JP3885608B2 - ストレーナ収容部材を備えた給水構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストレーナ収容部材を備えた給水構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から給水構造として、例えば給水源と温水洗浄装置とを接続する給水路の途中にストレーナを収容するストレーナ収容部材を有したものが知られている。この従来のストレーナ収容部材を備えた給水構造は、ストレーナ収容部材に水抜き用孔を設けてあり、この水抜き用孔には水抜き栓を着脱自在に設けている。ストレーナ収容部材内部には水抜き栓とは別部材であるゴミを捕集するためのストレーナが配置されている。また、水抜き栓のストレーナ収容部材の外部に露出する部分にはコインを引掛けることができ、コインの回転操作によって水抜き栓を着脱自在とするための引掛け溝が形成されており、この引掛け溝は水抜き栓の回転中心を通り径方向に伸びる溝形状を有している。
【0003】
上記構成によって、給水源側の給水路からストレーナ収容部材に流入した水はストレーナの外部よりストレーナの内部へと流入し、これによって水に混じったゴミをストレーナによって捕集し、温水洗浄装置にゴミ混じりの水が入り込むことを防止している。またストレーナをメンテナンスするために取り出す場合は、水抜き栓の直線状の引っ掛け溝にコインを嵌め込み、コインの回転操作によって水抜き用孔から水抜き栓を取り外して、ストレーナ収容部材内のストレーナを取り出すことができる状態とし、この開放された水抜き用孔から棒等のストレーナを引っ掛けるものを入れることでストレーナを取り出す。また気温の低い場合は給水路の凍結を防止するために、給水路内の水抜きを行わなければならないのだが、上記従来の給水構造では、水抜き用孔から水抜き栓を取り外すことで給水路の水抜きを行っている。
【0004】
しかしながら、このような従来の給水構造では、水抜き栓とストレーナとは別部材であるので、ストレーナのメンテナンスをする際に、水抜き用孔から水抜き栓を取り外した後、ストレーナを取り出さなければならず、またストレーナの取り出しは水抜き用孔から棒等のストレーナを引掛けるものを入れて取り出さなければならないため、作業に手間がかかっていた。また上記したようにストレーナによるゴミの捕集をストレーナの外部から内部へ向けて水を通すことで行うため、捕集したゴミがストレーナの外面に付着し、このゴミがストレーナ収容部材の内面に落ちてしまい、ストレーナを取り出してもストレーナ収容部材内のゴミを取り除くことができず、再度ストレーナをストレーナ収容部材に収容する際にゴミが障害となり、ストレーナが入らないことがあった。また水抜き栓の着脱は径方向に伸びる引掛け溝にコインを嵌め込んで回転操作により行うのだが、誤ってマイナスドライバー等のコインよりも幅狭の固着用治具を使用して水抜き栓の着脱を行ってしまった場合、引っ掛け溝を潰してしまい、コインを係合できない状態となってしまい、水抜き栓をストレーナ収容部材から取り外すことができなくなるといった問題があった。
【0005】
また上記とは別にストレーナ収容部材の温水洗浄装置側の接続口付近に上記水抜き栓及びストレーナとは別部材である逆流防止弁を嵌め込んで取付けてある給水構造が知られており、これによって温水洗浄装置側の給水路からストレーナ収容部材内へと水が逆流することを防止している。しかし、逆流防止弁はストレーナ収容部材に嵌め込んで取付けているため、一般使用者にとってはストレーナ収容部材から逆流防止弁を取り出すことは困難であり、これによって温水洗浄装置側の給水路の水抜きが行えなくなってしまい、温水洗浄装置側の給水路内の水が凍結し、給水路が破損したり、給水路に接続されている温水洗浄装置の弁や逆流防止弁が故障するなどの問題が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ストレーナ収容部材からのストレーナの取り外しを容易にすると共に、ストレーナ収容部材の内面にストレーナで捕集したゴミが付着することを防止し、さらに逆止弁の取付けを容易にし、またコイン等の幅広の固着用治具とは異なるマイナスドライバー等の幅狭の治具によって水抜き栓を取り外すことができないようにしたストレーナ収容部材を備えた給水構造を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るストレーナ収容部材を備えた給水構造は、給水路1の途中に筒状のストレーナ収容部材2を設け、ストレーナ収容部材2の軸方向の端に水抜き用孔3を設け、ストレーナ収容部材2の周壁に上流側接続口19を設け、ストレーナ付き水抜き栓部材20を、水抜き用孔3に着脱自在に取付けられる水抜き栓4と、水抜き栓4の一端に取付けたストレーナ5とで構成し、水抜き栓4とストレーナ5を一直線上に配したものであって、該ストレーナ付き水抜き栓部材20を水抜き用孔3からストレーナ収容部材2内にストレーナ5から挿入してストレーナ収容部材2内に出入自在に収容し、該ストレーナ付き水抜き栓部材20のストレーナ5を、端部に開口部を有する有底筒形状で通過する水に混じったゴミを捕集するためのストレーナ本体部7と、ストレーナ本体部7の開口部6側に設けられ且つストレーナ本体部7と反対側の端部を水抜き栓4に接続した水取り込み部8とで構成し、水取り込み部8をストレーナ収容部材2の上流側接続口19に対向させ、該水取り込み部8を上流側接続口19からストレーナ収容部材2に流入した水を前記開口部6を介してストレーナ本体部7の内部に導くものとし、ストレーナ収容部材2の軸方向において上流側接続口19よりも水抜き用孔3とは反対側に、ストレーナ本体部7の内部からストレーナ本体部7を通って外部に流出した水が流れ込む下流側接続口18aを設けて成ることを特徴とするものである。
【0008】
このようにストレーナ付き水抜き栓部材20にストレーナ5を構成することで、水抜き栓4と一緒にストレーナ5をストレーナ収容部材2から外部に取り出すことができ、さらに給水路1からストレーナ収容部材2に流入した水をストレーナ本体部7内部に導く水取り込み部8を設けることで、ゴミはストレーナ5の内面に付着し、ストレーナ収納部材2の内面にゴミが付着することを防止することができる。
【0009】
また請求項2記載の給水構造は請求項1記載のストレーナ収容部材を備えた給水構造において、上記水抜き栓4に対してストレーナ5を着脱自在に取付けて成ることを特徴とするものである。
【0010】
このように、水抜き栓4に対してストレーナ5を着脱自在に取付けることで、水抜き栓4からストレーナ5を取り外して、ストレーナ5の開口部からストレーナ5の内側に捕集されたゴミを取り除くことができる。
【0011】
また請求項3記載の給水構造は請求項1又は請求項2記載のストレーナ収容部材を備えた給水構造において、給水源と温水洗浄装置とを接続する給水路1の途中にストレーナ収容部材2を設け、ストレーナ付き水抜き栓部材20にストレーナ収容部材2の下流側接続口に収容できる逆流防止弁9を着脱自在に取付けて成ることを特徴とするものである。
【0012】
このように構成することで、ストレーナ付き水抜き栓部材20をストレーナ収容部材2から取り出すだけで、水抜き栓4及びストレーナ5と一緒に逆流防止弁9をストレーナ収容部材2から取り出すことができ、またこれによってストレーナ収容部材2よりも下流側の給水路1の水抜きを行えるようになり、さらに逆流防止弁9をストレーナ付き水抜き栓20から取り外して、逆流防止弁9の内部の水抜きを容易に行うことができる。
【0013】
また請求項4記載の給水構造は請求項1〜3記載のストレーナ収容部材を備えた給水構造において、上記水抜き栓4を水抜き用孔3に回転操作により着脱自在に取付けられるものとし、該水抜き栓4のストレーナ収容部材2から外部に露出する部分に回転中心から径方向に伸びる形状を有しコイン等の幅広の固着用治具10を引掛けることができる引掛け溝11を形成し、該引掛け溝11の中心部49をマイナスドライバー等の幅狭の固着用治具12の幅よりも大きな直径を有する円形状に形成したことを特徴とするものである。
【0014】
このように引掛け溝11の回転中心部49を円形状に形成することで、誤ってコイン等の固着用治具10とは異なるマイナスドライバー等の幅狭の固着用治具12を引掛け溝11の中心に差し込んで水抜き栓4を回転操作しようとしても、マイナスドライバー等の幅狭の固着用治具12は引掛け溝11に引っ掛からず空回りすることとなり、マイナスドライバー等の幅狭の固着用治具12の回転によって引掛け溝11の形状を潰してしまうことを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0016】
なお以下に示す実施形態では給水源と温水洗浄装置とを接続する給水路1の途中にストレーナ収容部材2を設けた給水構造について説明しているが、給水路1の下流に接続される機器は温水洗浄装置に限定されず、その他の機器であっても良いものである。
【0017】
給水源と温水洗浄装置とを連通接続する給水路1の途中には図1に示すようなストレーナ付き水抜き栓20を収容するストレーナ収容部材2を設けている。このストレーナ収容部材2は一端部に底部54を有する有底筒状の円筒部53で主体を構成している。底部54には円筒部53内部と連通する下流側接続口18aが設けられており、下流側接続口18aには温水洗浄装置とストレーナ収容部材2とを接続する温水洗浄装置側配管1aを接続している。円筒部53の他端部の開口は水抜き用孔3となり、水抜き用孔3の内周壁には水抜き栓用雌ねじ部17が形成されている。水抜き用孔3の内周壁の外側端部には内径を大きくした段15が周設されている。円筒部53の周壁の軸方向における中央付近には円筒部53内部と連通する下流側接続口18bを設けており、この下流側接続口18bにはストレーナ収容部材2とロータンクとを接続するロータンク側配管1cが接続されている。上記温水洗浄装置側配管1aとロータンク側配管1cとで下流側の給水路1を構成している。円筒部53の軸方向における下流側接続口18bよりも水抜き用孔3寄りで且つ水抜き栓用雌ねじ部17よりも底部54寄りの箇所には上流側接続口19を設けており、上流側接続口19には上流側の給水路1に相当する給水源とストレーナ収容部材2とを接続する給水源側配管1bが接続されている。
【0018】
次に上記の水抜き用孔3からストレーナ収容部材2に着脱自在に取付けられるストレーナ付き水抜き栓部材20について説明する。図1、2に示すようにストレーナ付き水抜き栓部材20は、水抜き用孔3に着脱自在に取付けられる水抜き栓4と、水抜き栓4に着脱自在に取付けられるストレーナ5とで構成されている。
【0019】
図3にストレーナ収容部材2の水抜き用孔3に着脱自在に取付けられるストレーナ付き水抜き栓部材20の水抜き栓4を示す。水抜き栓4は前述した段15の内径と略同じ径を有する大径部21と、大径部21の一端部に一体に接続され前述した円筒部53の水抜き栓用雌ねじ部17に螺合する水抜き栓雄ねじ部16とで構成されている。大径部21は水抜き栓雄ねじ部16よりもやや径が大きく形成されており、大径部21の外周面には全周に亘ってOリング溝22aが周設されている。Oリング溝22aにはOリング23aを収容している。水抜き栓雄ねじ部16の大径部21と反対側の面(一端面)の径方向における外周よりもやや内側の位置には大径部21と反対側に突出する突出片24が2本設けられている。夫々の突出片24の先端には係合爪26aが設けられている。
【0020】
水抜き栓4の大径部21の水抜き栓雄ねじ部16と反対側の面には、図4に示すように回転中心を通り径方向に伸びる引掛け溝11を形成しており、該引掛け溝11は図5に示すようにコイン等の幅広の固着用治具10を引掛けることができるようになっている。引掛け溝11の中心部49(水抜き栓の軸芯)は通常使用されているマイナスドライバー等の幅狭の固着用治具12の幅よりも大きな直径を有する円形状に形成されている。大径部21の径方向における外端部と引掛け溝11の周縁部とを除いた部分には図4に示すように外溝32が形成されている。
【0021】
上記水抜き栓4に着脱自在に取付けられるストレーナ5は図6に示すように水中のゴミを捕集することができるストレーナ本体部7と、給水源側配管1bからストレーナ収容部材2に流入した水を開口部6を介してストレーナ本体部7内部に導く水取り込み部8とで構成してある。
【0022】
ストレーナ本体部7は一端部に底面を有した有底筒形状を有しており、ストレーナ本体部7の底面と反対側(他端部側)の開口はストレーナ収容部材2に収容した際に上流側接続口19よりも下流側に位置する開口部6となる。ストレーナ本体部7の底面側の端部(一端部)の外周面には環状片29aが設けられており、環状片29aの周方向における一部から水取り込み部8(他端部)側に突出する補強片30が複数設けられており、各補強片30の幅は前述したロータンク側配管1cに接続される下流側接続口18bよりも短くなるように形成されており、補強片30が下流側接続口18bに対向する位置に配置されたとしても、補強片30によって下流側接続口18bが塞がることはない。各補強片30の先端にはストレーナ本体部7の開口部6側端部(他端部)の外周を覆う環状片29bが設けられており、この環状片29bの外周にはOリング23bを収容できるOリング溝22bが設けられている。このOリング溝22bにはOリング23bが収容されている。
【0023】
ストレーナ本体部7の開口部6側の環状片29bのストレーナ本体部7と反対側の面には水取り込み部8が設けられている。水取り込み部8は前述した開口部6側の環状片29bの周方向における一部から補強片30と反対側に突出する複数の接続片36と、各接続片36の先端を接続し前述した水抜き栓4の係合爪26aが着脱自在に係合される環状体28aとで構成されている。各接続片36の幅は前述したストレーナ収容部材2の上流接続口19よりも短くなるように形成されており、接続片36が上流側接続口19に対向する位置に配置されたとしても、上流側接続口19が閉塞することはない。また各接続片36と、環状体28aと、ストレーナ本体部7の一端部側の環状片29aとで囲まれた部分には通水孔37を複数形成している。
【0024】
上記の水抜き栓4とストレーナ5とは水抜き栓4の係合爪26aをストレーナ5の環状体28aに係合させることで着脱自在に接続され、ストレーナ付き水抜き栓部材20となる。上記の接続によって水抜き栓4とストレーナ5とは一直線上に位置することとなり、ストレーナ収容部材2の円筒部53の軸線上に収容可能となる。
【0025】
このストレーナ付き水抜き栓部材20をストレーナ収容部材2内部に収容する場合は、ストレーナ収容部材2の水抜き用孔3にストレーナ付き水抜き栓部材20のストレーナ5から挿入し、ストレーナ収容部材2の水抜き栓用雌ねじ部17の水抜き用孔3側端部に水抜き栓4の水抜き栓雄ねじ部16の先端が位置するまでストレーナ付き水抜き栓部材20の挿入を進める。この位置で水抜き栓4の引掛け溝11にコイン等の固着用治具10を嵌め込み、使用者がコイン等の固着用治具10を回転操作することで水抜き栓雄ねじ部16が水抜き栓用雌ねじ部17に螺合し、水抜き栓4の大径部21が段15に当接するまで螺合を進める。上記によってストレーナ付き水抜き栓部材20をストレーナ収容部材2に取付けることができる。またこの場合、上述したように引掛け溝11の中心部49は円形状に形成されているので、図7のように誤ってマイナスドライバー等の幅狭の固着用治具12を引掛け溝11の中心に嵌め込んで水抜き栓4を回転させようとしても、通常使用されているマイナスドライバー等の幅狭の固着用治具12は引掛け溝11に引っ掛からず空回りすることとなり、マイナスドライバー等の幅狭の固着用治具12の回転によって引掛け溝11の形状を潰してしまうことを防止することができる。
【0026】
上記のようにストレーナ収容部材2に取付けられたストレーナ付き水抜き栓部材20は、水取り込み部8の通水孔37がストレーナ収容部材2の上流側接続口19に対向し、ストレーナ本体部7の外周面がロータンク側配管13を接続する下流側接続口18bに対向し、ストレーナ本体部7の底面が温水洗浄装置側配管18aを接続する下流側接続口18aに対向するように配置される。また水抜き栓4のOリング23aによってストレーナ収容部材2内部の水が外部に漏れ出ないようにシールし、ストレーナ5のOリング23bは上流側接続口19よりも底部54側で且つ下流側接続口18bよりも水抜き用孔3側に位置し、Oリング23bはストレーナ本体部7の外面とストレーナ収容部材2の内面との間の隙間をシールしている。またこの時、水抜き栓4の大径部21の水抜き栓雄ねじ部16と反対側の面(前端面)はストレーナ収容部材2から外部に露出している。
【0027】
上記のようにストレーナ付き水抜き栓部材20をストレーナ収容部材2に取付けた状態で、給水源から温水洗浄装置及びロータンクとに給水を行う。上流側接続口19からストレーナ収容部材2に流入した水は図1に示すように水取り込み部8の通水孔37を通って、ストレーナ本体部7の開口部6からストレーナ本体部7内部に導かれ、ストレーナ本体部7の内部からストレーナ本体部7を通ってロータンク側配管1cと接続される下流側接続口18bへと流れる流れと、温水洗浄装置側配管1aと接続される下流側接続口18aへと流れる流れとに分かれる。ロータンク側配管1cと接続される下流側接続口18bへと流れた水はそのままロータンク側開口18を通って、ロータンク側配管13へと入り、ロータンクに水を供給する。一方温水洗浄装置側配管1aと接続される下流側接続口18aへと流れた水は温水洗浄装置側配管1aに流れ込み、温水洗浄装置に水を供給する。この場合ストレーナ本体部7を通る水の流れはストレーナ本体部7の内部から外部へと流れるものであるため、水に含まれたゴミは全てストレーナ本体部7の内部に溜まることとなり、ストレーナ収容部材2の内面へのゴミの付着を防止することができる。
【0028】
温水洗浄装置側配管1a及び給水源側配管1b及びロータンク側配管1cの水抜きを行う場合は、給水源側配管1bに設けた開閉弁(図示せず)を閉め、その後ストレーナ収容部材2からストレーナ付き水抜き栓部材20を取り外し、水抜き栓4の引掛け溝11にコイン等の固着用治具10を嵌め込み、使用者がコイン等の固着用治具10を前述した取付けの際と反対側に回転操作することで、ストレーナ付き水抜き栓部材20の水抜き栓雄ねじ部16とストレーナ収容部材2の水抜き栓用雌ねじ部16との螺合を解除し、ストレーナ収容部材2からストレーナ付き水抜き栓部材20を引き抜く。この時、水抜き栓4とストレーナ5とを一緒にストレーナ収容部材2から取り外すことができるため、ストレーナ5を容易に取り外すことができる。また前述したようにストレーナ収容部材2の内面へのゴミの付着を防止できるため、ストレーナ収容部材2からストレーナ付き水抜き栓20を出し入れする際に内面に付着したゴミが邪魔にならず、出し入れを容易にしている。上記のようにストレーナ収容部材2からストレーナ付き水抜き栓部材20を取り外すことで、ストレーナ収容部材2の水抜き用孔3は外部と連通し、この水抜き用孔3から温水洗浄装置側配管1a及び給水源側配管1b及びロータンク側配管1cの水抜きを行うことができる。
【0029】
このように取り出したストレーナ付き水抜き栓部材20のストレーナ5の内側を掃除する場合は、水抜き栓4に対してストレーナ5が着脱自在となっているため、水抜き栓4からストレーナ5を取り外し、ストレーナ5の開口部6からブラシ等を入れて容易に掃除することができる。
【0030】
また、上記とは別の実施形態を図8に示す。なお上記実施形態と同一の構成については同一の番号を付与してあり、重複する説明については説明を省略する。
【0031】
本実施形態においては、ストレーナ付き水抜き栓部材20にストレーナ収容部材2の温水洗浄装置側配管1bに接続される下流側接続口18a付近に収容できる逆流防止弁9を着脱自在に取付けたものをストレーナ収容部材2に収容する。具体的にはストレーナ5のストレーナ本体部7の開口部6と反対側の環状片29aに補強片30と反対側に突出する連結片35を設け、連結片35の先端に連結片35同士を環状に接続する環状体28bを設ける。これによって環状体28bとストレーナ本体部7の環状片29aとは連結片35によって接続している。
【0032】
このストレーナ5の環状体28bには例えば以下の構成を有する逆流防止弁9が着脱自在に取付けられる。逆流防止弁9は一端部に底板40を有し他端部に開口を有する有底円筒状の基体部38と、基体部38の一端部(開口部)の内周面に着脱自在に取付けられるストレーナ取付け部39とで構成されている。基体部38の一端部の内周面には逆流防止弁雌ねじ部43が設けられている。底板40の他側面にはばね44が設けられており、ばね44の先端に取付けられた弁45に他側方に向けて弾性力を付与している。底板40には出水孔46が設けられている。基体部38の外周側面にはOリング溝22cが周設されている。このOリング溝22cにはOリング23cが配設されている。
【0033】
ストレーナ取付け部39は一端部に底壁52を有する略有底円筒状に形成されており、底壁52と反対側には開口を有している。ストレーナ取付け部39の底壁52には入水孔47が設けてある。ストレーナ取付け部39の一端部の外周面には前述した逆流防止弁雌ねじ部43に螺合される逆流防止弁雄ねじ部42が螺刻されている。ストレーナ取付け部39の開口の周縁部の周方向における一部には底壁52と反対側(他側方)に突出する突起片50が設けられており、突起片50の先端には上述した環状体28bに係合できる係合爪26bが設けられている。
【0034】
上記ストレーナ取付け部39を基体部38に取付ける場合は、ストレーナ取付け部39の逆流防止弁雄ねじ部42を基体部38の逆流防止弁雌ねじ部43にねじ込むことによって行われる。このように取付けることで、基体部38とストレーナ取付け部39とに囲まれた連絡室51を有する逆流防止弁9を形成する。また逆流防止弁9のばね44に取付けられた弁45のストレーナ取付け部39側(他側)の面は初期状態において入水孔47を閉塞しており、弁45には他側方に向かう弾性力がばね44によって付与されている。逆に基体部38からストレーナ取付け部39を取り外す場合は、逆流防止弁雄ねじ部42を逆流防止弁雌ねじ部43に対して上記とは逆に回転することで行われる。このようにストレーナ取付け部39と基体部38とは着脱自在となっている。
【0035】
上記逆流防止弁9をストレーナ付き水抜き栓部材20に接続する場合は、逆流防止弁9の係合爪26bをストレーナ5の環状体28bに係合させる。このようにして接続された水抜き栓4、ストレーナ5、逆流防止弁9とは一直線上に配置されることとなり、ストレーナ収容部材2の軸線上に収容可能となる。
【0036】
上記の逆流防止弁9を接続したストレーナ付き水抜き栓部材20をストレーナ収容部材2に収容した場合は以下のように配置されるよう設定されている。逆流防止弁9はストレーナ収容部材2の温水洗浄装置側配管1aに接続される下流側接続口18a付近に配置され、フランジ48の一側面がストレーナ収容部材2の底部54の水抜き用孔3側の面に当接している。また逆流防止弁9のOリング23cによって、逆流防止弁9の外周面とストレーナ収容部材2の内面との隙間をシールしている。
【0037】
上記のように逆流防止弁9を接続したストレーナ付き水抜き栓20をストレーナ収容部材2に収容し、給水源から温水洗浄装置とロータンクとに給水を行う。給水時は逆流防止弁9の弁45は逆流防止弁9の上流側の水圧によりばね44に抗して一側方に移動し、入水孔47は開いた状態となる。上流側接続口19よりストレーナ収容部材2に流入した水の流れは、水取り込み口8の通水孔37を通って、ストレーナ体28の開口部6から内部に導かれ、ストレーナ体28の内部からストレーナ体28通ってロータンク側開口18へと流れる流れと、逆流防止弁9の入水孔47へと流れる流れとに分かれる。逆流防止弁9側へと流れた水は、ストレーナ取付け部39の開口を通って入水孔47から逆流防止弁9内部の連絡室51に入り、出水孔46から温水洗浄装置側給水管1aを接続した下流側接続口18aへと流れ込み、温水洗浄装置側給水管1aを通って温水洗浄装置に水を供給する。
【0038】
また給水源からストレーナ収容部材2に水が供給されなくなった場合は、逆流防止弁9の上流側の水圧が下がるため、逆流防止弁の弁45はばね44の弾性力によってストレーナ取付け部39の底板40に当接し、入水孔47を閉塞した状態になる。これによって温水洗浄装置側給水管1aからストレーナ収容部材2内への逆流を防止することができる。
【0039】
逆流防止弁9を接続したストレーナ付き水抜き栓部材20をストレーナ収容部材2から取り出す場合は、上記実施形態と同様にして行う。本実施形態においては、水抜き栓4とストレーナ5と逆流防止弁9とを一緒にストレーナ収容部材2から取り出すことができるため、逆流防止弁9をストレーナ収容部材2から容易に取り出すことができる。また水抜き栓4及びストレーナ5と一緒に逆流防止弁9もストレーナ収容部材2から取り外すことができるため、温水洗浄装置側配管1aの水抜きを容易に行え、温水洗浄装置側配管1aの凍結を防止することができる。
【0040】
また、前述したようにストレーナ付き水抜き栓部材20に対して逆流防止弁9は着脱自在となっているため、ストレーナ付き水抜き栓部材20から逆流防止弁9を取り外して、逆流防止弁9の内部である連絡室51に溜まった水も容易に抜くことができる。さらに逆流防止弁9の基体部38とストレーナ取付け部39とは着脱自在に取り付けられているため、基体部38からストレーナ取付け部39を取り外すことで、基体部38の開口が外部に開放し、より一層容易に逆流防止弁9の内部の水を抜くことができるものである。
【0041】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、水抜き栓にストレーナを取付けることで、水抜き栓を取り外すだけでストレーナをストレーナ収容部材から外部に容易に取り出すことができ、さらに給水源側の給水管からストレーナ収容部材に流入した水をストレーナ本体部内部に導く水取り込み部を設けることで、ゴミはストレーナの内側にのみ付着し、ストレーナ収納部の内面へのゴミの付着を防止することができ、ストレーナ収容部材からストレーナ付き水抜き栓を出し入れする際に内面に付着したゴミが邪魔にならず、出し入れを容易にすることができる。
【0042】
また請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、水抜き栓に対してストレーナを着脱自在に設けたので、水抜き栓からストレーナを取り外すことで、ストレーナの開口部からストレーナの内側に捕集されたゴミを容易に取り除くことができるものである。
【0043】
また請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、逆流防止弁を水抜き栓に着脱自在に取付けることで、水抜き栓を水抜き用孔から取り外すだけで、逆流防止弁をストレーナ収容部材から取り出すことができ、また上記によって温水洗浄装置側の給水管の水抜きを容易に行うことができ、さらに逆流防止弁を水抜き栓に取付けたストレーナから取り外して、逆流防止弁の内部の水抜きを容易に行うことができる。
【0044】
また請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1〜3記載の発明の効果に加えて、引掛け溝の回転中心部を円形状に形成することで、誤ってマイナスドライバー等の幅狭の固着用治具を引掛け溝の中心に差し込んで水抜き栓を回転操作しようとしても、マイナスドライバー等の幅狭の固着用治具は引掛け溝に引っ掛からず空回りすることとなり、マイナスドライバー等の幅狭の固着用治具の回転によって引掛け溝の形状を潰してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す側断面図である。
【図2】同上のストレーナ付き水抜き栓を示す側面図である。
【図3】同上の水抜き栓を示す側面図である。
【図4】同上の水抜き栓の正面図である。
【図5】同上の水抜き栓の着脱作業を示す説明図である。
【図6】同上のストレーナを示す側面図である。
【図7】同上の水抜き栓をマイナスドライバー等の幅狭の固着用治具にて着脱を行った場合を示す説明図である。
【図8】別の実施形態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 給水路
2 ストレーナ収容部材
3 水抜き用孔
4 水抜き栓
5 ストレーナ
6 開口部
7 ストレーナ本体部
8 水取り込み部
9 逆流防止弁
10 幅広の固着用治具
11 引掛け溝
12 幅狭の固着用治具
19 上流側接続口
20 ストレーナ付き水抜き栓部材
Claims (4)
- 給水路の途中に筒状のストレーナ収容部材を設け、ストレーナ収容部材の軸方向の端に水抜き用孔を設け、ストレーナ収容部材の周壁に上流側接続口を設け、ストレーナ付き水抜き栓部材を、水抜き用孔に着脱自在に取付けられる水抜き栓と、水抜き栓の一端に取付けたストレーナとで構成し、水抜き栓とストレーナを一直線上に配したものであって、該ストレーナ付き水抜き栓部材を水抜き用孔からストレーナ収容部材内にストレーナから挿入してストレーナ収容部材内に出入自在に収容し、該ストレーナ付き水抜き栓部材のストレーナを、端部に開口部を有する有底筒形状で通過する水に混じったゴミを捕集するためのストレーナ本体部と、ストレーナ本体部の開口部側に設けられ且つストレーナ本体部と反対側の端部を水抜き栓に接続した水取り込み部とで構成し、水取り込み部をストレーナ収容部材の上流側接続口に対向させ、該水取り込み部を上流側接続口からストレーナ収容部材に流入した水を前記開口部を介してストレーナ本体部の内部に導くものとし、ストレーナ収容部材の軸方向において上流側接続口からみて水抜き用孔とは反対側に、ストレーナ本体部の内部からストレーナ本体部を通って外部に流出した水が流れ込む下流側接続口を設けて成ることを特徴とするストレーナ収容部材を備えた給水構造。
- 上記水抜き栓に対してストレーナを着脱自在に取付けて成ることを特徴とする請求項1記載のストレーナ収容部材を備えた給水構造。
- 給水源と温水洗浄装置とを接続する給水路の途中にストレーナ収容部材を設け、ストレーナ付き水抜き栓部材にストレーナ収容部材の下流側接続口に収容できる逆流防止弁を着脱自在に取付けて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のストレーナ収容部材を備えた給水構造。
- 上記水抜き栓を水抜き用孔に回転操作により着脱自在に取付けられるものとし、該水抜き栓のストレーナ収容部材から外部に露出する部分に回転中心から径方向に伸びる形状を有しコイン等の幅広の固着用治具を引掛けることができる引掛け溝を形成し、該引掛け溝の中心部をマイナスドライバー等の幅狭の固着用治具の幅よりも大きな直径を有する円形状に形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のストレーナ収容部材を備えた給水構造。
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