JP3881802B2 - 鮮度保持餌料用組成物 - Google Patents

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  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、養殖魚用の鮮度保持餌料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
養殖魚の保存中の鮮度を保持するための手段として、流通段階で冷凍すること又は冷蔵により低温に保つ方法が用いられている。このような冷凍又は冷蔵することによる方法では、多大な設備投資が必要であるという問題がある。また、養殖魚を冷凍した場合、タンパク質の冷凍変性が生じ、味の悪い食品の原因となる。
【0003】
さらに、鮮度保持を目的として、流通段階で用いる包装資材の開発もなされているが、コストが高くなり簡便ではないという問題点を有する。
【0004】
また、特公昭46-39058号公報にはカテキンで水産食品を処理する水産食品の鮮度保持剤が、特開昭60-221032 号公報には没食子酸又はその塩とアスコルビン酸又はその塩とを有効成分として含有した魚介類の鮮度保持剤が、特開昭63-291531 号公報には茶葉抽出成分と1種又は2種以上のポリヒドロキシ化合物と1種又は2種以上の有機酸と水とからなる混合物で水産食品を処理することを特徴とする水産食品の品質保持方法が、特開平2-31641 号にはツバキ科又はクスノキ科植物の抽出物と酸化防止剤とを含有した魚介類の鮮度保持剤が、特開平2-92258 号公報には茶抽出物とトコフェロール及び/又はローズ・マリー抽出物とを有効成分とする食品の品質保持剤が、特開平4-94640 号にはビタミンCと茶抽出物とビタミンEとを含有した魚畜食品の退変色防止剤及び魚畜食品の退変色防止法が、それぞれ開示されている。
【0005】
これらの開示技術は、干物・塩蔵品などの加工食品を対象とするものである。また、前記開示技術は、現在の食品衛生法により、切り身・刺身などの生食用食品や鮮魚として出荷後又は流通時に利用することは禁止されているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、養殖魚の保存中の魚肉の鮮度保持に有効であり、得られた製品の品質を損なうことなく安全な鮮度保持餌料用組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
魚の養殖に際して、ポリフェノール化合物、乳化剤、ビタミンE及び油脂を含有してなる組成物(但し、油中水型あるいは水中油型の組成物を除く)を0.005〜3.0重量%配合した飼料で、水揚げ日より14〜30日前から給餌することを特徴とする魚の養殖方法
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、ポリフェノール化合物、乳化剤、ビタミンE及び油脂を含有した養殖魚用の鮮度保持餌料用組成物であり、該組成物を餌料に混合し、養殖魚の飼育段階で給餌して用いることにより、出荷時及び流通時になんら処理しなくても、保存中の魚肉の鮮度を保つことができるという従来にない効果を発揮する。
【0009】
また、本発明においては、鮮度を保持する作用を有する物質として、ポリフェノール化合物とビタミンEを使用するが、前者は水溶性であるため、そのままの形態で給餌すると水中に拡散し、養殖魚に有効に給餌することができない。また、後者のビタミンEは脂溶性であるため、そのままの形態では、ポリフェノール化合物と均一に混合することができない。そのため、本発明は、乳化剤及び油脂をさらに配合することにより、水溶性のポリフェノール化合物と脂溶性のビタミンEとの製剤化を行なった点に1つの大きな特徴があり、得られた鮮度保持餌料用組成物の成分の水中への拡散を抑制するという優れた効果を発揮する。これにより、本発明の鮮度保持餌料用組成物をより効率よく養殖魚に給餌することができる。さらに、本発明の鮮度保持餌料用組成物を製剤化することにより餌料中に均一に分散させることが可能になる。
【0010】
本明細書において、養殖魚とは、アジ科の魚類(例えばブリなど)、タイ、ヒラメ、カンパチ、ヒラマサ、カツオ、フグなどを人工飼育することより得られた魚類である。本発明の養殖魚用の鮮度保持餌料用組成物は、好ましくはアジ科の魚類、特にブリに対して有効に使用される。
【0011】
本明細書において、鮮度保持は、養殖魚の保存中の生菌数、低温細菌数及びVBN値等の指標数値の上昇を抑制すること、死後硬直が100%に達するまでの時間を遅くさせること及び解硬が開始する時間を遅らせることなどの少なくとも1つを指標とする。
【0012】
生菌数とは、「日本薬学会協定衛生試験法」第181頁に記載の方法に従い、試料を標準寒天培地に塗布した際に、中温(36±1℃、24〜48時間)で生育する細菌の総数をいう。
【0013】
低温細菌数とは、「日本薬学会協定衛生試験法」181〜182頁に記載の方法に従い、試料を前記標準寒天培地に塗布した際に、低温(25±1℃)で比較的速やかに(例えば、72±3時間)生育する細菌の総数をいう。
【0014】
VBN値とは、養殖魚に含まれるアンモニア及びトリメチルアミン等の揮発性塩基態窒素化合物の総量をいう。前記VBN値は、例えば、「畜産物の鮮度保持」〔高坂和久著、株式会社筑波書房刊、(1991)〕52〜54頁に記載の方法で測定することができる。
【0015】
死後硬直とは、養殖魚を屠体してから筋肉組織が伸展性を失い硬くなる現象をいう。具体的には、養殖魚の魚体の折れまがりを指標に水平面に対する長さを測定することにより判断することができる。また、死後硬直が100%とは、魚体がそれ以上折れまがらなくなる状態をいう。
【0016】
解硬とは、死後硬直が続いた後、養殖魚の筋肉中に含まれているタンパク質分解酵素の作用により魚肉中のタンパク質の構造が変化することが原因で養殖魚が軟化する現象をいう。具体的には、魚体の折れまがりを指標に水平面に対する長さを測定することにより判断することができる。
【0017】
前記ポリフェノール化合物としては、特に限定されないが、ツバキ科植物、ブドウ種子、サツマイモなどの植物由来のポリフェノール化合物、ココア、赤ワインなどの食品由来のポリフェノール化合物、化学合成により得られたポリフェノール化合物などが挙げられる。
【0018】
植物由来のポリフェノール化合物としては、植物体そのまま、植物体からの抽出物、抽出残渣などが挙げられる。
【0019】
植物体からの抽出物は、水又はアルコール、酢酸エチル、石油エーテル等の有機溶媒による溶剤抽出画分、水蒸気蒸留画分、圧搾画分、油脂吸着画分、液化ガス抽出画分、超臨界抽出画分又は乾留画分より得られた抽出物が挙げられる。なかでも、溶剤抽出画分より得られた抽出物が好ましく、水を用いた抽出と酢酸エチルを用いた抽出とにより得られた抽出物がより好ましい。
【0020】
植物体から抽出する場合、該植物体は、原料の入手の容易性及びポリフェノール化合物の含有量の観点から、ツバキ科植物が好ましく、茶(Camelliasinensis L.)が特に好ましい。なかでもポリフェノール化合物は、緑茶、ウーロン茶又は紅茶の抽出物が好ましく、特に、緑茶の抽出物が好ましい。前記熱水抽出画分は、例えば、特開平8−103225号公報記載の方法により調製することができる。
【0021】
本発明に用いるポリフェノール化合物としては、具体的には、(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレート、テアフラビンモノガレートA、テアフラビンモノガレートB及びテアフラビンジガレートからなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
【0022】
前記ポリフェノール化合物を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。単独で用いる場合、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート又は(−)−ガロカテキンガレートが好ましく、(−)−エピガロカテキンガレートがさらに好ましい。
【0023】
前記抽出物は、そのままで用いてもよく、精製して得られた精製物を用いてもよい。精製には、例えば、吸着樹脂、濾過膜等を用いることができる。
【0024】
例えば、茶をポリフェノール化合物の原料として用いる場合、酢酸エチルにより抽出して得られたポリフェノール化合物を用いることも可能である。より具体的には、緑茶の場合、生葉又は乾燥葉から(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレートのポリフェノール化合物が抽出される。
【0025】
ポリフェノール化合物の含有量は、鮮度保持餌料用組成物中、1〜20重量%が好ましく、3〜15重量%がさらに好ましく、5〜10重量%がより好ましい。鮮度保持効果を十分に発揮させる観点から、1重量%以上が好ましく、餌料製造時の他の餌料成分に対する分散性の観点から、20重量%以下が好ましい。
【0026】
本発明に用いる乳化剤は、食品衛生法により認可されている食品用乳化剤が好ましく、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。養殖魚体への安全性及び分散性の観点から、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びレシチンが好ましく、かかる乳化剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。特に、グリセリン脂肪酸エステルの中では、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、具体的にはグリセリンカプリル酸エステル、グリセリンカプリン酸エステル、グリセリンラウリン酸エステル及び縮合リシノレイン酸ポリグリセリンエステルを例示される。かかる乳化剤は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
乳化剤の含有量は、鮮度保持餌料用組成物中、45〜80重量%が好ましく、50〜75重量%がさらに好ましく、55〜70重量%がより好ましい。得られた組成物の水中での拡散を抑制する観点から、45重量%以上が好ましく、餌料製造時の他の餌料成分に対する分散性の観点から、80重量%以下が好ましい。
【0028】
本発明に用いるビタミンEは、d−α−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロールなどが挙げられ、かかる化合物は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0029】
ビタミンEの含有量は、鮮度保持餌料用組成物中、3〜20重量%であることが好ましく、5〜15重量%がさらに好ましく、7〜12重量%であることがより好ましい。鮮度保持効果を十分に発揮させる観点から、3重量%以上であることが好ましく、餌料製造時の他の餌料成分に対する分散性の観点から、20重量%以下であることが好ましい。
【0030】
本発明に用いる油脂とは、食用油脂及び餌料用油脂であることが好ましく、具体的にはオリーブ油、カカオ脂、硬化油、ゴマ油、コメ油、サフラワー油、ショートニング、精製牛脂、大豆油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、マーガリン、綿実油、ヤシ油、落花生油、ラード、アボガド油、カポック油、イワシ油、ケシ油、ごぼう子油、小麦麦芽胚油、サバ油、サメ油、サンマ油、タラ油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ババスウ油、ヒマワリ油、粉末油脂、イカオイルなどが挙げられる。かかる油脂は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
油脂の含有量は、鮮度保持餌料用組成物中、10〜40重量%が好ましく、15〜35重量%がさらに好ましく、20〜30重量%がより好ましい。得られた組成物の水中での拡散を抑制する観点から、10重量%以上が好ましく、餌料製造時の他の餌料成分に対する分散性の観点から、40重量%以下が好ましい。
【0032】
餌料中の鮮度保持餌料用組成物の含有量は、鮮度保持効果を十分に発揮させる観点から、0.005〜3.0重量%が好ましく、0.05〜1.5重量%がより好ましい。
【0033】
本発明の鮮度保持餌料用組成物の養殖魚への給餌期間は特に限定されないが、給餌期間は、飼育全期間、なかでも14〜30日間給餌することが好ましい。
【0034】
本発明の鮮度保持餌料用組成物の養殖魚への給餌時期は特に限定されないが、水揚げ日まで給餌することが好ましい。例えば、14〜30日間給餌する場合は、水揚げ日より14〜30日前から給餌することが好ましい。
【0035】
本発明の鮮度保持餌料用組成物により、例えば、3枚におろした切り身の状態で4℃で3日間保存した際に、生菌数、低温細菌数及びVBN値等の指標数値の上昇を抑制すること、死後硬直が100%に達するまでの時間を遅くさせること及び解硬が開始する時間を遅らせることが可能になるという優れた効果を得ることができる。また、得られた食品は、鮮度が保持された安全な食品である。
【0036】
【実施例】
実施例1
緑茶6kgに約90リットルの水を加え撹拌しながら加熱し、80℃で3時間抽出した。濾過により得られる抽出液を噴霧乾燥し、純度25%のポリフェノール化合物2.2kgを得た。これに水10リットルを加えて溶解させた後、酢酸エチルで分配し、酢酸エチル可溶画分0.8kgを得た。
【0037】
得られたポリフェノール化合物の成分組成は、(+)−カテキン0.9重量%、(+)−ガロカテキン9.9重量%、(+)−ガロカテキンガレート4.9重量%、(−)−エピカテキン5.4重量%、(−)−エピカテキンガレート7.5重量%、(−)−エピガロカテキン9.9重量%及び(−)−エピガロカテキンガレート25.8重量%であった。
【0038】
実施例2
実施例1で調製したポリフェノール化合物0.4kg(得られた鮮度保持餌料用組成物中6重量%)、グリセリン脂肪酸エステル4.0kg(得られた鮮度保持餌料用組成物中61重量%)、ビタミンE0.6kg(三共株式会社製、抽出ビタミンE乳液「三共」;得られた鮮度保持餌料用組成物中9重量%)及びナタネ油1.5kg(得られた鮮度保持餌料用組成物中23重量%)をホモミキサーで混合し、鮮度保持餌料用組成物6.5kgを得た。
【0039】
試験例1
養殖魚としてブリを用いて、実施例2で得られた鮮度保持餌料用組成物のフィールドでの効果試験を実施した。基本餌料は、通常ブリの飼育に使用される魚肉ミンチに配合餌料を添加した餌料を用いた。
【0040】
基本餌料のみを給餌した区をA区、実施例2で調製した本発明の鮮度保持餌料用組成物を0.09重量%になるように基本餌料に添加して調製した餌料を給餌した区をB区及び実施例2で調製した鮮度保持餌料用組成物を0.90重量%になるように基本餌料に添加して調製した餌料を給餌した区をC区とした。
【0041】
海面をA〜C区の小割生簀(3m×3m)に分割し、それぞれの生簀中で、飼育開始時の平均体重が530gのブリを150尾飼育した。
【0042】
試験例2
試験例1の条件で14日間飼育したブリを屠体し、刺身を調製し、刺身を4℃通常の冷蔵庫で保存した。そして保存後の5日目及び10日目に刺身の生菌数及び低温細菌数を測定し、それぞれ屠体直後の値と比較し、上昇率を算出した。また、そして保存後の1日目、3日目、5日目及び10日目に刺身のVBN値を測定し、屠体直後のそれらの値と比較し、上昇率を算出した。また、同時にブリを屠体し、そのまま4℃通常の冷蔵庫で保存し、死後硬直が100%に達するまでの時間及び解硬が開始する時間を測定した。
【0043】
生菌数及び低温細菌数は、前記の「日本薬学会協定衛生試験法」第181頁に記載の方法に従い測定した。
【0044】
VBN値は、前記の「畜産物の鮮度保持」52〜54頁に記載の方法で測定した。
【0045】
死後硬直が100%に達するまでの時間は、養殖魚の魚体の折れまがりを指標に水平面に対する長さを測定することにより測定した。なお、死後硬直が100%に達するまでの時間が長いほど鮮度保持に優れることを示す。
【0046】
解硬が開始する時間は、魚体の折れまがりを指標に水平面に対する長さを測定した。なお、解硬開始時間が遅いほど鮮度保持に優れることを示す。
【0047】
保存後の生菌数の上昇率を表1、保存後の低温細菌数の上昇率を表2、及び保存後のVBN値の上昇率を表3に、死後硬直が100%に達するまでの時間を表4に、解硬が開始する時間を表5に、それぞれ示した。
【0048】
【表1】
Figure 0003881802
【0049】
【表2】
Figure 0003881802
【0050】
【表3】
Figure 0003881802
【0051】
【表4】
Figure 0003881802
【0052】
【表5】
Figure 0003881802
【0053】
表1〜3に示すように、基本餌料単独で飼育したA区と比較して、本発明の鮮度保持餌料用組成物を添加した餌料で飼育したB区及びC区では、刺身の保存中の生菌数、低温細菌数及びVBN値の上昇率が有意に抑制された。また、表4及び5に示すように、A区と比較して、本発明品を添加した餌料で飼育したB区及びC区では、死後硬直が100%に達するまでの時間が遅くなり、解硬が開始する時間も遅くなった。
【0054】
試験例3
試験例1の条件で30日間飼育したブリを屠体し、刺身を調製し、刺身を4℃通常の冷蔵庫で保存した。そして保存後の5日目及び10日目に刺身の生菌数及び低温細菌数を測定し、屠体直後のそれらの値と比較し、上昇率を算出した。また、そして保存後の1日目、3日目、5日目及び10日目に刺身のVBN値を測定し、それぞれ屠体直後の値と比較し、上昇率を算出した。
【0055】
保存後の生菌数の上昇率を表6、保存後の低温細菌数の上昇率を表7、及び保存後のVBN値の上昇率を表8に、死後硬直が100%に達するまでの時間を表9に、解硬が開始する時間を表10にそれぞれ示した。
【0056】
【表6】
Figure 0003881802
【0057】
【表7】
Figure 0003881802
【0058】
【表8】
Figure 0003881802
【0059】
【表9】
Figure 0003881802
【0060】
【表10】
Figure 0003881802
【0061】
表6〜8に示すように、基本餌料単独で飼育したA区と比較して、本発明の鮮度保持餌料用組成物を添加した餌料で飼育したB区及びC区では、刺身の保存中の生菌数、低温細菌数及びVBN値の上昇率が有意に抑制された。また、表9及び10に示すように、A区と比較して、本発明の鮮度保持餌料用組成物を添加した餌料で飼育したB区及びC区では、死後硬直が100%に達するまでの時間が遅くなり、解硬が開始する時間も遅くなった。
【0062】
【発明の効果】
本発明の養殖魚用の鮮度保持餌料用組成物は、該組成物を含有した餌料を養殖魚に給餌し生育させた際に、保存中の魚肉の鮮度が保持されるという優れた効果を奏する。さらに、本発明は従来の技術と異なり養殖魚の飼育管理に着目した新しい技術であり、最終製品の品質に影響を及ぼすこともなく、またその鮮度保持効果も従来の技術と比較して格段に秀でたものである。

Claims (4)

  1. 魚の養殖に際して、ポリフェノール化合物、乳化剤、ビタミンE及び油脂を含有してなる組成物(但し、油中水型あるいは水中油型の組成物を除く)を0.005〜3.0重量%配合した飼料で、水揚げ日より14〜30日前から給餌することを特徴とする魚の養殖方法
  2. ポリフェノール化合物が(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレート、テアフラビンモノガレートA、テアフラビンモノガレートB及びテアフラビンジガレートからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1記載の養殖方法
  3. 該組成物中にポリフェノール化合物1〜20重量%、乳化剤45〜80重量%、ビタミンE3〜20重量%及び油脂10〜40重量%を含有してなる、請求項1又は2記載の養殖方法
  4. 養殖魚の保存中の鮮度が保持される、請求項1〜3いずれか記載の養殖方法
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