JP3879571B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置に係り、特に複数チャンネル出力を有する固体撮像素子を使用した撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、固体撮像素子を用いた撮像装置の画素数は、大規模半導体集積回路(LSI)プロセスの微細加工技術の進歩発展に伴い、市場の高解像度化の要求もあって飛躍的に増加する傾向にある。撮像装置の多画素化につれて、固体撮像素子の1ライン当りの画素数が増加することとなるが、固体撮像素子から1ラインの映像信号を出力するための時間はテレビジョン方式の規格によって規定されるため、一般的に信号読み出し用クロック周波数が画素数に比例して高くなり、これに応じて、後段の信号処理回路の動作周波数も高くなり、回路設計上の制約が増大する。また、ノイズ対策及び輻射対策等をより入念に行う必要も生じる。
【0003】
そこで、従来より、これらの手間を回避するための手段として、固体撮像素子の撮像エリアを例えば図4(a)、(b)に示すように左右に2分割し、それぞれ独立に信号出力チャンネルを設けて読み出すことにより、撮像エリアを分割しない撮像装置で必要とされる半分の周波数で、固体撮像素子から信号出力を読み出す構成の撮像装置が知られている。
【0004】
図4(a)に示す固体撮像素子は、その撮像エリアが左右に2分割された分割エリア1A、1Bと、分割エリア1A、1Bの垂直方向の端部に設けられた水平方向光学的黒レベルエリア(OBエリア)2A、2Bと、分割エリア1A、1Bの上端部に設けられた垂直方向OBエリア3と、分割エリア1A、1Bの下端部に設けられた垂直方向OBエリア4とを有し、下端部の垂直方向OBエリア4はCCD(電荷転送素子)で構成された水平転送路(以下、水平CCD)5A、5Bに接続され、水平CCD5A、5Bは出力アンプ6A、6Bに接続されている。
【0005】
分割撮像エリア1A及び1Bは、二次元マトリックス状に配列された多数の画素と、各画素の出力信号電荷を垂直方向に転送するCCDで構成された垂直転送路(以下、垂直CCD)とが配置されている。垂直CCDを転送された信号電荷が、水平CCD5A、5Bに入力された後、水平転送され、更に出力アンプ6A、6Bで増幅された後、各々ch1、ch2の映像信号として出力される。
【0006】
また、図4(b)に示す固体撮像素子は、垂直方向OBエリア4が斜めシフト領域8A、8Bを介して水平CCD9A、9Bに接続されており、水平転送方向が図4(a)に示した固体撮像素子と異なる。すなわち、図4(a)に示した固体撮像素子では、垂直転送されて水平CCD5A、5Bに入力された信号電荷は、画面左端、画面右端の各画素から画面中央方向の画素に向かってそれぞれ水平転送されて出力アンプ6A、6Bから読み出される。
【0007】
これに対し、図4(b)に示した固体撮像素子では、垂直CCDで垂直転送され、斜めシフト領域8A、8Bをそれぞれ経て水平CCD9A、9Bに入力された信号電荷は、画面中央付近の画素から画面の左端の画素の方向、画面中央付近の画素から画面の右端の画素の方向に水平転送されて出力アンプ6A、6Bから読み出される。なお、OBエリア2A、2B、3及び4は、それぞれ各ライン当たり複数の画素から構成されているが、入射光を遮光する構成とされているため、無光量時の信号レベルを出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の図4(a)、(b)に示した従来の撮像装置で用いる固体撮像素子では、水平CCD5A及び5B、水平CCD9A及び9Bの転送効率が完全ではないことから、出力信号中の垂直方向のOBエリア(以下、V−OBとも記す)3及び4の信号は、ch1、ch2共に図5に示すように時間の経過(転送段数)に応じて低下する。
【0009】
このため、V−OB3からなる1ライン出力、あるいはV−OB4からなる1ライン出力としてch1、ch2のV−OB信号出力を並び替えた場合は、図4(a)に示した固体撮像素子では、図6(a)に示すように画面の端に近い画素ほど出力レベルが大である特性となり、図4(b)に示した固体撮像素子では、図6(b)に示すように画面中央に近い画素ほど出力レベルが大である特性となる。図4(a)に示した固体撮像素子では、1ライン上では画面の左端又は右端の画素から画面中央付近の画素の方向に水平転送が行われ、図4(b)に示した固体撮像素子では、1ライン上では画面中央付近の画素から画面の左端又は右端の画素の方向に水平転送が行われるためである。
【0010】
一方、図4(a)、(b)の固体撮像素子の水平方向のOBエリア(以下、H−OBとも記す)2A及び2Bの信号は、いずれも画面の下方の画素ほど転送段数が少ない(転送効率が良い)ので、信号レベルの低下が少ない。
【0011】
従って、以上をまとめると、図4(a)に示した固体撮像素子では、転送効率による劣化(損失)により、図7(a)に示すように分割撮像エリア1A、1Bの画面の左下端部11と右下端部12の領域の画素出力レベルが最も大きく、中央上端部13の領域の画素出力レベルが最も小さいため、矢印14、15で示す方向にレベルの傾斜(シェーディング)が発生する。他方、図4(b)に示した固体撮像素子では、転送効率による劣化(損失)により、図7(b)に示すように分割撮像エリア1A、1Bの画面の中央下端部16の領域の画素出力レベルが最も大きく、画面の左上端部17と右上端部18の領域の画素出力レベルが最も小さいため、矢印19、20で示す方向にレベルの傾斜(シェーディング)が発生する。
【0012】
また、従来の撮像装置のシェーディング補正では、各画素出力に一義的に補正係数を乗算又は加減算するようにしているため、図7(a)、(b)に示すような出力形式に対応したシェーディング補正ができない。また、従来装置では、シェーディングにあるOB信号を基準としてチャンネル間補正を行っても、出力レベルに誤差が発生する。
【0013】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、複数チャンネル出力を有する固体撮像素子に発生するシェーディングを除去又は軽減し得る撮像装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明の他の目的は、OB信号のチャンネル間のずれを改善し得る撮像装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、パイロット信号などの基準補正信号精度を向上し得る撮像装置を提供することにある。
【0016】
更に、本発明の他の目的は、スミア発生時の誤動作を抑制し得る撮像装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、撮像エリアを水平方向に複数に分割して得られる各分割撮像エリアの各々に、垂直方向の光学的黒レベル(OB)エリアと水平方向のOBエリアとが設けられた固体撮像素子を用いて、被写体を撮像した複数チャンネルの映像信号を得る撮像装置であって、水平方向のOBエリアの所定領域から出力される複数チャンネルの水平方向OB信号が、それぞれ所定レベルとなるように、固体撮像素子から並列に出力される複数チャンネルの信号のレベルをそれぞれ制御するレベル制御手段と、レベル制御手段から出力される信号中の、水平方向のOBエリアの所定領域から出力された水平方向OB信号のレベルと、垂直方向のOBエリアの分割撮像エリアの境界線付近となる垂直方向のOBエリア領域から出力された垂直方向OB信号のレベルをチャンネル別に検出し、検出した水平方向OB信号のレベルはレベル制御手段に通知するレベル検出手段と、レベル検出手段により検出された垂直方向OB信号のレベルの測定値と所定レベルとの差分値に基づき、レベル制御手段から出力された複数チャンネルの信号の各画素の値をチャンネル別に補正する補正手段とを有し、補正手段から複数チャンネルの信号を取り出す構成としたものである。
【0020】
この発明では、アナログ映像信号に対して水平方向のOBエリアの所定領域から出力された水平方向OB信号レベルに基づくアナログクランプ処理を行うと共に、ディジタル映像信号に対して水平方向のOBエリアから出力された水平方向OB信号レベルに基づくディジタルクランプ処理を行い、更に垂直方向OB信号の測定値と所定レベルとの差分値に基づき、レベル制御手段から出力された複数チャンネルの信号の各画素の値をチャンネル別に補正するようにしたため、複数の撮像エリアの各出力レベル特性をほぼ平坦にすることができる。
【0021】
また、本発明は上記の目的を達成するため、固体撮像素子を、複数の分割撮像エリアの各々に対応して設けられた垂直方向のパイロット注入部により、パイロット信号電荷を垂直転送される信号電荷中に注入される構成であり、複数の分割撮像エリアから並列に出力され、レベル制御手段及び補正手段を経由して取り出された各チャンネルの出力信号中から、複数の垂直方向のパイロット信号レベルをチャンネル別に検出して、パイロット信号レベルが同一レベルとなるようにチャンネル間補正するチャンネル間補正手段を更に有する構成としたものである。この発明では、パイロット信号を用いたチャンネル間補正ができる。
【0022】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、複数の分割撮像エリアから並列に出力される、各チャンネルの出力信号中から、スミア成分をチャンネル別に検出するスミア検出手段を更に有し、補正手段は、スミア検出手段からスミア発生を示す検出信号が入力されたときには、スミア発生領域のチャンネルの出力信号を除いたチャンネルの出力信号を使用し補正することを特徴とする。この発明では、スミア発生時は、OB信号を用いた補正を停止し、スミア発生領域のチャンネルの出力信号を除いたチャンネルのOB信号を用いた補正を行う。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる撮像装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図において、固体撮像素子21は、図4(a)及び(b)に示した構成のどちらでもよいが、ここでは、図2に示すように、垂直方向のパイロット注入部30を有する構成として説明する。図2中、図4(b)と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図2に示す固体撮像素子21は、水平駆動周波数低減のために撮像エリアが左右2分割されており、各分割撮像エリア1A及び1Bに対応して、その上端部に垂直方向のパイロット注入部30が設けられている。
【0024】
かかる構成の固体撮像素子21は、前述したように、水平CCD9A、9B、垂直CCDの転送効率の影響を受けて、撮像素子出力信号の基準となるOB信号もOB位置もしくは出力形態(図4(a)、(b))によって異なる。一方、撮像装置では、OBを黒基準として回路処理を行うため、基準レベルが異なれば、撮像素子出力信号の信号レベルや線形性が異なる。そこで、本実施の形態では、以下の処理によりこれらの不具合を解決する。
【0025】
図1に示すタイミングジェネレータ(TG)22は、固体撮像素子21に対して、水平転送パルス、垂直転送パルス、パイロット信号等を供給するが、パイロット信号については、図2に示したパイロット注入部30に例えばフィールド期間に1回、パイロット信号用パルスが注入される。
【0026】
固体撮像素子21の出力アンプ6A、6Bから並列に出力された、左右2チャンネルの映像信号、OB信号及びパイロット信号は、相関二重サンプリング(CDS)回路23にそれぞれ供給され、ここでOB信号とTG22からのクランプパルスとに基づく公知のOBクランプ処理やCDS処理等の所定の信号処理がチャンネル別に施された後、AD変換器(ADC)25に供給されてTG22からのクロックパルスに基づき別々にディジタル信号に変換される。
【0027】
ADC25から取り出された2チャンネルの信号は、OB信号レベル検出/スミア検出部26に供給されて、ディジタル信号形態で水平方向のOBエリア2A、2Bからの複数画素のOB信号を加算平均した値を無光量時の信号レベルとして、分割撮像エリア1A、1Bからの映像信号から減算する公知のクランプ処理が行われると共に、OB信号レベルとスミアの有無とがチャンネル別に検出される。なお、画素単位の電位がランダムノイズによって異なる場合が想定されるが、その場合は水平方向に加算平均することでノイズの影響は減少する。
【0028】
ここで、OB信号レベル検出/スミア検出部26で検出されるOB信号のレベルは、図2に31A、31Bで示す垂直方向OBエリア3の画面中央付近の領域と、32A、32Bで示す垂直方向OBエリア4の画面中央付近の領域のOB信号レベルと、水平方向OBエリア2A及び2BのOB信号レベルで、検出されたOB信号レベルは制御部24に供給される。
【0029】
制御部24は、上記の垂直方向OBエリア3、4の画面中央付近の領域31A、31B、32A、32Bのch1とch2のOB信号レベルがch間で同じ値(例えば40h)となるように、CDS回路23を制御する。なお、ADC25の出力信号は例えば10ビットで、最大値は例えば3FFhである。更に、制御部24は、上記のように画面中央付近のOB信号レベルを40hに制御した時に測定された、水平方向OBエリア2A及び2Bの各OB信号レベルの加算平均値(例えば、36h)を算出する。
【0030】
続いて、制御部24は、画面中央付近のOB信号レベルVOB(中央)と、水平方向OBエリア2A及び2Bの各OB信号レベルの加算平均値(HOB)との差(VOB(中央)−HOB)を、分割撮像エリア1A、1Bの1ラインの水平画素数で除算した値を補正値として、OB信号レベル検出/スミア検出部26から取り出された映像信号、OB信号及びパイロット信号に対して、シェーディング補正部27においてチャンネル別に入力信号の所定数の水平画素単位で加算又は減算する。これにより、図6(b)に示したような出力レベル特性を示す固体撮像素子21の出力レベル特性がほぼ平坦にされる。
【0031】
なお、シェーディング補正に際しては、例えば撮像装置のレンズアイリスを絞って、更にデフォーカスすることで固体撮像素子の画素に一定光量が照射されるようにし、無彩色の被写体を撮像して分割撮像エリア1A、1Bの平均値となるように、各画素出力レベルを調整することが考えられる。
【0032】
ここで、垂直OB信号はスミアの影響を受ける(スミア成分がOB信号に重畳)ため、スミア発生時は正確なOBレベル制御が行えないので、OB信号レベル検出/スミア検出部26はスミア発生を検出し、スミア発生時はその検出信号を制御部24に供給する。スミア発生は例えば垂直のOB信号(黒基準信号)に重畳されたスミア成分を例えばOB平均値と比較して、ある特定の値より大きい値(レベル)をとる場合は、その画素にスミアが発生しているとする。
【0033】
制御部26はスミア検出信号入力時は、検出したOB信号レベルに基づき算出した補正値によるシェーディング補正部27での補正(シェーディング補正)を停止し、スミア発生前の検出OB信号レベルに基づき算出した補正値を使用する。又は、スミア発生個所のデータを除いて算出した補正値を使用する。これにより、垂直のOB信号にスミア成分が重畳することに起因する誤作動を防ぐことができる。
【0034】
この状態でシェーディング補正部27から出力されたch1とch2の両信号から、CH間補正処理部28は、垂直方向のパイロット信号レベルをチャンネル別に検出して、本来同一レベルであるパイロット信号レベルが同一レベルとなるように、両チャンネルのゲイン差、線形差のチャンネル間補正を行う。CH間補正処理部28でチャンネル間の補正処理された信号は、YC処理部29に供給され、ここで通常のYC処理が行われて出力される。
【0035】
このようにして、本実施の形態によれば、垂直方向OBエリア3、4中の領域31A、31B、32A、32Bからの垂直OB信号を抽出して、CDS回路23でアナログ信号の映像信号に対して垂直OB信号によるクランプ処理を行うと共に、OB信号レベル検出/スミア検出部26でディジタル信号の映像信号に対して水平OB信号によるクランプ処理を行うことにより、シェーディング補正部27でのOBのシェーディングを高精度で除去又は軽減することができる。また、OB信号レベルをチャンネル間で同じ値に設定することでOB信号ずれを改善することができる。また、基準となるOBレベルを水平方向に同一とすることで、パイロット信号などの基準補正信号精度を向上することができる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は本発明になる撮像装置の第2の実施の形態で用いる固体撮像素子におけるOBクランプ位置説明図を示す。本発明の実施の形態のブロック図を図1と同じである。本実施の形態では、図1のOB信号レベル検出/スミア検出部26において、ディジタル信号形態で水平方向のOBエリア2A、2Bからの複数画素のOB信号を加算平均した値を無光量時の信号レベルとして、分割撮像エリア1A、1Bからの映像信号から減算する公知のクランプ処理が行われると共に、OB信号レベルとスミアの有無とがチャンネル別に検出される。ここで、検出されるOB信号のレベルは、図3に35A、35Bで示す水平方向OBエリア2A、2Bの中央付近の領域のOB信号レベルで、検出されたOB信号レベルは制御部24に供給される。
【0037】
制御部24は、上記の水平方向OBエリア2A、2Bの中央付近の領域35A、35BのOB信号レベルが例えば40hとなるように、CDS回路23を制御する。更に、制御部24は、上記のように水平方向OBエリア2A、2Bの中央付近の水平方向OB信号レベルを40hに制御した時に、OB信号レベル検出/スミア検出部26で検出される垂直方向OBエリア3、4の画面中央付近の図3に36A、36B、37A、37Bで示す領域からの垂直OB信号レベルを測定する(例えば、測定レベルが42hであるとする)。
【0038】
続いて、制御部24は、OB信号レベル検出/スミア検出部26から出力される映像信号、OB信号及びパイロット信号に対して、シェーディング補正部27において、図3に36A、36B、37A、37Bで示す領域からの垂直OB信号レベルが40hであるかのように、垂直OB信号の測定レベル42hと所定レベル40hとの差分値に基づき、入力信号の所定数の水平画素単位で加算又は減算する(このため、水平OB信号は40h−2h=3Ehとなる)。これにより、図6(b)に示したような出力レベル特性を示す固体撮像素子21の出力レベル特性がほぼ平坦にされる。
【0039】
この状態でシェーディング補正部27から出力された信号に対して、CH間補正処理部28は、ch1及びch2で本来同一レベルであるパイロット信号を基準として、両チャンネルのゲイン差、線形差のチャンネル間補正を行う。CH間補正処理部28でチャンネル間の補正処理された信号は、YC処理部29に供給され、ここで通常のYC処理が行われて出力される。
【0040】
本実施の形態では、垂直方向のOB信号を用いたクランプ処理は行わず、CDS回路23でのアナログ映像信号に対するアナログクランプ処理と、OB信号レベル検出/スミア検出部26でのディジタル映像信号に対するディジタルクランプ処理は、いずれも水平方向のOB信号を抽出して、抽出したOB信号を基準として行うが、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0041】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、固体撮像素子21は図4(b)に示した構造と同じものであるとして説明したが、図4(a)に示した構造のものでもよく、また、分割撮像領域の分割数は3以上であってもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の分割撮像エリアからの各垂直方向OB信号レベルを所定値に制御した時の垂直方向OB信号のレベルと水平方向OB信号の平均レベルとの差分値を、水平方向画素数で除算した値に基づき、レベル制御手段から出力された複数チャンネルの信号の各画素の値をチャンネル別に補正するか、又は水平方向OB信号レベルを所定値に制御した時の垂直方向OB信号の測定値と所定レベルとの差分値に基づき、レベル制御手段から出力された複数チャンネルの信号の各画素の値をチャンネル別に補正することにより、複数の分割撮像エリアの各出力レベル特性をほぼ平坦にするようにしたため、OB信号のシェーディングを除去又は軽減することができ、また、OB信号レベルをチャンネル間で同じ値に設定することで、各チャンネル間のOBずれを改善することができる。
【0043】
また、本発明によれば、基準となるOB信号レベルを水平方向に同一とすることで、パイロット信号などの基準補正信号精度を向上することができ、パイロット信号レベルが同一レベルとなるようにチャンネル間補正するチャンネル間補正手段を更に有するようにしたため、パイロット信号を用いたチャンネル間補正ができる。
【0044】
更に、本発明によれば、スミア発生時は、OB信号を用いた補正を停止し、スミア発生前のOB信号を用いた補正を行うか、又はスミア発生個所のOB信号を除いたOB信号を用いた補正を行うようにしたため、スミア発生時における誤動作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のブロック図である。
【図2】本発明になる撮像装置の第1の実施の形態で用いる固体撮像素子におけるOBクランプ位置説明図である。
【図3】本発明になる撮像装置の第2の実施の形態で用いる固体撮像素子におけるOBクランプ位置説明図である。
【図4】従来の撮像装置の各例の説明図である。
【図5】垂直OB信号のレベル低下説明図である。
【図6】図4(a)、(b)に示した各固体撮像素子の各画素出力信号と画面位置の特性を示す図である。
【図7】画面上の出力レベルが最大と最小の画素領域と、レベルの傾斜説明図である。
【符号の説明】
1A、1B 分割撮像エリア
2A、2B 水平方向OBエリア
3、4 垂直方向OBエリア
6A、6B 出力アンプ
9A、9B 水平CCD
21 固体撮像素子
22 タイミングジェネレータ(TG)
23 CGS回路
24 制御部
25 AD変換器(ADC)
26 OB信号レベル検出/スミア検出部
27 シェーディング補正部
28 CH間補正処理部
30 垂直方向パイロット注入部
31A、31B、32A、32B、35A、35B クランプ領域
36A、36B、37A、37B データ測定領域

Claims (3)

  1. 撮像エリアを水平方向に複数に分割して得られる各分割撮像エリアの各々に、垂直方向の光学的黒レベル(OB)エリアと水平方向のOBエリアとが設けられた固体撮像素子を用いて、被写体を撮像した複数チャンネルの映像信号を得る撮像装置であって、
    前記水平方向のOBエリアの所定領域から出力される複数チャンネルの水平方向OB信号が、それぞれ所定レベルとなるように、前記固体撮像素子から並列に出力される複数チャンネルの信号のレベルをそれぞれ制御するレベル制御手段と、
    前記レベル制御手段から出力される信号中の、前記水平方向のOBエリアの前記所定領域から出力された水平方向OB信号のレベルと、前記垂直方向のOBエリアの前記分割撮像エリアの境界線付近となる垂直方向のOBエリア領域から出力された垂直方向OB信号のレベルをチャンネル別に検出し、検出した前記水平方向OB信号のレベルは前記レベル制御手段に通知するレベル検出手段と、
    前記レベル検出手段により検出された前記垂直方向OB信号のレベルの測定値と所定レベルとの差分値に基づき、前記レベル制御手段から出力された前記複数チャンネルの信号の各画素の値をチャンネル別に補正する補正手段と
    を有し、前記補正手段から前記複数チャンネルの信号を取り出すことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記固体撮像素子は、前記複数の分割撮像エリアの各々に対応して設けられた垂直方向のパイロット注入部により、パイロット信号電荷を垂直転送される信号電荷中に注入される構成であり、前記複数の分割撮像エリアから並列に出力され、前記レベル制御手段及び前記補正手段を経由して取り出された各チャンネルの出力信号中から、前記複数の垂直方向のパイロット信号レベルをチャンネル別に検出して、前記パイロット信号レベルが同一レベルとなるようにチャンネル間補正するチャンネル間補正手段を更に有することを特徴とする請求項記載の撮像装置。
  3. 前記複数の分割撮像エリアから並列に出力される、各チャンネルの出力信号中から、スミア成分をチャンネル別に検出するスミア検出手段を更に有し、前記補正手段は、前記スミア検出手段からスミア発生を示す検出信号が入力されたときには、スミア発生領域のチャンネルの出力信号を除いたチャンネルの出力信号を使用し補正することを特徴とする請求項記載の撮像装置。
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