JP3878349B2 - 強制燃焼器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、空気供給ファンより燃焼用空気が供給されて気化ガスを燃焼させる強制燃焼器の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の強制燃焼器の一例を図6、図7により説明する。図6において51はバーナで、仕切板52で仕切られた下部が混合管53、上部が噴出部54をなす。混合管53の上流端には、図7の詳細図で示す如く鉛直壁55を延設形成し、さらにその中央部適所に第一貫通孔56を穿設すると共に、鉛直壁55の上方に一次空気流入用の流入開口57を設けている。
【0003】
噴出部54の長辺両側には、二次空気を噴出する孔58を多数有する二次空気噴出板59が略鉛直姿勢に配設されている。60はバーナ51を収容する枠体で、その一部を構成する側壁61には、第一貫通孔56に内接し得るガイド62が形成された第二貫通孔63を穿設している。
【0004】
ガイド62は第一貫通孔56と第二貫通孔63とを容易且つ正しく連通させるための手ががりをなし、係る作用を利用して側壁61と鉛直壁55とをねじ止めし、さらに側壁61を枠体60の本体に固定している。そして枠体60の底壁には、一次空気、二次空気をバーナ51に強制的に供給する空気供給ファン64が垂下している。
【0005】
65は、ここではヒータ66を内蔵した気化器であり、その先端のノズル67は、位置ずれなく連通した第一貫通孔56、第二貫通孔63を挿通して、混合管53内に幾らか入り込んだ箇所に位置している。気化器65は油受68に配設された電磁ポンプ69と連通し、この油受68は結露したドレンを回収するドレン管70を介して混合管53と連通している。尚、71は枠体60に載置された熱交換器、72は点火プラグである。
【0006】
次に、係る構成における動作を説明する。運転スイッチをオンすると、まずヒータ66に通電して気化器65を加熱する。気化器65の温度が予め設定された所定温度に達すると、電磁ポンプ69に通電され、液体燃料は電磁ポンプ69により気化器65に圧送され加熱気化し、この気化ガスはノズル67より噴出する。このとき、空気供給ファン64から一次空気が流入開口57より混合管53に供給されるため、気化ガスは一次空気と混合され混合ガスとなり、この混合ガスが噴出部54を通過すると同時に点火プラグ72により着火され燃焼を開始する。
【0007】
燃焼を開始すると、火炎に対しては、二次空気噴出板59の孔58より空気供給ファン64からの二次空気が噴出して燃焼を促進させ火炎を短くするため、熱交換器71を小型化することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、強制燃焼器の場合には、燃焼に必要な空気は空気供給ファン64により取り入れられ、それぞれ一次空気、二次空気としてバーナ51に供給される。このとき一次空気は混合管53の側面にそって流入開口57に至るため、外気温度もしくは空気供給ファン64の雰囲気温度であり、気化ガスと一次空気が混合管で混合される場合に、一次空気温度が気化ガス温度と比較して低い温度であり、さらに混合管53内部の壁面の温度も低いために、特に着火初期において気化ガスが混合管53内で結露し、混合管53内壁に付着しドレンを発生させる。
【0009】
一方、二次空気噴出板59に穿設された孔58からは、火炎を短くするために二次空気を火炎に対して噴出するが、火炎からの輻射熱により二次空気噴出板59が熱変形するため、燃焼器の耐久性を確保することが難しかった。
【0010】
そこで、本発明はこのような現状に鑑み、空気供給ファンから供給される一次空気の温度を上昇させ混合管内のドレンの発生を防止し、二次空気噴出板の熱変形を防止することで耐久性の優れた強制燃焼器を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するために本発明は、上流端が気化ガスと一次空気を流入させる流入開口部をなす混合管と前記混合管と連設し多数の炎孔を穿設した火口部とから構成されるバーナと、空気噴出孔を多数有する二次空気噴出板を前記火口部の側方に配して形成された燃焼室と、前記バーナを収容する枠体に設けられた空気供給ファンと、前記燃焼室を囲繞するように形成された空気加熱室を備えると共に、前記混合管底部の長手方向に、空気供給ファンからの空気を前記空気加熱室に導入するための仕切板を鉛直立設し前記空気供給ファンからの空気により前記二次空気噴出板を冷却すると共に、前記流入開口部から流入される一次空気の温度を上昇させたことを特徴とする強制燃焼器に係わるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
係る構成とすれば、バーナの混合管底部の長手方向に空気供給ファンからの空気を空気加熱室に導入するための仕切板を鉛直立設したことにより、空気供給ファンからの空気は全て空気加熱室に供給される。そして供給された空気は、二次空気噴出板から噴出して燃焼を促進させ火炎を短くすることから熱交換器を小型化できる。さらに、この空気加熱室にて二次空気噴出板の背面から熱を奪うことにより温度上昇した空気は、混合管の流入開口部より一次空気として供給されるので、混合ガスの温度低下を抑制するため混合管内のドレンの発生を防止できる。また、二次空気噴出板を十分冷却する空気が確保されるので二次空気噴出板の熱変形を防止できる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付した図1から図5により説明する。図1は本発明の燃焼装置の構成図であり、1はバーナ、2は燃焼室、3は気化器、4はバーナ1と燃焼室2を収容する枠体で、この枠体4の底壁には、一次空気、二次空気をバーナ1に強制的に供給する空気供給ファン5を垂下している。また熱交換器6は燃焼室2上部に配置し、気化器3は油受7の上部に設けた電磁ポンプ8と送油パイプ9を介して連通している。
【0014】
次に、図2はバーナ1および気化器3の要部を示す断面図、図3は図2のA部断面図であり、図より、前記バーナ1は下部が混合管10、上部が火口部11からなり、混合管10の上流端には一次空気が流入するための流入開口部12を設けている。また、バーナ1上部の燃焼室2の長辺両側には二次空気を噴出する空気噴出孔13を多数有する二次空気噴出板14が略鉛直姿勢に配設されている。
【0015】
さらに、燃焼室2を囲繞するように空気加熱室15を配設し、前記空気供給ファン5と空気加熱室15及び混合管10の流入開口部12とを連通している。また、混合管10の流入開口部12側と空気供給ファン5側を仕切るために、混合管10底部の長手方向に鉛直立設する仕切板16を設けている。また、17は空気供給ファン5の空気により混合管10が冷却されることを防止するための混合管カバーである。
【0016】
尚、仕切板16は、空気供給ファン5から供給される空気が混合管カバー17の底部を通って流入開口部12に直接流入することを防止するためのもので、空気供給ファン5から供給される空気は、空気加熱室15を経由して二次空気噴出板14の空気噴出孔13及び流入開口部12に供給されることになる。また、図3より火口部11は整流板18、炎孔板19、火口網20から構成されている。
【0017】
気化器3は、ヒータ21を内蔵した気化筒22と、ソレノイド23により可動する弁杆24によって開閉するノズル25、及び気化器3の温度を検出するサーミスタ26から構成されている。また、27は火炎に流れる炎電流を検知することにより燃焼状態を監視するフレームロッド、28は気化器3で気化された気化ガスに点火するための点火ヒータである。
【0018】
さらに図4に示すように、枠体4の一部を構成する側壁には貫通孔29を穿設し、この貫通孔29に気化器3のノズル25を挿入して、混合管10の上流端の流入開口部12とノズル25位置を固定している。
【0019】
次に、係る構成における動作を説明する。運転スイッチをオンするとヒータ21に通電して気化器3を加熱すると同時に、点火ヒータ28に通電して前記点火ヒータ28の表面が気化ガスを点火するのに十分な温度になるまで加熱し赤熱させる。そして、気化器3のサーミスタ26によって検知された気化器3の温度が予め設定された所定温度に達すると電磁ポンプ8及びソレノイド23に通電される。
【0020】
電磁ポンプ8及びソレノイド23に通電されると、液体燃料は電磁ポンプ8により気化筒22に圧送され加熱気化し、この気化ガスはソレノイド23により可動する弁杆24によって開閉するノズル25より混合管10の流入開口部12に向かって勢いよく噴出する。
【0021】
一方、運転スイッチをオンすると同時に空気供給ファン5も始動し、図5に示した矢印方向に送風が開始される。ここで空気供給ファン5からの空気は、仕切板16により全て空気加熱室15に流入し、二次空気として二次空気噴出板14の空気噴出孔13から燃焼室2内に噴出するものと、空気加熱室15を通過して混合管10の上流端の流入開口部12から混合管10内に一次空気として流入するものに分離される。
【0022】
流入開口部12からの一次空気はノズル25より噴出された気化ガスと混合され混合ガスとなり、この混合ガスが火口部11を通過すると同時に赤熱した点火ヒータ28に触れ、瞬時に着火し燃焼を開始し、フレームロッド27が火炎を検知し、着火検出を行うと同時に点火ヒータ28への通電を停止する。
【0023】
ここで、燃焼が開始されると同時に、空気供給ファン5から混合管10の上流端の流入開口部12に供給される一次空気は、燃焼室2内の火炎により加熱された二次空気噴出板14の背面から熱を奪うことにより空気加熱室15内で温度上昇するため、この一次空気が気化ガスと混合する際に混合ガスの温度低下を抑制し、その結果、混合管10の内壁には気化ガスが結露したドレンは発生しなくなる。
【0024】
さらに、燃焼室2内の火炎に対しては、二次空気噴出板14の空気噴出孔13から二次空気が噴出して燃焼を促進させ火炎を短くすることから熱交換器6を小型化することができる。さらに、二次空気噴出板14は空気供給ファン5からの空気により十分冷却されるので、熱変形を防止できる。
【0025】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明の強制燃焼器は、バーナの混合管底部の長手方向に空気供給ファンからの空気を空気加熱室に導入するための仕切板を鉛直立設したことにより、空気供給ファンからの空気は全て空気加熱室に供給されると共に、この空気加熱室に供給された空気は燃焼室内の火炎により加熱された二次空気噴出板の背面から熱を奪うことにより温度上昇して二次空気噴出板から噴出し、さらに一次空気として混合管の流入開口部に供給される構成としたので、混合管内に温度上昇した一次空気を供給できることにより混合管内のドレンの発生を防止できことから、ドレンパイプが廃止でき部品点数が少なくなり組立も容易になる。
【0026】
また、仕切板により空気供給ファンからの空気が空気加熱室に十分供給されることにより、二次空気噴出板を十分冷却できるので二次空気噴出板の熱変形を防止でき、耐久性の優れた強制燃焼器となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の強制燃焼器を説明する構成図である。
【図2】本発明の実施例のバーナ及び気化器を説明する要部断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う部分の断面図である。
【図4】本発明の実施例のバーナを説明する要部斜視図である。
【図5】本発明の実施例の強制燃焼器の空気の流れを説明する説明図である。
【図6】従来の強制燃焼器を説明する構成図である。
【図7】従来の強制燃焼器を説明する要部詳細図である。
【符号の説明】
12 流入開口部
10 混合管
11 火口部
1 バーナ
13 空気噴出孔
14 二次空気噴出板
2 燃焼室
4 枠体
5 空気供給ファン
15 空気加熱室
16 仕切板
Claims (1)
- 上流端が気化ガスと一次空気を流入させる流入開口部をなす混合管と前記混合管と連設し多数の炎孔を穿設した火口部とから構成されるバーナと、空気噴出孔を多数有する二次空気噴出板を前記火口部の側方に配して形成された燃焼室と、前記バーナを収容する枠体に設けられた空気供給ファンと、前記燃焼室を囲繞するように形成された空気加熱室を備えると共に、前記混合管底部の長手方向に、空気供給ファンからの空気を前記空気加熱室に導入するための仕切板を鉛直立設し前記空気供給ファンからの空気により前記二次空気噴出板を冷却すると共に、前記流入開口部から流入される一次空気の温度を上昇させたことを特徴とする強制燃焼器。
Priority Applications (1)
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JP37499798A JP3878349B2 (ja) | 1998-12-09 | 1998-12-09 | 強制燃焼器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP37499798A JP3878349B2 (ja) | 1998-12-09 | 1998-12-09 | 強制燃焼器 |
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JP2000179810A JP2000179810A (ja) | 2000-06-27 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP37499798A Expired - Lifetime JP3878349B2 (ja) | 1998-12-09 | 1998-12-09 | 強制燃焼器 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (3)
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1998
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