JP3885027B2 - 電解槽 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水や井戸水などの原水を電気分解してアルカリ電解水と酸性電解水とを生成する電解槽に係り、特に、連続式のうちのユニットセル方式の電解槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水道水や井戸水などの原水を電気分解してアルカリ電解水と酸性電解水とを生成することのできる電解槽が知られている。この電解槽は、隔膜を介して、内部に陰極を有する陰極室と、内部に陽極を有する陽極室とがそれぞれ形成されており、さらに陰極室と陽極室とには、水の流入口と流出口とが両端部にそれぞれ設けられており、流入口から流入した水が隔膜で仕切られた陰極室と陽極室とで電気分解されて、陰極室側からアルカリ電解水が、陽極室側から酸性電解水が生成されるものである。
【0003】
このような電解槽は、その構造によってバッチ式と連続式の二つの方式に大きく分類される。バッチ式は、電解槽で生成されたアルカリ電解水と酸性電解水とをこの電解槽に保存する方式であり、連続式は、電解槽の陰極室と陽極室とに水を連続的に流出入して、アルカリ電解水と酸性電解水とを連続的に得られる方式である。この二つの方式のうち連続式の方が、連続して電解水を得られる便利さから、浄水機能を付加することも併せて主流となっている。
【0004】
連続式の電解槽においては、短時間で効率よくpH(水素イオン指数)の大きいアルカリ電解水やpHの小さい酸性電解水を生成するために、あるいは電解槽の小型化を図るために、種々の構造の流水式の電解槽が提案されており、その代表的なものとして、ユニットセル方式がある。
【0005】
ユニットセル方式は、電解槽本体の箱と、電解槽本体の箱の内部に配置される隔膜付き隔膜箱とで構成され、隔膜箱内部に陽極室または陰極室が形成されるとともに、隔膜箱外部で且つ電解槽本体の箱内部に陰極室または陽極室が形成される方式である。そして、このユニットセル方式の電解槽に関しては、小型化および電解効率の向上による高性能化を図るための提案がされている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−224671号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年においては各種の装置において小型化、高性能化が常に図られており、各種の装置の小型化、高性能化の一つとして、電解槽においても小型化、高性能化が求められている。
【0008】
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、小型で高性能の電解槽を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に係る本発明の電解槽の特徴は、相互に対向配置される少なくとも2枚の電極板と、これらの電極板の間に配設される一対の隔膜保持部材と、この一対の隔膜保持部材の間に配設される隔膜とを有するとともに、前記一対の隔膜保持部材により前記隔膜と前記各電極板との間にそれぞれ電解液流路を形成した電解槽において、前記隔膜保持部材は、四角枠状の主フレームと、この主フレームの内部空間を複数に分割するための前記主フレームの内部に格子状をなすように配置されている分割リブとを備え、前記主フレームは、その四辺のうちの相対向する二辺のうちの一方が電解液の流入辺とされ、他方が電解水の流出辺とされているとともに、前記流入辺の一面には流入辺に隣位する複数の分割された内部空間のそれぞれに電解液を導入可能な導入溝が形成されており、前記流出辺の一面には流出辺に隣位する複数の分割された内部空間のそれぞれから電解水を流出可能な内外を連通する複数の流出溝が形成されており、前記主フレームの内部に格子状をなすように配置されている分割リブの一面には、複数の分割された内部空間のうちの隣位するものを連通する連通溝が形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、小型化および電解効率の向上による高性能化を容易に図ることができる。
【0010】
また、請求項2に係る本発明の電解槽の特徴は、請求項1において、原水に電解質を供給するための電解質供給手段が設けられているとともに、前記電解質供給手段が一体形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、原水に対して電解質を供給するので高い電解効率を確実に得ることができる。さらに、部品点数の削減と、全体として小型化と、取り扱い性の向上などを容易に図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0013】
図1から図4は本発明に係る電解槽の実施形態を示すものであり、図1は要部の分解斜視図、図2は要部の一部切断拡大正面図、図3は図2の一部切断拡大右側面図、図4は図2の一部切断拡大左側面図、図5は隔膜ユニットの斜視図である。
【0014】
本実施形態における電解槽は、原水に電解質を供給する電解質供給手段を一体形成したものを例示している。
【0015】
本実施形態の電解槽1は、図1に示すように、ケーシング2と、このケーシング2に収納される電解ユニット3とを有している。ここで、説明の便宜上、図1の右斜め下側を前側FS、図1の左斜め上側を後側BS、図1の右斜め上側を右側RS、図1の左斜め下側を左側LSとして以下に説明する。
【0016】
本実施形態のケーシング2は、例えばABS樹脂などのような非導電素材により、縦寸法が210mm程度、横方向が105mm程度、厚さが30mm程度の縦長長方体状に形成されている。そして、ケーシング2の右端面には、図2および図3に示すように、電解ユニット3を収納するためのユニット収納凹部5が凹設されている。
【0017】
前記ユニット収納凹部5は、例えば縦寸法が190mm程度、横方向が85mm程度、深さ寸法が10mm程度に形成されている。このユニット収納凹部5の縦方向の寸法は、電解ユニット3の縦方向の寸法より大きく形成されており、図2に示すように、ユニット収納凹部5の下部に、電解液が導入される電解液導入空間6を形成することができるようになっている。この電解液導入空間6には、ユニット収納凹部5の底面の下部に形成されているケーシング2を厚さ方向に貫通する複数の電解液導入孔7の一端が配置されており、これらの電解液導入孔7を介して電解液導入空間6に電解液が供給可能に形成されている。また、電解液導入空間6に供給された電解液は、電解ユニット3の内部を下方から上方に通過するように形成されている。
【0018】
前記ユニット収納凹部5の内周壁の前側FSの上部には、ケーシング2の外周面の前側FSに貫通するアルカリ電解水吐出ポート8が形成されており、このアルカリ電解水吐出ポート8とほぼ対向するユニット収納凹部5の内周壁の後側BSの上部には、ケーシング2の外周面の後側に貫通する酸性電解水吐出ポート9(図3)が形成されている。そして、アルカリ電解水吐出ポート8は、図3に示すように、ユニット収納凹部5の底面の上部に凹設されているアルカリ電解水吐出用接続空間10に連通されており、電解水生成時において、電解ユニット3により生成されるアルカリ電解水がアルカリ電解水吐出用接続空間10およびアルカリ電解水吐出ポート8をこの順に通過して外部に吐出されるようになっている。
【0019】
また、酸性電解水吐出ポート9は、ユニット収納凹部5の底面の上部に配設され漏斗状の流路が形成された酸性電解水吐出用接続部材11(図3)に連通されており、電解水生成時において、電解ユニット3により生成される酸性電解水が酸性電解水吐出用接続部材11および酸性電解水吐出ポート9をこの順に通過して外部に吐出されるようになっている。
【0020】
前記ケーシング2の右端面には、ユニット収納凹部5の開口を塞ぐようにして右サイドカバー13が配設されている。この右サイドカバー13のケーシング2との対向面には、ユニット収納凹部5の開口側に嵌合される押え凸部14が形成されており、ユニット収納凹部5の底面と押え凸部14の表面とにより、電解ユニット3が密着状態で挟持されるようになっている。さらに、ユニット収納凹部5の開口端縁には、ゴム様弾性体によって形成された四角枠状の右ガスケット15が配設されており、電解液、アルカリ電解水および酸性電解水が外部に漏洩するのを防止することができるようになっている。
【0021】
前記ケーシング2の左端面には、電解質供給手段17が形成されている。本実施形態の電解質供給手段17は、図4に示すように、ケーシング2の左端面に凹設されている原水供給水路18と電解質供給槽19とを有している。
【0022】
一方の原水供給水路18は、ケーシング2の左端面の図4の左辺および下辺側をほぼL字状に凹設するように形成されている。この原水供給水路18は、例えばケーシング2の図4の左辺に沿った縦寸法が190mm程度、下辺に沿った横方向が85mm程度、左辺および下辺における幅寸法が10mm程度、深さ寸法が10mm程度に形成されている。そして、原水供給水路18の内周壁の後側BSの上部には、ケーシング2の外周面の後端面に貫通する原水供給ポート20が形成されており、この原水供給ポート20を介して原水供給水路18に原水が供給可能に形成されている。また、原水供給水路18の底部のケーシング2の下辺に沿った部分には、ケーシング2を厚さ方向に貫通する複数の電解液導入孔7の他端が配置されており、これらの電解液導入孔7によって、原水供給水路18の下部とユニット収納凹部5の下部とが連通されている。
【0023】
他方の電解質供給槽19は、原水供給水路18に隣位するように、ケーシング2の左端面の図4の右辺および上辺側を縦長の長方形状に凹設するように形成されている。この電解質供給槽19は、例えばケーシング2の図4の右辺に沿った縦寸法が175mm程度、上辺に沿った横方向が70mm程度、深さ寸法が10mm程度に形成されている。この電解質供給槽19の内周壁の上部には、ケーシング2の外周面の上面側に貫通する電解質供給ポート21が形成されており、電解質供給ポート21を介して電解質供給槽19に電解質が外部から供給可能に形成されている。すなわち、本実施形態においては、電解質供給ポート21を介して電解質供給槽19に電解質が予め供給されている。そして、電解水生成時には、原水供給ポート20と電解質供給ポート21とを図示しない導通管により導通させることにより、原水の水圧により予め電解質が供給されている電解質供給槽19内を加圧するようになっている。すなわち、電解質供給槽19の内圧が、後述する隔壁22および隔膜ユニット24を隔てて原水供給水路18と同圧になるようになっている。
【0024】
前記電解質供給槽19に供給される電解質としては、塩化ナトリウム(塩)が一般的であり、必要に応じて珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、サルチル酸ナトリウム、グリセロリン酸カルシウム、塩化カリウム、炭酸タリウム、塩化マグネシウムなどの水溶性電解質を用いるとよい。また、電解質は、固体でも、水溶液でもよい。
【0025】
図4に示すように、原水供給水路18と電解質供給槽19とは、両者を区分するL字状の隔壁22に形成された切欠部23により連通されている。この切欠部23には、図5に示す隔膜ユニット24が装着されている。この隔膜ユニット24には、原水供給水路18に対向するように所定の開口面積の開口部24aが形成されており、この開口部24aには、隔膜25が配置されている。そして、電解水生成時において、原水供給水路18に原水が供給されると、電解質供給槽19に供給(貯留)されている電解質が隔膜25を介して原水供給水路18を通過する原水中に透過し、原水を所定濃度の電解液とすることができるようになっている。また、隔膜ユニット24の開口部24aの開口面積は、必要とする電解液の濃度に応じて設定すればよい。
【0026】
なお、電解質供給手段17は、ケーシング2に一体形成せずに別体としてもよい。この場合には、1つの電解質供給手段17を複数の電解槽1で共用することが可能である。
【0027】
前記ケーシング2の左端面には、左サイドカバー26が配置されている。そして、ケーシング2の左端面と左サイドカバー26との間には、原水や電解質が外部に漏洩するのを防止するためのゴム様弾性体によって形成された枠状の左ガスケット27が配設されている。
【0028】
前記ケーシング2、右サイドカバー13および左サイドカバー26は、固定ボルト、座金およびナットを組にして形成されている複数の締結手段28によって固定されている(図1に一組のみ図示)。
【0029】
ここで、本実施形態の電解ユニット3の構成について図1により具体的に説明する。
【0030】
本実施形態の電解ユニット3は、図1に示すように、相互に対向配置される3枚の電極板31,32,33を有している。これら3枚の電極板31,32,33は、例えば、チタン、ステンレスなどの導電性金属素材により、縦寸法が160mm程度、横寸法が80mm程度の縦長の長方形状で厚さが0.5mm程度の薄板状に形成されている。これらの電極板31,32,33には、前側FSに向かって水平方向に延在する端子部31a,32a,33aがそれぞれ形成されている。そして、各端子部31a,32a,33aの先端部は、ケーシング2のユニット収納凹部5の内周壁を貫通して前側FSに突出されており、図示しないコントロールユニットからの給電用の配線が接続されるようになっている。そして、各端子部31a,32a,33aには、電解水の生成時において、図1の左側LSと右側RSとを結ぶ左右方向に示すユニット配列方向に沿った両端の2つの電極板31,33を陰極、中央の電極板32を陽極とするように通電可能に形成されている。
【0031】
すなわち、本実施形態の3つの電極板31,32,33は、電解水生成時において、ユニット配列方向の両端に示す2枚の電極板31,33が陰極板とされ、中央の電極板32が陽極板とされている。
【0032】
前記3枚の電極板31,32,33の相互間には、一対の隔膜保持部材としてのそれぞれ2枚、総計4枚のスペーサ34,35,36,37が配設されている。すなわち、ユニット配列方向の右端と中央との2枚の電極板31,32の相互間に2枚1組のスペーサ34,35が配置されており、中央と左端との2枚の電極板32,33の相互間に2枚1組のスペーサ36,37が配置されている。これらのスペーサ34,35,36,37は、ABS樹脂などのような非導電素材により形成されており、電極板31,32,33との対向面間に電解液の流路となる流通空間を形成することができるようになっている。
【0033】
前記ユニット配列方向の右端と中央との2枚の電極板31,32の相互間に配置された2枚1組のスペーサ34,35の間には、隔膜38が配置されており、中央と左端との2枚の電極板32,33の相互間に配置された2枚1組のスペーサ36,37の間にも、隔膜39が配置されている。これらの隔膜38,39は、従来公知の如く透水性を有する不織布などにより形成されており、図1の右側RSに位置する隔膜38が2枚のスペーサ34,35、図1の左側LSに位置する隔膜39が2枚のスペーサ36,37によって両側からそれぞれ挟持されるようになっている。
【0034】
すなわち、本実施形態の電解ユニット3は、ユニット配列方向に沿った図1の右側RSから左側LSに向かって、陰極板とされる電極板31、スペーサ34、隔膜38、スペーサ35、陽極板とされる電極板32、スペーサ36、隔膜39、スペーサ37、陰極板とされる電極板33がこの順に配置されている。
【0035】
なお、電解ユニット3としては、相互に対向配置される少なくとも2枚の電極板と、これらの電極板の間に配設される一対の隔膜保持部材としてのスペーサと、この一対のスペーサの間に配設される隔膜とを有していればよい。
【0036】
また、電解ユニット3としては、電極板の数を2枚としたり、5、7、9…のように5枚以上の奇数とする構成であってもよい。但し、相互に対向配置される2枚の電極板の間に一対の隔膜保持部材を配置するとともに、この一対の隔膜保持部材の間に隔膜を配置することが肝要である。
【0037】
つぎに、本実施形態のスペーサ34,35,36,37の構成について具体的に説明する。
【0038】
本実施形態の各スペーサ34,35,36,37は、ユニット配列方向の中央を対称面として左右対称に形成されている。そこで、ユニット配列方向の両端に位置する2枚のスペーサ34,37についてユニット配列方向の左端に位置するスペーサ37を、ユニット配列方向の内側に位置する2枚のスペーサ35,36についてユニット配列方向の右端から2番目に位置するスペーサ35を例示してそれぞれ説明する。
【0039】
まず、図1の左側LSに示すユニット配列方向の左端に位置するスペーサ37について図6により説明する。
【0040】
図6はユニット配列方向の左端に位置するスペーサの一例を示す左側面図である。
【0041】
本実施形態のスペーサ37は、図6に示すように、四角枠状の主フレーム41を有している。そして、主フレーム41の内部には、この主フレーム41の内部空間42を複数に分割するための分割リブとしての2本の主分割リブ43,44と、3本の副分割リブ45,46,47とが配置されている。本実施形態の主分割リブ43,44と副分割リブ45,46,47とは、主フレーム41の内部に格子状をなすように配置されている。すなわち、縦方向に延在し主フレーム41の内部空間42を左右方向に3分割する2本の主分割リブ43,44と、水平方向に延在し主分割リブ43,44により分割された空間をそれぞれ上下方向に4分割する3本の副分割リブ45,46,47とを有している。これにより、主フレーム41の上辺と下辺とを接続する主分割リブ43,44の長手方向と、主フレーム41の左辺と右辺とを接続する副分割リブ45,46,47の長手方向とが異なる方向に配置されている。
【0042】
すなわち、本実施形態のスペーサ37の内部空間42は、縦方向に4段、横方向に3列の総計12の分割された内部空間42である小空間48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59に分割されている。
【0043】
したがって、本実施形態のスペーサ37の分割リブは、主フレーム41の内部空間42を図6の下方に示す電解液の流入側から図6の上方に示す流出側に向かう方向に対して直交する方向に3つに分割する2本の主分割リブ43,44と、これらの主分割リブ43,44により分割された空間を電解液の流入側から流出側に向かう方向に沿って平行にさらに4つに分割する3本の副分割リブ45,46,47とを有する構成となっている。
【0044】
なお、副分割リブ45,46,47をそれぞれ1本の直線状とせずに、主分割リブ43,44との接続部位でその長手方向に沿って3分割し、これらを主分割リブ43,44の左右において上下方向に異なる位置にずらして配置する構成としてもよい。
【0045】
前記主フレーム41は、その四辺のうちの相対向する二辺のうちの一方である図6の下辺が電解液の流入辺41iとされ、他方である図6の上辺が電解水の流出辺41eとされている。
【0046】
前記主フレーム41の流入辺41iである下辺の一面である電極板33との対向面側には、下辺に隣位する3つの小空間48,49,50のそれぞれに電解液を導入可能な電解液の流路として機能する複数の導入溝61が内外を連通するように形成されている。これらの導入溝61は、その深さ寸法が厚さ寸法の半分程度に形成されているとともに、図6の左右方向に示す幅寸法が例えば4mm程度の幅狭導入溝61aと、幅寸法が18mm程度の幅広導入溝61bとの2種類が用いられている。そして、図6の右下および図6の左下に示す2つの小空間48,50に対しては、幅狭導入溝61aがそれぞれ3つずつ配置されており、これらの幅狭導入溝61aにより、左右2つの小空間48,50と電解液導入空間6(図2)とが連通されている。さらに、図6の中央下に示す小空間49に対しては、幅広導入溝61bが1つ配置されており、この幅広導入溝61bにより、中央下の小空間49と電解液導入空間6とが連通されている。
【0047】
すなわち、本実施形態においては、図6の右下および左下の小空間48,50に対してそれぞれ配置されている3つの幅狭導入溝61aの断面積の総計であらわされる流路面積が、図6の中央下に示す小空間49に対して配置されている1つの幅広導入溝61bの断面積であらわされる流路面積より若干小さく形成されている。したがって、中央下の小空間49に流入する電解液の流入量が、右下および左下の小空間48,50に流入する電解液のそれぞれの流入量より多くなるように形成されている。
【0048】
前記主フレーム41の流出辺41eである上辺の一面である電極板33との対向面側には、上辺に隣位する3つの小空間57,58,59のそれぞれから電解水を流出可能な電解水の流路として機能する複数の流出溝62が内外を連通するように形成されている。これらの流出溝62は、前記幅狭の導入溝61と同様に、その深さ寸法が厚さ寸法の半分程度に形成されているとともに、図6の左右方向に示す幅寸法が例えば4mm程度に形成されている。そして、図6の右上および図6の左上に示す2つの小空間57,59に対しては、3つの流出溝62が配置されており、図6の中央上に示す小空間58に対しては、4つの流出溝62が配置されている。
【0049】
すなわち、図6の右上および左上の小空間57,59に対してそれぞれ配置されている3つの流出溝62の断面積の総計であらわされる流路面積が、図6の中央上に示す小空間58に対して配置されている4つの流出溝62の断面積の総計であらわされる流路面積より若干小さく形成されている。したがって、中央上の小空間58から流出するアルカリ電解水の流出量が、右上および左上の小空間57,59から流出するアルカリ電解水のそれぞれの流出量より多くなるように形成されている。
【0050】
前記各主分割リブ43,44の一面である電極板33との対向面側には、連通溝63としての水平連通溝64が形成されている。この水平連通溝64は、主フレーム41の内部空間42において電解液を左右方向に流動させるための流路として機能するものであり、各小空間48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59のうちの図6の左右方向に隣位するものを相互に連通するように形成されている。そして、水平連通溝64は、前記幅狭導入溝61aと同様に、その深さ寸法が厚さ寸法の半分程度に形成されているとともに、図6の上下方向に示す幅寸法が例えば4mm程度に形成されている。
【0051】
具体的には、図6の右側に示す主分割リブ43には、図6の右下の小空間48とその左隣に位置する図6の中央下の小空間49、図6の右下から上に2番目の小空間51とその左隣に位置する図6の中央下から上に2番目の小空間52、図6の右下から上に3番目の小空間54とその左隣に位置する図6の中央下から上に3番目の小空間55、図6の右上の小空間57とその左隣に位置する図6の中央上の小空間58をそれぞれ2カ所で連通するための総計8つの水平連通溝64が配置されている。
【0052】
また、図6の左側に示す主分割リブ44には、図6の左下の小空間50とその右隣に位置する図6の中央下の小空間49、図6の左下から上に2番目の小空間53とその右隣に位置する図6の中央下から上に2番目の小空間52、図6の左下から上に3番目の小空間56とその右隣に位置する図6の中央下から上に3番目の小空間55、図6の左上の小空間59とその右隣に位置する図6の中央上の小空間58をそれぞれ2カ所で連通するための総計8つの水平連通溝64が配置されている。
【0053】
前記副分割リブ45,46,47の一面である電極板33との対向面側には、連通溝63としての垂直連通溝65が形成されている。この垂直連通溝65は、主フレーム41の内部空間42において電解液を流入辺41iから流出辺41eに向かう上方向へ流動させるための流路として機能するものであり、各小空間48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59のうちの図6の上下方向に隣位するものを相互に連通するように形成されている。そして、垂直連通溝65は、前記導入溝61と同様に、その深さ寸法が厚さ寸法の半分程度に形成されているとともに、図6の左右方向に示す幅寸法が例えば4mm程度の幅狭垂直連通溝65aと、幅寸法が18mm程度の幅広垂直連通溝65bとの2種類が用いられている。そして、図6の下段および上段に示す副分割リブ45,47には、幅狭垂直連通溝65aが用いられており、図6の中段に示す副分割リブ46には、幅狭垂直連通溝65aと幅広垂直連通溝65bとが用いられている。
【0054】
具体的には、図6の下段に示す副分割リブ45には、図6の右下の小空間48とその上隣に位置する図6の右下から上に2番目の小空間51を連通するための4つの幅狭垂直連通溝65aと、図6の中央下の小空間49とその上隣に位置する図6の中央下から上に2番目の小空間52を連通するための2つの幅狭垂直連通溝65aと、図6の左下の小空間50とその上隣に位置する図6の左下から上に2番目の小空間53を連通するための4つの幅狭垂直連通溝65aとの総計10の幅狭垂直連通溝65aが配置されている。
【0055】
そして、図6の中段に示す副分割リブ46には、図6の右下から上に2番目の小空間51とその上隣に位置する図6の右下から上に3番目の小空間54を連通するための2つの幅狭垂直連通溝65aと、図6の中央下から上に2番目の小空間52とその上隣に位置する図6の中央下から上に3番目の小空間55を連通するための1つの幅広垂直連通溝65bと、図6の左下から上に2番目の小空間53とその上隣に位置する図6の左下から上に3番目の小空間56を連通するための2つの幅狭垂直連通溝65aとの総計5つの垂直連通溝65が配置されている。
【0056】
さらに、図6の上段に示す副分割リブ47には、下段の副分割リブ45と同様に、図6の右上の小空間57とその下隣に位置する図6の右下から上に3番目の小空間54を連通するための4つの幅狭垂直連通溝65aと、図6の中央上の小空間58とその下隣に位置する図6の中央下から上に3番目の小空間55を連通するための2つの幅狭垂直連通溝65aと、図6の左上の小空間59とその下隣に位置する図6の左下から上に3番目の小空間56を連通するための4つの幅狭垂直連通溝65aとの総計10の幅狭垂直連通溝65aが配置されている。
【0057】
すなわち、図6の下段の副分割リブ45は、図6の右下の小空間48からその上隣の小空間51、および、図6の左下の小空間50からその上隣の小空間53へのそれぞれの流路面積が、図6の中央下の小空間49からその上隣の小空間52への流路面積より若干大きく形成されている。したがって、図6の右下の小空間48からその上隣の小空間51、および、図6の左下の小空間50からその上隣の小空間53への電解液のそれぞれの流動量が、図6の中央下の小空間49からその上隣の小空間52への流動量より多くなるように形成されている。
【0058】
さらに、図6の中段の副分割リブ46は、図6の右下から2番目の小空間51からその上隣の小空間54、および図6の左下から2番目の小空間53からその上隣の小空間56へのそれぞれの流路面積が、図6の中央下から2番目の小空間52からその上隣の小空間55への流路面積より若干小さく形成されている。したがって、図6の中央下から2番目の小空間52からその上隣の小空間55への流動量が、図6の右下から2番目の小空間51からその上隣の小空間54、および図6の左下から2番目の小空間53からその上隣の小空間56への電解液のそれぞれの流動量より多くなるように形成されている。
【0059】
また、図6の上段の副分割リブ47は、図6の右下から3番目の小空間54からその上隣である右上の小空間57、および図6の左下から3番目の小空間56からその上隣である左上の小空間59へのそれぞれの流路面積が、図6の中央下から3番目の小空間55からその上隣である中央上の小空間58への流路面積より若干大きく形成されている。したがって、図6の右下から3番目の小空間54から右上の小空間57、および図6の左下から3番目の小空間56から左上の小空間59への電解液のそれぞれの流動量が、図6の中央下から3番目の小空間58から中央上の小空間58への流動量より多くなるように形成されている。
【0060】
したがって、スペーサ37の内部空間42を導入溝61から流出溝62に通過する電解液は、導入溝61、流出溝62および連通溝63によって流速が変化し、各小空間48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59を全体として迷路状に通過して流出溝62から流出するように形成されている。
【0061】
なお、図6には、導入溝61、流出溝62および連通溝63の形成位置を他の部分と明瞭に区別するためこれらを斜線領域にて示してある。
【0062】
前記スペーサ37の主フレーム41、主分割リブ43,44および副分割リブ45,46,47の他面である隔膜39との対向面側の表面は平坦面とされており、隔膜39と密着可能に形成されている。
【0063】
なお、スペーサ37の主フレーム41の内部空間42の分割数および分割形状、ならびに導入溝61、流出溝62、連通溝63の配置位置と数などは、設計コンセプトなどの必要に応じて設定すればよく、特に、本実施形態の分割数および分割形状、ならびに導入溝61、流出溝62、連通溝63の配置位置と数に限定されるものではない。
【0064】
例えば、内部空間42の分割形状としては、全体を格子状やアヤ目状としたり、三角形、菱形、矩形、多角形などを単独もしくは組み合わせた形状などを用いることができる。この場合、内部空間42の分割形状に応じて分割リブの形状および配置箇所ならびに数などを設定すればよい。
【0065】
前記スペーサ37の変形例の一つを図7に示す。図7に示すスペーサ37Aは、内部空間42を、1本の主分割リブ90と、この主分割リブ90を間において右上がりおよび右下がりに傾斜配置した12本の副分割リブ91によって主として三角形状の26分割した小空間92を設けたものである。このような構成により、内部空間42を通過する電解液の死水域や空気溜まりを防止することができる。また、連通溝94は、副分割リブ91の主分割リブ90との接続部位、および、主フレーム41の左右両辺との接続部位に形成されている。さらに、図7に示す主分割リブ90の図7の左右両側および主フレーム41の図7の左右両辺の内側には、流動抵抗となる突起93が設けられており、連通溝94を通過した電解液の流動方向を積極的に変化させて通過時間を長くできるようになされている。このスペーサ37Aの内部を通過する電解液の流動状態を図7に矢印にて示す。
【0066】
つぎに、ユニット配列方向の右端から2番目に位置するスペーサ35について、図8から図10により説明する。
【0067】
図8はユニット配列方向の右端から2番目に位置するスペーサの一例を示す左側面図、図9は図8の要部の背面図、図10は図8のスペーサ近傍の拡大分解正面図である。
【0068】
本実施形態のスペーサ35は、図8に示すように、四角枠状の主フレーム68と、その上方に延出形成された排出流路形成部69とを有している。
【0069】
一方の主フレーム68の陽極板としての電極板32との対向面側である表面の図8の左辺の後側BSには、電極板32の後端の位置決めに用いる位置決め凸部71が上下方向に沿って形成されている。この位置決め凸部71の高さ寸法は、電極板32の厚さ寸法のほぼ半分程度とされている。この主フレーム68のその他の構成は、前記ユニット配列方向の左端に位置するスペーサ37の主フレーム41と同様とされているので、各部の構成については前記スペーサ37の主フレーム41の各部の構成に付した符号と同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0070】
他方の排出流路形成部69は、電解ユニット3により生成された酸性電解水を酸性電解水吐出ポート9へ、アルカリ電解水をアルカリ電解水吐出ポート8へと導くためのものであり、電極板32との対向面側である左側LSの表面は、図10に示すように、位置決め凸部71の表面と同一平面位置に配置されている。そして、排出流路形成部69の左側LSの下端面と前記位置決め凸部71とにより陽極板となる電極板32の上端面と後側BSの端面とが接触するように配置されるようになっている。
【0071】
また、排出流路形成部69の隔膜38との対向面側である右側RSの表面は、隔膜38、スペーサ34および陰極板となる電極板31のそれぞれの厚みを加算した寸法とほぼ等しい高さ寸法だけ主フレーム68より突出形成されており、図10に示すように、右側RSの下端面に、隔膜38、スペーサ34および陰極板となる電極板31がそれぞれの上端を接触させるようにして配置されるようになっている。
【0072】
前記スペーサ35の排出流路形成部69の左側LSの表面には、このスペーサ35と対向するユニット配列方向の右端から3番目に位置するスペーサ36の排出流路形成部69の右側RSの表面と当接することで、両スペーサ35,36の排出流路形成部69の内部に、電解液から生成された酸性電解水を、酸性電解水吐出用接続部材11を介して酸性電解水吐出ポート9に導くためのほぼ直角三角形状の酸性電解水誘導部73の一方が凹設されている。すなわち、陽極板となる電極板32とこの電極板32の左右両側に配置される2つの隔膜38,39との間に形成される2つの流通空間である陽極室76,77(図11)を通過する電解液から生成される酸性電解水をともに酸性電解水吐出ポート9から吐出できるようになっている。また、酸性電解水誘導部73の下部には、流出溝62に連通する接続溝73a(図8、図10)が形成されている。
【0073】
また、前記スペーサ35の排出流路形成部69の右側RSに位置する表面には、電解液から生成されたアルカリ電解水を、アルカリ電解水吐出用接続空間10を介してアルカリ電解水吐出ポート8に導くためのほぼ直角三角形状のアルカリ電解水誘導部74の一方が凹設されている。このアルカリ電解水誘導部74の下部には、陰極室78(図11)から流出するアルカリ電解水をアルカリ電解水誘導部74に導くための接続溝74a(図9、図10)が形成されている。
【0074】
なお、図1に示すように、ユニット配列方向の右から3番目のスペーサ36の排出流路形成部69の左側LSの表面にも、アルカリ電解水誘導部74および接続溝74aが凹設されている。そして、2つのスペーサ35,36のアルカリ電解水誘導部74は、排出流路形成部69を厚さ方向に貫通する三角形状の貫通孔75(図8、図9)により接続されており、ユニット配列方向の両端に位置する陰極板となる2つの電極板31,33とこれらの電極板31,33と対向する隔膜38,39との間に形成される2つの流通空間である陰極室78,79(図11)を通過する電解液から生成されるアルカリ電解水をともにアルカリ電解水吐出ポート8から吐出できるようになっている。
【0075】
このように、本実施形態の電解槽1においては、図11に示すように、ユニット配列方向の中央に位置する陽極板となる電極板32の両側に2つの陽極室76,77が形成され、図11の左右両端に位置する2つの陰極板となる電極板31,33のそれぞれの内側に2つの陰極室78,79が形成されており、陽極室76,77と陰極室78,79との相互間に隔膜38,39がそれぞれ配置されている。
【0076】
したがって、本実施形態の電解槽1においては、陽極室76,77および陰極室78,79によって、電解ユニット3の内部における電解液の流通空間である流路が4つ形成されている。
【0077】
なお、本実施形態においては、3枚の電極板31,32,33と4枚のスペーサ34,35,36,37と2枚の隔膜38,39とをそれぞれ個別に形成したが、2枚のスペーサ34,35と1枚の隔膜38とを、2枚のスペーサ36,37と1枚の隔膜39とをそれぞれインサート成型などにより一体形成してもよい。これにより部品点数を少なくすることができるので、組み立てに要する手間を低減できる。
【0078】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0079】
図12は電解ユニットの内部を通過する電解液の流動状態を示す斜視図、図13は電解ユニットを通過した電解液の流動状態を示す斜視図である。
【0080】
本実施形態の電解槽1における電解水生成時には、図4の矢印にて示すように、原水供給ポート20を介して原水供給水路18に原水を供給するとともに、原水供給ポート20と電解質供給ポート21とを図示しない導通管により導通するようになっている。この時、公知の如く浄水器によって浄化した原水を用いてもよい。そして、原水供給水路18に供給された原水は、図4の矢印にて示すように原水供給水路18の上部から下部に流下する。また、電解質供給槽19には、予め電解質が貯留されており、原水供給ポート20と電解質供給ポート21とを導通させることにより、隔壁22および隔膜ユニット24によって区分された原水供給水路18と電解質供給槽19とが同圧となる。また、電解質供給槽19に予め貯留された電解質が、図4の破線矢印にて示すように、隔膜ユニット24を介して原水供給水路18内の原水に透過し、少なくとも原水供給水路18の下部に流下した原水は所定濃度の電解液となる。
【0081】
このように、原水供給ポート20と電解質供給ポート21とを導通させることにより、隔壁22および隔膜ユニット24によって区分された原水供給水路18と電解質供給槽19とを同圧にしているので、電解質が隔膜ユニット24を透過して原水供給水路18内の原水への電解質の供給を確実に行うことができる。
【0082】
ついで、原水供給水路18の下部の電解液は、複数の電解液導入孔7を介して電解液導入空間6に流入する。そして、電解液導入空間6に流入した電解液は、図11に示すように、3枚の電極板31,32,33と4枚のスペーサ34,35,36,37および2枚の隔膜38,39とにより区画された2つの陰極室78,79と2つの陽極室76,77とにより形成される4つの流路を上方に向かって流動する。
【0083】
この時、電解液は、図6に代表して示すように、スペーサ37の主フレーム41の流入辺41iに形成されている導入溝61から内部空間42に導入され、スペーサ37の内部を電極板33と接触しつつ図12の矢印にて示すように、複数に分割された内部空間42である各小空間48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59を全体として迷路状に流動して流出辺41eの流出溝62から流出する。このスペーサ37の内部を通過する電解液の流動状態を図12に矢印にて示す。
【0084】
また、この時、各電極板31,32,33に所定の極性の電圧が印加されていると、隔膜38,39を通過して陽極板となる電極板32には陰イオンが、陰極板となる電極板31,33には陽イオンがそれぞれ引き付けられ、陽極側の電解液は陰イオンの増加した酸性電解水となり、陰極側の電解液は陽イオンの増加したアルカリ電解水となる。
【0085】
ついで、ユニット配列方向の両端に位置する陰極板となる電極板31,33への通電により生成されたアルカリ電解水は、図13に代表して示すように、アルカリ電解水誘導部74からアルカリ電解水吐出用接続空間10を介してアルカリ電解水吐出ポート8に導かれて吐出される。また、ユニット配列方向の中央に位置する陽極板となる電極板32への通電により生成された酸性電解水は、図13の破線矢印にて示すように、酸性電解水誘導部73から酸性電解水吐出用接続部材11を介して酸性電解水吐出ポート9に導かれて吐出される。このようなアルカリ電解水の流動状態を図13の矢印にて示し、酸性電解水の流動状態を図13の破線矢印にて示す。
【0086】
なお、電解水の生成を連続して行う場合には、正常な機能維持のために各電極板31,32,33の極性を定期的に逆とするように通電することにより、各電極板31,32,33上に付着したスケールを除去することが好ましい。
【0087】
このように、本実施形態の電解槽1によれば、各スペーサ34,35,36,37の導入溝61から流出溝62に向かう電解液の全水流が、各スペーサ34,35,36,37に設けられた主分割リブ43,44および副分割リブ45,46,47により区分された12の小空間48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59を、水平連通溝64および垂直連通溝65により全体として迷路状に通過するように形成してあるので、全体としての流路面積、および電解液が電極板31,32,33と接触する接触面積をともに大きくすることができるとともに、電解液の通過時間を長くすることができる。その結果、電解槽1の小型化および電解効率の向上による高性能化を容易に図ることができる。
【0088】
また、本実施形態の電解槽1によれば、各スペーサ34,35,36,37の内部空間42が主分割リブ43,44および副分割リブ45,46,47により格子状に形成されているから、隔膜38,39の中央部がたわまないように確実に保持できる。その結果、隔膜38,39がたわむことによって流動する電解液の流れが不安定になるという不都合を防止することができる。
【0089】
さらに、本実施形態の電解槽1によれば、電解液が電解液導入孔7を介して電解液導入空間6に流入してから電解ユニット3に供給されるので、電解液を電解ユニット3に直接供給する場合に比べて電解ユニット3に流入する電解液の流れをより均一にすることができる。
【0090】
また、本実施形態の電解槽1によれば、電解質供給手段17が設けられているので、原水に対する電解質の供給を長時間にわたって安定的に行うことができる。
【0091】
また、本実施形態の電解槽1によれば、電解質供給手段17が一体形成されているので、原水に対する電解質の供給を確実かつ容易に行うことができるとともに、部品点数の削減と、全体として小型化と、取り扱い性の向上などを容易に図ることができる。
【0092】
なお、電解質供給手段17を一体形成せずに付設した場合においても原水に対する電解質の供給を確実に行うことができる。
【0093】
また、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。例えば、電解ユニットの内部を上方から下方に電解液が通過するように構成してもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る本発明の電解槽によれば、小型化および電解効率の向上による高性能化を容易に図ることができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0095】
また、請求項2に係る本発明の電解槽によれば、原水に対して電解質を供給するので高い電解効率を確実に得ることができるなどの極めて優れた効果を奏する。さらに、部品点数の削減と、全体として小型化と、取り扱い性の向上などを容易に図ることができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電解槽の実施形態の要部を示す分解斜視図
【図2】 図1の一部切断拡大正面図
【図3】 図2の一部切断拡大右側面図
【図4】 図2の一部切断拡大左側面図
【図5】 図1の隔膜ユニットの斜視図
【図6】 図1の電解ユニットのユニット配列方向の左端に位置するスペーサの一例を示す左側面図
【図7】 図6のスペーサの変形例を示す左側面図
【図8】 図1の電解ユニットのユニット配列方向の右端から2番目に位置するスペーサの一例を示す左側面図
【図9】 図8の要部の背面図
【図10】 図8のスペーサ近傍の拡大分解正面図
【図11】 図1の電解ユニットにおける電解液の流路を説明する模式的断面図
【図12】 図6のスペーサにおける電解液の流動状態を説明する斜視図
【図13】 図1の電解ユニットにおけるアルカリ電解水および酸性電解水の流動状態を説明する斜視図
【符号の説明】
1 電解槽
2 ケーシング
3 電解ユニット
5 ユニット収納凹部
6 電解液導入空間
7 電解液導入孔
13 右サイドカバー
17 電解質供給手段
18 原水供給水路
19 電解質供給槽
24 隔膜ユニット
25 隔膜
26 左サイドカバー
31、32、33 電極板
34、35、36、37 スペーサ
38、39 隔膜
41、68 主フレーム
41i 流入辺
41e 流出辺
42 内部空間
43、44 主分割リブ
45、46、47 副分割リブ
48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59小空間
61 導入溝
61a 幅狭導入溝
61b 幅広導入溝
62 流出溝
63 連通溝
64 水平連通溝
65 垂直連通溝
65a 幅狭垂直連通溝
65b 幅広垂直連通溝
69 排出流路形成部
73 酸性電解水誘導部
74 アルカリ電解水誘導部
76、77 陽極室
78、79 陰極室

Claims (2)

  1. 相互に対向配置される少なくとも2枚の電極板と、これらの電極板の間に配設される一対の隔膜保持部材と、この一対の隔膜保持部材の間に配設される隔膜とを有するとともに、前記一対の隔膜保持部材により前記隔膜と前記各電極板との間にそれぞれ電解液流路を形成した電解槽において、
    前記隔膜保持部材は、四角枠状の主フレームと、この主フレームの内部空間を複数に分割するための前記主フレームの内部に格子状をなすように配置されている分割リブとを備え、
    前記主フレームは、その四辺のうちの相対向する二辺のうちの一方が電解液の流入辺とされ、他方が電解水の流出辺とされているとともに、前記流入辺の一面には流入辺に隣位する複数の分割された内部空間のそれぞれに電解液を導入可能な導入溝が形成されており、前記流出辺の一面には流出辺に隣位する複数の分割された内部空間のそれぞれから電解水を流出可能な内外を連通する複数の流出溝が形成されており、
    前記主フレームの内部に格子状をなすように配置されている分割リブの一面には、複数の分割された内部空間のうちの隣位するものを連通する連通溝が形成されていることを特徴とする電解槽。
  2. 原水に電解質を供給するための電解質供給手段が設けられているとともに、前記電解質供給手段が一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電解槽。
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