JP3883372B2 - 建設用鋼管部材、及び建設用鋼管部材の施工方法 - Google Patents

建設用鋼管部材、及び建設用鋼管部材の施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非開削方式によるトンネル構築工事等におけるパイプルーフ等に用いる建設用鋼管部材、及びこの建設用鋼管部材を用いた施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、鉄道線路105の下方に、非開削方式でトンネル等の地下構造物101を構築する方法として、建設用鋼管部材104を軌道下に挿入し、建設用鋼管部材104を、図6(A)に示すような第1継手112及び第2継手113により順次連結して、屋根状の構造体(以下、「パイプルーフ」という。)を線路下に形成し、このパイプルーフによって上方の軌道荷重を仮受けし、下方に地下構造物を構築する工法(以下、「パイプルーフ工法」という。)が知られている。
【0003】
このパイプルーフ工法においては、地表面の陥没を防止し、地表の変状範囲が拡大しないようにするため、建設用鋼管部材104の近傍の地盤内に、セメントミルク等の注入材を注入して硬化させ、地盤のゆるみを防ぐ「裏込め注入」を併用する必要がある。
【0004】
従来は、建設用鋼管部材104に、鋼管の内部と外部を連通する注入孔(図示せず)を開設し、鋼管の内部から地盤へ向けて注入材の注入を行っていた。この方法では、建設用鋼管部材104の地盤挿入延長が長い場合や、注入を確実に行おうとする場合などに、注入孔の数を多くすると、注入の手間が増え、工期及び工事費が増大する。
【0005】
この点を改良した工法として、図6(A)に示すように、例えば、第2継手113に管状部113aを設け、図6(B)に示すように、この管状部113aの内部に注入用ホース122を挿入する。注入用ホース122の途中には、管状部113aの内壁に密着するパッカー123が設けられており、パッカー123の開口(図示せず)と、管状部113aに設けられた注入孔113hとを合致させ、外部の地盤102へ向けて注入材Gを注入していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した裏込め注入工法においては、パッカー123を用いるため高価であり、建設用鋼管部材104の延長が長い場合には、パッカー123を管内空間113kに挿入していくことは困難となる。
【0007】
また、鋼管間隔L2は規格として一定であるため、パイプルーフの施工寸法L1に対して端数がでた場合には、建設用鋼管部材104の本数を1本増やして挿入する必要があった。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、裏込め注入の施工が容易かつ低コストであり、鋼管間隔の調整が可能な建設用鋼管部材と、この建設用鋼管部材を用いた施工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る第1の建設用鋼管部材は、
鋼からなり管状に形成された鋼管本体と、
前記鋼管本体の外側に鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第1脚部と、前記第1脚部に接合される第1嵌合部を有する第1継手と、
前記鋼管本体の外側に前記鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第2脚部と、前記第2脚部に接合される第2嵌合部を有する第2継手を備える建設用鋼管部材であって、
一つの建設用鋼管部材の第1継手の第1嵌合部と、他の建設用鋼管部材の第2継手の第2嵌合部を嵌合させることにより、2つの建設用鋼管部材を連結可能に構成し、
前記第1脚部又は前記第2脚部のいずれか一方である注入用脚部の内部空間と前記鋼管本体の内部空間とを連通する内部連通孔を開設するとともに、前記注入用脚部の内部空間と外部とを連通する複数の外部連通孔を開設し、前記注入用脚部の開放された両端部を閉塞して、前記内部連通孔と前記外部連通孔を介して地盤内へ注入材を注入するように構成したこと
を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る第2の建設用鋼管部材は、
鋼からなり管状に形成された鋼管本体と、
前記鋼管本体の外側に鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第1脚部と、前記第1脚部に接合される第1嵌合部を有する第1継手と、
前記鋼管本体の外側に前記鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第2脚部と、前記第2脚部に接合される第2嵌合部を有する第2継手を備える建設用鋼管部材であって、
一つの建設用鋼管部材の第1継手の第1嵌合部と、他の建設用鋼管部材の第2継手の第2嵌合部を嵌合させることにより、2つの建設用鋼管部材を連結可能に構成し、
前記第1脚部又は前記第2脚部の幅を適宜の値に設定することにより、一つの鋼管本体とこの鋼管本体に隣接する他の鋼管本体との間の間隔を調整可能なように構成したこと
を特徴とする。
【0011】
上記した第2の建設用鋼管部材において、好ましくは、前記第1脚部又は前記第2脚部の幅を所定値以上に設定することにより、一つの鋼管本体とこの鋼管本体に隣接する他の鋼管本体との間の間隔を所定間隔値以上にする。
【0012】
また、本発明に係る第1の建設用鋼管部材の施工方法は、
鋼からなり管状に形成された鋼管本体と、
前記鋼管本体の外側に鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第1脚部と、前記第1脚部に接合される第1嵌合部を有する第1継手と、
前記鋼管本体の外側に前記鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第2脚部と、前記第2脚部に接合される第2嵌合部を有する第2継手を備える建設用鋼管部材を用い、
一つの建設用鋼管部材の第1継手の第1嵌合部と、他の建設用鋼管部材の第2継手の第2嵌合部を嵌合させることにより、2つの建設用鋼管部材を連結し、
かつ、前記第1脚部又は前記第2脚部のいずれか一方である注入用脚部の内部空間と前記鋼管本体の内部空間とを連通する内部連通孔を開設するとともに、前記注入用脚部の内部空間と外部とを連通する複数の外部連通孔を開設し、前記注入用脚部の開放された両端部を閉塞して、前記内部連通孔と前記外部連通孔を介して地盤内へ注入材を注入すること
を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る第2の建設用鋼管部材の施工方法は、
鋼からなり管状に形成された鋼管本体と、
前記鋼管本体の外側に鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第1脚部と、前記第1脚部に接合される第1嵌合部を有する第1継手と、
前記鋼管本体の外側に前記鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第2脚部と、前記第2脚部に接合される第2嵌合部を有する第2継手を備える建設用鋼管部材を用い、
一つの建設用鋼管部材の第1継手の第1嵌合部と、他の建設用鋼管部材の第2継手の第2嵌合部を嵌合させることにより、2つの建設用鋼管部材を連結し、
かつ、前記第1脚部又は前記第2脚部の幅を適宜の値に設定することにより、一つの鋼管本体とこの鋼管本体に隣接する他の鋼管本体との間の間隔を調整すること
を特徴とする。
【0014】
上記した第2の建設用鋼管部材の施工方法において、好ましくは、前記第1脚部又は前記第2脚部の幅を所定値以上に設定することにより、一つの鋼管本体とこの鋼管本体に隣接する他の鋼管本体との間の間隔を所定間隔値以上にする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態である建設用鋼管部材の全体構成を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す建設用鋼管部材の継手の構成を示す断面図である。
【0017】
図1に示すように、この建設用鋼管部材10は、鋼管本体11と、第1継手12と、第2継手13を備えて構成されている。鋼管本体11は、鋼からなり、略円形断面の管状に形成されている。
【0018】
第1継手12は、図2(A)に示すように、第1脚部12aと、第1嵌合部12bを有している。第1脚部12aは、板状部12cと板状部12dを有している。板状部12cと板状部12dは、鋼からなり、略平板状に形成されている。板状部12cと12dは、鋼管本体11の外側において、鋼管本体11の長手軸方向(以下、「鋼管軸方向」という。)に延びるように配置され、板状部12cと板状部12dの端部(図2(A)における左端部)は、溶接等により鋼管本体11に接合されている。
【0019】
また、第1嵌合部12bは、突出部12fと突出部12gと仕切部12eを有しており、全体として略「C」字形状の断面を有している。突出部12fは、鋼からなり、略平板状の部材の一端(以下、「屈曲端」という。)12pが鉛直上方に屈曲し、全体として略「L」字形状の断面を有し、鋼管軸方向に延びるように配置されている。また、突出部12gは、鋼からなり、略平板状の部材の一端(以下、「屈曲端」という。)12rが鉛直下方に屈曲し、全体として略「L」字形状の断面を有し、鋼管軸方向に延びるように配置されている。
【0020】
突出部12fの屈曲端12pとは反対側の端部(図2(A)における左端部)は、板状部12cの端部(図2(A)における右端部)に接合されている。また、突出部12gの屈曲端12rとは反対側の端部(図2(A)における左端部)は、板状部12dの端部(図2(A)における右端部)に接合されている。
【0021】
また、仕切部12eは、鋼からなり、略平板状に形成され、鋼管軸方向に延びるように配置されている。また、仕切部12eの一端部(図2(A)における上端部)は、板状部12cと突出部12fの接合箇所に接合され、仕切部12eの他端部(図2(A)における下端部)は、板状部12dと突出部12gの接合箇所に接合されている。
【0022】
上記のような構成により、鋼管本体11と板状部12cと仕切部12eと板状部12dによって囲まれる空間(以下、「脚内空間」という。)12kが形成される。脚内空間12kは、第1脚部12aの内部空間に相当している。鋼管本体11には、内部連通孔11aが開設されており、この内部連通孔11aにより、脚内空間12kと、鋼管本体11の内部空間11cが連通している。
【0023】
また、第1脚部12aの板状部12cには、外部連通孔12hが開設されており、この外部連通孔12hにより、脚内空間12kと、第1脚部12aの外部が連通している。
【0024】
また、突出部12fと仕切部12eと突出部12gによって囲まれる空間(以下、「嵌合空間」という。)12nが形成される。嵌合空間12nは、開口部12mによって外部と連通している。
【0025】
第2継手13は、図2(B)に示すように、第2脚部13aと、第2嵌合部13bを有している。第2脚部13aは、U字状部13cを有している。U字状部13cは、鋼からなり、略「U」字状の断面形状を有している。このU字状部13cは、鋼管本体11の外側において、鋼管軸方向に延びるように配置され、U字状部13cの両端部(図2(B)における2つの右端部)は、溶接等により鋼管本体11に接合されている。
【0026】
また、第2嵌合部13bは、突出部13fを有しており、全体として略「T」字形状の断面を有している。突出部13fは、鋼からなり、鋼管軸方向に延びるように配置されている。突出部13fの端部(図2(B)における右端部)は、U字状部13cの端部(図2(B)における左端部)に接合されている。
【0027】
上記のような構成により、鋼管本体11とU字状部13cによって囲まれる空間(以下、「脚内空間」という。)13kが形成される。脚内空間13kは、第2脚部13aの内部空間に相当している。鋼管本体11には、内部連通孔11bが開設されており、この内部連通孔11bにより、脚内空間13kと、鋼管本体11の内部空間11cが連通している。
【0028】
また、第2脚部13aの下部には、外部連通孔13hが開設されており、この外部連通孔13hにより、脚内空間13kと、第2脚部13aの外部が連通している。
【0029】
次に、上記した建設用鋼管部材を用いてパイプルーフを施工する方法について、図3を参照しつつ説明する。
【0030】
まず、図3の左側に示すように、建設用鋼管部材10Aの内部に、オーガードリル等(図示せず)を配備し、建設用鋼管部材10Aの先端部又は内部の土砂等を掘削し、鋼管本体11Aの内部を通して掘削土砂等を除去する。この状態で、建設用鋼管部材10Aの後端を油圧ジャッキ装置(図示せず)等により鋼管軸方向に押圧すれば、図3の左側に示すように、建設用鋼管部材10Aを地中へ挿入することができる。
【0031】
次に、図3の右側に示すように、挿入された建設用鋼管部材10Aの第1継手12の後端部の嵌合空間12nに、他の建設用鋼管部材10Bの第2継手13の先端部の突出部13fをわずかに挿入し、建設用鋼管部材10Bの後端を油圧ジャッキ装置(図示せず)等により鋼管軸方向に押圧しつつオーガードリル等(図示せず)によって掘削することにより、建設用鋼管部材10Aの第1継手12に、他の建設用鋼管部材10Bの第2継手13を嵌合させながらスライドさせることができ、建設用鋼管部材10Bを建設用鋼管部材10Aの右隣部に連結させることができる。
【0032】
この場合、第1継手部12と第2継手13は、互いに嵌合することにより、鋼管軸方向に直角な方向(以下、「鋼管軸直角方向」という。)の力を互いに伝達することができる。
【0033】
以下、同様にして、既に挿入された建設用鋼管部材10Bの右隣部に、他の建設用鋼管部材(図示せず)を挿入し連結することができる。この過程を繰返すことにより、図5に示すパイプルーフ103と同様の構造体を構築することができる。
【0034】
なお、パイプルーフの長さ(鋼管軸方向の施工延長)が長い場合には、地盤に挿入した既設の建設用鋼管部材10の後端に、他の建設用鋼管部材を溶接等によってつなぎ、複数の建設用鋼管部材を接合し、上記と同様にして地盤内に押し込むようにしてもよい。
【0035】
既設の建設用鋼管部材の左隣部に他の建設用鋼管部材を連結する場合も、上記とまったく同様である。また、第1継手12は、建設用鋼管部材の左側に配置されてもよいし、右側に配置されてもよい。第2継手13についても同様であり、建設用鋼管部材の左側に配置されてもよいし、右側に配置されてもよい。
【0036】
次に、上記した建設用鋼管部材を用いて裏込め注入を施工する方法について、図4を参照しつつ説明する。図4において、図4(A)は断面図であり、図4(B)は、図4(A)におけるA−A断面図である。なお、図4において、外部連通孔12hは、説明の便宜上、配置位置が図1、図2(A)とは異なり、第1脚部12a1等の下部となっている。
【0037】
まず、地盤への挿入を行った建設用鋼管部材10Cの第1継手12Cの第1脚部12a1のうち、開放された両端部を、閉塞部材21により閉塞する。閉塞部材21は、鋼、アルミニウム等の金属や合金材料、プラスチック材料等を用い、脚内空間12kと同様の形状に形成する。閉塞部材21の周囲には、後述する注入材が漏れないように、シール材や充填材等(図示せず)を配置してもよい。
【0038】
次に、地盤への挿入を行った建設用鋼管部材10Cの鋼管本体11Cの内部から、内部連通孔11aに、注入用ホース22を差し込み、第1脚部12a1の内部の脚内空間12kへ注入材Gを注入する。上記したように、脚内空間12kの両端部は、閉塞部材21によって閉塞されている。このため、注入材Gは、脚内空間12kの両端から流出することはなく、脚内空間12k内に充填された後、外部連通孔12hから外部の地盤へ注入される。ここに、第1脚部12Cは、注入用脚部に相当している。
【0039】
この場合、第1脚部12a1に複数の外部連通孔12hを開設しておけば、内部連通孔11aが1個であっても、複数箇所に注入を行うことができ、注入施工の手間が減少し、工事費の低減、工期の短縮を図ることができる。また、地盤注入時には、鋼管本体内から注入用ホース22を内部連通孔11a等に取り付けるだけでよく、施工が容易であり、建設用鋼管部材10C等の長さが長くなっても特に問題はない。
【0040】
また、同様にして、上記した第2脚部13の外部連通孔13hを利用して、裏込め注入を行うことができる。外部連通孔12h又は13hの開口方向は、上方、下方のいずれでもよく、第1脚部12と第2脚部13の少なくとも一方に設けられていればよい。また、外部連通孔13hの個数は、2以上であってもよい。
【0041】
パイプルーフの長さ(鋼管軸方向の施工延長)が長い場合に、地盤に挿入した既設の建設用鋼管部材10Cの後端に、他の建設用鋼管部材を溶接等によってつなぎ、複数の建設用鋼管部材を接合して地盤内に挿入する場合には、接合された他の建設用鋼管部材(例えば、図4(B)における10D)についても、上記と同様にして、鋼管本体11Dの内部連通孔と、外部連通孔12hを介して地盤内へ注入材を注入することができる。
【0042】
また、上記した建設用鋼管部材10を用いれば、図2に示すように、第1脚部12の幅B1、又は第2脚部13の幅B2を適宜の値に設定した建設用鋼管部材10を用意することにより、図3に示すように、一つの鋼管本体11Aとこの鋼管本体11Aに隣接する他の鋼管本体11Bとの間の間隔Dを適宜の値に調整することができる。
【0043】
すなわち、通常の幅B1の第1継手12のほか、第1脚部12aの板状部12c及び12dを切断加工した後に鋼管本体11に溶接等によって接合し、第1脚部12aの幅がB1よりも小さいものを作製することができる。また、通常の幅B2の第1継手13のほか、第2脚部13aのU字状部13cの基部を切断加工した後に鋼管本体11に溶接等によって接合し、第2脚部13aの幅がB2よりも小さいものを作製することができる。
【0044】
このため、図5に示すパイプルーフの施工寸法L1に対し、1又は複数の第1継手又は第2継手の幅を上記のように加工することにより、建設用鋼管部材10の本数を最小の整数値に設定することができ、端数が出て1本多く建設用鋼管部材を施工する必要がなく、従来よりも建設用鋼管部材の施工本数を減少させることができ、この点においても、工事費の低減、工期の短縮を図ることができる。
【0045】
また、工場等において上記した建設用鋼管部材10を製作する場合に、第1脚部12の幅B1、又は第2脚部13の幅B2を所定の値以上の値に設定することにより、一つの鋼管本体11Aとこの鋼管本体11Aに隣接する他の鋼管本体11Bとの間の間隔D(図3参照)を、所定の間隔値以上の値とすることができる。
【0046】
これにより、図5に示すパイプルーフの施工寸法L1に対し、建設用鋼管部材10の本数を、従来よりも各段に少ない本数とすることができ、この点においても、工事費の低減、工期の短縮を図ることができる。
【0047】
なお、図2(A)、図3に示すように、仕切部12eに、連通孔12iを開設してもよい。この連通孔12iを利用すれば、内部連通孔11aから注入した注入材を、脚内空間12kを経て嵌合空間12nへ注入することができる。したがって、図3のように嵌合した突出部13fの周囲を注入材で固化させ、これにより、第1継手12と第2継手13の嵌合をさらに強化させることができる。連通孔12iの個数は、2以上であってもよい。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0049】
例えば、上記実施形態においては、建設用鋼管部材を用いたパイプルーフが施工される箇所が鉄道線路の下方の場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の箇所、例えば、道路の下方等であってもよい。
【0050】
また、上記実施形態においては、建設用鋼管部材を用いる構造としてパイプルーフを例に挙げて説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構造であってもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、注入材としてセメントミルク等を例に挙げて説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の注入材、例えば、有機高分子材料を含む注入材であってもよい。
【0052】
また、上記実施形態においては、鋼管本体として円形断面形状のものを例に挙げて説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成の鋼管本体、例えば、長方形断面、正方形断面等の鋼管本体(角型鋼管)であってもよい。
【0053】
また、上記実施形態においては、鋼管本体に開設する内部連通孔11a等の個数が1個の場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成、例えば、鋼管本体に開設する内部連通孔11a等の個数は2個以上であってもよい。
【0054】
また、上記実施形態においては、全体として略「C」字形状の断面を有する第1嵌合部12bと、この第1嵌合部12bに接合される第1脚部12aを備えた第1継手12と、全体として略「T」字形状の断面を有する第2嵌合部13bと、この第2嵌合部13bに接合される第2脚部13aを備えた第2継手13を、鋼管本体11に設け、第1嵌合部12bと第2嵌合部13bの嵌合により、2つの建設用鋼管部材を連結可能に構成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成、例えば、第2嵌合部の突出部を、略「L」字形状の断面を有する部分を2個用いて並べ、全体として略「T」字形状の断面となるように構成してもよい。あるいは、他の構成の第1嵌合部、第2嵌合部であってもよい。要は、第1嵌合部と第2嵌合部は、互いに嵌合可能な構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一つの建設用鋼管部材の第1継手の第1嵌合部と、他の建設用鋼管部材の第2継手の第2嵌合部を嵌合させることにより、2つの建設用鋼管部材を連結可能に構成し、第1脚部又は第2脚部のいずれか一方である注入用脚部の内部空間と鋼管本体の内部空間とを連通する内部連通孔を開設するとともに、この内部空間と外部とを連通する複数の外部連通孔を開設し、注入用脚部の開放された両端部を閉塞し、内部連通孔と外部連通孔を介して地盤内へ注入材を注入するように構成したので、内部連通孔が1個であっても、複数箇所に注入を行うことができ、注入施工の手間が減少し、工事費の低減、工期の短縮を図ることができる、という利点を有している。また、地盤注入時には、鋼管本体内から注入用ホース等を内部連通孔等に取り付けるだけでよく、施工が容易であり、建設用鋼管部材等の長さが長くなっても特に問題はない、という利点も有している。
【0056】
また、第1脚部又は第2脚部の幅を適宜の値に設定することにより、一つの鋼管本体とこの鋼管本体に隣接する他の鋼管本体との間の間隔を調整可能なように構成したので、パイプルーフ等の施工寸法に対し、1又は複数の第1継手又は第2継手の幅を切断加工等することにより、建設用鋼管部材の本数を最小の整数値に設定することができ、端数が出て1本多く建設用鋼管部材を施工する必要がなく、従来よりも建設用鋼管部材の施工本数を減少させることができ、工事費の低減、工期の短縮を図ることができる、という利点を有している。
【0057】
また、第1脚部又は第2脚部の幅を所定値以上に設定することにより、一つの鋼管本体とこの鋼管本体に隣接する他の鋼管本体との間の間隔を所定間隔値以上にするように構成したので、パイプルーフ等の施工寸法に対し、建設用鋼管部材の本数を少なくすることができ、工事費の低減、工期の短縮を図ることができる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である建設用鋼管部材の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す建設用鋼管部材の継手の構成を示す断面図である。
【図3】図1に示す建設用鋼管部材どうしの継手の嵌合状態を示す断面図である。
【図4】図1に示す建設用鋼管部材における地盤注入を説明する図である。
【図5】従来の線路下構造物の構築に用いるパイプルーフの構成を示す断面図である。
【図6】図5に示す建設用鋼管部材の継手の構成、及び地盤注入を説明する図である。
【符号の説明】
10、10A〜10D 建設用鋼管部材
11、11A〜11D 鋼管本体
11a、11b 内部連通孔
11c 鋼管本体内部空間
12、12C、12D 第1継手
12a、12a1、12a2 第1脚部
12b 第1嵌合部
12c、12d 板状部
12e 仕切部
12f、12g 突出部
12h 外部連通孔
12i 連通孔
12k 脚内空間
12m 開口部
12n 嵌合空間
12p、12r 屈曲端
13 第2継手
13a 第2脚部
13b 第2嵌合部
13c U字状部
13f 突出部
13h 外部連通孔
13k 脚内空間
21 閉塞部材
22 注入用ホース
101 地下構造物
102 地盤
103 パイプルーフ
104 建設用鋼管部材
105 鉄道線路
112 第1継手
112b 第1嵌合部
113 第2継手
113a 管状部
113b 第2嵌合部
113h 注入孔
113k 管内空間
122 注入用ホース
123 パッカー
B1、B2 脚部幅
D 鋼管本体間隔
G 注入材

Claims (2)

  1. 鋼からなり管状に形成された鋼管本体と、
    前記鋼管本体の外側に鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第1脚部と、
    前記第1脚部に設けられた第1嵌合部を有する第1継手と、
    前記鋼管本体の外側に前記鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第2脚部と、
    前記第2脚部に設けられた第2嵌合部を有する第2継手を備える建設用鋼管部材であって、
    一つの建設用鋼管部材の第1継手の第1嵌合部と、他の建設用鋼管部材の第2継手の第2嵌合部を嵌合させることにより、2つの建設用鋼管部材を連結可能に構成し、前記第1脚部及び前記第2脚部の少なくとも一方である注入用脚部の内部空間と前記鋼管本体の内部空間とを連通する内部連通孔を開設するとともに、前記注入用脚部の内部空間と外部とを連通する複数の外部連通孔を開設し、前記注入用脚部の開放された両端部を閉塞して、前記内部連通孔と前記外部連通孔を介して地盤内へ注入材を注入するように構成したことを特徴とする建設用鋼管部材。
  2. 鋼からなり管状に形成された鋼管本体と、
    前記鋼管本体の外側に鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第1脚部と、
    前記第1脚部に設けられた第1嵌合部を有する第1継手と、
    前記鋼管本体の外側に前記鋼管軸方向に延設され前記鋼管本体に接合される第2脚部と、
    前記第2脚部に設けられた第2嵌合部を有する第2継手を備える建設用鋼管部材を用い、
    一つの建設用鋼管部材の第1継手の第1嵌合部と、他の建設用鋼管部材の第2継手の第2嵌合部を嵌合させることにより、2つの建設用鋼管部材を連結し、
    かつ、前記第1脚部及び前記第2脚部の少なくとも一方である注入用脚部の内部空間と前記鋼管本体の内部空間とを連通する内部連通孔を開設するとともに、前記注入用脚部の内部空間と外部とを連通する複数の外部連通孔を開設し、前記注入用脚部の開放された両端部を閉塞して、前記内部連通孔と前記外部連通孔を介して地盤内へ注入材を注入することを特徴とする建設用鋼管部材の施工方法。
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