JP3885256B2 - 車両の走行状態検出装置 - Google Patents
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- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W2552/00—Input parameters relating to infrastructure
- B60W2552/15—Road slope
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前方車両が減速状態にあることを確実かつ速やかに検出するようにした車両の走行状態検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の車両では、オ−トクル−ズ(定速走行装置)を搭載した車両が増加する傾向にある。このようなオ−トクル−ズを発展させた形態として、前方車両との車間距離をほぼ一定に保持した自動走行が行えるようにした追従型のオ−トクル−ズも実用化され始めている。
【0003】
上記追従型オ−トクル−ズの場合、前方車両が減速、特に急減速したことを検出することが強く望まれる。すなわち、前方車両が減速したときは、そのまま追従走行を続けることが不可能あるいは好ましくない場合となることが多いので、追従型のオ−トクルズ走行を中止したり運転者に対する注意喚起のために、前方車両の減速検出が必要となる。また、前方車両の減速検出は、オ−トクル−ズ走行を行わない通常走行の際でも、運転者の不注意による前方車両への接近し過ぎを防止する上でも望まれるものとなる。
【0004】
前方車両の減速検出は、確実かつ速やかに行うことが望まれるものである。特開昭61−146644号公報には、基本的に、前方車両との車間距離に基づいて前方車両に対する相対速度を求めて、この相対速度に基づいて前方車両の減速を判定するものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、相対速度というものは短時間の間に常に変動しているものである。したがって、相対速度に基づいて前方車両の減速を判定する場合(相対速度から直接、あるいは相対速度に基づいて減速判定用のしきい値を別途設定する場合のいずれも)、速やかに減速判定しようとすると、判定しきい値を減速判定し易いように設定する必要があるが、この場合は、減速でないのに減速であると誤判定してしまう可能性が高くなる。逆に、減速の誤判定を防止しようとすると、減速判定が遅くなってしまうという問題を生じ易いものとなる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、前方車両が減速状態にあることの判定を、確実かつ速やかに行えるようにした車両の走行状態検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明装置は、基本的に、所定時間毎に計測される前方車両との車間距離に基づいて、前方車両との車間距離の変化量を決定して、この変化量が所定回数連続して減少していることを、減速判定の第1条件としてある。また、上記第1条件を満足したときに、上記所定回数分の間における車間距離の減少率が所定のしきい値以上であることを、減速判定の第2条件としてある。そして、第1条件と第2条件とを共に満足したときに、前方車両が減速状態にあると最終的に判定するようにしてある。
【0008】
より具体的には、本発明装置にあっては、次のような構成を基本的に採択してある。すなわち、
所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、
前記車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、
前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少しており、かつ該所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が所定のしきい値以上であるときに、前方車両が減速状態であると判定する減速判定手段と、
を備えているようにしてある。
【0009】
本発明装置にあっては、上記基本的な構成に加えて、次のような構成をさらに採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
前記減速判定手段が、前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少していることを判定する第1判定手段と、前記所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が前記所定のしきい値以上であるか否かを判定する第2判定手段と、を備えている、ようにしてある。
【0010】
また、本発明装置にあっては、前記基本的な構成に加えて、潜在的危険状態に応じて所定のしきい値を変更するように構成することができ、この潜在的危険状態として、特許請求の範囲における請求項2〜請求項7に記載のような具体的な状態が特定される。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に記載された本発明装置によれば、所定回数に応じた時間の間だけ連続して前方車両との相対距離が減少していることをみることによって、前方車両が減速状態にあることの前提が先ず確認される。そして、上記所定時間の間における相対距離の減少率が所定のしきい値以上であるときに、自車にとって対応がせまられる真の減速であることが確認されることになる。これにより、本発明装置にあっては、前方車両の減速を確実かつ速やかに検出することが可能となる。
【0012】
請求項2〜請求項7に記載された発明によれば、請求項1に記載された発明に対応した効果に加えて、潜在的な危険状態のときに、減速判定を速やかに行う上で好ましいものとなる。より具体的には、請求項2に記載したように混雑度合いに応じて、請求項3に記載したように割り込み車両の有無に応じて、請求項4に記載したようにトンネル内の走行有無に応じて、請求項5に記載したように下り坂での走行有無に応じて、請求項6に記載したように前方車両の視認性に応じて、さらに請求項7に記載したように周囲の明るさ変化に応じて、減速判定をより適切に行う上で好ましいものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明する。図1において、1は車両で、この車両1には、前方車両との距離を計測するための距離計測手段としてのレ−ダ2(例えば超音波式あるいはレ−ザ式で、実施例ではレ−ザ式が用いられている)が搭載されている。このレ−ダ2は、発信器と受信器とを組み合わせてなり、発信器から所定時間毎に検知波が出力されて、この出力された検知波が受信器で受信されるまでの間の時間を計測することにより、前方車両との距離が計測される。
【0014】
車両1には、マイクロコンピュ−タを利用して構成された制御ユニットUが搭載されている。この制御ユニットUには、図2に示すように、後述する前方車両の減速判定等を行うべく、レ−ダ2からの出力信号に基づき所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、変化量決定手段により決定された変化量に基づき、減速、加速、追従判定を行う走行状態判定手段(減速判定手段)とが設けられ、走行状態判定手段は、具体的には、変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少していることを判定する第1判定手段と、所定回数の間における変化量の加算値が前記所定のしきい値以上であるか否かを判定する第2判定手段とを備え、その所定のしきい値は、しきい値変更手段により変更されることになっている。
【0015】
この制御ユニットUには、図2に示すように、前記レ−ダ2からの出力信号の他、自車の車速を検出する車速検出手段としての車速センサS1や、日射量を検出する日射センサS2、ヘッドライトの作動を検出するヘッドライト作動検出手段S3、ワイパの作動を検出するワイパ作動検出手段S4、追従型オ−トクル−ズを選択するマニュアルスイッチS5、その他制御で用いるための各種信号検出用のセンサ群SGからの信号が入力される。一方、制御ユニットUからは、制御信号が、インストルメントパネル内の表示部3、警報手段としての警報器4、自動ブレーキ装置5へ出力される。
【0016】
インストルメントパネル内の表示部3は、前方車両の加速、減速が検出(判定)されたときに作動されるものであり、この表示部3により前方車両の停止が検出されたことをも表示することがより好ましい。警報器4および自動ブレーキ5は、前方車両の減速が検出(判定)されたときに作動されるものであり、警報器4は、ランプあるいはブザ−で構成することができるが、音で告知するブザ−が、運転者への注意喚起の上で好ましいものである。なお、警報器4と自動ブレーキ5とはいずれか一方のみを有するものであってもよく、自動ブレーキ5に加えてあるいは代わりに、自車を減速させる適宜の手法、例えばエンジン出力調整手段6によるエンジンの出力低下やシフトチェンジ手段による自動変速機のシフトダウン等を行うようにすることもできる。
【0017】
制御ユニットUは、追従型のオ−トクル−ズの機能をも有しており、このため、制御ユニットUによって、エンジン出力調整手段6、例えばスロットル開度調整用アクチュエ−タ(特にガソリンエンジンの場合)や、燃料噴射弁(特にディ−ゼルエンジンの場合)が制御される。
【0018】
次に、制御ユニットUの制御内容、つまり減速判定の制御について図3、図4に示すフロ−チャ−トを参照しつつ説明するが、以下の説明でQはステップを示す。また、図3、図4の制御は、実施例では、追従型のオ−トクル−ズが作動しているとき(追従型オ−トクル−ズを選択するマニュアルスイッチが、図2中符号S5で示される)を前提として行われるようになっているが、これ以外のときにも減速判定を行うようにしてもよいものである(例えば、運転者のマニュアル選択による減速判定制御の要求)。
【0019】
以上のことを前提として、先ず、図3のQ1において、レ−ダ2の出力に基づいて、前方車両と自車との今回の車間距離L(i)が算出(計測)され、次のQ2において、所定周期毎に車間距離L(i)が3回以上計測されいるか否かが判別される。Q2がNOのときにはリタ−ンされて3回以上の算出(計測)が確保される一方、Q2がYESのときにはQ3に進められる。そして、Q3においては、今回の車間距離L(i)から前回の車間距離L(i−1)を差し引いて今回の車間距離の変化量d(i)が算出され、前回(1回前)の車間距離L(i−1)から前前回(2回前)の車間距離L(i−2)を差し引いて前回の変化量d(i−1)が算出され、前前回の車間距離L(i−2)から前前前回(3回前)の車間距離L(i−3)を差し引いて前前回の変化量d(i−2)が算出される。このように、実施例では、車間距離の変化量の所定回数の算出回数として、3回分のものとされているが、複数回の適宜の回数に設定することができる。なお、図3、図4中『i』はサフィックスである。
【0020】
次に、Q4において、減速判定用の所定のしきい値となる第1しきい値dc1(例えば正の値)が、後述するようにして設定され、その後、前方車両が減速状態か否かを確実且つ速やかに判定すべく、Q5において、3回分の変化量d(i)、d(i−1)、d(i−2)の全てが負であるか否か、つまり3回分について全て相対距離が減少しているか否かが判別され、そのQ5の判別でYESのときは、Q6において、3回分の変化量d(i)、d(i−1)、d(i−2)の加算値の絶対値(減少率)が、Q4で設定された第1しきい値dc1よりも大きいか否かが判別される。このQ6の判別でYESのときは、前方車両の減速状態の程度を判定すべく、Q7において、3回分の変化量d(i)、d(i−1)、d(i−2)の加算値の絶対値(減少率)が第3しきい値dc3(>dc1)よりも大きいか否かが判別される。Q7がNOのときには、Q8において、前方車両が減速状態と判定されるも、その程度は比較的緊急性が低いとして警報4のみが発生され、Q7がYESのときには、Q9において、前方車両が緊急性の高い減速状態と判定され、警報4と共に自動ブレ−キ5が作動される。このQ8又はQ9の後は、Q10において、次のQ3の処理のために、計測された車間距離Lの更新がなされる(制御ユニットUに内蔵された記憶手段としてのRAMに記憶される)。
【0021】
Q6の判別でNOのときは、Q11において、前方車両に対して現在追従走行しているときであるとして、追従中の判定がなされた後、Q10へ移行する。
【0022】
Q5の判別でNOのときは、Q12において、3回分の変化量が全て正つまり相対距離が3回共増加しているか否かが判別される。このQ12の判別でNOのときは、Q13において、3回分の変化量のうち、ある2つが正で残る1つが零であるか否かが判別される。このQ13の判別でYESのとき、あるいはQ12の判別でYESのときは、それぞれQ14へ移行する。Q14では、3回分の変化量の加算値が、加速判定用の所定のしきい値としての第2しきい値dc2よりも大きいか否かが判別される。このQ14の判別でYESのときは、Q15において、前方車両が加速状態であると判定され、インストルメントパネル等に設けた表示部3(図1、図2参照)に、前方車両が加速中であることが表示される。
【0023】
前記Q13の判別でNOのとき、あるいはQ14の判別でNOのときは、それぞれQ11へ移行され、そのQ11において追従走行中であると判定される。この追従走行中であると判定されたときは、運転者の選択による追従走行が良好に行われているときなので、特別の制御は行われない。
【0024】
図4は、図3でのQ4における減速判定用の第1しきい値dc1の設定例(変更例)を示すものである。すなわち、先ず、図4のQ21において、前方車両との車間距離に応じて、しきい値dcaが設定される。Q22では、前方車両との相対速度に応じて、しきい値dcbが設定される。Q23では、自車の車速に応じて、しきい値dccが設定される。Q24では、混雑度合いに応じて、しきい値dcdが設定される。Q25では、下り坂の度合いに応じて、しきい値dceが設定される。Q26では、視認性に応じて、しきい値dcfが設定される。Q27では、自車を運転する余裕度に応じて、しきい値dcgが設定される。Q28では、割り込みに応じて、しきい値dchが設定される。Q29では、周囲の明るさに応じて、しきい値dciが設定される。Q30では、トンネル内での走行の有無に応じて、しきい値dcjが設定される。なお、各しきい値dca〜dcj(例えば正の値)の設定の詳細については、後述する。
【0025】
Q28では、各しきい値dca〜dcjが、所定の重み付け係数ka〜kjによって重み付けされた状態で加算されて、最終的な第1しきい値dc1が算出される。なお、各重み付け係数ka〜kjはそれぞれ0よりも大きくかつ1よりも小さい値で(0<ka、kb・・・・・kf、kj<1)、その合計値が丁度1になるように設定されている(ka+kb+・・・・・・ki+kj=1)。勿論、重み付け係数ka〜kjは、大きいほど、その反映度合いが大きいものとなる。
【0026】
ここで、図4のQ22等で用いる相対速度の算出に際しては、Q8、Q9、Q15での減速あるいは加速判定の場合と、Q11での追従判定の場合とで異なるようにされており、この点をも含めて、減速判定に着目しつつ、図3の制御内容について、図5を参照しつつ図式的に説明する。
【0027】
先ず、図5の周期SL毎つまり所定時間毎に、車間距離が計測される。t1時点が、追従走行が開始されたときであり、このt1時点がベ−スポイントとして、このt1時点での車間距離が、基準車間距離とされる(図5一点鎖線で示す車間距離)。t12時点までは、3回分の変化量が、いずれも図3のQ5、Q6あるいはQ13の判別でYESとはならないとき、つまり追従走行していると判定されるときである。このときは、t12時点での前方車両との相対速度は、ベ−スポイントとしてのt1からの経過時間T2でもって、t12時点での基準車間距離からの変化量D2を除した値とされる(相対速度=D2/T2)。
【0028】
t13時点では、3回連続して、車間距離が増加したときであり、図3のQ12の判別でYESになるときである。ただし、このときは、t13時点と、その3回前のt10時点での間での車間距離の変化量が、加速判定用の第2しきい値dc2よりも小さいときであって(図3のQ14での判別がNOのとき)、このt13時点での相対速度は、D3を、ベ−スポイントt1からt13時点までの経過時間T3で除した値とされて(D3/T3)、ベ−スポイントの変更はなされないものとされる。このように、追従時には、ベ−スポイントを更新しないことにより、相対速度が安定した値として得られることになる。
【0029】
t21時点では、3回連続して車間距離が減少したときであり、この3回分の車間距離の減少量D4が、減速判定用の第1しきい値dc1よりも大きくされている。このときは、図3のQ8又はQ9に移行されて減速判定されるときであり、このときは、相対速度の算出に際しては、ベ−スポイントがt21時点から3回前のt18時点に変更されて、D4を当該t18時点からt21時点までの経過時間T4(=3SL)で除した値とされる(D4/T4)。t21時点以後、t2、t23時点でも車間距離が大きく減少されるが、このときも、相対速度算出のためのベ−スポイントがt18から、t19、t20へと順次変更されていく。
【0030】
このように、減速判定されるというように、前方車両との車間距離が大きく変更された場合に限り、相対速度を算出するときのベ−スポイントが、変更つまり更新され(加速判定されたときも同様)、追従走行していると判定されたときは、ベ−スポイオントの変更つまり更新がなされないものとなる。
【0031】
次に、図4で設定される各種パラメ−タに応じたしきい値dca〜dcjの具体的な設定例について、図6以下を参照しつつ説明する。なお、減速判定用の第1しきい値dc1、およびこのdc1設定用の各種しきい値dca〜dcjは、大きいほど、減速判定しにくくなるものである。
【0032】
先ず、図6〜図8は、車間距離に応じたしきい値dcaの設定例を示すものである。このdcaの設定に際しては、基本的に、車間距離が大きいほど、危険度合いが少なく、しかも危険回避に余裕があるときなので、車間距離が大きいときは小さいときに比してしきい値dcaが大きく設定される。ただし、車間距離検出手段としてのレ−ダ2の能力限界から、この能力限界を越える範囲となる標準車間距離よりも小さい車間距離の範囲では、しきい値dcaを大きく設定するようにしてある(大きく変更された最大値は同じ)。
【0033】
図6の場合は、ある車間距離の大きさ範囲となる標準車間距離のときは、しきい値dcaが小さい一定値とされ、標準車間距離よりも大きいときおよび小さいあときはいずれも、しきい値dcaが標準車間距離のときよりも大きな一定値に設定される。そして、しきい値dcaの大きい一定値と小さい一定値との間は、非線形的にdcaが徐々に変化するように設定されている。なお、図6中破線で示すように、車間距離が標準車間距離よりも小さいときは、車間距離が標準車間距離よりも大きい場合に比して、しきい値dcaが小さくなるように設定することもできる。
【0034】
図7の場合は、図6の場合に比して、大きい一定値と小さい一定値との間で、線形的に徐々にしきい値dcaを変化させるようにしてある。なお、図7中破線で示す意味合いは、図6の場合と同様である。
【0035】
図8の場合は、図6の場合に比して、大きい一定値と小さい一定値との間において、しきい値dcaを急激(一気)につまり階段状に変化させるようにしたものである。なお、図8中破線で示す意味合いは、図6の場合と同様である。
【0036】
図9〜図11は、前方車両との相対速度に応じたしきい値dcbの設定例を示すものである。この場合、基本的に、相対速度が零付近のときのしきい値dcbは小さい一定値とされ、相対速度が零付近から大きくなる場合および小さくなる場合共に、大きい一定値とされる。しきい値dcbが大きい一定値と小さい一定値との間で変化する様子は、図9の場合は図6に対応し、図10の場合は図7に対応し、図11の場合は図8に対応している。
【0037】
しきい値dcbが小さい一定値とされるときの相対速度の範囲の中間値が、図9の場合は、相対速度が零のときよりも前方車両へ近付く方向へオフセットされ、図10は図9の場合よりもさらにオフセットされ、図11の場合は、図10の場合において、丁度相対速度が零の時点で、小さい一定値と大きい一定値との間で急激にしきい値dcbはが変化するように設定されている。
【0038】
図12〜図14は、自車の車速に応じたしきい値dccの設定例を示す。しきい値dccの設定に際しては、基本的に、車速が大きいときは、小さいときに比して、しきい値dccが小さくなるように設定される。図12〜図14の場合共に、しきい値dccは、車速が小さいときは大きい一定値に設定され、車速が大きいときは小さい一定値に設定される。そして、図12の場合は、大きい一定値と小さい一定値との間でのしきい値dccの変化が、非線形的に徐々に変化され、図13の場合は線形的に徐々に変化され、図14の場合は階段状に急激に変化されるように設定されている。
【0039】
図15は、混雑度合いに応じてしきい値dcdを変更する場合の設定例を示すものである。図15は、前方にある車両の数をレ−ダ2によって識別つまり検出して、基本的に、前方車両の数が多いときは少ないときに比して、しきい値dcdが小さくなるようにしてある。具体的には、しきい値dcdは、識別台数が少ないときは大きい一定値とされ、識別台数が多いときは小さい一定値とされ、この大きい一定値と小さい一定値との間が非線形的に徐々に変化されるように設定してある。
【0040】
図16〜図18は、図15の内容をより具体的に説明したものである。レ−ダ2は、図16に示すように、一定の検出幅を有しており、該レ−ダ2は、図17に示すように、その検出幅の下で、前方車両A、B、Cの存在を検出すると共に、その各前方車両A、B、Cと自車との車間距離を検出する。このことから、周期SL毎に受信波の数が検出され(R(ステップを示す)1、R2)、その受信波の数を識別台数として、図15に基づき、しきい値dcdが設定される。
【0041】
勿論、前方車両の数を識別するために、別途カメラを搭載して、カメラで撮影されている映像中の車両の数をカウントするようにしてもよい。
【0042】
図19、図20は、混雑度合いを、所定時間内において検出された車間距離の変化のピ−ク数(ピ−ク値の数)に応じて判断するようにしたものである(混雑しているほど、車間距離が頻繁に増減変化されることを考慮)。すなわち、図19は、図20の場合に比して、車間距離のピ−ク数が多いときで混雑度合いが激しいときである場合となっており、この混雑度合いは、車間距離のピ−ク数を図15の横軸として、ピ−ク数に応じてしきい値dcdが設定される(ピ−ク数大でしきい値dcdが小)。
【0043】
図21〜図23は、図19、図20の内容をより具体的に説明したものである。すなわち、周期SL毎に車間距離が検出され(S(ステップを示す)1、S2)、その車間距離が前回計測値に対して増減しているか否かが判定される(S3)。そして、このことに関し、m回分が記憶され(S4)、車間距離が減少状態から増加に変化したタイミングの数が算出される(S5)。そして、特性線図(図15)に基づき、dcdが算出される(S6)。したがって、図23の場合が、所定時間内において車間距離が減少状態から増加に変化したタイミングの数が1であるのに対し、図22のタイミング数が2であり、図22の場合の方が、図23の場合よりも、混雑することが反映されることになる。
【0044】
混雑度合いを検出する別の手法として、例えば、車体に作用する前後G(前後方向加速度)に基づいて行うこともできる(前後Gの変化のピ−ク数が多いほど混雑の度合いが大きい)。具体的には、車間距離の変化のピ−ク数を利用する前記図21におけるフロ−チャ−トのS2の車間距離の検出に代えて、自車速の検出を行うことになる。
【0045】
図24は、下り坂の度合いに応じたしきい値dceの設定例を示すものである。すなわち、基本的に、下りの度合い(下り傾斜の程度)が大きいときは小さいときに比して、しきい値dceが小さくなるようにしてある。より具体的には、しきい値dceは、下り坂の度合いが小さいときは大きい一定値とされ、下り坂の度合いが大きいときは小さい一定値とされ、この大きい一定値と小さい一定値との間が徐々に変化されるように設定してある。
【0046】
下り坂の度合いを検出するために、図2のセンサ群SG中に、傾斜検出手段としての傾斜計を含めるようにすることができる。ただし、例えば現在のスロットル開度とエンジン回転数と変速機のギア比と車速とから、理論的に下り坂の度合いを算出するようにすることもできる(スロットル開度とエンジン回転数とギア比とから定まる平坦路用の基準車速と実際の車速とを比較する)。
【0047】
図25〜図27は、視認性に応じたしきい値dcfの設定例を示すものである。この場合には、走行環境として、視認性が悪いときは、良いときに比して、しきい値dcfが小さくなるように設定してある。具体的には、先ず、レ−ダ2を利用して、周期SL毎に、受光レベルと車間距離とが検出される(T(ステップを示す)1、T2、T3)。この場合、図26に示すように、車間距離が延びるに従って受光レベルが低下する(図26中においては、100%が60%に低下するものを示す)。次に、T4において、T2、T3の受光レベル、車間距離を利用して、図27の三次元の特性線図に基づき、しきい値dcfが算出される。
【0048】
視認性を検出する別の手法として、例えば、ワイパが作動されているとき(ワイパ作動時は、レ−ダ2の受光レベルが低下しているときと判断することもできる)、あるいはヘッドライトが点灯されている時に、視認性が悪い状態と判断するように設定することもできる。
【0049】
図28は、自車の運転の余裕度に応じたしきい値dcgの設定例を示すものである。この余裕度は、前方車両に対する車間距離と自車の車速とをパラメ−タとして設定するようにしてあり、車間距離が大きいほど余裕度が大きくかつ自車速が小さいほど余裕度が大きくなるように設定してある。実施例では、車間距離を自車速で除した値を余裕度として、基本的に、余裕度が大きいときは小さいときに比してしきい値dcgが大きくなるようにしてある。より具体的には、しきい値dcgは、余裕度が小さいときは小さい一定値とされ、余裕度が大きいときは大きい一定値とされ、この大きい一定値と小さい一定値との間で徐々に変化されるように設定されている。
【0050】
上記余裕度として、車間距離と自車速とをパラメ−タとして設定することは、、実際の運転状況とよく合致するものである。すなわち、運転者は、前方車両との車間距離が大きいほど運転に余裕をもち、また自車速が小さいほど運転に余裕をもつことになり、運転に余裕を与える種々の要因のうち、この車間距離と自車速とが非常に大きなウエイトを占めるものとなる。したがって、図4のQ27における重み付け係数ka〜kjのうち、余裕度に応じたしきい値dcg用の重み付け係数kgを最大となるように設定しておくのが好ましい。
【0051】
図29は、車両の割り込みに応じたしきい値dchの設定例を示すものである。この割り込みに関しては、割り込み車両が検出されたときには、割り込み車両が検出されないときに比べて、しきい値dchが小さくなるように設定してある。具体的には、レ−ダ2を利用して、周期SL毎に車間距離が検出され(V(ステップを示す)1、V2)、その車間距離が前回の車間距離よりも所定量以上減少しているか否かが判別される(V3)。V3がYESのときには、車両の割り込みがあるとして、タイマがスタ−トされると共にしきい値dchがahに設定される(V4、V5)。V3がNOのときには、車両の割り込み後、一定の間、しきい値dchがahであることを確保すべく、タイマが動作中か否かが判別されると共に、タイマが動作中である場合にはタイマがスタ−トしてから所定時間が経過したか否かが判別される(V6、V7)。V7がNOのときには、タイマ時間が所定時間を経過していないとして、しきい値dchがahに設定され続ける一方、V7がYESのときには、タイマ時間が所定時間を経過したとして、タイマがリセットされると共に、しきい値dchが前記ahよりも大きいbh(>ah)に設定され(V8、V9)、以後、車両の割り込みがない限り、V1〜V3、V6のNOを経由して、そのしきい値dchがbhに設定され続ける。
【0052】
図30、図31は、周囲の明るさに応じたしきい値dciの設定例を示すものである。この周囲の明るさに関しては、車両が急に明るいところに入ったり急に暗いところに入ったりしたときには、運転手の目が慣れずに危険な状況にあることを考慮し、図30に示すように、所定時間内に所定以上の明るさの変化があったときには、変化がないときに比べて、しきい値dciが小さくなるように設定してある。具体的には、周期SL毎に、日射センサS2により明るさが検出され、(W(ステップを示す)1、W2)、その明るさが所定時間内に所定以上の明るさの変化があったか否かが判別される(W3)。W3がYESのときには、所定の明るさ変化があったとして、タイマがスタ−トされると共にしきい値dciがaiに設定される(W4、W5)。W3がNOのときには、所定の明るさ変化後、一定の間、しきい値dciがaiであることを確保すべく、タイマが動作中か否かが判別されると共に、タイマが動作中である場合にはタイマがスタ−トしてから所定時間が経過したか否かが判別される(W6、W7)。W7がNOのときには、タイマ時間が所定時間を経過していないとして、しきい値dciがaiに設定され続ける一方、W7がYESのときには、タイマ時間が所定時間を経過したとして、タイマがリセットされると共に、しきい値dciが前記aiよりも大きいbi(>ai)に設定され(W8、W9)、以後、所定の明るさ変化がない限り、W1〜W3、W6のNOを経由して、そのしきい値dciがbiに設定され続ける。
【0053】
図32〜図34は、トンネル走行に応じたしきい値dcjの設定例を示すものである。トンネル走行に関しては、昼間、トンネルに入ったときに周囲が暗くなることについては、前述の周囲の明るさ変化によるdci補正により対処できるものの、トンネル内は暗く閉塞性の高い環境とされ、トンネル内において追突事故等が発生すると、重大事故となってしまうおそれがある。このため、トンネル内の走行中は、トンネル内を走行していないときに比して、しきい値dcjが小さくなるように設定してある。具体的には、図32、図33に示すように、トンネル8内を走行中においては、車両の日射センサS2が、トンネル8内の複数の照明灯9の強弱を周期的に検出することを利用して、車両がトンネル内を走行中であることを検出し、これにより、トンネル8内の走行中は、トンネル8内を走行していないときに比して、しきい値dcjが小さくされる。より具体的に図34のフロ−チャ−トにより説明すれば、先ず、X1において、日射センサS2からの信号を読み込み、次のX2において、誤差(センサノイズ)削除のためロ−パスフィルタ等により高周波成分が除去される。次に、X3において、X2の信号の微分値が算出され、X4において、微分値がマイナスからプラスに変化されるタイミングが演算される。そして、次のX5において、前のタイミングから今回のタイミングまでの時間t(図33参照)が、所定値T1 、T2 (T1 <T2)の間に位置するか否かが判別される。このX5がYESのときには、トンネル内を走行中であるとして、X6において、しきい値dcjが小さい値ajに設定され、X5がNOのときには、トンネル内を走行していないとして、X7において、しきい値dcjが大きい値bjに設定される。
【0054】
尚、周囲の明るさ変化に関連して、特に昼間にトンネル内を走行していることの検出は、例えば車両に搭載されている時計が夜間でないことを示しており、かつヘッドライトが点灯されていること(またはインストルメントパネル付近に設けられた光センサが日光を検出しないこと)も利用できる。
【0055】
また、前述した各しきい値dca〜dcj設定等のために別途検出手段としてのセンサが必要な場合は、このセンサは図2におけるセンサ群SGに含まれるものである。また、図6〜図15、図18〜図34に示すマップは、制御ユニットU内に装備された記憶手段としてROMにあらかじめ作成、記憶されているものである。
【0056】
図35、図36は他の実施例を示す。この実施例においては、減速判定よりもさらに早く警報を行いたいものとして前方車両が停止している場合があることを考慮し、停止判定を行うと共に、警報が実際に即するように動作されるようにすべく、追従、減速モ−ド等の各モ−ドに応じて、警報動作タイミングが設定されることになっている。しかも、警報を発するほどではない前方車両の動向をもドライバが的確に把握できるようにすべく、前方車両の減速、停止、加速中である旨が表示部3に表示されることになっている。
【0057】
具体的には、前記実施例の図3のフロ−チャ−トを改良して、停止判定等が加味されている。このため、図35において、図3と同一内容については同一符号を付してその説明を省略し、新たな内容についてのみ、別符号を付して説明する。
【0058】
この実施例においては、Q7で、Q6のしきい値dc1よりも大きいしきい値dc3を利用して、3回分の変化量d(i)、d(i−1)、d(i−2)の加算値の絶対値(減少率)がしきい値dc3(例えば正の値)よりも大きいか否かが判別され、Q7がNOのときにQ8−2において減速判定がなされる一方、Q7がYESのときには、Q9−2において停止判定がなされる。そして、Q8−2、Q9−2の後、計測された車間距離Lの更新を行うQ10を経て、Q16において、警報動作タイミング等の制御が行われる。
【0059】
警報動作タイミング等の制御は、図36のフロ−チャ−トに基づいて行われる。Q21において、追従モ−ドか否かが判別され、Q21がYESのときには、追従モ−ドであるとして、Q22において、追従モ−ド用の警報車間距離Lが設定される。このQ22の警報車間距離Lは、ドライバを危険な領域に介入させないようにするべく、ドライバがブレ−キ動作を行うのに要する時間t1と自車の速度vとの積として算出される。そして、次のQ23において、その警報車間距離Lよりも検出車間距離が大きいか否かが判別され、Q23がYESのときには、そのままリタ−ンされる一方、Q23がNOのときには、車間距離が警報車間距離よりも短くなったとして、Q24において、警報が発せられる。さらに、Q25において、検出車間距離がL/2よりも小さいか否かが判別され、Q25がNOのときにはリタ−ンされて、警報のみが発せられ続ける一方、Q25がYESのときには、緊急性が高いとして、Q26において、自動ブレ−キが作動される。
【0060】
Q21がNOのときには、Q27において、減速モ−ドか否かが判別される。Q27がYESのときには、Q28において減速モ−ド用の警報車間距離Lが設定されると共に、Q29において前方車両が減速中である旨の報知がなされ、この後、前記Q23に進むことになる。Q28における減速モ−ド用の警報車間距離Lは、ドライバが自車速度に比例した車間距離でブレ−キ操作をする傾向に着目し、前記t1よりも大きい固定値t3と自車速度vとの積として算出され、Q29における前方車両が減速中である旨の報知は、インストルメントパネル内の表示部3に表示されて、気ぜわしくさせられることなく前方車両が減速中であることがドライバに伝えられる。
【0061】
Q27がNOのときには、Q30において停止モ−ドか否かが判別される。Q30がYESのときには、Q31において停止モ−ド用の警報車間距離Lが設定されると共に、Q32において前方車両が停止中である旨の報知がなされ、この後、前記Q23に進むことになる。Q31における停止モ−ド用の警報車間距離Lは、自車の速度vから減速度αで停止できる距離に、ドライバが減速作動に移るのに必要とする時間t1だけ走行する距離を加えて設定されており、Q32における前方車両が停止中である旨の報知も、インストルメントパネル内の表示部3に表示されて気ぜわしくさせられることが防止されることになっている。
【0062】
Q30がNOのときには、Q33において加速モ−ドか否かが判別される。Q33がNOのときにはリタ−ンされる一方、Q33がYESのときには、Q34において加速モ−ド用の警報車間距離Lが設定されると共に、Q35において前方車両が加速中である旨の報知がなされる。Q34における加速モ−ド用の警報車間距離Lは、実験的手法により前記t1よりも小さく決められる固定値t2と、自車の速度vとの積として設定され、Q35における前方車両が加速中である旨の報知も、インストルメントパネル内の表示部3に表示されて気ぜわしくさせられることが防止されることになっている。この後、前記Q23に進むことになり、通常は、検出車間距離がQ34の警報車間距離Lよりも大きいとしてリタ−ンされ、特別に、検出車間距離がQ34の警報車間距離Lよりも大きくない状態にならない限り警報等の処理は行われない。
【0063】
以上実施例について説明したが、例えば次のようにすることもできる。
(1)相対速度を計算するときのベ−スポイントの更新(変更)は、計測毎に変更することもできる。
(2)加速判定のしきい値となる第2しきい値dc2も、適宜のパラメ−タに応じて変更することもできる。
【0064】
(3)種々のパラメ−タに応じて減速判定用の第1しきい値dc1を変更する場合、ある基準のパラメ−タ、例えば図28に示す余裕度に応じて基準しきい値を設定し、他のパラメ−タに応じて補正係数を設定して(dca、dcb等を補正係数とする)、この補正係数を基準しきい値に乗算することにより、最終的な第1しきい値dc1を得るようにすることもできる。
【0065】
(4)本発明の目的は、明示した内容に限らず、発明の効果、利点、好ましいとされた内容に対応した目的をも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両の一例を示す簡略斜視図。
【図2】本発明の制御系統を示す図。
【図3】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図4】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図5】本発明の制御内容を図式的に示すタイムチャ−ト。
【図6】車間距離に応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図7】車間距離に応じた減速判定用しきい値の第2の変更例を示す図。
【図8】車間距離に応じた減速判定用しきい値の第3の変更例を示す図。
【図9】相対速度に応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図10】相対速度に応じた減速判定用しきい値の第2の変更例を示す図。
【図11】相対速度に応じた減速判定用しきい値の第3の変更例を示す図。
【図12】自車速に応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図13】自車速に応じた減速判定用しきい値の第2の変更例を示す図。
【図14】自車速に応じた減速判定用しきい値の第3の変更例を示す図。
【図15】混雑度合いに応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図16】混雑度合いをレ−ダにより検出する内容を示す図。
【図17】図16の混雑度合いを図式的に説明する図。
【図18】図15、図16の混雑度合いに基づく減速判定用しきい値の決定を説明するフロ−チャ−ト。
【図19】混雑度合いを、混雑している場合として車間距離間のピ−ク数により判断する一例を示す図。
【図20】混雑度合いを、混雑していない場合として車間距離間のピ−ク数により判断する一例を示す図。
【図21】図19、図20の内容を具体的に説明するフロ−チャ−ト。
【図22】図19、図20の内容を、混雑している場合として判断する一例を示す図。
【図23】図19、図20の内容を、混雑していない場合として判断する一例を示す図。
【図24】下り坂の度合いに応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図25】視認性に応じた減速判定用しきい値の変更例を示すフロ−チャ−ト。
【図26】レ−ダによる車間距離と受光レベルとの関係を図式的に説明する図。
【図27】図25のフロ−チャ−トにおいて用いられる特性図。
【図28】運転の余裕度に応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図29】車両の割り込みに応じた減速判定用しきい値の変更例を示すフロ−チャ−ト。
【図30】図29の内容を図式的に説明する図。
【図31】周囲の明るさに応じた減速判定用しきい値の変更例を示すフロ−チャ−ト。
【図32】トンネル走行を概念的に示す図。
【図33】トンネル走行において、日射センサが検出する照明灯の強弱を図式的に示す図。
【図34】トンネル走行の有無に応じた減速判定用しきい値の変更例を示すフロ−チャ−ト。
【図35】他の実施例に係る制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図36】図35の内容をさらに詳しく説明するフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
1:車両
2:レ−ダ(車間距離計測用)
4:警報器
5:自動ブレーキ
6:エンジン出力調整手段
S1:車速センサ
S2:マニュアルスイッチ(追従式定速走行選択用)
SG:センサ群
U:制御ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、前方車両が減速状態にあることを確実かつ速やかに検出するようにした車両の走行状態検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の車両では、オ−トクル−ズ(定速走行装置)を搭載した車両が増加する傾向にある。このようなオ−トクル−ズを発展させた形態として、前方車両との車間距離をほぼ一定に保持した自動走行が行えるようにした追従型のオ−トクル−ズも実用化され始めている。
【0003】
上記追従型オ−トクル−ズの場合、前方車両が減速、特に急減速したことを検出することが強く望まれる。すなわち、前方車両が減速したときは、そのまま追従走行を続けることが不可能あるいは好ましくない場合となることが多いので、追従型のオ−トクルズ走行を中止したり運転者に対する注意喚起のために、前方車両の減速検出が必要となる。また、前方車両の減速検出は、オ−トクル−ズ走行を行わない通常走行の際でも、運転者の不注意による前方車両への接近し過ぎを防止する上でも望まれるものとなる。
【0004】
前方車両の減速検出は、確実かつ速やかに行うことが望まれるものである。特開昭61−146644号公報には、基本的に、前方車両との車間距離に基づいて前方車両に対する相対速度を求めて、この相対速度に基づいて前方車両の減速を判定するものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、相対速度というものは短時間の間に常に変動しているものである。したがって、相対速度に基づいて前方車両の減速を判定する場合(相対速度から直接、あるいは相対速度に基づいて減速判定用のしきい値を別途設定する場合のいずれも)、速やかに減速判定しようとすると、判定しきい値を減速判定し易いように設定する必要があるが、この場合は、減速でないのに減速であると誤判定してしまう可能性が高くなる。逆に、減速の誤判定を防止しようとすると、減速判定が遅くなってしまうという問題を生じ易いものとなる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、前方車両が減速状態にあることの判定を、確実かつ速やかに行えるようにした車両の走行状態検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明装置は、基本的に、所定時間毎に計測される前方車両との車間距離に基づいて、前方車両との車間距離の変化量を決定して、この変化量が所定回数連続して減少していることを、減速判定の第1条件としてある。また、上記第1条件を満足したときに、上記所定回数分の間における車間距離の減少率が所定のしきい値以上であることを、減速判定の第2条件としてある。そして、第1条件と第2条件とを共に満足したときに、前方車両が減速状態にあると最終的に判定するようにしてある。
【0008】
より具体的には、本発明装置にあっては、次のような構成を基本的に採択してある。すなわち、
所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、
前記車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、
前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少しており、かつ該所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が所定のしきい値以上であるときに、前方車両が減速状態であると判定する減速判定手段と、
を備えているようにしてある。
【0009】
本発明装置にあっては、上記基本的な構成に加えて、次のような構成をさらに採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
前記減速判定手段が、前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少していることを判定する第1判定手段と、前記所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が前記所定のしきい値以上であるか否かを判定する第2判定手段と、を備えている、ようにしてある。
【0010】
また、本発明装置にあっては、前記基本的な構成に加えて、潜在的危険状態に応じて所定のしきい値を変更するように構成することができ、この潜在的危険状態として、特許請求の範囲における請求項2〜請求項7に記載のような具体的な状態が特定される。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に記載された本発明装置によれば、所定回数に応じた時間の間だけ連続して前方車両との相対距離が減少していることをみることによって、前方車両が減速状態にあることの前提が先ず確認される。そして、上記所定時間の間における相対距離の減少率が所定のしきい値以上であるときに、自車にとって対応がせまられる真の減速であることが確認されることになる。これにより、本発明装置にあっては、前方車両の減速を確実かつ速やかに検出することが可能となる。
【0012】
請求項2〜請求項7に記載された発明によれば、請求項1に記載された発明に対応した効果に加えて、潜在的な危険状態のときに、減速判定を速やかに行う上で好ましいものとなる。より具体的には、請求項2に記載したように混雑度合いに応じて、請求項3に記載したように割り込み車両の有無に応じて、請求項4に記載したようにトンネル内の走行有無に応じて、請求項5に記載したように下り坂での走行有無に応じて、請求項6に記載したように前方車両の視認性に応じて、さらに請求項7に記載したように周囲の明るさ変化に応じて、減速判定をより適切に行う上で好ましいものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明する。図1において、1は車両で、この車両1には、前方車両との距離を計測するための距離計測手段としてのレ−ダ2(例えば超音波式あるいはレ−ザ式で、実施例ではレ−ザ式が用いられている)が搭載されている。このレ−ダ2は、発信器と受信器とを組み合わせてなり、発信器から所定時間毎に検知波が出力されて、この出力された検知波が受信器で受信されるまでの間の時間を計測することにより、前方車両との距離が計測される。
【0014】
車両1には、マイクロコンピュ−タを利用して構成された制御ユニットUが搭載されている。この制御ユニットUには、図2に示すように、後述する前方車両の減速判定等を行うべく、レ−ダ2からの出力信号に基づき所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、変化量決定手段により決定された変化量に基づき、減速、加速、追従判定を行う走行状態判定手段(減速判定手段)とが設けられ、走行状態判定手段は、具体的には、変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少していることを判定する第1判定手段と、所定回数の間における変化量の加算値が前記所定のしきい値以上であるか否かを判定する第2判定手段とを備え、その所定のしきい値は、しきい値変更手段により変更されることになっている。
【0015】
この制御ユニットUには、図2に示すように、前記レ−ダ2からの出力信号の他、自車の車速を検出する車速検出手段としての車速センサS1や、日射量を検出する日射センサS2、ヘッドライトの作動を検出するヘッドライト作動検出手段S3、ワイパの作動を検出するワイパ作動検出手段S4、追従型オ−トクル−ズを選択するマニュアルスイッチS5、その他制御で用いるための各種信号検出用のセンサ群SGからの信号が入力される。一方、制御ユニットUからは、制御信号が、インストルメントパネル内の表示部3、警報手段としての警報器4、自動ブレーキ装置5へ出力される。
【0016】
インストルメントパネル内の表示部3は、前方車両の加速、減速が検出(判定)されたときに作動されるものであり、この表示部3により前方車両の停止が検出されたことをも表示することがより好ましい。警報器4および自動ブレーキ5は、前方車両の減速が検出(判定)されたときに作動されるものであり、警報器4は、ランプあるいはブザ−で構成することができるが、音で告知するブザ−が、運転者への注意喚起の上で好ましいものである。なお、警報器4と自動ブレーキ5とはいずれか一方のみを有するものであってもよく、自動ブレーキ5に加えてあるいは代わりに、自車を減速させる適宜の手法、例えばエンジン出力調整手段6によるエンジンの出力低下やシフトチェンジ手段による自動変速機のシフトダウン等を行うようにすることもできる。
【0017】
制御ユニットUは、追従型のオ−トクル−ズの機能をも有しており、このため、制御ユニットUによって、エンジン出力調整手段6、例えばスロットル開度調整用アクチュエ−タ(特にガソリンエンジンの場合)や、燃料噴射弁(特にディ−ゼルエンジンの場合)が制御される。
【0018】
次に、制御ユニットUの制御内容、つまり減速判定の制御について図3、図4に示すフロ−チャ−トを参照しつつ説明するが、以下の説明でQはステップを示す。また、図3、図4の制御は、実施例では、追従型のオ−トクル−ズが作動しているとき(追従型オ−トクル−ズを選択するマニュアルスイッチが、図2中符号S5で示される)を前提として行われるようになっているが、これ以外のときにも減速判定を行うようにしてもよいものである(例えば、運転者のマニュアル選択による減速判定制御の要求)。
【0019】
以上のことを前提として、先ず、図3のQ1において、レ−ダ2の出力に基づいて、前方車両と自車との今回の車間距離L(i)が算出(計測)され、次のQ2において、所定周期毎に車間距離L(i)が3回以上計測されいるか否かが判別される。Q2がNOのときにはリタ−ンされて3回以上の算出(計測)が確保される一方、Q2がYESのときにはQ3に進められる。そして、Q3においては、今回の車間距離L(i)から前回の車間距離L(i−1)を差し引いて今回の車間距離の変化量d(i)が算出され、前回(1回前)の車間距離L(i−1)から前前回(2回前)の車間距離L(i−2)を差し引いて前回の変化量d(i−1)が算出され、前前回の車間距離L(i−2)から前前前回(3回前)の車間距離L(i−3)を差し引いて前前回の変化量d(i−2)が算出される。このように、実施例では、車間距離の変化量の所定回数の算出回数として、3回分のものとされているが、複数回の適宜の回数に設定することができる。なお、図3、図4中『i』はサフィックスである。
【0020】
次に、Q4において、減速判定用の所定のしきい値となる第1しきい値dc1(例えば正の値)が、後述するようにして設定され、その後、前方車両が減速状態か否かを確実且つ速やかに判定すべく、Q5において、3回分の変化量d(i)、d(i−1)、d(i−2)の全てが負であるか否か、つまり3回分について全て相対距離が減少しているか否かが判別され、そのQ5の判別でYESのときは、Q6において、3回分の変化量d(i)、d(i−1)、d(i−2)の加算値の絶対値(減少率)が、Q4で設定された第1しきい値dc1よりも大きいか否かが判別される。このQ6の判別でYESのときは、前方車両の減速状態の程度を判定すべく、Q7において、3回分の変化量d(i)、d(i−1)、d(i−2)の加算値の絶対値(減少率)が第3しきい値dc3(>dc1)よりも大きいか否かが判別される。Q7がNOのときには、Q8において、前方車両が減速状態と判定されるも、その程度は比較的緊急性が低いとして警報4のみが発生され、Q7がYESのときには、Q9において、前方車両が緊急性の高い減速状態と判定され、警報4と共に自動ブレ−キ5が作動される。このQ8又はQ9の後は、Q10において、次のQ3の処理のために、計測された車間距離Lの更新がなされる(制御ユニットUに内蔵された記憶手段としてのRAMに記憶される)。
【0021】
Q6の判別でNOのときは、Q11において、前方車両に対して現在追従走行しているときであるとして、追従中の判定がなされた後、Q10へ移行する。
【0022】
Q5の判別でNOのときは、Q12において、3回分の変化量が全て正つまり相対距離が3回共増加しているか否かが判別される。このQ12の判別でNOのときは、Q13において、3回分の変化量のうち、ある2つが正で残る1つが零であるか否かが判別される。このQ13の判別でYESのとき、あるいはQ12の判別でYESのときは、それぞれQ14へ移行する。Q14では、3回分の変化量の加算値が、加速判定用の所定のしきい値としての第2しきい値dc2よりも大きいか否かが判別される。このQ14の判別でYESのときは、Q15において、前方車両が加速状態であると判定され、インストルメントパネル等に設けた表示部3(図1、図2参照)に、前方車両が加速中であることが表示される。
【0023】
前記Q13の判別でNOのとき、あるいはQ14の判別でNOのときは、それぞれQ11へ移行され、そのQ11において追従走行中であると判定される。この追従走行中であると判定されたときは、運転者の選択による追従走行が良好に行われているときなので、特別の制御は行われない。
【0024】
図4は、図3でのQ4における減速判定用の第1しきい値dc1の設定例(変更例)を示すものである。すなわち、先ず、図4のQ21において、前方車両との車間距離に応じて、しきい値dcaが設定される。Q22では、前方車両との相対速度に応じて、しきい値dcbが設定される。Q23では、自車の車速に応じて、しきい値dccが設定される。Q24では、混雑度合いに応じて、しきい値dcdが設定される。Q25では、下り坂の度合いに応じて、しきい値dceが設定される。Q26では、視認性に応じて、しきい値dcfが設定される。Q27では、自車を運転する余裕度に応じて、しきい値dcgが設定される。Q28では、割り込みに応じて、しきい値dchが設定される。Q29では、周囲の明るさに応じて、しきい値dciが設定される。Q30では、トンネル内での走行の有無に応じて、しきい値dcjが設定される。なお、各しきい値dca〜dcj(例えば正の値)の設定の詳細については、後述する。
【0025】
Q28では、各しきい値dca〜dcjが、所定の重み付け係数ka〜kjによって重み付けされた状態で加算されて、最終的な第1しきい値dc1が算出される。なお、各重み付け係数ka〜kjはそれぞれ0よりも大きくかつ1よりも小さい値で(0<ka、kb・・・・・kf、kj<1)、その合計値が丁度1になるように設定されている(ka+kb+・・・・・・ki+kj=1)。勿論、重み付け係数ka〜kjは、大きいほど、その反映度合いが大きいものとなる。
【0026】
ここで、図4のQ22等で用いる相対速度の算出に際しては、Q8、Q9、Q15での減速あるいは加速判定の場合と、Q11での追従判定の場合とで異なるようにされており、この点をも含めて、減速判定に着目しつつ、図3の制御内容について、図5を参照しつつ図式的に説明する。
【0027】
先ず、図5の周期SL毎つまり所定時間毎に、車間距離が計測される。t1時点が、追従走行が開始されたときであり、このt1時点がベ−スポイントとして、このt1時点での車間距離が、基準車間距離とされる(図5一点鎖線で示す車間距離)。t12時点までは、3回分の変化量が、いずれも図3のQ5、Q6あるいはQ13の判別でYESとはならないとき、つまり追従走行していると判定されるときである。このときは、t12時点での前方車両との相対速度は、ベ−スポイントとしてのt1からの経過時間T2でもって、t12時点での基準車間距離からの変化量D2を除した値とされる(相対速度=D2/T2)。
【0028】
t13時点では、3回連続して、車間距離が増加したときであり、図3のQ12の判別でYESになるときである。ただし、このときは、t13時点と、その3回前のt10時点での間での車間距離の変化量が、加速判定用の第2しきい値dc2よりも小さいときであって(図3のQ14での判別がNOのとき)、このt13時点での相対速度は、D3を、ベ−スポイントt1からt13時点までの経過時間T3で除した値とされて(D3/T3)、ベ−スポイントの変更はなされないものとされる。このように、追従時には、ベ−スポイントを更新しないことにより、相対速度が安定した値として得られることになる。
【0029】
t21時点では、3回連続して車間距離が減少したときであり、この3回分の車間距離の減少量D4が、減速判定用の第1しきい値dc1よりも大きくされている。このときは、図3のQ8又はQ9に移行されて減速判定されるときであり、このときは、相対速度の算出に際しては、ベ−スポイントがt21時点から3回前のt18時点に変更されて、D4を当該t18時点からt21時点までの経過時間T4(=3SL)で除した値とされる(D4/T4)。t21時点以後、t2、t23時点でも車間距離が大きく減少されるが、このときも、相対速度算出のためのベ−スポイントがt18から、t19、t20へと順次変更されていく。
【0030】
このように、減速判定されるというように、前方車両との車間距離が大きく変更された場合に限り、相対速度を算出するときのベ−スポイントが、変更つまり更新され(加速判定されたときも同様)、追従走行していると判定されたときは、ベ−スポイオントの変更つまり更新がなされないものとなる。
【0031】
次に、図4で設定される各種パラメ−タに応じたしきい値dca〜dcjの具体的な設定例について、図6以下を参照しつつ説明する。なお、減速判定用の第1しきい値dc1、およびこのdc1設定用の各種しきい値dca〜dcjは、大きいほど、減速判定しにくくなるものである。
【0032】
先ず、図6〜図8は、車間距離に応じたしきい値dcaの設定例を示すものである。このdcaの設定に際しては、基本的に、車間距離が大きいほど、危険度合いが少なく、しかも危険回避に余裕があるときなので、車間距離が大きいときは小さいときに比してしきい値dcaが大きく設定される。ただし、車間距離検出手段としてのレ−ダ2の能力限界から、この能力限界を越える範囲となる標準車間距離よりも小さい車間距離の範囲では、しきい値dcaを大きく設定するようにしてある(大きく変更された最大値は同じ)。
【0033】
図6の場合は、ある車間距離の大きさ範囲となる標準車間距離のときは、しきい値dcaが小さい一定値とされ、標準車間距離よりも大きいときおよび小さいあときはいずれも、しきい値dcaが標準車間距離のときよりも大きな一定値に設定される。そして、しきい値dcaの大きい一定値と小さい一定値との間は、非線形的にdcaが徐々に変化するように設定されている。なお、図6中破線で示すように、車間距離が標準車間距離よりも小さいときは、車間距離が標準車間距離よりも大きい場合に比して、しきい値dcaが小さくなるように設定することもできる。
【0034】
図7の場合は、図6の場合に比して、大きい一定値と小さい一定値との間で、線形的に徐々にしきい値dcaを変化させるようにしてある。なお、図7中破線で示す意味合いは、図6の場合と同様である。
【0035】
図8の場合は、図6の場合に比して、大きい一定値と小さい一定値との間において、しきい値dcaを急激(一気)につまり階段状に変化させるようにしたものである。なお、図8中破線で示す意味合いは、図6の場合と同様である。
【0036】
図9〜図11は、前方車両との相対速度に応じたしきい値dcbの設定例を示すものである。この場合、基本的に、相対速度が零付近のときのしきい値dcbは小さい一定値とされ、相対速度が零付近から大きくなる場合および小さくなる場合共に、大きい一定値とされる。しきい値dcbが大きい一定値と小さい一定値との間で変化する様子は、図9の場合は図6に対応し、図10の場合は図7に対応し、図11の場合は図8に対応している。
【0037】
しきい値dcbが小さい一定値とされるときの相対速度の範囲の中間値が、図9の場合は、相対速度が零のときよりも前方車両へ近付く方向へオフセットされ、図10は図9の場合よりもさらにオフセットされ、図11の場合は、図10の場合において、丁度相対速度が零の時点で、小さい一定値と大きい一定値との間で急激にしきい値dcbはが変化するように設定されている。
【0038】
図12〜図14は、自車の車速に応じたしきい値dccの設定例を示す。しきい値dccの設定に際しては、基本的に、車速が大きいときは、小さいときに比して、しきい値dccが小さくなるように設定される。図12〜図14の場合共に、しきい値dccは、車速が小さいときは大きい一定値に設定され、車速が大きいときは小さい一定値に設定される。そして、図12の場合は、大きい一定値と小さい一定値との間でのしきい値dccの変化が、非線形的に徐々に変化され、図13の場合は線形的に徐々に変化され、図14の場合は階段状に急激に変化されるように設定されている。
【0039】
図15は、混雑度合いに応じてしきい値dcdを変更する場合の設定例を示すものである。図15は、前方にある車両の数をレ−ダ2によって識別つまり検出して、基本的に、前方車両の数が多いときは少ないときに比して、しきい値dcdが小さくなるようにしてある。具体的には、しきい値dcdは、識別台数が少ないときは大きい一定値とされ、識別台数が多いときは小さい一定値とされ、この大きい一定値と小さい一定値との間が非線形的に徐々に変化されるように設定してある。
【0040】
図16〜図18は、図15の内容をより具体的に説明したものである。レ−ダ2は、図16に示すように、一定の検出幅を有しており、該レ−ダ2は、図17に示すように、その検出幅の下で、前方車両A、B、Cの存在を検出すると共に、その各前方車両A、B、Cと自車との車間距離を検出する。このことから、周期SL毎に受信波の数が検出され(R(ステップを示す)1、R2)、その受信波の数を識別台数として、図15に基づき、しきい値dcdが設定される。
【0041】
勿論、前方車両の数を識別するために、別途カメラを搭載して、カメラで撮影されている映像中の車両の数をカウントするようにしてもよい。
【0042】
図19、図20は、混雑度合いを、所定時間内において検出された車間距離の変化のピ−ク数(ピ−ク値の数)に応じて判断するようにしたものである(混雑しているほど、車間距離が頻繁に増減変化されることを考慮)。すなわち、図19は、図20の場合に比して、車間距離のピ−ク数が多いときで混雑度合いが激しいときである場合となっており、この混雑度合いは、車間距離のピ−ク数を図15の横軸として、ピ−ク数に応じてしきい値dcdが設定される(ピ−ク数大でしきい値dcdが小)。
【0043】
図21〜図23は、図19、図20の内容をより具体的に説明したものである。すなわち、周期SL毎に車間距離が検出され(S(ステップを示す)1、S2)、その車間距離が前回計測値に対して増減しているか否かが判定される(S3)。そして、このことに関し、m回分が記憶され(S4)、車間距離が減少状態から増加に変化したタイミングの数が算出される(S5)。そして、特性線図(図15)に基づき、dcdが算出される(S6)。したがって、図23の場合が、所定時間内において車間距離が減少状態から増加に変化したタイミングの数が1であるのに対し、図22のタイミング数が2であり、図22の場合の方が、図23の場合よりも、混雑することが反映されることになる。
【0044】
混雑度合いを検出する別の手法として、例えば、車体に作用する前後G(前後方向加速度)に基づいて行うこともできる(前後Gの変化のピ−ク数が多いほど混雑の度合いが大きい)。具体的には、車間距離の変化のピ−ク数を利用する前記図21におけるフロ−チャ−トのS2の車間距離の検出に代えて、自車速の検出を行うことになる。
【0045】
図24は、下り坂の度合いに応じたしきい値dceの設定例を示すものである。すなわち、基本的に、下りの度合い(下り傾斜の程度)が大きいときは小さいときに比して、しきい値dceが小さくなるようにしてある。より具体的には、しきい値dceは、下り坂の度合いが小さいときは大きい一定値とされ、下り坂の度合いが大きいときは小さい一定値とされ、この大きい一定値と小さい一定値との間が徐々に変化されるように設定してある。
【0046】
下り坂の度合いを検出するために、図2のセンサ群SG中に、傾斜検出手段としての傾斜計を含めるようにすることができる。ただし、例えば現在のスロットル開度とエンジン回転数と変速機のギア比と車速とから、理論的に下り坂の度合いを算出するようにすることもできる(スロットル開度とエンジン回転数とギア比とから定まる平坦路用の基準車速と実際の車速とを比較する)。
【0047】
図25〜図27は、視認性に応じたしきい値dcfの設定例を示すものである。この場合には、走行環境として、視認性が悪いときは、良いときに比して、しきい値dcfが小さくなるように設定してある。具体的には、先ず、レ−ダ2を利用して、周期SL毎に、受光レベルと車間距離とが検出される(T(ステップを示す)1、T2、T3)。この場合、図26に示すように、車間距離が延びるに従って受光レベルが低下する(図26中においては、100%が60%に低下するものを示す)。次に、T4において、T2、T3の受光レベル、車間距離を利用して、図27の三次元の特性線図に基づき、しきい値dcfが算出される。
【0048】
視認性を検出する別の手法として、例えば、ワイパが作動されているとき(ワイパ作動時は、レ−ダ2の受光レベルが低下しているときと判断することもできる)、あるいはヘッドライトが点灯されている時に、視認性が悪い状態と判断するように設定することもできる。
【0049】
図28は、自車の運転の余裕度に応じたしきい値dcgの設定例を示すものである。この余裕度は、前方車両に対する車間距離と自車の車速とをパラメ−タとして設定するようにしてあり、車間距離が大きいほど余裕度が大きくかつ自車速が小さいほど余裕度が大きくなるように設定してある。実施例では、車間距離を自車速で除した値を余裕度として、基本的に、余裕度が大きいときは小さいときに比してしきい値dcgが大きくなるようにしてある。より具体的には、しきい値dcgは、余裕度が小さいときは小さい一定値とされ、余裕度が大きいときは大きい一定値とされ、この大きい一定値と小さい一定値との間で徐々に変化されるように設定されている。
【0050】
上記余裕度として、車間距離と自車速とをパラメ−タとして設定することは、、実際の運転状況とよく合致するものである。すなわち、運転者は、前方車両との車間距離が大きいほど運転に余裕をもち、また自車速が小さいほど運転に余裕をもつことになり、運転に余裕を与える種々の要因のうち、この車間距離と自車速とが非常に大きなウエイトを占めるものとなる。したがって、図4のQ27における重み付け係数ka〜kjのうち、余裕度に応じたしきい値dcg用の重み付け係数kgを最大となるように設定しておくのが好ましい。
【0051】
図29は、車両の割り込みに応じたしきい値dchの設定例を示すものである。この割り込みに関しては、割り込み車両が検出されたときには、割り込み車両が検出されないときに比べて、しきい値dchが小さくなるように設定してある。具体的には、レ−ダ2を利用して、周期SL毎に車間距離が検出され(V(ステップを示す)1、V2)、その車間距離が前回の車間距離よりも所定量以上減少しているか否かが判別される(V3)。V3がYESのときには、車両の割り込みがあるとして、タイマがスタ−トされると共にしきい値dchがahに設定される(V4、V5)。V3がNOのときには、車両の割り込み後、一定の間、しきい値dchがahであることを確保すべく、タイマが動作中か否かが判別されると共に、タイマが動作中である場合にはタイマがスタ−トしてから所定時間が経過したか否かが判別される(V6、V7)。V7がNOのときには、タイマ時間が所定時間を経過していないとして、しきい値dchがahに設定され続ける一方、V7がYESのときには、タイマ時間が所定時間を経過したとして、タイマがリセットされると共に、しきい値dchが前記ahよりも大きいbh(>ah)に設定され(V8、V9)、以後、車両の割り込みがない限り、V1〜V3、V6のNOを経由して、そのしきい値dchがbhに設定され続ける。
【0052】
図30、図31は、周囲の明るさに応じたしきい値dciの設定例を示すものである。この周囲の明るさに関しては、車両が急に明るいところに入ったり急に暗いところに入ったりしたときには、運転手の目が慣れずに危険な状況にあることを考慮し、図30に示すように、所定時間内に所定以上の明るさの変化があったときには、変化がないときに比べて、しきい値dciが小さくなるように設定してある。具体的には、周期SL毎に、日射センサS2により明るさが検出され、(W(ステップを示す)1、W2)、その明るさが所定時間内に所定以上の明るさの変化があったか否かが判別される(W3)。W3がYESのときには、所定の明るさ変化があったとして、タイマがスタ−トされると共にしきい値dciがaiに設定される(W4、W5)。W3がNOのときには、所定の明るさ変化後、一定の間、しきい値dciがaiであることを確保すべく、タイマが動作中か否かが判別されると共に、タイマが動作中である場合にはタイマがスタ−トしてから所定時間が経過したか否かが判別される(W6、W7)。W7がNOのときには、タイマ時間が所定時間を経過していないとして、しきい値dciがaiに設定され続ける一方、W7がYESのときには、タイマ時間が所定時間を経過したとして、タイマがリセットされると共に、しきい値dciが前記aiよりも大きいbi(>ai)に設定され(W8、W9)、以後、所定の明るさ変化がない限り、W1〜W3、W6のNOを経由して、そのしきい値dciがbiに設定され続ける。
【0053】
図32〜図34は、トンネル走行に応じたしきい値dcjの設定例を示すものである。トンネル走行に関しては、昼間、トンネルに入ったときに周囲が暗くなることについては、前述の周囲の明るさ変化によるdci補正により対処できるものの、トンネル内は暗く閉塞性の高い環境とされ、トンネル内において追突事故等が発生すると、重大事故となってしまうおそれがある。このため、トンネル内の走行中は、トンネル内を走行していないときに比して、しきい値dcjが小さくなるように設定してある。具体的には、図32、図33に示すように、トンネル8内を走行中においては、車両の日射センサS2が、トンネル8内の複数の照明灯9の強弱を周期的に検出することを利用して、車両がトンネル内を走行中であることを検出し、これにより、トンネル8内の走行中は、トンネル8内を走行していないときに比して、しきい値dcjが小さくされる。より具体的に図34のフロ−チャ−トにより説明すれば、先ず、X1において、日射センサS2からの信号を読み込み、次のX2において、誤差(センサノイズ)削除のためロ−パスフィルタ等により高周波成分が除去される。次に、X3において、X2の信号の微分値が算出され、X4において、微分値がマイナスからプラスに変化されるタイミングが演算される。そして、次のX5において、前のタイミングから今回のタイミングまでの時間t(図33参照)が、所定値T1 、T2 (T1 <T2)の間に位置するか否かが判別される。このX5がYESのときには、トンネル内を走行中であるとして、X6において、しきい値dcjが小さい値ajに設定され、X5がNOのときには、トンネル内を走行していないとして、X7において、しきい値dcjが大きい値bjに設定される。
【0054】
尚、周囲の明るさ変化に関連して、特に昼間にトンネル内を走行していることの検出は、例えば車両に搭載されている時計が夜間でないことを示しており、かつヘッドライトが点灯されていること(またはインストルメントパネル付近に設けられた光センサが日光を検出しないこと)も利用できる。
【0055】
また、前述した各しきい値dca〜dcj設定等のために別途検出手段としてのセンサが必要な場合は、このセンサは図2におけるセンサ群SGに含まれるものである。また、図6〜図15、図18〜図34に示すマップは、制御ユニットU内に装備された記憶手段としてROMにあらかじめ作成、記憶されているものである。
【0056】
図35、図36は他の実施例を示す。この実施例においては、減速判定よりもさらに早く警報を行いたいものとして前方車両が停止している場合があることを考慮し、停止判定を行うと共に、警報が実際に即するように動作されるようにすべく、追従、減速モ−ド等の各モ−ドに応じて、警報動作タイミングが設定されることになっている。しかも、警報を発するほどではない前方車両の動向をもドライバが的確に把握できるようにすべく、前方車両の減速、停止、加速中である旨が表示部3に表示されることになっている。
【0057】
具体的には、前記実施例の図3のフロ−チャ−トを改良して、停止判定等が加味されている。このため、図35において、図3と同一内容については同一符号を付してその説明を省略し、新たな内容についてのみ、別符号を付して説明する。
【0058】
この実施例においては、Q7で、Q6のしきい値dc1よりも大きいしきい値dc3を利用して、3回分の変化量d(i)、d(i−1)、d(i−2)の加算値の絶対値(減少率)がしきい値dc3(例えば正の値)よりも大きいか否かが判別され、Q7がNOのときにQ8−2において減速判定がなされる一方、Q7がYESのときには、Q9−2において停止判定がなされる。そして、Q8−2、Q9−2の後、計測された車間距離Lの更新を行うQ10を経て、Q16において、警報動作タイミング等の制御が行われる。
【0059】
警報動作タイミング等の制御は、図36のフロ−チャ−トに基づいて行われる。Q21において、追従モ−ドか否かが判別され、Q21がYESのときには、追従モ−ドであるとして、Q22において、追従モ−ド用の警報車間距離Lが設定される。このQ22の警報車間距離Lは、ドライバを危険な領域に介入させないようにするべく、ドライバがブレ−キ動作を行うのに要する時間t1と自車の速度vとの積として算出される。そして、次のQ23において、その警報車間距離Lよりも検出車間距離が大きいか否かが判別され、Q23がYESのときには、そのままリタ−ンされる一方、Q23がNOのときには、車間距離が警報車間距離よりも短くなったとして、Q24において、警報が発せられる。さらに、Q25において、検出車間距離がL/2よりも小さいか否かが判別され、Q25がNOのときにはリタ−ンされて、警報のみが発せられ続ける一方、Q25がYESのときには、緊急性が高いとして、Q26において、自動ブレ−キが作動される。
【0060】
Q21がNOのときには、Q27において、減速モ−ドか否かが判別される。Q27がYESのときには、Q28において減速モ−ド用の警報車間距離Lが設定されると共に、Q29において前方車両が減速中である旨の報知がなされ、この後、前記Q23に進むことになる。Q28における減速モ−ド用の警報車間距離Lは、ドライバが自車速度に比例した車間距離でブレ−キ操作をする傾向に着目し、前記t1よりも大きい固定値t3と自車速度vとの積として算出され、Q29における前方車両が減速中である旨の報知は、インストルメントパネル内の表示部3に表示されて、気ぜわしくさせられることなく前方車両が減速中であることがドライバに伝えられる。
【0061】
Q27がNOのときには、Q30において停止モ−ドか否かが判別される。Q30がYESのときには、Q31において停止モ−ド用の警報車間距離Lが設定されると共に、Q32において前方車両が停止中である旨の報知がなされ、この後、前記Q23に進むことになる。Q31における停止モ−ド用の警報車間距離Lは、自車の速度vから減速度αで停止できる距離に、ドライバが減速作動に移るのに必要とする時間t1だけ走行する距離を加えて設定されており、Q32における前方車両が停止中である旨の報知も、インストルメントパネル内の表示部3に表示されて気ぜわしくさせられることが防止されることになっている。
【0062】
Q30がNOのときには、Q33において加速モ−ドか否かが判別される。Q33がNOのときにはリタ−ンされる一方、Q33がYESのときには、Q34において加速モ−ド用の警報車間距離Lが設定されると共に、Q35において前方車両が加速中である旨の報知がなされる。Q34における加速モ−ド用の警報車間距離Lは、実験的手法により前記t1よりも小さく決められる固定値t2と、自車の速度vとの積として設定され、Q35における前方車両が加速中である旨の報知も、インストルメントパネル内の表示部3に表示されて気ぜわしくさせられることが防止されることになっている。この後、前記Q23に進むことになり、通常は、検出車間距離がQ34の警報車間距離Lよりも大きいとしてリタ−ンされ、特別に、検出車間距離がQ34の警報車間距離Lよりも大きくない状態にならない限り警報等の処理は行われない。
【0063】
以上実施例について説明したが、例えば次のようにすることもできる。
(1)相対速度を計算するときのベ−スポイントの更新(変更)は、計測毎に変更することもできる。
(2)加速判定のしきい値となる第2しきい値dc2も、適宜のパラメ−タに応じて変更することもできる。
【0064】
(3)種々のパラメ−タに応じて減速判定用の第1しきい値dc1を変更する場合、ある基準のパラメ−タ、例えば図28に示す余裕度に応じて基準しきい値を設定し、他のパラメ−タに応じて補正係数を設定して(dca、dcb等を補正係数とする)、この補正係数を基準しきい値に乗算することにより、最終的な第1しきい値dc1を得るようにすることもできる。
【0065】
(4)本発明の目的は、明示した内容に限らず、発明の効果、利点、好ましいとされた内容に対応した目的をも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両の一例を示す簡略斜視図。
【図2】本発明の制御系統を示す図。
【図3】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図4】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図5】本発明の制御内容を図式的に示すタイムチャ−ト。
【図6】車間距離に応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図7】車間距離に応じた減速判定用しきい値の第2の変更例を示す図。
【図8】車間距離に応じた減速判定用しきい値の第3の変更例を示す図。
【図9】相対速度に応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図10】相対速度に応じた減速判定用しきい値の第2の変更例を示す図。
【図11】相対速度に応じた減速判定用しきい値の第3の変更例を示す図。
【図12】自車速に応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図13】自車速に応じた減速判定用しきい値の第2の変更例を示す図。
【図14】自車速に応じた減速判定用しきい値の第3の変更例を示す図。
【図15】混雑度合いに応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図16】混雑度合いをレ−ダにより検出する内容を示す図。
【図17】図16の混雑度合いを図式的に説明する図。
【図18】図15、図16の混雑度合いに基づく減速判定用しきい値の決定を説明するフロ−チャ−ト。
【図19】混雑度合いを、混雑している場合として車間距離間のピ−ク数により判断する一例を示す図。
【図20】混雑度合いを、混雑していない場合として車間距離間のピ−ク数により判断する一例を示す図。
【図21】図19、図20の内容を具体的に説明するフロ−チャ−ト。
【図22】図19、図20の内容を、混雑している場合として判断する一例を示す図。
【図23】図19、図20の内容を、混雑していない場合として判断する一例を示す図。
【図24】下り坂の度合いに応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図25】視認性に応じた減速判定用しきい値の変更例を示すフロ−チャ−ト。
【図26】レ−ダによる車間距離と受光レベルとの関係を図式的に説明する図。
【図27】図25のフロ−チャ−トにおいて用いられる特性図。
【図28】運転の余裕度に応じた減速判定用しきい値の変更例を示す図。
【図29】車両の割り込みに応じた減速判定用しきい値の変更例を示すフロ−チャ−ト。
【図30】図29の内容を図式的に説明する図。
【図31】周囲の明るさに応じた減速判定用しきい値の変更例を示すフロ−チャ−ト。
【図32】トンネル走行を概念的に示す図。
【図33】トンネル走行において、日射センサが検出する照明灯の強弱を図式的に示す図。
【図34】トンネル走行の有無に応じた減速判定用しきい値の変更例を示すフロ−チャ−ト。
【図35】他の実施例に係る制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図36】図35の内容をさらに詳しく説明するフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
1:車両
2:レ−ダ(車間距離計測用)
4:警報器
5:自動ブレーキ
6:エンジン出力調整手段
S1:車速センサ
S2:マニュアルスイッチ(追従式定速走行選択用)
SG:センサ群
U:制御ユニット
Claims (7)
- 所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、
前記車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、
前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少しており、かつ該所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が所定のしきい値以上であるときに、前方車両が減速状態であると判定する減速判定手段と、
を備え、
前記減速判定手段が、前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少していることを判定する第1判定手段と、前記所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が前記所定のしきい値以上であるか否かを判定する第2判定手段と、を備えている、
ことを特徴とする車両の走行状態検出装置。 - 所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、
前記車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、
前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少しており、かつ該所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が所定のしきい値以上であるときに、前方車両が減速状態であると判定する減速判定手段と、
潜在的危険状態に応じて前記所定のしきい値を変更するしきい値変更手段と、
を備え、
前記潜在的危険状態が、道路の混雑度合いとされて、混雑度合いが大きいときは小さいときに比して、前記所定のしきい値が小さくされる、
ことを特徴とする車両の走行状態検出装置。 - 所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、
前記車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、
前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少しており、かつ該所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が所定のしきい値以上であるときに、前方車両が減速状態であると判定する減速判定手段と、
潜在的危険状態に応じて前記所定のしきい値を変更するしきい値変更手段と、
を備え、
前記潜在的危険状態が、自車の前方への割り込み車両があるときとされて、割り込み車両があるときはないときに比して、前記所定のしきい値が小さくされる、
ことを特徴とする車両の走行状態検出装置。 - 所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、
前記車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、
前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少しており、かつ該所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が所定のしきい値以上であるときに、前方車両が減速状態であると判定する減速判定手段と、
潜在的危険状態に応じて前記所定のしきい値を変更するしきい値変更手段と、
を備え、
前記潜在的危険状態が、トンネル内での走行中とされて、トンネル内を走行中は、トンネル内を走行していないときに比して、前記所定のしきい値が小さくされる、
ことを特徴とする車両の走行状態検出装置。 - 所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、
前記車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、
前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少しており、かつ該所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が所定のしきい値以上であるときに、前方車両が減速状態であると判定する減速判定手段と、
潜在的危険状態に応じて前記所定のしきい値を変更するしきい値変更手段と、
を備え、
前記潜在的危険状態が、下り坂での走行中とされて、下り坂を走行中は、下り坂を走行していないときに比して、前記所定のしきい値が小さくされる、
ことを特徴とする車両の走行状態検出装置。 - 所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、
前記車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、
前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少しており、かつ該所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が所定のしきい値以上であるときに、前方車両が減速状態であると判定する減速判定手段と、
潜在的危険状態に応じて前記所定のしきい値を変更するしきい値変更手段と、
を備え、
前記潜在的危険状態が、前方車両の視認性が悪いときとされて、前方車両の視認性が悪いときは、視認性が良い場合に比して、前記所定のしきい値が小さくされる、
ことを特徴とする車両の走行状態検出装置。 - 所定時間毎に前方車両と自車との車間距離を計測する車間距離検出手段と、
前記車間距離検出手段で検出された車間距離に基づいて、前方車両と自車との車間距離の変化量を決定する変化量決定手段と、
前記変化量決定手段により決定された変化量が所定回数連続して減少しており、かつ該所定回数の間における変化量の加算値の絶対値が所定のしきい値以上であるときに、前方車両が減速状態であると判定する減速判定手段と、
潜在的危険状態に応じて前記所定のしきい値を変更するしきい値変更手段と、
を備え、
前記潜在的危険状態が、周囲の明るさ変化とされて、所定時間内に所定以上の明るさ変化があったときには、該明るさ変化がないときに比して、前記所定のしきい値が小さくされる、
ことを特徴とする車両の走行状態検出装置。
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-
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