JP3882394B2 - 多連凹凸板用成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、全体として板状を成すとともに、少なくとも一方の面に複数の凹部もしくは凸部を形成することにより、相対的に多数の凹凸部が設けられた多連凹凸板の成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば固体電解質型の燃料電池は、平板状の電解質を挟んだ両側に電極を設けて単電池(単セル)を構成し、その単セルを多数積層して燃料電池スタックを構成し、必要とする電圧および電流で電力を取り出すように構成している。その場合、各電極に導通して電力を取り出し、また各電極を介して電解質の表面に燃料ガス(例えば水素ガス)や酸化性ガス(例えば空気)などの反応ガスを供給するために、電極の表面側すなわち各単セルの間にセパレータを配置している。
【0003】
したがってこのセパレータは、電力を取り出すために導電性材料によって構成され、かつ電極に導通可能に接触するとともに、電極の表面との間に反応ガスを流通させるための流路を形成する構造を備えている必要がある。このような要請を満たすために、金属などの導電性の板材に多数の凹凸部を形成し、その凸部を電極に接触させ、かつ凹部を互いに連通させてガス流路とした多連凹凸板をセパレータとして使用することが考えられる。
【0004】
多連凹凸板を燃料電池用セパレータとして使用する場合、集電効率や燃料電池の発電効率を高くするために、凸部の先端面(頂面)を平面に形成して電極との接触面積を可及的に拡大し、また反応ガスの流通を促進するために凸部の高さは板厚の1.5倍程度もしくはそれ以上とすることが望まれる。さらに、凸部のピッチは可及的に小さくして電極に対する全体としての接触面積を広くすることが望ましい。
【0005】
このような多連凹凸板を成形する装置として、凸型と凹型とをプレス機にセットした装置が広く知られている。また、このように凹凸形状を一対のローラの外周面に設け、これらのローラの間に板状素材を供給して走行させることにより板状素材に曲げ加工を施して、連続的に凹凸形状に成形する装置が知られている。さらに、特開平10−216847号公報には、凸型の進入する凹部を、素材板が接触しない程度に大きくしたいわゆるルーズ型として構成し、凸型によって素材板に延びを生じさせつつ凹型の内部に進入させ、その際に素材板が凹部の内面に摺接しないことにより、摩耗が生じず、これにより型寿命を向上させるようにした方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した多連凹凸板を製造するにあたり、上記の一対の凸型および凹型を使用した場合、凸部もしくは凹部の成形に伴って材料の引っ張りが生じるが、凸部もしくは凹部のピッチを可及的に小さくした場合には各凸部もしくは凹部の間で材料の引っ張りが生じ、これが原因で割れが発生する可能性が高く、特に凸部の高さを素材板の板厚の1.5倍以上とした場合、さらには凸部のピッチをその外径程度の小さい値にした場合には、殆ど確実に割れが発生してしまう。
【0007】
これに対して上記の公報に記載されているように材料の延びを生じさせて凸部を成形する方法すなわちいわゆる張り出し加工では、素材板の割れが発生しにくくなる。しかしながら素材板の全面に小さいピッチできわめて多数の凸部を形成する場合には、以下のような技術的な課題がある。すなわち凸状に成形加工する箇所の周囲で素材板を拘束することにより、材料の延びもしくは流動を伴う凸形状の成形が可能になり、それに伴って割れが発生しにくくなるが、小さいピッチで多数の凸部を成形するためには、素材板を拘束する板押えを貫通する多数のポンチを設け、例えば板押えを下降させて素材板を拘束した後に、全てのポンチを下降させて凸部の加工をおこなうことになる。
【0008】
したがって板押えの上側(背面側)には、ポンチをストロークさせるための加圧板などの部材が移動する隙間を確保する必要がある。その結果、板押えに対する荷重はその周辺部にしか掛けることができない。これに対して凸部のピッチが小さいことにより、ポンチによる成形荷重は、素材板の中央部のほぼ全面に作用することになり、特に上下両方向にポンチを突き出させる構造の場合には、成形荷重に起因する弾性変形が板押えに生じ、その変形量は素材板の中央部に相当する箇所ほど大きくなる。このような弾性変形が原因となって、素材板に形成される凸部の高さが中央部と周辺部とで異なってしまう。
【0009】
また、凸部の頂面を平坦面とするために、ポンチに対向させてノックアウトを配置することがあるが、そのノックアウトは板押えもしくはこれと一体の部材に取り付けられるので、板押えの弾性変形によってノックアウトが後退してしまう。そのため、形成される凸部の高さが高くなってしまい、これが原因で割れが生じるおそれがある。また、凸部の頂面がノックアウトに確実に押し付けられなくなるので、凸部の頂面における平坦部分が小さくなり、その結果、セパレータとして電極に接触する面積が減少して集電効率が低下する不都合がある。
【0010】
このような不都合を解消するために、素材板を複数部分に区分し、その区分された箇所ごとに凸部の張り出し加工を順次おこなうことが考えられる。このような加工方法であれば、狭い面積の範囲を拘束すればよいので、成形型の弾性変形を抑制して所期の形状の凸部を成形することができる。しかしながら、1枚の素材板に対して複数回の加工を施すことになるので、素材板の位置決め、拘束、加工、拘束の解放、移動、再度の位置決めなどの工程を繰り返す必要があり、そのために工数が増大するなど加工能率(生産性)が低下する不都合がある。
【0011】
この発明は、上記の技術的な課題に着目してなされたものであり、小さいピッチでかつ突出高さの高い多数の凹凸部を有し、また燃料電池用セパレータとすることのできる多連凹凸板を効率よく製造することのできる装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、板状素材をその板厚方向に拘束した状態で走行させ、その走行中に板状素材に凸形状の変形を連続的に生じさせるように構成したことを特徴とするものである。
【0017】
したがって、請求項1の発明は、可塑性板状素材の複数箇所をその板厚方向に押圧して変形させることにより多数の凹凸部を形成する多連凹凸板用成形装置において、前記板状素材に接する外周面に開口する多数の貫通孔が一定間隔で形成された中空構造の第1のローラと、前記第1のローラとの間に前記板状素材を挟み付けかつ前記板状素材に接する外周面に多数の凹部が前記貫通孔と同間隔で形成された第2のローラと、前記第1のローラの内部に配置され、前記第1のローラと共に回転することにより前記貫通孔を通って前記凹部に突出かつ退入することにより前記板状素材に凹凸形状を連続的に形成するようにポンチ部が外周部に設けられた成形ローラとを備え、前記成形ローラは、前記第1のローラおよび第2のローラに対してその回転方向での前方側にオフセットして配置されていることを特徴とする装置である。
【0018】
したがって、請求項3の発明では、第1および第2のローラの間に板状素材が挟み込まれ、これらのローラが回転することにより板状素材が走行させられ、その間に、成形ローラの外周部に設けられたポンチ部が貫通孔から板状素材側に突出して板状素材に凹凸形状が形成される。すなわち、凹凸形状は、第1および第2のローラによって板状素材を挟み付けて強く拘束した状態で凹凸形状を成形することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図面を参照して具体的に説明する。この発明の装置は、金属板などの導電性のある板状素材に材料の延びあるいは流動を伴うコイニング加工(張り出し加工)を施して多数の凸部(もしくは凹部)を形成するための装置であり、特にその成形加工を連続的におこなうように構成されている。すなわち図1において、一対の大径のローラ1,2がその外周部を接触する程度に接近させて配置されており、これらのローラ1,2の外周面同士の最も接近した位置での間隔は、金属板などの被加工材3の板厚以下に設定されている。
【0022】
図1での上側のローラ1は中空構造であって、その外殻(周壁部)4に一定ピッチで多数の貫通孔5が形成されている。また、図1での下側のローラ2の外周面には、貫通孔5の開口面の形状と同じ開口形状の多数の凹部6が、貫通孔5と同じピッチで形成されている。そしてこれら一対のローラ1,2は、それぞれの貫通孔5と凹部6とが一対一に対応して対向するように回転方向の位相が揃えられ、かつ同期して回転するように設定されている。その回転駆動力は、それぞれのローラ1,2に付与するように構成してもよいが、後述するようにこれらのローラ1,2は実質的に噛み合って回転するので、いずれか一方のローラ1,2にのみ回転駆動力を伝達するように構成してもよい。
【0023】
上記の一対のローラ1,2は、被加工材3をその板厚方向に加圧して拘束するとともに、その状態で回転することにより被加工材3を一方向に走行させるためのものである。そこで、被加工材3の拘束面積(拘束範囲)を可及的に大きくするために、被加工材3の板厚に対して外径が遙かに大きく設定されている。また、弾性変形による接触面積の拡大を図るために、各ローラ1,2を互いに接近させる方向の荷重が大きく設定されている。このようにして各ローラ1,2によって被加工材3を挟持している状態を図2に拡大して示してある。
【0024】
上記の貫通孔5を形成した図1における上側のローラ1の内部に、成形ローラ7が配置されている。この成形ローラ7は、被加工材3に対して連続して凸形状もしくは凹形状のコイニング加工を施すためのものであって、前記貫通孔5を貫通して前記凹部6に先端部が進入する多数のポンチ部8を外周部に備えている。そして、そのポンチ部8が上下のローラ1,2の間に突出するように、上側のローラ1に対して図1での下側に偏心した位置に配置されている。
【0025】
したがってそのポンチ部8の先端のピッチは、貫通孔5および凹部6のピッチと同一に設定されている。また、その長さは、貫通孔5を通って凹部6側に突き出して予め定めた深さ(例えば被加工材3の板厚の1.5倍程度)の変形を被加工材3に形成する長さに設定されている。
【0026】
さらに、成形ローラ7のポンチ部8による成形加工が、単なる曲げ加工でなく材料の延びもしくは流動を生じさせるコイニング加工(もしくは張り出し加工)となるように、成形ローラ7が、ローラ1に対してその回転方向での前方側に所定寸法δ、オフセットして配置されている。すなわち、前記ポンチ部8によるコイニング加工は、成形ローラ7の回転に伴ってポンチ部8が図1での右方向に進行しつつ実行されるから、被加工材3の材料には、図1の右方向に引っ張り力が作用する。これに対して、上下一対のローラ1,2による被加工材3の挟持は、その中心を結んだ線上で最も強くなる。
【0027】
したがってポンチ部8が被加工材3に対して最も深く加工を施す位置、すなわち成形ローラ7の中心の図1での直下の位置が、上下一対のローラ1,2による最も強い挟持部より前方側(回転方向での前方側)となるように上記のオフセット量δが設定され、その結果、ポンチ部8による加工部位のみで材料の延びもしくは流動を生じさせて所定の凹凸形状に加工するようになっている。これは、互いに隣接する加工部位同士での材料の取り合いによる割れを防止し、ひいては加工深さを深くするためである。
【0028】
上記の3つのローラ1,2,7を主体としたこの発明に係る成形装置の作用について次に説明する。上記の各ローラ1,2,7をそれらの周速が同じになるように回転させる。その状態で上下一対のローラ1,2の間に被加工材3を、その回転方向での後方側(図1での左側)から送り込む。前述したようにこれらの上下一対のローラ1,2の間隔は、被加工材3の板厚以下に設定され、さらに互いに接近して被加工材3を挟みつけるように構成されているので、これらのローラ1,2の間に送り込まれた被加工材3は、これらのローラ1,2に挟持され、かつその回転に伴って前方(図1での右方向)に送られる。したがってこれら上下一対のローラ1,2がこの発明における挟持走行部材に相当している。
【0029】
成形ローラ7は、図1での上側のローラ1の内周側に配置されていてこのローラ1よりも小径のローラであり、したがって同期して回転することにより、ポンチ部8が上側のローラ1における貫通孔5に次第に進入し、かつその貫通孔5から下側のローラ2側に突出し、その後、貫通孔5の内部に次第に退入する。このように、上下のローラ1,2によって挟持されて拘束され、かつその回転方向に走行させられている被加工材3に対してポンチ部8が次第に作用し、材料の延びもしくは流動を伴うコイニング加工(もしくは張り出し加工)を施す。その状態を図3に拡大して示してある。したがって成形ローラ7がこの発明の成形用走行部材に相当し、また各ローラ1,2,7が、貫通孔5およびポンチ部8ならびに凹部6を介して互いに噛み合った状態となる。
【0030】
特に上述した構造の装置では、成形ローラ7が上下一対のローラ1,2に対してその回転方向にオフセットして配置されているので、ポンチ部8による加工部位で材料の延びもしくは流動が生じ、隣接する加工部位同士の間で材料の取り合いが生じない。その結果、割れを生じることなく深さ(もしくは高さ)の大きい凹形状の加工を被加工材3に施すことができる。
【0031】
上述のようにこの発明の装置では、被加工材3を板厚方向に対して加圧して拘束し、その拘束部位に隣接する位置にコイニング加工を施すから、加工部位のみの材料の延びもしくは流動によって凹形状(もしくは凸形状)の加工をおこなうことになる。したがって材料の延びもしくは流動による板厚の減少を可及的に均一にすることにより、割れを生じさせることなく加工高さを高くすることができる。そのために、この発明では、ポンチ部8およびダイスに相当する前記凹部6の形状は、以下に述べるように設定することが好ましい。
【0032】
すなわちポンチ部を被加工材に押し付けて材料の延びもしくは流動を伴う変形を生じさせる場合、ポンチ部と材料との摺動が生じるので、均一な材料の延びもしくは流動のためにはポンチ部の先端形状は滑らかな形状が好ましい。従来では球形が好ましいとされていた。一方、前掲の公報には、寸法精度の低い加工の際の摩耗による耐久性の低下を防止するためにいわゆるストレート形状のダイスが示されているが、材料の延びや流動をガイドするなどの観点からダイス形状は所定のテーパ角のあるテーパ形状が好ましいと考えられる。そこで、先端形状が下記の4つの形状をなすポンチを用意し、所定の連続した凹凸形状のコイニング加工による評価をおこなった。
【0033】
形状1:先端のポンチ角度が18度10分(テーパ角度では36度20分)、先端コーナ部の半径が1.0mm。
形状2:先端のポンチ角度が11度12分(テーパ角度では22度24分)、先端コーナ部の半径が2.5mm。
形状3:先端のポンチ角度が11度12分(テーパ角度では22度24分)、先端コーナ部の半径が1.0mm。
形状4:ストレート軸部の外径と同一外径の球形。
【0034】
使用した成形型は、図4に示すように、上下のダイス兼板押え10,11と、上側のダイス兼板押え10を下向きに貫通したポンチ12と、そのポンチ12に対向させて下側のダイス兼板押え11に内装したノックアウトピン13と、下側のダイス兼板押え11を上向きに貫通したポンチ14と、そのポンチ14に対向させて上側のダイス兼板押え10に内装したノックアウトピン15とを備え、上下のダイス兼板押え10,11によって金属板などの被加工材16を挟持固定した状態で、各ポンチ12,14を前進させて被加工材16に凹凸形状を互いに隣接させて多数同時に形成するように構成されている。なお、ダイス孔の形状はポンチ12,14のテーパ角に合わせたテーパ孔とした。
【0035】
各ポンチ12,14を所定寸法ストロークさせ、その間におけるポンチ12,14とダイス兼板押え10,11との最小クリアランスの変化を測定し、また成形品における割れの発生状況を観察した。その測定結果を図5に示してある。なお、被加工材の板厚は0.3mmであった。また、板押え力は、被加工材の降伏応力の50%以上に設定した。
【0036】
図5は各ポンチを1mmストロークさせた場合のポンチとダイスとの間に最小クリアランスの変化を測定した結果を示しており、上記の形状1のポンチによる最小クリアランスの変化割合は約30%であり、成形品に割れは生じなかった。これに対して形状2のポンチを使用した場合には、最小クリアランスの減少割合がほぼ50%となり、かつ成形品に割れが生じた。また、上記の形状3のポンチを使用した場合には、最小クリアランスの減少割合がほぼ40%となり、かつ成形品に割れが生じた。さらに、上記の形状4のポンチを使用した場合には、最小クリアランスの減少割合がほぼ50%となり、かつ成形品に割れが生じた。
【0037】
結局、板厚の3.3倍までコイニング加工による凹形状の成形をおこなった場合、加工部位での板厚の変化量、すなわちポンチとダイスとの最小クリアランスの変化量が約30%以下となるポンチおよびダイス孔の形状であれば、割れを生じさせることなくコイニング加工による凹形状(もしくは凸形状)の成形加工をおこなうことができる。なお、図5に示す測定結果は、上下方向にストロークする成形型を用いて測定した結果であるが、上記の形状1のポンチを図1に示す成形装置のポンチ部に適用しても同様の結果を得ることができる。
【0038】
なおここで、ポンチの先端形状およびダイス孔の形状と張り出し加工における相対限界張り出し高さ(H/t)との関係を示す。図6は、張り出し加工における板厚tと張り出し加工高さHとの比率を成形温度ごとに、複数種類のポンチおよびダイス孔について測定した結果を示しており、A線は18度10分のポンチ角でかつ先端部のコーナ半径が2.5mmのポンチとテーパ孔のあるダイスを使用した例である。また、B線は18度10分のポンチ角でかつ先端部のコーナ半径が2.5mmのポンチとストレート孔のあるダイスを使用した例である。C線は半径10mmの球形のポンチとストレート孔のあるダイスを使用した例である。D線は半径10mmの球形のポンチとテーパ孔のあるダイスを使用した例である。
【0039】
この図6に示す結果から明らかなように、ポンチの先端形状をテーパ形状とし、かつそのコーナのラウンド加工(丸み付け加工)の半径を適宜に設定することにより、球形ポンチよりも張り出し限界高さを高くすることができる。特にポンチとダイスとの最小クリアランスの減少割合が小さくなる形状とすることにより、割れを生じることなく加工寸法を大きくすることが可能になる。
【0040】
なお、上述した具体例では、ローラを使用して被加工材を加圧して拘束し、かつ走行させる構成としたが、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、金属ベルトや合成材料製のベルトあるいはクローラなどの適宜の走行部材で挟みつけて拘束し、かつ走行させる構成であってもよい。なおその場合、走行部材が可撓性を有していれば、適宜のバックアップ手段で加圧するように構成すればよい。また、この発明で成形される凹凸板は例えば燃料電池におけるセパレータとして使用される。さらに、この発明で形成する凹凸部の形状は、丸形状、矩形形状、溝形状などの適宜の形状でよい。そしてこの発明で使用することのできる板状素材は、導電性のあるものに限らないのであり、絶縁性の板状素材を使用してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、第1および第2のローラの間に板状素材が挟み込まれ、これらのローラが回転することにより板状素材が走行させられ、その間に、成形ローラの外周部に設けられたポンチ部が貫通孔から板状素材側に突出して板状素材に凹凸形状が形成される。すなわち、凹凸形状は、第1および第2のローラによって板状素材を挟み付けて強く拘束した状態で凹凸形状を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による成形装置の一例を概略的に示す図である。
【図2】 その上下のローラによって被加工材を挟持している状態の部分図である。
【図3】 被加工材の加工状況を示す部分図である。
【図4】 ポンチ先端形状に応じた最小クリアランスの変化を測定するために使用した成形型の模式図である。
【図5】 各ポンチごとの最小クリアランスの測定結果を示す線図である。
【図6】 ポンチおよびダイスの形状ごとの相対限界張り出し高さの測定結果を示す線図である。
【符号の説明】
1,2…ローラ、 3…被加工材、 5…貫通孔、 6…凹部、 7…成形ローラ、 8…ポンチ部。
Claims (1)
- 可塑性板状素材の複数箇所をその板厚方向に押圧して変形させることにより多数の凹凸部を形成する多連凹凸板用成形装置において、
前記板状素材に接する外周面に開口する多数の貫通孔が一定間隔で形成された中空構造の第1のローラと、
前記第1のローラとの間に前記板状素材を挟み付けかつ前記板状素材に接する外周面に多数の凹部が前記貫通孔と同間隔で形成された第2のローラと、
前記第1のローラの内部に配置され、前記第1のローラと共に回転することにより前記貫通孔を通って前記凹部に突出かつ退入することにより前記板状素材に凹凸形状を連続的に形成するようにポンチ部が外周部に設けられた成形ローラと
を備え、かつ
前記成形ローラは、前記第1のローラおよび第2のローラに対してその回転方向での前方側にオフセットして配置されていることを特徴とする多連凹凸板用成形装置。
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