JP3886172B2 - 配管把持固定用クランプ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、吸排気、給油等を目的として、自動車、各種の機器、装置等に配設され、金属ないし合成樹脂よりなる比較的細径の配管を相手基体に固定するために使用されている配管把持固定用クランプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、吸排気、給油等を目的として、金属ないし合成樹脂よりなる比較的細径の配管が自動車、各種の機器、装置等の相手基体に固定されている。
ここで、相手基体に固定される配管は、予め前記配管の長手方向の所定位置に、配管把持固定用クランプが仮止めされた状態で機器、装置等の組み立て工程へ供給されている。
そして前記の組み立て工程では、配管把持固定用クランプの取付け壁に設けられた取付け孔に組み立てボルトが挿入され、相手基体に締着されて配管が固定されている。
従来、図2に示すように、配管の長手方向の所定位置に仮止めされる金属製の配管把持固定用クランプ5は、長手方向のほぼ中央部に配管1を把持するための把持壁2が弯曲して形成され、該把持壁2に連なって、その両側に一体に一対の取付け壁3a、3bが延出され、該一対の取付け壁の長手方向の中央部において、相互に重合する取付け孔4が貫設されてなるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
さて、配管固定用クランプを配管の所定位置に設置する際には、まず、配管固定用クランプ5の重合する一対の取付け壁3a、3bの先端部を相互に解放して把持壁2に配管1を装着するための作業を行う。この際に、把持壁2の内径は配管を装着するために拡径せざるを得ない。
次に把持壁2の内面に配管1の外周面を密着するため一対の取付け壁3a、3bを重合するように把持壁2を縮径する作業を行うが、一旦拡径した後には、把持壁2の内径はスプリングバックによって容易に規定値にまで縮径せず、したがって配管把持固定用クランプ5は配管1に仮止めしても取付け壁3a、3bの特に先端側で解放する傾向となる。
このような状態では、相手基体の定位置に固着するために前記配管を搬送する間に、配管固定用クランプ1が振動等によって定位置から軸方向および/または周方向にずれてしまうことが多く、結果として機器、装置等の組み立て工程現場において位置調整作業を実施しなければならず、大量生産方式の現場での大きな問題であった。
さらに、配管固定用クランプ1による配管1の保持力は、一対の取付け壁3a、3bの取付け孔4に締着するボルトによって発生させているので、ボルトから把持壁2との間には何らの支持手段がなく、長期使用によって取付け壁が相互に相対する方向に解放する傾向となって配管が緩むことがあった。
【0004】
本発明は、上記の課題を解決して、長期の使用においても配管側に緩みを生ずることことがなく、また配管を相手基体の定位置に固着するために搬送する間に、一旦配管の長手方向の所定位置に仮止めされた配管固定用クランプが振動等によってもその位置をずれることがなく、その後の作業をきわめて容易にした配管固定用クランプを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決するため、研究、開発を重ねた結果、配管固定用クランプの一対の取付け壁の一方には掛支孔を、また他方の取付け壁には前記掛支孔に嵌挿可能で折り返し固定可能な状態で突出してなる爪壁を設けることにより事態の改善されることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、長手方向のほぼ中央部に、配管を把持するための把持壁が弯曲して形成され、該把持壁に連なって、その両側に一体に一対の取付け壁が延出され、該取付け壁には相互に重合する取付け孔が貫設されてなる配管把持固定用クランプにおいて、前記一対の取付け壁のうち相手基体に面する側の取付け壁には把持壁より延出する箇所に掛支孔が穿設され、また相手基体に面しない側の取付け壁には前記掛支孔に対応して当該掛支孔に嵌挿可能な爪壁が突出し、かつ該爪壁は前記掛支孔に嵌挿した先端を前記把持壁形成方向に向けて折り返して固定すると共に当該取付け壁の一方を前記配管の外周面側にカシメて形成してなる配管把持固定用クランプを要旨とするものである。
【0007】
【作用】
本発明は、配管把持固定用クランプを構成する一対の取付け壁のうち、把持壁より延出する箇所で相手基体に面しない側の取付け壁より突出した爪壁が、相手基体に面する側の取付け壁に穿設された掛支孔に嵌挿可能にして、かつ前記掛支孔に嵌挿した爪壁の先端を把持壁形成方向に向けて折り返し固定すると共に当該取付け壁の一方を前記配管の外周面側にカシメて形成することにより、前記爪壁の折り返しにより把持壁を配管側に引っ張って圧接するよう働き、したがって配管の把持力を向上して長期使用に際しても配管側に緩みを生ぜず、また前記把持壁に配管を装着する際に発生するスプリングバックに抗して、配管把持固定用クランプを配管に仮止めさせる際の把持力を高め得る。
これにより、従来、配管を本体に固着させるまで搬送する工程において頻発していた、配管把持固定用クランプの仮止め処理終了後の位置変動を防止するとともに、相手基体への配管の締着作業が迅速かつ容易に実施することが可能となった。
【0008】
【実施例】
本発明の実施例について、以下にその詳細を述べる。
図1は本発明の一実施例を配管に組み付けた場合を示す断面図である。
【0009】
図1に示す如く、配管把持固定用クランプ5は、帯状の金属からなり、長手方向のほぼ中央部に配管1を把持するための把持壁2が弯曲して形成され、該把持壁2に連なり、その両側に一体に一対の取付け壁3a、3bが延出されてなり、該一対の取付け壁3a、3bは、ほぼへ字状に屈折されて形成されるとともに、それぞれ対応する位置に重合する取付け孔4が貫設されている。
前記一対の取付け壁3a、3bのうち一方の取付け壁3aには把持壁2に近接して配管1の外周面のほぼ接線方向の位置に掛支孔6が穿設されている。また他方の取付け壁3bには前記掛支孔6に対応して該掛支孔6に嵌挿可能な爪壁7が突出し、かつ該爪壁7は、前記掛支孔6に嵌挿された後、その先端を把持壁2方向に向けて折り返し固定可能に構成されており、該爪壁7の幅と厚さは前記掛支孔6の長さと幅と同等または僅かに小さく形成されている。
【0010】
このように構成されている配管把持固定用クランプ5を配管1に仮止めするに際し、まず一対の取付け壁3a、3bの先端8を解放して、この解放部より配管1を挿入し、前記把持壁2に配管1を装着させ、該把持壁2内面と配管1の外周面を密着させる。
このようにして、把持壁2と配管1とを密着させた後、把持壁2にて配管1を把持できる状態まで取付け壁3a、3bを閉じ合わせ、かつ取付け壁3aに穿設された掛支孔6に取付け壁3bに突起された爪壁7を嵌挿し、該爪壁7の先端を把持壁2方向に向けた状態にして折り返すとともに、前記取付け壁の一方3aを前記配管1の外周面側にカシメてほぼく字状の窪み12を形成するように該配管1の外周面に沿わせて構成すると、把持壁2と配管1との密着面積が増大して一層把持力を向上せしめる結果となる。
このように仮止めすると、その後の配管1が搬送される場合においても、配管把持固定用クランプ5の仮止め位置には何等の変化も認めらず、取付け孔4に取付けボルト9を締着することにより相手基体10に配管1を固定するまで、配管1の長手方向の所定位置に配管把持固定用クランプ5を確実に仮止めすることができる。
【0011】
【発明の効果】
本発明を実施する場合、上記のようにして、簡便なる方策の採用により、前記爪壁の折り返しにより把持壁を配管側に引張って圧接するよう働き、かつ取付け壁の一方を配管の外周面側にカシメて把持壁と配管との密着面積が増大し、したがって配管の把持力を向上して長期使用に際しても配管側に緩みを生ぜず、さらに配管把持固定用クランプの仮止め力を向上させたため、配管搬送時などに発生し易かった配管把持固定用クランプの仮止め位置の軸方向や周方向の変動等の発生を防止するとともに、機器の組み立てに際して必要とされる位置調整を省略して、ただちに相手基体への締着作業を行うことを可能にし得たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を配管に組み付けた場合の断面図である。
【図2】 従来例を配管に組み付けた場合の断面図である。
【符号の説明】
1 配管
2 把持壁
3a 取付け壁
3b 取付け壁
4 取付け孔
5 配管把持用クランプ
6 掛支孔
7 爪壁
8 端部
Claims (1)
- 長手方向のほぼ中央部に、配管を把持するための把持壁が弯曲して形成され、該把持壁に連なって、その両側に一体に一対の取付け壁が延出され、該取付け壁には相互に重合する取付け孔が貫設されてなる配管把持固定用クランプにおいて、前記一対の取付け壁のうち相手基体に面する側の取付け壁には把持壁より延出する箇所に掛支孔が穿設され、また相手基体に面しない側の取付け壁には前記掛支孔に対応して当該掛支孔に嵌挿可能な爪壁が突出し、かつ該爪壁は前記掛支孔に嵌挿した先端を前記把持壁形成方向に向けて折り返して固定すると共に当該取付け壁の一方を前記配管の外周面側にカシメて形成してなることを特徴とする配管把持固定用クランプ。
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JP17269195A JP3886172B2 (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 配管把持固定用クランプ |
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JPH094763A JPH094763A (ja) | 1997-01-07 |
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1995
- 1995-06-15 JP JP17269195A patent/JP3886172B2/ja not_active Expired - Fee Related
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