JP3882446B2 - 高感度、かつ保存性に優れた熱現像感光材料 - Google Patents
高感度、かつ保存性に優れた熱現像感光材料 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高感度で低かぶり、かつ経時保存性に優れた熱現像感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、医療や印刷製版の分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題となっており、近年では、環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。
【0003】
そこで、レーザー・イメージャーやレーザー・イメージセッターにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像形成することができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされてきた。
【0004】
かかる技術として、例えば、米国特許第3,152,904号、同3,487,075号、及びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry Silver Photographic Materials)」(Handbook of Imaging Materials,Marcel Dekker,Inc.第48頁,1991)等に記載されているように、支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、及び還元剤を含有する熱現像感光材料が知られている。この熱現像感光材料では溶液系処理薬品を一切使用しないため、より簡便で環境を損なわないシステムをユーザーに提供することができる。
【0005】
ところで、熱現像感光材料には、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、及び還元剤が含有されているため、感光材料の保存中にも還元剤と有機銀塩との反応により熱カブリが生成しやすくなったり、又熱現像時にもカブリが生じやすいという問題がある。更に、該感光材料は露光後、通常80〜250℃で熱現像するだけで定着を行わないため、熱現像処理後の保存期間にも、未露光部に残ったハロゲン化銀、有機銀塩及び還元剤が併存する条件下での長期間保存において、熱や光ににより銀画像が変色することが問題であった。特に、現像後において画像記録のための光とは異なる波長領域の光が照射された場合でも還元剤がホールトラップとして機能する等の為に、ハロゲン化銀乃至有機銀塩からのプリントアウト銀がどうしても大きくなってしまう。
【0006】
これらの問題を解決するための技術が特開平6−208192号、特開平8−267934号、米国特許第5,714,311号及びこれらの特許文献に引用されている文献等において開示されているが、これらの開示技術はある程度の効果を有するものの、市場において要求されるレベルを満たすための技術としてはまだ充分なものではない。
【0007】
一方、熱現像感光材料の高感度化が要望されているが、当該感材系では、従来公知の硫黄増感、セレン増感等の化学増感技術をそのまま応用しても殆ど有効でないことが知られている。このような状況を踏まえて、米国特許第5,891,615号に開示されているような増感技術が提案されているが、現在の要望レベルに対しては未だ十分ではない。
【0008】
熱現像感光材料において、各種のカブリ防止剤が知られている。例えば、米国特許第3,874,946号、同第4,756,999号、同第5,340,712号、欧州特許第605,981A1号、同第622,666A1号、同第631,176A1号、特公昭54−165号、特開平7−2781号等の明細書に開示された各種のポリハロゲン化物がある。しかし、これらの記載の化合物はカブリ防止効果が低かったり、銀の色調を悪化させるという問題があり、改善が必要であった。更に、感光材料を積層した形で加湿、加温の強制条件下で保存した後、露光、現像を行うと、未露光部におけるカブリが上昇するといった問題がある。
【0009】
カブリ防止剤としては特開平9−160164号、同9−244178号、同9−258367号、同9−265150号、同9−281640号、同9−319022号公報等に上記欠点の改良されたポリハロゲン化合物が記載されている。しかしながら、特に、医療用レーザーイメージャー用の熱現像感光材料、或いは硬調化剤を含有し、600〜800nmに発振波長を有する印刷用レーザーイメージセッターの出力用の熱現像感光材料にこれらの化合物を適用した場合、上記の欠点はかなり改善されるものの、現像済みの試料が経時でカブリ上昇するといった画像の経時保存性が悪いという欠点を有していた。
【0010】
又、更に特開平6−208193号公報にもハロゲン化カブリ防止化合物とイソシアネート基を有する化合物を含有させることにより保存期間中のカブリ安定性が改良された熱現像感光材料が開示されているが、画像の経時保存性については充分なレベルではなく、又これらのカブリ防止化合物は製造工程中の塗布液の段階で時間と共に反応が進んでしまい、感光材料の感度がそれにより大きく変動してしまうという大きな欠点があった。
【0011】
又、更に特開昭64−72145号や特開平9−281637号公報にもベンゾイルカルボン酸系のカブリ防止剤化合物を含有させることにより、保存期間中のカブリ安定性が改良された熱現像感光材料が開示されているが、経時保存による感度変動などの劣化性能を引き起こすことが問題点となっている。
【0012】
一方、本発明の熱現像感光材料には、各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を用いる。又、高感度を得るために色素の構造の選択のみでなく、いわゆる強色増感による分光感度の増大がもたらされることはよく知られている。特に熱現像系においては色素の脱着が起こりやすく、いわゆるコンベンショナル感光材料に比べて感度の低下が起こりやすいため、増感色素の吸着を改善し感度の増大をもたらすことの出来る強色増感剤の必要性が高い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、低カブリかつ高感度な初期性能を有し、かつ処理前後の保存性に優れた熱現像感光材料を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の手段により達成された。
【0015】
1.熱現像感光材料が支持体上に少なくとも非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表される化合物及びバインダーを有すること。
【0016】
2.非感光性有機銀塩とは独立に形成された感光性ハロゲン化銀に前記一般式(S−1)又は(S−2)で表される少なくとも1種の分光増感色素を添加することにより分光増感が施された熱現像感光材料であること。
【0017】
3.前記1又は2において、更に前記一般式(2)又は(3)で表される化合物を含有すること。
【0018】
4.これらの熱現像感光材料を感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角度を実質的に垂直にすることがないレーザー走査露光機による露光を行う、或いは、感光材料に記録する際の走査レーザー光が縦マルチであるレーザー走査露光機による露光を行うことを特徴とする画像露光方法。
【0020】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱現像写真感光材料は600nm以上に最大感光極大波長を有する分光増感色素を感光層に含有する。本発明の最大感光極大波長とは、ハロゲン化銀が存在する系に添加し、吸着した増感色素により分光増感が施され製造された熱現像ハロゲン化銀写真感光材料が有する露光波長毎の相対感度分布の最大感度が600nm以上であることを示す。
【0021】
本発明の熱現像感光材料に用いる事のできる分光増感色素は、例えばResearch Disclosure Item17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item18431X項(1979年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。
【0022】
まず、本発明の一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される化合物について詳細に説明する。
【0023】
本発明において一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される化合物は分光増感色素と併用することにより該分光増感色素による分光増感の光効率をあげ感度の増加をもたらす、いわゆる強色増感剤として作用するものである。
【0024】
一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)において、W11及びV21で各々、表される脂肪族炭化水素基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、更に好ましくは1〜12である)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、更に好ましくは2〜12である)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、更に好ましくは2〜12である)であり、アリール基としては、炭素数6〜20の単環または縮環のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル)であり、複素環基としては、3〜10員の飽和、不飽和の複素環基(例えば、2−チアゾリル、1−ピペラジニル、2−ピリジル、3−ピリジル、2−フリル、2−チエニル、2−ベンズイミダゾリル、カルバゾリル等)であり、これらの基中の複素環は単環であっても、他の環と縮合環を形成してもよい。
【0025】
W11及びV21で各々、挙げたこれらの各基は任意の個所に置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基(シクロアルキル基、アラルキル基を含み、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニル、p−トリル、o−アミノフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数、0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、イミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜18、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、フェニルイミノなどが挙げられる。)アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えば、フェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオなどが挙げられる。)、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メタンスルホニル、トシルなどが挙げられる。)、アルキルスルフィニル基またはアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、スルフィノ基、カルボキシル基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、ヒドラジノ基、複素環基(例えば、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基等)などが挙げられる。
【0026】
上記の基のうちヒドロキシ基、メルカプト基、スルホ基、スルフィノ基、カルボキシル基、ホスホノ基、ホスフィノ基などのような塩形成可能な基は塩であってもよい。また、これらの置換基は更に置換されてもよく、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。
【0027】
置換基として好ましくは、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルファモイル基、スルホニル基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、複素環基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルバモイル基、カルボキシル基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、複素環基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルバモイル基、カルボキシル基であり、更に好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、イミノ基、ウレイド基、アミノ基、複素環基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルバモイル基、カルボキシル基である。
【0028】
Y1、W11及びV21で各々、表されるアミジノ基としては、置換基を有するものを含み、置換基としては例えば、アルキル基(メチル、エチル、ピリジルメチル、ベンジル、フェネチル、カルボキシベンジル、アミノフェニルメチル等の各基)、アリール基(フェニル、p−トリル、ナフチル、o−アミノフェニル、o−メトキシフェニル等の各基)、複素環基(2−チアゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、2−フリル、3−フリル、2−チエノ、2−イミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル等の各基)等が挙げられる。
【0029】
T1、T11、T21及びT31で各々、表される脂肪族炭化水素基からなる2価の連結基としては直鎖、分岐または環状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、更に好ましくは1〜12)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、更に好ましくは2〜12)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、更に好ましくは2〜12)であり、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記V21、W11、Y1で記述した基が挙げられる。
【0030】
J1、J2、J11、J21、J22、J23及びJ31で各々、表される酸素原子、硫黄原子または窒素原子を一つ以上含む2価の連結基としては、例えば、以下のものが挙げられる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0031】
【化4】
【0032】
式中、Re、Rfは各々、前述したRa〜Rdに定義した内容に同義である。
Ar1、Ar21、ArH1、ArH11、ArH21及びArH31で各々、表される芳香族炭化水素基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20の単環または縮環のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられるが、特に好ましく用いられるのはフェニル基である。
【0033】
ArH1、ArH11、ArH21及びArH31で表される芳香族複素環基としてはN、OおよびSのうちの少なくとも一つの原子を含む5ないし10員の不飽和の複素環基であり、これらの基中の複素環は単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。このような複素環基中の複素環として好ましくは、5ないし6員の芳香族複素環、及びそのベンゾ縮合環であり、より好ましくは窒素原子を含む5ないし6員の芳香族複素環、およびそのベンゾ縮合環であり、更に好ましくは窒素原子を1ないし2原子含む5ないし6員の芳香族複素環、およびそのベンゾ縮合環である。
【0034】
芳香族複素環基の具体例としては、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾール、テトラザインデン、カルバゾール、等から誘導される基が挙げられる。
【0035】
上記記載の中でも、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、インドール、インダゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾール、テトラザインデン、カルバゾールからなる基が好ましく、更に好ましくは、イミダゾール、ピリジン、ピラジン、キノリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾール、カルバゾールから誘導される基が挙げられる。
【0036】
Ar1、Ar21、ArH1、ArH11、ArH21及びArH31で各々、表される芳香族炭化水素基並びに芳香族複素環基は置換基を有していても良く、置換基としては、例えば、T1、T11、T21及びT31の置換基として挙げた基と同様のものを挙げることができ、好ましい範囲も同様である。これらの置換基は更に置換されてもよく、また、置換基が二つ以上ある場合には各々、同じでも異なってもよい。
【0037】
更に、ArH1、ArH11、ArH21及びArH31で表される基として、好ましく用いられるのは、芳香族複素環基である。
【0038】
Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfで各々、表される脂肪族炭化水素基、アリール基及び複素環基は、W11及びV21において、脂肪族炭化水素基、アリール基及び複素環基の例として挙げたと同様のものを挙げることができ、好ましい範囲も同様である。
【0039】
Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfで各々、表されるアシル基としては炭素数1〜12の脂肪族或いは芳香族の基であり、具体的にはアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等の基が挙げられる。
【0040】
RaとRb、RcとRd、RaとRc或いはRbとRdの間で結合して形成する含窒素複素環基としては3ないし10員の飽和、不飽和の複素環基(例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、アクリジン環、ピロリジン環、ピロール環、モルフォリン環、等の環基)が挙げられる。
【0041】
M31で表される分子内の電荷を中和するに必要なイオンとして用いられる酸アニオンの具体例としては例えば、ハロゲンイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4フッ化ホウ素イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0042】
Qで表されるk21価の連結基としては、K価数が2〜4である元素、脂肪族基、芳香族基、複素環基、連結手の中から選択することができ、前述の元素の例としては窒素原子、燐原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、ホウ素原子等が挙げられ、脂肪族基の例としては1〜4個の結合手を有するアルキレン基(例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、プロパン−1,2,3−トリイル基等)、アラルキレン基(例えば、プロペン1,3−ジイル基等)、芳香族基の例としては1〜4個の結合手を有する炭素数が6〜14個からなる単環並びに縮合した炭素環(例えば、ベンゼン−1,2−ジイル基、ベンゼン−1,3,5−トリイル基、ナフタレン−1,8−ジイル基等)、複素環基の例としては1〜4個の結合手を有する単環ならびに縮合した複素環(例えば、ピリジン−2,6−ジイル基、トリアジン−1,3,5−トリイル基、トリアジン−2,4,6−トリイル基、ピペリジン−1,4−ジイル基等)等が挙げられる。
【0043】
本発明に係る一般式(II)で表される化合物においては、W11が水素原子またはアミジノ基が好ましく、一般式(III)で表される化合物に於いてはV21が水素原子、RS基またはアミジノ基が好ましい。
【0044】
以下に一般式(I)〜(IV)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0045】
【化5】
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】
【化13】
【0054】
本発明に係る一般式(I)〜(IV)で表される化合物は、市販のものを用いても良いし、あるいは既知の方法を参考にして、合成できる。例えば、日本化学会編、新実験化学講座14巻(III)1739〜1741頁(1978)等に記載の方法で合成することができる。
【0055】
本発明に係る一般式(I)〜(IV)で表される化合物は、本発明の熱現像写真感光材料において、感光層でも非感光層でも添加することができるが、添加層として好ましくは画像形成層である感光層である。
【0056】
本発明に係る一般式(I)〜(IV)で表される化合物は所望の目的により異なるが、Ag1モル当たりの添加量で示して10-4〜1モル/Ag、好ましくは10-3〜0.3モル/Ag、更に好ましくは10-3〜0.1モル/Ag添加することが好ましい。
【0057】
また、一般式(I)〜(IV)の化合物は各々、一種のみを用いても二種以上を併用してもよい。一般式(I)〜(IV)の化合物は、水或いは適当な有機溶媒、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブなどに溶解して用いることができる。また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、サンドグラインダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイダイザーあるいは超音波によって分散し用いることができる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0058】
これら一般式(I)〜(IV)で表される化合物は分光増感色素と併用することにより該分光増感色素による分光増感の光効率をあげ感度の増加をもたらす。
【0059】
本発明に用いる事のできる分光増感色素は、例えば前記RD17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item18431X項(1979年8月p.437)等に記載もしくは引用された文献に記載されている如き各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができるが、これらの一般式(I)〜(IV)の化合物と併用することが好ましい分光増感色素は以下にあげられるものである。
【0060】
即ち、本発明においては、後述する非感光性有機銀塩とは独立に形成された感光性ハロゲン化銀に前記一般式(S−1)又は(S−2)で表される分光増感色素の少なくとも1種を添加することにより分光増感が施されたハロゲン化銀を用い、かつ該分光増感を分光増感色素を上記の少なくとも1種の一般式(I)〜(IV)で表される化合物とともに用いることで行い、更に後述する一般式(1)で表される化合物とも併用することが好ましい。
【0061】
本発明において600nm以上に最大感光極大波長を有する分光増感色素としては、上記に記載の一般式(S−1)、(S−2)で表される分光増感色素が好ましく用いられる。
【0062】
次に本発明に係る上記記載の一般式(S−1)または(S−2)で表される化合物について詳細に説明する。
【0063】
一般式(S−1)または(S−2)で表される感光色素において、Z1、Z2及びZ11は、各々、5員または6員の単環あるいは縮合された含窒素複素環を完成するのに必要な非金属原子群を表し、具体的にはオキサゾール核(例えば、オキサゾリジン環、オキサゾリン環、ベンゾオキサゾール環、テトラヒドロベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、ベンゾナフトオキサゾール環等)、イミダゾール核(例えば、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、ベンズイミダゾール環、テトラヒドロベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、ベンゾナフトイミダゾール環等)、チアゾール核(例えば、チアゾリジン環、チアゾリン環、ベンゾチアゾール環、テトラヒドロベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾナフトチアゾール環等)、セレナゾール核(例えば、セレナゾリジン環、セレナゾリン環、ベンゾセレナゾール環、テトラヒドロベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、ベンゾナフトセレナゾール環等)、テルラゾール核(例えば、テルラゾリジン環、テルラゾリン環、ベンゾテルラゾール環等)、ピリジン核(例えば、ピリジン、キノリン等)、ピロール核(例えば、ピロリジン環、ピロリン環、ピロール環、3,3−ジアルキルインドレニン環、3,3−ジアルキルベンゾインドレニン環等)が挙げられ、これらの環上に置換しうる基としては各々、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ペンチル基、メチルチオエチル基、メトキシエチル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ビニル基、スチリル基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、p−ブロモフェニル基等)、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピル基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ベンジルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、p−ブロモフェニルチオ基、p−メトキシフェニルチオ基等)、カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、ピリミジニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、シアノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルフォリノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、モルフォリノスルホニル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、orth−ヒドロキシベンゾイルアミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基、(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、トリフルオロエトキシカルボニル基等)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基等)等の中から任意に選択され、任意の位置に置換できる。
【0064】
R1、R2、R11及びR12で各々、示される脂肪族基としては、例えば、炭素原子数1〜10の分岐或は直鎖のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基等)、炭素原子数3〜10のアルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基等)、炭素原子数7〜10のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)が挙げられる。上述した基は、更に、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ビニル基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、p−ブロモフェニル基等)、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、シアノ基、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、ビスカルボキシメチルアミノ基等)、アリール基(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)、複素環基(例えば、テトラヒドロフルフリル、2−ピロリジノン−1−イル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、ウレイド基(例えば、ウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基等)、チオウレイド基(例えば、チオウレイド基、3−メチルチオウレイド基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、2−チエニルチオ基、3−チエニルチオ基等)、カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、チオアミド基(例えば、チオアセトアミド基、チオベンゾイルアミノ基等)等の基、あるいは、例えば、スルホ基、カルボキシ基、ホスフォノ基、スルファート基、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−テトラメチレンカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−3−オキサペンタメチレンアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基等)、スルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルホニルアミノカルボニル基、エタンスルホニルアミノカルボニル基等)、アシルアミノスルホニル基(例えば、アセトアミドスルホニル基、メトキシアセトアミドスルホニル基等)、アシルアミノカルボニル基(例えば、アセトアミドカルボニル基、メトキシアセトアミドカルボニル基等)、スルフィニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルフィニルアミノカルボニル基、エタンスルフィニルアミノカルボニル基等)、スルホアミノ基等の親水性の基で置換されていても良い。
【0065】
これら親水性の基を置換した脂肪族基の具体的例としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、3−スルファ−トブチル基、3−スルホプロピル基、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、5−スルホペンチル基、3−スルホペンチル基、3−スルフィノブチル基、3−ホスフォノプロピル基、ヒドロキシエチル基、N−メタンスルホニルカルバモイルメチル基、N−アセチルアミノスルホニルメチル基、スルホアミノプロピル基、2−カルボキシ−2−プロペニル基、o−スルホベンジル基、p−スルホフェネチル基、p−カルボキシベンジル等の各基が挙げられる。
【0066】
R13及びR14で各々、示される置換基として具体的には、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基等)、アリール基(単環並びに多環のものを含み、例えば、フェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例えば、チエニル基、フリル基、ピリジル基、カルバゾリル基、ピロリル基、インドリル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ビニル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ビスカルボキシメチルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、複素環基(例えば、テトラヒドロフルフリル基、2−ピロリジノン−1−イル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、ウレイド基(例えば、ウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基等)、チオウレイド基(例えば、チオウレイド基、3−メチルチオウレイド基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)等が挙げられる。
【0067】
これらの基にはR1等で示される脂肪族基の説明で挙げた基が置換でき、置換されたアルキル基の具体例としては、例えば、2−メトキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−エトキシカルボニルプロピル基、2−カルバモイルエチル基、2−メタンスルホニルエチル基、3−メタンスルホニルアミノプロピル基、ベンジル基、フェネチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アリル基、2−フリルエチル基等の各基が挙げられ、置換されたアリール基の具体例としては、例えば、p−カルボキシフェニル基、p−N,N−ジメチルアミノフェニル基、p−モルフォリノフェニル基、p−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、3−クロロフェニル基、p−ニトロフェニル基等の各基が挙げられ、置換された複素環基の具体例としては、例えば、5−クロロ−2−ピリジル基、5−エトキシカルボニル−2−ピリジル基、5−カルバモイル−2−ピリジル基等の各基が挙げられる。
【0068】
R13とR14が互いに連結して形成することができる縮合環としては、例えば、5員、6員の飽和または不飽和の縮合炭素環が挙げられる。これらの縮合環上には任意の位置に置換することができ、これら置換される基としては前述R13及びR14で説明した基が挙げられる。
【0069】
前記一般式(S−1)または(S−2)において、L1〜L9、L11〜L15で示されるメチン基は各々、独立に置換もしくは未置換メチン基を表す。置換される基の具体例としては、置換もしくは無置換の、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、ベンジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、o−カルボキシフェニル基等)、−N(V1)(V2)−基、−SR基または複素環基(例えば、2−チエニル基、2−フリル基、N,N′−ビス(メトキシエチル)バルビツール酸基等)を表す。ここでRは前述のR1で説明したような低級アルキル基、アリール基または複素環基を表し、V1とV2は各々、置換もしくは無置換の、低級アルキル基またはアリール基を表し、V1とV2とは互いに連結して5員または6員の含窒素複素環を形成することもできる。また、メチン基はお互いに隣接するメチン基同士、或いは一つ隔たったメチン基と互いに連結して5員または6員環を形成することができる。
【0070】
前記一般式(S−1)及び(S−2)で示される化合物に於て、カチオン或いはアニオンの電荷を有する基が置換されている場合には各々、分子内の電荷が中和するように当量のアニオン或いはカチオンで対イオンが形成される。例えば、X1及びX11で各々、示される分子内の電荷を中和するに必要なイオンに於いてカチオンの具体例としては、プロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチルアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、ピリジニウム等の各イオン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの具体例としては例えば、ハロゲンイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4フッ化ホウ素イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0071】
以下に、前記一般式(S−1)または(S−2)で表される感光色素の代表的なものを示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0072】
【化14】
【0073】
【化15】
【0074】
【化16】
【0075】
【化17】
【0076】
【化18】
【0077】
【化19】
【0078】
【化20】
【0079】
【化21】
【0080】
【化22】
【0081】
【化23】
【0082】
【化24】
【0083】
【化25】
【0084】
上記の赤外感光色素は、例えばエフ・エム・ハーマー著、The Chemistry of Heterocylic Compounds第18巻、The Cyanine Dyes and Related Compounds(A.Weissherger ed.Interscience社刊、NewYork 1964年)、特開平3−138638号、同10−73900号、特表平9−510022号、米国特許第2,734,900号、英国特許第774,779号に記載の方法を参考にして合成することができる。
【0085】
本発明に係る感光色素は単独で用いてもよいが、2種以上の感光色素を組み合わせて用いることもできる。本発明に係る感光色素は単独で用いた場合、及び組み合わせた場合には、合計でハロゲン化銀1モル当たり各々、1×10-6モル〜5×10-3モル、好ましくは、1×10-5モル〜2.5×10-3モル、更に好ましくは、4×10-5モル〜1×10-3モルの割合でハロゲン化銀乳剤中に含有される。感光色素を2種以上組み合わせて用いるとき、感光色素は任意の割合でハロゲン化銀乳剤中に含有できる。
【0086】
本発明の感光色素は、直接乳剤中へ分散することができる。また、これらはまず適当な溶媒、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロパノール、メチルセロソルブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合溶媒などの中に溶解され、溶液の形で乳剤へ添加することもできる。溶解に超音波を使用することもできる。また、この感光色素の添加方法としては米国特許第3,469,987号などに記載のごとき、色素を揮発性の有機溶媒に溶解し、該溶液を親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭46−24185などに記載のごとき、水不溶性色素を溶解することなしに水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤へ添加する方法;米国特許第3,822,135号に記載のごとき、界面活性剤に色素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法;特開昭51−74624号に記載のごとき、長波長側にシフトさせる化合物を用いて溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法;特開昭50−80826号に記載のごとき、色素を実質的に水を含まない酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法などが好ましく用いられる。その他、乳剤への添加には米国特許第2,912,343号、同第3,342,605号、同第2,996,287号、同第3,429,835号などに記載の方法を用いられる。また上記感光色素は適当な支持体上に塗布される前にハロゲン化銀乳剤中に一様に分散してよいが、勿論ハロゲン化銀乳剤の調製のどの過程においても分散することができる。
【0087】
これらの感光色素を2種以上組み合わせる場合、感光色素はそれぞれ独立して、またはあらかじめ混合して上記のごとき方法によりハロゲン化銀乳剤中に分散できる。
【0088】
一般式(S−1)または(S−2)で表される感光色素と組み合わせ使用される一般式(I)〜(IV)で表される化合物に加えて、その他の色素や、それ自身分光増感作用を持たない色素或いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質等を乳剤中に含んでもよい。
【0089】
例えば、これらの色素は特願平11−196659号段落0130〜0139に記載された様なヘテロ原子を有する大環状化合物と共に用いる事もでき、加えて本発明に係わる前記外の色素や、その他の強色増感剤、例えば、メルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物、特にヘテロ環を有するメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾールなどを併用し含有させることもできる。これら有用な増感色素、強色増感を示す色素の組み合わせ及び強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclosure)176巻17643(1978年12月発行)第23頁5のJ項、或いは特公昭49−25500号、同43−4933号、特開昭59−19032号、同59−192242号、特開平3−15049号、特開昭62−123454号に記載されている。
【0090】
これらの一般式(I)〜(IV)で表される化合物と一般式(S−1)、(S−2)で表される増感色素を併用することにより所期の効果を達成するが、感光材料に増感色素を前記一般式(1)で表される化合物(これは熱現像感光材料において、かぶり防止作用を有するが)と共に用いる(例えば溶解助剤として用い増感色素と共に溶解した色素溶解液をつくり添加する)と更に高感度でかぶりが改善された熱現像感光材料が得られる。これら一般式(1)で表される化合物が一般式(I)〜(IV)で表される化合物、又分光増感色素との相互作用により、吸着サイトに分光増感色素を運ぶうえで役割を果たすものと考えられる。
【0091】
本発明者らは更に検討の結果、前記一般式(1)で表される化合物に加え、更に一般式(3)又は(4)で表される化合物を前記一般式(S−1)、(S−2)で表される増感色素や一般式(2)で表される強色増感剤と共に用いることにより、感度やかぶり等の写真特性が更に向上することを見いだした。同時に、これらの化合物の添加により、感光材料の保存による熱かぶりの減少、更には熱現像後の画像の保存性、特に光による画像の変色や(未露光部の汚れ)等が改善されることを見いだした。
【0092】
前記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物について詳細に説明する。
【0093】
Xa、Xcは炭化水素基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、メルカプト基を表すが、Xa、Xcで表される炭化水素基としては、たとえば直鎖、分岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜16であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜16であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜16であり、例えばエチニル、1−プロピニル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜16であり、例えばフェニル、ナフチル、アントニル、フェナントニル、ピレニルなどが挙げられる。)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは7〜20、さらに好ましくは7〜16であり、例えばベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリチルなどが挙げられる。)、などがあげられる。又、ヘテロ環基としては、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノなどの基が挙げられる。
【0094】
これらXa、Xcで表される炭化水素基として好ましくは、アルキル基、アリール基、アラルキル基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基である。これらの基は更にヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、ニトロ基、スルフィノ基、ヒドラジノ基等により置換されていてもよく、好ましいのはハロゲン原子により置換されたアルキル基、アリール基である。
【0095】
一般式(2)においてXbで表される基はヒドロキシ基、メルカプト基を除く前記一般式(1)及び(3)におけるXa及びXcで表される基と同じものを表し、アルキル基、アリール基、アラルキル基が好ましく、より好ましくはアルキル基、アリール基である。これらの基は更にヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、ニトロ基、スルフィノ基、ヒドラジノ基等により置換されていてもよく、好ましいのはハロゲン原子により置換されたアルキル基、アリール基である。
【0096】
一般式(1)及び(3)におけるLa、Lcで表される二価の炭化水素基としては、たとえば直鎖、分岐または環状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3であり、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、エチルエチレン、ヘキサメチレン、1、2−シクロヘキシレンなどが挙げられる。)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4であり、例えばビニレン、プロペニレンなどが挙げられる。)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4であり、例えばエチニレン、3−ペンチニレンなどが挙げられる。)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは6〜16、さらに好ましくは6〜12であり、例えばフェニレン、ナフチレンなどが挙げられる。)、アラルキレン基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは7〜16、さらに好ましくは7〜12であり、例えばキシリレンなどが挙げられる。)、などが挙げられる。
【0097】
La、Lcで表される二価の炭化水素基として好ましくは、アルキレン基、アリーレン基であり、より好ましくはアルキレン基、アリール基であり、さらに好ましくはアルキレン基またはフェニレン基である。具体的にはメチレン、エチレン、プロピレン、フェニレンである。特に好ましくはフェニレンであり、最も好ましくはオルト−フェニレンである。
【0098】
La、Lcで表される二価の炭化水素基は置換基を有しても良く、置換基としては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜8であり、例えば1−プロピニル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えばフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0〜10、さらに好ましくは0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは6〜16、さらに好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは7〜16、さらに好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは7〜16、さらに好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0〜16、さらに好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは6〜16、さらに好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、ニトロ基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基(例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されていても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なっても良い。
【0099】
一般式(1)及び(3)におけるLa、Lcで表される二価の炭化水素基の置換基としてはとして好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環基、より好ましくはアルキル基、ハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基である。またXaとLa、また、XcとLcは連結して環を形成していても良い。
【0100】
一般式(1)、(2)及び(3)におけるMa、Mb、Mcで表されるカチオンは、有機または無機のカチオンを表し、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオンなど)、アルカリ土類金属イオン(マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど)、アンモニウム(アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムなど)、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウムなどが挙げられる。
【0101】
Ma、Mb、Mcとして好ましくは水素原子、アルカリ金属イオンであり、より好ましくは水素原子である。
【0102】
上記のうち、一般式(1)の化合物としてはLaがアルキレン基又はアリーレン基であることが好ましく、Laがアルキレン基又、フェニレン基、好ましくはオルトフェニレン基であることが好ましい。
【0103】
又、この場合一般式(1)と一般式(3)の化合物を併用するにあたっては、一般式(3)におけるLcがアルキレン基又はアリーレン基であることが本発明の効果を発現するには好ましく、更にLcがアルキレン基であること又、Lcがフェニレン基、更に好ましくはオルトフェニレン基であることが本発明の効果を発現するには好ましい。
【0104】
以下に本発明に用いられる一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の代表的具体例について例示する。
【0105】
【化26】
【0106】
【化27】
【0107】
【化28】
【0108】
【化29】
【0109】
【化30】
【0110】
【化31】
【0111】
【化32】
【0112】
【化33】
【0113】
【化34】
【0114】
【化35】
【0115】
【化36】
【0116】
【化37】
【0117】
【化38】
【0118】
これらの化合物の役割は正確にはわからないが、一般式(1)の化合物や一般式(S−1)又は(S−2)のような増感色素及び一般式(I)〜(IV)で表される化合物のような強色増感組成物の併用により、好ましい増感が達成されるが、これに一般式(3)又は(4)の様な化合物を併用することにより更に増感色素強色増感組成物のハロゲン化銀上での吸着平衡が変化し、強色増感にとって更に好ましい増感色素の吸着が行われることで、この様な効果が発現するものと考えられる。
【0119】
本発明の熱現像感光材料において使用され、前記の方法により分光増感される感光性ハロゲン化銀は、ゼラチンのような保護コロイドの存在下、シングルジェットもしくはダブルジェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法により、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいずれかの方法でも調製できる。この様に予め調製し、次いで本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中に導入することが出来る。この場合に感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば感光性ハロゲン化銀を調製するときの保護ポリマーとして米国特許第3,706,564号、同第3,706,565号、同第3,713,833号、同第3,748,143号、英国特許第1,362,970号各明細書に記載されたポリビニルアセタール類などのゼラチン以外のポリマーを用いる手段や、英国特許第1,354,186号明細書に記載されているような感光性ハロゲン化銀乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、又は米国特許第4,076,539号明細書に記載されているように感光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製することによって保護ポリマーの使用を省略する手段等の各手段を適用することが出来る。
【0120】
ハロゲン化銀粒子は光センサーとして機能するものであり、ハロゲン化銀の形状としては特に制限はなく、立方体、八面体の所謂正常晶や正常晶でない球状、棒状、平板状等の粒子がある。又ハロゲン化銀組成としても特に制限はなく、ハライド組成としては塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.1μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.1μm、特に0.02μm〜0.08μmが好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。またハロゲン化銀は単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1%以上20%以下となる粒子である。
【0121】
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び後述の非感光性有機銀塩の総量に対し50%以下好ましくは25%〜0.1%、更に好ましくは15%〜0.1%の間である。
【0122】
上記した各種の方法によって調製される感光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感する事が出来る。この化学増感の方法及び手順については、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許第1,518,850号各明細書、特開昭51−22430号、同51−78319号、同51−81124号各公報に記載されている。又ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する際に、米国特許第3,980,482号明細書に記載されているように、増感を達成するために低分子量のアミド化合物を共存させてもよい。
【0123】
又、これらの感光性ハロゲン化銀には、照度不軌や、階調調整の為に元素周期律表の6族から10族に属する金属、例えばRh、Ru、Re、Ir、Os、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンを含有させることが出来る。特に錯イオンとして添加するのが好ましく、例えば照度不軌のためにIrCl6 2-等のIr錯イオンを添加してもよい。
【0124】
本発明において非感光性有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元剤と反応して銀画像を形成する銀ソースを構成するものである。有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特にこの中でもベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の長鎖の(炭素数10〜30、好ましくは15〜25)脂肪族カルボン酸及びイミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾール等の様な含窒素複素環化合物から選択される窒素酸と銀との錯体または塩が好ましい。配位子が銀イオンに対する総安定度常数として4.0〜10.0の値をもつような有機又は無機の錯体も好ましい。これらの他、好適な銀塩の例は、RD17029及び29963に記載されている。これらの中、特に好ましい銀塩としてはベヘン酸銀、アラキジン酸銀またはステアリン酸銀があげられる。
【0125】
有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号に記載されている様なコントロールドダブルジェット法等が好ましく用いられ、例えば、有機酸にアルカリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した後に、コントロールドダブルジェット法により、前記ソープと硝酸銀などを混合して有機銀塩の結晶を作製することができる。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよい。
【0126】
本発明においては有機銀塩は平均粒径が10μm以下であり、かつ単分散であることが好ましい。有機銀塩の平均粒径とは、有機銀塩の粒子が例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、有機銀塩粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。平均粒径は0.05μm〜10μm好ましくは0.05μm〜5μm、特に0.05μm〜1.0μmが好ましい。また単分散とは、ハロゲン化銀の場合と同義であり、粒子径の変動係数で1〜30%のものをいう。
【0127】
有機銀塩をこれらの粒径、形状にするためには、前記有機銀塩の結晶をバインダーや界面活性剤などをボールミルなどで分散粉砕することで得られる。この範囲にすることで濃度が高く、かつ画像保存性に優れた感光材料が得られる。
【0128】
これらにより形成した非感光性有機銀塩分散液を前記別調製し、別途分光増感を施したハロゲン化銀と混合し、充分接触させ、熱現像有機銀塩、ハロゲン化銀組成物を得る。
【0129】
本発明においては感光材料の失透を防ぐためには、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換算して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であることが好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得られる。
【0130】
本発明の熱現像感光材料に用いられる還元剤としては、公知の還元剤の中から適宜選択して使用することが出来るが、有機銀塩に脂肪族カルボン酸銀塩を使用する場合には、2個以上のフェノール基がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類、特にフェノール基のヒドロキシ置換位置に隣接した位置の少なくとも一つにアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)又はアシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基等)が置換したフェノール基の2個以上がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類、例えば1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、6,6′−ベンジリデン−ビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等の米国特許第3,589,903号、同第4,021,249号若しくは英国特許第1,486,148号各明細書及び特開昭51−51933号、同50−36110号、同50−116023号、同52−84727号若しくは特公昭51−35727号公報に記載されたポリフェノール化合物、例えば、2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル等の米国特許第3,672,904号明細書に記載されたビスナフトール類、更に、例えば、4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミドナフトール等の米国特許第3,801,321号明細書に記載されているようなスルホンアミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類を挙げることが出来る。
【0131】
本発明の熱現像感光材料に使用される還元剤の量は、有機銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤によって変化するが、一般的には有機銀塩1モル当たり0.05モル乃至10モル好ましくは0.1モル乃至3モルが適当である。又この量の範囲内において、上述した還元剤は2種以上併用されてもよい。本発明においては、前記還元剤を塗布直前に感光溶液に添加混合して塗布した方が、感光溶液の停滞時間による写真性能変動が小さく好ましい場合がある。
【0132】
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を調整する色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している熱現像感光材料であることが好ましい。
【0133】
本発明に用いられる好適な色調剤の例はResearch Disclosure第17029号に開示されており、次のものがある。
【0134】
イミド類(例えば、スクシンイミド、フタルイミド、ナフタールイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド);メルカプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、フタラジノン、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジンとフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸)の組み合わせ;フタラジンとマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ等が挙げられる。好ましい色調剤としてはフタラジノン又はフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類の組み合わせである。
【0135】
本発明の熱現像感光材料中にはカブリ防止剤が含まれて良い。カブリ防止剤としては、米国特許第3,874,946号及び同第4,756,999号に開示されているような化合物、−C(X1)(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンでX3は水素又はハロゲン)で表される1以上の置換基を備えたヘテロ環状化合物である。好適なカブリ防止剤の例としては、米国特許第5,028,523号及び欧州特許第600,587号、同第605,981号、同第631,176号に開示されている。又、特開平9−288328号段落番号〔0030〕〜〔0036〕に記載されている化合物等が好ましく用いられる。
【0136】
本発明の熱現像感光材料に好適なバインダーは透明又は半透明で一般に無色であり、天然ポリマーや合成ポリマー及びコポリマー、その他、フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート類、セルロースエステル類、ポリアミド等があり、水溶性でも非水溶性でもよく、又、水性の分散液を形成しているものでもよい。しかしながら、これらのバインダーの中でも特に好ましいのは、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルブチラールのような非水溶性のポリマーであり、この中で熱現像感光層に用いる特に好ましいポリマーとしてはポリビニルホルマール類があげられ、その中でも特に好ましいのはポリビニルブチラールであり、保護層バックコート層として特に好ましいポリマーとしてはセルロースアセテート及びセルロースアセテートブチレートがあげられる。又、ラテックス形態のスチレン/ブタジエン共重合体等も好ましいバインダーである。
【0137】
本発明においては、感光層のバインダー量が1.5〜6g/m2であることが好ましい。更に好ましくは1.7〜5g/m2である。1.5g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0138】
本発明においては、感光材料の表面層に(感光層側、又支持体をはさみ感光層の反対側に非感光層を設けた場合にも)、現像前の取り扱いや熱現像後の画像の傷つき防止のためマット剤を含有することが好ましく、バインダーに対し、質量比で0.1〜30%含有することが好ましい。
【0139】
本発明において用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0140】
本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好ましく、更に、好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下となるマット剤である。
【0141】
ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下記の式で表される値である。
(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0142】
これらの素材の他、各種の添加剤が目的に応じ感光性層、非感光性層、又はその他の形成層に添加されてもよい。本発明の熱現像感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を添加することができる。これらの添加剤及び上述したその他の添加剤はResearch Disclosure 17029(1978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
【0143】
本発明の熱現像感光材料は支持体上に少なくとも1層の感光層を有している。支持体の上に感光層のみを形成してもよいが、感光層の上に少なくとも一層の非感光層を形成するのが好ましい。例えば感光層の上には保護層が、熱現像感光層を保護する目的で、又支持体の反対の面には感光材料間の、或いは感光材料ロールにおいてくっつきを防止する為に、バックコート層が設けられるのが好ましい。又熱現像感光層を透過する光の量または波長分布を制御するために感光層と同じ側または反対の側にフィルター層を形成してもよいし、感光層に染料又は顔料を含有させてもよい。染料としては特開平8−201959号の化合物が好ましい。感光層は複数層にしてもよく、又階調の調節のために高感度層、低感度層を設け、これを組み合わせてもよい。各種の添加剤は感光層、非感光層又はその他の形成層のいずれに添加してもよい。
【0144】
熱現像感光材料に用いる支持体の素材としては各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(例えばアルミニウム)等が挙げられるが、情報記録材料としての取り扱い上は可撓性のあるシート又はロールに加工できるものが好適である。従って本発明の熱現像感光材料における支持体としては、プラスチックフィルム(例えばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテートフィルム又はポリカーボネートフィルム等)が好ましく、本発明においては2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
【0145】
本発明においては帯電性を改良するために金属酸化物および/または導電性ポリマーなどの導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらはいずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層,バッキング層、感光性層と下引の間の層などに含まれる。本発明においては米国特許5,244,773号カラム14〜20に記載された導電性化合物が好ましく用いられる。
【0146】
感光層、保護層及びバックコート層等本発明の感光材料上に必要な各層を塗設する方法に特に制限はなく、従来知られている、エアナイフコーティング、ディップコーティング、バーコーティング、カーテンコーティング、ホッパーコーティングなどの方法を用いることができる。又、これらの層を2層以上同時に塗布してもよい。塗布液の溶媒としてはMEK、酢酸エチル、トルエンの様な有機溶媒が好ましく用いられる。又、バインダーとして水性の分散液(ラテックス)を用いることも、有機溶剤の飛散がなく作業環境上好ましい。
【0147】
本発明の熱現像写真感光材料は、上述した各構成層の素材を溶媒に溶解又は分散させた塗布液を作り、それら塗布液を複数、順次に或いは同時に重層塗布した後、加熱処理を行って形成される。各構成層(例えば感光層、保護層)の塗布液を作製し、これを支持体へ塗布する際に各層個別に塗布、乾燥の繰り返しをするのではなく、同時に重層塗布を行い乾燥するのが好ましい。
【0148】
各構成層を複数同時に重層塗布する方法には特に制限はなく、例えばバーコーター法、カーテンコート法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、エクストリュージョン塗布法などの公知の方法を用いることができる。これらのうちより好ましくはエクストリュージョン塗布法と呼ばれる前計量タイプの塗布方式である。該エクストリュージョン塗布法はスライド塗布方式のようにスライド面での揮発がないため、精密塗布、有機溶剤塗布に適している。
【0149】
本発明の熱現像感光材料を用いた画像形成においては、上記の如く得られた熱現像感光材料を像様に露光後、典型的には適した高温に於いて熱現像感光材料を加熱することを伴う。露光後に得られた潜像は、中程度の高温(例えば、約80〜200℃、好ましくは約100〜200℃、更に好ましくは100℃以上150℃)で十分な時間(一般には約1秒〜約2分間)、熱現像写真感光材料を加熱することにより現像することができる。加熱する機器、装置、或いは手段はホットプレート、アイロン、ホットローラー、炭素又は白色チタン等を用いた熱発生器として典型的な加熱手段で行ってよい。より好ましくはヒートローラに接触させながら搬送し加熱処理して現像することが熱効率、作業性の点などから好ましい。
【0153】
本発明の熱現像感光材料の露光は、赤外光域ならば如何なる光源にも適用可能であるが、レーザーパワーがハイパワーである事や、感光材料を透明にできる等の点から、赤外半導体レーザー(780nm、820nm)がより好ましく用いられる。
【0154】
本発明において、露光はレーザー走査露光により行うことが好ましいが、感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角が実質的に垂直になることがないレーザー走査露光機を用いることが好ましい。
【0155】
ここで、「実質的に垂直になることがない」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として好ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以下、最も好ましくは70度以上82度以下であることをいう。
【0156】
レーザー光が、感光材料に走査されるときの感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。これは、スポット径が小さい方がレーザー入射角度の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。なお、ビームスポット直径の下限は10μmである。このようなレーザー走査露光を行うことにより干渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じることが出来る。
【0157】
また、本発明における露光は縦マルチである走査レーザー光を発するレーザー走査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モードの走査レーザー光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。
【0158】
縦マルチ化するには、合波による、戻り光を利用する、高周波重畳をかける、などの方法がよい。なお、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、通常60nm程度である。
【0159】
【実施例】
〈写真用支持体の作製〉
濃度0.170(コニカ(株)製デンシトメータPDA−65にて測定)に青色着色した、厚み175μmのPETフィルムの両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施した。
【0160】
(感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
水900ml中に平均分子量10万のオセインゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを硝酸銀と等モル及び塩化イリジウムを銀1モル当たり1×10-4モル含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.06μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理した後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、感光性ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0161】
(粉末有機銀塩Aの調製)
4720mlの純水にベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。上記の有機酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、上記感光性ハロゲン化銀乳剤A(銀0.038モルを含む)と純水450mlを添加し5分間攪拌した。次に1Mの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、さらに20分攪拌し、濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を繰り返し、遠心脱水を実施した後、37℃にて質量減がなくなるまで温風乾燥を行い、粉末有機銀塩Aを得た。
【0162】
(感光性乳剤分散液の調製)
ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社 Butvar B−79)14.57gをメチルエチルケトン1457gに溶解し、ディゾルバー型ホモジナイザにて攪拌しながら粉末有機銀塩Aを500g徐々に添加して十分に混合した。その後1mmZrビーズ(東レ製)を80%充填したメディア型分散機(Gettzmann社製)にて周速13m、ミル内滞留時間0.5分間にて分散を行ない感光性乳剤分散液を調製した。
【0163】
〈感光層塗布液の調製〉
前記感光性乳剤分散液(500g)およびMEK100gを攪拌しながら25℃に保温した。
【0164】
カブリ防止剤1(0.20g)を加え、1時間攪拌した。さらに臭化カルシウム(10%メタノール溶液3.25ml)を添加して30分攪拌した。
【0165】
次に増感色素No.43と一般式(1)〜(3)から選ばれる化合物との混合溶液(混合比率1:250〜450、且つ、増感色素で0.1%のMEK溶液となるようにした)を調製し、その7mlを添加する。更に15分後に一般式(I)〜(IV)から選ばれる化合物(強色増感剤)を加え、45分攪拌した後に温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌する。
【0166】
13℃に保温したまま、ポリビニルブチラール48gを添加して充分溶解してから、以下の添加物を添加する。
【0167】
【0168】
【化39】
【0169】
この様にして本発明に係わる一般式(1)〜(3)から選ばれる化合物、一般式(I)〜(IV)から選ばれる化合物(強色増感剤)を変化させ感光層塗布液を調製した。
【0170】
〈バック面側塗布〉
(バック面塗布液の調製)
メチルエチルケトン830gに攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社、CAB381−20)84.2g、ポリエステル樹脂(Bostic社、VitelPE2200B)4.5gを添加し溶解した。溶解した液に、前記赤外染料1を0.30gを添加し、さらにメタノール43.2gに溶解したF系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH40)4.5gとF系活性剤(大日本インク社、メガファッグF120K)2.3gを添加して、溶解するまで十分に攪拌を行った。最後に、メチルエチルケトンに1質量%の濃度でデゾルバー型ホモジナイザーにて分散したシリカ(W.R.Grace社、シロイド64X6000)を75g添加、攪拌しバック面の塗布液を調製した。
【0171】
(バック面の塗布)
このように調製したバック面塗布液を、乾燥膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターにて塗布乾燥を行った。乾燥温度100℃、露天温度10℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0172】
〈感光層側塗布〉
前記各感光層塗布液と以下の表面保護層塗布液をエクストリュージョンコーターを用いて同時重層塗布した。感光層は塗布銀量2.4g/m2、表面保護層は乾燥膜厚で2.5μmになる様に毎分20mの速度で塗布した。その後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて、10分間乾燥を行った。
【0173】
この様にして本発明に係わる一般式(1)〜(3)から選ばれる化合物、一般式(I)〜(IV)から選ばれる化合物(強色増感剤)を表1のように変化させた熱現像感光材料試料1〜15を作製した。尚、表1においてMMBIとは、比較に用いた強色増感剤である、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾールである。
【0174】
〈表面保護層〉
(分散液の調製)
セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社、CAB171−15)7.5gをメチルエチルケトン42.5gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Speciality Minerals社、Super−Pflex200)5gを添加し、デゾルバー型ホモジナイザーにて8000rpmで30分間分散し炭酸カルシウム分散液を調製した。
【0175】
(表面保護層塗布液の調製)
メチルエチルケトン865gに攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社、CAB171−15)96g、ポリメチルメタクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)4.5gを添加し溶解した。この液にビニルスルホン化合物HD−1を1.5g、ベンゾトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH40)を1.0g添加し溶解した。最後に炭酸カルシウム分散液30gを添加して攪拌し、表面保護層塗布液を調製した。
【0176】
HD−1:1,3−{ビス(ビニルスルホニル)}−2−ヒドロキシプロパン
《露光及び現像処理》
上記のように作製した感光材料試料から2枚ずつ試料をとり、そのうちの一枚を直ちに、それぞれ乳剤面側から、高周波重畳にて波長800nm〜820nmの縦マルチモード化された半導体レーザーを露光源とした露光機によりレーザー走査による露光を与えた。この際に、感光材料の露光面と露光レーザー光の角度を75度として画像を形成した(なお、当該角度を90度とした場合に比べムラが少なく、かつ予想外に鮮鋭性等が良好な画像が得られた。)。
【0177】
その後、ヒートドラムを有する自動現像機を用いて熱現像感光材料の保護層とドラム表面が接触するようにして、123℃で16.5秒熱現像処理した。その際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行った。得られた画像の評価を濃度計により行った。測定の結果は、感度(S)(未露光部分よりも1.0高い濃度を与える露光量の比の逆数)およびカブリ(fog)で評価し、感光材料1の感度を100とする相対値で示した。
【0178】
〈フィルムの保存性の評価〉
上記試料2枚のうちもう1枚は40℃、55%RHで3日間遮光保存した後同様に露光、現像し、両者の感度及びカブリ部分の濃度を測定しフィルムの保存性を以下の方法により評価した。
【0179】
感度の増加(ΔS)=遮光保存後現像の相対感度−即現像の相対感度
カブリの増加(Δfog)=遮光保存後現像のカブリ−即現像のカブリ
【0180】
【表1】
【0181】
本発明の領域において、低カブリかつ高感度な初期性能を有し、かつ経時保存性に優れた熱現像感光材料が得られた。
【0182】
又、次に露光現像した感光材料の画像保存性を評価した。
〈光照射画像保存性の評価〉
写真性能評価と同様に露光現像した感光材料を、直射日光のあたるガラス窓の内側に張り付け2ヶ月間放置した後の画像の様子を下記の基準で目視評価した。
【0183】
◎・・・ほとんど変化が無い
○・・・僅かに色調変化があるが気にならない
△・・・画像部変色があるが実用的に許容される
×・・・Dminが変色し濃度が上がり実用不可
結果を表2に示す。
【0184】
【表2】
【0185】
本発明の試料は光照射したときの画像保存性にも優れる。
【0186】
【発明の効果】
低カブリかつ高感度な初期性能を有し、かつ処理後の光照射画像保存性に優れた熱現像感光材料が得られた。
Claims (14)
- 支持体上に少なくとも非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤、下記一般式(1)で表される化合物、一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表される化合物及びバインダーを有することを特徴とする熱現像感光材料。
一般式(1)
Xa−SO2−O−La−COOMa
〔式中、Xaは炭化水素基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、メルカプト基を表し、Laは二価の炭化水素基、Maは有機または無機のカチオンを表す。〕
- 非感光性有機銀塩とは独立に形成された感光性ハロゲン化銀に下記一般式(S−1)又は(S−2)で表される少なくとも1種の分光増感色素を添加することにより分光増感が施されたことを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
- 更に、一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱現像感光材料。
一般式(2)
Xb−COOMb
〔式中、Xbは炭化水素基、ヘテロ環基を表す。Mbは有機または無機のカチオンを表す。〕 - 更に一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱現像感光材料。
一般式(3)
Xc−CO−Lc−COOMc
〔式中、Xcは炭化水素基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、メルカプト基を表し、Lcは二価の炭化水素基、Mcは有機または無機のカチオンを表す。〕 - 一般式(1)の化合物のLaがアルキレン基又はアリーレン基であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の熱現像感光材料。
- 一般式(1)の化合物のLaがアルキレン基であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の熱現像感光材料。
- 一般式(1)の化合物のLaがフェニレン基であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の熱現像感光材料。
- 一般式(1)の化合物のLaがオルトフェニレン基であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の熱現像感光材料。
- 一般式(3)の化合物のLcがアルキレン基又はアリーレン基であることを特徴とする請求項4、5、6、7又は8に記載の熱現像感光材料。
- 一般式(3)の化合物のLcがアルキレン基であることを特徴とする請求項4、5、6、7又は8に記載の熱現像感光材料。
- 一般式(3)の化合物のLcがフェニレン基であることを特徴とする請求項4、5、6、7又は8に記載の熱現像感光材料。
- 一般式(3)の化合物のLcがオルトフェニレン基であることを特徴とする請求項4、5、6、7又は8に記載の熱現像感光材料。
- 請求項1〜12に記載の熱現像感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角度が実質的に垂直になることがないレーザー走査露光機による露光を行うことを特徴とする画像露光方法。
- 請求項1〜12に記載の熱現像感光材料に記録する際の走査レーザー光が縦マルチであるレーザー走査露光機による露光を行うことを特徴とする画像露光方法。
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