JP3882673B2 - 4値fsk変調方式 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線電波によって送信されてきた制御データに基づいて遠隔地点におかれている制御対象物をコントロール(ラジオコントロール)する際に好適な装置に適応され、特に搬送波周波数を周波数変調してシンボルごとに4値のデータを送受信する際に好適な4値FSK変調方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電波に制御情報を載せて離れた位置で移動するような装置、又は機器を操縦するラジオコントロール(以下ラジコンという)技術が普及しており、被制御機器としては模型の自動車や船等の移動物体を操縦することが一般に行われている。
このような操縦装置では一般に電波法で許可された狭い帯域の変調信号を使用するため、通常は2値のパルスデータによって行われているが、被制御機器の応答性を高めるためにデータの伝送速度を高くすると、搬送波周波数の帯域幅が広がり、隣接するチャンネルの制御信号と符号間干渉を起こし、問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、従来の1シンボルを送信する時間を変えることなく伝送レートをあげるために制御データを多値、例えば2ビットを1シンボルに変換し4値として送信することが考えられている。
図5(a)はこのような方式で2値のデータを4値のデータとして遠隔的に送信する送信装置の概要を示したもので、操縦用の2値(0.1)のデジタル入力データが供給されている2値−4値変換回路11と、搬送波周波数を上記2値−4値変換回路で変換されたデータ出力によって周波数変調する周波数変調器12と、変調された搬送信号を増幅して送信アンテナ14に供給する高周波電力増幅器13で構成されている
【0004】
また、図5(b)に示すように受信装置側では、上記送信機から送信された電波を、受信アンテナ21で受信し、高周波増幅器22において一定のレベルの信号に増幅される。そしてディスクリミネータ等からなる周波数検波器23に入力され、ここで変調波周波数が所定のレベルの電圧(例えば4値)として出力されるようにしている。
本願発明の実施例の場合は4値の直流電圧成分が検出されるが、次の4値−2値変換回路24によって4値のレベルが所定のコード信号に変換される。
【0005】
図5の(C)はコード信号を4値の周波数振幅平面で示したもので、例えば周波数f0は2ビットのコード信号「00」に対応し、周波数f1は「01」の2ビットのコード信号に対応する。また周波数f2は2ビットのコード信号「11」に対応し、周波数f3は2ビットのデジタル信号「10」に対応している。
【0006】
ところで、このような4値FSK変調方式の場合は、2値−4値変換に関わらず伝送データの中で同一のシンボルが続いて発生すると、周波数検波器の出力は長時間同一の振幅レベルとなる場合が生じ、デジタル信号のシンボル間の復号(符号点の検出)が困難になり誤ったデータを検出する可能性が増加する。
【0007】
そこで、このような問題点を防止するために、符号化に際して同一符号が連続して出力されないように所定の期間でプリアンブル信号を挿入したり、同一のシンボルデータが続く場合は、その次の符号を前回の符号に対して反転する等の方法が採られているものがある。
しかし、このような方式には原データに対して余剰のデータを含ませることになるので情報の伝送効率を著しく低下するという問題が生じる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の4値FSK変調方式は、かかる問題点を改良するためになされたもの
で、
入力された2進データを4値のシンボルデータに変換するために、
入力された2進データストリームを順次2−4値変換して2ビットのシンボルデータ列に変換し、
該2ビットの各シンボルデータに対して異なるシフト量を与えて符号重みを設定し
前回のシンボルデータの符号重みと、現時点のシンボルデータに対する符号重みの差分をとることによって、周波数振幅平面で8値の符号重みレベルをとる4値差動マッピングデータを求め
マッピングされた前記4値差動マッピングデータの符号重みレベルに基づいて、搬送波信号を周波数変調して変調信号を形成するようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1(a)(b)は本発明の一実施例を示した送信機と受信機示のブロック図である。
この図1(a)で連続した送信データ(ビットストリーム)が差動符号器(デコーダ)21に入力されでおり、後で具体的に述べるように前回の送信データとの差分 ( 演算 ) 基づいて次回の送信データがマッピングされるようなテーブルによって構成されている。
そして、差動符号器21によって形成された4値差動データ信号に基づいて、周波数変調する周波数変調器22と、変調されたキャリヤ周波数の電力を増幅する高周波電力増幅器23、及び送信アンテナ24で構成されている
【0010】
図1(b)の受信機側では、送信側から送られてきた情報を受信する受信アンテナ25、高周波増幅器26、及びディスクリミネータ27等からなる周波数検波器で形成されている
送信側の差動符号器21でマッピングによりデコードされたデータを元の配列に変換するための差動復号器(デコーダ)28の出力データを復調することによって、被制御機器の操縦情報を得ることができるようになされている。
【0011】
図2は送信機に入力された4値の現時点のシンボルデータY1,Y2によって出力されるデータのシフト量を設定する重みシフト量の表である。
すなわち、この図においてY1、Y2は2ビットを1シンボルとする4値のデータで、そのシフト量がマッピングされる間隔(符号の重み)を示している。
【0012】
図3はマッピングされたシンボルデータ(以下、単にシンボルともいう)の符号重みがどのように変化するかを重み遷移表として示したものである。
この図において前回のシンボルの符号位置を■で示しており、左欄に符号重みをレベルで示し、横軸にデータの遷移を示している。
これらの図に見られるように本願発明では4値FSK信号の符号重みはシンボル毎の2ビット信号を8レベルの振幅平面上に差動符号化によりマッピングする。
【0013】
上記の表から8値の符号重みをそれぞれ(−7)(−5)(−3)(−1)(+1)(+2)(+3)(+5)(+7)のレベルとしたときに、2ビットのデータ(00)(10)(01)(11)に対してそれぞれ+2.−2.+6.−6のシフト量が与えられ、マッピングされる距離(シフト量)を設定していることがわかる。
【0014】
以下、例として図3の重み遷移表の遷移4の場合を説明すると、遷移4の場合は前シンボルデータの符号重みの位置■が(−1)であり、正転シフト時に入力されるシンボルデータが(00)のときは、図2においてシフト量は+2の重みを付けることになる。したがって(−1)+(+2)から符号重みは+1の符号重みを持ったレベルにマッピングされる。また遷移4の場合でも次に入力される2ビットのシンボルが(10)の場合は、図2からシフト量は−2となるので(−1)+(−2)=−3となり符号重みが−3のレベルにマッピングされる。
【0015】
以下同様に遷移4の位置では、次に入力されるデータが(01)のときはシフト量は+6であるから符号重みは+5のレベルとなり、データが(11)のときはシフト量は−6となり−7の符号重みのレベルとなるようにマッピングされる
なお、−7を下回るときは+7と遷移させる、+7と−7の間の符号重み(距離)は±2としている。
【0016】
符号重みは最低でもシンボル毎に1/8だけシフトした形になりシンボル毎に必ず異なる符号重みを持つようになる。したがってランレングス1が保証される。
また、図3の場合各シンボル値の符号重み(距離)は4であり、これは通常4−FSK方式と同一距離であり誤り率特性も同様となる。
さらに、どの遷移点でも差動的にマッピングされた1シンボル間の隣あう符号の異なるビットは1だけであり、グレイコード化されている。
したがって、1ビットの誤りで大きく数値が飛ぶことを防止することができる。
【0017】
上記符号表からわかるように(00)又は(10)のシンボルが連続した場合、符号重みは1/8ずつシフトする。
この性質から本発明の変調方式を1/8シフト4FSK変調方式と呼ぶことができる。
復調は通常に4−FSKと同様に周波数検波を行いベースバンド領域に戻し、受信データと前回データとの振幅差分量から2ビットデータの判定を可能にする。
【0018】
図4は符号重み−7を初期値としてしたときにシンボル値に対する符号重みの遷移(変調波形)を示す。
図4の実施例で使用されている2進データストリームは
001111000101010110000110000101110・・・・であり、このデータが順次2−4変換された4値の符号系列は
「 00、11、11、00、01、01、01、01、10、00、01、10、00、01、01、11、0・・・・」である
そして、各シンボル毎に前記したシフト量を与え、その差分を演算することによって差動マッピングデータを求める。マッピングした遷移表の符号重みレベルに基づいて変調された変調波形に見られるように、各シンボル毎に周波数平面で連続している箇所はなくなっている。
【0019】
【発明の効果】
本願発明は上記したように2値信号から多値(4値)信号を形成する場合に、マッピングされた後のシンボル点の信号振幅(符号重みレベル)が、シンボル毎に変化するため、受信側でこのような信号を差動復号器で受信したときにシンボル同期を容易にとることができる。
従って、冗長データを付加することなく同一振幅のデータの送出を回避することができるため符号伝送効率の劣化が生じないという利点がある。
また、本実施例の場合は周波数振幅平面は8値をとることになるがシンボル毎の符号距離は例えば4値のFSKと同一であり、4−FSK方式と同一の誤り率特性になって誤り率が劣化することがない等の効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多値変調方式の送受信機のブロック図である。
【図2】 差動符号化するための符号重みの図である。
【図3】 前回のデータに基づいて今回のデータがマッピングされた状態を示す説明図である。
【図4】 マッピングによってシフトされたときの変調波形の一部を示す波形図である。
【図5】 従来の2値−4値変換をするときの送受信機のブロック図である。
【符号の説明】
1 差動復号器、32 周波数変調器、33 高周波電力増幅器、34 送信アンテナ、35 受信アンテナ、36 高周波増幅器、37 周波数検波器、38 差動復号器

Claims (3)

  1. 入力された2進データストリームを順次2−4値変換して2ビットのシンボルデータに変換し、
    該2ビットの各シンボルデータに対して異なるシフト量を与えて符号重みを設定し、
    前回のシンボルデータの符号重みと、現時点のシンボルデータに対する符号重みの差分をとることによって、周波数振幅平面で8値の符号重みレベルをとる4値差動マッピングデータを求め
    該8値の符号重みレベルに基づいて、搬送波信号を周波数変調して変調信号を形成するようにしたこと特徴とする4値FSK変調方式。
  2. 上記変調信号はラジコンの操縦用PCMコードデータとされていることを特徴とする請求項1に記載の4値FSK変調方式。
  3. 上記4値差動マッピングデータはグレイコードによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の4値FSK変調方式。
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