JP3878991B2 - メソポーラスリン酸ニオブ、界面活性剤−リン酸ニオブ複合体およびそれらの製造方法 - Google Patents

メソポーラスリン酸ニオブ、界面活性剤−リン酸ニオブ複合体およびそれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メソポーラスリン酸ニオブ、界面活性剤−リン酸ニオブ複合体およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
細孔径が数nmの細孔を有するメソポーラス無機化合物は、期待される応用範囲が触媒、触媒担体、吸着剤、分離剤等と広く、近年特に活発に研究開発されている。
【0003】
メソポーラス無機体としては、主にシリカ系が中心に研究されてきたが、メソポーラスリン酸塩の研究例も多く報告されている。特に、塩を構成する金属の原子価が4以上であるリン酸塩は、メソポーラス本体に正の電荷が乗るため、イオン対としてアニオンが必要となり、この性質によりアニオン交換能を有することが知られている。従来の無機複合塩は、カチオン交換能を有するものがほとんどであった(シリカ−アルミナ系等)が、アニオン交換能を有するメソポーラスな無機固体は、新しい電解質材料、触媒、電池材料、生体材料等への応用が期待できる。
【0004】
アニオン交換能を有するメソポーラスなリン酸塩は、種々合成されている。例えば、リン酸チタン(A.Bhaumik et al.,J.Am.Chem.Soc.,123号、691頁、2001年。D.J.Jones et al.,J.Mater.Chem.,10号、1957頁、2000年。T.Matsushita et al.,J.Chem.Soc.Chem.Commun.、265頁、1999年。特開2000−281342)等が報告されている。このリン酸塩の金属の原子価は4であるが、金属原子価が5のメソポーラスなリン酸塩があれば、アニオン交換量も増大し、アニオン交換性無機材料としての応用範囲も広がると期待される。原子価が5の金属であるニオブのリン酸塩はすでに合成されているが(例えば、特開2000−290007、特開平6−316539)、メソポーラスな構造を有するリン酸ニオブは報告されていない。
【0005】
本発明の目的は、各種分野で有用なメソポーラスリン酸ニオブおよび界面活性剤−リン酸ニオブ複合体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記に示すとおりのメソポーラスリン酸ニオブ、界面活性剤−リン酸ニオブ複合体、およびそれらの製造方法を提供するものである。
項1. リン酸ニオブと界面活性剤とを反応させるか、または、界面活性剤の存在下にリン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとを反応させることを特徴とする界面活性剤−リン酸ニオブ複合体の製造方法。
項2. 界面活性剤が、長鎖アルキルアミンおよびアルキル第4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である項1に記載の方法。
項3. 項1または2に記載の方法で得られる界面活性剤−リン酸ニオブ複合体。
項4. リン酸ニオブと界面活性剤とを反応させるか、または、界面活性剤の存在下にリン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとを反応させ、得られたヘキサゴナル構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体から界面活性剤を除去することを特徴とするメソポーラスリン酸ニオブの製造方法。
項5. 界面活性剤−リン酸ニオブ複合体を焼成して界面活性剤を除去することを特徴とする項4に記載の方法。
項6. 界面活性剤が、長鎖アルキルアミンおよびアルキル第4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である項4または5に記載の方法。
項7. 項4〜6のいずれかに記載の方法で得られるメソポーラスリン酸ニオブ。
項8. 細孔配置がヘキサゴナル状で細孔径が1.8〜8nmの細孔を有する項7に記載のメソポーラスリン酸ニオブ。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のメソポーラスリン酸ニオブは、細孔径が1.8〜8nmのヘキサゴナル状一次元細孔を有する結晶性多孔性リン酸ニオブ(ヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブ)である。細孔径は2〜8nmであるのが好ましい。
【0008】
本発明のメソポーラスリン酸ニオブの比表面積は、200〜600m2/gであるのが好ましく、300〜500m2/gであるのがより好ましい。
【0009】
本発明のメソポーラスリン酸ニオブは、例えば、ヘキサゴナル構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体から界面活性剤を除去する方法により製造することができる。
【0010】
ヘキサゴナル構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体とは、リン酸ニオブに界面活性剤がヘキサゴナル状に配置された複合体であり、この複合体から界面活性剤を除去することにより、細孔配置がヘキサゴナル状のメソポーラスリン酸ニオブを得ることができる。
【0011】
界面活性剤−リン酸ニオブ複合体には、上記のヘキサゴナル構造を有するものの外に、ラメラー構造(層状構造)を有するものがある。ラメラー構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体とは、リン酸ニオブと界面活性剤がラメラー状に配置された複合体である。
【0012】
これらの界面活性剤−リン酸ニオブ複合体は、例えば、リン酸ニオブと界面活性剤とを反応させるか、または、界面活性剤の存在下にリン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとを反応させることにより得られる。
【0013】
ヘキサゴナル構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体を製造するには、リン酸ニオブと界面活性剤とを反応させる場合では、リン酸ニオブ中のニオブに対する界面活性剤のモル比が、ニオブ:界面活性剤=1:0.25〜1であるのが好ましく、ニオブ:界面活性剤=1:0.5〜1であるのがより好ましい。また、界面活性剤の存在下にリン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとを反応させる場合では、ハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブ中のニオブに対する界面活性剤のモル比が、ニオブ:界面活性剤=1:0.25〜1であるのが好ましく、ニオブ:界面活性剤=1:0.5〜1であるのがより好ましい。
【0014】
一方、ラメラー構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体を製造するには、リン酸ニオブと界面活性剤とを反応させる場合では、リン酸ニオブ中のニオブに対する界面活性剤のモル比が、ニオブ:界面活性剤=1:1.1〜4であるのが好ましく、ニオブ:界面活性剤=1:1.2〜3であるのがより好ましい。また、界面活性剤の存在下にリン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとを反応させる場合では、ハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブ中のニオブに対する界面活性剤のモル比が、ニオブ:界面活性剤=1:1.1〜4であるのが好ましく、ニオブ:界面活性剤=1:1.2〜3であるのがより好ましい。
【0015】
原料として用いるリン酸ニオブの製造方法は特に限定されない。例えば、リン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとを反応させた溶液に、アンモニア水溶液を加えてpHを2.0〜3.0程度に調整して沈殿(リン酸ニオブ)を生成させることができる。
【0016】
ハロゲン化ニオブ(V)としては、例えば、五塩化ニオブ、五フッ化ニオブ、五臭化ニオブ、五ヨウ化ニオブなどが挙げられる。ペンタアルコキシニオブとしては、特に限定されないが、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するものが好ましく、例えば、ペンタエトキシニオブ、ペンタメトキシニオブ、ペンタイソプロポキシニオブなどが好ましいものとして挙げられる。用いるリン酸の純度は特に限定されないが、80%以上のものが好ましい。ハロゲン化ニオブ(V)の純度も特に限定されないが、95%以上のものが好ましい。ペンタアルコキシニオブの純度も特に限定されないが、95%以上のものが好ましい。ハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブに対するリン酸のモル比は、1:0.8〜1.3であるのが好ましく、1:1.0〜1.3であるのがより好ましい。
【0017】
界面活性剤としては、長鎖アルキルアミンやアルキル第4級アンモニウム塩が好ましい。この長鎖アルキルアミンは特に限定されないが、長鎖アルキル基の炭素数は、6〜20が好ましく、8〜18がより好ましい。長鎖アルキルアミンとしては、セチルアミン、オクタデシルアミン、ドデシルアミンなどが好ましいものとして例示される。アルキル第4級アンモニウム塩も特に限定されないが、3つのメチル基と1つの長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩が好ましい。長鎖アルキル基の炭素数は、6〜20が好ましく、8〜18がより好ましい。また、臭化第4級アンモニウム塩が好ましい。アルキル第4級アンモニウム塩としては、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化オクチルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウムなどが好ましいものとして例示される。なお、最終的に得られるメソポーラスリン酸ニオブの細孔分布において、鋭い分布のピークを得る観点からは、長鎖アルキルアミンを用いることが好ましい。
【0018】
リン酸ニオブと界面活性剤とを反応させる際には、例えば、リン酸ニオブに界面活性剤を加え、密閉反応容器中で反応させる。この際、必要に応じて、さらにリン酸を加えてもよい。次いで、得られた沈殿を加熱静置して結晶性を向上させる。
【0019】
界面活性剤の存在下にリン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとを反応させる際には、例えば、リン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとの溶液に界面活性剤を加え、アンモニア水溶液等でpHを3.5〜4.0程度に調整する。次いで、得られた沈殿を加熱静置して結晶性を向上させる。
【0020】
加熱静置する際の温度、時間は特に限定されないが、温度は室温〜150℃が好ましく、時間は1〜10日が好ましい。特に、ヘキサゴナル構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体を得るには、温度50〜90℃で、1〜5日加熱静置するのが好ましい。
【0021】
次に、上記のようにして得られた、ヘキサゴナル構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体を、ろ別、洗浄、乾燥した後に、界面活性剤を除去することにより、細孔配置がヘキサゴナル状のメソポーラスリン酸ニオブを得ることができる。界面活性剤の除去は、焼成処理または抽出処理により行うことができる。焼成処理を行う場合、焼成温度は特に限定されないが、400〜600℃が好ましく、450〜550℃がより好ましい。焼成時間も特に限定されないが、1〜10時間が好ましく、1〜4時間がより好ましい。また、抽出処理(溶媒抽出)は、大量のアルコール(炭素数1〜4)で還流処理することにより、行うことができる。
【0022】
本発明のメソポーラスリン酸ニオブは、例えば以下のように応用できる。すなわち、その多孔性の性質より、種々のガスや化合物の気相・液相等からの吸着剤としての応用、酸化反応等の触媒および触媒の担体としての応用、また、アニオン交換能を利用したイオン交換剤やアニオン透過性材料等の固体電解質としての応用ができる。また、ポリアニオンであるDNAとの反応をイオン交換で行うことにより、DNAの効率的分離、DNAの運搬材(GDS機能;DNAベクター)等への応用もできる。リン酸ニオブの細孔径が3.5nm程度である場合、直径が2nm程度であるDNAを選択的に吸着する機能の発現は特に有望である。
【0023】
また、本発明のラメラー構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体は、インターカレーション技術を応用して固体電解質等を製造することに利用できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、各種分野で有用なメソポーラスリン酸ニオブおよび界面活性剤−リン酸ニオブ複合体を提供することができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0026】
ヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブの製造
実施例1
5.46g(20mmol)の五塩化ニオブを、2.88gの85%リン酸(25mmol)の水溶液(水の重量100g)に加え、10分間撹拌した。この液に、pH値が2.60になるまでアンモニア水(濃度28%)を加えると、沈殿が生成した。この沈殿をろ別し、充分な量の水で洗浄した。次いで、20gの水と4.83g(20mmol)のセチルアミンを加え、30分間撹拌した。次いで、1.84g(16mmol)の85%リン酸を加え、pH値を3.88とし、さらに30分間撹拌した。得られた固体をポリプロピレン製ビーカーに移し、70℃で2日間静置した。ビーカー中の固体をろ別し、充分量の水で洗浄し、100℃で乾燥して、ヘキサゴナル構造を有するセチルアミン−リン酸ニオブ複合体を得た。この複合体を500℃で2時間焼成し、3.72gのヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブを得た(収率72%)。
【0027】
焼成前の複合体の粉末X線回折では、面間隔値が3.98nmの所にピークが観測され、焼成処理した固体の粉末X線回折では、面間隔値が3.65nmの所にピークが観測された。また、TEM(透過型電子顕微鏡)像により、焼成処理した固体はヘキサゴナル状の細孔を有することが確認された。
【0028】
このヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブの窒素吸脱着等温線よりBJH法で換算された細孔分布によれば、細孔は直径2.0〜3.5nmに分布し、分布のピークとして直径2.2nmの細孔を鋭い分布で有していた。また、ヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブの比表面積は482m2/g、細孔容積は0.31ml/gであった。また、滴定により測定したアニオン交換量は10.61mmol/gであった。
【0029】
実施例2
7.59g(20mmol)の臭化セチルトリメチルアンモニウムを20g(333mmol)の2−プロパノールに35℃で溶解させた溶液を、5.46g(20mmol)の5塩化ニオブと2.30gの85%リン酸(20mmol)の2−プロパノール(15g、250mmol)溶液に加え、2時間撹拌した。この液に、アンモニア1.2g(20mmol)の水溶液(水の重量25g)を加え、pH値を3.90とし、沈殿を生成させた。固体をろ別し、充分量の水で洗浄し、100℃で乾燥して、ヘキサゴナル構造を有する臭化セチルトリメチルアンモニウム−リン酸ニオブ複合体を得た。この複合体を500℃で2時間焼成し、3.60gのヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブを得た(収率70%)。
【0030】
焼成前の複合体の粉末X線回折では、面間隔値が3.87nmの所にピークが観測され、焼成処理した固体の粉末X線回折では、面間隔値が3.50nmの所にピークが観測された。また、TEM(透過型電子顕微鏡)像により、焼成処理した固体はヘキサゴナル状の細孔を有することが確認された。
【0031】
このヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブの窒素吸脱着等温線よりBJH法で換算された細孔分布によれば、細孔は直径2.0〜8.0nmに分布し、主細孔(約80%の細孔)は直径2.0〜5.0nmに分布し、分布のピークとして直径3.2nmの細孔を有していた。また、ヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブの比表面積は342m2/g、細孔容積は0.35ml/gであった。また、滴定により測定したアニオン交換量は9.98mmol/gであった。
【0032】
実施例3
セチルアミンの代わりに5.39g(20mmol)のオクタデシルアミンを用いる以外は実施例1と同様にして、3.65gのヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブを得た(収率71%)。
【0033】
焼成処理した固体の粉末X線回折では、面間隔値が3.85nmの所にピークが観測された。また、TEM(透過型電子顕微鏡)像により、焼成処理した固体はヘキサゴナル状の細孔を有することが確認された。
【0034】
このヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブの窒素吸脱着等温線よりBJH法で換算された細孔分布によれば、細孔は直径2.2〜3.8nmに分布し、分布のピークとして直径2.6nmの細孔を鋭い分布で有していた。また、ヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブの比表面積は452m2/g、細孔容積は0.34ml/gであった。また、滴定により測定したアニオン交換量は10.11mmol/gであった。
【0035】
実施例4
セチルアミンの代わりに3.71g(20mmol)のドデシルアミンを用いる以外は実施例1と同様にして、3.84gのヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブを得た(収率74%)。
【0036】
焼成処理した固体の粉末X線回折では、面間隔値が3.30nmの所にピークが観測された。また、TEM(透過型電子顕微鏡)像により、焼成処理した固体はヘキサゴナル状の細孔を有することが確認された。
【0037】
このヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブの窒素吸脱着等温線よりBJH法で換算された細孔分布によれば、細孔は直径1.8〜3.2nmに分布し、分布のピークとして直径2.0nmの細孔を鋭い分布で有していた。また、ヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブの比表面積は423m2/g、細孔容積は0.29ml/gであった。また、滴定により測定したアニオン交換量は9.89mmol/gであった。
【0038】
フェノールのヒドロキシル化反応
実施例5
実施例1で製造したヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブを触媒として用いて、フェノールのヒドロキシル化反応を行った。ヘキサゴナル・メソポーラス・リン酸ニオブ0.1gを、フェノール10.6mmol、過酸化水素3.5mmol(30%水溶液)および溶媒アセトニトリル5mlの溶液に加え、80℃で12時間反応させた。フェノールの転化率は18%、カテコールの選択率は37%、ヒドロキノンの選択率は62%であり、特にヒドロキノンの優先的合成触媒として優れている(ヒドロキノン/カテコール=1.7)。現在知られている良好な触媒のチタノシリケートでは、ヒドロキノン/カテコール=1.3である。
【0039】
ラメラー構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体の製造
実施例6
2.31gの85%リン酸(20mmol)を、6.37g(20mmol)のペンタエトキシニオブのエタノール溶液(エタノールの重量20g)に加え、次いで5.80g(24mmol)のセチルアミンのエタノール溶液(エタノールの重量10g)を加え、さらに21gの水を加えた。この溶液を30分間撹拌した後、pH値が3.90になるまでアンモニア水を加え、80℃で30分間撹拌してエタノールを充分に蒸発させた。次いで、得られた沈殿を耐熱性プラスチック容器に入れて、オートクレーブ中に移し、室温で1日静置した後、65℃で1日、100℃で1日、最後に150℃で3日加熱静置した。得られた沈殿をろ別し、充分量のアセトンで洗浄して未反応のセチルアミンを除き、100℃で1日乾燥させ、ラメラー構造を有するセチルアミン−リン酸ニオブ複合体7.40gを得た(収率55%)。得られた複合体の粉末X線回折では、面間隔値が3.62nmの所にピークが観測された。
【0040】
実施例7
セチルアミンの代わりに4.45g(24mmol)のドデシルアミンを用いる以外は実施例6と同様にして、ラメラー構造を有するドデシルアミン−リン酸ニオブ複合体6.84gを得た(収率61%)。得られた複合体の粉末X線回折では、面間隔値が3.10nmの所にピークが観測された。

Claims (8)

  1. リン酸ニオブと界面活性剤とを反応させるか、または、界面活性剤の存在下にリン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとを反応させることを特徴とする界面活性剤−リン酸ニオブ複合体の製造方法。
  2. 界面活性剤が、長鎖アルキルアミンおよびアルキル第4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法で得られる界面活性剤−リン酸ニオブ複合体。
  4. リン酸ニオブと界面活性剤とを反応させるか、または、界面活性剤の存在下にリン酸とハロゲン化ニオブ(V)またはペンタアルコキシニオブとを反応させ、得られたヘキサゴナル構造を有する界面活性剤−リン酸ニオブ複合体から界面活性剤を除去することを特徴とするメソポーラスリン酸ニオブの製造方法。
  5. 界面活性剤−リン酸ニオブ複合体を焼成して界面活性剤を除去することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 界面活性剤が、長鎖アルキルアミンおよびアルキル第4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である請求項4または5に記載の方法。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の方法で得られるメソポーラスリン酸ニオブ。
  8. 細孔配置がヘキサゴナル状で細孔径が1.8〜8nmの細孔を有する請求項7に記載のメソポーラスリン酸ニオブ。
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