JP3882251B2 - プッシュ機構付スライドスイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に使用されるプッシュ機構付スライドスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プッシュ機構付スライドスイッチは、図9の外観斜視図に示すように、箱形のケース1の一方の側壁から突出した操作部5Aを中央位置から左右方向へ摺動させるスライド操作に加え、このスライド方向と直交するプッシュ方向にも操作可能なように構成されたスイッチであり、スライド操作及びプッシュ操作によって各々のスイッチ接点の電気的接離を行うと共に、各方向へ操作した後に操作部5Aに加えた操作力を除くと、元の中央位置に自動復帰する機構を備えた多方向操作形のスイッチである。
【0003】
従来のこの種のプッシュ機構付スライドスイッチについて、図10〜図12を用いて説明する。
【0004】
図10は従来のプッシュ機構付スライドスイッチのカバーを除いた平面図、図11は同分解斜視図であり、同図において、1は側壁の一部に開口部1Aを有し、内底面の中央部に第1の固定接点2A,2B,2Cを、開口部1A側に第2の固定接点3A,3Bを各々開口部1Aと平行に植設した上面開放の箱形のケース、4はケース1内に摺動可能に収納され、上面にロッド収納部4Aを有する摺動体であり、ケース1の内側壁には左右の凹部1Bと1Cが、内底面には突起部1Dと1Eが設けられ、摺動体4の下面にはケース1の突起部1D,1Eよりやや幅広の中央の溝4Bとさらに幅広の両端の溝4Cが設けられている。
【0005】
また、5は摺動体4の摺動方向と直交する押圧方向に押圧可能に摺動体4のロッド収納部4Aに収納され、一端にケース1の開口部1Aから突出する操作部5Aを、他端にばね押圧部5Bを有するロッドであり、6は摺動体4の下面に装着され第1の固定接点2A,2B,2Cと接離する弾性金属薄板製の第1の接触片、7はロッド5の下面に装着され第2の固定接点3A,3Bと接離する弾性金属薄板製の第2の接触片である。
【0006】
そして、8は左端がケース1の凹部1Bに右端が突起部1D及び摺動体4の溝4Bの左側面にも同時に当接しやや撓んだ状態で装着されたスライド操作用のコイルばね、9は同じく右端が凹部1Cに左端が突起部1E及び溝4Bの右側面にも同時に当接しやや撓んだ状態で装着されたスライド操作用のコイルばね、10は一端がロッド5のばね押圧部5Bに他端が摺動体4のロッド収納部4Aの内側壁凸部4Dに当接しやや撓んだ状態で装着されたプッシュ操作用のコイルばねであり、11はケース1の上面を覆うカバーである。
【0007】
上記構成において、ケース1から突出したロッド5の操作部5Aを、図10の中央位置から図12(a)に示すように右方向へスライド操作すると、ロッド5を収納した摺動体4が右方向へ摺動するため、摺動体4の下面に装着された第1の接触片6が第1の固定接点上を弾接摺動し、第1の接触片6を介して第1の固定接点2Bと2Cとが電気的に導通する。
【0008】
この時、摺動体4の下面中央の溝4Bの左側面がコイルばね8から離れ、溝4Bの右側面がコイルばね9を押圧して撓ませるため、操作部5Aの操作力を解除すると、コイルばね9の弾性復帰力によって摺動体4とこれに収納されたロッド5が図10の中央位置に復帰し、第1の接触片6は第1の固定接点2Cから離れ電気的にOFFとなる。
【0009】
これとは逆に、操作部5Aを図10の中央位置から左方向へスライド操作した場合には、摺動体4の溝4Bの右側面がコイルばね9から離れ、溝4Bの左側面がコイルばね8を押圧して撓ませながら摺動体4が左方向へ摺動するため、第1の接触片6を介して第1の固定接点2Aと2Bが電気的に導通し、操作部5Aの操作力を解除するとコイルばね8の弾性復帰力によって図10の中央位置に復帰する。
【0010】
また、操作部5Aを図10の中央位置からスライド方向と直交するプッシュ方向に押圧操作すると、図12(b)に示すように、ロッド5がばね押圧部5Bによってコイルばね10を撓ませながら摺動体4のロッド収納部4A内を移動するため、ロッド5の下面に装着された第2の接触片7がケース1の内底面上を弾接摺動して、第2の固定接点3Aと3Bを電気的に導通させ、操作部5Aの操作力を解除すると、コイルばね10の弾性復帰力によってロッド5が図10の押圧前の位置に復帰し、第2の接触片7が第2の固定接点3Aと3Bから離れて電気的にOFFとなる。
【0011】
なお、プッシュ方向の操作については、図12(c)に示すように操作部5Aが中央位置ではなく右方向へスライド操作され第1の固定接点2Bと2Cとが電気的に導通した状態からでも、操作部5Aを押圧すれば、第2の接触片7を介した第2の固定接点3Aと3Bの電気的導通を行うことができるように構成されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のプッシュ機構付スライドスイッチにおいては、中央位置から左右方向へスライド操作を行った後、操作部5Aを中央位置に復帰させるためのスライド操作用のコイルばね8と9が各々別個に必要となるため、スイッチを構成する部品数が多くなると共に、この二つのばねをケース1や摺動体4に各々装着する際にばね外れが生じ易いため、スイッチの組立て作業が困難で時間を要するという課題があった。
【0013】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、構成部品数が少なくスイッチの組立て作業が容易で、安価なプッシュ機構付スライドスイッチを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のプッシュ機構付スライドスイッチは、ケースに摺動可能に収納された摺動体にばね挿入部を設け、このばね挿入部に挿入した一つのスライド操作用のばねの両端をケースまたはカバーに設けた左右のリブにも各々同時に当接させると共に、ロッドのばね押圧部と摺動体のロッド収納部の内側壁の間にプッシュ操作用のばねの両端を装着するように構成したものである。
【0015】
この本発明により、構成部品数が少なくスイッチの組立て作業が容易で、しかも安価なプッシュ機構付スライドスイッチを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、側壁の一部に開口部を有し内底面に複数の固定接点を植設した上面開放の箱形のケースと、このケース内に摺動可能に収納され上面にロッド収納部を有する摺動体と、この摺動体の摺動方向と直交する押圧方向に押圧可能にロッド収納部に収納され、一端に上記ケースの開口部から突出する操作部を他端にばね押圧部を有するロッドと、上記摺動体またはロッドの少なくとも一方の下面に装着され上記固定接点と接離する弾性金属薄板製の接触片と、上記摺動体に設けたばね挿入部に摺動方向にやや撓んだ状態で挿入され、両端がケースまたはカバーに設けた左右のリブにも各々同時に当接したスライド操作用のばねと、一端がロッドのばね押圧部に他端が摺動体のロッド収納部の内側壁に押圧方向にやや撓んだ状態で装着されたプッシュ操作用のばねと、ケースの上面を覆うカバーからなり、上記ロッドの上面または下面に突部を設けると共に、上記ロッドを押圧した際にこの突部が挿入される切欠き部を上記カバーまたはケースの所定の位置に設けたプッシュ機構付スライドスイッチとしたものであり、スライド操作用のばねを摺動体のばね挿入部に挿入すると共に両端をケースまたはカバーの左右のリブにも各々当接させるように構成しているため、スライド操作用のばねが一つですみ、またばね組込みの際のばね外れも生じない、構成部品数が少なくスイッチの組立て作業が容易で安価なプッシュ機構付スライドスイッチを得ることができるという作用を有する。
さらに、カバーまたはケースの切欠き部にロッドの突部が挿入される位置以外ではロッドの押圧が不可能となるため、スイッチの使用される条件に合わせてロッドの押圧位置が任意に選択できると共に、スライド操作の際に誤ってプッシュ操作を行うという誤操作も防止できるという作用を有する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ケース内底面に摺動体の摺動方向と平行に複数の第1の固定接点と第2の固定接点を植設すると共に、摺動体の下面に第1の固定接点と接離する第1の接触片を、ロッドの下面に第2の固定接点と接離する第2の接触片を装着し、スライド操作用のばねを摺動体の下面に設けたばね挿入部に挿入すると共に両端をケースのリブにも同時に当接させたもので、あらかじめ下面のばね挿入部にスライド操作用のばねを挿入した摺動体を、ばねの両端がリブに当接するようにしてケースに収納することで、スイッチの組立て作業がさらに容易となり、スイッチの自動組立化を図ることができるという作用を有する。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ケース内底面の開口部側に摺動体の摺動方向と平行に第1の固定接点を植設すると共に、ケース内底面の中央部に第2の固定接点を植設し、上記第1の固定接点上方のロッド下面に接触片を装着したもので、一つの接触片で第1の固定接点及び第2の固定接点との電気的接離を行うことができるため、構成部品数をさらに削減できると共に、スイッチの構成も簡素なものとなり組立て作業性が向上できるという作用を有する。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図8を用いて説明する。
なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態によるプッシュ機構付スライドスイッチのカバーを除いた平面図、図2は同分解斜視図である。
【0022】
同図において、内底面に第1の固定接点2A,2B,2Cと第2の固定接点3A,3Bを植設したケース1内に、下面に第1の接触片6を装着した摺動体4が摺動可能に収納され、下面に第2の接触片7を装着したロッド5がロッド収納部4Aに摺動体4の摺動方向と直交する押圧方向に押圧可能に収納されると共に、ロッド5のばね押圧部5Bと摺動体4のロッド収納部4Aの内側壁凸部4Dの間にプッシュ操作用のコイルばね10が装着され、カバー11がケース1の上面を覆っていることは従来の技術と同様であるが、摺動体4の下面には摺動方向にばね挿入部4Eが設けられている。
【0023】
また、ケース1の内底面には左右にリブ1Fと1Gが設けられ、スライド操作用のコイルばね12が摺動体4のばね挿入部4E内に摺動方向にやや撓んだ状態で挿入されると共に、両端がケース1の左右のリブ1Fと1Gにも各々同時に当接している。
【0024】
上記構成において、ケース1の開口部1Aから突出したロッド5の操作部5Aを、図1の中央位置から図3(a)に示すように右方向へスライド操作すると、ロッド5をロッド収納部4Aに収納した摺動体4が右方向へ摺動するため、摺動体4の下面に装着された第1の接触片6が第1の固定接点上を弾接摺動し、第1の接触片6を介して第1の固定接点2Bと2Cが電気的に導通することは従来の技術と同様であるが、この時スライド操作用のコイルばね12は、左端がケース1の左のリブ1Fから離れて摺動体4のばね挿入部4Eの左内側面にのみ当接し、また右端はばね挿入部4Eの右内側面から離れてリブ1Gにのみ当接して撓められる。
【0025】
そして、操作部5Aの操作力を解除すると、摺動体4のばね挿入部4Eの左内側面とケース1のリブ1Gとの間で撓められたコイルばね12の弾性復帰力によって、摺動体4とこれに収納されたロッド5が図1の中央位置に復帰する。
【0026】
これとは逆に、操作部5Aを図1の中央位置から左方向へスライド操作した場合には、コイルばね12の左端は摺動体4のばね挿入部4Eの左内側面から離れてケース1の左のリブ1Fにのみ当接し、また右端はリブ1Gから離れてばね挿入部4Eの右内側面にのみ当接して撓められ、操作部5Aの操作力を解除すると、左のリブ1Fとばね挿入部4Eの右内側面の間で撓められたコイルばね12の弾性復帰力によって、摺動体4とロッド5が図1の中央位置に復帰する。
【0027】
なお、操作部5Aを図1の中央位置からプッシュ操作すると、図3(b)に示すように、ロッド5がばね押圧部5Bによってプッシュ操作用のコイルばね10を撓ませながらロッド収納部4A内を移動するため、ロッド5の下面に装着された第2の接触片7が第2の固定接点3Aと3Bを電気的に導通させ、操作部5Aの操作力を解除すると、コイルばね10の弾性復帰力によって操作部5Aが図1の押圧前の位置に復帰することや、操作部5Aが中央位置ではない図3(c)の状態からでも、操作部5Aを押圧すれば、第2の接触片7を介した第2の固定接点3Aと3Bの電気的導通が行われることは従来の技術と同様である。
【0028】
このように本実施の形態によれば、スライド操作用のコイルばね12を摺動体4のばね挿入部4Eに挿入すると共に両端をケース1に設けた左右のリブ1Fと1Gにも各々同時に当接させるように構成しているため、スライド操作用のばねが一つですみ、またスイッチ組立ての際には、コイルばね12を摺動体4のばね挿入部4Eに一旦挿入した後組立てを行うことで、ばね組込み時のばね外れも生じない、構成部品数が少なくスイッチの組立て作業が容易で安価なプッシュ機構付スライドスイッチを得ることができる。
【0029】
また、ばね挿入部4Eを摺動体4の下面に設けると共に、ケース1の内底面にリブ1Fと1Gを設けているため、あらかじめばね挿入部4Eにスライド操作用のコイルばね12を挿入した摺動体4を、コイルばね12の両端がケース1のリブ1Fと1Gに当接するようにしてケース1に組込みを行うことで、ケース1を基にして各部品を積上げ式に組立てることができるため、容易にスイッチの自動組立化を図ることができる。
【0030】
なお、上記の説明では、摺動体4下面に設けたばね挿入部4E内に挿入されたスライド操作用のコイルばね12の両端を、ケース1の内底面に設けた左右のリブ1Fと1Gにも各々同時に当接させる構成としたが、図4に示すように、摺動体4のばね挿入部4Eの上面両端に溝4Fを設けると共に、カバー11の下面に左右のリブ11Aと11Bを設け、ばね挿入部4Eに挿入されたコイルばね12の両端をこのリブ11Aと11Bにも各々同時に当接させる構成としても同様の効果を得ることができる。
【0031】
(実施の形態2)
図5は本発明の第2の実施の形態によるプッシュ機構付スライドスイッチのカバーを除いた平面図であり、同図において、ケース1内に摺動可能に収納された摺動体4下面のばね挿入部4Eにスライド操作用のコイルばね12が挿入されると共に、このコイルばね12の両端がケース1内底面に設けた左右のリブ1Fと1Gにも各々同時に当接し、ロッド5が摺動体4のロッド収納部4Aに押圧可能に収納されていることは実施の形態1と同様であるが、第1の固定接点2A,2B,2Cがケース1内底面の開口部1A側に、第2の固定接点3A,3Bがケース1内底面の中央部に各々摺動体4の摺動方向と平行に植設され、また、第2の接触片7が第1の固定接点2Bに弾接してロッド5の下面に装着されている。
【0032】
上記構成において、ケース1の開口部1Aから突出したロッド5の操作部5Aを、図5(a)の中央位置から図5(b)に示すように右方向へスライド操作すると、ロッド5をロッド収納部4Aに収納した摺動体4が右方向へ摺動し、スライド操作用のコイルばね12は、左端がケース1の左のリブ1Fから離れて摺動体4のばね挿入部4Eの左内側面にのみ当接し、また右端がばね挿入部4Eの右内側面から離れてリブ1Gにのみ当接して撓められることは実施の形態1と同様であるが、ロッド5の摺動に伴ってこの下面に装着された第2の接触片7が、ケース1内底面の開口部1A側に植設された第1の固定接点上を弾接摺動することによって、第2の接触片7を介して第1の固定接点2Bと2Cの電気的導通が行われ、操作部5Aの操作力を解除すると、摺動体4のばね挿入部4Eの左内側面とケース1のリブ1Gとの間で撓められたコイルばね12の弾性復帰力によって、図5(a)の中央位置に復帰する。
【0033】
これとは逆に、操作部5Aを図5(a)の中央位置から左方向へスライド操作させた場合には、コイルばね12が左端をケース1の左のリブ1Fに、右端を摺動体4のばね挿入部4Eの右内側面にのみ当接して撓められると共に、第2の接触片7を介して第1の固定接点2Aと2Bの電気的導通が行われる。
【0034】
また、操作部5Aを図5(a)の中央位置からプッシュ操作すると、図5(c)に示すように、ロッド5がばね押圧部5Bによってプッシュ操作用のコイルばね10を撓ませながらロッド収納部4A内を移動するため、ロッド5の下面に装着された第2の接触片7がケース1の内底面を移動し、ケース1内底面の中央部に植設された第2の固定接点3Aと3Bを電気的に導通させ、操作部5Aの操作力を解除すると、コイルばね10の弾性復帰力によって操作部5Aが図5(a)の押圧前の位置に復帰する。
【0035】
なお、操作部5Aが中央位置ではない図5(d)の状態からでも、操作部5Aを押圧すれば、第2の接触片7を介して第2の固定接点3Aと3Bの電気的導通が行われることは実施の形態1と同様である。
【0036】
このように本実施の形態によれば、ケース1内底面の開口部1A側に第1の固定接点2A,2B,2Cを、ケース1内底面の中央部に第2の固定接点3A,3Bを各々摺動体4の摺動方向と平行に植設することによって、摺動体4には接触片の装着が不要となり、ロッド5の下面に装着した第2の接触片7のみによって、第1の固定接点2A,2B,2C及び第2の固定接点3A,3Bの電気的接離を行うことができるため、構成部品数が削減できると共にスイッチの構成も簡素なものとなり、また、スイッチ組立て作業時に変形の生じ易い接触片が一つですむため、スイッチ組立て作業性の向上を図ることができる。
【0037】
(実施の形態3)
図6は本発明の第3の実施の形態によるプッシュ機構付スライドスイッチのカバーとロッドの分解斜視図であり、同図において、ロッド5の操作部5Aの上面には突部5Cが設けられ、カバー11の端面中央部にはこの突部5Cよりもやや幅広の切欠き部11Cが設けられている。
【0038】
上記構成のカバー11とロッド5をスイッチとして組立て、ケースから突出するロッド5の操作部5Aを操作した場合、中央位置から左右方向へのスライド操作については実施の形態1や2と同様であるが、このスライド方向と直交するプッシュ方向の操作については、中央位置では操作部5Aを押圧するとロッド5の移動に伴って突部5Cがカバー11の切欠き部11Cに挿入されるため、プッシュ操作が可能であるが、中央位置以外の左右いずれかに操作部5Aをスライド操作した位置では、操作部5Aを押圧しても突部5Cがカバー11端面に当たるため、操作部5Aをプッシュ操作できない構成となっている。
【0039】
また、図7と図8はロッドとケースの分解斜視図であり、図7においては、ロッド5の操作部5Aの下面に突部5Dが、ケース1の開口部1Aの中央部に切欠き部1Hが各々設けられ、図8においては、ロッド5の下面に突部5Eが、ケース1の内底面のリブ1Jの中央部に切欠き部1Kが各々設けられており、同じく中央位置以外ではプッシュ方向に操作できない構成となっている。
【0040】
なお、上記の説明では、ロッド5の中心に各々突部5C,5D,5Eを設け、カバー11またはケース1の中央部にこの突部5C,5D,5Eが挿入される切欠き部11C,1H,1Kを設けることで、中央位置以外ではプッシュ方向に操作できない構成としたが、切欠き部11C,1H,1Kを任意の位置に設けることによって、中央位置以外の左右いずれの位置でもプッシュ位置に操作できない構成とすることができる。
【0041】
このように本実施の形態によれば、ロッド5の上面または下面に突部5C,5D,5Eを設けると共に、ロッド5を押圧した際にこの突部5C,5D,5Eが挿入される切欠き部11C,1H,1Kをカバー11またはケース1の所定の位置に設けることによって、カバー11またはケース1の切欠き部にロッドの突部を挿入できる位置のみでロッドのプッシュ操作が可能となるように構成できるため、スイッチの使用される条件に合わせてロッドの押圧位置が任意に選択できると共に、スライド操作の際に誤ってプッシュ操作を行うという誤操作も防止することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、構成部品数が少なくスイッチの組立て作業が容易で、しかも安価なプッシュ機構付スライドスイッチを得ることができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプッシュ機構付スライドスイッチのカバーを除いた平面図
【図2】同分解斜視図
【図3】同カバーを除いた平面図
【図4】同カバーと摺動体の分解斜視図
【図5】本発明の第2の実施の形態によるプッシュ機構付スライドスイッチのカバーを除いた平面図
【図6】本発明の第3の実施の形態によるプッシュ機構付スライドスイッチのカバーとロッドの分解斜視図
【図7】同ロッドとケースの分解斜視図
【図8】同ロッドとケースの分解斜視図
【図9】従来のプッシュ機構付スライドスイッチの外観斜視図
【図10】同カバーを除いた平面図
【図11】同分解斜視図
【図12】同カバーを除いた平面図
【符号の説明】
1 ケース
1A 開口部
1F,1G リブ
1H,1K 切欠き部
1J リブ
2A,2B,2C 第1の固定接点
3A,3B 第2の固定接点
4 摺動体
4A ロッド収納部
4D 内側壁凸部
4E ばね挿入部
4F 溝
5 ロッド
5A 操作部
5B ばね押圧部
5C,5D,5E 突部
6 第1の接触片
7 第2の接触片
10 コイルばね
11 カバー
11A,11B リブ
11C 切欠き部
12 コイルばね
Claims (3)
- 側壁の一部に開口部を有し内底面に複数の固定接点を植設した上面開放の箱形のケースと、このケース内に摺動可能に収納され上面にロッド収納部を有する摺動体と、この摺動体の摺動方向と直交する押圧方向に押圧可能にロッド収納部に収納され、一端に上記ケースの開口部から突出する操作部を他端にばね押圧部を有するロッドと、上記摺動体またはロッドの少なくとも一方の下面に装着され上記固定接点と接離する弾性金属薄板製の接触片と、上記摺動体に設けたばね挿入部に摺動方向にやや撓んだ状態で挿入され、両端がケースまたはカバーに設けた左右のリブにも各々同時に当接したスライド操作用のばねと、一端がロッドのばね押圧部に他端が摺動体のロッド収納部の内側壁に押圧方向にやや撓んだ状態で装着されたプッシュ操作用のばねと、ケースの上面を覆うカバーからなり、上記ロッドの上面または下面に突部を設けると共に、上記ロッドを押圧した際にこの突部が挿入される切欠き部を上記カバーまたはケースの所定の位置に設けたプッシュ機構付スライドスイッチ。
- ケース内底面に摺動体の摺動方向と平行に複数の第1の固定接点と第2の固定接点を植設すると共に、摺動体の下面に第1の固定接点と接離する第1の接触片を、ロッドの下面に第2の固定接点と接離する第2の接触片を装着し、スライド操作用のばねを摺動体の下面に設けたばね挿入部に挿入すると共に両端をケースのリブにも同時に当接させた請求項1記載のプッシュ機構付スライドスイッチ。
- ケース内底面の開口部側に摺動体の摺動方向と平行に第1の固定接点を植設すると共に、ケース内底面の中央部に第2の固定接点を植設し、上記第1の固定接点上方のロッド下面に接触片を装着した請求項1記載のプッシュ機構付スライドスイッチ。
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