペクトル領域の輻射、すなわち、VUV放射光を反射する反射面20Sが形成されている。これによって、VUV領域の波長の光を照射する対象(被照射物体)に効率よく照射させることが可能となる。反射面20Sは、例えば、VUVスペクトル領域の輻射を反射する材料であるアルミニウム等でカソード部分を形成して、表面を鏡面研磨することで形成できる。以後説明する実施例において、VUV放射光を反射する反射面については、その形成方法等はこの実施例1の場合と共通するので、この点に関する説明を省略する。
一方、カソードワイヤー群16と反射面20Sとは、ともにアノード電極10との間の電場を一様な強度に保つ他、アノード電極10を機械的に保護する役割をも果たす。
以下に示す実施例2以降の説明においては、アノードは導入導線によって高電圧パルス電源に接続され、カソードは導入導線によって接地される点、及びアノードとカソード及び被照射物体は、放電ガスが充填されたチェンバー内に配置される点は共通するので、この点に関する説明を省略する。また、実施例16を除き、上述の真空紫外放射光を発生させる領域と、この真空紫外放射光を照射する被照射物体24とが配置される領域とを、仕切る窓が配置されていない。
また、アノードの電位が、カソードに対して正の電位となるように、高電圧パルス電源からパルス電圧が印加される点も共通するので、この点に関する説明も省略する。
<実施例2>
図3を参照してこの発明の第2の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造を説明する。図3は、この発明の第2の誘電体バリア放電エキシマ光源を、アノードの長尺方向と直交する方向に沿って切断した概略的横断面図である。また、アノードの長尺方向と平行な面内での概略的縦断面図は、図2と同様であるので、省略する。また以下の説明において、原則として、光源の横断面図のみを示し、図2と同様の縦断面図は、特に必要である場合を除き省略する。
第2の誘電体バリア放電エキシマ光源が、誘電体12で被覆された真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極10と、このアノード電極10を取り囲む長尺のカソード部分30を具えて構成される点は、上述の第1の誘電体バリア放電エキシマ光源と同一である。ただし、カソード部分30の形状が異なる。カソード部分30は、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状(U字形状ともいう。)である三面(30S-1、30S-2及び30S-3)からなる半管状体であり、カソード部分30は、アノード電極10を取り囲み、かつアノード電極10とカソード部分30とは、長尺方向に互いに平行に配置される。
また、カソード部分30は、この半管状体に互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群16を有する。従って、アノードとカソードとは長尺方向に互いに平行に配置さる。また、カソードワイヤー群16は、複数ワイヤーが互いに平行になるように、ワイヤーの両端がカソード部分30を構成する半管状体の長尺方向に沿っている両端30D固定されている。また、カソード部分30のアノード電極10に対向する側の表面30S-1、30S-2及び30S-3は、VUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
<実施例3>
図4を参照してこの発明の第3の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造を説明する。図4は、この発明の第3の誘電体バリア放電エキシマ光源を、アノードの長尺方向と直交する方向に沿って切断した概略的横断面図である。また、アノードの長尺方向と平行な概略的縦断面図は、図2と同様であるので、省略する。
第3の誘電体バリア放電エキシマ光源が、誘電体で被覆された真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード電極40と、このアノード電極40を取り囲む長尺のカソード部分30を具えて構成される点は、上述の第1の誘電体バリア放電エキシマ光源と同一である。ただし、アノード電極40とカソード部分30の形状が異なる。アノード電極40は、誘電体42で被覆された真っ直ぐな長尺方向に垂直な横断面の形状が矩形の枠状である、四面(40S-1、40S-2、40S-3及び40S-4)からなる管状体からなる。一方、カソード部分30は、真っ直ぐな長尺方向に垂直な横断面の形状がコの字形状(U字形状)である、三面(30S-1、30S-2及び30S-3)からなる半管状体である。またカソード35は、カソード部分30と上述の半管状体に互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群16とを有する。カソード35は、アノード電極40を取り囲み、かつアノード電極40とカソード部分30とは、長尺方向に互いに平行に配置される。カソード部分30のアノード電極40に対向する側の表面30S-1、30S-2及び30S-3は、VUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
<実施例4>
図5を参照してこの発明の第4の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造を説明する。この発明の第4の誘電体バリア放電エキシマ光源が、上述の実施例1〜3と異なる点は、単体のアノードに代えて、誘電体で被覆された、真っ直ぐな長尺の筒状体からなる複数のアノードが、真っ直ぐな長尺の管状体に平行であるように並列をなして配置されて構成されるアノード群を具える点である。
この構成例では、第1、第2及び第3アノードを含む。第1アノード64aは、真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード電極60aとアノード電極60aの外周を被覆する誘電体62aを有する。第2アノード64bは、真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード電極60bとアノード電極60bの外周を被覆する誘電体62bを有する。第3アノード64cは、真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード電極60cとアノード電極60cの外周を被覆する誘電体62cを有する。これら3つのアノード64a、64b及び64cが真っ直ぐな長尺の半管状体50内にこの半管状体50の長尺方向に沿って、複数個(ここでは3個)並列をなして配置されて構成される。図5には、アノードが3つである場合を示したが、3つに限定されることはなく、2つあるいは3つ以上を配列させて構成してもよい。
また、カソード55は、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状(U字形状)である三面(50S-1、50S-2及び50S-3)からなるカソード部分である半管状体50とこの半管状体50に互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群16を有する。カソード55は、このアノード群64を取り囲む位置に配置されている。また、アノード群64と対向する側の、該カソードの表面(50S-1、50S-2及び50S-3)にはVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
<実施例5>
図6を参照して、この発明の第5の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造を説明する。図6は、この発明の第5の誘電体バリア放電エキシマ光源を、アノードの長尺方向と直交する方向に沿って切断した概略的横断面図である。また、図面が煩瑣になることを避けるために、上述の図1〜5において示されている、高電圧パルス電圧電源18、導入導線14、22、及び被照射物体24を省略して示してある。以後において説明する、実施例6から実施例8の誘電体バリア放電エキシマ光源の説明のために参照する図7から図9においても、同様に高電圧パルス電圧電源18、導入導線14、22、及び被照射物体24を図示することを省略してある。
第5の誘電体バリア放電エキシマ光源が上述の第4の誘電体バリア放電エキシマ光源と異なる点は、アノード群70を構成するアノードの断面形状が円形ではなく矩形である点である。
この構成例では、第1、第2及び第3アノード含む。第1アノード70aは、真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード電極66aとアノード電極66aの外周を被覆する誘電体68aを有する。第2アノード70bは、真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード電極66bとアノード電極66bの外周を被覆する誘電体68bを有する。第3アノード70cは、真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード電極66cとアノード電極66cの外周を被覆する誘電体68cを有する。これら3つのアノード70a、70b及び70cが、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状(U字形状)である三面(50S-1、50S-2及び50S-3)からなるカソード部分である管状体50内にこの半管状体50の長尺方向に沿って、複数個(ここでは3個)並列をなして配置されて構成される。図5には、アノードが3つである場合を示したが、3つに限定されることはなく、2つあるいは3つ以上を配列させて構成してもよい。
また、アノード群70とカソード50とは長尺方向に互いに平行に配置されており、アノード群70と対向する側のカソード50の表面(50S-1、50S-2及び50S-3)はVUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
<実施例6>
図7を参照して、この発明の第6の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造を説明する。図7は、この発明の第6の誘電体バリア放電エキシマ光源を、アノードの長尺方向と直交する方向に沿って切断した概略的横断面図である。
この発明の第6の誘電体バリア放電エキシマ光源は、放電電極ユニットを複数個具えて構成される。図7では、3組の放電電極ユニット80、82及び84を具えて構成される誘電体バリア放電エキシマ光源を示しているが、放電電極ユニットを3個とは限らず2個あるいは4個以上具えて構成してもよい。
放電電極ユニットの一つを例にして、放電電極ユニット80の構造を説明する。放電電極ユニット80は、アノード15aとカソード25aとを具えている。アノード15aは、真っ直ぐな長尺の筒状体のアノード電極10aと筒状体の外周面を被覆する誘電体12aを有している。カソード25aは、長尺のカソード部分20aを構成している、真っ直ぐな半筒状体20aと、この半筒状体20aに、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群16aとを有する。このカソード25aは、アノード15aを取り囲んで配置されている。また、アノード15aと対向する側の、カソード部分20aの表面20aSは、VUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
図7では、同様な構成の放電電極ユニット82及び放電電極ユニット84が、長尺の方向に沿って並列をなして配置されている。
<実施例7>
図8を参照して、この発明の第7の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造を説明する。図8は、この発明の第7の誘電体バリア放電エキシマ光源を、アノードの長尺方向と直交する方向に沿って切断した概略的横断面図である。
この発明の第7の誘電体バリア放電エキシマ光源は、放電電極ユニットを複数個具えて構成される。図8では、3組の放電電極ユニット86、88及び90を具えて構成される誘電体バリア放電エキシマ光源を示しているが、放電電極ユニットを3個とは限らず2個あるいは4個以上具えて構成してもよい。
放電電極ユニットの一つを例にして、放電電極ユニット86の構造を説明する。放電電極ユニット86は、アノード15aとカソード35aとを具えている。アノード15aは、真っ直ぐな長尺の筒状体のアノード電極10aと筒状体の外周面を被覆する誘電体12aを有している。カソード35aは、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状(U字形状)である三面(30aS-1、30aS-2及び30aS-3)からなるカソード部分30aを構成している、真っ直ぐな半管状体と、この半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群16aとを有する。このカソード35aは、アノード15aを取り囲んで配置されている。また、アノード15aと対向する側の、カソード部分30aの表面30aS-1、30aS-2及び30aS-3は、VUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
図8では、同様な構成の放電電極ユニット88及び放電電極ユニット90が、長尺の方向にそって並列をなして配置されている。
<実施例8>
図9を参照して、この発明の第8の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造を説明する。図9は、この発明の第8の誘電体バリア放電エキシマ光源を、アノードの長尺方向と直交する方向に沿って切断した概略的横断面図である。
この発明の第8の誘電体バリア放電エキシマ光源は、放電電極ユニットを複数個具えて構成される。図9では、3組の放電電極ユニット92、94及び96を具えて構成される誘電体バリア放電エキシマ光源を示しているが、放電電極ユニットを3個とは限らず2個あるいは4個以上具えて構成してもよい。
放電電極ユニットの一つを例にして、放電電極ユニット92の構造を説明する。放電電極ユニット92は、アノード45aとカソード35aとを具えている。アノード45aは、真っ直ぐな長尺の断面形状が矩形の管状体のアノード電極40aと管状体の外周面を被覆する誘電体42aを有している。カソード35aは、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状(U字形状)である三面(30aS-1、30aS-2及び30aS-3)からなるカソード部分30aを構成している、真っ直ぐな半管状体と、この半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群16aとを有する。このカソード35aは、アノード45aを取り囲んで配置されている。また、アノード45aと対向する側の、カソード部分30aの表面30aS-1、30aS-2及び30aS-3は、VUVの輻射を反射する反射面が形成されている。
図9では、同様な構成の放電電極ユニット94及び放電電極ユニット96が、長尺の方向にそって並列をなして配置されている。
以上説明したように、実施例4から8の誘電体バリア放電エキシマ光源は、単体のアノードに代えて、アノード群を具える構成となっている。このようにすることによって、アノードを被覆する誘電体の総面積を、アノードユニットの数を増やすことで広げることができるので、被照射物体24に対して、照射できる面積を広げることができる。
<実施例9>
図10を参照してこの発明の第9の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造を説明する。この発明の第9の誘電体バリア放電エキシマ光源が、上述の実施例4と異なる点は、真っ直ぐな半管状体の長尺方向に沿って平行に付加的な棒状の導体102及び104をカソードワイヤー群16と平行な同一平面上に並べて配置した構成としてあることである。棒状の導体102及び104はカソードと同電位に設定される。
この棒状の導体102は、誘電体62aによって被覆されたアノード電極60aから構成される第1アノード64aと、誘電体62bによって被覆されたアノード電極60bから構成される第2アノード64bとの間の空間に、これらアノード64a及び64bと平行に、配置される。そして、カソードワイヤー群16を含む平面と平行となるように、かつ第1及び第2のアノード64a及び64bよりカソードワイヤー群16を含む平面に近い位置に配置されている。また、この棒状の導体104は、誘電体62bによって被覆されたアノード電極60bから構成される第2アノード64bと、誘電体62cによって被覆されたアノード電極60cから構成される第3アノード64cとの間の空間に、これらアノード64b及び64cと平行に、配置される。そして、カソードワイヤー群16を含む平面と平行となるように、かつ第2及び第3アノード64b及び64cと等距離にあって、かつカソードワイヤー群16を含む平面に近い位置に配置されている。
この発明の第9の誘電体バリア放電エキシマ光源のアノードの数が、この図10に示すように3個とは限らず、2個あるいは4個以上であってもよい。もちろんアノードの数が増えるに従って、挿入すべき棒状の導体も増やすことになる。また、アノードとして、真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノードを用いて構成してもよい。
上述のように棒状の導体を配置することによって、導入導線14あるいは22及びカソードワイヤー群16を構成するワイヤーに起因するインダクタンスを減らすことができる。このことによって、アノードとカソード間に印加する電圧の位相と放電電流の位相との差を小さくできるので、誘電体バリア放電エキシマ光源に導入する電力の効率を高くすることができる。すなわち、高効率の発光が実現する真空紫外光源とすることができる。
<実施例10>
図11(A)を参照してこの発明の第10の誘電体バリア放電エキシマ光源のアノード115の構造につき説明する。アノード115は、アノード電極110及びそれを被覆する誘電体112とから構成されている。図11(A)は、アノード電極110及びそれを被覆する誘電体112をそれらの長尺方向に垂直な平面で切断して示した概略的横断面図である。アノード電極110は、半円筒形部分110aとこの半円筒形部分110aの長尺方向に沿った両端から、それぞれこの半円筒形部分110aの内側の方向に向かって丸め込まれている丸め込み部分110bとを有し、2つの丸め込み部分110bは、互いに平行、かつ離間した先端縁110D-1及び110D-2を有している。この半円筒形部分110aの凸面110Sはカソードワイヤー群が配置されている方向に向けられて配置され、かつ筒状の誘電体112の内面に接触して設けられている。半円筒部分110aの横断面形状は、半筒形状であり、丸め込み部分110bの横断面形状は、誘電体112の内壁面から離間するような、湾曲形状とするのがよい。
<実施例11>
図11(B)を参照してこの発明の第11の誘電体バリア放電エキシマ光源のアノード145につき説明する。アノード145は、アノード電極140及びそれを被覆する誘電体142とから構成されている。図11(B)は、アノード電極140及びそれを被覆する誘電体142をそれらの長尺方向に垂直な平面で切断して示したがい略的横断面図である。アノード電極140は、半矩形管形部分140aとこの半矩形管形部分140aの長尺方向に沿った両端から、それぞれこの半矩形管形部分140aの内側の方向に向かって丸め込まれている丸め込み部分140bとを有し、2つの丸め込み部分140bは、互いに平行、かつ離間した先端縁140D-1及び140D-2を有している。この半矩形管形部分140aの凸面(底面)140Sはカソードワイヤー群が配置されている方向に向けられて配置され、かつ矩形管形状の誘電体142の内面に接触して設けられている。半矩形管部分140aの横断面形状は、半形状であり、丸め込み部分140bの横断面形状は、誘電体142の内壁面から離間するような、湾曲形状とするのがよい。
上述の第10あるいは第11の誘電体バリア放電エキシマ光源に設定されるアノードのように、丸め込み部分110b及び140bの形状が、この半円筒形部分110aの内側あるいはこの半矩形管形部分140aの内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成することによって、この丸め込み部分のアノード電極110bと誘電体112との間及びアノード電極140bと誘電体142との間の静電容量を減らすことができる。このことによって、プラズマが形成される領域を半円筒形部分110aの凸面110Sあるいは半矩形管形部分の底面140Sの側の誘電体表面に限定して確定することができる。
すなわち、上述のアノード電極110とこれを被覆している誘電体112とが、アノード電極110が半円筒形部分の内側の方向に向かって丸め込まれていることによって、アノード電極110と誘電体112とが離れている部分に当る誘電体112の外側はプラズマが形成されにくいため発光しないか発光したとしてもその明るさが減少する。また、上述のアノード電極140とこれを被覆している誘電体142とが、アノード電極140が半矩形管形部分の内側の方向に向かって丸め込まれることによって、アノード電極140と誘電体142とが離れている部分に当る誘電体142の外側はプラズマが形成されにくいため発光しないか発光したとしてもその明るさが減少する。すなわち、主に発光する側は、上述の半円筒形部分の凸面110S又は上述の半矩形管形部分の底面140Sの側である。
このことによって、上述の半円筒形部分の凸面110S又は上述の半矩形管形部分の底面140Sが、試料が配置される側に向くように設定すれば、真空紫外光を被照射物体24(図示を省略してある。)が配置されている側の誘電体の外側面の領域で主として発光を起こせるために、効率よく被照射物体24にVUV光を照射させることができる。
<第1参考例>
図12(A)及び(B)を参照して、第1参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造につき説明する。図12(A)は、アノード155を長尺方向に垂直な平面で切断して示した誘電体バリア放電エキシマ光源の概略的な横断面図である。アノード155はアノード電極150とアノード電極150を被覆する誘電体152とを具えて構成されている。図12(B)は、アノード155の長尺方向に沿って取って示した概略図的縦断面図であり、特に断面の切り口を示している。
第1参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源は、真っ直ぐな長尺の筒状体のアノード電極150とこのアノード電極150を被覆する誘電体152から構成されるアノード155と、螺旋形状体の金属性のカソードワイヤー160とを具えて構成される。このカソードワイヤー160の太さは最大でも2 mmを超えず、2 mm以下である。螺旋形状体は、ワイヤーを螺旋状に巻いて作られている。この筒状体の中心軸と螺旋形状体のカソードワイヤー160の中心軸とが一致した状態で、カソードワイヤー160がアノード155を、取り囲むように配置して構成される。上述のような構成とすることによって、放電プラズマが占める領域の容積を大きくすることができ、これにともない放射される真空紫外光の強度を増すことができる。
<第2参考例>
図13を参照して、第2参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造につき説明する。第2参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源が、上述の第1参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源との相違点は、アノード155と螺旋形状体のカソードワイヤー160とが、反射体170の内部に配置されている点である。反射体170は、真っ直ぐな長尺の半筒状体であって、この半筒状体の長尺方向と、アノード155を構成する筒状体の中心軸及び螺旋形状体の金属性のカソードワイヤー160の中心軸とが平行に配置されている。
反射体170の、カソード155と螺旋形状体の金属性のカソードワイヤー160に面する側の表面170Sは、VUVスペクトル領域の輻射、すなわち、VUV放射光を反射する性質を有する表面として加工されている。これによって、VUV領域の波長の光を照射する対象(被照射物体)に効率よく照射させることが可能となる。表面170Sは、例えば、VUVスペクトル領域の輻射(VUV放射光)を反射する材料であるアルミニウム等で反射体170を形成して、表面170Sを鏡面研磨することで形成できる。
表面170Sは、半円筒状の凹面形状であるので、反射体170を新たに設けることによって、放電によって放射されるVUV放射光の一部を表面170Sで反射させて、ほぼ平行な方向に揃えて、出射させることができる。このことにより、被照射物体24により多い割合で真空紫外光を照射することができる。
<第3参考例>
図14を参照して、第3参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造につき説明する。第3参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源は、第2参考例の、誘電体バリア放電エキシマ光源に用いた、誘電体152で被覆されたアノード155とカソードワイヤー160とから構成される同軸形放電電極ユニット182、184及び186を複数具えて構成される点である。この同軸形放電電極ユニット182、184及び186は、中心軸が互いに平行となるように、並列をなして、一つの反射体180の内部に複数個配置されている。
この反射体180は、長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状(U字形状)である三面180S-1、180S-2及び180S-3からなる半矩形状体であり、この半矩形形状体の長尺方向と上記筒状体の中心軸とは平行に配置されている。第3参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源によれば、同軸形放電電極ユニットを複数個具える構成となっているので、アノードを被覆する誘電体の総面積を、アノードの数を増やすことで、広げることができる。そのことにより発光する部分である放電ガスのプラズマが形成される領域が広がり、結果として、全体的に放射パワーが上がり、しかも、被照射物体24に対して、照射できる面積を広げることができる。
<実施例12>
図15(A)及び(B)を参照して、この発明の第12の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造につき説明する。図15(A)は、この発明の第12の誘電体バリア放電エキシマ光源の概略的な横断面図であり、図15(B)は、縦断面図であって、特に断面の切り口を示している。この発明の第12の誘電体バリア放電エキシマ光源の電極の構造の特徴は、第10の誘電体バリア放電エキシマ光源のアノード115及びそれを被覆する誘電体112の構造と同一の電極を具えている点と、第1参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の螺旋形状体の金属性のカソードワイヤー160とを具えて構成される点である。この筒状体の中心軸と螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、アノード115をカソードワイヤー160が、取り囲むように配置して構成される。
上述の構成とすることによって、この発明の第10あるいは第11の誘電体バリア放電エキシマ光源同様に、プラズマが形成される領域を半円筒形部分の凸面110Sあるいは半矩形管形部分の底面140Sの側の誘電体表面に限定することができ、より効率的に放射される放射光を、被照射物体24に照射させることができる光源を作製できる。
<第4参考例>
図16を参照して、第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造につき説明する。図16は、第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の概略的な縦断面図であって、特に、断面の切り口を示している。第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源は、真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード電極190と、このアノード電極を被覆する誘電体192で構成されている、真っ直ぐな長尺の筒状体からなるアノード195と、螺旋形状体の金属性のカソードワイヤー194とを具える。そして、筒状体の中心軸と螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、アノード195をカソードワイヤー194が、取り囲むように配置して構成される。また、カソードワイヤー194及びアノード195は、発光波長に対して透明である誘電体材料で作製された管200の内部に設置されており、発光波長に対して透明である誘電体材料で作製された管200によって、カソードワイヤー194及びアノード195が封止されている。
従って、被照射物体24は、誘電体材料で作製された管200の外側に配置されて、真空紫外光が照射される。従って、管200と被照射物体24の空間には酸素等の、真空紫外光を吸収する気体等が存在しないように、たとえば窒素ガス等の真空紫外光を吸収しない気体で満たしておく必要がある。被照射物体24は、図16では、管200の上方の位置あるいは管200の下方の位置に設定されることになる。
また、管200を構成する誘電体材料として、溶融石英(例えば、商品名Suprasilとして販売されている溶融石英)を用いれば、波長が172 nm程度の真空紫外光に対して透明である。従って、管200に封入する放電ガスをXeガスとすれば、のエキシマ分子からの発光のスペクトルのピーク波長が172 nmであることから、この真空紫外領域の発光を管200の外部に取り出すことができる。しかし、管200に封入する放電ガスとして、Xeガス以外の不活性ガスであるArガスあるいはKrガス(B-X遷移による発光波長は、それぞれ126、146 nmである。)を利用することはできない。溶融石英が、160 nm以下の波長の光を吸収するからである。
なお、上述の第1から第4参考例及び第12の誘電体バリア放電エキシマ光源を構成するカソードワイヤーとしては、直径が2 mmを越えない太さであり、真っ直ぐな上述の半筒状体の長尺方向あるいは半管状体の長尺方向と、このカソードワイヤーの長さ方向とのなす角度は、直交もしくは直交する位置からの角度ずれが15°を越えない範囲内の角度に設定するのが、光源を作製する上で好適である。
また、上述のこの発明の第1〜12の発明、及び第1〜第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源においては、冷却用の液体または気体がアノードの筐体内部を循環することが可能である構造として構成するのが好適である。冷却用の液体または気体を、筐体内部を循環させることによって、電極の温度が上昇することを防ぐことができ、温度上昇による放電ガスがプラズマ化される効率の低下を防止することができ、高効率が維持された光源を実現できる。
また、上述の第1〜12の発明、及び第1〜第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源においては、カソード構造体、カソード構造体が有するワイヤー(カソードワイヤー群)、付加的な導体及び螺旋形状体のカソードワイヤーをステンレススチールで製作するのが好適である。アノード部分及び反射体は、アルミニウムで製作するのが好適である。アノード電極を被覆する誘電体としては、溶融石英を用いるのが好適である。
また、アノード電極を被覆する誘電体の厚みは、1.5 mmとするのが好適である。アノード電極の直径あるいは垂直横断面の矩形の一辺の長さを23 mmとし、長尺方向の長さを200 mmとするのが好適である。なお、アノード電極の直径あるいは垂直横断面の矩形の一辺の長さは、10 mmから40 mmの範囲で選択するのがよい。また、アノード電極の長尺方向の長さは、50 mmから1 mの範囲で選択するのがよい。カソードワイヤー群を構成するワイヤーの直径、カソードワイヤーの直径及び付加的な導体の直径は、1 mmとするのが好適である。
また、カソードの半円筒形の直径あるいはコの字形状の一辺の長さは80 mm、長尺方向の長さを200 mmとするのが好適である。なお、カソードの半円筒形の直径あるいはコの字形状の一辺の長さを50 mm〜100 mmの範囲で選択するのがよい。また、カソードの長尺方向の長さを50 mm〜1 mの範囲で選択するのがよい。
アノードとカソード間に印加する高電圧パルスの電圧は、4〜6 kVとし、その周波数を20 kHzとするのが好適である。また、周波数は、10〜20 kHzの範囲で選択して設定するのがよい。放電ガスの圧力は、120 Torr (15.96 kPa)に設定するのが好適であり、80 〜760 Torr(10.64 〜101.08 kPa)の値の範囲で選択して設定するのがよい。
ここで、図17〜図19を参照して、アノードとカソードとの間隔とブレークダウン電圧との関係について説明する。ブレークダウン電圧とは、詳細は後述するが、放電が開始される時の、アノードとカソードとの間との電位差である。
図17はアノードとカソードとの位置関係を示す図である。図17は、第1〜12の発明、及び第1から第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の電極構成及び電源及び関係を模式的に示す図あり、この発明の特定の実施形態に対する電極構造を示したものではない。従って、図17は、第1〜12の発明、及び第1から第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源に対して、それぞれの特徴的な電極構造とこの図17に示す電極構造とを対応させて、アノードとカソードとの間隔のみに注目して参照すべき図面である。図17では、アノード電極と誘電体とから構成される同一の構造のアノードが、電源300に対して3つ並列に接続されている構成を例に示してあるが、アノードが1つである構成の光源に対してもアノードとカソードとの間隔は、以下に示すように定義される。
図17に示すように、アノード電極310と誘電体312とから構成されるアノード315、及びカソードを構成するカソードワイヤー316は、間隔dだけ隔てられて配置されている。すなわち、アノードとカソードとの間隔dとは、誘電体312の表面とカソードワイヤー316との最短距離を意味する。
図18は電源と誘電体バリア放電エキシマ光源とを含む等価回路図である。図18には、電源330から誘電体バリア放電エキシマ光源320に対して駆動電力が供給される様子を示してある。静電容量がCdであるコンデンサー322で示されているのは、誘電体312を含んで擬似的に構成されるコンデンサーの静電容量である。以後、誘電体312に起因する静電容量を単に静電容量Cdということもある。静電容量がCgであるコンデンサー326で示されているのは、アノードとカソードとの間の放電ガスを含んで擬似的に構成されるコンデンサーの静電容量である。以後、この放電ガスに起因する静電容量を単に静電容量Cgということもある。また、抵抗値がRgapである可変抵抗324で示されているのは、アノードとカソードとの間の放電ガスに起因する擬似的な電気抵抗である。以後、この放電ガスに起因する擬似的な電気抵抗の抵抗値を単に抵抗値Rgapということもある。
図18において、誘電体バリア放電エキシマ光源320は、等価回路で表現すると、静電容量Cdのコンデンサーと、静電容量がCgのコンデンサーと、抵抗値Rgapの抵抗とを含んで構成されていることになる。すなわち、誘電体バリア放電エキシマ光源320を駆動するために必要となる電圧を論ずるには、これらのコンデンサーと抵抗とから構成される電気回路に対して論ずればよいことになる。
アノードとカソードとの間の放電ガスに起因する絶縁抵抗のブレークダウンによって電流が流れると放電が開始される。この絶縁抵抗のブレークダウンとは、この絶縁抵抗に印加する電圧値を徐々に大きくしていくと、ある電圧値に達すると突然この抵抗値Rgapが小さくなる現象である。放電ガスは絶縁性物質であるが、印加される電圧が高くなると、この絶縁性が破壊されて突然その抵抗値Rgapが小さくなりこの放電ガスに電流が流れる現象、すなわち放電が開始される。すなわち、この時点で誘電体バリア放電エキシマ光源が発光を開始する。この抵抗値Rgapが小さくなる瞬間にこの抵抗に印加されていた電圧をブレークダウン電圧という。
以上説明したことから明らかなように、このブレークダウン電圧を低くすることが、この発明の誘電体バリア放電エキシマ光源を駆動する、高電圧パルス電源に求められる出力電圧の低減化につながる。すなわち、この高電圧パルス電源の出力電圧値は、ブレークダウン電圧以上であればよいので、ブレークダウン電圧が低ければ、高電圧パルス電源の出力電圧値もそれだけ低くてよい事になる。
放電ガスとしてArを用い、図17に示す電極構造を有する誘電体バリア放電エキシマ光源において、ブレークダウン電圧Vを調べた結果を図19に示す。図19は、ガス圧を気圧(atm)単位で目盛って横軸に示し、縦軸にブレークダウン電圧Vを、1を最大値として規格化して示してある。ここでは、縦軸で1と示されているブレークダウン電圧値は、約2.8 kV〜2.9 kVである。従って、0.6とあるところは、1.68 kV〜1.74 kVに対応し、0.35とあるところは、0.98 kV〜1.02 kVに対応する。また、アノードとカソードとの間隔dは、d=2 mm、及びd=5 mmに設定して、それぞれに対してブレークダウン電圧を測定した。
放電ガスの圧力は、0.5 atm、0.75 atm及び1.0 atmに設定して、それぞれに対してブレークダウン電圧を測定した。図19において、Aで示す曲線は、d=5 mmと設定して測定した結果を示し、Bで示す曲線は、d=2 mmと設定して測定した結果を、それぞれ示している。図19によれば、Bで示す曲線がAで示す曲線より下側にあることから、アノードとカソードとの間隔dが小さくなるほど、ブレークダウン電圧が低くなることが分かる。この結果から、アノードとカソードとの間隔dを0 mmに設定すれば、ブレークダウン電圧を最小にできると結論できる。
以上説明したように、誘電体バリア放電エキシマ光源において、アノードとカソードとを接触させて配置することによって、この光源に電力を供給する高電圧パルス電源の電圧が低い状態で、この光源を動作させることが可能となることが分かる。
また、アノードとカソードとの間隔dを小さくすることによって、プラズマが誘電体312の表面近傍に局在する。アノードを覆っている誘電体(石英ガラス)は、アノードが水冷されることによって低温に保たれているので、プラズマで発生する熱を、効率よく吸収できる。従って、プラズマの温度が上昇することによって起こる発光効率の低下を防ぐことができ、高効率な発光が実現される。
以上に示した電極材料や寸法等は、好適例を示しているに過ぎず、この発明の技術的な範囲は、上述の材料あるいは条件に限定されるものではない。
上述のこの発明の第1〜12の発明、及び第1から第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源によれば、真空紫外領域の発光を、効率よく被照射物体に照射することができるので、マイクロエレクトロニクスの分野において、材料の、紫外光によるクリーニングあるいは紫外光による材料表面の再構成に利用される真空紫外光源として、利用することができる。
なお、この発明の実施に当り、この発明は以下の好適な構成を採ることも可能である。
(1)誘電体カバーを具えたアノードを取り囲むカソードを有し、取り出し窓のない放射器構造のVUVでの放射を得るための破壊電圧を低下させた高圧誘電体バリア放電エキシマ光源であって、前記カソードの少なくとも一方の側は2 mmを最大でも越えない太さのワイヤーで製造されており、前記カソードは前記アノード軸と直交して、または前記アノード軸と直交する方向と小さな角度(15°以下)で並列をなす数個のワイヤピースセットで構成され、前記アノード電極には正の単極性高電圧パルスが印加され、前記カソードは接地されており、照射される物体での放射強度を増加するためにカソード表面部が反射器として使用される誘電体バリア放電エキシマ光源。
(2)前記誘電体カバーを具えた前記アノードが並列をなす数個のアノードのセットとして製造され、1つのカソードで取り囲まれている、前記(1)に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(3)前記カソードおよび前記誘電体カバーを具えたアノードが互いに近接して並列をなす数個のセクションセットとして製造されている、前記(1)に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(4)前記カソードが矩形または正方形の断面を有する、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(5)前記カソードが半分のセグメントで構成されている、前記(1)又は(3)に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(6)前記カソードが延長されたエッジを有する半筒形状体として製造されている、前記(1)又は(3)に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(7)前記アノードが矩形または正方形の断面の誘電体管中に設定されている、前記(1)、(2)、(3)又は(4)に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(8)前記アノードが円筒形誘電体管中に設定されている、前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(9)前記カソードがアノードを取り囲む誘電体管の間の平面内に設置された追加の伝導を有する、前記(1)、(2)又は(8)に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(10)前記アノードがその凸側がカソードワイヤーの方向を向いた円形エッジを有する半分のセグメントとして製造されている、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(11)誘電体カバーを備えたアノードを取り囲むカソードを有し、取り出し窓のない放射器構造のVUVで放射を得るための破壊電圧を低下させた誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
前記カソードは、太さが2 mm以下の金属ワイヤーで螺旋状に作られており、正の単極性パルスがアノードの内部電極に印加され、前記カソードが接地されている誘電体バリア放電エキシマ光源。
(12)前記カソードおよびアノードが反射器の中に配置されている、前記(11)に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(13)前記カソードおよびアノードが1つの反射器の中に配置された数個の平列なセクションで構成されている、前記(11)〜(12)のいずれかに記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(14)前記アノードが、半円筒形部分とこの半円筒形部分の長尺方向に沿った両端からそれぞれこの半円筒形部の内側の方向に向かって丸め込まれている丸め込み部分とを有する形状に作られている、前記(11)、(12)又は(13)のいずれか記載されている誘電体バリア放電エキシマ光源。
(15)前記カソードが動作波長で透過性を有する誘電体管の中に挿入され、かつ封止不要型光源として作られている、紫外光、真空紫外光及び可視光域用の前記(11)に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
(16)前記誘電体バリア放電エキシマ光源を冷却するために、冷却液またはガスがアノードの内側空洞中に注入される、前記(1)〜(15)のいずれかに記載の誘電体バリア放電エキシマ光源。
第1の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図(その1)である。 第1の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図(その2)である。 第2の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第3の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第4の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第5の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第6の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第7の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第8の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第9の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 この発明の第10及び11の誘電体バリア放電エキシマ光源のアノード及び誘電体被覆部の概略的断面構造図である。 第1参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第2参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第3参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第12の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 第4参考例の誘電体バリア放電エキシマ光源の構造の説明に供する図である。 アノードとカソードとの間隔についての説明に供する図である。 高出力パルス電源と誘電体バリア放電エキシマ光源とを含む等価回路図である。 ブレークダウン電圧のアノードとカソードとの間隔依存性を示す図である。
符号の説明
10、40、60、66、110、140、150、190、310:アノード電極
12、42、62、68、112、142、152、192、312:誘電体
15、45、115、145、155、195、315:アノード
14、22:導入導線
16、316:カソードワイヤー群
18、300、330:高電圧パルス電源
20、30、50:カソード部分
24:被照射物体
25、35、55:カソード
64、70:アノード群
80、82、84、86、88、90、92、94、96:放電電極ユニット
102、104:棒状の導体
160、194:カソードワイヤー
170:反射体
182、184、186:同軸形放電電極ユニット
200:誘電体材料で作製された管
320:誘電体バリア放電エキシマ光源
322:静電容量がCdであるコンデンサー
324:抵抗値がRgapである可変抵抗
326:静電容量がCgであるコンデンサー

Claims (26)

  1. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、
    該アノードを取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな半筒状体と、該半筒状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具え、
    前記アノードと前記カソードとは長尺方向に沿って互いに平行に配置されており、
    該アノードと対向する側の該カソードの表面は真空紫外スペクトル領域の輻射を反射する反射面が形成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  2. 請求項1に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーは、真っ直ぐな前記半筒状体の長尺方向に沿った両端間に張られており、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーの直径は2 mmを越えない太さであり、
    真っ直ぐな前記半筒状体の長尺方向と、該ワイヤーの長さ方向とのなす角度は、直交もしくは直交する位置からの角度ずれが15°を越えない範囲内の角度に設定されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  3. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、
    該アノードを取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体と、該半管状体に互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具え、
    前記アノードと前記カソードとは長尺方向に沿って互いに平行に配置されており、
    該アノードと対向する側の該カソードの表面は真空紫外スペクトル領域の輻射を反射する反射面が形成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  4. 請求項3に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーは、真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向に沿った両端間に張られており、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーの直径は2 mmを越えない太さであり、
    真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向と、該ワイヤーの長さ方向とのなす角度は、直交もしくは直交する位置からの角度ずれが15°を越えない範囲内の角度に設定されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  5. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状が矩形である四面からなる中空の管状体からなるアノード電極とを有するアノードと、
    該アノードを取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体と、該半管状体に互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具え、
    前記アノードと前記カソードとは長尺方向に沿って互いに平行に配置されており、
    該アノードと対向する側の該カソードの表面は真空紫外スペクトル領域の輻射を反射する反射面が形成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  6. 請求項5に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーは、真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向に沿った両端間に張られており、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーの直径は2 mmを越えない太さであり、
    真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向と、該ワイヤーの長さ方向とのなす角度は、直交もしくは直交する位置からの角度ずれが15°を越えない範囲内の角度に設定されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  7. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードが、
    該真っ直ぐな長尺の筒状体に平行であるように複数並列をなして配置されて構成されるアノード群と、
    該アノード群を取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有するカソードとを具え、
    前記アノードと前記カソードとは長尺方向に沿って互いに平行に配置されており、
    前記アノード群と対向する側の該カソードの表面は真空紫外スペクトル領域の輻射を反射する反射面が形成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  8. 請求項7に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーは、真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向に沿った両端間に張られており、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーの直径は2 mmを越えない太さであり、
    真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向と、該ワイヤーの長さ方向とのなす角度は、直交もしくは直交する位置からの角度ずれが15°を越えない範囲内の角度に設定されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  9. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状が矩形である四面からなる中空の管状体からなるアノード電極とを有するアノードが、
    該真っ直ぐな長尺の管状体に平行であるように複数並列をなして配置されて構成されるアノード群と、
    該アノード群を取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具え、
    前記アノードと前記カソードとは長尺方向に沿って互いに平行に配置されており、
    前記アノード群と対向する側の該カソードの表面は真空紫外スペクトル領域の輻射を反射する反射面が形成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  10. 請求項9に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーは、真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向に沿った両端間に張られており、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーの直径は2 mmを越えない太さであり、
    真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向と、該ワイヤーの長さ方向とのなす角度は、直交もしくは直交する位置からの角度ずれが15°を越えない範囲内の角度に設定されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  11. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、該アノードを取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな半筒状体と該半筒状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具える放電電極ユニットが、長尺の方向に平行に並列をなして配置されて構成される放電電極ユニット群を具え、
    前記アノードと対向する側の前記カソードの表面は真空紫外スペクトル領域の輻射を反射する反射面が形成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  12. 請求項11に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーは、真っ直ぐな前記半筒状体の長尺方向に沿った両端間に張られており、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーの直径は2 mmを越えない太さであり、
    真っ直ぐな前記半筒状体の長尺方向と、該ワイヤーの長さ方向とのなす角度は、直交もしくは直交する位置からの角度ずれが15°を越えない範囲内の角度に設定されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  13. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、該アノードを取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体と該半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群を有する当該カソードとを具える放電電極ユニットが長尺の方向に平行に並列をなして配置されて構成される放電電極ユニット群を具え、
    前記アノードと対向する側の前記カソードの表面は真空紫外スペクトル領域の輻射を反射する反射面が形成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  14. 請求項13に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーは、真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向に沿った両端間に張られており、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーの直径は2 mmを越えない太さであり、
    真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向と、該ワイヤーの長さ方向とのなす角度は、直交もしくは直交する位置からの角度ずれが15°を越えない範囲内の角度に設定されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  15. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状が矩形である四面からなる中空の管状体からなるアノード電極とを有するアノードと、該アノードを取り囲む長尺のカソードであって、真っ直ぐな長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体と該半管状体に、互いに平行に固定された複数のワイヤーからなるカソードワイヤー群とを有する当該カソードとを具える放電電極ユニットが、長尺の方向に平行に並列をなして配置されて構成される放電電極ユニット群を具え、
    前記アノードと対向する側の前記カソードの表面は真空紫外スペクトル領域の輻射を反射する反射面が形成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  16. 請求項15に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーは、真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向に沿った両端間に張られており、
    前記カソードワイヤー群を構成する複数の前記ワイヤーの直径は2 mmを越えない太さであり、
    真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向と、該ワイヤーの長さ方向とのなす角度は、直交もしくは直交する位置からの角度ずれが15°を越えない範囲内の角度に設定されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  17. 請求項7〜10のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記カソードは、前記アノード群と前記カソードワイヤー群との間に、真っ直ぐな前記半管状体の長尺方向に平行な複数の棒状の付加的な導体が一平面上に並べて配置されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  18. 請求項1〜4、7、8、11〜14のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記アノード電極が半円筒形であって、該半円筒形の凸面が、前記カソードワイヤー群が配置されている方向に向けられて設置され、かつ該半円筒形の長尺方向に沿った端の形状が、該半円筒形の内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  19. 請求項5、6、9、10、15、16のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記アノード電極が矩形の半管形であって、該矩形の半管形の底面が、前記カソードワイヤー群が配置されている方向に向けられて設置され、かつ該矩形の半管形の長尺方向に沿った端の形状が、該矩形の半管形の内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  20. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、
    螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具え、
    前記筒状体の中心軸と前記螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、該アノードを該カソードワイヤーが、取り囲むように配置して構成される誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記アノード電極が半円筒形であって、該半円筒形の長尺方向に沿った端の形状が、該半円筒形の内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  21. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、
    螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具え、
    前記筒状体の中心軸と前記螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、該アノードを該カソードワイヤーが、取り囲むように配置して構成される同軸形放電電極ユニットが、反射体の内部に配置されており、
    該反射体は、真っ直ぐな長尺の半筒状体であって、該半筒状体の長尺方向と、前記筒状体の中心軸及び前記螺旋形状体の中心軸とが平行に配置されている誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記アノード電極が半円筒形であって、該半円筒形の長尺方向に沿った端の形状が、該半円筒形の内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  22. 誘電体と、該誘電体で被覆されていて真っ直ぐな長尺の中空の筒状体からなるアノード電極とを有するアノードと、
    螺旋形状体の金属性のカソードワイヤーとを具え、
    前記筒状体の中心軸と前記螺旋形状体の中心軸とが一致した状態で、該アノードを該カソードワイヤーが、取り囲むように配置して構成される同軸形放電電極ユニットが、互いの中心軸が平行であるように複数個が並列をなして、一つの反射体の内部に配置されており、
    該反射体は、長尺方向に垂直な断面の形状がコの字形状である三面からなる半管状体である誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記アノード電極が半円筒形であって、該半円筒形の長尺方向に沿った端の形状が、該半円筒形の内側の方向に向かって丸め込まれる形状に構成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  23. 請求項1〜22のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    冷却用の液体または気体がアノードの筐体内部を循環することが可能である構造として構成されている
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  24. 請求項20〜23のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記螺旋形状のカソードワイヤーの直径は2 mmを越えない太さである
    ことを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  25. 請求項1〜24のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記アノードと前記カソードとの間隔が2 mmであることを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
  26. 請求項1〜24のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電エキシマ光源であって、
    前記アノードと前記カソードとが接触していることを特徴とする誘電体バリア放電エキシマ光源。
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