JP3883456B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、短波長の光源を用いて長期に渡り繰り返し使用しても感光体の劣化が少なく、高感度・高解像度でかつ高耐久な画像形成装置に関する。具体的には、短波長の画像光を用いた場合の感光体への悪影響を特定の構成の感光体を使用することにより排除した長寿命な画像形成装置に関する。また、単色光の書き込みにより生じる干渉縞(モアレ)のない画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成方法の1つである電子写真方法としては、カールソンプロセスやその種々の変形プロセスなどが知られており、複写機やプリンターなどに広く使用されている。この様な電子写真方法に用いられる感光体の中でも、有機系の感光材料を用いたものが、安価、大量生産性、無公害性などをメリットとして、近年使用され始めている。有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が注目されている。
【0003】
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、かつ有用である。
【0004】
近年、出力される画像の高画質化の要求が強まっている。これに対し、画像光のデジタル化が採用されてきた。これに際しては、LDやLEDといった光源が用いられてきた。これらを利用して高画質化を押し進めるためには、例えばレーザービームのスポットを細く絞り、書き込み密度を高くすることにより高画質化が図られている。しかしながら、現在のLDの主流である近赤外領域に発信波長を有するAlGaAs/GaAs系等の半導体レーザーでは、その回折限界から光学系の操作によりビーム径を絞っても鮮明な画像輪郭を得るのが難しく、近い将来の目標はクリアできないことが予測されている。
【0005】
このスポット径の下限については特開平9−240051号公報に記載があり、スポットの下限はレーザー光波長の関数であり、発振波長が短いほどレーザースポット径の下限が小さくなることが示されている。1990年代から半導体レーザーの短波長化が着実に進歩しつつあり、また非線形光学素子を用いたSHG(第2高調波)による高出力レーザーの短波長化も同時に行われている。これらを用いた電子写真装置として、特開平5−19598号公報に波長400〜500nmの光源を用いる電子写真装置が開示されている。
【0006】
しかしながら、既存の積層型有機系感光体に用いられる電荷輸送物質が500nm以短の領域において吸収を持っていることが多く、通常の構成の積層感光体では画像光が電荷輸送層の下にある電荷発生層まで十分に到達しないため、原理的に光感度を示さない。この点に鑑み、特開平9−240051号公報では、感光層を単層あるいは支持体側から電荷輸送層/電荷発生層という逆層構成にすることにより、電荷発生物質に光を吸収させ、光感度を得ることが示されている。確かにこの構成では、電荷発生物質に画像光が到達するため、光感度が得られる上、画像光が電荷輸送層を横切らないため、高解像度が得られるとされている。ところが、この系の感光体の致命的な欠点としては、感光体の耐久性が短いことである。これは、感光層が単層構成の場合には、熱キャリアの発生が大きく暗抵抗が小さくなってしまうことに起因する。また、逆層構成の場合には電荷発生層が表面に存在し、一般に柔らかい有機顔料が感光体表面に存在するため、耐摩耗性に乏しい。この点に関して、同公報では電荷発生層の上に保護層を有しても良いとし、耐摩耗性の1つのアイデアとしている。しかしながら、保護層を設けることにより、画像光が電荷輸送層を横切らないことの利点は大幅に減少するし、フィラーなどが含有された場合には、それによる散乱が生じ、解像度そのものが低下する。一般には画像光の波長が短いほど、散乱が大きくなりやすく、分散するフィラーサイズを小さくしなければならない。その場合には、耐摩耗性が小さい方向になってしまう。
【0007】
このような点から、電荷発生層/電荷輸送層の順層構成において、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質に特徴を持たせることで、上記問題を解決しようという提案がなされた。具体的には、特開2000−89492号公報、特開2000−105471号公報、特開2000−105475号公報、特開2000−105476号公報等があげられる。これらの本質は、いずれも電荷輸送物質を特定の構造のものとし、画像光における電荷輸送物質の吸収量を特定し電荷発生層への画像光書き込み量を確保したり、電荷輸送物質の劣化を防ぐことが主たる目的である。すなわち、感光体の光感度を確保する、あるいは繰り返し使用における静電特性の劣化を防止するものである。従って、感光体の機械的耐久性に関する言及が全くなされていない。また、使用する材料が特定のものとなり、既存の技術の水平展開ができないものである。従って、コストメリットの観点からも不利な状況にある。
【0008】
一方、特許第3051530号公報、特開2000−29234号公報、特開2000−35685号公報、その他には、透光性の支持体を用い、感光体の内側から画像露光するという提案がなされている。これらの目的はいくつかあるものの、基本的には露光装置を感光体の内側に配置することにより、画像形成装置そのものを小さくしようという観点から考案されたものである。従って、用いる画像露光波長に関しての言及や感光体の構成に関する言及が無く、感光体あるいは画像形成装置の長寿命化等に関する考案がなされていないのが実状である。
【0009】
更に、解像度を上げるために書き込みのドットを小さくしていくと、干渉縞に基づくモアレの発生という問題点が生じる。この課題に関しては、現在の主流の構成の感光体を用いレーザー光のような光源で書き込みを行った画像形成装置では、この問題を本質的に改善する有効な手段はほとんど無い。
【0010】
また、特開平8−278639号公報には、感光体の内側より480nm以下の発光素子を用いたシングルドラム方式のカラー画像形成装置が提案されているが、該形成装置の繰り返し使用時おける言及が無く、更にこれに用いる感光体の詳細な説明もない。本発明においては、同様のプロセスにおける感光体を特定の構成のものにすることにより、本プロセスの特長を最大限生かし、感光体およびその他の部材の耐久性を高めることができる。この点が先願の技術とは異なる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高耐久で繰り返し使用に対し安定な高画質画像を作像できる画像形成装置を提供することにある。例えば、450nm以短の画像光を用い、感光体に高密度な書き込みをすることにより、形成される静電潜像のドット径を小さくし、高画質化を達成すると共に、このような短波長書き込みを行った際に発生し得る不具合が起こり得ない構成の感光体を搭載した画像形成装置を提供する。具体的には、透明支持体上に少なくとも感光層を有する感光体を用い、感光体の内側より450nm以短の画像光を照射することにより、静電潜像を形成する画像形成装置である。
【0012】
また別の本発明の目的は、特定の電荷輸送物質を感光層に含有することにより高速応答性を実現することにある。また、高分子電荷輸送物質を感光体表面に含有する、あるいは表面保護層を有することにより、高耐摩耗性な感光体を有する高耐久な画像形成装置を提供することにある。
更に別の目的は、レーザー光のような可干渉光を用いた画像形成で生じるモアレを本質的に起こらないような画像形成装置を提供することにある。更にまた別の目的は良質のフルカラー画像が得られる画像形成装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
画像形成装置より出力される画像の高画質化は、画像形成装置における各プロセスにより影響される。例えば、帯電部材における感光体への帯電が不均一であれば均一な画像が形成できないし、画像露光が十分に小さな径で感光体を書き込まないと潜像のドットそのものが大きくなってしまう。また、現像においては静電潜像に忠実な現像が行われないと精密な画像を形成できないし、転写においては感光体から被転写体への限りなく100%に近い転写が行われなければ、異常画像が発生したりもする。
【0014】
このような中で、本発明者は高画質化の1つのポイントとして、高解像度に着目した。上述のように画像が画像形成装置中の多段階の機構を経て得られるものであるから、高解像度を達成するためには、画像形成における各プロセスのすべてが良好な方向に向かないと高解像度画像を得ることができないわけであるが、すべての出発は静電潜像の形成にある。従ってまず、いかに微細で精密な静電潜像を形成するかが高解像度化へのキーとなる。このような静電潜像における微少ドットの形成に関しては、感光体構成での工夫もあるが、最も効果があるのが画像書き込み光の波長である。この点に関しては前述の公知技術で知られており、450nm以短の書き込み光を用いることが最も簡便に上記目的を達成できる。
【0015】
しかしながら、ここまでに開発されてきた電荷輸送物質は、最も短波長側でも蛍光灯の光源を用いた感光体を使用対象とし、特にこのような感光体は紫外領域に近い光は適当なフィルターにてカットされて使用されてきた。これは、電荷輸送物質のほとんどが450nm以短に吸収を持ち、紫外線のような高エネルギー光が照射されると、材料の劣化(分解や他物質への変換など)を生じ、感光体の静電特性に悪影響を及ぼすためである。ところが、短波長LDの様な光源を使用する場合には、光源をフィルタリングすることは画像書き込みを行わないことに等しく、本質的にできることではない。従って、電荷輸送物質の画像書き込み光の吸収の大小、電荷輸送物質そのものの光に対する強さ等を考慮することにより、材料の選択が行われる。このことは感光体設計の自由度を明らかに制限する。また吸収が小さめの材料を用いたとしても、電荷輸送層における電荷輸送物質濃度は一般に40重量%程度もあるため、書き込み光をほとんど最表面の浅い部分で吸収してしまう。このため、電荷発生層/電荷輸送層の積層構成からなる感光体において、公知技術のように短波長光源で、電荷輸送層側からの書き込みを行った場合には、電荷輸送物質の劣化は完全に避けられるものではない。
【0016】
この点に関して検討した結果、画像書き込み光に対して透明な支持体を用いた感光体を使用し、画像光を感光体内側から照射することにより、電荷輸送物質への光照射を極力低下させることにより、電荷輸送物質の劣化を限りなく押さえることが可能であることが分かった。またこの方法によれば、画像光に対して大きな吸収を持つ電荷輸送物質を使用しても、光感度の低下という副作用を生じず、むしろ電荷輸送物質の吸収波長等に依存しない材料の選択が可能になる。
【0017】
この点を更に応用すると、次の展開が可能になった。すなわち、感光体の耐摩耗性向上のため高分子電荷輸送物質の使用は有効であるが、短波長光源を用い、感光体表面側から露光を行う場合には、高分子電荷輸送物質の光吸収による光感度の低下、高分子電荷輸送物質の劣化(例えば、ポリシランの紫外線による主鎖切断など)が生じる場合がある。これに対し、裏面側から露光を行うことにより、上記欠点を防ぐことができ、高分子電荷輸送物質本来の長所を生かすことが可能になる。また、表面保護層の使用は、短波長光源を用い、感光体表面側から露光を行う場合には、耐摩耗性のために添加するフィラーなどによる光散乱による感度低下、解像度低下などが発生する場合がある。これに対しても、裏面側から露光を行うことにより、上記欠点を未然に防ぐことが可能になる。また、何れの場合にも書き込み光の遮蔽等を考慮する必要が無くなり、材料選択の幅が広がるため、材料・構成本来の耐摩耗性を十分に機能させることができるため、感光層や保護層の薄膜化も可能になる。これにより、感光層で生成した光キャリアの拡散を極力抑えることが可能になり、短波長光源を用いることのメリットを最大限生かすことが可能になる。
【0018】
また、レーザー光のような可干渉光を光源に用い、現在の主流の電子写真感光体(例えば、アルミ支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順に積層したような感光体)を用いると、書き込み光の干渉によりモアレが発生する。この現象はレーザビームを絞った状態や高解像度な現像を行った場合には、より顕著に観測される。これを防止するためには、支持体の反射をなくす、下引き層に光散乱物質を入れる、感光体表面を荒らす等が挙げられるが、いずれも副作用の生じ得る構成である。これに対し、本発明に用いられる電子写真感光体は、感光体における書き込み光の強い反射面が存在しないため、基本的にモアレ現象は起こり得ない。また、電荷発生層の画像光に対する透過率を30%以下にすることにより、電荷輸送層内部でのごく僅かな干渉の可能性も取り去ってしまうものである。
【0019】
短波長書き込みに関する検討の結果、以上のようなことが明らかになり本発明を完成するに至った。
すなわち、短波長レーザー等の使用により高密度書き込みが可能になり、書き込みドットを小さくできるという利点に対し、電荷輸送層側からの書き込みでは電荷輸送物質の劣化、感光体の光感度の低下という問題点が発生し、また表面保護層を有する感光体の場合には、保護層透過率が低く感度が劣化する等の問題が発生する。
【0020】
以上の問題点を透光性支持体より形成される感光体を用い、感光体の内側から露光(裏面露光)することにより解決することが可能になり、使用する電荷輸送物質の制限が低減されることになった。更に、裏面露光を行うことにより、レーザー等の可干渉光を用いた場合に必ず問題になるモアレ現象も、感光体そのものに書き込み光の反射面が存在しないため、本発明の装置においては全く問題にならない。
【0021】
本発明に用いる透光性支持体そのものは公知の技術であるが、過去の発明のほとんどが装置の小型化を目的とするものであり、特に裏面露光する際の電荷輸送物質への影響、保護層での光散乱、モアレ防止などを目的とするものではなく、むしろこれらの課題は本発明のように短波長光源を用いた場合に顕著になるものであったと考えるべきであろう。
従って、本発明における効果は、透光性支持体を用いる感光体と短波長光源を組み合わせた際に始めて得られるものであって、おのおの単独で使用された場合には発現されないものであることが分かる。
【0022】
電子写真方式を利用したフルカラー画像形成装置としては、一般的には2つの方式が知られている。1つはシングル方式あるいはシングルドラム方式と呼ばれるものであり、装置中に1つの電子写真感光体が搭載され、4色の現像部材が搭載されたものである。この方式においては、感光体上もしくは被転写部材(出力用の紙に直接、あるいは中間転写体に一旦転写され、その後に紙に転写される)に4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)のトナー像が形成される。この場合、感光体の周りに配置される帯電部材、露光部材、転写部材、クリーニング部材、定着部材は共通化することが可能で、後述のタンデム方式に比べ、小型で、低コストに設計することが可能である。
【0023】
一方、もう1つの方式としてタンデム方式あるいはタンデムドラム方式と呼ばれるものがある。これは、少なくとも装置中に複数の電子写真感光体が搭載されたものである。一般的には、1本のドラムに対し、帯電、露光、現像、クリーニングの各部材が1つずつ配置され、1つの電子写真要素を形成し、これが複数個(一般的には4つ)搭載されている。この方式においては、1つの電子写真要素で1色のトナー像を形成し、順次、被転写体にトナー像を転写し、フルカラー像を形成する。この方式のメリットは、第1に高速画像形成が可能であることが挙げられる。これは上述のように、各色のトナー像を並列処理にて作製できるためである。このため、シングル方式に比べ、画像形成処理時間がおよそ4分の1の時間で済み、4倍の高速プリントに対応が可能になる。第2のメリットは、感光体をはじめとする前記電子写真要素中に具備された各部材の耐久性を実質的に高められると言うことである。これは、シングル方式においては、1本の感光体で4回の帯電、露光、現像の各工程を行い、1つのフルカラー像を形成するのに対し、タンデム方式では上記動作を1本で1回しか行わないからである。
ところが、装置全体が大きくなってしまうという、またコストが高いものになってしまうというデメリットも併せ持っている。装置全体が大きくなる点に関しては、感光体を小径化し、感光体周りに設置される各部材を小型化し、1つの電子写真要素を小さくすることで対応が行われてきた。これにより、装置の小型化のみならず材料費の低減といった効果も生じ、装置全体としての低コスト化も多少進んだ。しかしながら、装置のコンパクト化・小型化に伴い、電子写真要素に搭載された感光体を含めた各部材の耐久性を上げなければならないという、新しい課題も新たに発生した。
このような課題に対しても、本願のように透光性支持体を用い、画像露光を内側から照射することにより、装置をコンパクト化出来るという利点に加えて、高解像度の画像を提供できるようになるものである。
【0024】
本発明によれば、下記(1)〜(19)の画像形成装置が提供される。
【0025】
(1)少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、および電子写真感光体を具備してなる画像形成要素を複数有する画像形成装置であって、該電子写真感光体が透光性支持体上に高分子電荷輸送物質を含有する感光層を有する感光体であり、かつ該露光手段に用いられる光源がその波長域が450nm以短のLDもしくはLEDであり、画像露光を感光体の内側より照射することを特徴とする画像形成装置。
【0027】
(2)前記感光体の感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成よりなり、かつ少なくとも該電荷輸送層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする上記(1)に記載の画像形成装置。
【0028】
(3)前記高分子電荷輸送物質が少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
【0029】
(4)前記高分子電荷輸送物質が下記一般式(VII)〜(XVI)で表される物質より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
(VII)式
【化19】
Figure 0003883456
〔式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
【化20】
Figure 0003883456
(R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
【化21】
Figure 0003883456
(aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。)〕
(VIII)式
【化22】
Figure 0003883456
(式中、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
(IX)式
【化23】
Figure 0003883456
(式中、R、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
(X)式
【化24】
Figure 0003883456
(式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
(XI)式
【化25】
Figure 0003883456
(式中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
(XII)式
【化26】
Figure 0003883456
(式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
(XIII)式
【化27】
Figure 0003883456
(式中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
(XIV)式
【化28】
Figure 0003883456
(式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
(XV)式
【化29】
Figure 0003883456
(式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
(XVI)式
【化30】
Figure 0003883456
(式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
【0030】
(5)前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなり、該電荷輸送層の膜厚が25μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0031】
(6)少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、および電子写真感光体を具備してなる画像形成要素を複数有する画像形成装置であって、該電子写真感光体が透光性支持体上に少なくとも感光層と保護層を有する感光体であり、かつ露光手段に用いられる光源がその波長域が450nm以短のLDもしくはLEDであり、画像露光を感光体の内側より照射することを特徴とする画像形成装置。
【0033】
(7)前記保護層にフィラーを含有することを特徴とする上記(6)に記載の画像形成装置。
【0034】
(8)前記保護層に含有されるフィラーが無機顔料であることを特徴とする上記(7)に記載の画像形成装置。
【0035】
(9)前記保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0036】
(10)前記保護層に含有される電荷輸送物質が、下記一般式(I)〜(VI)で表される物質より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする上記(9)に記載の画像形成装置。
【化31】
Figure 0003883456
(式中、R、R、RおよびRは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは置換又は無置換のアリール基を表し、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表し、RとArは共同で環を形成してもよく、またnは0または1の整数である。)
【化32】
Figure 0003883456
(式中、Rは低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、lは0〜4の整数を表し、R、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表わす。)
【化33】
Figure 0003883456
(式中、R、RおよびR10は、水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
【化34】
Figure 0003883456
(式中、A、Aは置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。Arは置換または無置換の縮合多環式炭化水素を表す。)
【化35】
Figure 0003883456
(式中、Arは芳香族基、R11は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。pは0又は1、qは1または2であって、p=0、q=1の場合、ArとR11は共同で環を形成しても良い。)
【化36】
Figure 0003883456
(式中、R12、R13は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のアルキル基、14、R15は水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、16は水素原子、低級アルキル基又はアルコキシ基を表す。Wは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、rは1〜5の整数、sは1〜4の整数、tは0〜2の整数、uは1〜3の整数、vは1〜2の整数を表す。)
【0037】
(11)前記保護層に含有される電荷輸送物質が、高分子電荷輸送物質であることを特徴とする上記(9)に記載の画像形成装置。
【0038】
(12)前記高分子電荷輸送物質が、少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートであることを特徴とする上記(11)に記載の画像形成装置。
【0039】
(13)前記高分子電荷輸送物質が前記一般式(VII)〜(XVI)で表される物質より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする上記(11)又は(12)に記載の画像形成装置。
【0040】
(14)前記感光層と保護層の膜厚の和が25μm以下であることを特徴とする上記(6)〜(13)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0041】
(15)前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなり、該電荷発生層の画像光に対する透過率が30%以下であることを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0044】
(16)前記帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする上記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0045】
(17)前記帯電部材と感光体間の空隙が200μm以下であることを特徴とする上記(16)に記載の画像形成装置。
【0046】
(18)前記帯電手段が直流成分に交流成分を重畳し、感光体に帯電を与えることを特徴とする上記(16)又は(17)に記載の画像形成装置。
【0047】
(19)少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段より選ばれる1つの手段と感光体が一体に支持されたプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とする上記(1)〜(18)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0048】
お、上(1)及び(6)の画像形成装置はフルカラー画像を得るのに適したものである。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
はじめに、本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
本発明においては、大きく分けて2つのタイプの感光体が用いられる。1つは感光層(場合により電荷輸送層)が表面にある場合(図1、図2)であり、もう一方は感光体表面に保護層が形成された場合(図3、図4)である。
【0050】
図1は、本発明に使用される電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、透光性支持体31上に、電荷発生材料と高分子電荷輸送材料を主成分とする単層感光層33が設けられている。
図2は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、透光性支持体31上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層35と高分子電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層37とが積層された構成をとっている。
図3は、本発明に使用される電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、透光性支持体31上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層33が設けられている。更に感光層表面に保護層39が設けられてなる。
図4は、本発明の電子写真感光体のさらに別の構成例を示す断面図であり、透光導電性支持体31上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層35と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層37とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層39が設けられてなる。
【0051】
透光性支持体31としては、画像光に対して透明であれば特に制限はないが、例えば、ガラス(耐熱ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス等)、石英、サファイア等の透明な無機材料やフッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、エポキシ等の透明な樹脂で形成される。また、特開2000−29234号公報、特開2000−39732号公報、特開2000−75532号公報等に記載された支持体を用いることもできる。このような支持体においては導電性が必須であるから、支持体そのものが絶縁体の場合は、支持体表面に導電層を設けたり、導電処理を行う必要がある。導電層としてはITO(インジウム・スズ酸化物)、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅などの透明導電材料を直接もしくは樹脂等に分散し表面に形成したり、あるいはアルミニウム、ニッケル、金、ハステロイなどの金属を半透明になる程度薄く形成しても良い。導電層を設ける場合には、スパッタリングや湿式法などの方法により設けることができ、金属を表面に設ける場合には、蒸着法やスパッタリングが用いられる。
【0052】
透光性支持体の形状としては特に制限はなく、円筒状のものやフィルム上のものが用いられる。但し、内面側から画像書き込みを行うため、支持体の内側は平滑性があることが好ましい。
【0053】
次に感光層について説明する。感光層は前記2つのタイプで共通に用いることもできるが、保護層が表面に用いられない場合(図1、図2)には、感光体の表面層(感光層もしくは電荷輸送層)に高分子電荷輸送物質を含有することが必須となる。
感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と電荷輸送層37で構成される場合から述べる。
【0054】
電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層35には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
【0055】
中でもアゾ顔料および/またはフタロシアニン顔料が有効に用いられる。特に下記構造式(XVII)で表されるアゾ顔料、およびチタニルフタロシアニン(特にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン)、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが有効に使用できる。特に、ブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンの中でも、最低角として7.3゜にピークを有するチタニルフタロシアニン(特開2001−19871号公報に記載)が、高感度であり、繰り返し使用における帯電性の低下が小さく、特に有効に使用できる。
【0056】
【化37】
Figure 0003883456
(式中、Cp1、Cp2はカップラー残基を表し、同一でも異なっていても良い。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていても良い。またCp1、Cp2は下記式
【化38】
Figure 0003883456
(式中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表す。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す)で表される。)
特に、前記Cp1とCp2が異なる構造の非対称アゾ顔料は、Cp1とCp2が同一構造である対象型のアゾ顔料よりも、光感度が良好な場合が多く、感光体の小径化、使用プロセスの高速化に対応できるものであり、有効に使用される。
【0057】
電荷発生層35は、必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層35に用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等があげられる。バインダー樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0058】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
【0059】
電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。また、画像光(書き込み光)による電荷輸送物質の劣化を改善するためには、電荷発生層における画像光の透過率が小さい方が電荷輸送層に到達する光量が小さくなり、有利である。このため、電荷発生層の画像光に対する透過率が30%以下であることが好ましく、本発明の効果をより一層顕著なものとする。また、画像光の透過率を低く押さえることで、モアレの発生を低減させるのに効果がある。
【0060】
電荷輸送層37は、電荷輸送物質およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0061】
先述のように、感光層が感光体表面に存在する場合には、高分子電荷輸送物質が含有されていることが必須となる。ここで用いることのできる高分子電荷輸送物資としては、公知の材料を用いることができるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、前記(VII)〜(XVI)式で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられる。
【0062】
一般式(VII)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表1】
Figure 0003883456
【0063】
【表2】
Figure 0003883456
【0064】
一般式(VIII)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表3】
Figure 0003883456
【0065】
【表4】
Figure 0003883456
【0066】
一般式(IX)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表5】
Figure 0003883456
【0067】
【表6】
Figure 0003883456
【0068】
一般式(X)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表7】
Figure 0003883456
【0069】
【表8】
Figure 0003883456
【0070】
一般式(XI)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表9】
Figure 0003883456
【0071】
【表10】
Figure 0003883456
【0072】
一般式(XII)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表11】
Figure 0003883456
【0073】
一般式(XIII)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表12】
Figure 0003883456
【0074】
一般式(XIV)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表13】
Figure 0003883456
【0075】
【表14】
Figure 0003883456
【0076】
【表15】
Figure 0003883456
【0077】
一般式(XV)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表16】
Figure 0003883456
【0078】
【表17】
Figure 0003883456
【0079】
一般式(XVI)で表される高分子電荷輸送物質の具体例としては、下記のものがあげられる。
【表18】
Figure 0003883456
【0080】
【表19】
Figure 0003883456
【0081】
【表20】
Figure 0003883456
【0082】
また、電荷輸送層に使用される高分子電荷輸送物質として、上述の高分子電荷輸送物質の他に、電荷輸送層の成膜時には電子供与性基を有するモノマーあるいはオリゴマーの状態で、成膜後に硬化反応あるいは架橋反応をさせることで、最終的に2次元あるいは3次元の架橋構造を有する重合体も含むものである。
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層、あるいは架橋構造を有する重合体は耐摩耗性に優れたものである。通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層を有する感光体には高速応答性が期待できる。
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報、特開20000−206723号公報、特開2001−34001号公報等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。
【0083】
また、電荷輸送層には低分子電荷輸送物質を併用することもできる。
低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質があげられる。
【0084】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料があげられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0085】
また、電荷輸送層にはバインダー樹脂を併用することも可能である。バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂があげられる。
【0086】
なお、感光層(電荷輸送層)の膜厚は25μm以下が適当であるが、好ましくは5〜23μm、より好ましくは10〜20μmである。
【0087】
次に、保護層が形成される場合の電荷輸送層について述べる(図3、図4)。この場合、上層の保護層において機械的耐久性(耐摩耗性)が確保されるため、その点に関しては特に考慮する必要がない。このため、公知の構成の電荷輸送層を使用することができる。すなわち、電荷輸送物質を必要に応じてバインダー樹脂と共に成膜した電荷輸送層である。この場合、電荷輸送物質は低分子電荷輸送物質でも高分子電荷輸送物質でも構わない。
【0088】
低分子電荷輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料があげられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。中でも、前記一般式(I)〜(VI)で表される物質は特に有効に使用される。
【0089】
一般式(I)で表される電荷輸送物質の例示としては、下記のものがあげられる。
【表21】
Figure 0003883456
【0090】
一般式(II)で表される電荷輸送物質の例示としては、下記のものがあげられる。
【表22】
Figure 0003883456
【0091】
【表23】
Figure 0003883456
【0092】
一般式(III)で表される電荷輸送物質の例示としては、下記のものがあげられる。
【表24】
Figure 0003883456
【0093】
【表25】
Figure 0003883456
【0094】
一般式(IV)で表される電荷輸送物質の例示としては、下記のものがあげられる。
【表26】
Figure 0003883456
【0095】
【表27】
Figure 0003883456
【0096】
一般式(V)で表される電荷輸送物質の例示としては、下記のものがあげられる。
【表28】
Figure 0003883456
【0097】
【表29】
Figure 0003883456
【0098】
一般式(VI)で表される電荷輸送物質の例示としては、下記のものがあげられる。
【表30】
Figure 0003883456
【0099】
【表31】
Figure 0003883456
【0100】
【表32】
Figure 0003883456
【0101】
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂があげられる。もちろん、先に掲げた高分子電荷輸送物質も有効に使用することができる。
電荷輸送物質の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
【0102】
また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、50μm以下とすることが好ましい。より好ましくは25μm以下である。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましく、より好ましくは10μm以上である。
【0103】
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0104】
本発明の感光体において電荷輸送層37中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0105】
次に感光層が単層構成33の場合について述べる。上述した電荷発生物質をバインダー樹脂中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしても良く、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0106】
バインダー樹脂としては、先に電荷輸送層37で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層35で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。バインダー樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましくさらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、バインダー樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜50μm程度が適当である。より好ましくは10〜25μmである。
【0107】
本発明の感光体においては、透光導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる。本発明における下引き層は少なくとも画像光に対して透光性があることが必要である。この下引き層は、一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等があげられる。これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできるこのほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0108】
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、保護層39が感光層の上に設けられることもある。保護層39に使用されるバインダー樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂があげられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0109】
また、感光体の保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でフィラー材料が添加される。有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料があげられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
【0110】
また、フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが保護層の耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm以下の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5μm以上の場合には、分散液中においてフィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
尚、本発明におけるフィラーの平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。また、同時に測定される各々の粒子の標準偏差が1μm以下であることが重要である。これ以上の標準偏差の値である場合には、粒度分布が広すぎて、本発明の効果が顕著に得られなくなってしまう場合がある。
【0111】
保護層中のフィラー材料濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇等の副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度である。
【0112】
更に、画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラー(比抵抗が1010Ω・cm以上)が好ましく、フィラーのpHが5以上を示すものやフィラーの誘電率が5以上を示すものが特に有効に使用できる。また、pHが5以上のフィラーあるいは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
【0113】
本発明において使用するフィラーの比抵抗は以下のように定義される。フィラーのような粉体は、充填率によりその比抵抗値が異なるので、一定の条件下で測定する必要がある。本発明においては、特開平5−94049号公報の図1、特開平5−113688号公報の図1に示された測定装置と同様の構成の装置を用いて、フィラーの比抵抗値を測定し、この値を用いた。測定装置において、電極面積は4.0cm2である。測定前に片側の電極に4kgの荷重を1分間かけ、電極間距離が4mmになるように試料量を調節する。測定の際は、上部電極の重量(1kg)の荷重状態で測定を行い、印加電圧は100Vにて測定する。106Ω・cm以上の領域は、HIGH RESISTANCE METER(横河ヒューレットパッカード)、それ以下の領域についてはデジタルマルチメーター(フルーク)により測定した。これにより得られた比抵抗値を本発明の言うところの比抵抗値と定義するものである。
【0114】
フィラーの誘電率は以下のように測定した。上述のような比抵抗の測定と同様なセルを用い、荷重をかけた後に、静電容量を測定し、これより誘電率を求めた。静電容量の測定は、誘電体損測定器(安藤電気)を使用した。
【0115】
また、フィラーのpHも解像度やフィラーの分散性に大きく影響する。その理由の一つとしては、フィラー、特に金属酸化物は製造時に塩酸等が残存することが考えられる。その残存量が多い場合には、画像ボケの発生は避けられず、またそれは残存量によってはフィラーの分散性にも影響を及ぼす場合がある。
もう一つの理由としては、フィラー、特に金属酸化物の表面における帯電性の違いによるものである。通常、液体中に分散している粒子はプラスあるいはマイナスに帯電しており、それを電気的に中性に保とうとして反対の電荷を持つイオンが集まり、そこで電気二重層が形成されることによって粒子の分散状態は安定化している。粒子から遠ざかるに従いその電位(ゼータ電位)は徐々に低くなり、粒子から十分に離れて電気的に中性である領域の電位はゼロとなる。従って、ゼータ電位の絶対値の増加によって粒子の反発力が高くなることによって安定性は高くなり、ゼロに近づくに従い凝集しやすく不安定になる。一方、系のpH値によってゼータ電位は大きく変動し、あるpH値において電位はゼロとなり等電点を持つことになる。従って、系の等電点からできるだけ遠ざけて、ゼータ電位の絶対値を高めることによって分散系の安定化が図られることになる。
【0116】
本発明の構成においては、フィラーとしては前述の等電点におけるpHが、少なくとも5以上を示すものが画像ボケ抑制の点から好ましく、より塩基性を示すフィラーであるほどその効果が高くなる傾向があることが確認された。等電点におけるpHが高い塩基性を示すフィラーは、系が酸性であった方がゼータ電位はより高くなることにより、分散性及びその安定性は向上することになる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
【0117】
また更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al23、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。フィラーの表面処理量に関しては、上述のようにフィラー量に対する使用する表面処理剤の重量比で定義される。
【0118】
保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。なお、保護層と感光層の膜厚の和は25μm以下が適当であるが、好ましくは5〜23μm、より好ましくは10〜20μmである。
【0119】
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、分散液中でのフィラーの平均粒径は、1μm以下、好ましくは0.5μm以下にあること表面層の透過率の点から好ましい。保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。中でも、スプレー工法、リング塗工方法は有効な手段である。
また、保護層39には残留電位低減、応答性改良のため、電荷輸送物質を含有しても良い。電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を有しても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。また、保護層中のバインダー樹脂を前記高分子電荷輸送物質とすることも有効な手段である。ここで言う濃度とは、保護層を構成する全材料の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量の比を表し、濃度傾斜とは上記重量比において表面側において濃度が低くなるような傾斜を設けることを示す。
【0120】
以上のように高分子電荷輸送物質を含有する感光層(電荷輸送層)を有する感光体、保護層を有する感光体は、通常の感光体に比べて耐摩耗性が高いものである。このような感光体は、摩耗量が小さいため、画像形成装置中での繰り返し使用において摩耗量のバラツキが小さくなる。感光体の静電特性の変化(疲労特性)は、使用される電界強度に依存する。通常の画像形成装置では感光体への印加電圧(未露光部電位)は一定であるから、摩耗量が大きくなると静電疲労が加速される。また、感光体の帯電能、光感度も感光層の膜厚に依存し、摩耗が進むと感光体としての性能が落ちる。更には、摩耗量が大きい感光体は繰り返し使用における摩耗量のバラツキも大きい。このため、感光体1本内での特性のバラツキが大きくなってしまう。従って、耐摩耗性の高い感光体の使用は、機械的耐久性を高める以外にも静電的耐久性を高める点においても有利である。
【0121】
タンデム方式のフルカラー画像形成装置においては、上記の効果は更に顕著なものになる。即ち、タンデム方式においては、複数の画像形成要素が用いられる。この際、複数の画像形成要素間の感光体の静電特性の変化および摩耗量のバラツキが大きいと、色再現性が悪くなるというカラー機では致命的な欠点を有することになってしまう。上述のように、耐摩耗性の高い感光体を使用することにより、複数の画像形成要素間の感光体の静電特性の変化および摩耗量のバラツキが低減され、繰り返し使用によっても色再現性が良好なタンデム方式のフルカラー画像形成装置を設計することが可能になる。
【0122】
本発明の感光体においては感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどがあげられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0123】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
【0124】
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
【0125】
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0126】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0127】
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0128】
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0129】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0130】
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0131】
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0132】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0133】
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0134】
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0135】
(g)エポキシ系可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0136】
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0137】
(i)含塩素系可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0138】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0139】
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0140】
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0141】
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0142】
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0143】
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0144】
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0145】
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0146】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0147】
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0148】
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0149】
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0150】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0151】
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
【0152】
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
【0153】
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0154】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0155】
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0156】
次に図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
【0157】
図5は、電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例もある。
図5において、感光体1は透光性支持体上に、少なくとも高分子電荷輸送物質を含有する感光層もしくは表面に保護層が設けられてなる。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電部材8、転写前チャージャー7、転写チャージャー10、分離チャージャー11、クリーニング前チャージャー13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラーを始めとする公知の手段が用いられる。帯電部材は、感光体に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。
また、帯電用部材により感光体に帯電を施す際、帯電部材に直流成分に交流成分を重畳した電界により感光体に帯電を与えることにより、帯電ムラを低減することが可能で効果的である。
【0158】
ここでいう接触方式の帯電部材とは、感光体表面に帯電部材の表面が接触するタイプのものであり、帯電ローラー、帯電ブレード、帯電ブラシの形状がある。中でも帯電ローラーや帯電ブラシが良好に使用される。
【0159】
また、近接配置した帯電部材とは、感光体表面と帯電部材表面の間に200μm以下の空隙(ギャップ)を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。空隙の距離から、コロトロン、スコロトロンに代表される公知の帯電器とは区別されるものである。本発明において使用される近接配置された帯電部材は、感光体表面との空隙を適切に制御できる機構のものであればいかなる形状のものでも良い。例えば、感光体の回転軸と帯電部材の回転軸を機械的に固定して、適正ギャップを有するような配置にすればよい。中でも、帯電ローラーの形状の帯電部材を用い、帯電部材の非画像形成部両端にギャップ形成部材を配置して、この部分のみを感光体表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる、あるいは感光体非画像形成部両端ギャップ形成部材を配置して、この部分のみを帯電部材表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる様な方法が、簡便な方法でギャップを安定して維持できる方法である。特に特願平13−211448号、特願平13−226432号に記載された方法は良好に使用できる。帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を図9に示す。
【0160】
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図5に示されるように転写チャージャー10と分離チャージャー11を併用したものが効果的である。
【0161】
また、画像露光部5の光源には450nm以短の光源が用いられる。好ましくはLDもしくはLEDが用いられる。除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これら画像露光部は感光体の内側に配置され、感光体の裏面(支持体側)より露光されることが好ましい。光源を感光体内側に配置することにより、装置のコンパクト化を図ることも可能であるし、450nm以短の光源に対して、使用できる高分子電荷輸送物質の選択の幅が広がる、あるいは保護層の設計の自由度が増すことになり、有効である。
【0162】
かかる光源等は、図5に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0163】
さて、現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およびブレード15により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0164】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0165】
図6には、電子写真プロセスの別の例を示す。感光体21は透光性支持体上に、少なくとも高分子電荷輸送物質を含有する感光層もしくは表面に保護層を設けられてなる。駆動ローラー22a、22bにより駆動され、帯電器23による帯電、光源24による像露光、現像(図示せず)、帯電器25を用いる転写、光源26によるクリーニング前露光、ブラシ27によるクリーニング、光源28による除電が繰返し行なわれる。
図6においては、感光体21(勿論支持体が透光性である)に支持体側より画像露光の光照射が行なわれる。
また、画像露光源は、450nm以短の光源であり、LDもしくはLEDが好ましく用いられる。
【0166】
以上の図示した電子写真プロセスは、実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図6において感光層側よりクリーニング前露光を行っているが、これは透光性支持体側から行ってもよいし、また、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0167】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図7に示すものがあげられる。感光体71は、透光性支持体上に、少なくとも高分子電荷輸送物質を含有する感光層もしくは表面に保護層が設けられてなるものである。また、画像露光源は、450nm以短の光源であり、LDもしくはLEDが好ましく用いられる。
【0168】
図10は、本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図10において、符号1C、1M、1Y、1Kはドラム状の感光体であり、この感光体1C、1M、1Y、1Kは図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材2C、2M、2Y、2K、現像部材4C、4M、4Y、4K、クリーニング部材5C、5M、5Y、5Kが配置されている。帯電部材2C、2M、2Y、2Kは、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材2C、2M、2Y、2Kと現像部材4C、4M、4Y、4Kの間の感光体裏面側より、図示しない露光部材からのレーザー光3C、3M、3Y、3Kが照射され、感光体1C、1M、1Y、1Kに静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体1C、1M、1Y、1Kを中心とした4つの画像形成要素6C、6M、6Y、6Kが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト10に沿って並置されている。転写搬送ベルト10は各画像形成ユニット6C、6M、6Y、6Kの現像部材4C、4M、4Y、4Kとクリーニング部材5C、5M、5Y、5Kの間で感光体1C、1M、1Y、1Kに当接しており、転写搬送ベルト10の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ11C、11M、11Y、11Kが配置されている。各画像形成要素6C、6M、6Y、6Kは現像装置内部のトナーの色が異なるのと、本発明に係わる黒色トナー像形成用帯電部材2KにDC成分のみを印可し、黒色以外のトナー像用帯電部材2C、2M、2YにDC成分にAC成分を重畳した交番電界を印可するものであり、その他は全て同様の構成となっている。
【0169】
図10に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行われる。
まず、各画像形成要素6C、6M、6Y、6Kにおいて、感光体1C、1M、1Y、1Kが矢印方向(感光体と連れ周り方向)に回転する帯電部材2C、2M、2Y、2Kにより帯電され、次に感光体の内側に配置された露光部(図示しない)でレーザー光3C、3M、3Y、3Kにより、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。なお、露光手段に用いられる光源は、波長域が450nm以短のLDもしくはLEDである。
次に現像部材4C、4M、4Y、4Kにより潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材4C、4M、4Y、4Kは、それぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナーで現像を行う現像部材で、4つの感光体1C、1M、1Y、1K上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。転写紙7は給紙コロ8によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ9で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト10に送られる。転写搬送ベルト10上に保持された転写紙7は搬送されて、各感光体1C、1M、1Y、1Kとの当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行われる。感光体上のトナー像は、転写ブラシ11C、11M、11Y、11Kに印加された転写バイアスと感光体1C、1M、1Y、1Kとの電位差から形成される電界により、転写紙7上に転写される。
そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙7は定着装置12に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体1C、1M、1Y、1K上に残った残留トナーは、クリーニング装置5C、5M、5Y、5Kで回収される。
【0170】
なお、図10の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(6C、6M、6Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。更に、図10において帯電部材は感光体と当接しているが、両者の間に適当なギャップ(10〜200μm程度)を設けてやることにより、両者の摩耗量が低減できると共に、帯電部材へのトナーフィルミングが少なくて済み良好に使用できる。
【0171】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、各々の電子写真要素はプロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの装置(部品)である。
【0172】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表わす。
【0173】
(感光体作製例1)
透光性支持体として、特開平11−288115号公報、実施例1に記載の方法に準じて、下記のように円筒状基体を作製し、更に導電層を同様に塗工したものを準備した。
この支持体上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、0.3μmの下引き層、405nmの透過率が25%になる膜厚の電荷発生層、24μmの電荷輸送層からなる電子写真感光体を形成した。
【0174】
透光性導電性支持体の作製
メタクリル酸ベンジルモノマーとメタクリル酸メチルモノマーを40:60(モル比)に混合して、アゾビスイソブチルニトリルを添加し、50℃−3時間加熱して予備重合を行い、更にこの重合性液体を内径100mm、長さ600mmの円筒状の型に注入し、60℃−9時間の加熱処理を行い、室温までゆっくり冷却して、型から取りだし、長さ340mmになるように切断して、基体を得た。更に、導電性塗料(住友金属鉱山製:X−101H)をトルエンで希釈して、上記基体上に0.5μmの導電層を塗布した。
【0175】
下引き層塗工液:
水溶性ポリビニルアセタール 3部
メタノール 70部
イオン交換水 30部
【0176】
電荷発生層塗工液:
図8のX線回折スペクトルを示すチタニルフタロシアニン 10部
(特開2001−19871号公報に記載のチタニルフタロシアニン)
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
【0177】
電荷輸送層塗工液:
下記構造式の高分子電荷輸送物質 10部
【化39】
Figure 0003883456
(MW:130000)
下記構造の化合物 0.5部
【化40】
Figure 0003883456
塩化メチレン 100部
【0178】
(感光体作製例2)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液中に含有される高分子電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【化41】
Figure 0003883456
(MW:135000)
【0179】
(感光体作製例3)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液中に含有される高分子電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【化42】
Figure 0003883456
(MW:125000)
【0180】
(感光体作製例4)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液中に含有される高分子電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【化43】
Figure 0003883456
(MW:130000)
【0181】
(感光体作製例5)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液中に含有される高分子電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【化44】
Figure 0003883456
(MW:140000)
【0182】
(感光体作製例6)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液中に含有される高分子電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【化45】
Figure 0003883456
(MW:140000)
【0183】
(感光体作製例7)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液中に含有される高分子電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【化46】
Figure 0003883456
(MW:150000)
【0184】
(感光体作製例8)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液中に含有される高分子電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【化47】
Figure 0003883456
(MW:143000)
【0185】
(感光体作製例9)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液中に含有される高分子電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【化48】
Figure 0003883456
(MW:120000)
【0186】
(感光体作製例10)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液中に含有される高分子電荷輸送物質を下記構造のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【化49】
Figure 0003883456
(MW:138000)
【0187】
(感光体作製例11)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【0188】
電荷輸送層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化50】
Figure 0003883456
テトラヒドロフラン 100部
【0189】
(感光体作製例12)
感光体作製例1における電荷発生層の膜厚を、405nmの透過率で35%になるように変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【0190】
(感光体作製例13)
感光体作製例1における電荷発生層の膜厚を、405nmの透過率で50%になるように変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【0191】
(感光体作製例14)
感光体作製例1における電荷輸送層の膜厚を、20μmになるように変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【0192】
(感光体作製例15)
感光体作製例1における電荷輸送層の膜厚を、30μmになるように変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
【0193】
(感光体作製例16)
感光体作製例1における透光性支持体を同じ長さ、太さの円筒状アルミドラム(非透光性)に変更した以外は、感光体作製例1と同様にアルミドラム上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を塗工して、感光体を作製した。
【0194】
(感光体作製例17)
感光体作製例2における透光性支持体を同じ長さ、太さの円筒状アルミドラム(非透光性)に変更した以外は、感光体作製例2と同様にアルミドラム上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を塗工して、感光体を作製した。
【0195】
(感光体作製例18)
感光体作製例1と同じ透光性支持体(導電層付き)上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液、および保護層塗工液を順次塗布乾燥し、0.3μmの下引き層、405nmの透過率が25%になる膜厚の電荷発生層、20μmの電荷輸送層、4μmの保護層を形成して感光体を作製した。
【0196】
Figure 0003883456
【0197】
電荷発生層塗工液:
下記構造のビスアゾ顔料 10部
【化51】
Figure 0003883456
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
【0198】
電荷輸送層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化52】
Figure 0003883456
テトラヒドロフラン 100部
【0199】
Figure 0003883456
【化53】
Figure 0003883456
Figure 0003883456
【0200】
(感光体作製例19)
感光体作製例18における電荷輸送層塗工液、保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、作製例18と同様に感光体を作製した。
【0201】
電荷輸送層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化54】
Figure 0003883456
テトラヒドロフラン 100部
【0202】
保護層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化55】
Figure 0003883456
Figure 0003883456
【0203】
(感光体作製例20)
感光体作製例18における電荷輸送層塗工液、保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、作製例18と同様に感光体を作製した。
電荷輸送層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化56】
Figure 0003883456
テトラヒドロフラン 100部
【0204】
保護層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化57】
Figure 0003883456
Figure 0003883456
【0205】
(感光体作製例21)
感光体作製例18における電荷輸送層塗工液、保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、作製例18と同様に感光体を作製した。
電荷輸送層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化58】
Figure 0003883456
テトラヒドロフラン 100部
【0206】
保護層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化59】
Figure 0003883456
Figure 0003883456
【0207】
(感光体作製例22)
感光体作製例18における電荷輸送層塗工液、保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、作製例18と同様に感光体を作製した。
電荷輸送層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化60】
Figure 0003883456
テトラヒドロフラン 100部
【0208】
保護層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化61】
Figure 0003883456
Figure 0003883456
【0209】
(感光体作製例23)
感光体作製例18における電荷輸送層塗工液、保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、作製例18と同様に感光体を作製した。
電荷輸送層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化62】
Figure 0003883456
テトラヒドロフラン 100部
【0210】
保護層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化63】
Figure 0003883456
Figure 0003883456
【0211】
(感光体作製例24)
感光体作製例18における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、作製例18と同様に感光体を作製した。
【0212】
保護層塗工液:
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
【化64】
Figure 0003883456
(MW:130000)
下記構造の化合物 0.5部
【化65】
Figure 0003883456
Figure 0003883456
【0213】
(感光体作製例25)
感光体作製例18における保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体を作製した。
【0214】
保護層塗工液:
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
【化66】
Figure 0003883456
(MW:130000)
下記構造の化合物 0.5部
【化67】
Figure 0003883456
Figure 0003883456
【0215】
(感光体作製例26)
感光体作製例18における電荷輸送層塗工液を下記組成のものとし、24μmの電荷輸送層を設け、保護層を無しとした以外は感光体作製例18と同様に感光体を作製した。
電荷輸送層塗工液:
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化68】
Figure 0003883456
テトラヒドロフラン 100部
【0216】
(感光体作製例27)
感光体作製例18における電荷発生層の膜厚を、405nmの透過率で35%になるように変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体を作製した。
【0217】
(感光体作製例28)
感光体作製例18における電荷発生層の膜厚を、405nmの透過率で50%になるように変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体を作製した。
【0218】
(感光体作製例29)
感光体作製例18における電荷輸送層の膜厚を、16μmになるように変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体を作製した。電荷輸送層と保護層の膜厚の和は20μmである。
【0219】
(感光体作製例30)
感光体作製例18における電荷輸送層の膜厚を、26μmになるように変更した以外は、感光体作製例18と同様に感光体を作製した。電荷輸送層と保護層の膜厚の和は30μmである。
【0220】
(感光体作製例31)
感光体作製例18における透光性支持体を同じ長さ、太さの円筒状アルミドラム(透光性)に変更した以外は、感光体作製例18と同様にアルミドラム上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を塗工して、感光体を作製した。
【0221】
(感光体作製例32)
感光体作製例19における透光性支持体を同じ長さ、太さの円筒状アルミドラム(非透光性)に変更した以外は、感光体作製例19と同様にアルミドラム上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を塗工して、感光体を作製した。
【0222】
(実施例1〜10・・・いずれも参考例、比較例1)
感光体作製例1〜11で作製した感光体を図7に示す電子写真装置用プロセスカートリッジ(ただし、帯電部材はスコロトロン方式チャージャー)に装着し、実装用のカートリッジとした。これを電子写真装置に装着し、画像露光光源を405nmの半導体レーザーとして感光体の内側より入射し、連続して1万枚の印刷を行い、その時の画像を初期と1万枚後に評価した(常温常湿下)。また、1万枚印刷前後における、現像部位置での感光体画像露光部電位を測定した。以上の結果は、表33に併せて示す。
【0223】
【表33】
Figure 0003883456
注)実施例1〜10は参考例である。
【0224】
実施例1(参考例)および比較例1で使用した感光体の1万枚ラン前後で感光体膜厚測定を行い、摩耗量の比較を行った。その結果、比較例1で使用した感光体の摩耗量は、実施例1(参考例)で使用した感光体の約2.5倍の摩耗量であった。
【0225】
(実施例11〜20・・・いずれも参考例
感光体作製例1〜10で作製した感光体を実施例1(参考例)と同じ電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、同様の評価を行った。ただし、画像露光光源を405nmの半導体レーザーとして感光体の外側より入射した。この際、実施例1〜10(いずれも参考例)の場合と同じ光量で露光した場合、電荷輸送層の吸収によると思われるが、露光部電位が高い値が得られ、画像濃度がかなり低い画像が得られた。
そこで、光量を適宜大きくして(およそ2倍程度)、実施例1〜10(いずれも参考例)と露光部電位が同じ程度になるように光量を調節した。
このような条件で連続して1万枚の印刷を行い、その時の画像を初期と1万枚後に評価した(常温常湿下)。また、1万枚印刷前後における、現像部位置での感光体画像露光部電位を測定した。以上の結果は、表34に併せて示す。
【0226】
【表34】
Figure 0003883456
注)実施例11〜20は参考例である。
【0227】
表33と表34の結果から、感光体表面側から露光した場合には、繰り返し使用における露光部電位の上昇が顕著であることがわかる。この原因は、書き込み光を電荷輸送物質が吸収して、材料の劣化を生じたことに基づくものであると考えられる。
【0228】
(実施例21〜22・・・いずれも参考例
感光体作製例1、12、13で作製した感光体を実施例1(参考例)と同じ条件で1万枚の画像評価を行った。但し、電荷発生層の膜厚が異なるため、何れの感光体でも初期の露光部電位が−80±5(V)になるように露光量を調節した。このような条件下で1万枚のランニングテストを行った結果を、実施例1(参考例)の結果と併せて表35に示す。
【0229】
【表35】
Figure 0003883456
注)実施例1、21、22は参考例である。
【0230】
表35の結果から、電荷発生層の透過率が高くなるに従い、繰り返し使用において露光部電位が上昇する傾向にあることがわかる。
【0231】
(実施例23〜25・・・いずれも参考例
感光体作製例1、14、15で作製した感光体を用い、実施例1(参考例)と同じ条件で画像を出力し、解像度の評価を行った。結果を表36に示す。
【表36】
Figure 0003883456
注)実施例23〜25は参考例である。
表36の結果から、電荷輸送層の膜厚が薄いほど、解像度が良好なことが分かる。
【0232】
(比較例2〜3)
感光体作製例16、17で作製した感光体を実施例11(参考例)と同様に、感光体の外側から露光を行い、画像評価を行った。その結果、何れの場合にもハーフトーン画像においてモアレを生じた。一方、実施例1、2(いずれも参考例)の結果から分かるように、透光性支持体を用いた感光体を感光体の内側から露光した場合には、モアレは生じなかった。
【0233】
(実施例26・・・参考例
実施例1(参考例)で使用した電子写真装置の帯電部材をスコロトロン・チャージャーから帯電ローラーに変更し、帯電ローラーが感光体に接触するように配置した。この装置に感光体作製例1で作製した感光体を搭載し、下記の帯電条件で、実施例1(参考例)と同様の評価を行った。
帯電条件:
DCバイアス:−950V
(結果)初期及び1万枚目の画像はいずれも良好であったが、1万枚後の画像には帯電ローラー汚れ(トナーフィルミング)に基づく、ごく僅かな異常画像(地汚れ)が認められた。しかしながら、連続プリント時のオゾン臭は実施例1(参考例)の場合に比べて、格段に少なかった。
【0234】
(実施例27・・・参考例
実施例26(参考例)で使用した帯電ローラーの両端部に厚さ50μm、幅5mmの絶縁テープを張り付け、帯電ローラー表面と感光体表面との間に空間的なギャップ(50μm)を有するように配置した。その他の条件は実施例26(参考例)と全く同様に評価を行った。
(結果)実施例26(参考例)で認められた帯電ローラー汚れは、全く認められず、初期及び1万枚目の画像はいずれも良好であった。しかしながら、1万枚後にハーフトーン画像を出力した際、ごく僅かではあるが、帯電ムラに基づく画像ムラが認められた。
【0235】
(実施例28・・・参考例
実施例27(参考例)の評価において、帯電条件を以下のように変更した以外は実施例27(参考例)と同様の評価を行った。
帯電条件:
DCバイアス:−950V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
(結果)初期及び1万枚後の画像は良好であった。実施例26(参考例)で認められた帯電ローラー汚れ、実施例27(参考例)で認められたハーフトーン画像ムラは、全く認められなかった。
【0236】
(実施例29・・・参考例
感光体作製例1で作製した感光体を実施例1(参考例)と同じ電子写真装置にて画像出力を行い、解像度の評価を行った。但し、実施例23(参考例)の場合と異なり、画像露光光源を780nmの半導体レーザーとした。
(結果)解像度は、5.0〜5.6本/mmであった。実施例23(参考例)との比較から、露光光源の短波長化により、高い解像度が得られることが分かる。
【0237】
(実施例30〜37・・・いずれも参考例、比較例4)
感光体作製例18〜26で作製した感光体を図5に示す電子写真装置(ただし、帯電部材はスコロトロン方式チャージャー)に装着し、画像露光光源を405nmの半導体レーザーとして感光体の内側より入射し、連続して2万枚の印刷を行い、その時の画像を初期と2万枚後に評価した(常温常湿下)。また、2万枚印刷前後における、現像部位置での感光体画像露光部電位を測定した。以上の結果は、表37に併せて示す。
【0238】
【表37】
Figure 0003883456
注)実施例30〜37は参考例である。
【0239】
実施例30(参考例)および比較例4で使用した感光体の2万枚ラン前後で感光体膜厚測定を行い、摩耗量の比較を行った。その結果、比較例4で使用した感光体の摩耗量は、実施例30(参考例)で使用した感光体の約4倍の摩耗量であった。
【0240】
(実施例38〜45・・・いずれも参考例
感光体作製例18〜25で作製した感光体を実施例1(参考例)と同じ電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、同様の評価を行った。ただし、画像露光光源を405nmの半導体レーザーとして感光体の外側より入射した。この際、実施例30〜37(いずれも参考例)の場合と同じ光量で露光した場合、電荷輸送層の吸収によると思われるが、露光部電位が高い値が得られ、画像濃度がかなり低い画像が得られた。そこで、光量を適宜大きくして(およそ2倍程度)、実施例30〜37(いずれも参考例)と露光部電位が同じ程度になるように光量を調節した。このような条件で連続して2万枚の印刷を行い、その時の画像を初期と2万枚後に評価した(常温常湿下)。また、2万枚印刷前後における、現像部位置での感光体画像露光部電位を測定した。以上の結果は、表38に併せて示す。
【0241】
【表38】
Figure 0003883456
注)実施例38〜45は参考例である。
【0242】
表37と表38の結果から、感光体表面側から露光した場合には、繰り返し使用における露光部電位の上昇が顕著であることがわかる。この原因は、書き込み光を電荷輸送物質が吸収して、材料の劣化を生じたことに基づくものであると考えられる。
【0243】
(実施例46〜47・・・いずれも参考例
感光体作製例18、27、28で作製した感光体を実施例30(参考例)と同じ条件で2万枚の画像評価を行った。但し、電荷発生層の膜厚が異なるため、何れの感光体でも初期の露光部電位が−80±5(V)になるように露光量を調節した。このような条件下で2万枚のランニングテストを行った結果を、実施例20(参考例)の結果と併せて表39に示す。表39の結果から、電荷発生層の透過率が高くなるに従い、繰り返し使用において露光部電位が上昇する傾向にあることがわかる。
【0244】
【表39】
Figure 0003883456
注)実施例30、46、47は参考例である。
【0245】
(実施例48〜50・・・いずれも参考例
感光体作製例18、29、30で作製した感光体を用い、実施例30(参考例)と同じ条件で画像を出力し、解像度の評価を行った。結果を表40に示す。表40の結果から、電荷輸送層と保護層の膜厚の合計が薄いほど、解像度が良好なことが分かる。
【表40】
Figure 0003883456
注)実施例48〜50は参考例である。
【0246】
(比較例5〜6)
感光体作製例31、32で作製した感光体を実施例38(参考例)と同様に、感光体の外側から露光を行い、画像評価を行った。その結果、何れの場合にもハーフトーン画像においてモアレを生じた。一方、実施例30、31(いずれも参考例)の結果から分かるように、透光性支持体を用いた感光体を感光体の内側から露光した場合には、モアレは生じなかった。
【0247】
(実施例51・・・参考例
実施例30(参考例)使用した電子写真装置の帯電部材をスコロトロン・チャージャーから帯電ローラーに変更し、帯電ローラーが感光体に接触するように配置した。この装置に感光体作製例18で作製した感光体を搭載し、下記の帯電条件で、実施例30(参考例)と同様の評価を行った。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
(結果)初期及び2万枚目の画像はいずれも良好であったが、2万枚後の画像には帯電ローラー汚れ(トナーフィルミング)に基づく、ごく僅かな異常画像(地汚れ)が認められた。しかしながら、連続プリント時のオゾン臭は実施例30(参考例)の場合に比べて、格段に少なかった。
【0248】
(実施例52・・・参考例
実施例51(参考例)で使用した帯電ローラーの両端部に厚さ50μm、幅5mmの絶縁テープを張り付け、帯電ローラー表面と感光体表面との間に空間的なギャップ(50μm)を有するように配置した。その他の条件は実施例51(参考例)と全く同様に評価を行った。
(結果)実施例51(参考例)で認められた帯電ローラー汚れは、全く認められず、初期及び2万枚目の画像はいずれも良好であった。しかしながら、2万枚後にハーフトーン画像を出力した際、ごく僅かではあるが、帯電ムラに基づく画像ムラが認められた。
【0249】
(実施例53・・・参考例
実施例52(参考例)の評価において、帯電条件を以下のように変更した以外は実施例52(参考例)と同様の評価を行った。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:1.8kV(peak to peak)、周波数1.8kHz
(結果)初期及び2万枚後の画像は良好であった。実施例51(参考例)で認められた帯電ローラー汚れ、実施例52(参考例)で認められたハーフトーン画像ムラは、全く認められなかった。
【0250】
(比較例7)
感光体作製例18で作製した感光体を実施例48(参考例)と同じ電子写真装置にて画像出力を行い、解像度の評価を行った。但し、実施例48(参考例)の場合と異なり、画像露光光源を655nmの半導体レーザーとした。
(結果)解像度は、5.6〜6.3本/mmであった。実施例48(参考例)との比較から、露光光源の短波長化により、高い解像度が得られることが分かる
【0251】
(実施例54・・・参考例
実施例27(参考例)において、帯電ローラーの両端部の絶縁テープの厚みを、50μmから150μmに変更した以外は、実施例27(参考例)と同様の評価を行った。その結果、実施例27(参考例)と同様に、初期及び1万枚後の画像は良好であり、帯電ローラー汚れ、ハーフトーン画像ムラは認められなかった。
【0252】
(実施例55・・・参考例
実施例27(参考例)において、帯電ローラーの両端部の絶縁テープの厚みを、50μmから220μmに変更した以外は、実施例27(参考例)と同様の評価を行った。その結果、実施例27(参考例)と同様に、初期及び1万枚後の画像は良好であった。しかしながら、1万枚後にハーフトーン画像を出力した際、ごく僅かではあるが、帯電ムラに基づく画像ムラが認められた。
【0253】
(実施例56〜57、比較例8)
感光体作製例1〜2、11の感光体を図10に示すようなタンデム方式のフルカラー画像形成装置(4つの全ての画像形成要素には同じ感光体)に搭載し、以下のプロセス条件にて1万枚のフルカラー画像出力を行った。結果を表41に示す。
・帯電条件(帯電部材は、実施例27(参考例)に使用した近接配置用帯電部材である)
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件
405nmの半導体レーザー(感光体の内側より書き込み)
【0254】
【表41】
Figure 0003883456
【0255】
(実施例58〜59、比較例9)
感光体作製例18、24、26の感光体を図10に示すようなタンデム方式のフルカラー画像形成装置(4つの全ての画像形成要素には同じ感光体)に搭載し、以下のプロセス条件にて2万枚のフルカラー画像出力を行った。結果を表42に示す。
・帯電条件(帯電部材は、実施例52(参考例)に使用した近接配置用帯電部材である)
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件
405nmの半導体レーザー(感光体の内側より書き込み)
【0256】
【表42】
Figure 0003883456
【0257】
(実施例60〜62)
感光体作製例1、14、15で作製した感光体を用い、実施例56と同じ条件で画像を出力し、解像度の評価を行った。結果を表43に示す。表43の結果から、電荷輸送層の膜厚が薄いほど、解像度が良好なことが分かる。
【表43】
Figure 0003883456
【0258】
(実施例63〜65)
感光体作製例18、29、30で作製した感光体を用い、実施例58と同じ条件で画像を出力し、解像度の評価を行った。結果を表44に示す。表44の結果から、電荷輸送層と保護層の膜厚の合計が薄いほど、解像度が良好なことが分かる。
【表44】
Figure 0003883456
【0259】
(実施例66〜67
感光体作製例18、27、28で作製した感光体を実施例58と同じ条件で2万枚の画像評価を行った。但し、電荷発生層の膜厚が異なるため、何れの感光体でも初期の露光部電位が−70±5(V)になるように露光量を調節した。このような条件下で2万枚のランニングテストを行った結果を、実施例58の結果と併せて表45に示す。表45の結果から、電荷発生層の透過率が高くなるに従い、繰り返し使用において露光部電位が上昇する傾向にあることがわかる。
【表45】
Figure 0003883456
【0260】
(実施例68)
実施例56において、帯電ローラーの両端部の絶縁テープの厚みを、50μmから150μmに変更した以外は、実施例56と同様の評価を行った。
その結果、実施例56と同様に、初期及び1万枚後の画像は良好であり、帯電ローラー汚れ、ハーフトーン色ムラは認められなかった。
【0261】
(実施例69)
実施例56において、帯電ローラーの両端部の絶縁テープの厚みを、50μmから220μmに変更した以外は、実施例56と同様の評価を行った。
その結果、実施例56と同様に、初期及び1万枚後の画像は良好であった。しかしながら、1万枚後にハーフトーン画像を出力した際、ごく僅かではあるが、帯電ムラに基づく色ムラが認められた。
【0262】
【発明の効果】
本発明によれば、高耐久で繰り返し使用に対し安定な高画質画像を作像できる画像形成装置が提供される。
詳しくは、450nm以短の画像光を用い、感光体に高密度な書き込みをすることにより、形成される静電潜像のドット径を小さくすることにより、高画質化を達成すると共に、このような短波長書き込みを行った際に発生し得る不具合点が起こり得ない構成の感光体を搭載した画像形成装置が提供される。
具体的には、透明支持体上に少なくとも高分子電荷輸送物質を含有する感光層を有する感光体もしくは感光層上に保護層を有する感光体を用い、感光体の内側より波長域が450nmの以短のLDもしくはLEDからなる光源を用いて画像光を照射することにより、静電潜像を形成するタンデム方式画像形成装置である。
【0263】
また本発明によれば、特定の高分子電荷輸送物質を感光層に含有することにより高速応答性が実現される。また、高分子電荷輸送物質を感光体表面に含有する、あるいは表面保護層を有することにより、高耐摩耗性な感光体を有する高耐久な画像形成装置が提供される。更に、レーザー光のような可干渉光を用いた画像形成で生じるモアレを本質的に起こらないような画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される電子写真感光体の層構成を表わした図である。
【図2】本発明に使用される別の電子写真感光体の層構成を表わした図である。
【図3】本発明に使用される別の電子写真感光体の層構成を表わした図である。
【図4】本発明に使用されるさらに別の電子写真感光体の層構成を表わした図である。
【図5】像形成装置の概略を表わした図である。
【図6】の画像形成装置の概略を表わした図である。
【図7】像形成装置で用いられるプロセスカートリッジの一例を示した概略図である。
【図8】感光体作製例1で用いたチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトルを表わした図である。
【図9】非接触帯電機構を示す概略図である(ギャップ保持機構が帯電部材側に形成されている)。
【図10】本発明のフルカラー画像形成装置の説明用概略図である。

Claims (19)

  1. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、および電子写真感光体を具備してなる画像形成要素を複数有する画像形成装置であって、該電子写真感光体が透光性支持体上に高分子電荷輸送物質を含有する感光層を有する感光体であり、かつ該露光手段に用いられる光源がその波長域が450nm以短のLDもしくはLEDであり、画像露光を感光体の内側より照射することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光体の感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成よりなり、かつ少なくとも該電荷輸送層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記高分子電荷輸送物質が少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記高分子電荷輸送物質が下記一般式(VII)〜(XVI)で表される物質より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。(VII)式
    Figure 0003883456
    〔式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
    Figure 0003883456
    (R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
    Figure 0003883456
    (aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。)〕
    (VIII)式
    Figure 0003883456
    (式中、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
    (IX)式
    Figure 0003883456
    (式中、R、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
    (X)式
    Figure 0003883456
    (式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
    (XI)式
    Figure 0003883456
    (式中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
    (XII)式
    Figure 0003883456
    (式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
    (XIII)式
    Figure 0003883456
    (式中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
    (XIV)式
    Figure 0003883456
    (式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
    (XV)式
    Figure 0003883456
    (式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
    (XVI)式
    Figure 0003883456
    (式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(VII)式の場合と同じである。)
  5. 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなり、該電荷輸送層の膜厚が25μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、および電子写真感光体を具備してなる画像形成要素を複数有する画像形成装置であって、該電子写真感光体が透光性支持体上に少なくとも感光層と保護層を有する感光体であり、かつ露光手段に用いられる光源がその波長域が450nm以短のLDもしくはLEDであり、画像露光を感光体の内側より照射することを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記保護層にフィラーを含有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記保護層に含有されるフィラーが無機顔料であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記保護層に含有される電荷輸送物質が、下記一般式(I)〜(VI)で表される物質より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
    Figure 0003883456
    (式中、R、R、RおよびRは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは置換又は無置換のアリール基を表し、Ar2は置換もしくは無置換のアリーレン基を表し、RとArは共同で環を形成してもよく、またnは0または1の整数である。)
    Figure 0003883456
    (式中、Rは低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、lは0〜4の整数を表し、R、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表わす。)
    Figure 0003883456
    (式中、R、RおよびR10は、水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
    Figure 0003883456
    (式中、A、Aは置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。Arは置換または無置換の縮合多環式炭化水素を表す。)
    Figure 0003883456
    (式中、Arは芳香族基、R11は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。pは0又は1、qは1または2であって、p=0、q=1の場合、ArとR11は共同で環を形成しても良い。)
    Figure 0003883456
    (式中、R12、R13は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のアルキル基、14、R15は水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、16は水素原子、低級アルキル基又はアルコキシ基を表す。Wは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、rは1〜5の整数、sは1〜4の整数、tは0〜2の整数、uは1〜3の整数、vは1〜2の整数を表す。)
  11. 前記保護層に含有される電荷輸送物質が、高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  12. 前記高分子電荷輸送物質が、少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記高分子電荷輸送物質が前記一般式(VII)〜(XVI)で表される物質より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置。
  14. 前記感光層と保護層の膜厚の和が25μm以下であることを特徴とする請求項6〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなり、該電荷発生層の画像光に対する透過率が30%以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 前記帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. 前記帯電部材と感光体間の空隙が200μm以下であることを特徴とする請求項16記載の画像形成装置。
  18. 前記帯電手段が直流成分に交流成分を重畳し、感光体に帯電を与えることを特徴とする請求項16又は17に記載の画像形成装置。
  19. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段より選ばれる1つの手段と感光体が一体に支持されたプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の画像形成装置。
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