JP3879631B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに係り、特に酸化ガスの流量を検出する酸化ガス流量センサに異常があっても安定した酸化ガス供給制御を行うことができる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムにおける酸化ガスの供給制御に関する従来技術としては、特開2000−48839号公報に記載の技術が知られている。この従来技術によれば、燃料ガスの供給量または発電量に基づいて外部から取り込む空気の量を算出する一方、気温及び気圧を計測し、この計測した気温及び気圧に基づいて送風ファンの回転速度をフィードフィードフォワード制御していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、フィードフォワードで制御を行うための供給酸素量を算出しているが、フィードバックで制御を行うための構成ではないため、空気流量センサやコンプレッサの劣化等で目標酸素供給量が供給されなくてもコンプレッサ回転速度を修正できないので、燃費の低下や期待しない動作がおこるという問題点があった。
【0004】
また内燃機関のエアフローメータのような酸化ガス流量センサを燃料電池に適用することも考えられるが、酸化ガス流量センサの故障時には、燃料電池の発電が継続できなくなるという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、燃料ガスを供給する燃料供給装置と、酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置と、前記燃料供給装置から供給される燃料と前記酸化ガス供給装置から供給される酸化ガスとを用いて発電する燃料電池本体と、前記酸化ガス供給装置から燃料電池本体に供給する酸化ガスの流量を検出する酸化ガス流量センサと、前記燃料ガスと酸化ガスとの流量を制御するコントローラと、を備えた燃料電池システムであって、前記コントローラは、前記酸化ガス流量センサが検出した酸化ガス流量検出値QSが燃料電池の運転状態に基づいて算出される正常範囲内であれば、酸化ガス流量検出値QSを用いて酸化ガス流量のフィードバック制御を行い、酸化ガス流量検出値QSが前記正常範囲外へ逸脱したときは、酸化ガス流量のフィードフォワード制御を行うように切り替えることを要旨とする。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、通常時には、酸化ガス流量センサによる酸化ガス流量検出値QSを用いてフィードバック制御することにより高精度な酸化ガス流量制御を行うと共に、酸化ガス流量センサの検出値が燃料電池の運転状態に基づく正常範囲を逸脱した異常時には、酸化ガス流量制御をフィードフォワード制御に切り替えて行うようにしたので、常に安定した燃料電池の運転を継続することができるという効果がある。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明に係る燃料電池システムの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃料電池システムの一実施形態を説明するシステム構成図であり、特に限定されないが燃料電池車両1に適用した例を示している。同図において、燃料電池車両1は、アクセルペダル2と、アクセルペダル2の操作量を検出するアクセルセンサ3と、燃料ガスである水素ガスを供給する水素供給装置4と、酸化ガスである空気を供給するコンプレッサ5と、水素供給装置4からの水素及びコンプレッサ5からの空気を用いて発電する燃料電池本体6と、燃料電池本体6に供給される空気流量を検出する空気流量センサ7と、燃料電池本体6の出力電流を検出する電流センサ8と、燃料電池本体6が発電した電力を交流電力に変換するインバータ9と、インバータ9の交流電力で駆動される走行用モータ10と、走行用モータ10の駆動力を分配する差動装置11と、差動装置11から駆動力を伝える駆動軸12と、駆動軸12で回転駆動される駆動輪13と、駆動輪13の回転速度を検出する車速センサ14と、アクセルセンサ3の検出値及び車速センサ14の検出値及び空気流量センサ7の検出値に基づいてコンプレッサ5の目標回転速度を出力するコントローラ15とを備えている。
【0008】
アクセルセンサ3は、アクセルペダル2の操作量(踏込量)を検出してアナログ信号を発生するセンサであり、レーザー変位計、ポテンションメータなどが考えられる。
【0009】
水素供給装置4は、例えば、高圧水素ガスタンクや水素吸蔵合金タンクに水素を貯蔵し、コントローラ15からの指令に従って、水素ガスの圧力及び流量を制御して燃料電池本体6に供給する装置である。
【0010】
コンプレッサ5は、図示しないエアフィルタにより濾過した空気を圧縮して酸化ガスとして燃料電池本体6へ供給する酸化ガス供給装置である。本実施形態ではコンプレッサ5にサーボ回路を有し、コントローラ15が計算したコンプレッサ回転速度指令値[rpm] をシリアル通信などでコンプレッサ5に送信し、コンプレッサ5は、その回転速度指令値[rpm] に従った回転速度で動作するものとする。
【0011】
燃料電池本体6は、電解質として固体高分子電解質(例えば、パーフルオロカーボンスルフォン酸)膜を備えた高分子電解質型の燃料電池セルを数百積層した燃料電池スタックである。
【0012】
燃料電池本体6は、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して備え、アノードへは水素供給装置4から燃料ガスとしての水素ガスを供給し、カソードへはコンプレッサ5から酸化ガスとしての空気を供給する。
【0013】
そして、燃料電池本体6は、アノード,カソードの両電極において以下に示す電気化学反応が生じる。
【化1】
アノード:H2 →2H+ +2e- …▲1▼
カソード:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2 …▲2▼
【0014】
アノードに水素ガスが供給されると、▲1▼の反応式が進行して水素が水素イオンと電子に解離する。アノードで生成した水素イオンは、H+ (xH2O)の水和状態で固体高分子電解質膜を透過(拡散)してカソードに至る。また電子は、アノードから外部回路(インバータ9)を通って、カソードに至る。
【0015】
カソードに酸化ガス含有ガス、例えば空気が供給されていると、カソードでは▲2▼の反応式が進行する。この▲1▼,▲2▼の電極反応が各極で進行することで、燃料電池は起電力を呈することになる。本実施形態では、燃料電池本体6で発電した電力をインバータ9で交流電力に変換して走行用モータ10を駆動させる。
【0016】
空気流量センサ7には、例えばホットワイヤ式エアフローメータやホットフィルム式エアフローメータを使用可能である。ホットワイヤ式エアフローメータにおいては、高温に熱せられたワイヤー(ホットワイヤー)の周囲を吸入空気の流れが吹き抜けていく。このワイヤーは、電気的なブリッジ回路の一部を形成しており、ワイヤー温度が吸気温度より一定の温度だけ高くなるように電流が流されている。
【0017】
そしてホットワイヤーからの放熱量は、吸入空気の流速が速いほど多くなるので、温度差を一定に保つための電流値も多くなる。従ってワイヤーの電流値を検出すれば、吸入空気量を計測することができる。尚、ホットワイヤー式エアフローメータは、吸入空気量の検出を質量流量で行っているため、温度や気圧による吸入空気の密度補正を行わなくても済むという利点がある。
【0018】
空気流量センサとしては、その他に、可動式センサフラップやカルマン渦流式体積流量センサ等がある。
【0019】
コントローラ15は、アクセルセンサ3のアナログ検出値をデジタル検出値に変換するアクセル操作量変換部21と、車速センサ14の検出パルスから車速を算出する車速演算部22と、デジタルアクセル操作量及び車速に基づいて目標空気流量QEを演算する目標空気流量演算部23と、電流センサ8の検出値QSに基づいて推定空気流量QGを演算する推定空気流量演算部24と、推定空気流量QGに基づいて空気流量センサ7の検出値QSの正常範囲を算出する空気流量センサ正常範囲演算部25と、空気流量センサ7の検出値QSが正常か異常かを空気流量センサ正常範囲演算部25の演算結果に基づいて判定する空気流量センサ監視部26と、目標空気流量QEに基づいてコンプレッサ5の回転速度をフィードフォワード制御するFF制御部27と、目標空気流量QE及び空気流量センサ7の検出値QSの基づいてコンプレッサ5の回転速度をフィードバック制御するFB制御部28と、空気流量センサ監視部26の判定結果に基づいてFF制御部27またはFB制御部28を切り替えてコンプレッサ5を制御する空気流量制御切替部29とを備えている。
【0020】
コントローラ15は、特に限定されないが、本実施形態では、CPUとメモリと周辺インタフェースを備えたマイクロプロセッサで構成されている。
【0021】
次に、図1に示した燃料電池車両1の動作を説明する。アクセルペダル2の操作量は、アクセルセンサ3によりアナログアクセル操作量信号(例えば0〜5[V] )に変換されてコントローラ15のアクセル操作量変換部21へ入力される。アクセル操作量変換部21は、アナログアクセル操作量信号をデジタルアクセル操作量信号に変換して、目標空気流量演算部23へ出力する。
【0022】
一方、車速センサ14は、駆動軸12の回転速度[rpm] に比例したパルス頻度を持つパルス信号をコントローラ15の車速演算部22へ出力する。車速演算部22は、図示しない波形整形器及びパルスカウンタによりデジタル車速信号[km/h]を生成し、これを目標空気流量演算部23や空気流量センサ正常範囲演算部25へ出力する。
【0023】
目標空気流量演算部23は、デジタルアクセル操作量信号及びデジタル車速信号に基づいて、コンプレッサ5から燃料電池本体6へ供給する目標空気流量QE[mol/sec] を演算する。
【0024】
この目標空気流量QEの算出過程は、まずデジタルアクセル操作量信号及びデジタル車速信号から燃料電池に対する要求電力[W] (または要求電流[A])を算出し、この要求電力[W] (または要求電流[A] )を発電するために必要な酸素流量[mol/sec] を算出し、必要酸素流量にストイキ比(SR)を乗じた酸素流量を供給する空気流量を目標空気流量QE[mol/sec] としている。ストイキ比SRは、酸化ガス過剰率、または空気過剰率とも呼ばれ、一般に使用される酸化ガス利用率Uoの逆数であり、通常1を超える値である。
【0025】
【数1】
SR=1/Uo …(1)
ここで、目標空気流量算出時にストイキ比を乗じる理由は、燃料電池本体6の図示しない空気極出口付近でも充分発電可能な酸化ガス分圧を保持するために、過剰な空気を供給することによる。燃料の水素ガスについても同様な制御を行う。
【0026】
FF制御部27は、目標空気流量演算部23が演算した目標空気流量QEに基づいて、予め記憶した制御マップ等を参照して、フィードフォワード制御時のコンプレッサ5の回転速度指令値を算出する。この算出には、特に限定されないが、図示しない気温センサ、気圧センサ等からの気象条件を入力して空気密度補正を行っても良い。
【0027】
FB制御部28は、目標空気流量演算部23が演算した目標空気流量QEと、空気流量センサ7が検出した空気流量の検出値とに基づいて、フィードバック制御時のコンプレッサ5の回転速度指令値[rpm] を算出する。このフィードバック制御の制御方法には、PI制御やPID制御等の一般的なフィードバック制御を利用できる。
【0028】
一方、推定空気流量演算部24は、電流センサ8が検出した燃料電池本体6の発電電流値[A] を入力し、この電流値を発電するために消費した酸素流量に相当する空気流量を演算して、これを推定空気流量[mol/sec] として出力する。
【0029】
空気流量センサ正常範囲演算部25は、推定空気流量演算部24が演算した推定空気流量から、空気流量センサ7の検出値QSの正常範囲を上限値と下限値との組として算出する。このとき、目標空気流量演算部23からの目標空気流量QEで上限値又は下限値を補正することもできる。
【0030】
空気流量センサ監視部26は、空気流量センサ7の検出値QSが前記正常範囲内か否かを監視し、空気流量センサ7の検出値QSが上限値を超えるか、または下限値を下回った場合、空気流量センサ7に異常が発生したと判断し、空気流量制御切替部29へ通知する。
【0031】
空気流量制御切替部29は、空気流量センサ監視部26の判断に基づいて、コンプレッサ5の回転速度を指令する空気流量制御をFF制御で行うか、FB制御で行うかを切り替える。空気流量センサ監視部26が正常と判断している間は、FB制御部28の出力により正確な空気流量制御を行う。一方、空気流量センサ監視部26が異常と判断したときには、FF制御部27に切り替えて、空気流量センサ7の検出値QSを用いることなく、空気流量制御する。
【0032】
本実施形態では、コンプレッサ5にサーボ回路を有し、コントローラ15で計算したコンプレッサ回転速度指令値[rpm] をシリアル通信などでコンプレッサ5に送信し、コンプレッサ5は、この回転速度指令値[rpm] に従った回転速度で動作するものとする。
【0033】
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施形態におけるコントローラ15の制御動作を説明する。尚、図2のフローチャート中に、二本の平行線(=)で示す記号は、並列処理記号(JIS X0121参照)であり、コントローラ15がマルチプロセッサ構成であれば並列処理できることを示す。コントローラ15がシングルプロセッサの場合、並列処理可能なステップ同士の処理順序は任意である。
【0034】
図2において、まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)10の燃料電池発電電流測定部と、S12のアクセル操作量演算部と、S14の車速演算部と、S16の空気流量測定部が並列に処理可能である。
【0035】
S10の燃料電池発電電流測定部は、電流センサ8から燃料電池本体6の発電電流値を読み込み、デジタル電流値に変換する。次いで、S18の推定空気流量演算部は、電流センサ8が検出した燃料電池本体6の発電電流に基づいて、この発電電流のために消費される推定酸素流量を算出し、この推定酸素流量を空気流量に換算して、推定空気流量QGを算出する。
【0036】
【数2】
推定酸素流量[mol/sec]=((1/2)×Nst×I)/(2F) …(2)
ここで、(1/2)は化学式▲2▼の酸素の係数、Nstはスタックを構成する直列セル数、Iは電流センサ8が検出した燃料電池本体6の発電電流[A]であり、2は化学式▲2▼の電子の係数、Fはファラデー定数(電子の電荷量e×アボガドロ数NA)である。また、ある酸素の質量流量を得るための空気の質量流量は、空気の成分比と各成分の原子量から酸素質量流量の約4.3倍となる。
【0037】
S12のアクセル操作量演算部は、アクセルセンサ3から入力したアナログアクセル操作量をデジタルアクセル操作量に変換する。S14の車速演算部は、車速センサ14から入力した車速パルスに基づいて、車両の速度を演算する。S16の空気流量測定部は、空気流量センサ7から読み込んだアナログ空気流量をデジタル空気流量に変換する。
【0038】
S12及びS14が終了すると、S20の目標発電量演算部が実行可能となる。目標空気流量演算部は、S12で算出したアクセル操作量から、図3に示すようなトルク×アクセル操作量マップを参照して要求トルクを算出する。またS14で算出した車速からモータ回転速度を算出し、モータ回転速度と要求トルクから図4のモータ軸出力×モータ軸トルク×モータ回転速度マップを用いてモータ軸出力を算出し、そのモータ軸出力をインバータ及びモータの効率で割って必要発電電力を算出する。
【0039】
次いで、S22の目標空気量演算部で目標発電量から目標空気流量QEを算出する。目標発電量から目標空気流量QEの算出には、目標発電量を発電したときに燃料電池本体で消費される必要酸素流量[mol/sec] を算出し、必要酸素流量にストイキ比(SR)を乗じた酸素流量を供給する空気流量を目標空気流量QE[mol/sec] としている。
【0040】
上記カソード反応の化学式▲2▼より、必要酸素流量は式(3)により、算出される。
【数3】
必要酸素流量[mol/sec]=((1/2)×Nst×i)/(2F) …(3)
【0041】
ここで、(1/2)は化学式▲2▼の酸素の係数、Nstはスタックを構成する直列セル数、iは燃料電池本体6の目標発電電流[A]であり、2は化学式▲2▼の電子の係数、Fはファラデー定数(電子の電荷量e×アボガドロ数NA)である。また、ある酸素の質量流量を得るための空気の質量流量は、空気の成分比と各成分の原子量から酸素の質量流量の約4.3倍となる。
【0042】
また、ストイキ比SRは、図6に示すような車速に応じたストイキ比のマップをコントローラ15に記憶しておき、これを読み出して使用する。
【0043】
S18及びS22が終了すると、S24の空気流量センサ正常範囲演算部が実行可能となる。空気流量センサ正常範囲演算部は、S18で算出した推定空気流量と、S22で算出した目標空気流量QEとに基づいて、運転状態に応じた空気流量センサ7の検出値QSの正常範囲の上限値と下限値とを算出する。
【0044】
図7(a)は、推定空気流量QG(実線)と、推定空気流量QG×ストイキ比SR(破線)と、アクセル操作量に基づいて算出される目標空気流量QE(一点鎖線)の時間変化例を示すグラフである。
【0045】
S24で算出する正常範囲の上限値と下限値とは、運転状態に応じて次のように算出する。上限値は、S18で算出した推定空気流量QGにストイキ比SRを乗じた値とし、下限値は、S18で算出した推定空気流量QGとすることを基本とする。この基本下限値を図7(b)に実線で示し、基本上限値を図7(b)に破線で示す。
【0046】
本発明においては、これらの基本上限値及び基本下限値でもよいが、本実施形態では、基本の上限値及び下限値に以下の補正を行って、より正確な上限値及び下限値を算出している。
【0047】
上限値の補正では、目標空気流量QE×ストイキ比SRの値が推定空気流量QG×ストイキ比SRの値を超えたときに、上限値を目標空気流量QE×ストイキ比SRとする。下限値の補正では、目標空気流量QEの値が推定空気流量QGの値を下回ったときに、下限値を目標空気流量QEとする。この補正後の上限値及び下限値の様子を図7(c)に示す。ストイキ比SRは、図6に示すような車速に応じたストイキ比のマップをコントローラ15に記憶しておき、これを読み出して使用する。
【0048】
S24の空気流量センサ正常範囲の算出が終了すると、次いで、S26の空気流量センサ7の検出値QSが正常範囲か否かの判定を行う。即ち、下限値以上、かつ上限値以下であれば正常と判定し、下限値未満、または上限値を超えていた場合異常と判定する。S26の判定で、正常範囲と判定されれば、S28へ進み、空気流量センサ7の検出値QSとS22で算出した目標空気流量QEとを用いたフィードバック制御によるコンプレッサ5の制御量、即ち目標回転速度の演算を行い、S32へ進む。
【0049】
S26の判定で、正常範囲外、即ち異常と判定されると、S30へ進み、空気流量センサ7の検出値QSを用いることなく、S22で算出した目標空気流量QEを用いて、フィードフォワード制御によるコンプレッサ5の制御量、即ち目標回転速度の演算を行い、S32へ進む。S32では、目標回転速度をコンプレッサ5へ出力する。
【0050】
S28及びS30における目標空気流量QEから目標コンプレッサ回転速度の算出において、図5に示すような制御マップを用いても良い。
【0051】
以上の制御により、空気流量センサ7の検出値QSが正常範囲の下限値を下回った場合のフィードバック制御からフィードフォワード制御への切替例のタイムチャートを図8に示す。
【0052】
図8(a)の実線は、空気流量センサ7の検出値QSであり、一点鎖線は目標空気流量QE、2本の破線は、それぞれ空気流量検出値の上限値及び下限値である。
【0053】
図8(a)の実線に示すように、ある時刻に空気流量センサ7の検出値QSが急激に低下して、空気流量下限値より小さくなったとする。これにより空気流量制御部29は、FB制御からFF制御に切り替えるので、図8(b)に示すフィードバック制御は、ONからOFFに切り替えられ、これとは逆に図8(c)に示すフィードフォワード制御は、OFFからONに切り替えられる。これにより、空気流量制御は、図8(d)に示すようにFB制御からFF制御に切り替えて継続されるので、空気流量センサ7の故障が生じても燃料電池の運転は、支障無く継続される。
【0054】
尚、空気流量センサ7の検出値QSの正常範囲を上限値と下限値で判定し、正常の場合FB制御、異常の場合FF制御として切替を行うと、空気流量センサ7の異常モードによっては、正常範囲と異常との間を頻繁に往復し、これによってFB制御とFF制御とが頻繁に切り替えられる事態が生じる。これを避けるために、前記正常範囲に含まれ、かつ正常範囲よりも狭いFB制御復帰範囲を設け、空気流量センサ7の検出値QSがこのFB制御復帰範囲に戻ったときに、FF制御からFB制御に切り替えるようにしてもよい。
【0055】
このFB制御復帰範囲は、前記上限値より小さい第1のフィードバック制御復帰値と、前記下限値より大きく第1のフィードバック制御復帰値より小さい第2のフィードバック制御復帰値との間の範囲である。
【0056】
例えば、上限値算出に用いたストイキ比SRの値をSR1 としたときに、第1のフィードバック制御復帰値を上限値×〔1−(SR1 −1)/4〕とし、第2のフィードバック制御復帰値を下限値×〔1+(SR1 −1)/4〕としてもよい。
【0057】
また、第2のフィードバック制御復帰値の算出を以下のように行ってもよい。実際に発電した発電量をもとに推定空気流量QGを算出する際に、燃料電池本体6内部の温度と圧力の値を考えられる最大の推定空気流量になるように仮定して算出し、その最大推定空気流量QGmaxを第2のフィードバック制御復帰値とする。そして、空気流量センサ7の検出値QSがこの値を上回ったら、FF制御からFB制御に空気流量制御を復帰させるように切り替える。
【0058】
図9は、正常範囲の下限値として推定空気流量、第2のフィードバック制御復帰値として推定空気流量+αとしたときの、FB制御とFF制御相互の切替を説明するタイムチャートである。
【0059】
まずFB制御実行中に、空気流量センサの検出値が低下し、下限値である推定空気流量を下回ったときに、FB制御からFF制御に切替える。次に、FF制御中に、空気流量センサの検出値が第2のフィードバック制御復帰値である推定空気流量+αを上回ったときに、FB制御に復帰する。
【0060】
このように、空気流量センサの検出値に対して、異常判定値と正常復帰値とを異なるように設定してヒステリシスを設けると、頻繁なFB制御とFF制御との相互切替の頻度を減少させ、空気流量制御を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの実施形態である燃料電池車両の概略構成を説明するブロック図である。
【図2】実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【図3】アクセル操作量に対する要求トルクのマップ図である。
【図4】モータ軸出力、モータ軸トルク、モータ回転速度の関係を説明するマップ図である。
【図5】目標空気流量に対するコンプレッサ回転速度のマップ図である。
【図6】車速に対するストイキ比(SR)のマップ図である。
【図7】空気流量センサ検出値の正常範囲の上限値及び下限値の説明図である。
【図8】空気流量制御におけるFB制御からFF制御への切り替えを説明するタイミング図である。
【図9】空気流量制御におけるFF制御からFB制御への復帰を説明するタイミング図である。
【符号の説明】
1 燃料電池車両
2 アクセルペダル
3 アクセルセンサ
4 水素供給装置
5 コンプレッサ
6 燃料電池本体
7 空気流量センサ
8 電流センサ
9 インバータ
10 走行用モータ
11 差動装置
12 駆動軸
13 駆動輪
14 車速センサ
15 コントローラ
21 アクセル操作量変換部
22 車速演算部
23 目標空気量演算部
24 推定空気流量演算部
25 空気流量センサ正常範囲演算部
26 空気流量センサ監視部
27 FF制御部
28 FB制御部
29 空気流量制御切替部

Claims (5)

  1. 燃料ガスを供給する燃料供給装置と、
    酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置と、
    前記燃料供給装置から供給される燃料と前記酸化ガス供給装置から供給される酸化ガスとを用いて発電する燃料電池本体と、
    前記酸化ガス供給装置から燃料電池本体に供給する酸化ガスの流量を検出する酸化ガス流量センサと、
    前記燃料ガスと酸化ガスとの流量を制御するコントローラと、
    を備えた燃料電池システムであって、
    前記コントローラは、前記酸化ガス流量センサが検出した酸化ガス流量検出値QSが燃料電池の運転状態に基づいて算出される正常範囲内であれば、酸化ガス流量検出値QSを用いて酸化ガス流量のフィードバック制御を行い、
    酸化ガス流量検出値QSが前記正常範囲外へ逸脱したときは、酸化ガス流量のフィードフォワード制御を行うように切り替えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料ガスを供給する燃料供給装置と、
    酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置と、
    前記燃料供給装置から供給される燃料と前記酸化ガス供給装置から供給される酸化ガスとを用いて発電する燃料電池本体と、
    前記酸化ガス供給装置から燃料電池本体に供給する酸化ガスの流量値である酸化ガス流量値QSを検出する酸化ガス流量センサと、
    前記燃料ガスと酸化ガスとの流量を制御するコントローラと、
    を備えた燃料電池システムであって、
    前記コントローラは、
    要求発電量に基づいて目標酸化ガス流量値QEを演算する目標酸化ガス流量演算部と、
    燃料電池の運転状態に基づいて前記酸化ガス流量検出値QSの正常範囲を演算する流量センサ正常範囲演算部と、
    前記目標酸化ガス流量値QEと前記酸化ガス流量センサが検出した酸化ガス流量検出値QSとを用いて前記酸化ガスの流量を制御するフィードバック制御器と、
    前記目標酸化ガス流量値QEを用いて前記酸化ガスの流量を制御するフィードフォワード制御器と、
    前記酸化ガス流量検出値QSが前記正常範囲内であれば、フィードバック制御を行い、前記酸化ガス流量検出値QSが前記正常範囲外へ逸脱したときは、フィードフォワード制御を行うように、前記フィードバック制御器と前記フィードフォワード制御器とを切り替える制御切替器と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 燃料電池本体に供給された酸化ガス流量を発電反応に必要な酸化ガス流量で除算した酸化ガス過剰率をストイキ比SRとしたときに、
    前記流量センサ正常範囲演算部は、
    燃料電池の発電量検出手段が検出した発電量に基づいて推定酸化ガス流量値QGを推定し、
    推定酸化ガス流量値QGとストイキ比SRとの積(QG×SR)を前記正常範囲の上限値とし、
    推定酸化ガス流量値QGを前記正常範囲の下限値とすることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記流量センサ正常範囲演算部は、
    前記目標酸化ガス流量値QEとストイキ比SRとの積(QE×SR)が前記推定酸化ガス流量値QGとストイキ比SRとの積(QG×SR)を上回ったとき、前記正常範囲の上限値を前記目標酸化ガス流量値QEとストイキ比SRとの積(QE×SR)とし、
    目標酸化ガス流量値QEが推定酸化ガス流量値QGを下回ったとき、前記正常範囲の下限値を目標酸化ガス流量値QEとすることを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
  5. 前記流量センサ正常範囲演算部は、
    燃料電池の運転状態に基づいて、前記上限値より小さい第1のフィードバック制御復帰値を算出するとともに、前記下限値より大きく第1のフィードバック制御復帰値より小さい第2のフィードバック制御復帰値を算出し、
    前記制御切替器は、フィードフォワード制御中に、前記酸化ガス流量検出値QSが第1のフィードバック制御復帰値と第2のフィードバック制御復帰値との間の値になった場合に、フィードバック制御に復帰するように切り替えることを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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