JP2009183896A - 円錐型混合乾燥機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転翼の軸に対する被処理物の付着を確実に防止することのできる新規な円錐型混合乾燥機の開発を技術課題とした。
【解決手段】 逆円錐状の処理槽2内に具えられた回転翼28によって被処理物Wの混合、破砕、乾燥の各処理のいずれか一つまたは複数の処理を行う装置において、前記回転翼28の軸25は、その内部に熱媒が循環可能に構成されていることを特徴として成るものであり、軸25内を循環する熱媒によって軸25の温度を常時所望の高温に維持することができ、軸25に対して結露が生じてしまうのを回避して、軸25に対する被処理物Wの付着を確実に回避することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は逆円錐状の処理槽内に具えられた回転翼によって被処理物の混合、破砕、乾燥の各処理のいずれか一つまたは複数の処理を行う装置に関するものであって、特に回転翼の軸に対する処理物の付着を確実に防止することのできる円錐型混合乾燥機に係るものである。
円錐型混合乾燥機1′は図4に示すように、逆円錐状の処理槽2′内に具えられた回転翼28′によって被処理物Wの混合、破砕、乾燥のうちのいずれか一つまたは複数を行う装置である。
そしてこの装置の運転に際しては、処理槽2′の内壁に対して被処理物Wが付着してしまうため、回転翼28′の軸25′を通じて支持杆等より内壁部分に蒸気S等を吹き付け、付着物を除去するといったことが行われている(例えば特許文献1、2参照。)。
ところで前記軸25′の下部においては被処理物Wの品温が上昇しており結露が発生しないため、また撹拌されている被処理物Wが常時軸25′に接触しながら更新されるため、被処理物Wの付着は生じにくくなっているものの、軸25′の上部においては結露が生じ、舞い上がった微細な被処理物Wが付着して固まってしまうことがある。
すなわち、前記回転翼28′の軸25′は蒸気S等の通過経路となってはいるものの、蒸気S等は処理槽2′の内壁に付着した被処理物Wの除去を行うことを目的としたものであり、軸25′内を通過する蒸気Sによって軸25′の温度を上昇させて結露を防止するといった配慮は成されていなかった。
因みに上記特許文献に記載されているように処理槽2′内に蒸気Sを噴出させる手法が採られた場合には、蒸気Sが処理槽2′内に供給されるため、処理槽2′内に生じる凝縮水により乾燥効率の低下を招いてしまったり、真空排気系の能力低下を引き起こしてしまうこともあり、これらの効率低下と、付着物の発生による処理効率の低下とのトレードオフを考慮して各種運転条件を設定する必要がある。
特開2001−343785公報 特開2000−176271公報
本発明はこのような背景を認識してなされたものであって、回転翼の軸に対する被処理物の付着を確実に防止することのできる新規な円錐型混合乾燥機の開発を技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の円錐型混合乾燥機は、逆円錐状の処理槽内に具えられた回転翼によって被処理物の混合、破砕、乾燥の各処理のいずれか一つまたは複数の処理を行う装置において、前記回転翼の軸は、その内部に熱媒が循環可能に構成されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、軸内を循環する熱媒によって軸の温度を常時所望の高温に維持することができ、軸に対して結露が生じてしまうのを回避して、軸に対する被処理物の付着を確実に回避することができる。
また請求項2記載の円錐型混合乾燥機は、前記要件に加え、前記回転翼の軸は、外管内に内管が挿通状態とされた二重管構造が採られて成るものであり、
前記外管は下端部が底板によって閉塞されて成り、
一方、前記内管は下端部が開放されているとともに、開口部が前記外管における底板の上方に位置するように配されて構成されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、外管と内管との間に供給される熱媒によって外管の温度を上昇させることができる。特に熱媒として蒸気を用いた場合には、蒸気の凝縮によって放出される熱によって外管を効果的に加熱することができるとともに、底部に溜まった凝縮水をサイフォン効果によって内管内を上昇させて回収するこができ、熱媒の循環を円滑且つ確実に実現することが可能となる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
本発明によれば、軸内を循環する熱媒によって軸の温度を常時所望の高温に維持することができ、軸に対して結露が生じてしまうのを回避して、軸に対する被処理物の付着を確実に回避することができ、被処理物の混合、破砕、乾燥を効率的に行うことが可能となる。
以下本発明の円錐型混合乾燥機について、図示の実施例に基づいて説明するものであるが、この実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
図中符号1で示すものが本発明の円錐型混合乾燥機であって、このものは処理槽2内に投入された被処理物Wを混合、加熱することにより、被処理物Wから発生した凝縮性ガス(水蒸気)を排気して、前記被処理物Wの混合、破砕、乾燥の処理のいずれか一つまたは複数の処理を行うための装置である。そして所定の処理が施された後の被処理物Wは、前記処理槽2の下方に連通させて設けられた排出装置3によって外部に排出されることとなる。
まず前記処理槽2について説明するとこのものは、上下面を開口した中空逆円錐台状部と円筒状部とを組み合わせて形成した処理槽内板20の外側ほぼ全域に対して、適宜の間隔をあけて同様の形状のジャケット外体21を配して成るものである。そして、これら処理槽内板20及びジャケット外体21の上部開口部を天板22によって塞ぐことにより、前記処理槽内板20の内部空間を乾燥処理のための処理空間とする。また天板22に対しては投入口22a及び排気口22bが形成される。
なお前記処理槽2を構成する処理槽内板20の形状については、最上部の半径を、最下部の半径の2.5倍以下に設定することが、処理槽2内下部での被処理物Wの移動速度を確保し、混合効率の向上及び排出不良の解消を図る上で好ましい。
また前記処理槽内板20の下部開口部を排出口23とするものであり、この排出口23を囲繞するようにフランジFを具える。
また前記処理槽内板20とジャケット外体21との間には適宜ジャマ板24を設けることにより両部材の連結を図るとともに温水、蒸気、油等の熱媒の循環経路を形成するものである。また前記ジャケット外体21の上部に流入管21aを取り付け、一方、ジャケット外体21の下部に流出管21bを取り付けるとともに、これら流入管21a及び流出管21bに対して図2に示すような蒸気供給装置5を具えた熱媒循環機構が接続される。
なお円錐型混合乾燥機1が混合または破砕のみを目的とするものである場合には、このような加熱のための構成を省略してもよい。また処理槽2内を減圧させて乾燥を行う場合には、排気口22bの後段側にコンデンサ、真空ポンプ等の補器類を設けるものとする。
そして前記処理槽2内には平面視ほぼ中央に軸25が配されるとともに、この軸25には適宜の支持杆を用いて螺旋状の回転翼28が二本、位相を180°異ならせて取り付けられる。なおこの回転翼28については、一本のみとしたり、その軌道の一部を除去して軌道を不連続なものとした、いわゆるパドル型と称されるものを用いてもよい。
ここで前記軸25は、その内部に熱媒が循環可能に構成されるものであり、一例として図1に拡大して示すように、外管25a内に内管25bが挿通状態とされた二重管構造が採られる。更に前記外管25aは下端部が底板25cによって閉塞され、一方、前記内管25bは下端部が開放されているとともに、開口部25dが前記外管25aにおける底板25cの上方に位置するように配されて構成される。
なお前記外管25aと内管25bとの間に断熱材を設けるようにしてもよい。
そしてこのような軸25は、天板22を貫くとともにロータリージョイント26に接続されるものであり、このロータリージョイント26における供給口26aと外管25aとが連通状態とされ、また排出口26bと内管25bとが連通状態とされる。
更に前記天板22上にはモータM及び減速機27が具えられるとともに、その動力は駆動ベルト等により軸25に伝達される。
次に前記排出装置3について説明すると、このものは図1に示すように上下面を開口した逆円錐台状のケーシング30の上面開口部に底部仕切板31を具えるとともに、この底部仕切板31に開口部32が形成され、更にこの開口部32を閉鎖するための蓋体33が具えられて成るものである。
本発明の円錐型混合乾燥機1は一例として上述したような構造を有するものであり、以下、この装置の作動態様について説明する。
まず蒸気発生装置5から、ジャケット外体21における流入管21a及びロータリージョイント26における供給口26aに熱媒としての蒸気Sを供給する。なお蒸気Sの他に、温水、油等の液体や空気等の気体を熱媒として用いてもよい。
前記蒸気Sはジャケット外体21において処理槽内板20とジャケット外体21との間の空間を満遍なく通過する過程で、処理槽内板20を通じて被処理物Wを加熱するとともに凝縮し、凝縮水Cとなって流出管21bから排出される。
一方、ロータリージョイント26において蒸気Sは、外管25aと内管25bとの間を通過する過程で外管25aを加熱するものであり、特に蒸気Sの凝縮によって放出される熱によって外管25aを内側から効果的に加熱するため、外管25aの外周面に結露が発生するのを確実に防止する。
そして凝縮した蒸気Sは凝縮水Cとなって底板25c上に溜まり、供給口26aから順次供給される蒸気Sの圧力によるサイフォン効果によって開口部25dを通じて内管25内を上昇し、やがて排出口26bから排出され、蒸気供給装置5に戻される。
次いでモータMを起動して回転翼28を回転させながら、被処理物Wを投入口22aから処理槽2内に投入すると、図1に示すように、処理槽2内においては回転翼28が被処理物W全体に循環流を起こさせるものであり、被処理物Wは螺旋状の回転翼28に案内されながら処理槽内板20の内壁に沿って上昇することとなる。
やがて処理槽2の上部に達した処理物Wは、中央部に落下するものであり、以降このような経路を循環しながら破砕されると同時に均等に加熱され、混合、破砕、乾燥等の処理が施されることとなる。
このとき、軸25の下部においては被処理物Wの品温が上昇しており結露が発生しないため、また撹拌されている被処理物Wが常時軸25に接触しながら更新されるため、被処理物Wの付着は生じにくくなっている。
一方、軸25の上部においては、撹拌されている被処理物Wが常時、軸25に接触するようなことがないため、結露が生じた場合には微細な被処理物Wが付着して固まってしまうことがある。
しかしながら本発明の円錐型混合乾燥機1にあっては、蒸気S等の熱媒によって特に軸25の上部ほど下部に比べてより高温に加熱されるため、結露の発生を引き起こしてしまうことがなく、処理物Wの付着を効果的に回避することができるものである。
その後所定時間が経過した後、回転翼28を回転させたまま、蓋体33を開口部32から離反させて開口部32を開放状態として処理物Wの排出が行われる。
〔他の実施例〕
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下のような実施例を採ることもできる。
図3に示す実施例は、温水や油等、比熱の高い熱媒を用いる場合に採り得るものであり、この場合、循環による熱媒の温度低下、すなわち供給口26aから供給される熱媒の温度と、排出口26bから排出される熱媒の温度との差が少ないため採り得る構成である。
まず図3(a)に示した実施例は、管状の軸25の内部を仕切板25eによって二空間に分けたものであり、底板25cの上方部分を二空間の連通部とした実施例である。
また図3(b)に示した実施例は、管状の軸25の内部に循環管25fをコイル状に設けたものであり、往路と復路とが交互に接するように配置した実施例である。
本発明の円錐型混合乾燥機を一部拡大して示す縦断側面図である。 本発明の円錐型混合乾燥機及び周辺機器を示す骨格図である。 軸における熱媒の循環構造の他の実施例を示す縦断側面図である。 背景技術で述べた円錐型混合乾燥機を示す縦断側面図である。
符号の説明
1 円錐型混合乾燥機
2 処理槽
20 処理槽内板
21 ジャケット外体
21a 流入管
21b 流出管
22 天板
22a 投入口
22b 排気口
23 排出口
24 ジャマ板
25 軸
25a 外管
25b 内管
25c 底板
25d 開口部
25e 仕切板
25f 循環管
26 ロータリージョイント
26a 供給口
26b 排出口
27 減速機
28 回転翼
3 排出装置
30 ケーシング
31 底部仕切板
32 開口部
33 蓋体
5 蒸気供給装置
C 凝縮水
F フランジ
M モータ
S 蒸気
W 被処理物

Claims (2)

  1. 逆円錐状の処理槽内に具えられた回転翼によって被処理物の混合、破砕、乾燥の各処理のいずれか一つまたは複数の処理を行う装置において、前記回転翼の軸は、その内部に熱媒が循環可能に構成されていることを特徴とする円錐型混合乾燥機。
  2. 前記回転翼の軸は、外管内に内管が挿通状態とされた二重管構造が採られて成るものであり、前記外管は下端部が底板によって閉塞されて成り、一方、前記内管は下端部が開放されているとともに、開口部が前記外管における底板の上方に位置するように配されて構成されていることを特徴とする請求項1記載の円錐型混合乾燥機。
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