JP3878483B2 - 通信ノードにおける呼処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は通信ノードにおける呼処理方法に係わり、特に、各通信ノード間の方路(回線)の帯域を上り、下り別個に管理し、上り/下りの申告帯域を含む呼接続要求があった時、上り通信用の方路と下り通信用の方路を異ならせて該呼の受付けを可能とする通信ノードにおける呼処理方法に関する。
マルチメディア通信においては、上り/下り方向での通信速度、換言すれば、上り/下り方向での必要帯域が異なる場合が多い。かかる場合、従来は電話通信のように1つの方路に上り/下りで同一帯域を確保するものであった。すなわち、上り/下りのうち必要帯域の大きい方で両方向の帯域を確保するものであった。しかし、この方法では実際に使用しない帯域をも必要帯域として確保するため、通信ノードを結ぶ中継回線の使用率が低下し、経済性を損なっていた。
そこで、上り方向のみの接続要求、あるいは、下り方向のみの接続要求を独立して扱うことにより回線の上り/下りの帯域を無駄にせず、帯域の有効利用を図った技術が提案されている(特開昭61-56542号公報参照)。しかし、この従来技術は上り/下り両方向の申告帯域を含む呼接続要求を扱うことができない。このため、例えば、ATM(Asynchronous Transfer Mode)網のように呼接続要求に上り/下り両方向の申告帯域を含む呼の受付制御には適用できない。
そこで、(1) 各方路(回線)の帯域を上り、下り個別に管理し、(2) 上り/下りの申告帯域を含む呼接続要求があった時、それぞれの申告帯域を満足する方路(回線)を求め、(3) 各申告帯域で各方向の帯域を確保し、(4) 前記求めた方路を介して上り、下りの通信を行う方法が考えられる。
図32はかかる方法を実現する通信システムの概略構成図であり、1は発側のATM交換機、2は着側のATM交換機、3,4は端末、5,6はATM交換機間を接続する中継回線(方路)である。ATM交換機1において1aは呼制御を行う呼制御部、1bは各方路の上り空き帯域/下り空き帯域/回線状態等を記憶する方路選択情報記憶部、1cは方路選択情報を参照して方路が上り/下りの申告帯域を満足するか調べる出方路管理部、1dは回線(方路)の障害を検出して呼制御部に通知する障害管理部である。ATM交換機2もATM交換機1と同一の構成を有しているが呼制御部2aのみを示している。
SVC (Switched Virtual Connection)やSPVC (Soft Permanent Virtual Connection)等の動的な呼接続要求に対して、呼制御部1aは方路選択プロトコルPNNIにより出方路を決定する。しかる後、出方路管理部1cに対して該決定した出方路の上り/下り空き帯域がそれぞれ呼接続要求における上り/下り申告帯域以上であるかを問い合わせる。出方路管理部1cは方路選択情報を参照して出方路の上り/下り空き帯域がそれぞれ呼接続要求における上り/下り申告帯域以上であるか調べ、その結果を呼制御部1aに通知する。呼制御部1aは、出方路の上り/下り空き帯域が共に上り/下り申告帯域以上であれば呼接続要求を受付け、着側ATM交換機に呼接続要求メッセージ(set up message)を送信する。また、出方路管理部1cは方路選択情報記憶部1bの前記方路の上り/下り空き帯域を更新する。一方、いずれか一方の空き帯域が申告帯域より小さければ、呼制御部1aは呼の受付けを拒絶し、接続要求メッセージを着側ATM交換機に送信しない。すなわち、コネクション(SVC若しくはSPVC)の上り帯域/下り帯域の何れかを満たす空き帯域があったとしても、同一回線上にて両方向の帯域を満たしていなければ呼接続要求メッセージを送信しない。
図33は呼受付けの動作説明図であり、上り/下り最大帯域が156Mbps(以後単に156Mと記す)の場合において、(1) 方路5の上り/下り帯域が端末31,41間の通信等で100M/100M使用され、その上り/下りの空き帯域が56M/56M、(2) 方路6の上り/下り帯域が端末33,43間の通信等で110M/50M使用されており、その上り/下りの空き帯域が46M/106M、である状態を示している。かかる状態において、端末32,42間に上り/下り申告帯域がそれぞれ50M/80Mの呼接続要求が発生すると、方路5では上り空き帯域56Mが上り申告帯域50Mより大きいが、下り空き帯域56Mが下り申告帯域80Mより小さい。また、方路6では下り空き帯域106Mが下り申告帯域80Mより大きいが、上り空き帯域46Mが上り申告帯域50Mより小さい。このため、上り/下り申告帯域50M/80Mの呼接続要求は拒絶される。
従来は呼接続要求を行う際、上り/下りの申告帯域を片方向毎に別々の方路に割り当てる仕組みが存在しなかった。この為、上り/下り両方の帯域を満足する方路が存在しない場合が多くなり、結果的に物理回線自体の増設が必要となっていた。また、上述したような場合においては、中継回線にて利用できない無駄な空き帯域が多々発生する。
よって本発明の目的は、SVC/SPVC等の動的な両方向の接続要求に関して、片方向毎に別方路での呼接続要求の受付けを可能とし、これにより空き帯域を有効に利用することである。
本発明において、各通信ノードは、(1) 方路毎に上り方向及び下り方向の空き帯域を管理し、(2) 上り/下り両方向の申告帯域を含む呼接続要求があった時、該上り/下りの申告帯域より大きな上り/下りの空き帯域を有する方路を探索し、(3) 方路を探索できれば呼接続要求を該方路で両方向に通信する呼として受付け、(4) 方路を探索できなければ、上り申告帯域より大きな空き帯域を有する方路と下り申告帯域より大きな空き帯域を有する方路をそれぞれ独立に探索し、(5) 2つの方路を探索できれば、上り、下り方向毎に別方路で通信する呼(方路分割呼)として呼接続要求を受付ける。
方路分割呼として呼接続要求を受付けた場合、(1) 発側ノードは上り/下りの方路毎に着側ノードに送信する呼接続要求メッセージを作成し、(2) それぞれの呼接続要求メッセージを上り方路、下り方路を介して着側ノードに送信し、(3) 着側ノードは各方路より方路分割呼の呼接続要求メッセージを受信した時、宛先端末に通知する呼接続要求メッセージを作成する。また、方路分割呼の応答メッセージを宛先端末より受信したとき、(1) 着側ノードは方路毎に着側ノードより発側ノードに送信する応答メッセージを作成し、(2) それぞれの応答メッセージを上り方路、下り方路を介して発側ノードに送信し、(3) 発側ノードは各方路より方路分割呼の応答メッセージを受信した時、発信元端末に通知する応答メッセージを作成する。更に、方路分割呼の解放要求メッセージを端末より受信した時、(1) 発側ノード、着側ノードの一方のノードは方路毎に他方のノードに送信する解放要求メッセージを作成し、それぞれの解放要求メッセージを上り方路、下り方路を介して他方のノードに送信し、(2) 他方のノードは各方路より方路分割呼の解放要求メッセージを受信した時、端末に通知する解放要求メッセージを作成する。
又、本発明において、上り方向及び下り方向毎に別方路で通信中に、上り方路あるいは下り方路に障害が発生した時、(1) 発側及び着側ノードは障害が発生した方路の接続を解放し、(2) しかる後、発側ノードは解放した方路に割り当てた申告帯域以上の空き帯域を有する別の方路を探索し、(3) 探索できれば、再接続用の呼接続要求メッセージを作成して該別方路を介して発側ノードより着側ノードに送信し、(4) 着側ノードにおいて再接続用の呼接続要求メッセージを受信した時、該別方路と宛先端末間のパスを設定すると共に発側ノードに応答メッセージを送信し、(5) 発側ノードは応答メッセージの受信により発信元端末と前記別方路間のパスを設定する。
本発明によれば、SVC/SPVC等の動的な両方向の接続要求に関して、片方向毎に別方路での呼接続要求の受付けを可能とし、これにより空き帯域を有効に利用することができる。
本発明によれば、端末は方路分割呼として受付けられたか否かを意識することなく、呼接続要求メッセージの送受、応答メッセージの送受、解放要求メッセージの送受が可能になる。
本発明によれば、上り方向/下り方向を別方路で確立した方路分割呼において、上り方向/下り方向のいずれかの方路(中継回線)が障害となった場合、正常状態である方路を介して通信を継続しながら、別方路への再接続を行うことができる。
(A) ATM交換機
図1はATM交換機の全体構成図である。
11は所定の入線より到来したセルを該セルのヘッダ部に含まれるVCI/VPIに基づいて所定の出線にスイッチングするATMスイッチ、12は端末と接続された回線インタフェース、13は網(中継回線)に接続された回線インタフェース、14は呼接続/呼切断要求等に基づいて呼処理制御を行なう呼処理プロセッサ、15,16はそれぞれ呼処理プロセッサ14とATMスイッチ11間に設けられたシグナリング装置(BSGC)である。シグナリング装置15,16は、(1) ATMスイッチより入力する呼処理セルを呼処理プロセッサ14が扱えるデータに分解(デセル化)すると共に、呼処理プロセッサから所定の端末や隣接交換機に送出する呼処理データをセル化するクラッド機能(Cell Assembly and Deassembly)、(2) セル化された呼処理セルを所定の端末や隣接ATM交換機に送出するために該セルにVPI/VCIやタグ情報を付加してATMスイッチに入力するATMインターフェース機能を有している。
ATMスイッチ11は、スイッチ部の他にヘッダ変換/タグ付与部(VCC/TGA)17,18を備えている。ヘッダ変換/タグ付与部(VCC/TGA)17,18はそれぞれルーチングテーブルRTLを備え、該ルーチングテーブルRTLに、(1) 呼処理セルをシグナリング装置15,16にルーチングするためのルーチング情報、(2) データセルを所定方路にルーチングするためのルーチング情報がそれぞれ設定される。端末やATM交換機が送出する呼処理セルに付加するVPI/VCI値は端末やATM交換機毎に固有の値である。従って、呼処理プロセッサ14は予め該VPI/VCI値に対応させて呼処理セルをシグナリング装置15,16にルーチングするルーチング情報を作成してルーチングテーブルRTLに設定する。また、呼処理プロセッサ14は発呼毎にデータセルを所定出方路にルーチングするルーチング情報を作成してルーチングテーブルRTLに設定する。
以上により、呼処理時、ATMスイッチ11は端末や隣接ATM交換機から入力する呼処理セルをルーチングテーブルRTLを参照してシグナリング装置15,16にルーチングし該シグナリング装置を介して呼処理プロセッサ14に入力する。また、ATMスイッチ11は呼処理プロセッサ14からシグナリング装置15.16を介して入力する呼処理セルを所定の端末や隣接ATM交換機にルーチングする。また、通信時、ATMスイッチ11はルーチングテーブルRTLを参照して入力したデータセルを所定の宛先に応じた出線にルーチングする。
(B)呼処理プロセッサの機能ブロック構成
図2は本発明の呼処理プロセッサの機能ブロック構成図であり、11aは発側のATM交換機(発側ノード)、11bは着側ATM交換機(着側ノード)、21は発信元端末、22は宛先端末、31、31はATM交換機間を接続する中継回線(方路)であり、上り、下り2本の伝送路を備えている。尚、以下では発側ノード11aに所属するユニットにはサフィックスaを付加し、着側ノード11bに所属するユニットにはサフィックスbを付加して説明する。また、発側ノード11aと着側ノード11bは同一の構成を備えているが、図2では説明上不要な部分は削除している。
各ノード11a,11bにおいて、呼制御部51a,51bは、SVC/SPVC等の動的な呼接続要求(上り/下り両方向の帯域を必要とする呼接続要求)に対して、その接続から解放までの統括的制御を行う。障害管理部52aは、中継回線31,32の状態(障害、正常)を監視し、障害を検出して呼制御部51aに通知する。方路状態記憶部53aは各方路の上り空き帯域/下り空き帯域/回線状態等を記憶する。
第1の方路管理部54aは、呼接続要求が発生した時、宛先に基づいて経路選択プロトコルPNNIにより方路を選択し、しかる後、選択した各方路の状態を参照して該方路が上り/下りの申告帯域を満足するか調べ、その結果を呼制御部51aに通知する。すなわち、経路選択プロトコルPNNIにより選択した方路の上り/下りの空き帯域(使用可能帯域)が共に上り/下りの申告帯域より大きいか調べその結果を呼制御部51aに通知する。
第2の方路管理部55aは、上り/下りの申告帯域を満足する方路が存在しない時、経路選択プロトコルPNNIにより選択された方路の中から、上り申告帯域以上の空き帯域を有する方路と下り申告帯域以上の空き帯域を有する方路をそれぞれ独立に探索し、探索結果を呼処理制御部51aに通知する。呼処理制御部51aは、上り/下りの両方の申告帯域を満足する方路が存在しなくても、上り申告帯域を満足する方路(中継回線)と下り申告帯域を満足する別の方路(中継回線)が存在すれば、接続要求呼を上り、下り別方路で通信する呼(方路分割呼)として受付ける。
メッセージ分割処理部56aは、接続要求呼が方路分割呼として受付けられると、端末21から受信した接続要求メッセージ(set up message)を、上り方路の接続要求メッセージと下り方路の接続要求メッセージに分割し、各メッセージを呼処理セルのペイロードにマッピングし、上り方路31/下り方路32を介して着側ATM交換機11bに送信する。
方路分割コネクション管理データ記憶部57a,57bは、方路分割呼のコネクション管理データを記憶するもので、方路分割呼の呼番号(Call Reference)に対応させて、
(1) 上りコネクションID(VPI/VCI)、
(2) 下りコネクションID(VPI/VCI)、
(3) 上り方路番号、
(4) 下り方路番号
等を記憶する。尚、上りコネクションID、下りコネクションIDは上りデータセル及び下りデータセルの通信時に該セルのヘッダに付加するVPI/VCIである。
方路分割コネクション管理部58a,58bは記憶部57a,57bに対するコネクション管理データの書き込み、削除、変更の管理を行う。
応答メッセージ受信記憶部59aは、分割された接続要求メッセージに対する応答メッセージ(connect message)の受信状態を記憶する。応答受信管理部60aは、分割した接続要求メッセージに対する応答メッセージを着側ノード11bより受信すればその旨を記憶部59aに記憶し、上り方路31、下り方路32の両方より応答メッセージを受信すれば発端末21に対する応答メッセージを作成して通知する。
再接続管理部61aは、上り方路31あるいは下り方路32が障害によって切断された時、別方路を探索して再接続要求を行う。
着側ノード11bの接続要求メッセージ受信記憶部71bは、発側ノード11aより上り方路31、下り方路32を介して分割されて送られてくる各接続要求メッセージの受信状態を記憶する。接続要求受信管理部72bは、上り方路31、下り方路32より分割されて送られてくる接続要求メッセージを受信すればその旨を記憶部71bに記憶し、両方路より接続要求メッセージを受信した時、宛先端末22に送信する接続要求メッセージを作成する。
応答方路管理部73bは、宛先端末22より応答メッセージを受信すれば、上り方路31からの接続要求メッセージに対する応答メッセージと、下り方路32からの接続要求メッセージに対する応答メッセージを作成し、各応答メッセージを呼処理セルのペイロードにマッピングし、上り方路31/下り方路32を介して発側ノード11aに送信する。
解放メッセージ受信記憶部74bは、発側ノード11aより上り方路31、下り方路32を介して分割されて送られてくる解放メッセージの受信状態を記憶する。解放受信管理部75bは、上り方路31、下り方路32より分割されて送られてくる解放メッセージを受信すればその旨を記憶部74bに記憶し、両方路より解放メッセージを受信した時、宛先端末22に送信する解放メッセージを作成する。
(C)本発明の呼処理制御
(a)呼受付け制御
図3は呼受付け制御の説明図、図4は本発明の呼受付け制御の処理フローであり、図3において図2と同一部分には同一符号を付している。
呼制御部51aは端末21より上り申告帯域/下り申告帯域を有する接続要求メッセージ(接続要求呼)a-1を受信すると、第1の方路管理部54aに対して接続要求呼a-1の上り申告帯域/下り申告帯域の両方を満足する方路を問い合わせる(ステップ101)。
第1の方路管理部54aは、経路探索プロトコルPNNIにより宛先に応じた方路1〜方路3を探索し、ついで、方路状態記憶部53aの方路状態データを参照し、方路1〜方路3が接続要求呼a-1の上り申告帯域/下り申告帯域の両方を満足するか調べる(ステップ102)。いずれかの方路が接続要求呼a-1の上り申告帯域/下り申告帯域の両方を満足すれば(ステップ103)、既存のコネクション接続処理により接続要求呼a-1を受付け、該方路に割り当てる(ステップ104)。
しかし、いずれの方路も接続要求呼a-1の上り申告帯域/下り申告帯域の両方を満足しなければ、呼制御部51aは第2の方路管理部55aに対して接続要求呼a-1の上り申告帯域を満足する方路と下り申告帯域を満足する方路を別個に問い合わせる。第2の方路管理部55aは、経路探索プロトコルPNNIにより探索された方路1〜方路3を対象に上り申告帯域以上の空き帯域を有する方路と下り申告帯域以上の空き帯域を有する方路をそれぞれ独立に探索し、探索結果を呼処理制御部51aに通知する(ステップ105)。
呼制御部51aは第2の方路管理部55aからの通知を参照し、上り申告帯域以上の空き帯域を有する方路と下り申告帯域以上の空き帯域を有する別の方路がそれぞれ探索できたかチェックする(ステップ106)。探索できれば、呼制御部51aは接続要求呼a-1を方路分割呼として受付け、各方路に上り申告帯域及び下り申告帯域をそれぞれ割り当てる(ステップ107)。
ステップ106において上り申告帯域以上の空き帯域を有する方路と下り申告帯域以上の空き帯域を有する方路が両方とも選択できなければ接続要求を拒絶する。
図3では、上り/下り申告帯域の両方を満足する中継回線が存在しない場合において、方路1が上り申告帯域を満足し、方路3が下り申告帯域を満足する場合が示されている。
以上より、呼制御部51aは、上り/下りの両方の申告帯域を満足する方路が存在しなくても、上り申告帯域を満足する方路(中継回線)と下り申告帯域を満足する別の方路(中継回線)が存在すれば、接続要求呼a-1を方路分割呼として受付け、各方路に上り申告帯域及び下り申告帯域をそれぞれ割り当てる。
以上のようにすれば、これまで空き帯域の不足によって拒絶されていた、呼接続要求が受付け可能となり、ATM中継回線の帯域を有効に使用したネットワーク構築が実現できる。
(b)呼接続要求メッセージの送受信
図5は方路分割呼の呼接続要求メッセージの送受信制御の説明図、図6は発側ノードの接続要求メッセージ送信処理フロー、図7は着側ノードの接続要求メッセージ受信処理フローであり、図5において図2と同一部分には同一符号を付している。
呼制御部51aは上り申告帯域/下り申告帯域を有する端末21からの接続要求呼a-1を方路分割呼として受付けると(ステップ201)、メッセージ分割処理部56aに各方路を介して接続要求メッセージ(set up mesage)を送信するよう要求する(ステップ202)。呼制御部51aは上記メッセージの送信要求時、接続要求メッセージa-1と上り方路番号/下り方路番号をメッセージ分割処理部56aに渡す。なお、上り方路は中継回線31、下り方路は中継回線32であるとする。
送信要求を受けたメッセージ分割処理部56aは、方路分割コネクション管理部58aに方路分割コネクション管理データの作成を指示する。これにより、方路分割コネクション管理部58aは、方路分割コネクション管理データを作成して記憶部57aに格納する(ステップ203)。方路分割コネクション管理データは、(1) 呼番号、(2) 上りコネクションID(VPI/VCI)、(3) 下りコネクションID(VPI/VCI)、(4) 上り方路番号、(5) 下り方路番号等で構成されている。
また、メッセージ分割処理部56aは、上り帯域用の接続要求メッセージa-2及び下り帯域用の接続要求メッセージa-3を編集し、各接続要求メッセージa-2,a-3を呼処理セルのペイロードにマッピングし、該呼処理セルを上り方路31,下り方路32を介して着側ノード11bに送信する(ステップ204)。
上り帯域用及び下り帯域用の接続要求メッセージa-2、a-3は共に同一の呼番号(call reference)及び分割されていることを示す分割識別データを含んでいる。また、上り帯域用の接続要求メッセージa-2は更に上り申告帯域、上りデータセルに付加するVPI/VCI等を含んでいる。また、下り帯域用の接続要求メッセージa-3は更に下り申告帯域、下りデータセルに付加するVPI/VCI等を含んでいる。
着側ノード11bの呼制御部51bは、接続要求メッセージを受信すれば(ステップ251)、分割識別データの有無に基づいて受信メッセージが方路分割呼の接続要求メッセージであるか判別する(ステップ252)。
呼制御部51bは、受信メッセージが方路分割呼の接続要求メッセージでなければ、端末22へ該接続要求メッセージを直ちに通知する(ステップ253)。
一方、受信メッセージが方路分割呼の接続要求メッセージであれば、呼制御部51bは、(1)メッセージに含まれる情報要素より上り/下りを判別すると共に(上り帯域用の接続要求メッセージa-2であるとする)、(2) 該メッセージa-2に含まれる呼番号及び上りコネクションID(VPI/VCI)、メッセージ受信方路の方路番号を方路分割コネクション管理部58bに通知し、方路分割コネクション管理データの作成を指示する。これにより、方路分割コネクション管理部58bは、方路分割コネクション管理データを作成して記憶部57bに格納する。ついで、下り帯域用の接続要求メッセージa-3を受信すれば同様の処理が行われ記憶部57bには、(1) 呼番号、(2) 上りコネクションID(VPI/VCI)、(3) 下りコネクションID(VPI/VCI)、(4) 上り方路番号、(5) 下り方路番号等を有する方路分割コネクション管理データが格納される(ステップ254)。
呼制御部51bは以上と並行して接続要求メッセージa-2を接続要求受信管理部72bに通知する。接続要求受信管理部72bは接続要求メッセージa-2を受信すれば、記憶部71bに該メッセージの呼番号と、上り受信識別データを記憶する。ついで、下り帯域用の接続要求メッセージa-3を受信すれば同様の処理が行われ、記憶部71bに呼番号、上り/下り受信識別データが記憶される。接続要求受信管理部72bは、上り/下り両方向の分割された接続要求メッセージa-2,a-3を受信すれば、これら接続要求メッセージa-2,a-3を組み合わせて本来の両方向の接続要求メッセージa-1を再編集し(ステップ255)、該接続要求メッセージa-1を宛先端末22に通知する(ステップ256)。尚、端末22に通知する接続要求メッセージa-1は、呼番号、上り申告帯域、下り申告帯域、上り/下りデータセルの呼識別ID(VPI/VCI)等を含んでいる。
以上により、方路分割呼であるか否かを意識することなく端末装置を構成できる。また、端末21,22でのコネクション情報の変更を行わずに、上り/下り別方路でのコネクション接続が可能となる。
(c)応答メッセージの送受信制御
図8は方路分割呼の応答メッセージの送受信制御説明図、図9は着側ノードの応答メッセージ送信処理フロー、図10は発側ノードの応答メッセージ受信処理フローであり、図8において図2と同一部分には同一符号を付している。
端末22は接続要求メッセージa-1を受信すれば、呼制御部51bに対して応答メッセージ(connect message)b-1を送信する。この応答メッセージb-2には接続要求メッセージa-1の呼番号と同一の呼番号が含まれている。呼制御部51bは応答メッセージを受信すれば(ステップ301)、応答方路管理部73bに応答メッセージb-1を渡すと共に、発側ノードへの応答メッセージ作成、送信を要求する。
応答方路管理部73bは応答送信要求を受けると、方路分割コネクション管理部58bに応答メッセージb-1に含まれる呼番号の分割コネクション情報が記憶部57bに記憶されているか問い合わせる(ステップ302)。すなわち、応答メッセージb-1が方路分割呼の応答メッセージであるか問い合わせる。方路分割呼の応答メッセージでなければ(ステップ303)、直ちに発側ノードへの応答メッセージを作成して送信する(ステップ304)。
一方、方路分割呼の応答メッセージであれば(ステップ303)、応答方路管理部73bは、上り、下りそれぞれの応答メッセージb-2,b-3を作成し(ステップ305)、方路分割コネクション管理データに基づいて応答送信方路31,32を決定し(ステップ306)、上り、下りそれぞれの応答メッセージb-2,b-3を応答送信方路31,32を介して着側ノード11aに送信する(ステップ307)。
着側ノード11aの呼制御部51aは、応答メッセージb-2,b-3を受信すれば(ステップ351)、方路分割コネクション管理部58aに応答メッセージb-2,b-3が方路分割呼に対する応答メッセージであるか問い合わせる。方路分割コネクション管理部58aは、応答メッセージb-2,b-3の呼番号及び方路分割コネクション管理データに基づいて該メッセージが方路分割呼の応答 メッセージであるか調べ、その結果を制御部51aに通知する(ステップ352)。
呼制御部51aは方路分割呼の応答メッセージでなければ(ステップ353)、該応答メッセージを発信端末21に通知する(ステップ354)。
一方、方路分割呼の応答メッセージであれば、呼制御部51aは応答受信管理部60aに方路分割呼の応答メッセージの受信を通知する。通知を受けた応答受信管理部60aは、上り方路からの応答メッセージであるか、下り方路からの応答メッセージであるか判断し(上り方路からの応答メッセージb-2であるとする)、記憶部59aに該応答メッセージb-2の呼番号と、上り受信識別データを記憶する。
ついで、下り方路からの応答メッセージb-3を受信すれば同様の処理が行われ記憶部59aには呼番号、上り受信識別データ、下り受信識別データが記憶される。応答受信管理部60aは上り/下り両方向の分割された応答メッセージb-2, ba-3を受信すれば、本来の両方向の応答メッセージb-1を再編集し(ステップ355)、該応答メッセージb-1を発信端末21に通知する(ステップ356)。尚、端末21に通知する応答メッセージb-1は、呼番号、端末がデータセルのヘッダに付加すべきコネクション識別子(VPI/VCI)等を含んでいる。
以上により、端末21,22でのコネクション情報の変更を行わずに、上り/下り別方路でのコネクション接続が可能となる。
(d)解放メッセージの送受信
図11は方路分割呼の解放メッセージの送受信制御説明図、図12は解放メッセージの送信処理フロー、図13は解放メッセージの受信処理フローであり、図11において図2と同一部分には同一符号を付している。
発側ノード11aの呼制御部51aは発端末21より呼番号を含む解放メッセージ(release message)a-4を受信すれば、方路分割コネクション管理部58aに呼番号を提示して方路分割呼に対する解放メッセージであるか問い合わせる。問い合わせを受けた方路分割コネクション管理部58aは、呼番号に基づいて記憶部57aに記憶されている方路分割コネクション管理データを参照して、解放メッセージa-4が方路分割呼に対する解放メッセージであるか否かを調べ、その結果を呼制御部51aに回答する。
呼制御部51aは、解放メッセージa-4が方路分割呼に対する解放メッセージでなければ(ステップ402)、該解放メッセージを着側ノード11bに送信する(ステップ403)。一方、解放メッセージa-4が方路分割呼に対する解放メッセージであれば(ステップ402)、呼制御部51aは、メッセージ分割処理部56aに上り、下り方路を介して解放メッセージを送信するよう指示する。この場合、呼制御部51aは解放メッセージa-4をメッセージ分割処理部56aに渡す。送信要求を受けたメッセージ分割処理部56aは、該解放メッセージa-4を参照して上り/下り帯域用の解放メッセージa-5,a-6を作成する(ステップ404)。
ついで、メッセージ分割処理部56aは、方路分割コネクション管理データより方路分割呼に割り当てた上り/下り方路31,32を求め、該上り/下り方路31,32を介して解放メッセージa-5,a-6を着側ノード11bに送信する(ステップ405)。
着側ノード11bの呼制御部51bは、解放メッセージ(たとえば解放メッセージa-5とする)を受信すれば(ステップ451)、方路分割コネクション管理部58bに解放メッセージa-5の呼番号を提示して方路分割呼に対する解放メッセージであるか問い合わせる。問い合わせを受けた方路分割コネクション管理部58bは、呼番号に基づいて記憶部57bに記憶されている方路分割コネクション管理データを参照して、解放メッセージa-5が方路分割呼に対する解放メッセージであるか否かを調べ、その結果を呼制御部51bに回答する(ステップ452)。
呼制御部51bは、受信した解放メッセージa-5が方路分割呼に対する解放メッセージでなければ(ステップ453)、宛先端末22に解放メッセージを送信する(ステップ454)。
一方、受信した解放メッセージa-5が方路分割呼に対する解放メッセージであれば(ステップ453)、解放メッセージa-5を解放受信管理部75bに通知する。解放受信管理部75bは解放メッセージa-5を受信すれば、記憶部74bに該メッセージの呼番号と、上り受信識別データを記憶する。
下り帯域用の解放要求メッセージa-6を受信すれば同様の処理が行われ、記憶部74bに最終的に呼番号、上り/下り受信識別データが記憶される。
解放受信管理部75bは上り/下り両方向の分割された解放メッセージa-5,a-6を受信すれば、これら解放メッセージa-5,a-6を組み合わせて本来の両方向の解放メッセージa-4を再編集し(ステップ455)、該解放メッセージa-4を宛先端末22に通知する(ステップ456)。
以上により、端末21,22でのコネクション情報の変更を行わずに、上り/下り別方路でのコネクションの解放が可能となる。
(e)方路障害による再接続
図14、図15は上り/下り方路の一方に障害が発生した時の再接続制御の説明図であり、図2と同一部分には同一符号を付している。また、図16は障害発生時におけるパス解放処理フロー、図17は障害発生時における再接続要求送信処理フロー、図18は障害発生時における再接続要求受信処理フロー、図19は再接続要求に対する応答送信処理フロー、図20は再接続要求に対する応答受信処理フローである。
上り、下り別方路で通信中に、上り方路31あるいは下り方路32に障害が発生すると(図では方路32で障害発生)、障害管理部52a,52bは該障害を検出し、それぞれ呼制御部51a,51bに呼解放を依頼する(ステップ501)。障害発生通知受けると、呼制御部51a,51bは方路分割コネクション管理部58a,58bに対して障害発生方路32に割り当てられた方路分割呼を問い合わせる(ステップ502)。
障害発生方路32に割り当てられた方路分割呼が存在すれば(ステップ503)、呼制御部51a,51bは自分のATMスイッチ制御部81a,81bにそれぞれ障害発生方路32と端末21間のパス、障害発生方路32と端末22との間のパスを解放するよう指示する(ステップ504)。この要求により、発側/着側ノード11a,11bのATMスイッチ制御部81a,81bはルーチングテーブルRTLより、方路分割呼の下りセルに付加するコネクションID(VPI/VCI)を削除し、下り方路32を解放する(ステップ505)。また、呼制御部51bは接続要求受信管理部72b(図15)を制御して記憶部71bに下り方路の再接続中を設定する。
しかる後、発側ノードの呼制御部51aは再接続管理部61aにコネクションの再接続処理を要求する(ステップ511)。再接続要求を受けた再接続管理部61aは、第2の方路管理部55aに解放した方路32に割り当てた申告帯域以上の空き帯域を有する別方路の探索を依頼する(ステップ512)。
別方路33が探索されると(ステップ513)、再接続管理部61aは応答受信管理部60aを介して記憶部59aに障害方路(下り方路)の再接続中を設定する(ステップ514)。ついで、再接続管理部61aは再接続用の接続要求メッセージa-7を作成して該別方路33を介して着側ノード11bに送信する(ステップ515)。接続要求メッセージa-7は、呼番号、下り申告帯域、下りコネクションID(VPI/VCI)、分割識別データ等を含んでいる。
着側ノードにおいて、呼制御部51bは再接続用の接続要求メッセージa-7を受信すると、方路分割呼の再接続要求メッセージであるか否かを分割識別データにて判別し(ステップ522)、方路分割呼の再接続要求メッセージであれば方路分割コネクション管理部58b(図14)に呼番号、接続要求メッセージ受信方路番号等を通知し、記憶部57bの記憶内容を更新する(ステップ523)。
また、呼制御部51bは接続要求受信管理部72bに方路分割呼の接続要求メッセージの受信を通知する(ステップ524)。通知を受けた接続要求受信管理部72bは、呼番号及び記憶部71bの記憶データを参照して障害による再接続中であるか調べ(ステップ525)、再接続中でなければ、通常の方路分割呼の接続要求受信処理を行う(ステップ526)。しかし、再接続中であれば、接続要求受信管理部72bは記憶部71の記憶内容を、「下り再接続中」から「下り受信」に変更する(ステップ527)。
ついで、呼制御部51bは、ATMスイッチ制御部81bを制御して方路33と宛先端末22間のパスを設定する(ステップ528)。
再接続要求に対してパス接続完了後、呼制御部51bは方路分割コネクション管理部58bへ応答メッセージ送信方路を問い合わせ(ステップ531)、応答方路管理部73bに応答メッセージ送信方路33の番号を渡すと共に応答メッセージを発側ノードに送信するよう指示する。これにより、応答方路管理部73bは応答メッセージを作成すると共に、指示された方路33を介して該応答メッセージを発側ノードに送信する(ステップ532)。
呼制御部51aは応答メッセージを受信すれば(ステップ541)、応答受信管理部60aに応答メッセージ受信を通知する(ステップ542)。通知を受けた応答受信管理部60aは、応答メッセージの呼番号と応答メッセージ受信記憶部59aの記憶内容を参照して、障害による再接続中であるかチェックする(ステップ543)。
再接続中でなければ、通常の方路分割呼の応答受信処理を行う(ステップ544)。しかし、再接続中であれば、応答受信管理部60aは記憶部59aの記憶内容を、「下り再接続中」から「下り受信」に変更する(ステップ545)。しかる後、呼制御部51aは、ATMスイッチ制御部81aを制御して発端末21と方路33間のパスを設定する(ステップ546)。
以上により、正常な上り方路31での通信を継続しながら、障害によって解放された下りコネクションの再接続が可能となる。
(D)各種メッセージの詳細
図21は接続要求メッセージである呼設定メッセージ(set up message)の説明図であり、主要な情報要素として、
(1) 呼番号あるいは呼識別子(call reference)、
(2) メッセージ種別(set up messageであることを示すデータ)
(3) 上り申告帯域、下り申告帯域を記述するATMトランク記述子、
(4) 着番号、
(5) 発番号、
(6) コネクション識別子
等がある。なお、コネクション識別子は端末→局への呼設定メッセージには含まれない。
図22は応答メッセージ(connect message)の説明図であり、(1) 呼番号(呼識別子)、(2) メッセージ種別(connect messageであることを示すデータ)、(3) コネクション識別子等を含んでいる。
図23は解放メッセージ(release message)の説明図であり、(1) 呼番号(呼識別子)、(2) メッセージ種別(release messageであることを示すデータ)を含んでいる。
(E)本発明の呼処理制御の実施例
(a)呼受付け制御
図24は各中継回線における上り/下りの使用帯域、空き帯域及び接続要求呼の上り/下り申告帯域を説明する説明図である。
中継回線31、32は共に上り/下りの最大帯域が156Mである。中継回線31の上り/下り帯域は端末211,221間の通信等で100M/100M使用され、その上り/下りの空き帯域は56M/56Mである。また、中継回線32の上り/下り帯域は端末213,223間の通信等で110M/50M使用されており、その上り/下りの空き帯域は46M/106Mである。かかる状態において、発端末212から宛先端末222への呼接続要求(上り/下り申告帯域がそれぞれ50M/80M)が発生した場合において本発明の呼受付け制御を説明する。
図25は本発明の呼受付け制御の説明図である。
呼制御部51aは端末212より送信された接続要求(Setupメッセージ)を受信すると、第1の方路管理部54aに接続可能な経路の探索を指示する。これにより、第1の方路管理部54aは方路状態記憶部53aの記憶情報を参照してSetupメッセージ(1)で指定された上り/下りの申告帯域50M/80Mを満足する方路を探索し、探索結果を呼制御部51aに通知する。図24の例では、上り/下りの申告帯域50M/80Mを満足する方路が探索できない旨の通知が呼制御部51aになされる。
上り/下りの申告帯域を満足する方路が存在しなければ、呼制御部51aは、第2の方路管理部55aに対し上り申告帯域50M、下り申告帯域80Mのみを満足する経路を問い合わせる。問い合わせを受けた第2の方路管理部55aは、Setupメッセージの上り申告帯域(50M)より方路31の上り使用可能帯域(56Mbps)が大きく、又、Setupメッセージの下り申告帯域(80Mbps)より方路32の下り使用可能帯域(106M)が大きい旨を呼制御部51bに通知する。これにより呼制御部51aは、接続要求呼を方路分割呼として受付け、各方路に上り申告帯域及び下り申告帯域をそれぞれ割り当てる。この結果、方路31の上り/下り使用可能帯域は6M/56Mとなり、方路32の上り/下り使用可能帯域は46M/26Mとなる。
(b)呼接続要求メッセージ送受信制御
図26は呼接続要求メッセージ送受信制御の説明図である。
Setupメッセージ(1)の送信方路を決定した呼制御部51aは、メッセージ分割処理部56aに対し、Setupメッセージ(1)の送信要求を行う。送信要求を受けたメッセージ分割処理部56aは、端末211より受信したSetupメッセージ(1)と同一の呼番号(例は0x01)を有する上り帯域用、下り帯域用のSetupメッセージ(2)、(3)を生成する。この際、方路分割呼のSetup messageであるかを識別する為の情報要素(分割識別0x01)を、上り帯域用Setupメッセージ(2)、下り帯域用Setupメッセージ(3)に設定して送信する。
方路31,方路32よりSetupメッセージ(2)及び、Set upメッセージ(3)を受信した着側ノード11bの呼制御部51bは、その情報要素(分割識別)から方路を分割して送信された呼(方路分割呼)のSet upメッセージである事を判別し、方路分割コネクション管理データ記憶部57bに呼番号、上り/下りコネクションID、上り/下り方路番号 etc..を設定後、接続要求受信管理部72bに対し、方路分割コネクションの受信を通知する。
通知を受けた接続受信管理部72bは、呼番号対応に上り/下りのSet upメッセージ受信を管理し、両方のSet upメッセージ(2)、(3)の受信を認識すると、受信した上り帯域用Set upメッセージ(2)と下り帯域用Set upメッセージ(3)を組み合わせて両方向用Set upメッセージ(1)を生成し、端末222に通知する。
(c)応答メッセージ送受信制御
図27は応答メッセージ送受信制御説明図である。
Set upメッセージ(1)を受信した端末222は、応答メッセージ(Connectメッセージ(1))を送信する。Connectメッセージ(1)を受信した着側ノード11bの呼制御部51bは、応答方路管理部73bに対し、Connectメッセージ(1)の受信を通知する。通知を受けた応答方路管理部73bは、方路分割コネクション管理データを用いて上り帯域用のConnectメッセージ(2)、下り帯域用のConnectメッセージ(3)を編集し、それぞれをSet up メッセージ(2)、(3)を受信した上り方路31,下り方路32へ送信する。
方路31,方路32よりConnectメッセージ(2)及びConnectメッセージ(3)を受信した発側ノード11aの呼制御部51aは、方路分割コネクション管理部58aに方路分割呼のConnectメッセージであるか問い合わせ、方路分割呼のConnectメッセージであればその旨を応答受信管理部60aに通知する。
通知を受けた応答受信管理部60aは、呼番号対応に上り/下りの応答受信を管理し、両方の応答を受信すると、受信した上り帯域用のConnectメッセージ(2)と下り帯域用のConnectメッセージ(3)を組み合わせて両方向用Connectメッセージ(1)を生成し、端末212に通知する。
(c)解放メッセージの送受信制御
図28は方路分割呼の解放メッセージの送受信制御説明図である。
呼制御部51aは端末212より送信された解放要求(Releaseメッセージ(1))を受信すると、方路分割コネクション管理部58aにReleaseメッセージ(1)が方路分割呼に関するものであるか問い合わせる。方路分割コネクション管理部58aはReleaseメッセージ(1)に含まれる呼番号と一致する呼番号(0x01)を有する方路分割コネクション管理データが存在するか調べ、存在すれば該方路分割コネクション管理データを呼制御部51aに通知する。
Releaseメッセージ(1)が方路分割呼に関するものであれば、呼制御部51aは、メッセージ分解処理部56aに上り/下り方路にReleaseメッセージを送出するよう指示する。これにより、メッセージ分割処理部56aは方路分割呼の接続先方路(方路31,方路32)に対し上り帯域用のReleaseメッセージ(2)、下り帯域用のReleaseメッセージ(3)をそれぞれ送信する。
方路31,方路32よりReleaseメッセージ(2),(3)を受信した着側ノード11bの呼制御部51bは、Releaseメッセージ(2),(3)が方路分割呼に関するものであるか方路分割コネクション管理部58bに問い合わせる。Releaseメッセージ(2),(3)が方路分割呼に関するものであれば、解放受信管理部75bに対し方路分割呼のReleaseメッセージの受信を通知する。
通知を受けた解放受信管理部75bは、呼番号対応に、上り帯域用、下り帯域用のReleaseメッセージの受信を管理し、両方のメッセージを受信すると、受信した上り帯域用、下り帯域用のReleaseメッセージ(2),(3)を編集して両方向用の Releaseメッセージ(1)を生成し、端末222に通知する。
(d)障害発生時の制御
図29〜図31は方路分割呼に割り当てた上り/下り方路の一方に障害が発生した場合における解放から再接続までの制御説明図である。
下り帯域用に割り当てた方路32に障害は発生すると、発側ノード11a、着側ノード11bの障害管理部52a,52bは障害発生を検出し、該当方路に存在する全コネクションの解放要求を呼制御部51a、51bに要求する。要求を受けた呼制御部51a,51bは、方路分割コネクション管理部58a,58bに、方路32に割り当てた方路分割呼が存在するか問い合わせる。存在すれば、呼制御部51a,51bはスイッチ制御部81a,81に中継側のパス解放(例では下り方向のパス解放)を要求し、解放する。
パス解放を完了した発側ノード11aの呼制御部51aは、応答メッセージ受信記憶部59a(図30)内に「下り再接続中」を設定し、又、着側ノード11bの呼制御部51bは、接続要求メッセージ受信記憶部71b内に「下り再接続中」を設定する。ついで、着信ノードの呼制御部51aは再接続管理部61aに解放したコネクションの再接続要求を行う。要求が受けた再接続管理部61aは、第2の方路管理部55aに接続可能な方路を問い合わせ、接続可能な方路33が存在すれば再接続用Set upメッセージ(4)を作成して着側ノード11bに送信する。
再接続用のSet upメッセージ(4)を受信した呼制御部51bは、方路分割コネクション管理部58bを介して方路分割コネクション管理データ記憶部57bに呼番号0x01に対応させて受信方路番号を設定し、しかる後、接続要求受信管理部72bにSet upメッセージ(4)の受信を通知する。通知を受けた接続要求受信管理部72bは、接続要求メッセージ受信記憶部71bの記憶内容より、Set upメッセージ(4)が再接続用のSet up メッセージであるか否かを調べ、その結果を呼制御部51bに通知する。
これにより、呼制御部51bは、スイッチ制御部81bを制御して下り方向のパス(端末222と方路33間のパス)を接続し、直ちに、応答方路管理部73b(図31)にConnectメッセージの送信要求を行う。要求を受けた応答方路管理部73bは、方路分割コネクション管理データによりSet upメッセージ(4)を受信した方路33を識別し、該方路にConnectメッセージ(4)を送信する。
再接続用のConnectメッセージ(4)を受信した着側ノード11aの呼制御部51aは、応答受信管理部60aに対しConnectメッセージの受信を通知する。通知を受けた応答受信管理部60aは、応答メッセージ受信記憶部59aの記憶データより、該Connectメッセージが再接続用Set upメッセージに対するものである事を認識し、スイッチ制御部81aを制御して端末212と方路33間を接続する。以上により障害発生による再接続処理が完了となる。
本発明によれば、各ノード間を接続する方路(回線)の帯域を有効利用する事により、回線増設等のコストを削減が可能となる。
また、今後益々多様化されていくネットワークにおいて、コネクションの帯域情報はその用途によってより細分化されていく事が想定されるが、その際のネットワーク設計に柔軟に対応可能となる。
ATM交換機の構成図である。 本発明の呼処理プロセッサの機能ブロック構成図である。 呼受付け制御の説明図である。 本発明の呼受付け制御の処理フローである。 方路分割呼の呼接続要求メッセージの送受信制御の説明図である。 発側ノードにおける接続要求メッセージの送信処理フローである。 着側ノードにおける接続要求メッセージの受信処理フローである。 方路分割呼の応答メッセージの送受信制御説明図である。 着側ノードにおける応答メッセージの送信処理フローである 発側ノードにおける応答メッセージの受信処理フローである。 方路分割呼の解放メッセージの送受信制御説明図である。 解放メッセージの送信処理フローである。 解放メッセージの受信処理フローである。 上り/下り方路の一方に障害が発生した時の再接続制御の第1の説明図である。 上り/下り方路の一方に障害が発生した時の再接続制御の第2の説明図である。 障害発生時におけるパス解放処理フローである。 障害発生時における再接続要求送信処理フローである。 障害発生時における再接続要求受信処理フローである。 再接続要求に対する応答送信処理フローである。 再接続要求に対する応答受信処理フローである。 呼設定メッセージ(set up message)の説明図である。 応答メッセージ(connect message)の説明図である。 解放メッセージ(release message)の説明図である。 各回線における上り/下りの使用帯域、空き帯域及び接続要求呼の上り/下り申告帯域を説明する説明図である。 本発明の呼受付け制御の説明図である。 呼接続要求メッセージ送受信制御の説明図である。 応答メッセージ送受信制御説明図である。 方路分割呼の解放メッセージの送受信制御説明図である。 方路障害が発生した場合における第1の制御説明図である。 方路障害が発生した場合における第2の制御説明図である。 方路障害が発生した場合における第3の制御説明図である。 従来の両方向コネクション接続要求の説明図である。 従来の動作説明図である。
符号の説明
11a 発側のATM交換機(発側ノード)
11b 着側ATM交換機(着側ノード)
21 発信元端末
22 宛先端末
31、31 ATM交換機間を接続する中継回線(方路)
51a,51b 呼制御部
52a 障害管理部
53a 方路状態記憶部
54a 第1の方路管理部
55a 第2の方路管理部
56a メッセージ分割処理部
57a,57b 方路分割コネクション管理データ記憶部
58a,58b 方路分割コネクション管理部
59a 応答メッセージ受信記憶部
60a 応答受信管理部
61a 再接続管理部

Claims (8)

  1. 上り/下り両方向の申告帯域を含む呼接続要求を受付ける通信ノードの呼処理方法において、
    方路毎に上り方向及び下り方向の空き帯域を管理し、
    上り/下り両方向の申告帯域を含む呼接続要求があった時、該上り/下りの申告帯域より大きな上り/下りの空き帯域を有する方路を探索し、
    方路を探索できれば呼接続要求を該方路で両方向に通信する呼として受付け、
    方路を探索できなければ、上り申告帯域より大きな空き帯域を有する方路と下り申告帯域より大きな空き帯域を有する方路をそれぞれ独立に探索し、
    2つの方路を探索できれば、上り、下り方向毎に別方路で通信する呼(方路分割呼)として呼接続要求を受付ける、
    ことを特徴とする通信ノードにおける呼処理方法。
  2. 請求項1記載の呼処理方法において、
    上り/下りの方路が異なる場合、前記上り/下りの異なる方路毎に発側ノードより着側ノードに送信する呼接続要求メッセージを作成し、
    それぞれの呼接続要求メッセージを前記上り方路、下り方路を介して発側ノードより着側ノードに送信し、
    着側ノードにおいて各方路より呼接続要求メッセージを受信した時、宛先端末に通知する呼接続要求メッセージを作成する、
    ことを特徴とする通信ノードにおける呼処理方法。
  3. 請求項2記載の呼処理方法において、
    発側ノードより着側ノードに送信する各呼接続要求メッセージに、同一の呼番号及び分割されていることを示す分割識別データを含ませ、
    着側ノードにおいて分割識別データを参照して受信した呼接続要求メッセージが方路分割呼の呼接続要求メッセージであることを識別し、上り、下り2つの方路より同一の呼番号を有する呼接続要求メッセージを受信した時、宛先端末に通知する呼接続要求メッセージを作成する、
    ことを特徴とする通信ノードにおける呼処理方法。
  4. 請求項2記載の呼処理方法において、
    着側において、方路分割呼の呼接続要求メッセージに対して宛先端末より応答メッセージを受信したとき、上り,下り方路毎に着側ノードより発側ノードに送信する応答メッセージを作成し、
    それぞれの応答メッセージを前記上り方路及び下り方路を介して着側ノードより発側ノードに送信し、
    発側ノードにおいて各方路より応答メッセージを受信した時、発信元端末に通知する応答メッセージを作成する、
    ことを特徴とする通信ノードにおける呼処理方法。
  5. 請求項4記載の呼処理方法において、
    発側ノードにおいて前記方路分割呼の呼番号及び上り方路番号、下り方路番号を保存し、
    着側ノードより発側ノードに送信する各応答メッセージに方路分割呼の呼番号を含ませ、
    発側ノードにおいて受信した応答メッセージの呼番号と保存してある方路分割呼の呼番号を比較することにより方路分割呼の応答メッセージであることを判別し、
    2つの方路より前記呼番号を有する応答メッセージを受信した時、発信元の端末に通知する応答メッセージを作成する、
    ことを特徴とする通信ノードにおける呼処理方法。
  6. 請求項1記載の呼処理方法において、
    上り/下りの方路が異なる場合、発側ノード及び着側ノードの一方のノードにおいて端末より解放要求メッセージを受信した時、上り、下り方路毎に他方のノードに送信する解放要求メッセージを作成し、
    他方のノードにおいて各方路より解放要求メッセージを受信した時、端末に通知する解放要求メッセージを作成する、
    ことを特徴とする通信ノードにおける呼処理方法。
  7. 請求項6記載の呼処理方法において、
    他方のノードにおいて前記方路分割呼の呼番号及び上り方路番号、下り方路番号を保存し、
    一方のノードより他方のノードに送信する各解放要求メッセージに方路分割呼の呼番号を含ませ、
    他方のノードにおいて受信した解放要求メッセージの呼番号と保存してある方路分割呼の呼番号を比較することにより方路分割呼の応答メッセージであることを判別し、
    2つの方路より前記呼番号を有する解放要求メッセージを受信した時、端末に通知する解放要求メッセージを作成する、
    ことを特徴とする通信ノードにおける呼処理方法。
  8. 上り/下り両方向の申告帯域を含む呼接続要求を受付ける通信ノードの呼処理方法において、
    方路毎に上り方向及び下り方向の空き帯域を管理し、
    上り/下り両方向の申告帯域を含む呼接続要求があった時、上り申告帯域より大きな空き帯域を有する方路と下り申告帯域より大きな空き帯域を有する方路をそれぞれ独立に探索し、
    2つの方路を探索できれば、上り、下り方向毎に別方路で通信する呼(方路分割呼)として呼接続要求を受付け、
    上り方向及び下り方向毎に別方路で通信中に、上り方路あるいは下り方路に障害が発生した時、障害が発生した方路の接続を解放し、
    しかる後、解放した方路に割り当てた申告帯域以上の空き帯域を有する別の方路を探索し、
    探索できれば、再接続用の呼接続要求メッセージを作成して該別方路を介して発側ノードより着側ノードに送信し、
    着側ノードにおいて再接続用の呼接続要求メッセージを受信した時、該別方路と宛先端末間のパスを設定すると共に発側ノードに応答メッセージを送信し、
    発側ノードは応答メッセージの受信により発信元端末と前記別方路間のパスを設定する、
    ことを特徴とする通信ノードにおける呼処理方法。

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