JP3881262B2 - 電源回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機等の電化製品に備えられる電源回路に関し、特に、1つのトランスを使用して複数の出力電圧を生成する電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電源回路のスイッチング方式として、Ringing ChokeConverter(以下、RCCという。)方式が広く採用されている。この方式においては、トランスの1次側巻き線に直流電圧を加え、その直流電圧を所定の周期で発振させることによりトランスの1次側コイルに磁界が発生するとともに、1次側コイルと平行に巻かれた2次側コイルが1次側で発生した磁界に励磁され、2次側コイルに所定の出力電圧が発生する。
【0003】
ところが、1つのトランスで駆動系電圧および制御系電圧等の複数の出力電圧を発生させる場合においては、駆動系および制御系のそれぞれの電圧を独立して制御できないことから、無駄な電力の消費の発生を防止するのが困難になることがあった。例えば、装置の動作による駆動系の電圧の変化等にともなって、制御系の電圧が変化するために、ボルテージレギュレータ等を用いて、制御系の電圧を所定の値に調整する等して、制御系電圧の値に不都合が生じないようにする必要があるところ、ボルテージレギュレータ等により電圧の調整量が増すにつれて、ボルテージレギュレータにおける電圧降下分が増し、消費電力が増加してしまうという不都合があった。
【0004】
また、上述のRCC方式において、2次側の出力電圧を一定に維持するために2次側の出力電圧を検出し、その検出結果を用いて1次側の発振周波数を調整する、いわゆるフィードバック制御をすることにより、2次側コイルに誘起される電圧を制御するものや、1次側の発振周波数を一定とし、2次側で低電圧回路を設けて2次側の電圧を制御するものがあるが、これらの制御は、装置の動作状態、すなわち駆動系における電力消費状態にかかわらず、常に同一の手法によって行われているため、装置の動作状態によっては本来消費しなくてもよい電力を無駄に消費することがあった。
【0005】
そこで、特開2001−78448公報に記載の多出力電源装置を含む従来技術のなかには、駆動系の出力電圧と制御系の出力電圧を有する上述のRCC方式の電源であって、装置の動作状態に応じて、制御系の出力電圧の値を調整する構成のものがあった。この構成によれば、制御系の電圧を所定の値に調整する3端子レギュレータにおける電圧降下分を減少させることができ、省電力化を図ることができる、とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−78448公報に記載の発明を含む従来技術には、電源電圧を制御する帰還信号を複数の電圧で切り換える構成が存在しない。このため、例えば、装置状態に対応した最適な出力電圧を検出してフィードバック制御等を行い出力電圧の安定化を図ることができないために、出力電圧を安定させるフィードバック制御において無駄な電力が消費されることがあり、依然として省電力化を十分に図ることができなかった。
【0007】
また、従来技術においては、装置の動作状態は、装置内の各構成要素において必要とされる電力等に基づいて判断されることから、当該判断を行うためには、各構成要素に供給される電流の値を検出するための電流検出機構等を必要としており、電流検出機構等を設ける分だけコストが高くなっていた。
【0008】
この発明の目的は、省電力化および低コスト化を図りつつ、単一のトランスで複数の安定した出力電圧を発生することが可能な電源回路を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は以下の構成を備えている。
【0010】
(1)単一のトランスにより互いに異なる複数の回路に印加すべき複数の出力電圧を発生させる電源回路において、
前記複数の回路の動作状態に応じて、複数の出力電圧のうちの1つを選択的に検出する切換検出手段と、
該切換検出手段の検出結果に基づいて前記トランスの入力側の電圧を調整する帰還信号を発生する帰還信号発生手段と、を備え、
前記複数の回路は、駆動系電圧が印加され装置の動作を駆動する駆動系回路、および制御系電圧が印加され駆動系回路に駆動される装置の動作を制御する制御系回路であり、かつ、
前記駆動系回路に接続される電源ライン上に配置される駆動系の出力電圧検出部が、前記切換検出手段によってオン/オフ制御されるトランジスタと、定着器のヒータランプを制御するためのフォトトライアックカプラにおける発光ダイオードと、前記定着器を制御するための制御信号に基づいてオン/オフするトランジスタと、を介して接地されることを特徴とする。
【0011】
この構成においては、トランスの2次側出力電圧を安定させるため該出力電圧の検出を行う際に、電源回路が適用される装置の動作状態に基づいて切換検出手段が複数ある出力電圧のいずれかを検出すべき出力電圧として選択して検出を行い、帰還信号発生手段が、切換検出手段による出力電圧の検出結果に基づいて前記トランスの1次側の電圧値が上がりすぎないよう抑制する帰還信号を発生する。
【0012】
これにより、例えば、装置の動作状態にかかわらず、常に同一の出力電圧の検出を行う構成と異なり、装置の動作状態に応じて検出すべき最適の出力電圧の検出がされるため、不必要に大きな出力電圧が検出されることが防止され、出力電圧の検出および帰還信号の発生の処理における消費電力が減少する。
【0015】
また、例えば、装置の動作中等のように駆動系の出力変動が大きい場合には駆動系からの帰還制御を行うことで出力電圧の安定化を図り、装置の待機中等のように駆動系の出力変動が小さい場合は、駆動系の電圧より小さい制御系の出力電圧を検出して帰還制御を行うことにより、出力電圧の安定化のためのフィードバック制御における消費電力を減少させつつ、適切な出力電圧の制御が行われる。
また、駆動系電圧に保護手段を設けることにより、保護手段の後段に位置する駆動系回路に高圧の過電圧が印可されるのが防止され、回路の破損、人体への危険等が防止される。
【0016】
(2)前記切換検出手段は、前記駆動系回路に供給される電流が所定値以上の場合は駆動系電圧を選択して検出するとともに、前記駆動系回路に供給される電流が所定値以下の場合は制御系回路に電圧を選択して検出することを特徴とする。
【0017】
この構成においては、切換検出手段は、駆動系回路で必要とされる電流の値によって、駆動系の出力電圧を検出するか、または制御系の出力電圧を検出するかを決定することから、駆動系回路が動作中であり大きな電力が必要とされる状態、つまり、駆動系回路における負荷の変動により駆動系出力電圧の出力変動が大きいと推定される場合には、駆動系出力電圧を検出して2次側出力電圧の安定化を図り、一方で駆動系回路における負荷の変動により駆動系出力電圧の出力変動が小さいと推定される場合には、制御系出力電圧を検出して2次側出力電圧の安定化を図るため、出力電圧の安定化に要する消費電力を減少させつつ、適切な出力電圧の制御が行われる。
【0018】
(3)前記切換検出手段は、前記駆動系回路により駆動される機器の動作状態に基づいて駆動系電圧または制御系電圧のいずれかを検出することを特徴とする。
【0019】
この構成においては、駆動系回路により駆動される機器の動作状態を、通常、制御系回路が把握していることを利用して、駆動系電圧の出力変動具合を該駆動系回路により駆動される機器の動作状態から判断することにより、検出すべき出力電圧が決定されることから、検出すべき出力電圧を選択する際に電流検出機構等が不要となるため、電源回路の低コスト化が図られる。
【0020】
(4)前記制御系回路に接続される電源ライン上には電圧制御手段を備えるとともに、前記切換検出手段は、該電源ラインにおける前記電圧制御手段の上流側の電圧値を検出することを特徴とする。
【0021】
この構成においては、制御系回路に接続される電源ライン上にボルテージレギュレータ等の電圧制御手段が設けられることにより、駆動系電圧より帰還制御を行って2次側出力電圧の安定化を図っている場合でも制御系電圧が所定の範囲に確保される。
【0022】
また、前記切換検出手段は、該電源ラインにおける前記電圧制御手段の上流側の電圧値を検出することから、トランスの出力電圧を監視することが可能となるため、ボルテージレギュレータ等の特性に影響されることなく、制御系出力電圧の安定化が図られる。また、該電圧制御手段への入力電圧が適切に制御されるため、該電圧制御手段における消費電力が減少する。
【0023】
(5)前記制御系回路に接続される電源ライン上には電圧制御手段を備えるとともに、前記切換検出手段は、該電源ラインにおける前記電圧制御手段の下流側の電圧値を検出することを特徴とする。
【0024】
この構成においては、制御系回路に接続される電源ライン上にボルテージレギュレータ等の電圧制御手段が設けられることにより、駆動系電圧より帰還制御を行って2次側出力電圧の安定化を図っている場合でも制御系電圧が所定の範囲に確保される。
【0025】
また、前記切換検出手段は、該電源ラインにおける前記電圧制御手段の下流側の電圧値を検出することから、電圧制御手段を直接監視することが可能となるとともに、検出すべき電圧の値が、ボルテージレギュレータ等の上流側と比較して、ボルテージレギュレータによる電圧降下の分と電圧制御を確実に行うためのマージンの分とを加えた量だけ小さくなるため、出力電圧を検出して帰還信号を発生させる際の消費電力が減少し、さらなる省電力化を図りつつ、制御系出力電圧を安定化が図られる。
【0028】
(6)前記回路保護手段はスイッチ動作が可能な素子であることを特徴とする。
【0029】
この構成においては、本体制御部からスイッチ素子を操作することにより、駆動系回路へ電力を供給する電源ラインの開放/短絡の操作が可能であり、後段の回路に電流を供給する場合のみ、該スイッチ素子が短絡されるため、制御系の出力電圧の安定化を図っている最中においても、駆動系回路に過電圧が印加される等の危険が防止される。
【0030】
(7)前記回路保護手段はリミッタ素子であることを特徴とする。
【0031】
この構成においては、リミッタ素子により、リミッタ素子の後段に位置する駆動系回路に印可される最大電圧が確実に規制されるため、駆動系回路に過電圧が印可されることがなくなるため駆動系回路の破損、人体への危険等が防止される
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電源回路1を画像形成装置に適用する実施形態を説明する。
【0032】
図1(a)は、本発明の電源回路1の構成を示している。同図が示すように、電源回路1は、単一のトランス10を備えている。このトランス10の1次側巻線21は、メインスイッチ3、ノイズフィルタ11、および平滑回路12を介して商用電源2に接続される。なお、商用電源2からは、リレー接点18を介して画像形成装置の各構成要素へも電力が供給されている。
【0033】
一方、トランス10の2次側巻線22は、中間タップ13を備えており、駆動系回路5および制御系回路6にそれぞれ印加される複数の出力電圧を生成する。本実施形態においては、駆動系回路5に印加される駆動系電圧は24Vであり、制御系回路6に印加される制御系電圧は5Vであるが、駆動系電圧および制御系電圧の値は、これらの値に限られるものではない。
【0034】
トランス10の2次側巻線22と駆動系回路5との間に配置される電源ラインL1上には、ダイオード31a、平滑コンデンサ32a、出力電圧検出部T1、および回路保護手段7が配置されている。なお、ここでは、回路保護手段7にはスイッチ素子SW2が適用されている。
【0035】
また、トランス10の2次側巻線22と制御系回路6との間に配置される電源ラインL2上には、ダイオード31b、平滑コンデンサ32b、出力電圧検出部T2、およびボルテージレギュレータ8が配置されている。
【0036】
通常、電源回路では、トランスの2次側巻線の出力電圧を安定させるために、出力電圧の値を検出し、この検出結果に基づいて誤差増幅をしている。つまり、出力電圧の値を検出し、フィードバック制御を行うことにより、1次側巻線の電圧値を調整して、2次側の出力電圧が安定させている。
【0037】
本発明は、このフィードバック制御の手法に特徴があるが、具体的には、本実施形態のように、1つのトランスにより駆動系電圧および制御系電圧をそれぞれ出力する際に、画像形成装置の動作状態に応じて、駆動系電圧または制御系電圧を検出すべき出力電圧として選択することで、フィードバック制御における消費電力を減少させて省電力化を図る点に特徴を有している。
【0038】
ここで、出力電圧検出部T1は、スイッチ素子SW1に制御されるトランジスタQ1および、抵抗R1を介してシャントレギュレータ9の電圧検出端子Tに接続されている。また、出力電圧検出部T2は、スイッチ素子SW1に制御されるトランジスタQ2および抵抗R3を介してシャントレギュレータ9の電圧検出端子Tに接続されている。
【0039】
そして、このとき、出力電圧検出部T1の電圧値は、抵抗R1と抵抗R2とで分圧されて電圧検出端子Tに入力され、出力電圧検出部T2の電圧値は、抵抗R3と抵抗R2とで分圧されて電圧検出端子Tに入力される。本実施形態では、分圧により出力電圧検出部T1の電圧値が24Vのときに、また、出力電圧検出部T2の電圧値が8Vのときに、それぞれ電圧検出端子Tには2.5Vの電圧が入力されるように設定されている。
【0040】
図1(b)は、シャントレギュレータ9の構成を示している。シャントレギュレータは、コンパレータ30とトランジスタQ3とを備えている。コンパレータ30は、電圧検出端子Tに入力される電圧値が2.5Vを超える場合に信号をトランジスタQ3に対して発信して、トランジスタQ3を導通させる。
【0041】
このため、出力電圧検出部T1または出力電圧検出部T2のうち出力電圧が検出されている方の電圧値が所定の値を超えると、フォトカプラPC1の発光ダイオード15aに電流が流れ、フォトカプラPC1のフォトトランジスタQ4を導通させる帰還信号が発生して出力される。
【0042】
フォトトランジスタQ4にこの帰還信号が入力されると、トランジスタQ5が導通するため、スイッチング発振しているFET14のゲートが強制的に接地される。そして、FET14のゲートが強制的に接地されると、FET14の発振が止まるため、1次側の電圧値の上昇が抑制される。よって、2次側の出力電圧の値が所定の値以上にならないように調整することができる。
【0043】
以下、本発明の特徴部である切換検出手段について説明する。
【0044】
図2は、制御系回路6の構成を示している。制御系回路6は、CPU61、信号出力部62、ROM63、RAM64、および駆動制御部65を備えている。信号出力部62は、SW1端子、SW2端子、HL端子、およびPR端子を有しており、これらの端子から所定の信号を出力することにより電源回路1の各部分の制御を行う。これらの端子のうち、SW1端子からは駆動系電圧または制御系電圧のいずれかを検出すべき出力電圧として切り換えるスイッチ素子SW1を駆動する信号が出力される。つまり、スイッチ素子SW1に所定の信号を入力することにより、トランジスタQ1またはトランジスタQ2のいずれを導通させるかが決定される。よって、トランジスタQ1が導通しているときには、駆動系の出力電圧検出部T1の値が電圧検出端子Tに入力され、トランジスタQ2が導通しているときには、制御系の出力電圧検出部T2の値が電圧検出端子Tに入力されることになる。
【0045】
つぎに、SW2端子からは、回路保護手段7としてのスイッチ素子SW2をオン/オフさせる信号が出力される。つまり、スイッチ素子SW2を操作することによって、制御系の出力電圧検出部T2の値を検出中において、駆動系回路5に過電圧が印加されることを防止するため、任意に駆動系の電源ラインL1を切断することが可能になる。なお、回路保護手段7として、駆動系回路5に印加される電圧がある上限値を超えないように制御する、バリスタ、ツェナー等のリミッタ素子を用いることができる。
【0046】
さらに、HL端子からは、定着器のヒータランプの熱が必要以上に上がりすぎるのを防止するための信号が出力される。つまり、HL端子から所定の信号が出力されると、トランジスタQ6が導通し、フォトトライアックカプラPC2の発光ダイオード15bに電流が流れるため、フォトトライアック17が導通する。そして、フォトトライアック16によりトライアック17を位相制御することによりヒータランプHLの温度調整が行われる。
【0047】
また、PR端子からは、画像形成装置のプログラム等が暴走した場合において、画像形成装置への各構成要素への電力供給を遮断するとき等のリレー接点18を開放状態にするためのプロテクト信号が出力される。つまり、PR端子からプロテクト信号が出力されると、トランジスタQ7が導通するため、リレーコイル19に電流が流れるが、このとき発生するリレーコイル19の磁力によりリレー接点18が開放状態となる。
【0048】
駆動制御部65は、駆動系回路5の動作を制御するとともに、駆動系回路により動作するモータ、ヒータ、およびソレノイド等の動作を監視している。そのため、駆動制御部65は、画像形成装置で使用されている電力を計測することなく、モータ、ヒータ、およびソレノイド等の動作状態から、画像形成装置の動作状態、ひいては、電源回路1の動作状態を把握することができる。
【0049】
CPU61は、制御系回路6の動作を統括する。例えば、駆動系回路5により駆動されているものがない状態においては、信号出力部62のSW1端子から、トランジスタQ2を導通させるべき旨の信号を出力させる。これにより、駆動系の出力電圧の変動が少ない状態には、駆動系の出力電圧を検出するのではなく、制御系の出力電圧を検出することになるため、出力電圧を安定させるためにフィードバック制御を行う際における消費電力を減少させることができ、省電力化を図ることが可能になる。
【0050】
また、制御系回路6には、電流検出機構が設けられていないため、電流検出機構が設けた場合に比較して、低コスト化を図ることが可能になる。ただし、制御系回路6に電流検出機構を設ける構成にすることができるのはいうまでもなく、この場合には、電流検出機構により検出された電流の値に基づいてスイッチ素子SW1の切換の制御を行うようにすればよい。
【0051】
さらに、本実施形態において、制御系の出力電圧検出部T2は、ボルテージレギュレータ8の上流側に設けられているが、出力電圧検出部T2をボルテージレギュレータ8の下流側に設ける構成にしてもよい。このように、出力電圧検出部T2をボルテージレギュレータ8の下流側に設けることにより、検出される電圧の値が、ボルテージレギュレータ8における電圧降下分とマージンとを加算した分だけ小さくなるため、出力電圧を安定させるためにフィードバック制御を行う際における消費電力をさらに減少させることができ、省電力化を図ることができる。なお、このマージンとは、ボルテージレギュレータ8により確実に電圧制御を行うために、ボルテージレギュレータ8の入力側に、制御系回路に印加されるべき5Vと前記電圧降下分とを加算した値に少しマージンを加えて、やや大きめの電圧を入力させるときに用いられるものである。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0053】
(1)トランスの2次側出力電圧を安定させるため該出力電圧の検出を行う際に、電源回路が適用される装置の動作状態に基づいて切換検出手段が複数ある出力電圧のいずれかを検出すべき出力電圧として選択して検出を行い、帰還信号発生手段が、切換検出手段による出力電圧の検出結果に基づいて前記トランスの1次側の電圧値が上がりすぎないよう抑制する帰還信号を発生することから、例えば、装置の動作状態にかかわらず、常に同一の出力電圧の検出を行う構成と異なり、装置の動作状態に応じて検出すべき最適の出力電圧を検出するため、不必要に大きな出力電圧を検出することを防止し、出力電圧の検出および帰還信号の発生の処理における消費電力を減少させることができる。
【0054】
(2)駆動系回路に印加される出力電圧または制御系回路に印加される出力電圧のいずれかが、駆動系回路により駆動される装置の構成要素等の動作状態に基づいて、検出すべき出力電圧として選択されることから、例えば、装置の動作中等のように駆動系の出力変動が大きい場合には駆動系より帰還制御を行うことで出力電圧の安定化を図り、装置の待機中等のように駆動系の出力変動が小さい場合は、駆動系の電圧より小さい制御系の出力電圧を検出して帰還制御を行うことで、出力電圧の安定化のためのフィードバック制御における消費電力を減少させつつ、適切な出力電圧の制御を行うことができる。
【0055】
(3)切換検出手段は、駆動系回路で必要とされる電流の値によって、駆動系の出力電圧を検出するか、または制御系の出力電圧を検出するかを決定することから、駆動系回路が動作中であり大きな電力が必要とされる状態、つまり、駆動系回路における負荷の変動により駆動系出力電圧の出力変動が大きいと推定される場合には、駆動系出力電圧を検出して2次側出力電圧の安定化を図り、一方で駆動系回路における負荷の変動により駆動系出力電圧の出力変動が小さいと推定される場合には、制御系出力電圧を検出して2次側出力電圧の安定化を図るため、出力電圧の安定化に要する消費電力を減少させつつ、適切な出力電圧の制御を行うことができる。
【0056】
(4)駆動系回路により駆動される機器の動作状態を、通常、制御系回路が把握していることを利用して、駆動系電圧の出力変動具合を該駆動系回路により駆動される機器の動作状態から判断することにより、検出すべき出力電圧を決定することから、検出すべき出力電圧を選択する際に電流検出機構等を不要にできるため、電源回路の低コスト化を図ることができる。
【0057】
(5)制御系回路に接続される電源ライン上にボルテージレギュレータ等の電圧制御手段を設けることにより、駆動系電圧より帰還制御を行って2次側出力電圧の安定化を図っている場合でも制御系電圧を所定の範囲に確保できる。
【0058】
また、前記切換検出手段は、該電源ラインにおける前記電圧制御手段の上流側の電圧値を検出することから、トランスの出力電圧を監視することが可能となるため、ボルテージレギュレータ等の特性に影響されることなく、制御系出力電圧の安定化を図ることができる。また、該電圧制御手段への入力電圧を適切に制御できるため、該電圧制御手段における消費電力を減少させることができる。
【0059】
(6)制御系回路に接続される電源ライン上にボルテージレギュレータ等の電圧制御手段を設けることにより、駆動系電圧より帰還制御を行って2次側出力電圧の安定化を図っている場合でも制御系電圧を所定の範囲に確保できる。
【0060】
また、前記切換検出手段は、該電源ラインにおける前記電圧制御手段の下流側の電圧値を検出することから、電圧制御手段を直接監視することが可能となるとともに、検出すべき電圧の値を、ボルテージレギュレータ等の上流側と比較して、ボルテージレギュレータによる電圧降下の分と電圧制御を確実に行うためのマージンの分とを加えた量だけ小さくできるため、出力電圧を検出して帰還信号を発生させる際の消費電力を減少させ、さらなる省電力化を図りつつ、制御系出力電圧を安定化を図ることができる。
【0061】
(7)駆動系電圧に保護手段を設けることにより、保護手段の後段に位置する駆動系回路に高圧の過電圧が印可されるのを防止でき、回路の破損、人体への危険等を防止することができる。
【0062】
(8)本体制御部からスイッチ素子を操作することにより、駆動系回路へ電力を供給する電源ラインの開放/短絡の操作が可能であり、後段の回路に電流を供給する場合のみ、該スイッチ素子を短絡できるため、制御系の出力電圧の安定化を図っている最中においても、駆動系回路に過電圧が印加される等の危険を防止することができる。
【0063】
(9)リミッタ素子により、リミッタ素子の後段に位置する駆動系回路に印可される最大電圧を確実に規制できるため、駆動系回路に過電圧が印可されることをなくすことができ、駆動系回路の破損、人体への危険等を防止することができる。
【0064】
よって、省電力化および低コスト化を図りつつ、単一のトランスで複数の安定した出力電圧を発生することが可能な電源回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電源回路の構成を示す図である。
【図2】本実施形態の制御系回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
1−電源回路
2−商用電源
3−メインスイッチ
4−リレー接点
5−駆動系回路
6−制御系回路
7−保護手段
8−ボルテージレギュレータ
9−シャントレギュレータ
10−トランス
11−ノイズフィルタ
12−平滑回路
13−中間タップ
14−FET
62−信号出力部
65−駆動制御部
Claims (7)
- 単一のトランスにより互いに異なる複数の回路に印加すべき複数の出力電圧を発生させる電源回路において、
前記複数の回路の動作状態に応じて、複数の出力電圧のうちの1つを選択的に検出する切換検出手段と、
該切換検出手段の検出結果に基づいて前記トランスの入力側の電圧を調整する帰還信号を発生する帰還信号発生手段と、を備え、
前記複数の回路は、駆動系電圧が印加され装置の動作を駆動する駆動系回路、および制御系電圧が印加され駆動系回路に駆動される装置の動作を制御する制御系回路であり、かつ、
前記駆動系回路に接続される電源ライン上に配置される駆動系の出力電圧検出部が、前記切換検出手段によってオン/オフ制御されるトランジスタと、定着器のヒータランプを制御するためのフォトトライアックカプラにおける発光ダイオードと、前記定着器を制御するための制御信号に基づいてオン/オフするトランジスタと、を介して接地されることを特徴とする電源回路。 - 前記切換検出手段は、前記駆動系回路に供給される電流が所定値以上の場合は駆動系電圧を選択して検出するとともに、前記駆動系回路に供給される電流が所定値以下の場合は制御系回路に電圧を選択して検出することを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
- 前記切換検出手段は、前記駆動系回路により駆動される機器の動作状態に基づいて駆動系電圧または制御系電圧のいずれかを検出することを特徴とする請求項1または2に記載の電源回路。
- 前記制御系回路に接続される電源ライン上には電圧制御手段を備えるとともに、前記切換検出手段は、該電源ラインにおける前記電圧制御手段の上流側の電圧値を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電源回路。
- 前記制御系回路に接続される電源ライン上には電圧制御手段を備えるとともに、前記切換検出手段は、該電源ラインにおける前記電圧制御手段の下流側の電圧値を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電源回路。
- 前記駆動系回路に接続される電源ライン上の平滑コンデンサと前記駆動系回路との間に、前記制御系電圧を選択して検出している際に前記駆動系回路を保護する回路保護手段を備え、
前記回路保護手段はスイッチ動作が可能な素子であることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。 - 前記駆動系回路に接続される電源ライン上の平滑コンデンサと前記駆動系回路との間に、前記制御系電圧を選択して検出している際に前記駆動系回路を保護する回路保護手段を備え、
前記回路保護手段はリミッタ素子であることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
Priority Applications (1)
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