JP3881723B2 - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法において、印字のにじみを抑制する手段として、特定温度以上に加熱されている記録媒体に、インク滴を付着させる方法が従来から知られている(例えば、特開昭58−188684号公報又は特開昭62−288042号公報)。
【0003】
また、例えば、特開平4−18462号公報又は特開平5−148441号公報には、インク組成物中に水溶性樹脂及び樹脂エマルジョンを含有させることにより、吐出安定性を確保しつつ、記録媒体への定着性をも確保することを目的としたインク組成物が開示されている。
【0004】
本発明者らは、既に、前記の従来技術に更に改良を加え、インク中に熱可塑性樹脂を含有させた独自のインク組成物を用い、印字のにじみを防止することができると共に、カラーの発色を鮮明にすることができるとの知見を得た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前記のインク組成物の更なる改良を目的に鋭意研究を行ったところ、インク中に含まれている樹脂成分の未反応モノマーの含有量を減少させることにより、多様な環境(例えば、多様な温度及び/又は湿度条件や使用する印刷用紙)下において、それらの環境変化とは無関係に、一層高品質の画像を安定して得ることができることを見出した。また、未反応モノマーの含有量が少ないインク組成物を用いて印字を行なうと、印画中の紙への不規則な浸透を起こすことがなく、しかも印字中及び印字後に不快臭を発生することもないことを見出した。
【0006】
従って、本発明の目的は、顔料用高分子分散剤や熱可塑性樹脂エマルジョン等の樹脂成分を含むインク組成物において、印画中の紙への不規則な浸透を起こすことがなく、いかなる環境においても高品質画像を安定して得ることができるインクジェット記録用インク組成物を提供することにある。更に、印字中及び印字後に不快臭を発生することのないインク組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は、本発明による、顔料、熱可塑性樹脂エマルジョン、高分子分散剤及び水を含むインクジェット記録用インク組成物において、
前記熱可塑性樹脂エマルジョン及び前記高分子分散剤に含まれるモノマーの合計量が、インク組成物全体の重量に対して1000ppm以下であることを特徴とする、インクジェット記録用インク組成物によって達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のインク組成物においては、顔料として、有機顔料又は無機顔料、例えば、インクジェット記録用インク組成物において従来から使用されている有機顔料又は無機顔料を用いることができる。黒色インク用顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ピグメントブラック6、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、若しくは酸化チタン等の金属類、又はアニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を挙げることができる。
【0009】
更に、カラーインク用顔料としては、
C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、153;
C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B (Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;又は
C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63;
等を使用することができる。前記の顔料を1種類で用いるか、又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。
【0010】
前記顔料の含有量は、インク組成物全体に対して、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。含有量を0.5重量%以上にすることにより、一層充分な印字濃度を確保することができ、含有量を5重量%以下にすることにより、インクの粘度特性に構造粘性を生じさせずに、一層充分な吐出安定性を確保することができる。また、前記顔料の粒経は、特に限定されるものではないが、粒経は、好ましくは25μm以下、より好ましくは1μm以下である。粒径が25μm以下の顔料を用いることにより、目詰まりの発生を抑制することができ、一層充分な吐出安定性を実現することができる。
【0011】
本発明のインク組成物は、熱可塑性樹脂エマルジョン及び高分子分散剤を含有する。この熱可塑性樹脂エマルジョンは、水中でエチレン性不飽和モノマーを乳化重合若しくは懸濁重合させて調製するか、又は水中に熱可塑性樹脂を乳化させることによって調製したエマルジョンであり、前記の高分子分散剤は、前記顔料をインク組成物内で微粒子状で分散安定化させることのできる分散剤である。
【0012】
また、本発明においては、前記の熱可塑性樹脂エマルジョン及び高分子分散剤として、前記熱可塑性樹脂エマルジョン又は高分子分散剤に含まれるモノマーの量が、本発明によるインク組成物全体の重量に対して1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは100ppm以下となる熱可塑性樹脂エマルジョン及び高分子分散剤を使用する。
【0013】
ここで「熱可塑性樹脂エマルジョン含まれるモノマー」又は「高分子分散剤に含まれるモノマー」は、種々の理由により、前記の熱可塑性樹脂エマルジョン又は高分子分散剤内に混在しているモノマーである。例えば、熱可塑性樹脂エマルジョン又は高分子分散剤を調製する際に用いる原料モノマーの一部が未反応のままで熱可塑性樹脂エマルジョン又は高分子分散剤内に残留した未反応モノマー、あるいは熱可塑性樹脂エマルジョンの調製に用いる乳化剤に含まれているモノマー成分を挙げることができる。
【0014】
前記の熱可塑性樹脂エマルジョンにおける熱可塑性樹脂成分としては、未反応モノマーの含有量が低いことを除けば、インクジェット記録用インク組成物において従来から使用されている熱可塑性樹脂エマルジョンと同様の熱可塑性樹脂成分を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリル系重合体、例えば、ポリアクリル酸エステル若しくはその共重合体、ポリメタクリル酸エステル若しくはその共重合体、ポリアクリロニトリル若しくはその共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、又はポリメタクリル酸;ポリオレフィン系重合体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン若しくはそれらの共重合体、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、又はテルペン樹脂;酢酸ビニル・ビニルアルコール系重合体、例えば、ポリ酢酸ビニル若しくはその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、又はポリビニルエーテル;含ハロゲン系重合体、例えば、ポリ塩化ビニル若しくはその共重合体、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、又はフッ素ゴム;含窒素ビニル系重合体、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン若しくはその共重合体、ポリビニルピリジン、又はポリビニルイミダゾール;ジエン系重合体、例えば、ポリブタジエン若しくはその共重合体、ポリクロロプレン、又はポリイソプレン(ブチルゴム);あるいはその他の開環重合型樹脂、縮合重合型樹脂、又は天然高分子樹脂等を用いることができる。
【0015】
未反応モノマーの含有量が低い前記熱可塑性樹脂エマルジョンは、そのような熱可塑性樹脂エマルジョンを直接に調製するか、通常の方法で得られた(未反応モノマーを比較的多量に含む)従来の熱可塑性樹脂エマルジョンから未反応モノマーを除去するか、あるいはモノマー含有乳化剤を用いて調製した熱可塑性樹脂エマルジョンからモノマーを除去することによって調製することができる。
【0016】
未反応モノマーの含有量が低い前記熱可塑性樹脂エマルジョンを直接に調製するには、例えば、乳化重合の反応工程で、その反応工程の終了直前に更に開始剤を追加して、未反応モノマーを重合させることにより、その含有量を低減させることによって直接調製することができる。例えば、未反応モノマーの含有量が低いスチレン−アクリル酸メチル共重合体エマルジョンは、スチレンとアクリル酸メチルとの共重合反応の最終工程で、ラジカル活性付与剤として過硫酸アンモンなどの過酸化物を添加させることにより調製することができる。
【0017】
また、モノマーを比較的多量に含む熱可塑性樹脂エマルジョンからモノマーを除去するには、そのエマルジョンを減圧蒸留する方法を利用することができる。例えば、スチレン−アクリル酸メチルエマルジョンから、モノマー(すなわち、スチレン及び/又はアクリル酸メチル)を除去するには、エマルジョンを減圧蒸留させるか、場合によっては過硫酸アンモンなどの過酸化物を添加し、窒素雰囲気中で加熱反応させる方法を用いることができる。
【0018】
モノマー含有乳化剤を用いて調製した熱可塑性樹脂エマルジョンからモノマーを除去するには、上記のモノマーを比較的多量に含む熱可塑性樹脂エマルジョンからモノマーを除去する方法と同様の方法を用いることができる。
【0019】
こうして、未反応モノマー(すなわち、スチレン及び/又はアクリル酸メチル)の含有量が、500ppm以下、特には200ppm以下のスチレンアクリル酸メチル共重合体エマルジョンを直接に調製することができる。
【0020】
なお、モノマー含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
【0021】
前記の熱可塑性樹脂成分の含有量は、インク組成物全体に対して、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%である。含有量を0.5重量%以上にすることによって、一層良好な印字品質を確保することができ、含有量を30重量%以下にすることによって、目詰まりの発生を抑制することができ、一層充分な吐出安定性を実現することができる。
【0022】
本発明のインク組成物において使用することのできる高分子分散剤としては、親水性部分と疎水性部分とを分子中に有する共重合体樹脂、具体的には、アクリル酸系分散剤、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、又はスチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、マレイン酸系分散剤、例えば、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体、又はスチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体、スルホン酸系分散剤、例えば、アクリル酸エステル−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−メタクリルスルホン酸共重合体、又はアクリル酸エステル−アリルスルホン酸共重合体、あるいはこれらの塩を挙げることができる。重量平均分子量(以後単に分子量と称す)が1600〜25000で、酸価が100〜250の共重合体樹脂を用いるのが好ましい。
【0023】
未反応モノマーの含有量が低い前記高分子分散剤は、そのような高分子分散剤を直接に調製するか、又は通常の方法で得られた(未反応モノマーを比較的多量に含む)従来の高分子分散剤から未反応モノマーを除去することによって調製することができる。
【0024】
未反応モノマーの含有量が低い前記高分子分散剤を直接調製するには、塊状重合若しくは溶液重合の反応工程で、その反応工程の終了直前に更に開始剤を追加させ、未反応モノマーを重合させ、その含有量を低減させる方法を用いることができる。例えば、未反応モノマーの含有量が低いスチレン−アクリル酸共重合体を直接調製するには、スチレンとアクリル酸との共重合反応の最終工程でラジカル活性付与剤として過酸化ベンゾイルなどの過酸化物を添加させる方法を用いることができる。こうして、未反応モノマー(すなわち、スチレン及び/又はアクリル酸)の含有量が、300ppm以下、特には100ppm以下のスチレンアクリル酸共重合体を直接に調製することができる。
【0025】
また、未反応モノマーを比較的多量に含む高分子分散剤から未反応モノマーを除去するには、その高分子分散剤を減圧蒸留させ、未反応モノマーを除去する方法を用いることができる。例えば、スチレン−アクリル酸共重合体から、未反応モノマー(すなわち、スチレン及び/又はアクリル酸)を除去するには、樹脂を減圧蒸留させるか、場合によっては過酸化ベンゾイルなどの過酸化物を添加し、窒素雰囲気中で加熱反応させる方法を用いることができる。
【0026】
なお、モノマー含有量は、前記と同様に、例えばガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
【0027】
前記の高分子分散剤の使用量は、顔料の重量に対して、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%である。使用量を10重量%以上にすることによって顔料の良好な分散を確保することができ、使用量を50重量%以下にすることによってノズルからの吐出性を安定させ、かつ最適な粘度範囲に調整することができる。
【0028】
本発明によるインク組成物は、場合により、水溶性高分子化合物を、インク組成物全体に対して、好ましくは15重量%以下、より好ましくは3〜10重量%の量で含有して、適切な粘度を確保することができる。
【0029】
水溶性高分子化合物としては、糖類又はその誘導体、例えば、サッカロース、マルチトール、マルトース、グルコン酸、ソルビトール、マンニトール、又はグルコースの1種又はそれ以上を組合せて用いることができる。また、水酸基の含有量が大きく、水溶性が大きい化合物、例えば、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、若しくはポリエチレンオキサイド等の水溶性樹脂、及び/又はそれらの変性化合物も使用することができる。これらの水溶性高分子化合物を用いると、インク組成物の吐出安定性を向上させることができる。
【0030】
また、本発明によるインク組成物は、場合により、水溶性の多価アルコールを、インク組成物全体に対して、好ましくは25重量%以下、より好ましくは6〜20重量%の量で含有することにより、吐出安定性を確保することができる。しかし、含有量が多すぎると乾燥不良となることがあるので注意が必要である。
【0031】
水溶性多価アルコールとしては、例えば、炭素数3〜10の2価〜3価アルコール、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオールの1種又はそれ以上を組合せて用いることができる。
【0032】
更に、本発明によるインク組成物は、場合により、界面活性剤を、インク組成物全体に対して、好ましくは2重量%以下、より好ましくは0.1〜1重量%の量で含有することにより、吐出安定性を確保することができる。しかし、含有量が多すぎると起泡性が大きくなり、吐出安定性を損なわせる危険性が生じる。
【0033】
界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、又はカルシウムとの塩)、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸との縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸モノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸カリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸ジエタノールアミン、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0034】
また、ノニオン界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノステアレート、アセチレングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(アセチレングリコールアルコールエチレンオキサイド)、プロピルエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、等を挙げることができる。
【0035】
更に、本発明によるインク組成物は、場合により、主溶媒である水に加えて、一価アルコールを、インク組成物全体に対して、好ましくは15重量%以下、より好ましくは1〜10重量%の量で含有することにより、インク組成物の乾燥性、及び浸透性を向上させることができる。一価アルコールとしては、例えば、炭素数2〜4のアルカノール、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、又はt−ブタノールの1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
【0036】
また、本発明によるインク組成物は、その他必要に応じて、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム等のpH調整剤、防カビ、防腐、防錆等の目的で安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベゾチアゾリン−3−オン(製品名:プロキセルXL「 (ICI製))、3,4−イソチアゾリン−3−オン等を含むことができる。更にノズル乾燥防止の目的で、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等を添加することができる。
【0037】
本発明によるインク組成物の諸物性は適宜制御することができるが、本発明の好ましい態様によれば、インク組成物の粘度は、好ましくは25mPa・秒以下、より好ましくは10mPa・秒以下(25℃)である。粘度がこの範囲内にあると、インク組成物をインク吐出ヘッドから安定に吐出させることができる。また、インクの表面張力は適宜制御することができるが、30〜50mN/m(25℃)であることが好ましい。
【0038】
本発明によるインク組成物は、任意のインクジェット記録方法に、有利に用いることができる。
【0039】
【作用】
従来のインクでは、熱可塑性樹脂エマルジョンや高分子分散剤の調製時に重合反応に参加しなかった未反応モノマーが残留してしまう場合があった。こうした未反応モノマーを含むインクを用いて、記録媒体への印字を行なった場合には、未反応モノマー分子が蒸発して、不快臭を発生させたり有毒ガスを発生させてしまう。また、その不快臭は、印画後も記録紙から臭ってしまう。特に、加熱された記録媒体への印字を行なった場合には、不快臭が著しく発生してしまう。
【0040】
また、その未反応モノマー成分の混合によりインクの物性等が安定せず、熱可塑性樹脂エマルジョンや高分子分散剤の混合量が増えた場合には、紙への浸透性が増幅されてしまい、インクのにじみ、及び/又はひげ等が発生して印画品質の劣化を生じてしまう欠点があった。
【0041】
これに対して、本発明のインク組成物では、熱可塑性樹脂エマルジョン及び/又は高分子分散剤内の未反応モノマー含有量が極めて少ないので、不快臭の発生や、印画品質の劣化が起こらない。特に、インク組成物のインク滴を、印字ヘッドから、加熱された記録媒体に吐出してインク像を形成するインクジェット記録方法に用いた場合には、約80〜120℃に加熱された記録媒体上にインクが付着した際に、加熱によってインク組成物が急速に増粘し、高品質画像を得ることができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0043】
<実施例1>
本発明によるインクジェット記録用インク組成物を以下の手順で調製した。
【0044】
(1)顔料分散液の調製
還流管付反応容器にエチレングリコールモノブチルエーテル70重量部を仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気中で70℃まで昇温した。次に、スチレン18.4重量部、アクリル酸11.2重量部、及び過酸化ベンゾイル0.3重量部の混合物を分液ロートで5時間にわたって滴下した。更に、未反応モノマーの反応を完結させるために、過酸化ベンゾイル0.1重量部を追加して1時間攪拌した。溶液を乾燥させ、得られた樹脂粉末を次の実施例で使用した。
【0045】
こうして得られたスチレン−アクリル酸共重合体樹脂(重量平均分子量=25000;酸価=200)4重量部を、トリエタノールアミン(pH調整剤)2.7重量部、イソプロピルアルコール0.4重量部、及びイオン交換水72.9重量部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
【0046】
この樹脂溶液に、C.I.ピグメントブラック7〔カーボンブラックMA−100(三菱化学株式会社製)〕20重量部を加え、プレミクシングを行った後、アイガーミル(アイガージャパン社製)で顔料の平均粒子径が100nmになるまで分散を行い(ビーズ充填率=70%;メディア径=0.7mm)、目的の顔料分散液を得た。この分散液中のスチレン及びアクリル酸のモノマー量をガスクロマトグラフィーで測定したところ、60ppmであった。
【0047】
(2)インク組成物の調製
次に、前記の顔料分散液を使用して、以下の組成からなる本発明によるインク組成物を調製した。
【0048】
なお、前記のアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩を用いた。また、前記のスチレン−アクリル酸メチル樹脂エマルジョンは、固形分40.0%の水分散液であり、マルチトールは固形分80%の水溶液であるため、添加量は固形分換算した値で示した。
【0049】
前記の各成分を混合した後、金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製 綾織り;2300メッシュ)を通過させ、本発明のインク組成物を得た。
【0050】
なお、前記のスチレン−アクリル酸メチル樹脂エマルジョンは、以下の方法で調製した。
【0051】
還流管付反応容器にイオン交換水60重量部、ラウリル硫酸ナトリウム2重量部及び過硫酸アンモニウム0.3重量部を仕込み、混合攪拌しながら窒素雰囲気中で60℃まで 昇温した。次に、スチレン24重量部及びアクリル酸メチル13.6重量部の混合物を分液ロートで4時間にわたって液下した。更に、未反応モノマーの反応を完結させるために過硫酸アンモニウム0.1重量部を追加して1時間攪拌した。
【0052】
こうして得られたスチレン−アクリル酸メチル樹脂エマルジョン内の未反応モノマー(スチレン、アクリル酸メチル)の合計量は164ppmであった。
【0053】
また、こうして得られた実施例1のインク組成物中の、未反応モノマー(スチレン、アクリル酸、アクリル酸メチル)の合計量は50ppmであった。
【0054】
<実施例2〜8>
以下の表1に記載の配合成分を使用すること以外は前記と同様の操作を繰り返すことにより、イエロー、マゼンタ及びシアンの各カラーインク組成物、並びにブラックインク組成物を調製した。なお、表1中の数値は、モノマー成分量(ppm)以外は、重量%である。
【0055】
【表1】
【0056】
<比較例>
比較用として、特開平4−18462号公報の実施例1に開示されているインク組成物を調製した。すなわち、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(重量平均分子量=10000;酸価=153)5重量部を、モノエタノールアミン1.5重量部、イオン交換水68.5重量部及びエチレングリコール5重量部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
【0057】
この樹脂溶液に、カーボンブラック15重量部及びエタノール5重量部を加えてプレミクシングを行った後、分散機(サンドグラインダー)により分散処理を行い(ビーズ充填率=50%;メディア径=1mm)、続いて遠心処理(112000rpm,20分間)し、粗大粒子を除いて顔料分散液を得た。この分散液中のスチレン、アクリル酸、及びアクリル酸エチル等のモノマー量をガスクロマトグラフィーで測定したところ、2800ppmであった。
【0058】
次に、前記の顔料分散液50重量部、エチレングリコール10重量部、ジエチレングリコール10重量部、エタノール10重量部、マイクロ樹脂エマルジョン(PB−300)1重量部、及びイオン交換水27重量部を混合して、比較用インク組成物を調製した。このインク組成物中のスチレン、アクリル酸、及びアクリル酸エチル等のモノマー量をガスクロマトグラフィーで測定したところ、1420ppmであった。
【0059】
<物性評価>
(1)インクジェット記録方法
各実施例及び比較例のインクジェット記録用インク組成物の評価には、以下のインクジェット記録装置及び記録方法を用いた。
【0060】
インクジェット記録は解像度360ドット/インチ、及びインク吐出量0.05μg/ドットに調整した試作48ノズルインクジェット評価機を用いて実施した。
【0061】
また、ここで使用したインクジェット評価機は、記録媒体を、通常の非加熱状態で使用することができるだけでなく、記録媒体を加熱し、加熱された記録媒体上にインク像を形成し記録するインクジェット記録方法にも用いることができる装置であり、この加熱機構を有する評価機において、その加熱機構を利用せずに、及び利用して、評価を実施した。加熱機構を利用する場合の記録媒体の加熱温度は100℃とした。
【0062】
(2)評価方法
各実施例及び比較例のインク組成物を使用して再生紙とコピー用紙にカラー印画を行い、印画直後から印画後放置による不快臭の発生状況と画質を評価した。なお、評価は、実施例1〜8及び比較例のインク組成物の単色での評価と、実施例1〜4、及び実施例5〜8の4色のインク組成物を重ね合わせて印画したフルカラー印画パターンの2種類で行った。
【0063】
評価は次のようなレベル判定により行った。
【0064】
(a)印画中の不快臭
◎:全く不快臭はない。
○:気にならない程度のわずかな不快臭が発生する。
×:不快臭が気になる。
(b)印画環境による画質変化
◎:目立つにじみ等の画質劣化がない。
○:紙種により、目立たない程度のにじみが発生する場合がある。
×:紙種により、目立つにじみが発生する場合がある。
【0065】
以上の評価結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
表2に示す結果から明らかなように、本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、非水溶性成分として少なくとも水中に分散された顔料と熱可塑性樹脂エマルジョンを含有しているが、インク中に混入してしまう樹脂成分の未反応モノマー成分を少量に抑えることにより、通常の(非加熱)状態及び加熱状態で印字を行った場合に、不快臭を発生することがなく、また印画中の紙への不規則な浸透を防止することができ、いかなる環境においても高品質画像を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、水を主溶媒とし、熱可塑性樹脂エマルジョン及び高分子分散剤を樹脂成分として含むインク組成物において、前記の樹脂成分に混入してしまう、モノマー成分を少量に抑えることにより、通常の(非加熱)状態及び加熱状態で印字した場合に、不快臭が発生することがなく、また印画中の紙への不規則な浸透を防止することができ、いかなる環境においても高品質画像を得ることができるという効果を有する。
【0069】
また、樹脂成分に混入するモノマー成分は比較的毒性が強い場合が多いので、その発生を抑制することにより毒性を軽減し、安全性を向上させるという効果を有する。例えば、安全性から空気中の許容濃度(日本産業衛生学会、又はACGIH等で定められた許容濃度)が決められたモノマー成分等については、その発生を管理濃度以下に抑えることも可能になる。
Claims (2)
- 顔料、熱可塑性樹脂エマルジョン、高分子分散剤及び水を含むインクジェット記録用インク組成物において、
前記熱可塑性樹脂エマルジョン及び前記高分子分散剤に含まれるモノマーの合計量が、インク組成物全体の重量に対して1000ppm以下であることを特徴とする、インクジェット記録用インク組成物。 - 前記熱可塑性樹脂エマルジョン固形分と前記高分子分散剤との合計含有量が1重量%以上である請求項1に記載のインク組成物。
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