JP3800048B2 - 木質系固形廃棄物の処理方法 - Google Patents

木質系固形廃棄物の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、新聞紙、ダンボール等の回収古紙や木材加工業から排出される樹皮、木屑等の木質系固形廃棄物を湿式酸化により可溶化して微生物分解処理する方法に係わり、詳しくは湿式酸化において、微生物分解できないリグニンの分解率を向上させ、かつセルロース分解から生ずる微生物に好ましくない分解物の生成を抑制しつつ、微生物分解可能なセルロースを可及的に残留させて、木質系固形廃棄物を効率よく微生物分解処理できるようにする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生活系ごみ、事業系ごみに多量に含まれる紙類はリサイクル化が進み、古紙の回収率はその種類により差があるものの、新聞紙及びダンボールは既にそれぞれ95%及び80%に達し、古紙配合率もそれぞれ50%及び90%を超え、製品品質からシュミレーションされた理論限界値に近づいている。したがって、今後は余剰古紙量が大きくなり、新たな古紙利用手段が求められている。
【0003】
かかる情況において、紙類を多量に含む都市ごみを嫌気性消化する試みがなされているが、嫌気性細菌である加水分解細菌や酸生成細菌は、新聞紙、トイレットペーパなどの木質系固形廃棄物を分解しにくく、メタンガスとして効率的なエネルギー回収がなされていない。
【0004】
このように嫌気性細菌が紙類等の木質系固体廃棄物を分解しにくいのは、天然セルロースが高度に結晶化し、生物分解が非常に困難なリグニンを含んでいることによる。なお、セルロース自体は元来微生物が生産するセルラーゼ等により最終的にグルコースまで分解可能であるが、繊維質として構成されているセルロースは生物分解が困難なリグニンに被覆されているため有効に分解できない。
【0005】
この問題を解決しようとして、新聞紙、トイレットペーパ等の紙類に含まれるリグニンとセルロースの結合を変化させ、これら炭水化物を嫌気性微生物によって分解されやすくし、嫌気性消化における紙類からのメタン収量を高める研究がなされている。
【0006】
その1つに、都市ごみの嫌気性消化に先立ち、pHを13に調整した後、反応温度200℃、反応時間1時間の条件でアルカリ熱処理を行うと、都市ごみからのメタン収量の増加が可能となることが報告されている。しかし、熱化学的に処理されたリグニン濃度が1g/Lを超えると著しい消化阻害が認められることも報告されている(James M. Gossett,David C. Stuckey,“ Heat treatment and anaerobic digestion of refuse ”:Journal of the environmental engineering division, Vol.108, No.EE3, 1982年6月)。
【0007】
一方、特開昭59−26195号公報には、図4に示すような、脱リグニン工程を組み込んだセルロース含有廃棄物の処理方法が記載されている。すなわち、セルロース含有廃棄物1を嫌気性消化槽8で嫌気性消化し、その消化スラリーを固液分離装置9で固液分離し、分離された消化残渣をアルカリ前処理槽3に投入する。このアルカリ前処理槽3においては、セルロース含有廃棄物に対して1〜10重量%のアルカリ剤を添加し、処理温度60〜100℃、処理時間0.5〜5時間でアルカリ熱処理を行ってリグニンを溶出させる。次いで固液分離装置5にて固液分離し、固形物を洗浄槽6で洗浄した後、再び固液分離装置7で固液分離した後、固形物を嫌気性消化槽8へ投入する。一方、固液分離装置5で分離された濾液は気液接触装置10へ送り、嫌気性消化槽8から発生する消化ガスと接触させて中和し、さらに気液接触装置14でオゾン処理することにより濾液中に溶解しているリグニンをシュウ酸、ギ酸等の有機酸に分解した後、嫌気性消化槽8へ返送し、嫌気性消化によるメタンガスの回収がなされる。
【0008】
しかしながら、図4の処理方法においては、生物分解が困難なリグニンを溶出・分解する工程が、アルカリ熱処理によりリグニンを溶出させる脱リグニン工程と、溶出したリグニンをオゾンで分解するオゾン処理工程との二段処理となっており、アルカリ前処理槽3及び洗浄槽6の後に固液分離装置5、7の設置を必要とし、さらに固液分離装置5からの濾液を中和する気液接触装置10も必要となるため、装置的に煩雑で、運転及び維持管理にも労力を要する。
【0009】
他方、特開2000−84520号公報には、木質系固形廃棄物に水性媒体及び酸化剤を添加し、加温、加圧下で湿式酸化処理して該廃棄物を可溶化及びガス化する木質系廃棄物の処理方法が記載れている。この方法における湿式酸化処理は、反応温度が100〜250℃、好ましくは120〜200℃で、この反応温度に0〜1時間、好ましくは20〜30分間保持し、反応圧力は不活性媒体を利用したり、水性媒体による自己発生圧を利用して保持している。水性媒体としては、水や水と有機溶剤との混合物が用いられること;この水性媒体には、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質を原料廃棄物に対して0.5〜1.5重量%程度添加できること;酸化剤としては過酸化水素が使用できること;この酸化剤は、絶乾状態の廃棄物に対して酸素原子換算量で1〜15重量%、好ましくは5〜15重量%の割合で使用すること;が記載されており、その結果、反応温度を100〜130℃に保持するときには廃棄物の可溶化反応が主として起こり、140℃以上に保持するときには廃棄物のガス化反応が主として起こるとしている。
【0010】
しかしながら、新聞紙を対象廃棄物として上記特開2000−84520号公報に記載の処理方法を再現したところ、水性媒体にアルカリ性物質として水酸化ナトリウムを原料廃棄物に対して、1.5重量%程度添加したにもかかわらず、得られた可溶化物はpHが5以下の酸性を示し、この可溶化物を嫌気性消化した場合、メタンガスの発生量が低下し、ついにはメタンガスの発生が停止した。このことから、この処理方法においては嫌気性消化に対する阻害物質が生成されていることが確認された。
【0011】
また従来から、し尿や有機性汚泥の処理方法として、ジンマーマン法と呼ばれる液相酸化法で特定温度で水が液相を保持する圧力の下に水中の有機物を空気等の酸素含有ガスの酸素を利用して酸化分解する湿式酸化法が知られている。このし尿や有機性汚泥を処理する湿式酸化法は、被湿式酸化処理物を加熱するのに必要な熱量を酸化反応で生ずる酸化熱で充足させて自燃させるために、酸素を多量に供給し出来るだけ酸化分解するようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、木質系固形廃棄物に対して上記のような湿式酸化処理を施した場合には、微生物に対して有害な物質が生成するため、嫌気性消化などの微生物分解処理において著しい消化阻害が認められ、その有害物質の解明とその対策が要望されていた。
【0013】
そこで本発明は、木質系固形廃棄物を湿式酸化により可溶化して微生物分解処理する処理方法において、湿式酸化に際して、リグニンを効果的に分解すると共に、セルロース分解から生ずる微生物に対して有害な物質の生成を抑制し、しかも微生物分解可能なセルロースを可及的に残留させて、木質系固形廃棄物を効率よく微生物分解することができる処理方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、木質系固形廃棄物の湿式酸化処理により生成する微生物に対して有害な物質が、セルロース及びヘミセルロースが分解して液相に溶けた状態にあるフルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール等のフラン類やフェノール化合物であることを知見し、さらに、木質系固形廃棄物を特定の条件により湿式酸化処理することにより、これら有害物質の生成を阻害作用が顕在化しない程度の低濃度に抑えることができると共に、生物分解が困難なリグニンを可及的に分解し、かつ、本来生物分解が可能なセルロース及びヘミセルロースを可及的に残留できることを見出し本発明に至ったものである。
【0015】
すなわち上記目的を達成するための本発明の請求項1の木質系固形廃棄物の処理方法は、水とのスラリーに形成された木質系固形廃棄物を湿式酸化する湿式酸化工程と、該湿式酸化工程を経た処理物の少なくとも一部を微生物分解する微生物分解工程とを備えた木質系固形廃棄物の処理方法であって、前記湿式酸化工程においては、湿式酸化後の処理物のpHが6.0〜 8.0になるように湿式酸化前の前記スラリーのpH調整を行うと共に、該スラリーを処理温度が170〜190℃で、かつ該スラリーの液相を保持する圧力で、処理時間が30〜60分とする条件で、該スラリーの単位容積当たりの酸素供給量が該スラリーのCODcr値の10〜20%に相当する酸素含有ガスを供給して部分分解することを特徴とする。
【0016】
かような請求項1の発明によれば、木質系固形廃棄物を微生物分解する微生物分解工程の前処理としての湿式酸化工程において、所定の最適条件で湿式酸化を施すようにしたため、セルロースやヘミセルロースの湿式酸化により生成する微生物に対して有害な物質の生成を阻害作用が顕在化しない程度の低濃度に抑制できると共に、生物分解が困難なリグニンを効率よく分解し、しかも、元来生物分解が可能なセルロース及びヘミセルロースを残留させることができ、微生物分解工程において木質系固形廃棄物の効果的な微生物分解がなされることになる。
【0017】
また、本発明の請求項2の木質系固形廃棄物の処理方法は、前記請求項1の処理方法において、前記湿式酸化工程においては、湿式酸化後の処理物のpHが6.5〜 7.5になるように、湿式酸化前の前記スラリーのpH調整を行うことを特徴とする。
かような請求項2の発明によれば、湿式酸化工程において、微生物に対して有害な物質の生成をより一層抑制することができ、その結果、微生物分解工程において木質系固形廃棄物の微生物分解をより効率よく行うことができる。
【0018】
本発明の請求項3の木質系固形廃棄物の処理方法は、前記請求項1または2の処理方法において、前記微生物分解工程で微生物分解処理する前記湿式酸化工程を経た処理物は、該湿式酸化工程からの酸化スラリーを固液分離して、液相である酸化分離液の少なくとも一部を除いものであることを特徴とする。
かような請求項3の発明によれば、可溶化した微生物に対して有害な物質を酸化分離液とともに除去することができるため、微生物分解工程において木質系固形廃棄物をより一層効率よく微生物分解することができる。
【0019】
本発明の請求項4の木質系固形廃棄物の処理方法は、前記請求項1または2の処理方法において、前記微生物分解工程で微生物分解処理する前記湿式酸化工程を経た処理物は、該湿式酸化工程からの酸化スラリーであり、固液分離することなくそのまま微生物分解工程に供給することを特徴とする。
かような請求項4の発明によれば、請求項3の発明における酸化分離液となる液相も一緒に微生物分解処理するため、後段の活性汚泥による生物処理工程での有機物負荷が低減できる。
【0020】
本発明の請求項5の木質系固形廃棄物の処理方法は、前記請求項1〜4のいずれか1項の処理方法において、前記微生物分解工程は、嫌気性消化をおこなう嫌気性消化工程であることを特徴とする。
かような請求項5の発明によれば、嫌気性消化により木質系固形廃棄物からエネルギー変換効率の高いメタンガスを生産することができる。
【0021】
本発明の請求項6の木質系固形廃棄物の処理方法は、前記請求項1〜4のいずれか1項の処理方法において、前記微生物分解工程は、嫌気性水素生産菌による水素発酵工程であることを特徴とする。
かような請求項6の発明によれば、嫌気性水素生産菌により木質系固形廃棄物からクリーンエネルギーである水素ガスを生産することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1に示した本発明の実施例においては、木質系固形廃棄物1をコンベアやパワーシャベル等によって湿式破砕装置2に投入し、水を加えてスラリー化する。なお、木質系固形廃棄物とは、新聞紙、ダンホール等の回収古紙や木材加工業から排出される木屑、樹皮等が挙げられる。また、し尿や浄化槽汚泥等の液状有機性廃棄物を、夾雑物除去装置である目開き2〜5mmのドラムスクリーンで処理することにより除去された夾雑物であるし渣にはトイレットペーパ、ちり紙等が多量に含まれることから、これらのし渣も木質系固形廃棄物として挙げられる。なお、水を加え攪拌することで容易にスラリー化しない木屑、樹皮等の木質系固形廃棄物は、湿式破砕装置2に投入する前にカッター、クラッシャー等の乾式破砕装置(図示せず)により10mm角以下に裁断する必要がある。
【0023】
湿式破砕装置2に加える水は木質系固形廃棄物をスラリー化するためのものであり、運転開始時は上水、工業用水等を使用してもよいが、定常運転時では後処理工程における生物処理装置24で生成する生物処理水を使用することができる。水の量は、スラリー化された木質系固形廃棄物に流動性が保たれ、移送に支障が生じない程度でよく、一般的に木質系固形廃棄物スラリーのTS濃度を1.5〜3.0質量%とするのが好ましい。このTS濃度とは、JIS K0102(1998)工業排水試験法に規定される全蒸発残留物である。
【0024】
湿式破砕装置2において、粗く破砕され、スラリー化された木質系固形廃棄物は微破砕機5に送られ、幅が5mm以下、長さが10mm以下に破砕された後、アルカリスラリー調整槽6に移送される。アルカリスラリー調整槽6では、アルカリ貯留槽3からアルカリ供給ポンプ4によりアルカリ水溶液が供給される。アルカリ貯留槽3からアルカリスラリー調整槽6へのアルカリ水溶液の供給は、後段の湿式酸化工程の酸化スラリー貯留槽19内に設置されたpH計により酸化スラリーのpHを計測し、その値が6.0〜8.0、好ましくは6.5〜7.5の範囲になるようpH制御装置7を介してアルカリ供給ポンプ4を稼動させることにより行われる。また、バルブ操作によりアルカリ貯留槽3から湿式破砕装置2へアルカリ水溶液を供給してもよい。
なお通常、湿式破砕装置2は回分操作(バッチ操作)により行われ、アルカリスラリー調整槽6以降は連続運転で行われる。
【0025】
アルカリスラリー調整工程は、湿式酸化後の処理物のpHが6.0〜8.0、好ましくは6.5〜7.5になるように、湿式酸化前のスラリーのpH調整を行うことにより、湿式酸化工程におけるリグニン分解率を向上させると共に、セルロース分解から生ずる嫌気性消化微生物に好ましくない分解物の生成を抑制させ、嫌気性消化の効率を高めるものである。なお、湿式酸化後の処理物のpHが6.0〜8.0の範囲をはずれる場合、つまり、アルカリ水溶液の添加量が不足してpH6以下となる時、また、アルカリ水溶液の添加量が過剰でpH8以上となる時は、湿式酸化工程において嫌気性消化微生物に好ましくない分解物の生成を抑制できず、嫌気性消化工程で木質系固形廃棄物を効率よく分解することができない。
【0026】
アルカリ水溶液に用いるアルカリ剤は汎用のものでよく、通常は炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等が使用される。アルカリ添加量は木質系固形廃棄物のスラリー濃度及び湿式酸化工程の処理温度によって変わり、木質系固形廃棄物のスラリー濃度が高いほど、また、湿式酸化工程の処理温度が高いほど多量の添加が必要となる。これは、湿式酸化処理によりセルロース、ヘミセルロース、リグニン等が加水分解、さらに部分的に酸化分解し、高濃度の酢酸、酪酸等の有機酸が生成するため多量のアルカリが消費されることによる。一般的なアルカリ添加量は、木質系固形廃棄物に対して15〜25質量%である。なお、アルカリスラリー調整槽6は、後段の湿式酸化工程が連続運転になるようクッションタンクの役割をなすものである。
【0027】
アルカリスラリー調整槽6内のアルカリスラリーはアルカリスラリー供給ポンプ8によって、第一熱交換器9、第二熱交換器10及び反応塔11と順次に移送され、反応塔11でアルカリスラリーの湿式酸化が施され、加水分解あるいは部分的に酸化分解されて湿式酸化処理物とされる。第一熱交換器9においては、アルカリスラリーと反応塔11から排出された高温の湿式酸化処理物との熱交換が行われ、第二熱交換器10においては、第一熱交換器9で温められたアルカリスラリーと、加温用ボイラー12からの蒸気との熱交換が行われる。アルカリスラリーは160〜180℃に昇温された状態で反応塔11に供給される。反応塔11においてアルカリスラリーは、自己の酸化熱により温度がさらに5〜10℃上がるため、温度が170〜190℃となる。この温度で、処理時間が30〜60分、絶対圧力が1.0〜2.5MPa(所要処理温度における液相保持圧力)好ましくは1.2〜2.2MPaの条件で加水分解、さらに部分酸化処理される。
【0028】
反応塔11への酸素の供給は、空気(酸素含有ガス)を圧縮するコンプレッサー13のスナッパー(圧縮空気貯留槽)から流量調整弁(FCV)14を介して反応塔10の下部へ供給される。アルカリスラリー単位容積当たりの酸素供給量は、アルカリスラリーのCODcr値に対して10〜20%相当分となるように空気の供給量を流量調整弁14によって制御する。
【0029】
このCODcr値とは、JIS K0102(1998)工業排水試験法に規定される二クロム酸カリウムによる酸素消費量を意味し、本発明においては、木質系固形廃棄物スラリーのCODcr値が例えば30g/Lである場合、このCODcr値の10〜20%、すなわち木質系固形廃棄物スラリー1Lに対して3.0〜6.0gの酸素量を含む酸素含有ガスを混合すればよいことになる。酸素含有ガスは空気に限定されるものでなく、爆発や有害性物質含有などの危険性がない酸素含有ガスであればよく、空気、酸素富化ガス、純酸素、さらには原動機やボイラーの排ガス等が挙げられる。場合によっては加温用ボイラー12からの排ガスを使用することも可能である。その場合は、排ガス中の残留酸素濃度を測定し、その酸素濃度に応じた必要排ガス量を供給するようにすればよい。
【0030】
本発明の湿式酸化工程では、酸素供給量を制限して部分酸化で止めるため、被湿式酸化処理物を加熱するのに必要な熱量を、酸化反応で生ずる酸化熱で充足させる、すなわち自燃させる従来の湿式酸化法とは異なり、処理温度を170〜190℃に維持するには、外部から加熱し続けなければならない。かかる加熱は、熱交換器によるスチーム等の間接加熱や、アルカリスラリーに直接スチーム等を接触させる直接加熱のいずれでもよい。
【0031】
なお、酸素の反応塔11への供給箇所は反応塔11の下部に限定されるものではなく、第二熱交換器10から流出するアルカリスラリーに酸素を合流させて反応塔11へ供給してもよく、アルカリスラリー供給ポンプ8から流出するアルカリスラリーに酸素を合流させて第一熱交換器9の入口に供給しても差し支えない。
【0032】
反応塔11から排出された湿式酸化処理物は、第一熱交換器9を経て液温50〜80℃となって圧力制御弁(PVC)15に流れ、ここで反応系内の圧力を一定に保ちながら絶対圧力1.0〜2.5MPaから大気圧の0.1MPaまで減圧された後、気液分離器16に流入し、酸化排ガスと酸化スラリーに分離される。酸化排ガスは、排ガス処理装置17により処理されて大気放出、あるいは、嫌気性消化工程の後処理として生物処理の曝気用ガスの一部として用いられる。一方、酸化スラリーは酸化スラリー移送ポンプ18によって酸化スラリー貯留槽19に供給される。
【0033】
湿式酸化処理前のアルカリスラリーのpHは通常10以上となっているが、湿式酸化処理により、木質系固形廃棄物中のセルロース、ヘミセルロース、リグニン等が加水分解、さらに部分的に酸化分解し、酢酸、酪酸等の有機酸及び炭酸が生成し、アルカリが消費されるため、湿式酸化処理後の酸化スラリーのpHはほぼ中性となっている。そのため、微生物分解できないリグニンの分解率を向上させ、かつセルロース分解から生ずる微生物に好ましくない分解物の生成を抑制しつつ、微生物分解可能なセルロースを可及的に残留させることができ、さらに特別な中和装置を必要としない。
【0034】
酸化スラリー貯留槽19内の酸化スラリーは酸化スラリー供給ポンプ20により嫌気性消化槽21へ投入される。嫌気性消化における処理条件は、槽内温度が32〜38℃の中温発酵(または53〜57℃の高温発酵でもよい)、水理学的滞留時間(HRT)が10〜25日、好ましくは12〜20日とする。
【0035】
なお図示の例では、酸化スラリーは、固液分離することなくそのまま嫌気性消化工程に供給しているが、酸化スラリーを固液分離して、液相である酸化分離液の少なくとも一部を除いたものを嫌気性消化槽21へ供給し、分離した酸化分離液は後処理工程の生物処理装置24で処理してもよい。本発明の請求項1における“湿式酸化工程を経た処理物”とは、固液分離しない酸化スラリーと、固液分離して酸化分離液の少なくとも一部を除いたものの両者を含む用語として用いている。
【0036】
嫌気性消化槽21は一般的に酸生成相とメタン生成相とを一緒にした一槽式で行われるが、一槽を二つの槽に分割してもよく、あるいは従来から使用されている別々の槽とした二槽式、さらには温度等を変えて消化効率を向上させる多槽式など槽内攪拌型であればいずれの構造でもよい。しかし、嫌気性消化槽からの放熱や消化液の移送を考慮すると一槽式か二槽式が好ましい。
【0037】
嫌気性消化槽21内の消化スラリーは、固液分離槽22へ流出して消化脱離液と濃縮消化汚泥とに分離される。分離された消化脱離液は消化脱離液移送ポンプ23により生物処理装置24へ送られ活性汚泥により生物処理された後、生物処理水は系外に放流される。なお、生物処理水の一部を生物処理水移送ポンプ25により湿式破砕装置2へ返送して木質系固形廃棄物のスラリー形成用の水として使用してもよい。また、生物処理装置24で生じる余剰汚泥は余剰汚泥移送ポンプ26により湿式破砕装置2へ返送され、木質系固形廃棄物のスラリーとともに処理される。
【0038】
一方、固液分離槽22からの濃縮消化汚泥は濃縮消化汚泥供給ポンプ27により脱水装置28に供給され、脱水処理された後、堆肥製造装置29へ送られコンポスト化される。堆肥製造装置29では、消化汚泥に未分解のセルロースまたはリグニンがほとんど含まれないため堆肥化が促進され、高品質のコンポストが製造できる。また、脱水処理で生じる脱水濾液は脱水濾液移送ポンプ30により、生物処理装置24へ送られ消化脱離液とともに生物処理される。なお、濃縮消化汚泥の一部を濃縮消化汚泥移送ポンプ31により、湿式破砕装置2へ返送し、木質系固形廃棄物及び余剰汚泥とともに処理してもよい。これにより、需要に季節変動が大きく、長期に保管が必要となり、さらに近年だぶつき傾向にあるコンポストの製造量を減らすことが可能となる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を新聞紙及びし尿処理場から発生する脱水し渣に適用した場合の実施例を説明する。
【0040】
〈実施例1〉
新聞紙を処理条件を変えて湿式酸化し、その湿式酸化処理物のセルロース及びリグニンの分解効率及び微生物に対して阻害作用を及ぼすヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール等のフラン類の生成について検討した。実験に用いた新聞紙はセルロース54.0質量%、リグニン16.9質量%を含有しており、20gをシュレッダーで裁断し、蒸留水1Lを加えた後、ホモゲナイザーでスラリー化した。アルカリ性条件では、新聞紙スラリーに湿式酸化後のpHが6.5〜7.5になるように炭酸ナトリウムを添加し、酸性条件では炭酸ナトリウム無添加で湿式酸化処理した。湿式酸化処理は振盪式オートクレーブ実験装置を使用し、内容積760mLの反応容器に、前記でアルカリ性条件および酸性条件に調整した新聞紙スラリーを所定量投入し、新聞紙スラリー単位容積当たりの酸素供給量が新聞紙スラリーのCODcr実測値の20%に相当する量の圧縮空気を充填した。この反応容器を振盪機能付き電気炉に設置し、振盪させながら昇温させ所定温度に到達した後、1時間湿式酸化処理した。表1に湿式酸化処理条件と最終pH(湿式酸化処理後の処理物のpH)、表2に湿式酸化処理後のセルロース及びリグニンの分解効率、及び表3に湿式酸化処理におけるフラン誘導体の生成を示した。
【0041】
【表1】
Figure 0003800048
【0042】
【表2】
Figure 0003800048
【0043】
【表3】
Figure 0003800048
【0044】
表2からわかるように、酸性条件よりもアルカリ性条件でリグニンの分解効率が高く、セルロースの分解効率が低い(190℃以下)。したがって、生物分解が困難なリグニンを分解し、生物分解が可能なセルロースを残留させるアルカリ条件で湿式酸化処理を施した処理物の方が嫌気性消化に適していることが示唆される。 また、表3から、セルロース及びヘミセルロースが分解し、微生物に対して阻害作用を及ぼすヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール等のフラン類の生成は酸性条件に比べアルカリ性条件では大幅に低減され、したがってアルカリ性条件での湿式酸化処理物の方が、より安定な嫌気性消化処理が可能であることがわかる。
【0045】
〈実施例2〉
新聞紙の湿式酸化処理物を嫌気性消化し、そのメタン生成量から最適な湿式酸化条件を検討した。実施例1で得られた湿式酸化処理物を使用し、その450mLと、下水汚泥を嫌気性消化した消化汚泥300mLと、ビタミン−無機塩溶液300mLとを2Lバイアルビンに入れ、マグネチックスターラーで連続的に攪拌しながら、35℃で嫌気性消化させた。図2にアルカリ性条件及び酸性条件での各処理温度における湿式酸化処理物を嫌気性消化したときの累積メタン生成量を示した。
【0046】
図2からわかるように、アルカリ性条件の湿式酸化処理物からのメタン生成量は、酸性条件の湿式酸化処理物からのメタン生成量よりも多く、最適な処理温度は170〜190℃であった。また、pH調整せずに酸性条件で湿式酸化処理(処理温度170〜210℃)した処理物からのメタン生成量に比べメタン生成量が30%以上増加した。
【0047】
〈実施例3〉
新聞紙20gをシュレッダーで裁断し、蒸留水1Lと炭酸ナトリウム5gを加えた後、ホモジナイザーでスラリー化した。この新聞紙アルカリスラリーを内容積760mLの反応容器に所定量投入し、アルカリスラリー単位容積当たりの酸素供給量をスラリーのCODcr値の20%とした場合に反応時間を変動させて湿式酸化し、また、反応時間を60分とした場合に酸素供給量を変動させて湿式酸化し、処理後のセルロース及びリグニンの分解効率を検討した。表4に各酸素供給量及び各反応時間でのセルロース及びリグニンの分解効率を示す。
【0048】
【表4】
Figure 0003800048
【0049】
表4から、生物分解が困難なリグニンを分解し、生物分解が可能なセルロースを残留させる条件として、反応時間が30〜60分で、酸素供給量がCODcr値の10〜20%であることがわかる。
【0050】
〈実施例4〉
し尿処理場から発生する脱水し渣をアルカリ性条件下で湿式酸化処理して得た湿式酸化処理物、アルカリ性条件下で熱処理して得た熱処理物、および湿式酸化処理も熱処理も施さない無処理脱水し渣について、それぞれ嫌気性消化を実施し、メタン生成における前処理の有効性を検討した。
【0051】
実験に用いたし尿処理場からの脱水し渣は、含水率55.4質量%、VTS含有率94.6質量%であり、脱水し渣60gに水道水1Lを加えた後、ホモゲナイザーでスラリー化した。脱水し渣のアルカリ湿式酸化処理は、処理温度を170℃に設定し、実施例1と同様にして行った。アルカリ熱処理は、処理温度を170℃に設定し、酸素の供給を断つとともに、液相を保持するために窒素ガスを用いて気相部を置換した後、所定圧力に充填した。表5にこれらのアルカリ湿式酸化処理およびアルカリ熱処理の処理条件と最終pH(処理後の処理物のpH)を示した。
【0052】
嫌気性消化は、有効容量5Lの嫌気性消化槽を使用し、下水汚泥を嫌気性消化した消化汚泥を種汚泥として投入した後、消化温度を36℃、消化日数20日として、アルカリ湿式酸化処理物、アルカリ熱処理物及び無処理脱水し渣のスラリーをそれぞれ250mL/dで供給し、等容量の消化汚泥を引き抜いた。図3にメタン生成の経過を示した。
【0053】
図3からわかるように、一日のメタン生成量は無処理の脱水し渣に比べ、アルカリ熱処理では約41%、アルカリ湿式酸化処理では約55%増加し、アルカリ湿式酸化処理で前処理を行った場合がもっともメタン収量が多かった。
【0054】
【表5】
Figure 0003800048
【0055】
なお、以上の説明においては、嫌気性消化をベースに本発明方法における微生物分解工程を実施する例を説明したが、セルロース分解菌と嫌気性水素生産菌であ るClostridium butyricum SC-E1株やClostridium sp. KT-7B株等とを共存させるようにした水素発酵工程を用いても、所定の培養温度と滞留時間でこれらの嫌気性水素生産菌を上記酸化スラリーで培養することにより、本発明方法における微生物分解工程を実施することができる。
例えば、嫌気性消化汚泥を70〜80℃で15分程度熱処理させて水素利用細菌を抑制させる前処理を施した種汚泥に水素生産菌であるClostridium sp.を添加培養した、Clostridium sp.を優占種とする混合微生物群を、利用する水素発酵工程にあっては、培養温度35℃、滞留時間6〜10時間の培養槽で水素ガスを酸化スラリーから得ることができる。また、嫌気性消化汚泥には、本来このClostridium sp.が存在しているので、嫌気性消化汚泥を70〜80℃で15分程度熱処理させて水素利用細菌を抑制させる前処理を施した種汚泥をそのまま酸化スラリーで培養することによっても、培養温度35℃、滞留時間6〜10時間の培養槽で水素ガスを得ることができる。
【0056】
また、以上の説明においては、従来の湿式酸化装置に加温用ボイラを付加した装置をベースに本発明方法における湿式酸化工程を実施する例を説明したが、スラリーとスチームとを直接接触させて加熱するポーチャスプロセスや水熱反応を利用する熱処理装置を用いても、該スラリー単位容積当たりの酸素供給量が該リスラリーのCODcr値の10〜20%に相当する酸素含有ガスを供給すると共に、所定のpH調整と、処理温度が170〜190℃で、かつ該スラリーの液相を保持する圧力で、処理時間が30〜60分とする条件で熱処理を行うことにより、本発明方法における部分分解する湿式酸化工程を実施することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、木質系固形廃棄物を微生物分解する微生物分解工程の前処理として湿式酸化工程を設け、この湿式酸化工程において、湿式酸化後の処理物のpHが6.0〜8.0になるよう湿式酸化の前段でpH調整を行なった後に、所定の最適条件で湿式酸化を施すようにしたため、セルロースやヘミセルロースの湿式酸化により生成する微生物に対して有害な物質の生成を阻害作用が顕在化しない程度の低濃度に抑制できると共に、生物分解が困難なリグニンを効率よく分解し、しかも、元来生物分解が可能なセルロース及びヘミセルロースを残留させることができる。その結果、微生物分解工程において木質系固形廃棄物の効果的な微生物分解がなされ、微生物分解後の消化汚泥をコンポスト化するに際してもリグニン残留のない高品質のコンポストが製造できる。さらに、湿式酸化処理物のpHがほぼ中性となることから、この処理物をpH調整せずに直接微生物分解工程に供給でき、pH調整のための設備を必要とせず、運転及び維持管理に要する労力も低減できる。
【0058】
また、請求項2の発明によれば、湿式酸化後の処理物のpHを、より最適な6.5〜7.5の範囲に設定することにより、湿式酸化工程において、微生物に対して有害な物質の生成をより一層抑制することができ、その結果、微生物分解工程において木質系固形廃棄物の微生物分解をより効率よく行うことができる。
【0059】
また、請求項3の発明によれば、湿式酸化工程からの酸化スラリーを固液分離して、その酸化分離液の少なくとも一部を除くことにより、可溶化した微生物に対して有害な物質を酸化分離液とともに除去することができるため、微生物分解工程において木質系固形廃棄物をより一層効率よく微生物分解することができる。
【0060】
また、請求項4の発明によれば、湿式酸化工程からの酸化スラリーを固液分離することなく、そのまま微生物分解工程に供給し、請求項3の発明における酸化分離液となる液相も一緒に微生物分解処理するため、後段の活性汚泥による生物処理工程での有機物負荷が低減できる。
【0061】
また、請求項5の発明によれば、微生物分解工程を嫌気性消化工程にすることにより、木質系固形廃棄物からエネルギー変換効率の高いメタンガスを生産することができる。
【0062】
さらに、請求項6の発明によれば、微生物分解工程を嫌気性水素生産菌による水素発酵工程にすることにより、木質系固形廃棄物からクリーンエネルギーである水素ガスを生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的な実施例を示すフローシート。
【図2】 湿式酸化処理条件の違いと嫌気性消化工程における累積メタン生成量との関係を示すグラフ。
【図3】 嫌気性消化工程の前処理の違いと嫌気性消化工程におけるメタン生成量との関係を示すグラフ。
【図4】 従来のセルロース含有廃棄物の処理方法を示すフローシート。

Claims (6)

  1. 水とのスラリーに形成された木質系固形廃棄物を湿式酸化する湿式酸化工程と、該湿式酸化工程を経た処理物の少なくとも一部を微生物分解する微生物分解工程とを備えた木質系固形廃棄物の処理方法であって、
    前記湿式酸化工程においては、湿式酸化後の処理物のpHが6.0〜8.0になるように湿式酸化前の前記スラリーのpH調整を行うと共に、該スラリーを処理温度が170〜190℃で、かつ該スラリーの液相を保持する圧力で、処理時間が30〜60分とする条件で、該スラリーの単位容積当たりの酸素供給量が該スラリーのCODcr値の10〜20%に相当する酸素含有ガスを供給して部分分解することを特徴とする木質系固形廃棄物の処理方法。
  2. 前記湿式酸化工程においては、湿式酸化後の処理物のpHが6.5〜7.5になるように、湿式酸化前の前記スラリーのpH調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の木質系固形廃棄物の処理方法。
  3. 前記微生物分解工程で微生物分解処理する前記湿式酸化工程を経た処理物は、該湿式酸化工程からの酸化スラリーを固液分離して、液相である酸化分離液の少なくとも一部を除いものであることを特徴とする請求項1または2に記載の木質系固形廃棄物の処理方法。
  4. 前記微生物分解工程で微生物分解処理する前記湿式酸化工程を経た処理物は、該湿式酸化工程からの酸化スラリーであり、固液分離することなくそのまま微生物分解工程に供給することを特徴とする請求項1または2に記載の木質系固形廃棄物の処理方法。
  5. 前記微生物分解工程は、嫌気性消化をおこなう嫌気性消化工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の木質系固形廃棄物の処理方法。
  6. 前記微生物分解工程は、嫌気性水素生産菌による水素発酵工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の木質系固形廃棄物の処理方法。
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