JP3879646B2 - 乾燥装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は乾燥装置に係り、特に、廃棄物等の処理物と油とを混合してスラリー状にした混合物を、減圧下で攪拌しつつ加熱することにより乾燥させる乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物等の処理物と油とを混合した混合物を缶体内に収容し、加熱しつつ攪拌することにより脱水する脱水装置がすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に記載された従来の脱水装置は、外罐と間隔を隔てた内罐との二重罐の内部に、中空回転軸とこの中空回転軸に取り付けた多数の中空円盤体を有している。そして、外罐と内罐との間の隙間および中空回転軸と中空円盤体の内部に蒸気を注入して加熱する。
【0004】
前記従来の脱水装置では、前記内罐の内部に収容した油を、内罐と外罐との間隙に蒸気を注入して一定温度に加熱しておき、その内罐中に未処理原料を連続して投入する。このように加熱した油中に未処理原料を投入して、油温により原料中の水分を蒸散させて脱水を行うようになっている。
【0005】
【特許文献1】
実公昭58−23278号公報(第1−2頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記構成に係る従来の脱水装置は、中空回転軸に取り付けられた中空円盤体から成る攪拌羽根が複雑な形状をしているので、その内部からのドレン排出が完全に行えないために、運転を継続していると伝熱効果が低下してくるという問題があった。また、構造が複雑なためコスト高である。しかも、乾燥が進行して混合物の液面が低下してくると、伝熱面積の有効部分が減少してしまうという問題もあった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、構造が簡単であり、しかも、汎用機器の組み合わせで構成できるようににして設備費の抑制を可能にした乾燥装置を提供することを目的とするものである。また、ドレンの排出を完全に行うことができ、伝熱効率が低下するおそれのない乾燥装置を提供することを目的とするものである。さらに、伝熱面積を大きくとることができ、しかも、乾燥の進行により油と処理物との混合物の液面が低下しても、有効伝熱面積を維持することができる乾燥装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る乾燥装置は、缶体内に供給された処理物と油との混合物を攪拌する攪拌手段と、缶体を加熱する加熱手段と、缶体内を減圧する減圧手段とを備えており、缶体内を減圧しつつ前記混合物を加熱することにより、処理物中に含まれる水分を蒸発させるものであって、さらに、前記混合物が通過可能なチューブと、このチューブの周囲を加熱する加熱媒体が導入される加熱媒体室とを有する熱交換器を設け、前記缶体の排出口と熱交換器の混合物供給口とを循環ポンプを介して接続するとともに、熱交換器の混合物排出口と缶体の導入口とを接続し、これら缶体と熱交換器の間を混合物を循環させる循環通路を形成したことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る乾燥装置では、廃棄物と油との混合物を通過させるチューブとこのチューブを加熱する加熱媒体が導入される加熱媒体室とを有する熱交換器を、内部に攪拌手段を備えた缶体に接続し、前記混合物をこれら缶体と熱交換器との間で循環させるとともに、缶体内および熱交換器を減圧手段により減圧した状態で、缶体内と熱交換器のチューブ内を加熱して、前記混合物を乾燥させるようにしているので、構造が簡単で低コストであり、また、加熱される混合物に対する伝熱面積が大きく、しかも、乾燥の進行につれてこの伝熱面積が減少することがない。さらに、蒸気の凝縮によるドレンの排出を完全に行うことができるので、伝熱効果が低下することもない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る乾燥装置の全体の構成を簡略化して示す回路図である。この乾燥装置は、乾燥タンク2を備えている。この乾燥タンク2は、缶体2eの内部に、モータ2aによって回転される縦軸2bに取り付けられた攪拌手段(攪拌羽根)2cを有しており、この攪拌羽根2cの回転によって内部に供給された原料(有機廃棄物等の処理物と伝熱媒体としての油との混合物)を攪拌する。また、乾燥タンク2の外面側には、缶体2eを加熱するための蒸気が外部から供給されるジャケット2dが取り付けられている。なお、2fは、蒸気が凝縮した水分を排出するドレン通路である。
【0011】
前記乾燥タンク2の上流側には、この乾燥タンク2に供給する原料を混合する混合タンク6が設けられている。この混合タンク6も、内部に、モータ6aによって回転される縦軸6bに取り付けられた攪拌羽根6cを有しており、図示しない油タンクから媒体油を投入した後、このこの攪拌羽根6cの回転を開始し、その後、投入口6dから処理物が投入されてこれら処理物と油が攪拌混合される。前記乾燥タンク2で一度に2トンの処理物(例えば、コーヒー粕)を乾燥させる場合には、2トンの処理物と2トンの油の合計4トンの混合物原料をこの混合タンク内6に投入する。このように混合タンク6内に処理物と油とをほぼ同量供給した後、攪拌羽根6cの回転により攪拌混合して混合物をスラリー状にする。なお、処理物と油との混合比は1:1に限るものではなく、処理物の性質に応じて適宜設定される。
【0012】
混合タンク6内で攪拌されてスラリー状になった混合物は、供給ポンプ8の作動により、供給配管10を介して乾燥タンク2に供給される。この供給配管10には供給バルブ12が設けられており、混合タンク6から乾燥タンク2への混合物の供給時にはこの供給バルブ12が開放され、乾燥タンク2で乾燥運転が行われているときにはこの供給バルブ12が閉鎖される。
【0013】
前記乾燥タンク2には、吸引配管16を介して、減圧手段としての真空ポンプ14が接続されている。前記混合物の乾燥処理を行う際には、この真空ポンプ14の作動により乾燥タンク2の内部が減圧される。吸引配管16には減圧バルブ18が設けられており、この減圧バルブ18の開閉により乾燥タンク2と真空ポンプ14とを連通、遮断する。なお、乾燥タンク2は、後に説明する熱交換器20に接続されており、この乾燥装置の運転中は、乾燥タンク2および熱交換器20内がともに減圧状態にされる。
【0014】
また、乾燥タンク2には、缶体2e内部の気相部分の温度を検出する第1温度センサ22と、液相部分の温度を検出する第2温度センサ24とが設けられており、これら各温度センサ22、24からの検出信号が制御装置26に送られる。
【0015】
この乾燥装置は、前記乾燥タンク2内の混合物を送り込んで加熱するための熱交換器20を備えている。この熱交換器20について、図2および図3により説明する。熱交換器20は、シェルアンドチューブ型であり、縦に配置した円筒状のシェル20aの内部に複数本のチューブ20bが縦方向に取り付けられている。これらチューブ20bは、上下端が、シェル20aの上部と下部にそれぞれ固定された管板20c、20dに気密を保持して支持されている。なお、このチューブ20bは口径を細くして多数配置した方が、伝熱面積を大きくとれるので効果的であるが、被加熱物は固形物を含むスラリー状の混合物(廃棄物と油との混合物)であるので、この混合物が通過することのできる口径とする必要がある。
【0016】
円筒状シェル20aの下端には、スラリー状の混合物の供給口20eが設けられており、接続通路(第1接続通路)28を介して、前記乾燥タンク2の排出口2gに接続されている。この第1接続通路28には循環ポンプ30が設けられており、この循環ポンプ30の作動により、乾燥タンク2内のスラリー状混合物を熱交換器20に送り込む。また、円筒状シェル20aの上端には、スラリー状混合物の排出口20fが設けられており、接続通路(第2接続通路)32を介して乾燥タンク2の導入口2hに接続されている。
【0017】
前記第1接続通路28の乾燥タンク2側に排出バルブ(第1排出バルブ)34が設けられており、この第1排出バルブ34を開放して循環ポンプ30を駆動することにより、乾燥タンク2内のスラリー状混合物を、熱交換器20の混合物供給口20eからチューブ20b内に供給し、このチューブ20b内を通過させた後、混合物排出口20fから第2接続通路32を通って乾燥タンク2に戻すことにより、乾燥タンク2と熱交換器20との間を循環させることができる。
【0018】
前述のように、円筒状シェル20a内の上部と下部にそれぞれ取り付けられた管板20c、20dに、各チューブ20bが気密を保持して支持されており、上下の管板20c、20dの間の、各チューブ20bを囲む空間20gが加熱媒体(この実施の形態では蒸気)が導入され流通する加熱媒体室(蒸気室)を構成している。この蒸気室20gには、シェル20aに形成された蒸気導入口20hから加熱用蒸気が導入され、蒸気排出口20iから排出されるようになっており、この蒸気室20g内を流れる蒸気によってチューブ20b内を通過するスラリー状の混合物を加熱する。
【0019】
前記上部管板20cの上方の室20jには、チューブ20b内で加熱されたスラリー状混合物から排出される蒸気の温度を検出する温度センサ(第3温度センサ)36が設けられている。この第3温度センサ36が検出した信号は制御装置26に送られる。なお、20kは、熱交換器20内に導入された蒸気が凝縮した水分を排出するドレン通路である。
【0020】
前記乾燥タンク2および熱交換器20には、加熱手段としてのボイラー38が接続されており、第1の蒸気供給通路40を介して乾燥タンク2のジャケット2d内に蒸気を供給し、第2の蒸気供給通路42を介して熱交換器20の蒸気導入口20hから、チューブ20bの周囲に形成された蒸気室20g内に蒸気を供給する。第1蒸気供給通路40および第2蒸気供給通路42には、それぞれ調整バルブ(第1調整バルブ44および第2調整バルブ46)が設けられており、前記第1温度センサ22、第2温度センサ24および第3温度センサ36からの信号により、制御装置26がこれら調整バルブ44、46の開度を調整して、乾燥タンク2のジャケット2dおよび熱交換器20の蒸気室20gに供給する蒸気の量を制御する。
【0021】
この乾燥装置には、乾燥終了後の混合物の脱油を行う脱油手段48が接続されている。前記乾燥タンク2の排出口2gと熱交換器20の混合物供給口20eとを接続する第1接続通路28に、排出通路50が接続されており、この排出通路50に設けられた排出用ポンプ52により、乾燥タンク2および熱交換器20内の乾燥済み混合物を排出し、脱油手段48に送ることができる。この排出通路50の第1接続通路28側には第2の排出バルブ54が設けられており、乾燥タンク2および熱交換器20内で混合物の乾燥処理を行う際には、この第2排出バルブ54を閉じ、乾燥終了後の混合物をこれら乾燥タンク2および熱交換器20から排出する際には開放する。
【0022】
前記構成に係る乾燥装置の作動について説明する。先ず、混合タンク6において仕込み工程を行う。この仕込み工程では、混合タンク6内に油を供給するとともに、投入口6dから処理物(廃棄物)を投入する。油と処理物を混合タンク6内に入れ、モータ6aにより攪拌羽根6cを回転させてこれら処理物と油とを攪拌混合してスラリー状にする。なお、この実施の形態では、処理物と油とをほぼ同量供給して混合する。
【0023】
仕込み工程が終了した後、混合タンク6内のスラリー状混合物を乾燥タンク2内に供給する。このときには、供給バルブ12を開放するとともに、供給ポンプ8を駆動して混合タンク6内の前記スラリー状の混合物を供給通路10から乾燥タンク2内に送り込む。
【0024】
乾燥タンク2に処理物と油との混合物を供給した後、乾燥工程を行う。この乾燥工程では、乾燥タンク2の排出口2gと熱交換器20の混合物供給口20eとを接続する第1接続通路28に設けられている第1排出バルブ34を開放し、循環ポンプ30を駆動する。なお、脱油手段48への排出通路50に設けられている第2排出バルブ54を閉じることはいうまでもない。また、吸引通路16の減圧バルブ18を開放して真空ポンプ14を駆動し、乾燥タンク2内を減圧状態にする。この乾燥タンク2内は、第1接続通路28および第2接続通路32を介して熱交換器20に連通しており、乾燥タンク2内を減圧すると、熱交換器20内も同時に減圧される。
【0025】
さらに、ボイラー38を運転して、乾燥タンク2のジャケット2dおよび熱交換器20の蒸気室20gに蒸気を供給する。これら乾燥タンク2および熱交換器20に送られる蒸気の量は、混合物(廃棄物と油)の種類や量によって予め設定されており、各蒸気供給通路40、42に設けられた第1調整バルブ44および第2調整バルブ46の開度を調整して設定量の蒸気を供給する。
【0026】
乾燥タンク2のジャケット2dおよび熱交換器20の蒸気室20g内に蒸気を供給して加熱した状態で、前述のように循環ポンプ30を駆動することにより、乾燥タンク2の缶体2e内に供給されたスラリー状の混合物を循環させる。
【0027】
乾燥タンク2内に供給されたスラリー状の混合物は、攪拌羽根2cの回転により缶体2e内で攪拌されるとともに、循環ポンプ30の駆動により、第1接続通路28から熱交換器20の混合物供給口20eに送られ、各チューブ20b内を通過して上方の混合物排出口20fから第2接続通路32を通って乾燥タンク2内に戻り、これら乾燥タンク2と熱交換器20の間を循環する。
【0028】
乾燥タンク2の缶体2e内は、ジャケット2dに導入された蒸気により加熱され、また、熱交換器20は、チューブ20bを囲む蒸気室20g内に導入された蒸気によりチューブ20b内が加熱されており、乾燥タンク2と熱交換器20との間を循環する処理物(廃棄物)と油との混合物は、減圧下で加熱されることにより、廃棄物内の水分が蒸発する。
【0029】
乾燥運転中は、第1ないし第3温度センサ22、24、36からの信号により、制御装置26が第1および第2調整バルブ44、46の開度を制御して、乾燥タンク2および熱交換器20への蒸気供給量を調節している。
【0030】
乾燥工程を行っている乾燥タンク2内では、第1、第2温度センサ22、24により気相部分の温度(気体の温度)と液相部分の温度(油の温度)とを検出しており、油の温度が設定温度まで上昇するとともに、気体の温度が設定温度まで下降した時点でボイラー38からの蒸気の供給を停止し、その後、所定時間その状態を保持する。乾燥タンク2および熱交換器20内に蒸気を供給して乾燥を開始した初期の段階では、処理物内に含まれていた水分が蒸発するので、油の温度は上昇しないが、乾燥が進行して水分の蒸発量が次第に減少してくると、油の温度が上昇する。逆に乾燥タンク2内の気体は、乾燥の初期には、処理物から排出された水蒸気を検出するため温度が高くなっているが、次第に水分の蒸発量が減少してくると、温度が下降する。このように油の温度が上昇し、気体の温度が下降すると乾燥が充分に進行したものと判断して、両蒸気供給通路40、42の調整バルブ44、46を閉じ、ボイラー38からの蒸気の供給を停止する。
【0031】
その後、真空ポンプ14からの吸引通路16に設けられている減圧バルブ18を閉じ、図示しない開放弁を開いて乾燥タンク2および熱交換器20内を大気圧に戻す。また、循環ポンプ30の運転を停止する。それから、前記第1接続通路28の第1排出バルブ34を開放したまま、排出通路50の第2排出バルブ54も開放し、排出用ポンプ52を駆動する。この排出ポンプ52の運転により、乾燥処理が終了した乾燥タンク2内の混合物を脱油手段48に送る。乾燥タンク2内の混合物の排出が終了した後、第1排出バルブ34を閉じ、循環ポンプ30を前記乾燥運転時と逆に回転させて、熱交換器20内の混合物を排出して、脱油手段48に送る。
【0032】
脱油手段48では、乾燥された処理物(廃棄物)と油との混合物の脱油処理を行う。脱油手段48における脱油工程では、遠心分離機による1回または複数回の脱油処理を行い、油が除去された製品(乾燥済み処理物)と油とに分離し、製品は図示しない製品タンクに、精製された油は油タンクにそれぞれ送られる。
【0033】
この実施の形態では、乾燥タンク2に、チューブ20bとこのチューブ20bを囲む蒸気室20gを有する熱交換器20を接続して、スラリー状の混合物を循環させつつ加熱乾燥させるようにしたので、特許文献1に記載されている従来の構成の乾燥装置(脱水装置)よりも伝熱面積を大きくとることができ、しかも、乾燥が進行しても有効伝熱面積を確保することができるので、乾燥効率がよく、乾燥速度が速いという効果が得られる。また、熱交換器20の構造がシンプルなので、蒸気の凝縮によるドレンを完全に排出することができ、伝熱効果が低下するおそれがない。しかも、汎用機器を組み合わせて構成することができるので、設備費を抑制することができる。
【0034】
なお、前記実施の形態では、一台の乾燥タンク2および熱交換器20により乾燥を行い、乾燥終了後、乾燥タンク2および熱交換器20から乾燥済みの混合物を排出し、その後、再び原料を供給するようにしているが、前記乾燥タンクを2基設置して交互に切り換えて運転するようにしてもよい。この場合には、一方の乾燥タンクに混合物を供給して乾燥工程を行い、乾燥工程が終了して、この乾燥済みの混合物を排出し脱油工程を行っている間に、他方の乾燥タンクによって次の乾燥工程を行うようにすれば、運転時間にロスがなく、しかもエネルギー効率のよい運転を行うことができる。また、混合タンク6を省略し、乾燥タンク2内において、原料の計量および混合を行うようにすることもできる。また、前記実施の形態では、シェルアンドチューブ型の熱交換器20を用いたが、この形式に限定されるものではなく、例えば、チューブの外周に蒸気の通過する通路が形成された二重管構造のもの等を用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、缶体内に供給された処理物と油との混合物を攪拌する攪拌手段と、缶体を加熱する加熱手段と、缶体内を減圧する減圧手段とを備え、缶体内を減圧しつつ前記混合物を加熱することにより、処理物中に含まれる水分を蒸発させる乾燥装置において、前記混合物が通過可能なチューブと、このチューブの周囲を加熱する加熱媒体が導入される加熱媒体室とを有する熱交換器を設け、前記缶体の排出口と熱交換器の混合物供給口とを循環ポンプを介して接続するとともに、熱交換器の混合物排出口と缶体の導入口とを接続し、これら缶体と熱交換器の間を混合物を循環させる循環通路を形成したので、全体の構造が簡単であり、しかも汎用性の高い機器の組み合わせで構成することができ、設備費を抑制することができる。また、熱交換器の構造がシンプルであり蒸気の凝縮によるドレンの排出を完全に行うことができ、伝熱効果が低下することがない。しかも、伝熱面積を大きくとることができ、かつ、乾燥が進行して液面が低下しても伝熱面積を維持することができるので、乾燥速度が速く、乾燥時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る乾燥装置の全体の構成を簡略化して示す回路図である。
【図2】前記実施の形態に係る乾燥装置に設けられた熱交換器の縦断面図である。
【図3】前記実施の形態に係る乾燥装置に設けられた熱交換器の横断面図である。
【符号の説明】
2c 攪拌手段
2e 缶体
2g 缶体の排出口
2h 缶体の導入口
14 減圧手段(真空ポンプ)
20 熱交換器
20b チューブ
20e 混合物供給口
20f 混合物排出口
20g 加熱媒体室(蒸気室)
30 循環ポンプ
38 加熱手段(ボイラー)
【発明が属する技術分野】
本発明は乾燥装置に係り、特に、廃棄物等の処理物と油とを混合してスラリー状にした混合物を、減圧下で攪拌しつつ加熱することにより乾燥させる乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物等の処理物と油とを混合した混合物を缶体内に収容し、加熱しつつ攪拌することにより脱水する脱水装置がすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に記載された従来の脱水装置は、外罐と間隔を隔てた内罐との二重罐の内部に、中空回転軸とこの中空回転軸に取り付けた多数の中空円盤体を有している。そして、外罐と内罐との間の隙間および中空回転軸と中空円盤体の内部に蒸気を注入して加熱する。
【0004】
前記従来の脱水装置では、前記内罐の内部に収容した油を、内罐と外罐との間隙に蒸気を注入して一定温度に加熱しておき、その内罐中に未処理原料を連続して投入する。このように加熱した油中に未処理原料を投入して、油温により原料中の水分を蒸散させて脱水を行うようになっている。
【0005】
【特許文献1】
実公昭58−23278号公報(第1−2頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記構成に係る従来の脱水装置は、中空回転軸に取り付けられた中空円盤体から成る攪拌羽根が複雑な形状をしているので、その内部からのドレン排出が完全に行えないために、運転を継続していると伝熱効果が低下してくるという問題があった。また、構造が複雑なためコスト高である。しかも、乾燥が進行して混合物の液面が低下してくると、伝熱面積の有効部分が減少してしまうという問題もあった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、構造が簡単であり、しかも、汎用機器の組み合わせで構成できるようににして設備費の抑制を可能にした乾燥装置を提供することを目的とするものである。また、ドレンの排出を完全に行うことができ、伝熱効率が低下するおそれのない乾燥装置を提供することを目的とするものである。さらに、伝熱面積を大きくとることができ、しかも、乾燥の進行により油と処理物との混合物の液面が低下しても、有効伝熱面積を維持することができる乾燥装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る乾燥装置は、缶体内に供給された処理物と油との混合物を攪拌する攪拌手段と、缶体を加熱する加熱手段と、缶体内を減圧する減圧手段とを備えており、缶体内を減圧しつつ前記混合物を加熱することにより、処理物中に含まれる水分を蒸発させるものであって、さらに、前記混合物が通過可能なチューブと、このチューブの周囲を加熱する加熱媒体が導入される加熱媒体室とを有する熱交換器を設け、前記缶体の排出口と熱交換器の混合物供給口とを循環ポンプを介して接続するとともに、熱交換器の混合物排出口と缶体の導入口とを接続し、これら缶体と熱交換器の間を混合物を循環させる循環通路を形成したことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る乾燥装置では、廃棄物と油との混合物を通過させるチューブとこのチューブを加熱する加熱媒体が導入される加熱媒体室とを有する熱交換器を、内部に攪拌手段を備えた缶体に接続し、前記混合物をこれら缶体と熱交換器との間で循環させるとともに、缶体内および熱交換器を減圧手段により減圧した状態で、缶体内と熱交換器のチューブ内を加熱して、前記混合物を乾燥させるようにしているので、構造が簡単で低コストであり、また、加熱される混合物に対する伝熱面積が大きく、しかも、乾燥の進行につれてこの伝熱面積が減少することがない。さらに、蒸気の凝縮によるドレンの排出を完全に行うことができるので、伝熱効果が低下することもない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る乾燥装置の全体の構成を簡略化して示す回路図である。この乾燥装置は、乾燥タンク2を備えている。この乾燥タンク2は、缶体2eの内部に、モータ2aによって回転される縦軸2bに取り付けられた攪拌手段(攪拌羽根)2cを有しており、この攪拌羽根2cの回転によって内部に供給された原料(有機廃棄物等の処理物と伝熱媒体としての油との混合物)を攪拌する。また、乾燥タンク2の外面側には、缶体2eを加熱するための蒸気が外部から供給されるジャケット2dが取り付けられている。なお、2fは、蒸気が凝縮した水分を排出するドレン通路である。
【0011】
前記乾燥タンク2の上流側には、この乾燥タンク2に供給する原料を混合する混合タンク6が設けられている。この混合タンク6も、内部に、モータ6aによって回転される縦軸6bに取り付けられた攪拌羽根6cを有しており、図示しない油タンクから媒体油を投入した後、このこの攪拌羽根6cの回転を開始し、その後、投入口6dから処理物が投入されてこれら処理物と油が攪拌混合される。前記乾燥タンク2で一度に2トンの処理物(例えば、コーヒー粕)を乾燥させる場合には、2トンの処理物と2トンの油の合計4トンの混合物原料をこの混合タンク内6に投入する。このように混合タンク6内に処理物と油とをほぼ同量供給した後、攪拌羽根6cの回転により攪拌混合して混合物をスラリー状にする。なお、処理物と油との混合比は1:1に限るものではなく、処理物の性質に応じて適宜設定される。
【0012】
混合タンク6内で攪拌されてスラリー状になった混合物は、供給ポンプ8の作動により、供給配管10を介して乾燥タンク2に供給される。この供給配管10には供給バルブ12が設けられており、混合タンク6から乾燥タンク2への混合物の供給時にはこの供給バルブ12が開放され、乾燥タンク2で乾燥運転が行われているときにはこの供給バルブ12が閉鎖される。
【0013】
前記乾燥タンク2には、吸引配管16を介して、減圧手段としての真空ポンプ14が接続されている。前記混合物の乾燥処理を行う際には、この真空ポンプ14の作動により乾燥タンク2の内部が減圧される。吸引配管16には減圧バルブ18が設けられており、この減圧バルブ18の開閉により乾燥タンク2と真空ポンプ14とを連通、遮断する。なお、乾燥タンク2は、後に説明する熱交換器20に接続されており、この乾燥装置の運転中は、乾燥タンク2および熱交換器20内がともに減圧状態にされる。
【0014】
また、乾燥タンク2には、缶体2e内部の気相部分の温度を検出する第1温度センサ22と、液相部分の温度を検出する第2温度センサ24とが設けられており、これら各温度センサ22、24からの検出信号が制御装置26に送られる。
【0015】
この乾燥装置は、前記乾燥タンク2内の混合物を送り込んで加熱するための熱交換器20を備えている。この熱交換器20について、図2および図3により説明する。熱交換器20は、シェルアンドチューブ型であり、縦に配置した円筒状のシェル20aの内部に複数本のチューブ20bが縦方向に取り付けられている。これらチューブ20bは、上下端が、シェル20aの上部と下部にそれぞれ固定された管板20c、20dに気密を保持して支持されている。なお、このチューブ20bは口径を細くして多数配置した方が、伝熱面積を大きくとれるので効果的であるが、被加熱物は固形物を含むスラリー状の混合物(廃棄物と油との混合物)であるので、この混合物が通過することのできる口径とする必要がある。
【0016】
円筒状シェル20aの下端には、スラリー状の混合物の供給口20eが設けられており、接続通路(第1接続通路)28を介して、前記乾燥タンク2の排出口2gに接続されている。この第1接続通路28には循環ポンプ30が設けられており、この循環ポンプ30の作動により、乾燥タンク2内のスラリー状混合物を熱交換器20に送り込む。また、円筒状シェル20aの上端には、スラリー状混合物の排出口20fが設けられており、接続通路(第2接続通路)32を介して乾燥タンク2の導入口2hに接続されている。
【0017】
前記第1接続通路28の乾燥タンク2側に排出バルブ(第1排出バルブ)34が設けられており、この第1排出バルブ34を開放して循環ポンプ30を駆動することにより、乾燥タンク2内のスラリー状混合物を、熱交換器20の混合物供給口20eからチューブ20b内に供給し、このチューブ20b内を通過させた後、混合物排出口20fから第2接続通路32を通って乾燥タンク2に戻すことにより、乾燥タンク2と熱交換器20との間を循環させることができる。
【0018】
前述のように、円筒状シェル20a内の上部と下部にそれぞれ取り付けられた管板20c、20dに、各チューブ20bが気密を保持して支持されており、上下の管板20c、20dの間の、各チューブ20bを囲む空間20gが加熱媒体(この実施の形態では蒸気)が導入され流通する加熱媒体室(蒸気室)を構成している。この蒸気室20gには、シェル20aに形成された蒸気導入口20hから加熱用蒸気が導入され、蒸気排出口20iから排出されるようになっており、この蒸気室20g内を流れる蒸気によってチューブ20b内を通過するスラリー状の混合物を加熱する。
【0019】
前記上部管板20cの上方の室20jには、チューブ20b内で加熱されたスラリー状混合物から排出される蒸気の温度を検出する温度センサ(第3温度センサ)36が設けられている。この第3温度センサ36が検出した信号は制御装置26に送られる。なお、20kは、熱交換器20内に導入された蒸気が凝縮した水分を排出するドレン通路である。
【0020】
前記乾燥タンク2および熱交換器20には、加熱手段としてのボイラー38が接続されており、第1の蒸気供給通路40を介して乾燥タンク2のジャケット2d内に蒸気を供給し、第2の蒸気供給通路42を介して熱交換器20の蒸気導入口20hから、チューブ20bの周囲に形成された蒸気室20g内に蒸気を供給する。第1蒸気供給通路40および第2蒸気供給通路42には、それぞれ調整バルブ(第1調整バルブ44および第2調整バルブ46)が設けられており、前記第1温度センサ22、第2温度センサ24および第3温度センサ36からの信号により、制御装置26がこれら調整バルブ44、46の開度を調整して、乾燥タンク2のジャケット2dおよび熱交換器20の蒸気室20gに供給する蒸気の量を制御する。
【0021】
この乾燥装置には、乾燥終了後の混合物の脱油を行う脱油手段48が接続されている。前記乾燥タンク2の排出口2gと熱交換器20の混合物供給口20eとを接続する第1接続通路28に、排出通路50が接続されており、この排出通路50に設けられた排出用ポンプ52により、乾燥タンク2および熱交換器20内の乾燥済み混合物を排出し、脱油手段48に送ることができる。この排出通路50の第1接続通路28側には第2の排出バルブ54が設けられており、乾燥タンク2および熱交換器20内で混合物の乾燥処理を行う際には、この第2排出バルブ54を閉じ、乾燥終了後の混合物をこれら乾燥タンク2および熱交換器20から排出する際には開放する。
【0022】
前記構成に係る乾燥装置の作動について説明する。先ず、混合タンク6において仕込み工程を行う。この仕込み工程では、混合タンク6内に油を供給するとともに、投入口6dから処理物(廃棄物)を投入する。油と処理物を混合タンク6内に入れ、モータ6aにより攪拌羽根6cを回転させてこれら処理物と油とを攪拌混合してスラリー状にする。なお、この実施の形態では、処理物と油とをほぼ同量供給して混合する。
【0023】
仕込み工程が終了した後、混合タンク6内のスラリー状混合物を乾燥タンク2内に供給する。このときには、供給バルブ12を開放するとともに、供給ポンプ8を駆動して混合タンク6内の前記スラリー状の混合物を供給通路10から乾燥タンク2内に送り込む。
【0024】
乾燥タンク2に処理物と油との混合物を供給した後、乾燥工程を行う。この乾燥工程では、乾燥タンク2の排出口2gと熱交換器20の混合物供給口20eとを接続する第1接続通路28に設けられている第1排出バルブ34を開放し、循環ポンプ30を駆動する。なお、脱油手段48への排出通路50に設けられている第2排出バルブ54を閉じることはいうまでもない。また、吸引通路16の減圧バルブ18を開放して真空ポンプ14を駆動し、乾燥タンク2内を減圧状態にする。この乾燥タンク2内は、第1接続通路28および第2接続通路32を介して熱交換器20に連通しており、乾燥タンク2内を減圧すると、熱交換器20内も同時に減圧される。
【0025】
さらに、ボイラー38を運転して、乾燥タンク2のジャケット2dおよび熱交換器20の蒸気室20gに蒸気を供給する。これら乾燥タンク2および熱交換器20に送られる蒸気の量は、混合物(廃棄物と油)の種類や量によって予め設定されており、各蒸気供給通路40、42に設けられた第1調整バルブ44および第2調整バルブ46の開度を調整して設定量の蒸気を供給する。
【0026】
乾燥タンク2のジャケット2dおよび熱交換器20の蒸気室20g内に蒸気を供給して加熱した状態で、前述のように循環ポンプ30を駆動することにより、乾燥タンク2の缶体2e内に供給されたスラリー状の混合物を循環させる。
【0027】
乾燥タンク2内に供給されたスラリー状の混合物は、攪拌羽根2cの回転により缶体2e内で攪拌されるとともに、循環ポンプ30の駆動により、第1接続通路28から熱交換器20の混合物供給口20eに送られ、各チューブ20b内を通過して上方の混合物排出口20fから第2接続通路32を通って乾燥タンク2内に戻り、これら乾燥タンク2と熱交換器20の間を循環する。
【0028】
乾燥タンク2の缶体2e内は、ジャケット2dに導入された蒸気により加熱され、また、熱交換器20は、チューブ20bを囲む蒸気室20g内に導入された蒸気によりチューブ20b内が加熱されており、乾燥タンク2と熱交換器20との間を循環する処理物(廃棄物)と油との混合物は、減圧下で加熱されることにより、廃棄物内の水分が蒸発する。
【0029】
乾燥運転中は、第1ないし第3温度センサ22、24、36からの信号により、制御装置26が第1および第2調整バルブ44、46の開度を制御して、乾燥タンク2および熱交換器20への蒸気供給量を調節している。
【0030】
乾燥工程を行っている乾燥タンク2内では、第1、第2温度センサ22、24により気相部分の温度(気体の温度)と液相部分の温度(油の温度)とを検出しており、油の温度が設定温度まで上昇するとともに、気体の温度が設定温度まで下降した時点でボイラー38からの蒸気の供給を停止し、その後、所定時間その状態を保持する。乾燥タンク2および熱交換器20内に蒸気を供給して乾燥を開始した初期の段階では、処理物内に含まれていた水分が蒸発するので、油の温度は上昇しないが、乾燥が進行して水分の蒸発量が次第に減少してくると、油の温度が上昇する。逆に乾燥タンク2内の気体は、乾燥の初期には、処理物から排出された水蒸気を検出するため温度が高くなっているが、次第に水分の蒸発量が減少してくると、温度が下降する。このように油の温度が上昇し、気体の温度が下降すると乾燥が充分に進行したものと判断して、両蒸気供給通路40、42の調整バルブ44、46を閉じ、ボイラー38からの蒸気の供給を停止する。
【0031】
その後、真空ポンプ14からの吸引通路16に設けられている減圧バルブ18を閉じ、図示しない開放弁を開いて乾燥タンク2および熱交換器20内を大気圧に戻す。また、循環ポンプ30の運転を停止する。それから、前記第1接続通路28の第1排出バルブ34を開放したまま、排出通路50の第2排出バルブ54も開放し、排出用ポンプ52を駆動する。この排出ポンプ52の運転により、乾燥処理が終了した乾燥タンク2内の混合物を脱油手段48に送る。乾燥タンク2内の混合物の排出が終了した後、第1排出バルブ34を閉じ、循環ポンプ30を前記乾燥運転時と逆に回転させて、熱交換器20内の混合物を排出して、脱油手段48に送る。
【0032】
脱油手段48では、乾燥された処理物(廃棄物)と油との混合物の脱油処理を行う。脱油手段48における脱油工程では、遠心分離機による1回または複数回の脱油処理を行い、油が除去された製品(乾燥済み処理物)と油とに分離し、製品は図示しない製品タンクに、精製された油は油タンクにそれぞれ送られる。
【0033】
この実施の形態では、乾燥タンク2に、チューブ20bとこのチューブ20bを囲む蒸気室20gを有する熱交換器20を接続して、スラリー状の混合物を循環させつつ加熱乾燥させるようにしたので、特許文献1に記載されている従来の構成の乾燥装置(脱水装置)よりも伝熱面積を大きくとることができ、しかも、乾燥が進行しても有効伝熱面積を確保することができるので、乾燥効率がよく、乾燥速度が速いという効果が得られる。また、熱交換器20の構造がシンプルなので、蒸気の凝縮によるドレンを完全に排出することができ、伝熱効果が低下するおそれがない。しかも、汎用機器を組み合わせて構成することができるので、設備費を抑制することができる。
【0034】
なお、前記実施の形態では、一台の乾燥タンク2および熱交換器20により乾燥を行い、乾燥終了後、乾燥タンク2および熱交換器20から乾燥済みの混合物を排出し、その後、再び原料を供給するようにしているが、前記乾燥タンクを2基設置して交互に切り換えて運転するようにしてもよい。この場合には、一方の乾燥タンクに混合物を供給して乾燥工程を行い、乾燥工程が終了して、この乾燥済みの混合物を排出し脱油工程を行っている間に、他方の乾燥タンクによって次の乾燥工程を行うようにすれば、運転時間にロスがなく、しかもエネルギー効率のよい運転を行うことができる。また、混合タンク6を省略し、乾燥タンク2内において、原料の計量および混合を行うようにすることもできる。また、前記実施の形態では、シェルアンドチューブ型の熱交換器20を用いたが、この形式に限定されるものではなく、例えば、チューブの外周に蒸気の通過する通路が形成された二重管構造のもの等を用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、缶体内に供給された処理物と油との混合物を攪拌する攪拌手段と、缶体を加熱する加熱手段と、缶体内を減圧する減圧手段とを備え、缶体内を減圧しつつ前記混合物を加熱することにより、処理物中に含まれる水分を蒸発させる乾燥装置において、前記混合物が通過可能なチューブと、このチューブの周囲を加熱する加熱媒体が導入される加熱媒体室とを有する熱交換器を設け、前記缶体の排出口と熱交換器の混合物供給口とを循環ポンプを介して接続するとともに、熱交換器の混合物排出口と缶体の導入口とを接続し、これら缶体と熱交換器の間を混合物を循環させる循環通路を形成したので、全体の構造が簡単であり、しかも汎用性の高い機器の組み合わせで構成することができ、設備費を抑制することができる。また、熱交換器の構造がシンプルであり蒸気の凝縮によるドレンの排出を完全に行うことができ、伝熱効果が低下することがない。しかも、伝熱面積を大きくとることができ、かつ、乾燥が進行して液面が低下しても伝熱面積を維持することができるので、乾燥速度が速く、乾燥時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る乾燥装置の全体の構成を簡略化して示す回路図である。
【図2】前記実施の形態に係る乾燥装置に設けられた熱交換器の縦断面図である。
【図3】前記実施の形態に係る乾燥装置に設けられた熱交換器の横断面図である。
【符号の説明】
2c 攪拌手段
2e 缶体
2g 缶体の排出口
2h 缶体の導入口
14 減圧手段(真空ポンプ)
20 熱交換器
20b チューブ
20e 混合物供給口
20f 混合物排出口
20g 加熱媒体室(蒸気室)
30 循環ポンプ
38 加熱手段(ボイラー)
Claims (1)
- 缶体内に供給された処理物と油との混合物を攪拌する攪拌手段と、缶体を加熱する加熱手段と、缶体内を減圧する減圧手段とを備え、
缶体内を減圧しつつ前記混合物を加熱することにより、処理物中に含まれる水分を蒸発させる乾燥装置において、
前記混合物が通過可能なチューブと、このチューブの周囲を加熱する加熱媒体が導入される加熱媒体室とを有する熱交換器を設け、
前記缶体の排出口と熱交換器の混合物供給口とを循環ポンプを介して接続するとともに、熱交換器の混合物排出口と缶体の導入口とを接続し、これら缶体と熱交換器の間を混合物を循環させる循環通路を形成したことを特徴とする乾燥装置。
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