JP3878733B2 - 電池における温度ヒュ−ズの内付け構造及び温度ヒュ−ズ - Google Patents

電池における温度ヒュ−ズの内付け構造及び温度ヒュ−ズ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術的分野】
本発明はリチウムイオン電池等の密閉型二次電池内への温度ヒュ−ズの内付け構造及び温度ヒュ−ズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近来、携帯用電気機器等の電源としてリチウムイオン二次電池等の大容量電池が使用されている。
かかる大容量電池においては、充電時や放電時に相当に大きな電流が流れ、充電時や本体機器の故障時に過電流により異常発熱する畏れがある。
機器の異常発熱を未然に防止して機器を保護する回路保護素子としては、通常温度ヒュ−ズが使用されている。すなわち、温度ヒュ−ズを機器に直列に接続し、かつ機器の発熱を効率よく感熱し得るように機器に熱的に密接に取付け、機器の所望の限界温度で温度ヒュ−ズを作動させて機器の通電を遮断している。
上記電池においては、電解液の異常内圧時に作動する防爆弁板上に正極蓋を配し、その防爆弁板外周端部と正極蓋外周端部とを負極缶の上端部でパッキングを介しかしめて負極缶内の電解液を封止してあり、この防爆弁板外周端部と正極蓋外周端部との間に絶縁スペ−サを挾み、防爆弁板と正極蓋との間の空間に温度ヒュ−ズを収容し、この温度ヒュ−ズの一方のリ−ド導体を絶縁スペ−サと防爆弁板外周端部との間で挾持し、同温度ヒュ−ズの他方のリ−ド導体を絶縁スペ−サと正極蓋外周端部との間で挾持して電池回路に温度ヒュ−ズを直列に取り付けることが提案されている(特願平9−94858号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記温度ヒュ−ズの取付け構造では、負極缶の上端部でかしめられる内部に温度ヒュ−ズのリ−ド導体端部が存在し、その箇所が他の部分よりもかしめ難くなるので、かしめが局部的に不均等になり、電解液の封止性低下が懸念される。
【0004】
本発明の目的は、リチウムイオン二次電池のような密閉型二次電池に電解液に対する確実な封止性を保証して温度ヒュ−ズの内付けを可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電池における温度ヒュ−ズの内付け構造は、内周に端子を有する環状電極の二枚を絶縁スペ−サを介して重畳し、環状周方向に隔離された両端子間に温度ヒュ−ズ本体を接続してなる温度ヒュ−ズの温度ヒュ−ズ本体を電池の防爆弁板と正極蓋との間の空間に収容し、同温度ヒュ−ズの絶縁スペ−サ及び二枚の環状電極の重畳体を防爆弁板外周端部と正極蓋外周端部との間に挾み、これらの外周端部にパッキングを介して負極缶の上端部をかしめたことを特徴とし、温度ヒュ−ズ本体が一対のリ−ド導体を有し、各リ−ド導体が各環状電極の端子に接続されている構成、または各環状電極の端子がリ−ド端子とされ、これらのリ−ド端子が温度ヒュ−ズ本体のリ−ド導体とされている構成とすることもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1の(イ)は本発明に係る温度ヒュ−ズの一例を示す平面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図である。
図1の(イ)及び図1の(ロ)において、11及び12は上下の環状電極であり、それぞれ内周に端子110,120を有している。これらの環状電極11,12には、銅合金箔やアルミ合金箔やNi箔等の金属箔の打ち抜き品を使用できる。2は環状の絶縁スペ−サであり、耐熱性プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリフエニレンサルファィド等)やセラミックスシ−トを使用でき、この絶縁スペ−サ2を介して上記環状電極11,12を重畳し、両端子相互110,120をほぼ180°の角度で隔離してある。この絶縁スペ−サ2と環状電極11,12との界面は接着剤による接着または融着等で一体化することができる。
3は温度ヒュ−ズ本体であり、一対のリ−ド導体31,32を有し、一方のリ−ド導体31を一方の環状電極11の端子110に、他方のリ−ド導体32を他方の環状電極12の端子120にそれぞれ溶接等で接続してある。
この温度ヒュ−ズ本体には、リ−ド導体間に低融点可溶合金片を接続し、この低融点可溶合金片上にフラックスを塗布し、フラックス塗布低融点可溶合金片上に絶縁体筒(例えば、セラミックス筒)を挿通し、その筒の両端を接着剤(例えば、エポキシ樹脂)で封止したものを使用できる。
図1に示す温度ヒュ−ズにおいて、通常、各環状電極11,12の厚さは50〜200μm、絶縁スペ−サ2の厚さは50〜200μm、温度ヒュ−ズ本体3の外径はほぼ3000μm、リ−ド導体31,32の外径はほぼ600μmとされる。
【0007】
図2の(イ)は本発明に係る温度ヒュ−ズの別例を示し、絶縁スペ−サとしての円形の耐熱性絶縁基板2、例えばセラミックス板の片面に図2の(ロ)に示すように内周に端子120を有する環状電極12を、セラミックス板2の他面に図2の(ハ)に示すように内周に端子110を有する環状電極11及び一対のヒュ−ズエレメント接続用電極111,121を導電ペ−ストの印刷・焼付けにより形成し、この対電極の一方121をセラミックス板片面の端子120にスルホ−ル122で電気的に導通し(対電極の他方111はセラミックス板他面の端子110に連設されている)、対電極111,121間に温度ヒュ−ズ本体3を橋設してある。例えば、対電極111,121間にヒュ−ズエレメント(低融点可溶合金片)33を接続し、ヒュ−ズエレメント33にフラックス34を塗布し、更に絶縁被覆35(例えば、エポキシ樹脂等のコ−ト)を施してある。
【0008】
図3は本発明に係る温度ヒュ−ズの他の別例を示す断面図であり、環状電極11(12)の端子110(120)をリ−ド端子とし、このリ−ド端子110(120)を温度ヒュ−ズ本体3のリ−ド導体に使用している。
【0009】
図4の(イ)は本発明に係る温度ヒュ−ズの他の別例を示す断面図であり、図4の(ロ)に示すように、環状電極11(12)のリ−ド端子110(120)の先端にヒュ−ズエレメント接続用電極112(122)を一体に形成し、図4の(イ)に示すように、環状電極11,12を絶縁スペ−サを介して重畳し、中央孔331を有するヒュ−ズ用絶縁スペ−サ33をヒュ−ズエレメント接続用電極112,122間に挿入すると共に中央孔331にヒュ−ズエレメント34(低融点可溶合金片)を収容し、ヒュ−ズエレメント34の各端部を絶縁スペ−サ34と各ヒュ−ズエレメント接続用電極112(122)との間に挾み、各ヒュ−ズエレメント接続用電極とヒュ−ズ用絶縁スペ−サとの間を接着剤で接着し、ヒュ−ズエレメントの各端部と各ヒュ−ズエレメント接続用電極との間を抵抗溶接等で溶接してある。図4において、35はヒュ−ズ用絶縁スペ−サ33の中央孔331に充填したフラックスである。
【0010】
図5は本発明に係る温度ヒュ−ズを内付した電池を示している。
この電池においては、セパレ−タ41を介在させた正極42と負極43とのスパイラル巻回体aを負極缶44に収容して負極43と負極缶44の底面とを電気的に導通し、負極缶44内の上端に正極集電極45を配設して正極42をこの集電極45に電気的に導通し、負極缶44の上端部441を防爆弁板外46の外周端部及び正極蓋47の外周端部にパッキング48を介してかしめ加工し、防爆弁板46の中央凹部を正極集電極49に電気的に導通してある。
Aは本発明に係る温度ヒュ−ズを示し、温度ヒュ−ズ本体3を防爆弁板46と正極蓋47との間の空間に収容し、絶縁スペ−サ2を介して重畳した環状電極11,12を防爆弁板46の外周端部と正極蓋47の外周端部とで挾み、これらの外周端部への上記パッキング48を介しての負極缶上端部441のかしめ加工により負極缶44内を電解液に対し封止してある。
【0011】
上記において、重畳した環状電極11,12は両面平坦であり、全周にわたり厚さが一様であるから、負極缶上端部441を周方向にわたり一様にかしめることができ、温度ヒュ−ズ本体のリ−ド導体端部を防爆弁板外周端部と正極蓋外周端部との間に挾んで負極缶の上端部をかしめる従来例とは異なり不均等なかしみを排除できるから、パッキング48を周方向にわたり一様に圧縮して優れた封止性を保証できる。
また、電池が温度上昇して温度ヒュ−ズ本体3のヒュ−ズエレメントが融点に加熱されると、ヒュ−ズエレメントの溶断で電池回路に直列に無限大のインピ−ダンスが挿入されることになり、通電が遮断される。
従って、ヒュ−ズエレメントの融点を電池の危険温度との関係で所定の温度に設定することによって、異常発熱の初期に電池の放電または充電を停止させて異常発熱を防止でき、かつ電解液の安定な封止性を保証できる。
【0012】
本発明において、環状電極や絶縁スペ−サの外郭は電池の断面形状に応じて定められ、上記円形以外に角形とされることもある。
【0013】
【発明の効果】
本発明に係る電池における温度ヒュ−ズの内付け構造は、絶縁スペ−サを介して重畳した二枚の環状電極を有する温度ヒューズを、これらの環状電極を回路中の導体接触面で挾んで使用できる構成であり、前記の重畳環状電極を電池の正極蓋外周端部と防爆弁板外周端部との間に隙間なく挾み得、これらの外周端部にパッキングを介して負極缶上端部を周方向に沿い一様にかしめることができるから、電池に電解液の封止性をよく保証して内付け
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る温度ヒュ−ズの一例を示す図面である。
【図2】 本発明に係る温度ヒュ−ズの別例を示す図面である。
【図3】 本発明に係る温度ヒュ−ズの上記とは異なる別例を示す図面である。
【図4】 本発明に係る温度ヒュ−ズの上記とは異なる別例を示す図面である。
【図5】 本発明に係る電池における温度ヒュ−ズの内付け構造を示す図面である。
【符号の説明】
11 環状電極
12 環状電極
110 端子
120 端子
2 絶縁スペ−サ
3 温度ヒュ−ズ本体
A 温度ヒュ−ズ
44 負極缶
46 防爆弁板
47 正極蓋
48 パッキング

Claims (4)

  1. 内周に端子を有する環状電極の二枚を絶縁スペ−サを介して重畳し、環状周方向に隔離された両端子間に温度ヒュ−ズ本体を接続してなる温度ヒュ−ズの温度ヒュ−ズ本体を電池の防爆弁板と正極蓋との間の空間に収容し、同温度ヒュ−ズの絶縁スペ−サ及び二枚の環状電極の重畳体を防爆弁板外周端部と正極蓋外周端部との間に挾み、これらの外周端部にパッキングを介して負極缶の上端部をかしめたことを特徴とする電池における温度ヒュ−ズの内付け構造
  2. 温度ヒュ−ズ本体が一対のリ−ド導体を有し、各リ−ド導体が各環状電極の端子に接続されていることを特徴とする請求項1記載の電池における温度ヒュ−ズの内付け構造。
  3. 各環状電極の端子がリ−ド端子とされ、これらのリ−ド端子が温度ヒュ−ズ本体のリ−ド導体とされていることを特徴とする請求項1記載の電池における温度ヒュ−ズの内付け構造。
  4. 内周に端子を有する環状電極を絶縁スペ−サの外周部の上下に、かつ両端子を環状周方向に隔離して配し、これらの各環状電極と絶縁スペ−サとの間を一体化し、前記両端子間に温度ヒュ−ズ本体を接続してなることを特徴とする温度ヒュ−ズ。
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