JP3885879B2 - 汚泥処理装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は有機物を含有する有機性汚泥を処理する汚泥処理装置に関し、特には、最終処分される廃棄物を減量化することができる汚泥処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、可溶化処理が行われた有機性汚泥のうち、可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離し、その可溶化されずに残留した有機固形物を廃棄する汚泥処理装置が知られている。図3は従来の汚泥処理装置の概略構成図である。図3において、201は最初沈殿槽、202は曝気槽、203は最終沈殿槽、204は第一濃縮部、205は熱交換部、206は加熱部、207は熱処理部、208は冷却部、209は第二濃縮部、210は脱水部である。
【0003】
図3に示すように、従来の汚泥処理装置では、下水処理施設の最初沈澱槽201から発生する初沈汚泥及び活性汚泥から発生する余剰汚泥を処理する場合に、まず、第一濃縮部204において、これらの汚泥を2〜4%前後の懸濁物質(SS)濃度に濃縮する。つまり、排水中に含まれる懸濁性有機物を曝気槽202における生物処理に先立ち分離する事により生ずる初沈汚泥と、後段の生物処理により発生する微生物主体の余剰汚泥とを、まず、第一濃縮部204の濃縮槽で2〜4%程度に濃縮する。次いで、加熱部206及び熱処理部207において、130〜230℃の温度に加熱して30〜90分保持する汚泥の改質処理を行う。詳細には、濃縮された汚泥が、熱処理部207の熱処理槽出口の汚泥と熱交換部205において熱交換する事で予熱され、さらに、加熱部206及び熱処理部207において、蒸気との熱交換、または蒸気吹込みなどにより所定温度に加熱され、濃縮された汚泥の熱処理が行われる。このとき、圧力は反応温度に対応する飽和水蒸気圧以上、すなわち0.3〜2MPa程度に保持して水分の蒸発とそれに伴う熱の散逸が防止される。また、空気などの酸素含有気体を吹き込んだり、酸、アルカリなどの薬品を添加する場合もある。熱処理後の汚泥は、熱交換部205において、熱処理前の汚泥と熱交換する事により冷却され、さらに冷却水との熱交換などによって30〜50℃またはそれ以下に冷却される。
【0004】
この結果、汚泥を構成する有機物の一部は可溶化して溶解性有機物となり、固型性の有機物量が減少する。更に、残留したSSについても、沈降分離性及び脱水性が良好となる。加熱部206及び熱処理部207などにおいて熱処理された液は、次いで、第二濃縮部209の沈澱槽でSS濃度6〜8%まで濃縮される。次いで、その濃縮液は、脱水部210の脱水機で脱水され、SS成分が脱水ケーキとされる。この脱水ケーキの含水率は40〜70%となり、熱処理をせずに下水汚泥を脱水した場合と比べて著しく含水率が改善されることが知られている。
【0005】
このように有機物の可溶化作用と脱水性の改善により、排出される脱水ケーキの量を大幅に削減できることが図3に示した従来の汚泥処理装置の特徴である。この減量効果により、脱水ケーキを廃棄物として処分する際の運搬費と処分費を低減することが出来る。また、この方式で生じた脱水ケーキを焼却処分する際には、発熱量が高く補助燃料がほぼ不要であるという特徴があり、焼却にかかるコストを低減する効果もある。
【0006】
一方、可溶化された有機物成分は、必要に応じて活性汚泥や嫌気消化、上向流嫌気性汚泥床(UASB)法などで処理された後に曝気槽202に戻され、有機物で汚染された水が排出されることが防止される。このときに新たに生じた余剰汚泥は、他の汚泥と共に再び加熱部206、熱処理部207などの熱処理プロセスで処理される。詳細には、第二濃縮部209で生じた上澄液や、脱水部210で生じた脱水濾液は、直接曝気槽202に投入される。あるいは、そのまま原水と混合されるか、または一度活性汚泥やUASB法などで処理された後に曝気槽で処理されることも可能である。
【0007】
図3に示したような従来の汚泥処理装置の熱処理における有機SS(VSS)成分の可溶化率は50〜90%に及び、その機構は、有機SSを構成する高分子が高温環境下における分解作用と、熱水分子との反応による加水分解作用により低分子化し、可溶性分子に変化することであると考えられている。図3に示した従来の汚泥処理装置のような熱処理汚泥脱水法の効果は、余剰汚泥以外の有機物含有汚泥に対しても発揮されることが多く、このような方法は、下水の最初沈澱池より発生する汚泥に対しても適用されている。
【0008】
また従来、有機汚泥を減量化するために、有機汚泥を可溶化処理し、微生物の作用で分解する汚泥処理装置も知られている。図4は従来の他の汚泥処理装置の概略構成図である。図4において、301は最初沈殿槽、302は曝気槽、303は最終沈殿槽、304は基質化処理部、305は濃縮部、306は脱水部である。図4に示す汚泥処理装置では、可溶化処理のために、オゾンや過酸化水素、次亜塩素酸ソーダなどの酸化剤との反応が用いられる。代わりに、ミルや超音波などによる機械的破砕方法や、酵素の添加または酵素を分泌する微生物の作用を利用する方法等も可能である。この方法は、特に余剰汚泥などの細菌類及びその死骸が主体である汚泥の場合に効果的であるとされ、その可溶化の作用は主に細胞壁を破壊して菌体内の溶解性有機物を菌体外に漏出させるところにあると考えられている。一部の方法では高分子物質の分解による低分子化も進行するため、可溶化の程度は各方法毎に異なるが、概ね5〜50%程度と考えられる。また、上述のような熱処理、あるいは更に低温の熱処理を可溶化手段として用いることも可能である。
【0009】
可溶化された汚泥は、例えば好気消化槽や嫌気消化槽などのような専用の生物処理槽で処理されることもあるが、図4に示す汚泥処理装置では、余剰汚泥の発生源である活性汚泥処理槽としての曝気槽302に送られ、他の有機廃水とともに処理される。この場合、可溶化汚泥を基質として増殖した微生物が新たに余剰汚泥となるため、この分の余剰汚泥も同様に再度可溶化されて処理される。
【0010】
図4に示す汚泥処理装置では、原理上、余剰汚泥が主体の有機汚泥のみが処理対象となる。つまり、通常、難分解性有機物や無機固型分の含まれる初沈汚泥は対象とされず、余剰汚泥のみが対象とされる。すなわち、図4に示す汚泥処理装置では、返送汚泥または曝気槽302内から、本来発生すると思われる余剰汚泥量の2〜10倍量が取り出され、基質化処理部304において基質化処理が施され、曝気槽302に返送され、汚泥が生物分解せしめられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示した汚泥処理装置の問題の一つは、悪臭の発生である。汚泥の熱処理に伴い、メルカプタン類やアルデヒド類、低分子アミン類などの悪臭物質が生成し、周囲に悪臭を発散してしまう。このため、プロセスは臭気の散逸を極力防止するように設計・運転されるが、最終工程である脱水部210の脱水機を密閉して運転することが困難であること、また最終産物である脱水ケーキ自身が臭気を持っていることから、完全に臭気の散逸を防止することは困難である。また、脱水部210の脱水機周辺や脱水ケーキを貯留するホッパ周辺の悪臭を含む雰囲気を吸引して脱臭装置に送る必要があるため、脱臭のためのコストが嵩んでしまうという事も問題である。
【0012】
このような脱水ケーキからの悪臭の散逸を防止するために、熱処理汚泥の上澄水を水で置換してから脱水することも試みられたが、従来においては、完全に置換することは難しく、効果的に臭気を防止することはできなかった。。また、図3に示した汚泥処理装置による汚泥の減量率はせいぜい40〜80%程度であり、更なる高減量率を達成できない問題もある。
【0013】
図3に示した汚泥処理装置による方法を始め、汚泥を可溶化後に脱水する場合の他の問題点として、脱水機で処理できる性状の汚泥にするために汚泥を凝集処理する際、凝集剤を用いて汚泥を凝集させることが比較的難しく、凝集剤の添加量や添加する種類が多くなり、凝集剤の選定に手間がかかったり、凝集剤の添加コストが嵩んでしまうという事が挙げられる。この原因は、可溶化汚泥中には溶解性COD成分が高濃度に存在するため、これが凝集を阻害していることと、可溶化残渣汚泥自体が凝集しにくい性状である場合が多いこと、等が考えられる。凝集剤としては、例えば鉄塩やアルミニウム塩等の無機塩による凝集と、両性ポリマーなどの高分子凝集剤による凝集の二剤を併用した方法や、アニオンポリマーとカチオンポリマー等の性状の異なる高分子凝集剤を二剤を併用した方法が有効であることが多い。この結果、凝集装置において凝集槽が多く必要となったり、薬注設備が多く必要になるなどして建設費が増大すると共に、凝集剤のコストが多くかかることからランニングコストも増大してしまう。また、汚泥の性状が変化した際には二剤それぞれについて最適な薬剤の種類と添加量を検討する必要があり、運転管理が面倒になってしまうという問題もある。
【0014】
このような障害を回避するために、図3に示した汚泥処理装置では、汚泥を熱処理する際の条件を工夫することにより、熱処理工程における汚泥の自己凝集効果を生かし、特別な凝集剤を添加せずに脱水が可能となるという、いわゆる無薬注脱水法を実現している。しかし無薬注脱水を可能にするためには、200℃前後又はそれ以上の熱処理温度を採用する必要があり、これに合わせて反応圧力も1.5〜2MPaへと増大してしまう。これに伴い、より低温の熱処理条件に比べて、(1)熱交換器などの加熱手段への汚泥の焼き付きが生じて熱交換効率が低下し、熱量の損失が大きくなり、さらに洗浄のためのメンテナンスコストが増大すること、(2)液の腐食性が増大し、また高い反応圧力に対応するために熱処理機器のコストが増大すること、(3)高温の加熱手段が必要となるため、熱源として特別に高圧の蒸気が必要となり蒸気供給のためのコストが増大するか、電気等他の手段を用いた熱源が必要となり、設備コスト、ランニングコストが増大すること、(4)汚泥より生ずる悪臭が増大すること、(5)可溶化液の生物分解性が悪化し、処理水のCODや色度が悪化する事、等の欠点が生じてしまう。
【0015】
このような欠点を克服するために、汚泥熱処理時に容積比で2〜30倍量程度の空気を吹き込むことで、脱水性が悪くなる原因であるコロイド成分の分解を促進し、その結果、150〜180℃の温度領域でも無薬注脱水が可能な性状の汚泥を得られるという方法も行われている。しかし、この方法では高圧に加圧した空気を吹き込む必要があるため、コンプレッサーなどの設備費とランニングコストが増大すること、吹き込んだ空気を分離して脱臭などの処理をする必要があるため設備が複雑かつ効果な物になること、分離した空気と共に蒸気が流出するため熱量の損失が生ずる事などの欠点が生じてしまう。
【0016】
一方、図4に示した汚泥処理装置の問題点は、可溶化汚泥の生物処理コストが高いことにある。この方法では可溶化しなかった残渣も含めて生物処理を行うが、これらの残渣は高分子有機物からなり、特にその大部分は汚泥を構成していた細菌などの細胞壁に由来する難分解性物質である。従ってこれらの物質が完全に生物分解されるまでには非常に長い時間がかかってしまい、その時間は可溶化の手法にもよるが15日〜100日程度あるいはそれ以上になってしまうと思われる。従って高減量率を達成するためには、長期間これらの可溶化残渣SSを貯留できるシステムが必要になってしまう。例えば可溶化液を活性汚泥で処理する場合には、このSS量に対応する分、汚泥濃度が上昇するため、それに応じた曝気槽容量、沈澱槽能力が必要になってしまう。ここで要求される曝気槽容量、沈澱槽能力は、図4に示した汚泥処理装置による汚泥基質化返送法を用いない通常の能力に比べてかなり大きな物であり、その分の建設費が必要になってしまう。また、水処理に用いる活性汚泥からは独立した消化槽などで可溶化液を生物処理する場合にも、難分解の可溶化残渣SSの蓄積を考慮する必要があるため、容量の大きな物が必要になってしまう。
【0017】
また、このような残渣を他の有機廃水と共に活性汚泥で生物分解する場合、本来の浄化機能を有する微生物群の他に難分解性の可溶化残渣が混入することになるため、活性汚泥の能力が低下したり、活性汚泥フロックの沈降性が悪化して沈澱槽が運転困難となったり、また処理水SSが増大して水質悪化を招くケースがあるという問題もある。更に、可溶化残渣の蓄積による汚泥濃度上昇を軽減するために汚泥引抜き量や汚泥可溶化量を増大させた結果、曝気槽内の汚泥滞留時間(SRT)が短くなり、増殖速度の遅い微生物の量が減少したり系内からウォッシュアウトされたりして廃水の分解能力低下を招いたり処理水質の悪化を招いたりするおそれがある。また、活性汚泥中の微生物の割合が減少するにも関わらず、曝気槽には従来以上の量の有機物負荷が流入するため、微生物あたりの有機物負荷が増大し、発泡や臭気の発生などのトラブルが生ずるおそれもある。
【0018】
このような問題を軽減するための方法として、難分解性の可溶化残渣SSを廃棄する事が考えられるが、このとき有機物分解を行う微生物と、難分解SSとを分離して、難分解SSのみを取り出して廃棄する有効な手段は知られていないため、有用な微生物が混合したままの汚泥を廃棄せざるを得ない。その結果、曝気槽内の有用な微生物の濃度が低下して曝気槽の能力低下を生ずるだけでなく、廃棄汚泥量が必要以上に増大することになり、汚泥減量率の悪化につながってしまう。
【0019】
このような難分解性SSの蓄積とその廃棄方法は図4に示した汚泥処理装置の大きな課題であり、特に無機成分を多く含む汚泥や、難分解成分をもともと多く含有する汚泥の場合にこれらの欠点は顕著となってしまう。また、作用機構は、微生物を主体とする汚泥を対象としたときに効果が高いと言うこともあり、この方法は余剰汚泥以外の汚泥に対して適用されることはほとんど無い。
【0020】
つまり、従来の汚泥処理装置では、可溶化処理が行われた有機性汚泥のうち、可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離し、その可溶化されずに残留した有機固形物を廃棄する場合に、有機固形物が、微生物反応処理されることなく、脱水処理されてそのまま廃棄されてしまう。すなわち、従来の汚泥処理装置では、可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離するための分離部と、可溶化されずに残留した有機固形物を廃棄するための廃棄部との間に、可溶化されずに残留した有機固形物の少なくとも一部を微生物処理するための微生物反応処理部が設けられていない。そのため、可溶化されずに残留した有機固形物中に含まれる悪臭物質が、生物分解されることなく廃棄されてしまう。その結果、可溶化されずに残留した有機固形物中に含まれる悪臭物質が脱水、廃棄されるときに悪臭が発生してしまう。また、可溶化されずに残留した有機固形物が分離部と廃棄部との間に設けられた微生物反応処理部によって生物分解される場合よりも、廃棄される汚泥の量が増加してしまう。
【0021】
前記問題点に鑑み、本発明は、廃棄される汚泥の量を低減すると共に、廃棄すべき汚泥が脱水され廃棄されるときに発生する悪臭を抑制することができる汚泥処理装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、可溶化処理が行われた有機性汚泥のうち、可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離し、その可溶化されずに残留した有機固形物の少なくとも一部を廃棄する汚泥処理装置において、可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離するための分離部と、可溶化されずに残留した有機固形物を廃棄するための廃棄部との間に、可溶化されずに残留した有機固形物であって、前記分離部から前記廃棄部に送られて廃棄されることになった有機固形物を微生物反応処理するための微生物反応処理部を設けたことを特徴とする汚泥処理装置が提供される。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、加熱処理により可溶化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理装置が提供される。
【0024】
請求項1及び2に記載の汚泥処理装置では、可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離するための分離部と、可溶化されずに残留した有機固形物を廃棄するための廃棄部との間に、可溶化されずに残留した有機固形物であって、分離部から廃棄部に送られて廃棄されることになった有機固形物を微生物反応処理するための微生物反応処理部が設けられている。そのため、可溶化されずに残留した有機固形物が微生物反応処理部において生物分解される。その結果、分離部と廃棄部との間に微生物反応処理部が設けられていない場合よりも、最終的に廃棄される汚泥の量を低減することができる。更に、可溶化されずに残留した有機固形物中に含まれる悪臭物質が微生物反応処理部において生物分解される。その結果、分離部と廃棄部との間に微生物反応処理部が設けられていない場合よりも、廃棄すべき汚泥が脱水され廃棄されるときに発生する悪臭を抑制することができる。すなわち、分離部と廃棄部との間に微生物反応処理部が設けられていない場合よりも、最終的に廃棄される汚泥の量を低減すると共に、廃棄すべき汚泥が脱水され廃棄されるときに発生する悪臭を抑制することができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、可溶化されずに残留した有機固形物の少なくとも一部を微生物反応処理するための微生物反応処理部と、可溶化された有機物を微生物反応処理するための他の微生物反応処理部とを別個に設けたことを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理装置が提供される。
【0026】
可溶化されずに残留した有機固形物の生物分解速度が比較的遅いのに対し、可溶化された有機物の生物分解速度が比較的速い点に鑑み、請求項3に記載の汚泥処理装置では、可溶化されずに残留した有機固形物の少なくとも一部を微生物反応処理するための微生物反応処理部と、可溶化された有機物を微生物反応処理するための他の微生物反応処理部とが別個に設けられている。そのため、可溶化されずに残留した有機固形物と可溶化された有機物とが同一の微生物反応処理部において微生物反応処理される場合よりも効率良く微生物反応処理を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0028】
図1は本発明の汚泥処理装置の第一の実施形態の概略構成図である。図1において、1は最初沈殿槽、2は曝気槽、3は最終沈殿槽、4は第一濃縮部、5は可溶化手段、6は熱交換部、7は加熱部、8は熱処理部、9は冷却部である。10は可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離するための分離部としての第二濃縮部である。11は第二濃縮部10と、可溶化されずに残留した有機固形物を廃棄するための廃棄部との間に配置された微生物反応処理部としての消化・脱臭部である。12は脱水部、13は高負荷生物処理部である。
【0029】
図1に示すように、初沈汚泥と余剰汚泥は、第一濃縮部4において1〜4%に必要に応じて濃縮され、次いで、加熱部7、熱処理部8などにおいて熱処理され、可溶化される。第一の実施形態では、可溶化手段として熱処理が用いられているが、他の実施形態では、可溶化手段として他の手段を適用することも可能である。
【0030】
可溶化処理された汚泥は、第二濃縮部10において全量を固液分離される。可溶性有機物を主に含む上澄液は、例えばUASBや高負荷型の活性汚泥処理槽などのような高負荷生物処理部13において高速処理され、次いで、さらに浄化するために排水と混合して活性汚泥処理が行われる。他の実施形態では、高負荷生物処理部13において処理された液を放流することも可能である。
【0031】
一方、第二濃縮部10において3〜10%程度に濃縮された可溶化残渣は、微生物反応処理部としての消化・脱臭部11に設けられた嫌気消化または好気消化などの手段によって生物分解され、さらなる減量および脱臭が行われる。次いで、脱水部12において脱水され、脱水ケーキとされる。
【0032】
つまり第一の実施形態では、まず、第二濃縮部10において、可溶化処理が行われた有機性汚泥のうち、可溶化されずに残留した有機固形物が、可溶化された有機物から分離される。次いで、微生物反応処理部としての消化・脱臭部11において、可溶化されずに残留した有機固形物の少なくとも一部が生物分解せしめられる。次いで、残留した有機固形物が廃棄せしめられる。
【0033】
[残渣の生物処理]
微生物反応処理部としての消化・脱臭部11に設けられた微生物反応槽における有機物分解の目的は、残渣濃縮液を脱水・廃棄する時、あるいは、その後に、易分解性有機物が腐敗することの防止と、残渣濃縮液が含有する臭気成分の分解除去と、廃棄汚泥量の減少である。
【0034】
[残渣の生物処理−従来法との違い]
従来、可溶化後の残渣は、図3に示した汚泥処理装置における汚泥熱処理脱水法のように生物処理を経ずに廃棄されるか、または図4に示した汚泥処理装置における汚泥基質化返送法のように可溶化成分と共に生物処理が行われていた。しかし、発明者の検討により、これらの残渣成分には微生物的に易分解な成分と難分解な成分が混在している事が明らかとなった。図3に示した汚泥処理装置における汚泥熱処理脱水法を用いた場合には、易分解性の固形物をそのまま廃棄してしまうために、汚泥の減量率に改善の余地があると共に、易分解性固形物が脱水や運搬等の廃棄処理中に腐敗し、臭気を発散するという問題点を引き起こしていた。一方、図4に示した汚泥処理装置における汚泥基質化返送法の場合には、前述のように難分解性SSが生物処理工程の阻害要因となり、コスト上昇を招いてしまう。
【0035】
第一の実施形態では、微生物反応処理部としての消化・脱臭部11に設けられる微生物反応槽として、好気消化槽または嫌気消化槽を用いることが出来、状況に応じて使い分けることが出来る。
【0036】
[好気消化と嫌気消化の使い分け]
好気消化槽を用いた場合は残渣固型分の分解率が高く、30〜70%を分解する事が可能であり、臭気成分も効率的に分解する事が出来る。また、嫌気処理に比べて反応速度が速く、反応槽を比較的小型にすることが出来る。また、好気消化槽で繁殖する好気性細菌はpHや温度等の環境条件の変動にも強く、また仮に何らかの要因で処理が不調になったとしても短期間で立ち上げを行うことが出来るため、管理が容易である。
【0037】
一方で、曝気などの手段を用いて分解に必要な酸素を供給する必要があるため、ブロワや散気装置等の設置費用が必要になる上、運転時にはブロワを駆動するための電気が必要になり、電気代がかかるというマイナス面もある。
【0038】
また、好気性細菌の増殖に伴い粘質物が生成し、脱水性がやや悪化してしまうというマイナス面もある。このため、最終的に排出された脱水ケーキを焼却処理や乾燥処理する際に、補助燃料や熱源が多く必要になってしまうというマイナス面がある。
【0039】
嫌気消化槽を用いた場合は残渣固型分の分解率が低く、20〜50%程度である。熱処理汚泥由来の臭気成分は嫌気処理でもほぼ分解することができるが、嫌気処理汚泥特有の臭気が残ってしまうというマイナス面もある。また、反応速度が遅く、比較的大型の反応槽が必要になってしまうというマイナス面もある。嫌気消化における有機物分解を担うメタン生成細菌は増殖速度が遅く、また環境条件の変動に対して弱いため、運転管理には熟練を要する上、一度処理が不調になると立ち上げに1ヶ月以上の時間がかかってしまうというマイナス面もある。
【0040】
一方で、運転時に曝気する必要がないため、運転動力は少なく、また発生するメタンガスを燃料として有効利用できるメリットがある。しかし発生するガスを脱硫する設備や、余剰ガスを燃焼するための設備が必要になってしまうため、これらの消化ガス処理設備を専用に設ける必要がある場合には、建設費が嵩んでしまうというマイナス面もある。
【0041】
嫌気消化法の場合には、新たに増殖する細菌の量が僅かであるため、脱水性の悪化はほとんど認められない。このため、焼却処理する際にも補助燃料が不要の事が多い。
【0042】
以上の特徴から、好気消化法はエネルギーを多く必要とするものの、設備の小型化、臭気対策、管理の容易性の点で有利な事が多い。一方、設置面積に余裕があり、また既存の脱硫設備などがある場合などは、エネルギー消費の少ない嫌気消化法を用いるのが良い。
【0043】
[好気消化の条件]
好気消化は反応槽内に曝気手段等を通じて酸素を供給しつつ、反応槽に残渣濃縮液を投入することで、残渣濃縮液中の有機物を酸化分解する微生物を繁殖させ、上記の目的を達成する。槽内の溶存酸素(DO)濃度は、0.1〜4mg/L程度とするのが良く、特に0.1〜1mg/Lが良い。DO濃度が高い場合には、酸素を供給するための動力が無駄になるだけでなく、残渣濃縮液の臭気が分解される前に発散する事を促進し、臭気の除去率を低下させる原因となってしまう。DO濃度が低い場合には、有機物の分解が不十分となってしまうが、第一の実施形態では有機物の完全分解を目差すのではなく、易分解性有機物が除去されれば良く、易分解性な有機物ほど、酸素不足の状態であっても優先的に微生物に分解されるため、効果としては十分な場合が多い。有機物酸化の程度は、残渣濃縮液のCODcrが5〜80%、好ましくは15〜50%分解される程度がよい。
【0044】
好気消化槽におけるSSの滞留時間は3〜10日程度とするのがよく、特に5〜8日が良い。滞留時間が短いと効果が十分でない上、発泡や臭気の発生などの問題が生じてしまう。一方、滞留時間を10日以上と長く取っても、難分解性SSの分解率はほとんど向上しない割に、大きな容量の消化槽が必要となるため、効率が悪くなってしまう。
【0045】
好気消化槽内のSS濃度は0.5〜4%、特に1〜2%とするのが効率が良く、この値を維持するために、適宜前段の固液分離槽における濃縮率を調節したり、希釈水を導入したり、また消化後の汚泥の一部を濃縮して消化槽に返送したりする。消化槽内のSS濃度は水槽容量に余裕がある限り0.5%より薄くても問題は無く、また設計値よりも汚泥の発生量が少ない場合などはこのような運転になることも考えられるが、特に積極的にこのようなSS濃度で運転するメリットは無い。消化槽内のSS濃度が上述の値よりも高いと、発泡が生じたり、曝気による酸素の溶解効率が低下したり、攪拌が不良となり短絡流が生じて処理効率が低下する等の問題点が生じてしまうため、避けるのが好ましい。
【0046】
好気消化槽のpHは4〜9程度とするのがよいが、特に5〜7がよい。pHが7〜8.5では、処理液中の有機態窒素やアンモニア態窒素が硝化反応を受けて酸素を消費するため、酸素供給に要するコストが増大してしまう。但し、窒素濃度を低減する必要がある場合にはこの限りではなく、積極的に硝化反応を促進させるためにpHを7〜9程度で運転することも可能である。
【0047】
好気消化槽の水温は、15〜65℃を適用することが可能であるが、特に20〜50℃とするのがよい。低温では有機物の分解速度が遅いため効率が悪く、また高温では臭気が発散しやすいという問題点があるためである。なお、前述のように高濃度の汚泥を好気消化槽に供給する結果、有機物の分解熱により消化槽の温度は上昇する。温度が上述の範囲以上に上昇して好ましくない場合には、希釈水を導入したり、熱交換器などの冷却手段を用いたり、酸素供給量を低減して有機物の分解を抑制するなどの方法で制御するのがよい。
【0048】
[嫌気消化の条件]
嫌気消化では嫌気的に保たれた反応槽内で酸生成細菌や硫酸還元細菌やメタン生成細菌を増殖させることで、残渣中の有機物や臭気成分をメタンガス、水、硫化水素、二酸化炭素等に分解する。
【0049】
汚泥滞留時間は5〜30日程度が良く、特に7〜20日が良い。滞留時間が短いとメタン生成が不安定となったり、メタン生成が生じなくなったりするという問題があり、嫌気消化が良好に進行しなくなってしまう。滞留時間が長い場合は、嫌気消化反応は安定する方向になり、また一般的に難分解性の固型分の分解が進行して消化率が向上するが、第一の実施形態における可溶化残渣は滞留時間を長くしても分解されない成分が多いため、上述の範囲の滞留時間を取れば充分である。
【0050】
特に、発明者の検討によれば、120〜250℃、特に140〜190℃の熱処理により可溶化した汚泥の残渣は、易分解性SSと、難分解性SSの分解速度の差異が明確である事が見いだされた。このため、易分解性画分を嫌気消化により分解するためには10〜20日以内の比較的短い汚泥滞留時間で充分であるのに対し、難分解性の画分まで嫌気消化法を用いて分解しようとすると、40〜100日あるいはそれ以上の汚泥滞留時間を確保しないと分解率の有意な向上が認められないという特性がある。第一の実施形態では易分解性画分のみを分解する事が特徴であり、他の嫌気消化法に比べて短い汚泥滞留時間で十分に目的を達成することができるため、建設費は通常の嫌気消化槽に比べて安価になる点で優位性がある。
【0051】
嫌気消化槽のSS濃度は0.5〜12%、特に2〜8%とするのがよい。嫌気消化の場合には発泡の問題は好気消化に比べると軽微であり、また酸素を供給する必要がないため、好気消化に比べて高濃度の運転を行うことが出来る。しかし10%以上、特に12%以上の高濃度になると攪拌が困難となり、短絡流が生ずるなどして反応効率が悪くなってしまうため、上述のSS濃度を採用するのがよい。
【0052】
嫌気消化槽の水温は、30〜40℃の中温域、または50〜60℃の高温域のいずれを採用することもできるし、また滞留時間を長めに取ることにより、より低温条件を採用することも可能である。
【0053】
[種汚泥の添加]
上述のような生物処理は、建設費を節約するために極力滞留時間が短いことが好ましいが、一方で滞留時間が短すぎると、発泡、悪臭の発生、廃棄処分時の腐敗、脱水性の悪化等の好ましくない現象が生じてしまう。このような現象を防止するためには、残渣を処理する生物処理槽に、活性汚泥やUASB汚泥や嫌気消化汚泥を少量添加すると良い。例えば、好気消化槽に対しては、好気消化槽に投入する被処理液量に対して、MLVSS濃度が300〜10,000mg/L、特に好ましくは500〜5,000mg/L相当の活性汚泥を投入するのが良い。種汚泥として投入する活性汚泥は、有機物分解作用を強化するのが目的であるから、微生物が生きて活性のある状態である事が重要であり、この汚泥に対しては可溶化処理を行わない。また、嫌気消化槽に対しては、嫌気消化槽に投入する被処理液量に対してMLVSS濃度が1,000〜30,000mg/L、特に好ましくは3,000〜20,000mg/L相当のUASB汚泥か、嫌気消化汚泥を投入するのがよい。
【0054】
このように生物学的な消化作用を促進するために投入する汚泥(「植種汚泥」という)は、少なすぎると効果が無く、多すぎると廃棄汚泥の量が増大し、また熱処理汚泥残渣の持つ良好な脱水特性を損なうことになるため、上述のような添加量が適している。また、植種汚泥を投入することにより被処理液量が増大すると、消化槽の滞留時間が短くなるという問題があるため、植種汚泥はなるべく濃厚な状態で投入するのがよい。すなわち、活性汚泥であればMLVSS濃度が0.5〜20%、好ましくは1〜4%、UASB汚泥や嫌気消化汚泥であればMLVSS濃度が2〜30%、好ましくは3〜15%の状態で投入するのがよい。
【0055】
このような植種を行うことによって消化槽における必要な滞留時間を10〜50%低減し、消化槽の容積を縮小することが可能になり、なおかつ安定な処理を達成することが出来る。
【0056】
[消化後の脱水]
上述のような生物処理手段を経た可溶化残渣は、通常、脱水機により脱水して搬出する。脱水時に用いる凝集剤は、カチオン系、アニオン系、両性などの高分子凝集剤から選定して用いるのがよいが、他の凝集剤も凝集性が良好であれば適用可能である。汚泥の凝集は図3に示した汚泥処理装置における熱処理汚泥脱水法の様に困難ではなく、通常の活性汚泥や嫌気消化汚泥と同様の方法で良好な凝集が可能である。これは主に凝集を阻害する溶解性COD成分を生物分解により低減すること、及び難分解性SSの表面に微生物が増殖する事で汚泥の凝集特性が従来の汚泥の凝集特性に近づくために高分子凝集剤との反応性が良好になること等の作用によるものと考えられる。
【0057】
[可溶化手段]
可溶化手段は可溶化率が高い物が好ましい。可溶化率の高い可溶化手段は汚泥の種類によっても異なるが、可溶化処理におけるVSS可溶化率、またはSS態COD可溶化率が20%以上、好ましくは30%以上となるような手段を用いるのが良い。具体的には、先述のような熱処理方法やその変法では一般に多くの種類の汚泥に対して高い可溶化効果を発揮するため好適である。また可溶化しがたい汚泥を可溶化するためには反応時間を長くしたり、反応温度を高めたり、酸化剤や還元剤や酸やアルカリなどの薬品を添加することで可溶化率の改善を図ることが出来る点も好ましい。他に好ましい可溶化手段は、余剰汚泥が主体の汚泥に対しては、ミルによる微生物細胞の破砕や、酵素の作用を利用した方法や、アルカリの添加による方法等があり、これらの方法を組み合わせたり、またこれらの反応を促進する程度に加温する方法と併用する方法などが挙げられる。
【0058】
特に、第一の実施形態に適した、良好な可溶化率を得られる手段としては、次の手段が挙げられる。
【0059】
(1)熱処理:熱処理温度130〜300℃、特に好ましくは160〜230℃とし、圧力は該当温度における飽和蒸気圧以上とする。低温であるほど可溶化率が低いため汚泥減量効果は低いが、低圧であり腐食性も低く、また熱損失も少ないため建設費、運転費とも低くする事ができる。但し、130℃以下では可溶率が低すぎて実用的では無い。一方、高温では可溶化率が向上するが、高圧であり腐食性も高くなり熱損失も大きくなるため建設費と運転費は高くなる。300℃以上の高温では熱分解によるガス化なども生ずるため有機固形物はほとんど残らず、第一の実施形態の対象とならない事が多い。
【0060】
反応時間は比較的自由に選ぶ事ができ、例えば5〜300分等とする事が出来るが、通常は短絡流の防止や可溶化効果の促進などの観点から20〜120分程度とするのが好ましい。
【0061】
(2)熱処理+酸・アルカリ処理:上述の熱処理時に酸またはアルカリを添加してpHを1〜4程度、または9〜13程度にする事で、可溶化率の向上や反応温度の低減を図る事ができる。この場合、熱80℃程度の低温であっても好適な可溶化率を得られる場合がある。
【0062】
[可溶化液の固液分離]
可溶化液の固液分離手段は特に問わないが、上澄液からのSS除去率が50%以上、好ましくは80%以上である手段がよい。濃縮汚泥濃度は1〜30%程度であれば良く、好ましくは2〜20%、より好ましくは3〜10%となる手法を選択する。このような性能の得られる固液分離手段は汚泥の種類と可溶化手段により異なるが、例えば可溶化手段が上述のような熱処理法やその変法である場合は、沈降分離性に優れるSSが得られるため、もっとも単純で安価な、重力濃縮槽で良い場合が多い。重力濃縮槽の条件としては、分離面積あたりの流入SS負荷(固形物面積負荷)が50〜300kgSS/m2/day、好ましくは100〜200kgSS/m2/dayとする。滞留時間は0.5〜24時間、好ましくは2〜8時間程度がよい。
【0063】
他の固液分離方法としては、浮上濃縮法や遠心分離法等を適用することが出来る。これらの方法は分離性能に優れるため、可溶化液の分離性が悪い場合にも必要な固液分離を行うことができるが、比較的高価な事と、操作にやや熟練を要するという難点があるため、重力濃縮法が適用できない場合の代替手段として選択される。
【0064】
[可溶化液を固液分離せずに直接消化する従来法との相違]
従来より、難分解性の汚泥を微生物で分解する際に、汚泥の分解性を向上する前処理としてオゾンや過酸化水素など酸化剤との反応、ミルや超音波など物理的手段による破砕、熱処理などが用いられてきており、図4に示した汚泥処理装置における汚泥基質化返送法もその一種である。このような処理を行った汚泥中には、(1)生分解の容易な可溶性有機物、(2)生分解の容易なSS性有機物、(3)難分解なSS性有機物、が含まれる。従来の手法はこれらの要素を区別せずに生物処理を行っているため、もっとも分解性の良い可溶性有機物を処理するには効率が悪い処理となっている。すなわち、図4に示した汚泥処理装置における汚泥基質化返送法では前述のように(3)の成分が曝気槽に蓄積する事によって様々な問題を引き起こすため、曝気槽の容積や沈澱槽の面積を増大するなどして対応する必要が生じ、結果として(1)の易分解性有機物に対しては過剰な仕様となる。また単純に好気消化や嫌気消化の後に廃棄する場合であっても、これらの滞留時間は分解速度の遅い(2)や(3)の成分に律速されるために、(1)の易分解成分を分解するには過剰に大きな消化槽となってしまう。
【0065】
第一の実施形態では、可溶化率の高い可溶化処理を行う事で、高速で生物分解をする事が可能な(1)の成分のみを分離する事を容易にしている。さらに、多くの場合可溶化処理により濃縮性が向上しており、また可溶化処理自体により低減したSS濃度を再び高める事が出来る事から、(2)や(3)の成分を含有する液の水量を最小限とする事ができる。一般に嫌気消化や好気消化法は返送汚泥を行うことなく、ワンスルー方式で処理される事が多いため、同じ有機物負荷量に対しても水量が少ない、すなわち高濃度に濃縮されている方が、消化槽を小型化する事ができる。さらに、第一の実施形態では、(2)の成分のみ生物分解すれば良く、(3)の成分の分解速度に律速されることがないため、比較的短い滞留時間で消化処理を行う事ができ、小型の消化槽で目的を達成する事ができる。
【0066】
[窒素・リン除去との組み合わせ]
可溶化液中には易分解性の有機物が多量に含まれるため、廃水処理工程で生物学的脱窒法を行っている場合には、脱窒を行うための有機物源として可溶化液を適量添加する事により、脱窒反応を促進させる事ができる。また、廃水処理工程で生物学的リン除去法を行っている場合には、完全嫌気状態でリン除去細菌からリンを放出させるための有機物源として可溶化液を適量添加する事もできる。
【0067】
第一の実施形態では、このように活性汚泥に悪影響を与える難分解性懸濁物質を系外に排出し、窒素・リン除去に有効な易分解性の可溶性有機物のみを有効利用する事ができる点においても効果がある。
【0068】
なお、生物学的リン除去においては、活性汚泥中に蓄積したポリリン酸、あるいは完全嫌気槽における高濃度な溶解性リンの形態で系内にリンが蓄積していくため、系内に濃縮されたリンを何らかの形で系外に排出する必要がある。有効な方法の一つとして、可溶化処理の前段または後段に於いて鉄塩やアルミニウム塩やカルシウム塩など、リンを不要性塩として固定する成分を添加する事が挙げられる。このとき、濃縮槽における完全嫌気条件下、あるいは活性汚泥の可溶化とともに放出された溶解性リン成分は不要性塩として懸濁態成分となり、他の懸濁性の可溶化残渣成分とともに系外に排出する事ができる。
【0069】
このとき、可溶化手段によっては活性汚泥に蓄積されたポリ燐酸がそのまま溶出してしまい、溶解性リンを固定化しにくくなる場合も考えられる。この時には可溶化処理の前、例えば可溶化前の濃縮工程などにおいて易分解性の有機物、たとえば可溶化汚泥などを添加する事で活性汚泥にリン放出を行わせた後に可溶化処理を行うのが良い。
【0070】
図3に示した汚泥処理装置における熱処理汚泥脱水法において悪臭の発生が問題になった原因は、熱処理汚泥自体が揮発性の悪臭物質を吸着しているために、脱水後も徐々に臭気が揮発して発散する事、及び熱処理汚泥中に含有される易分解性の低分子有機物が容易に腐敗して、腐敗臭を放ちやすい事が挙げられる。特に熱処理工程において汚泥中に含まれるタンパクなど有機態窒素を含む化合物が低分子化されて腐敗菌に取り込まれやすくなり、これを有機物源として増殖した腐敗菌が有機態窒素を揮発性の低分子アミンに変換して排泄するために、通常の有機汚泥脱水プロセスに比べて激しい腐敗臭が生じる物と考えられる。
【0071】
上述したように構成される第一の実施形態の汚泥処理装置では、これらの悪臭物質や、腐敗の原因となる易分解性物質が、好気消化や嫌気消化などの生物処理プロセスで容易に分解される上、残渣量自体も生物分解によって低減されるため、従来法の悪臭の問題を解決することができる。
【0072】
また、第一の実施形態において、凝集性が改善される事の作用は、生物分解によって可溶性のCOD成分が低減するため凝集が阻害されにくいこと、及び可溶化残渣が生物分解によって改質されたり微生物との混合体になったりするために、従来用いられていた高分子凝集剤で良好に凝集される性状に変化することにあると考えられ、この効果により、200℃前後という高温の熱処理条件を使用せず、また空気吹き込み手段を併用することもなく脱水することが可能となり、従来法に見られた高コストを回避することが出来る。
【0073】
以下、本発明の汚泥処理装置の第二の実施形態について説明する。図2は本発明の汚泥処理装置の第二の実施形態の概略構成図である。図2において、101は最初沈殿槽、102は曝気槽、103は最終沈殿槽、104は可溶化部、105は可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離するための分離部としての濃縮部である。106は濃縮部105と、可溶化されずに残留した有機固形物を廃棄するための廃棄部との間に配置された微生物反応処理部としての消化・脱臭部である。107は脱水部である。
【0074】
[好気消化と嫌気消化の使い分け]などの諸条件については、第一の実施形態と同様に設定することができる。
【0075】
第二の実施形態によれば、生物分解の困難な難分解性の懸濁性有機物や無機物を効果的に排出する事ができるため、図4に示した汚泥処理装置における汚泥基質化返送法で処理対象外であった初沈汚泥も、同様に曝気槽で処理する事が可能となる。
【0076】
曝気槽内における難分解性SSの蓄積は、必ずしも完全に防ぐ必要は無いため、例えば可溶化液の一部のみを必要に応じて濃縮し、生物分解によって脱臭処理を行ってから脱水・排出する事ができる。
【0077】
ここで曝気槽の汚泥濃度や沈澱槽の分離能力が限界に近い時には、曝気槽への難分解性SSの蓄積を最小限にする事が好ましいため、可溶化液は極力全量濃縮し、上澄液のみを曝気槽に返送するか、上澄液についても更に生物分解を行った後に曝気槽に返送するのが良い。一方、曝気槽および沈澱槽の能力の余裕に応じて、濃縮・消化を行う汚泥量を減らし、直接曝気槽に返送する可溶化汚泥の量を増やす事で、濃縮槽や消化槽の能力を小さくする事ができ、建設費を節約する事ができる。
【0078】
(実施例)
食品工場排水処理設備の余剰活性汚泥を用いて、最適な汚泥処理方法を検討した。
【0079】
比較例1:図3に示した汚泥処理装置による熱処理汚泥脱水法
SS濃度8.8kg/m3、VSS濃度8.1kg/m3、VSS/SS比0.92の余剰汚泥をオートクレーブを用い、175℃で60分間処理した後に脱水を行った。処理後の汚泥はSS濃度3.3kg/m3、VSS濃度3.0kg/m3、溶解性CODcr濃度4.7kg/m3、懸濁態CODcr濃度4.9kg/m3であった。
【0080】
この汚泥を高分子凝集剤で凝集したところ、カチオン系凝集剤単独では凝集困難であり、最初にアニオン系ポリマーをSSに対して0.3%添加して急速攪拌後にカチオン系ポリマーをSSに対して0.3%添加して凝集する、二剤凝集法が有効であった。この凝集汚泥をブフナー漏斗で濾過し、面圧0.1MPaで1分間圧搾した後に含水率を測定したところ、65%であった。一方、熱処理を行わない汚泥はアニオン系ポリマーのみ0.4%で良好に凝集でき、含水率は83%であった。従って熱処理により、62%が可溶化され、更に含水率の改善により51%減量されるため、合わせて81%の汚泥減量効果があることが示された。
【0081】
この汚泥はアルデヒド、アミン系の臭気があり、また脱水後の脱水ケーキも依然として強い臭気を放っていた。更にこの脱水ケーキを数日間室温にて放置したところ、腐敗臭がし始め、汚泥中の易分解性有機物が腐敗し始めたことが分かった。
【0082】
従ってこの熱処理条件では先述した従来の汚泥熱処理に伴う熱交の焼き付きや建設費と運転費の増大等の問題を回避できるものの、脱水はやや困難であり、また従来報じられているように悪臭の問題があることが確認された。
【0083】
比較例2:図4に示した汚泥処理装置による汚泥基質化返送法
比較例1の熱処理汚泥をCODcr3,000mg/Lとなるように希釈し、1Lの曝気槽に対してCOD容積負荷0.54kg/m3/dayとなるように通水し、処理を行った。曝気槽は1日30分曝気を停止して静置し、上澄み液を処理水として排出した後原水を投入する、回分式活性汚泥法とした。更にこの曝気槽内液を1日平均143mLずつ、オートクレーブを用いて175℃で60分間処理して曝気槽に戻す操作を行う事で汚泥減量を促進した。原水に対する水理学的滞留時間(HRT)は5.4日であり、汚泥滞留時間(SRT)は7日である。但し、熱処理により活性汚泥中の細菌は死滅するため、熱処理工程へ循環する汚泥量を引抜き汚泥と同様に見なしてSRTを計算した。
【0084】
この結果、曝気槽内のSS態CODcr濃度は直線的に上昇し、0.05kg/m3/dayの割合で難分解性のSS態CODcrが発生していることが分かった。すなわち、流入する可溶化汚泥CODcrの約9%は難分解性SSとして曝気槽内に蓄積していくことが分かった。このため、曝気槽内のMLVSS濃度を一定に保つためには定常的な引抜きが必要である。この時、流入する有機物、及び曝気槽内汚泥の熱処理循環液中の有機物を基質として増殖した微生物の濃度はSS態CODcr濃度として約1700mg/Lと計算された。従って難分解性CODの蓄積を例えば微生物濃度の5割に留めようとした場合、曝気槽内のSS態CODcr濃度が2550mg/Lとなるように汚泥引抜きを行う必要があり、汚泥引抜き量は約55mL/day、0.14gCOD/dayとなる。この値は流入するCODの26%に相当し、CODベースの汚泥減量率は74%となる。このように、流入CODの内難分解性SS態CODに転換するのが9%であっても、汚泥を引き抜いて廃棄するときには、活性汚泥を構成する微生物も同時に引き抜く必要があるために、廃棄汚泥量は難分解性SS発生量の3倍またはそれ以上となり、汚泥減量率は著しく悪化する事が分かった。なおかつ、2550mg/Lの活性汚泥の内、有機物分解に寄与する微生物は3分の2で有り、残り3分の1は廃水の浄化作用を持たない難分解SSとなる。このため、活性汚泥SSあたりの有機物浄化能力は3分の2に低下する問題がある。また、曝気槽中のSS濃度が1.5倍に増える結果、処理水を得るための沈澱工程は通常1.2〜1.5倍の能力の物が必要になり、さら沈降性の悪い難分解性SSは処理水中に流出して処理水SS濃度を増加させ、処理水質を悪化させる。本実験中の処理水SS濃度は、曝気槽中に難分解性SSが蓄積して汚泥濃度が増大すると共に悪化し、槽内SS濃度がCODcrとして2550mg/Lに達したときの処理水SS濃度はCODcrとして50〜200mg/Lとなった。曝気槽内に難分解性SSが蓄積していないときの処理水SS濃度はCODcrとして約20mg/Lであったから、処理水SS濃度は2.5倍から10倍に悪化したことが分かる。
【0085】
このように、本比較例により、図4に示した汚泥処理装置による汚泥基質化返送法では難分解性SSを排出する際に廃棄汚泥量が増加するため高い汚泥減量率が得られない問題、曝気槽内の汚泥濃度が上昇するため沈澱槽が大型になる問題、そして曝気槽内に蓄積する難分解性SSが処理水質を悪化させる問題がある事が示された。
【0086】
なお、難分解性SSが生成する割合は可溶化手段により異なるため、汚泥減量率や汚泥濃度の増加の度合いなどは可溶化手段毎に相違があるものの、本質的にはいずれの可溶化手段を用いても同様の問題を抱えている。
【0087】
また、可溶化汚泥以外に由来する難分解性のSS性有機物や無機物が、原水中に含有されている場合にも、同様に曝気槽内に難分解性SSが蓄積して問題となる。従って、図4に示した汚泥処理装置による汚泥基質化返送法では、難分解性のSS性有機物を含有する廃水を処理する際にデメリットが大きくなる。
【0088】
実施例1:嫌気消化法による可溶化残渣SSの生物処理
比較例1の熱処理汚泥を30分間重力沈降させ、全CODcr濃度35kg/m3、懸濁態CODcr濃度30kg/m3、VSS濃度19kg/m3となるように濃縮した。この汚泥を1.5Lの嫌気消化槽を用い、消化槽温度を35℃に調整して滞留時間10日で処理したところ、処理液の懸濁態CODcr濃度は20kg/m3、VSS濃度は13kg/m3となり、約33%の懸濁態有機物が分解したことが示された。
【0089】
得られた消化汚泥をカチオン系高分子凝集剤で凝集したところ、凝集は良好に行われ、また比較例1と同様の脱水条件で脱水して含水率を測定したところ、65%の含水率が得られた。
【0090】
得られた消化汚泥には硫化水素臭、有機酸臭、アミン系の臭気などが認められたが、通常の下水消化汚泥と比較して特別に強い臭気では無く、また比較例1で認められた熱処理汚泥特有の悪臭は認められなかった。従って熱処理汚泥の持つアルデヒド臭、アミン臭などは嫌気消化工程において良好に分解され、除去されたことが確認された。
【0091】
また、得られた消化汚泥を数日間室温で放置したところ、臭気はむしろ軽減した。これは易分解性物質が嫌気消化中に分解されたため、これ以上に腐敗が進行することなく、むしろ汚泥中に含まれていた臭気成分が大気中に放散されることで汚泥自体の持つ臭気が減少したことによると考えられる。
【0092】
実施例2:
嫌気消化における汚泥の分解率を向上させるため、滞留時間を20日及び40日として同様に実験を行った。この結果、汚泥の分解率をはじめ、脱水ケーキ含水率や臭気等に有意な違いは見られなかった。従って、10日の滞留時間で分解されなかった難分解性有機物は、40日まで滞留時間をのばしても分解が進行しないことが明らかになった。一方、滞留時間を40日まで延ばすことにより、汚泥の処理能力は滞留時間10日の時に比べて4分の1に低下するため、滞留時間を10日とした条件が最も有利であった。但し、条件の変動によりメタン醗酵が不完全となり有機酸が蓄積する傾向が見られる等、処理状況がやや不安定な傾向も見られたため、実用上は滞留時間10〜20日程度とするのが最適であると判断された。
【0093】
また、消化槽温度を55℃に設定していわゆる高温嫌気性消化の条件とし、滞留時間を30日としても、やはり分解率は同様であった。従って、一般に有機物分解速度が速いと言われる高温消化条件であっても、熱処理汚泥中の難分解性有機物は分解されにくい事が明らかになった。
【0094】
実施例3:
実施例1と同様の濃縮熱処理汚泥を、1.5Lの好気消化槽を用い、滞留時間5日間で好気消化処理をした。水温は30℃に設定した。この結果、処理液の懸濁態CODcr濃度は12kg/m3、VSS濃度8kg/m3となり、60%の懸濁態有機物が除去された。
【0095】
得られた消化汚泥をカチオン系高分子凝集剤で凝集し、比較例1と同様に脱水試験を行ったところ、凝集は良好であり、また得られた脱水ケーキの含水率は70%であった。含水率は実施例1,2より高い値となったが、これは消化槽において増殖した好気性微生物の分泌する粘質物などのせいであると思われる。
【0096】
得られた脱水ケーキはほぼ無臭であり、また数日間室温で放置すると若干腐敗臭がするものの、特に通常の脱水ケーキよりも激しい悪臭は生じなかった。熱処理汚泥特有のアルデヒド臭、アミン臭は認められなかったため、これらの臭気成分は好気消化処理により良好に分解されたものと考えられる。
【0097】
以上の実施例により、熱処理によって可溶化した汚泥の残渣である懸濁性有機物は重力沈降により短時間で良好に分離され、その後の嫌気消化処理または好気消化処理によって効果的に処理されることが分かった。このような生物処理手段により、熱処理汚泥特有の臭気は効果的に分解されて悪臭は防止された。また凝集性は良好となり、凝集剤は1剤のみで対応できる上、含水率の低い脱水ケーキが得られることが分かった。
【0098】
【発明の効果】
請求項1及び2に記載の発明によれば、可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離するための分離部と、可溶化されずに残留した有機固形物を廃棄するための廃棄部との間に微生物反応処理部が設けられていない場合よりも、最終的に廃棄される汚泥の量を低減すると共に、廃棄すべき汚泥が脱水され廃棄されるときに発生する悪臭を抑制することができる。詳細には、汚泥中の有機物の一部を溶解性有機物とする事で、生物処理により分解することを容易にし、排出汚泥量を効果的に減少させることができる。
【0099】
請求項3に記載の発明によれば、可溶化されずに残留した有機固形物と可溶化された有機物とが同一の微生物反応処理部において微生物反応処理される場合よりも効率良く微生物反応処理を行うことができる。詳細には、原水中の難分解性SSや、汚泥の可溶化により生じた難分解性SSを系内へ蓄積させることなく、効果的に系外へ排出するため、難分解性SSの蓄積に起因する活性汚泥の活性低下や汚泥濃度上昇、処理水質悪化などの問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の汚泥処理装置の第一の実施形態の概略構成図である。
【図2】 本発明の汚泥処理装置の第二の実施形態の概略構成図である。
【図3】 従来の汚泥処理装置の概略構成図である。
【図4】 従来の他の汚泥処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
5 可溶化手段
10 第二濃縮部
11 消化・脱臭部
12 脱水部
Claims (3)
- 可溶化処理が行われた有機性汚泥のうち、可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離し、その可溶化されずに残留した有機固形物の少なくとも一部を廃棄する汚泥処理装置において、可溶化されずに残留した有機固形物を可溶化された有機物から分離するための分離部と、可溶化されずに残留した有機固形物を廃棄するための廃棄部との間に、可溶化されずに残留した有機固形物であって、前記分離部から前記廃棄部に送られて廃棄されることになった有機固形物を微生物反応処理するための微生物反応処理部を設けたことを特徴とする汚泥処理装置。
- 加熱処理により可溶化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理装置。
- 可溶化されずに残留した有機固形物の少なくとも一部を微生物反応処理するための微生物反応処理部と、可溶化された有機物を微生物反応処理するための他の微生物反応処理部とを別個に設けたことを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理装置。
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Publications (2)
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