JP3879742B2 - 通行規制判定方法及び定期運行路線判定方法並びにプログラム及び装置 - Google Patents
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Description
そこで例えば、道路上を走行する不特定多数の車両の位置情報を収集して、その収集した各車両の位置情報を集計して道路地図データを統計的に作成する道路地図作成方法が知られている。この方法は、具体的には、各車両から送られて来る位置情報に基づいて地図座標上にドットによる投票を行う。そのドット画像を線形のパターンになるように線形化処理して道路地図データを作成する。
実際には、道路規制のデータベース化は遅れており、また、道路規制内容が変更された場合、それをデータベースに採り入れるには、手間と長い時間がかかることが多い。
そこで、本発明は、道路が存在することを前提として、道路上を走行する車両から位置情報を収集し、リンクマッチングの手法を用いてその道路を走行する車両の通過件数の情報を集めることにより、最新の道路規制情報を含む地図データベースを整備することのできる通行規制判定方法を提供することを目的とする。
前記閾値は、道路規制のあるリンクを緊急車両や交通違反者がたまに通過する程度の頻度を見込んで設定すればよい。また、前記閾値は、誤マッチングする可能性が高い隣接したリンクがある場合や、道路規制の影響度の違いを考慮する必要がある場合などは、リンクごと(又は道路種別ごと)に設定すると、より有効である。例えば、車載装置の方式から想定される位置誤差より短い範囲に複数のリンクがある場合には、閾値を上げる。同様に、道幅が太いリンクや国道リンクなどのように規制の影響が大きいリンクについては、規制の変更が起こりにくいように他のリンクよりも閾値を上げる。
これにより、車両の通過件数が閾値よりも低いリンクを通行規制と判定することができる。
なお、前記本発明の通行規制判定方法は、統計的な処理を行うものであり、通行規制の有無を常に100%確信できるわけではない。そこで車両の通過件数を閾値と比較することとしているので、通行規制かどうかの確信度を多段階に評価することが可能となる。
この場合、地図データベースを更新する際に、前記確信度の情報を地図データベースに付加することが望ましい。本発明では車両の通過件数を閾値と比較することとしているので、通行規制かどうかの確信度を多段階に評価することが可能となる。この確信度の情報を地図データベースに付加すれば、地図データベースを利用して各種処理(道路の通行規制表示など)を行う場合に有効である。
本発明の定期運行路線判定方法は、道路を定期運行する車両の位置情報を収集し、収集された前記車両の検出位置に基づいて、当該車両の走行軌跡を求め、前記車両の走行軌跡を、地図データベース上のリンクにマッチングさせ、複数の車両について、マッチングされたリンクごとに車両通過件数の集計をとり、車両の通過件数が閾値よりも高いリンクを定期運行路線と判定する方法である。
また、本発明において、複数の車両の走行軌跡を、地図データベース上の交差点の進入リンク及び退出リンクにマッチングさせ、マッチングされた進入リンク及び退出リンクの組合せごとに車両通過件数の集計をとり、進入リンクの通過件数に対する退出リンクの通過件数の割合が閾値よりも高い侵入リンクと退出リンクとの組み合わせを、定期運行路線と判定してもよい。したがって、リンク単独で定期運行路線と判定する場合に比べて、右折/左折/直進路線を直接判定できる。
前記定期運行する車両として路線バスを例示できることはいうまでもない。この他、ゴミ収集車、宅配便、新聞配達車、郵便集配車など、決められた経路を定期的に運行する車両にも適用できる。
また、本発明のプログラムは、地図データベースの情報と、道路を走行する車両の検出位置の情報とに基づいて、前記通行規制判定方法を実行するものである。
また、本発明の通行規制判定装置は、地図データベースの情報と、道路を走行する車両の検出位置の情報とに基づいて、前記通行規制判定方法を実施する装置である。
また、本発明の定期運行路線判定装置は、地図データベースの情報と、道路を定期運行する車両の検出位置の情報とに基づいて、前記定期運行路線判定方法を実施する装置である。
図1は、本発明の通行規制判定方法及び地図データベース更新方法を実施するためのシステムの全体構成図である。
本システムは、道路を走行する各車両2と、通行規制リンクの判定を行いその判定に基づいて地図データベースの更新を行うセンター装置1とを含んでいる。
センター装置1は地図データベースを備えている。地図データベースは、道路地図データをファイル化して蓄積している。この記憶構造の具体例を図2に示す。図2によれば、地図データベースは、道路地図をメッシュという区域に分割し、各メッシュごとに、リンク情報、接続情報及び座標情報を持っている。
図3に交差点を起点又は終点とするリンクの例を示す。同図に示すように、リンクには、交差点に進入するリンク(以下「進入リンク」という)001, 003, 005, 007と、交差点から退出するリンク(以下「退出リンク」という)002, 004, 006, 008とがある。進入リンクは、四つ角の交差点であれば、交差点において3つの退出リンクにつながっている。例えば、進入リンク001は、退出リンク002, 006, 008につながっている。
時間帯別使用禁止フラグは、進入禁止など道路交通法の通行規制情報であり、本発明の通行規制判定方法によってある時間帯に通行規制があると判定された場合、この時間帯別使用禁止フラグが立てられる。「確信度」は、本発明の通行規制判定方法によって通行規制があると判定された場合、どの程度の確かさで通行規制があるかを示す情報であり、詳しくは後述する。
この接続リンク番号には、「時間帯別使用禁止フラグ」の情報が含まれる。この時間帯別使用禁止フラグの情報は、右折禁止、直進進入禁止などの道路交通法の通行規制情報であり、本発明の通行規制判定方法によって通行規制があると判定された場合に、この時間帯別使用禁止フラグが立てられる。「確信度」については、前述したのと同じく、本発明の通行規制判定方法によって通行規制があると判定された場合、どの程度の確かさで通行規制があるかを示す情報である。
センター装置1は、各車両2から位置情報列(以下「走行軌跡」という)のデータを受信すると、走行軌跡データを走行軌跡ファイルに蓄積する。
これらの各処理は、CD−ROMやハードディスクなど所定の媒体に記録されたプログラムを、センター装置1のコンピュータが実行することにより行われる。
このマッチ数集計処理を、以下詳しく説明する。この処理は、リンクごとに行う場合と、進入リンクと退出リンクとのペアごとに行う場合がある。
以下、リンクごとに処理を行う場合をまず説明する。
この表1のようなリンクマッチ数集計ファイルを、さらに集約して、一定期間の平日、土曜日、日曜・祝日、又はすべての日に対して平均処理してもよい。例えば過去3ヶ月の平日に対して平均処理するのであれば、あるリンクのある時間帯の、過去3ヶ月の月曜日から金曜日まで(祝日を除く)の通過件数を平均する。
したがって、以上の場合、4×4の16種類のリンクマッチ数集計ファイルができあがる。
この判定は、あるリンクのある時間帯の通過件数を閾値と比較する処理である。通過件数が閾値未満であれば、当該リンクの当該時間帯は、通行規制がされていたと判断する。表1を例にとれば、各時間帯の通過件数が一定(例えば3件)未満であれば、走行した車両がない(あるとしても道路管理者の車両である)と判断し、当該リンクの当該時間帯は、通行規制の可能性があると判断し、通行規制リストに出力する。また、「終日の情報」に基づいて判断する場合は、当日の通過件数が一定(例えば10件)未満であれば、走行した車両がない(あるとしても道路管理者の車両である)と判断し、当該リンクは、終日通行規制の可能性があると判断し、通行規制リストに出力する。
この処理は、交差点において、1本の進入リンクから複数本の退出リンクが接続されている場合、進入リンクの通過件数が一定以上あるのに、いずれかの退出リンクの通過件数の、進入リンクの通過件数に対する割合が閾値よりも小さい場合、当該退出リンクへの右左折/直進などを通行規制と判定する処理である。
そこで、進入リンクと退出リンクとのペアに注目し、そのペアごとに、当該進入リンクから当該退出リンクを通過した車両の通過件数を求める。
退出リンク002(直進)に注目すれば、0時00分から0時15分までの時間帯において当該リンクを通過したある車種の車両通過件数は10、退出リンク006(左折)を通過した車両通過件数は15、退出リンク008(右折)を通過した車両の通過件数は0となっている。このようにして、当日の各時間帯について、退出リンクを通過した車両の通過件数をカウントしていく。さらに、当日のすべての時間帯について、「終日の情報」として、通過した車両の通過件数を加算する。退出リンク002を通過した車両の通過件数は230(直進)、退出リンク006(左折)を通過した車両の通過件数は755、退出リンク008(右折)を通過した車両の通過件数は5となっている。
この表3のファイルを、さらに集約して、一定期間の平日、土曜日、日曜・祝日、及びすべての日に対して平均処理したり、普通車、大型車、特大車、全車両などの車種ごとに平均処理してもよいのは、前に説明した、リンクごとにリンクマッチ数を集計する処理と同様である。
この判定は、同一の進入リンクにつながるすべての退出リンクの通過件数の合計を分母とし、当該退出リンクの通過件数を分子とした割合を求め、その割合が閾値未満であれば、「多数の車両が進入リンクを走行しているにもかかわらず、その退出リンクに進む車両がほとんどない」として、その退出リンクは通行規制されていると判断する。
次に、以上説明した通行規制リンクの判定結果に基づいて、地図データベースを更新する処理(ステップS6)を説明する。
なおフラグをオンにすることに代えて、リンクを削除してもよい。確信度が高い場合のみリンクを削除してもよい。
なおフラグをオンにすることに代えて、接続を消去してもよい。確信度が高い場合のみ接続を消去してもよい。
この更新された地図データベースを用いて、例えば最適経路計算を行うことができる。この場合、確信度の活用方法は、例えば、確信度の最も高い通行規制のみを信用して最適経路計算する、確信度の高い低いにかかわらずすべての通行規制を信用して最適経路計算するなど、用途に応じて、ユーザが任意に決めることができる。
以下、バス路線の特定方法を説明する。
センター装置1は、前述したように、地図データベースを備えている。センター装置1は、路線を特定しようとする系統のバスから走行軌跡データを受信すると、走行軌跡ファイルに蓄積する。そしてこの走行軌跡ファイルに基づいてリンクマッチング処理を行い、リンクマッチング結果ファイルを得る。そして、日ごと、リンクごとのマッチ数を集計してリンクマッチ数集計ファイルを得る。このリンクマッチ数集計ファイルは、表1に例示したものと同様のものである。
通行実績の有無を判定する際の閾値は、バスが1台通れば運行実績があると判断できるので、1よりすこし低い値を閾値に設定すればよい。
表5に、運行リンクリストの具体例を示す。
このように、定期運行車両についても、リンクマッチ数集計ファイルを作成し、このリンクマッチ数集計ファイルに基づいて運行リンクリストを作成することができる。したがって、したがって、定期運行路線の最新情報を、自動的にデータベース化できる。
2 車両
Claims (24)
- 道路を走行する車両の位置情報を収集し、
収集された前記車両の検出位置に基づいて、当該車両の走行軌跡を求め、
前記車両の走行軌跡を、地図データベース上のリンクにマッチングさせ、
複数の車両について、マッチングされたリンクごとに車両通過件数の集計をとり、
車両の通過件数と閾値とを比較し、車両の通過件数と閾値との関係に応じて、通行規制かどうかの確信度を多段階に評価して通行規制を判定することを特徴とする通行規制判定方法。 - 道路を走行する車両の位置情報を収集し、
収集された前記車両の検出位置に基づいて、当該車両の走行軌跡を求め、
前記車両の走行軌跡を、地図データベース上の交差点の進入リンク及び退出リンクにマッチングさせ、
複数の車両について、マッチングされた進入リンク及び退出リンクの組合せごとに車両通過件数の集計をとり、
進入リンクの通過件数に対する退出リンクの通過件数の割合と閾値とを比較し、前記通過件数の割合と閾値との関係に応じて通行規制かどうかの確信度を多段階に評価して通行規制を判定することを特徴とする通行規制判定方法。 - 通行規制を時間帯ごとに判定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の通行規制判定方法。
- 通行規制を曜日ごとに判定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の通行規制判定方法。
- 通行規制を平日、休日ごとに判定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の通行規制判定方法。
- 通行規制を車両の種別ごとに判定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の通行規制判定方法。
- 通行規制を車両の重量、積載量又は高さごとに判定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の通行規制判定方法。
- 前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の通行規制判定方法を実行した判定結果に基づいて、地図データベースを更新することを特徴とする地図データベース更新方法。
- 地図データベースを更新する際に、前記確信度の情報を地図データベースに付加することを特徴とする請求項8記載の地図データベース更新方法。
- 請求項8又は請求項9記載の地図データベース更新方法によって更新された地図データベースを用いて、最適経路計算を行うことを特徴とする最適経路計算方法。
- 道路を定期運行する車両の位置情報を収集し、
収集された前記車両の検出位置に基づいて、当該車両の走行軌跡を求め、
前記車両の走行軌跡を、地図データベース上のリンクにマッチングさせ、
複数の車両について、マッチングされたリンクごとに車両通過件数の集計をとり、
車両の通過件数が閾値よりも高いリンクを定期運行路線と判定することを特徴とする定期運行路線判定方法。 - 道路を定期運行する車両の位置情報を収集し、
収集された前記車両の検出位置に基づいて、当該車両の走行軌跡を求め、
前記車両の走行軌跡を、地図データベース上の交差点の進入リンク及び退出リンクにマッチングさせ、
複数の車両について、マッチングされた進入リンク及び退出リンクの組合せごとに車両通過件数の集計をとり、
進入リンクの通過件数に対する退出リンクの通過件数の割合が閾値よりも高い進入リンクと退出リンクとの組み合わせを、定期運行路線と判定することを特徴とする定期運行路線判定方法。 - 定期運行路線を時間帯ごとに判定することを特徴とする請求項11又は請求項12記載の定期運行路線判定方法。
- 定期運行路線を曜日ごとに判定することを特徴とする請求項11又は請求項12記載の定期運行路線判定方法。
- 定期運行路線を平日、休日ごとに判定することを特徴とする請求項11又は請求項12記載の定期運行路線判定方法。
- 定期運行路線を系統路線ごとに判定することを特徴とする請求項11又は請求項12記載の定期運行路線判定方法。
- 定期運行する車両が路線バスであることを特徴とする請求項11〜請求項16のいずれかに記載の定期運行路線判定方法。
- 前記請求項11〜請求項17のいずれかに記載の定期運行路線判定方法を実行した判定結果に基づいて、地図データベースの路線図を更新することを特徴とする地図データベース更新方法。
- コンピュータ上で動作するプログラムであって、地図データベースの情報と、道路を走行する車両の検出位置の情報とに基づいて、前記請求項1又は請求項2記載の通行規制判定方法を実行することを特徴とするプログラム。
- コンピュータ上で動作するプログラムであって、地図データベースの情報と、道路を定期運行する車両の検出位置の情報とに基づいて、前記請求項11又は請求項12記載の定期運行路線判定方法を実行することを特徴とするプログラム。
- 道路を走行する車両の位置情報を収集する手段と、
収集された前記車両の検出位置に基づいて、当該車両の走行軌跡を求める手段と、
前記車両の走行軌跡を、地図データベース上のリンクにマッチングさせる手段と、
複数の車両について、マッチングされたリンクごとに車両通過件数の集計をとる手段と、
車両の通過件数と閾値とを比較し、車両の通過件数と閾値との関係に応じて、通行規制かどうかの確信度を多段階に評価して通行規制を判定する手段とを有することを特徴とする通行規制判定装置。 - 道路を走行する車両の位置情報を収集する手段と、
収集された前記車両の検出位置に基づいて、当該車両の走行軌跡を求める手段と、
前記車両の走行軌跡を、地図データベース上の交差点の進入リンク及び退出リンクにマッチングさせる手段と、
複数の車両について、マッチングされた進入リンク及び退出リンクの組合せごとに車両通過件数の集計をとる手段と、
進入リンクの通過件数に対する退出リンクの通過件数の割合と閾値とを比較し、前記通過件数と閾値との関係に応じて通行規制かどうかの確信度を多段階に評価して通行規制を判定する手段とを有することを特徴とする通行規制判定装置。 - 道路を定期運行する車両の位置情報を収集する手段と、
収集された前記車両の検出位置に基づいて、当該車両の走行軌跡を求める手段と、
前記車両の走行軌跡を、地図データベース上のリンクにマッチングさせる手段と、
複数の車両について、マッチングされたリンクごとに車両通過件数の集計をとる手段と、
車両の通過件数が閾値よりも高いリンクを定期運行路線と判定する手段とを有することを特徴とする定期運行路線判定装置。 - 道路を定期運行する車両の位置情報を収集する手段と、
収集された前記車両の検出位置に基づいて、当該車両の走行軌跡を求める手段と、
前記車両の走行軌跡を、地図データベース上の交差点の進入リンク及び退出リンクにマッチングさせる手段と、
複数の車両について、マッチングされた進入リンク及び退出リンクの組合せごとに車両通過件数の集計をとる手段と、
進入リンクの通過件数に対する退出リンクの通過件数の割合が閾値よりも高い進入リンクと退出リンクとの組み合わせを、定期運行路線と判定する手段とを有することを特徴とする定期運行路線判定装置。
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