JP3878228B2 - アップリケの刺繍データ作成方法 - Google Patents

アップリケの刺繍データ作成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、アップリケの刺繍構造と、その刺繍縫いのための刺繍データ作成方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図20に示すように、前明きタイプのユニフォーム上着50では、下前身頃51と上前身頃52とが一定の重ね代で重合及び離間する。これらの前身頃51,52にチーム名を表したアップリケを刺繍縫い付けするとき、アップリケの途中が下前身頃51と上前身頃52との重合部で分断される場合がある。このような場合には、下前身頃51と上前身頃52とが重合したときに、同様に一定の重ね代で重合して連続的な総合輪郭をなすように形成された、下側及び上側のアップリケ片53,54が使用される。
【0003】
図20及び図21に示した両アップリケ片53,54は、重合したときに「Angels」の連続文字(総合輪郭)を構成するものである。下側のアップリケ片53は「g」字内の右位置で終って、その終縁が重合縁55となっており、上側のアップリケ片54は「g」字内の左位置で終って、その終縁が重合縁56となっている。下側のアップリケ片53は下前身頃51に、上側のアップリケ片54は上前身頃52に各々配置され、自動制御式の刺繍ミシンによりサテンステッチ57で刺繍縫い付けされる。
【0004】
また、アップリケの縁取りを明確にしたり強調したりするために、アップリケ片53,54の色彩とサテンステッチ57の色彩とを変えたいことがある。例えば、アップリケ片53,54が青色のときに、サテンステッチ57を赤色にすること等である。しかし、もしこの例において、上側のアップリケ片54の重合縁56を赤色のサテンステッチで縫い付けると、両アップリケ片53,54が重合したときに、この赤色のサテンステッチが、青色のアップリケ片53,54の「g」字内を横切ることになるため、見栄えが悪くなる。
【0005】
そこで、従来は、図21及び図22に示すように、上側のアップリケ片54については、赤色のサテンステッチ57を上前身頃52の縁部に到達したときに終了させ、上前身頃52を自動制御式の刺繍ミシンから外した後、別の小型刺繍ミシンにセットし直して、重合縁56だけを青色のサテンステッチ58で縫い付けるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように、赤色のサテンステッチ57を上前身頃52の縁部に到達したときに終了させると、該サテンステッチ57の最終針落ち点59の糸端が上着50の使用時にほつれやすいという問題があった。
【0007】
また、アップリケ片54を上前身頃52に配置する際、左右に±2mm程度の配置誤差は避けられないため、アップリケ片54の重合縁56が上前身頃52の縁部より1〜2mmはみ出ることがある。その場合、サテンステッチ57の最終針落ち点59の糸端は、アップリケ片54にはかかっても、上前身頃52にはかからないため、アップリケ片54の止めが利かず、糸端もさらにほつれやすくなるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決し、アップリケ片の縁部が被加工地の縁部に略合致するように配置され、アップリケ片を被加工地に縫い付けるサテンステッチが被加工地の縁部の近傍で終了した場合でも、サテンステッチの糸端のほつれを防止できるとともに、アップリケ片の縁部が配置誤差により被加工地の縁部よりはみ出た場合でも、アップリケ片の止めが利くアップリケの刺繍構造及び刺繍データ作成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らが検討したアップリケの刺繍構造は、上前身頃と、下前身頃に重合する重合縁が上前身頃の縁部に略合致するように上前身頃に配置されたアップリケ片と、アップリケ片を上前身頃に縫い付けるためのサテンステッチとを備え、前記サテンステッチは、重合縁を縫い付ける、糸の色彩がアップリケ片の色彩と略同一であるサテンステッチと、重合縁以外を縫い付ける、糸の色彩がアップリケ片の色彩とは相異するサテンステッチとを含み、従ってこれらの糸間は不連続であり、前記重合縁以外を縫い付けるサテンステッチは、上前身頃の非縁部から縁部へ向かって生成された順ステッチ部と、前記順ステッチ部の生成端から上前身頃の非縁部へ返すように少なくとも4針生成されて終了した返しステッチ部とを含むことにより、前記糸間の不連続にも拘わらず、返しステッチ部の終了点の糸端がほつれないようにするとともに、重合縁が配置誤差によって上前身頃の縁部からはみ出した場合でも、返しステッチ部の終了点の糸端をアップリケ片のみならず上前身頃にもかかるようにして、アップリケ片の止めが利くようにしたことを特徴とする。返しステッチ部の生成針目数は、好ましくは6針以上であり、さらに好ましくは10針以上である。
【0010】
順ステッチ部の態様としては、(1)上前身頃の非縁部から縁部に到達するまで略一定のピッチで生成された態様、(2)上前身頃の非縁部では略一定のピッチで生成され、上前身頃の縁部の手前から縁部まではジャンプステッチで生成された態様、(3)上前身頃の非縁部では略一定のピッチで生成され、上前身頃の縁部の手前から縁部まではより粗なるピッチで生成された態様、等を例示できる。
【0011】
また、返しステッチ部の最後ステッチの生成端から該最後ステッチにステッチ長の短い縫い止めステッチが重ね縫いされ、該最後ステッチの途中で該縫い止めステッチが終了することが好ましい。
【0012】
そして、本発明のアップリケの刺繍データ作成方法は、下前身頃に重合する重合縁が上前身頃の縁部に略合致するように上前身頃に配置されるアップリケ片の輪郭データを入力する工程と、前記輪郭データに沿った内周データ及び外周データを作成する工程と、前記内周データ及び外周データからアップリケ片を上前身頃に縫い付けるためのサテンステッチデータを作成する工程とを含み、前記サテンステッチデータを作成する工程においては、重合縁を縫い付けるサテンステッチの糸と、重合縁以外を縫い付けるサテンステッチの糸とを切替えるための糸替えデータを作成し、従ってこれらの糸間は不連続になるとともに、前記重合縁以外を縫い付けるサテンステッチデータを作成する工程においては、上前身頃の非縁部から縁部へ向かって生成される順ステッチ部のデータと、前記順ステッチ部の最終ステッチである生成端から上前身頃の非縁部へ返すようにサテンステッチで少なくとも4針生成されて終了する返しステッチ部のデータとを作成することにより、前記糸間の不連続にも拘わらず、順ステッチ部の終了点の糸端がほつれないようにするとともに、重合縁が配置誤差によって上前身頃の縁部からはみ出した場合でも、返しステッチ部の終了点の糸端をアップリケ片のみならず上前身頃にもかかるようにすることを特徴とする。返しステッチ部の生成針目数は、好ましくは6針以上であり、さらに好ましくは10針以上である。
【0013】
サテンステッチデータを作成する工程において、順ステッチ部のデータの態様としては、(1)上前身頃の非縁部から縁部に到達するまで略一定のピッチで作成される態様、(2)上前身頃の非縁部では略一定のピッチで作成され、上前身頃の縁部の手前から縁部まではジャンプステッチのデータで作成される態様、(3)上前身頃の非縁部では略一定のピッチで作成され、上前身頃の縁部の手前から縁部まではより粗なるピッチで作成される態様、等を例示できる。
【0014】
また、サテンステッチデータを作成する工程において、返しステッチ部の最後ステッチの生成端から最後ステッチに重ね縫いされて最後ステッチの途中で終了するステッチ長の短い縫い止めステッチのデータが作成されることが好ましい。
【0015】
なお、本発明でいう被加工地及びアップリケ片の素材は、一般的な布地のみならず、革、樹脂シート、複合シート等も含む。
【0016】
【作用】
本発明のアップリケの刺繍データ作成方法によれば、アップリケ片の重合縁が上前身頃の縁部に略合致するように配置され、アップリケ片を上前身頃に縫い付けるサテンステッチが上前身頃の縁部の近傍で終了した場合でも、サテンステッチは、上前身頃の縁部すなわち順ステッチ部の生成端で終了するのではなく、順ステッチ部の生成端から上前身頃の非縁部へ返すように生成された返しステッチ部で終了するので、その終了点の糸端がほつれにくい。また、アップリケ片の縁部が配置誤差によって上前身頃の縁部からはみ出した場合でも、返しステッチ部は少なくとも4針生成されるので、該返しステッチの終了点の糸端は、アップリケ片のみならず上前身頃にもかかるようにでき、アップリケ片の止めが利く。
【0017】
サテンステッチの順ステッチ部が、上前身頃の非縁部から縁部に到達するまで略一定のピッチで生成された場合には、この順ステッチ部に重なって生成される返しステッチ部が盛り上がり、総針目数も多くなる。しかし、総針目数が多いので、アップリケ片の縁部の縫い付け力は強くなる。
【0018】
サテンステッチの順ステッチ部が、上前身頃の非縁部では略一定のピッチで生成され、上前身頃の縁部の手前から縁部まではジャンプステッチで生成された場合には、このジャンプステッチに重なって生成される返しステッチ部がほとんど盛り上がらず、見栄えが良くなり、総針目数も少なくて済む。
【0019】
サテンステッチの順ステッチ部が、上前身頃の非縁部では略一定のピッチで生成され、上前身頃の縁部の手前から縁部まではより粗なるピッチで生成された場合には、この粗なるピッチの順ステッチ部に重なって生成される返しステッチ部がほとんど盛り上がらず、見栄えが良くなり、総針目数も少なくて済む。
【0020】
サテンステッチの返しステッチ部の最後ステッチの生成端から該最後ステッチにステッチ長の短い縫い止めステッチが重ね縫いされ、該最後ステッチの途中で該縫い止めステッチが終了した場合には、該返しステッチ部の最後ステッチが縫い止めステッチによって上前身頃に強く止められ、糸端がさらにほつれにくくなるとともに、最終針落ち点が隠されて目立たなくなる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例について、図1〜図19を参照して説明する。まず、この実施例に使用する装置について、図1を参照して説明する。切断データ及び刺繍データの作成装置の中心は制御装置1であり、CPU、ROM、RAM、接続用バス、入出力インターフェイス等からなるマイクロコンピュータが使用されている。この制御装置1には、入力装置としてキーボード3、マウス29、デジタイザ2及びイメージ・スキャナ9が接続されている。制御装置1の入力モードをキーボード3で切替えることにより、デジタイザ2とイメージ・スキャナ9は選択的に使用される。また、制御装置1には、表示装置としてディスプレイ4が接続され、印刷装置としてX−Yプロッタ5が接続され、外部記憶装置としてフロッピーディスク装置6とテープパンチャ7とが接続されている。
【0022】
なお、前記データ作成装置の構成は一例に過ぎず、例えば外部記憶装置として、ハードディスク装置(リムーバブル式を含む。)、磁気テープ装置、磁気カード装置、光磁気ディスク装置、光ディスク装置、ICカード装置等を使用することもできる。
【0023】
10はアップリケ片を切断するカット機で、生地をセットする盤面11と、X−Y方向に駆動されると共に必要に応じてZ軸方向に往復駆動されるヒートカッタ12と、操作キー13と、入力装置としてのフロッピーディスク装置14とを備えている。このフロッピーディスク装置14には、前記フロッピーディスク装置6で切断データの記録されたフロッピーディスクFD1が挿入される。
【0024】
なお、ヒートカッタ以外にも、例えばカット刃、レーザ切断装置、液体ジェット切断装置等を使用することもできる。また、前記データ作成装置にフロッピーディスク装置以外の前記外部記憶装置を使用する場合には、それに対応する外部記憶装置をカット機にも使用する。また、前記データ作成装置とカット機10とを伝送ケーブル又は無線伝送装置で接続し、データ作成装置で作成された切断データをカット機10に直接伝送することもできる。
【0025】
20はアップリケ片を被加工地に刺繍縫い付けする刺繍ミシンで、上糸が通された針を上下駆動する複数頭の刺繍ヘッド21と、釜及び下糸ボビンが内蔵されたベッド22と、下前身頃36又は上前身頃37を展張する刺繍枠24と、該刺繍枠24の駆動装置(図示略)等とを備え、キャスタ26付きで移動可能な台車27にはテーブル28上に配置可能なミシン制御装置30が支持されている。このミシン制御装置30は、制御盤31、キーボード32、ディスプレイ33、制御盤31に内蔵された入力装置としてのフロッピーディスク装置34等を備えている。このフロッピーディスク装置34には、前記フロッピーディスク装置6で刺繍データの記録されたフロッピーディスクFD2が挿入される。
【0026】
なお、前記データ作成装置にフロッピーディスク装置以外の前記外部記憶装置を使用する場合には、それに対応する外部記憶装置をミシン制御装置30にも使用する。また、前記データ作成装置とミシン制御装置30とを伝送ケーブル又は無線伝送装置で接続し、データ作成装置で作成された刺繍データをミシン制御装置30に直接伝送することもできる。
【0027】
この実施例では、図14に示すように、重合したときに「Angels」の連続文字(総合輪郭)を構成する下側及び上側のアップリケ片16,17を生地から切断するための切断データと、各アップリケ片16,17を、ユニフォーム上着35の下前身頃36及び上前身頃37に各々刺繍縫い付けするための刺繍データとを作成する。前記従来例と同じく、下前身頃36と上前身頃37とは一定の重ね代で重合及び離間し、その重合時には、両アップリケ片16,17も同様に一定の重ね代で重合する。また、図13に示すように、下側のアップリケ片16は「g」字内の右位置で終って、その終縁が重合縁18となっており、上側のアップリケ片17は「g」字内の左位置で終って、その終縁が重合縁19となっている。これらの切断データ及び刺繍データの作成方法は、図2に示すような手順で進行する。図2における矢印付き点線はデータの流れを示している。以下、この手順を詳述する。
【0028】
(1)アップリケ片の輪郭データの作成
▲1▼ 図3(a)に示すように、前記デジタイザ2のボード面に「Angels」の総合輪郭を描いた型紙8を貼り付ける。この総合輪郭の複数の要点R(その一部のみを図示する。)をボタン・カーソル,スタイラス・ペン等のポインティング・デバイス47でピックアップすることにより、総合輪郭データDtを入力する。図3(b)に示すように、ディスプレイ4には、順にピックアップした点と点の間が線で結ばれて表示される。なお、最初にピックアップする要点Rsはどこでもよい(同図では左端とした)。ディスプレイ4に表示された輪郭は、マウス29により修正したり、後述する切断データや刺繍データの開始点を指示したりすることができる。
【0029】
なお、前記デジタイザ2に代えてイメージ・スキャナ9を使用する場合には、イメージ・スキャナ9で型紙8の輪郭を直接読み込み、読み込んだ輪郭をディスプレイ4に表示して、上記のようにマウス29により修正したり指示したりすればよい。
【0030】
▲2▼ 続いて、下側のアップリケ片16の重合縁を表わす重合縁データDa(「g」字内の右位置)と、上側のアップリケ片17の重合縁を表わす重合縁データDb(「g」字内の左位置)とを、前記ポインティング・デバイス47でピックアップすることにより入力する。
【0031】
▲3▼ 制御装置1は、前記総合輪郭データDtを重合縁データDaで切り取って、下側のアップリケ片16の輪郭データD1aを自動的に作成し、また、総合輪郭データDtを重合縁データDbで切り取って、上側のアップリケ片17の輪郭データD1bを自動的に作成する。
【0032】
(2)切断データの自動作成
制御装置1は、前記各輪郭データD1a,D1bから、図4に示すような、下側及び上側のアップリケ片16,17の各切断データD2a,D2bを自動的に作成する。各切断データD2a,D2bはフロッピーディスク装置6によりフロッピーディスクFD1に記録される。
【0033】
(3)刺繍データの自動作成
▲1▼ 次に、制御装置1は、前記各輪郭データD1a,D1bから、図5に示すような、各アップリケ片16,17の配置に必要な位置決め用仮縫いデータD3a,D3bを自動的に作成する。また、制御装置1は、各位置決め用仮縫いデータD3a,D3bの開始点Sa,Sbを、各重合縁データDa,Dbとの交点(上側の交点でも下側の交点でもよい。)に自動設定する。各位置決め用仮縫いデータD3a,D3b(開始点Sa,Sbのデータを含む。以下同じ。)はフロッピーディスク装置6によりフロッピーディスクFD2に記録される。
【0034】
▲2▼ 次に、制御装置1は、前記各輪郭データD1a,D1bから、図6に示すような、各輪郭データD1a,D1bの内側に沿った内周データD4a,D4bを自動作成する。
【0035】
▲3▼ 次に、制御装置1は、前記各輪郭データD1a,D1bと内周データD4a,D4bとから、図7に示すような、各アップリケ片16,17の止め縫いに必要な止め縫いデータD5a,D5bを自動作成する。止め縫いデータD5a,D5bとしてこの実施例では、縁部以外については、予めキーボート3から制御装置1に入力したEステッチの縫い込み方向及び縫い込みから次の縫い込みまでの縫目数に基づいてEステッチデータが作成され、縁部については、歩きステッチデータが作成される。また、止め縫いデータはEステッチや歩きステッチに限定されず、例えば図8に示すような別種類のステッチによる止め縫いデータD5a等を作成することも可能である。各止め縫いデータD5a,D5bはフロッピーディスク装置6によりフロッピーディスクFD2に記録される。
【0036】
▲4▼ 次に、制御装置1は、前記各輪郭データD1a,D1bから、図9に示すような、各輪郭データD1a,D1bの外側に沿った外周データD6a,D6bを自動作成する。
【0037】
▲5▼ 次に、制御装置1は、前記内周データD4a,D4bと外周データD6a,D6bとの間をジグザクに結んで、図10の(a)(b)に示すような、各アップリケ片16,17の刺繍縫い付けに必要なサテンステッチデータD7a,D7bを作成する。また、制御装置1は、上側のアップリケ片17の重合縁19を縫い付けるサテンステッチ40xの糸と、該アップリケ片17の残部を縫い付けるサテンステッチ40bの糸とを切替えるための糸替えデータ(図示略)を作成する。各サテンステッチデータD7a,D7b(糸替えデータを含む。以下同じ。)はフロッピーディスク装置6によりフロッピーディスクFD2に記録される。
【0038】
ここで、サテンステッチデータD7bを作成する際に、その終了部にはほつれ止め処理としての返しステッチ部のデータが作成され、さらに、返しステッチ部の最後ステッチには縫い止めステッチのデータが作成される。これらの返しステッチ部及び縫い止めステッチの各データの一つ一つは、実際の返しステッチ部及び縫い止めステッチの一つ一つに対応しているので、実際の返しステッチ部及び縫い止めステッチを示す図15〜図19を援用して、以下に説明する。
【0039】
図15〜図17は、図13のXV〜XVII矢示部における三種類の態様の拡大図であり、赤色のサテンステッチ40bは上前身頃37の縁部の近傍で終了する。このサテンステッチ40bは、上前身頃37の非縁部から縁部へ向かって生成された順ステッチ部401と、順ステッチ部401の生成端から上前身頃37の非縁部へ返すように9針乃至15針生成されて終了した返しステッチ部402とを含んでいる。これらの順ステッチ部401及び返しステッチ部402を生成するための各データは、サテンステッチデータD7bを作成する際に自動的に作成され、各データのピッチは以下の各態様における順ステッチ部401及び返しステッチ部402のピッチと当然に対応し同一である。
【0040】
さらに詳述すると、図15は、順ステッチ部401が、上前身頃37の非縁部から縁部に到達するまで略一定のピッチで生成された第一態様を示している。同図におけるS1を第1針落ち点とすると、この第1針落ち点S1からS付数字の順で第20針落ち点S20までが略一定ピッチの順ステッチ部401の一部であり、第20針落ち点S20から第35針落ち点S35までが略一定ピッチの返しステッチ部402(15針)である。
【0041】
図16は、順ステッチ部401が、上前身頃37の非縁部では略一定のピッチで生成され、上前身頃37の縁部の手前から縁部までは1針のジャンプステッチ403で生成された第二態様を示している。同図におけるS1を第1針落ち点とすると、この第1針落ち点S1からS付数字の順で第9針落ち点S9までが順ステッチ部401の略一定ピッチ部分であり、第9針落ち点S9から第10針落ち点S10までが順ステッチ部401のジャンプステッチ403であり、第10針落ち点S10から第25針落ち点S25までが略一定ピッチの返しステッチ部402(15針)である。
【0042】
図17は、順ステッチ部401が、上前身頃37の非縁部では略一定のピッチで生成され、上前身頃37の縁部の手前から縁部まではより粗なるピッチで生成された第三態様を示しており、返しステッチ部402も粗なるピッチで生成されている。同図におけるS1を第1針落ち点とすると、この第1針落ち点S1からS付数字の順で第9針落ち点S9までが順ステッチ部401の略一定ピッチ部分であり、第9針落ち点S9から第14針落ち点S14までが順ステッチ部401の粗ピッチ部分であり、第14針落ち点S14から第23針落ち点S23までが粗ピッチの返しステッチ部402(9針)である。
【0043】
ところで、アップリケ片17の重合縁19は、上前身頃37の縁部に完全に一致するように配置されるのが理想である。しかし、現実には配置誤差によって、上前身頃37の縁部から1〜2mm(アップリケ片の誤差や伸びで4mm位のときもある)はみ出したり、上前身頃37の縁部から非縁部へ1〜2mm奥まったりする。また、サテンステッチ40bの生成位置は、上前身頃37の位置を基準とするのではなく、アップリケ片17の位置を基準とする。つまり、返しステッチ部402は、上前身頃37の縁部から開始するのではなく、アップリケ片17の重合縁19から開始する。
【0044】
従って、図15〜図17に示すように、アップリケ片17の重合縁19が上前身頃37の縁部からはみ出した場合、もしこのアップリケ片17のはみ出した部分で返しステッチ部402が終了すると、その終了点の糸端はアップリケ片17にはかかっても、上前身頃37にはかからないことになり、アップリケ片17の止めが利かない。
【0045】
そこで、本実施例では、返しステッチ部402を9針乃至15針生成することにより、返しステッチ部402が、アップリケ片17のはみ出した部分で終了するのではなく、はみ出した部分より非縁部側で終了するようにし、もってその終了点の糸端をアップリケ片17のみならず上前身頃37にもかかるようにして、アップリケ片17の止めが利くようにしている。なお、返しステッチ部402の針目数はピッチに左右され、粗なるピッチのときにはより少なくてもよい。
【0046】
さらに、上記の第一〜第三態様のいずれにおいても、返しステッチ部402の最後ステッチ402ωには、該最後ステッチ402ωの生成端(第一態様では第35針落ち点S35、第二態様では第25針落ち点S25、第三態様では第23針落ち点S23)から、最後ステッチ402ωを四等分する三つの針落ち点(第一態様ではS36〜S38、第二態様ではS26〜S28、第三態様ではS24〜S26)に歩く、ステッチ長の短い縫い止めステッチ404が重ね縫いされ、最後ステッチ402ωの途中すなわち最終針落ち点(第一態様ではS38、第二態様ではS28、第三態様ではS26)で縫い止めステッチ404は終了している。この縫い止めステッチ404のデータは、サテンステッチデータD7bを作成する際に自動的に作成され、このデータに基づいて縫い止めステッチ404が作成される。
【0047】
図18及び図19は、縫い止めステッチ404の別の態様を示している。また、これらの態様では、順ステッチ部(図示略)が上前身頃37の縁部に対して直角に向かって生成され、返しステッチ部402も直角に返すように生成されている。図18の縫い止めステッチ404は、返しステッチ部402の最後ステッチ402ωの生成端を第1針落ち点S1とすると、この第1針落ち点S1から最後ステッチ402ωを四等分する三つの針落ち点S2〜S4を歩いて重ね縫いされた後、この針落ち点S4から両針落ち点S1,S2の中間の針落ち点S5に戻って終了する。図19の縫い止めステッチ404は、同じく最後ステッチ402ωの生成端を第1針落ち点S1とすると、この第1針落ち点S1から針落ち点S3より下の針落ち点S2に飛んだ後、三つの針落ち点S3〜S5を歩いて重ね縫いされて終了する。これらの縫い止めステッチ404のデータも、サテンステッチデータD7bを作成する際に自動的に作成され、このデータに基づいて縫い止めステッチ404が作成される。
【0048】
なお、図15〜図17のいずれの態様を採用するか、あるいは、図18,図19のいずれの態様を採用するかは、それぞれキーボード3から制御装置1に指示する。
【0049】
以上により、切断データD2a,D2bが記録されたフロッピーディスクFD1と、位置決め用仮縫いデータD3a,D3b、止め縫いデータD5a,D5b及びサテンステッチデータD7a,D7bの三つの刺繍データが記録されたフロッピーディスクFD2とが作成される。このフロッピーディスクFD1,FD2のデータと前記装置とを使用し、次のようにしてアップリケが形成される。
【0050】
(A)アップリケ片の切断
図1に示すように、カット機10の盤面11にアップリケ片の生地15をセットし、フロッピーディスク装置14にフロッピーディスクFD1を挿入して、カット機10を作動させると、切断データD2a,D2bに基づいてヒートカッタ12が生地15に接触しX−Y方向に駆動されるため、切断データD2a,D2bに基づいたアップリケ片16,17が熱溶断される。なお、図1では下側のアップリケ片16のみを示す。
【0051】
(B)アップリケ片の刺繍縫い付け
▲1▼ 図1に示すように、刺繍ミシン20の刺繍枠24に下前身頃36(又は上前身頃37)を展張し、フロッピーディスク装置34にフロッピーディスクFD2を挿入して、刺繍ミシン20を作動させると、まず、位置決め用仮縫いデータD3a,3bに基づいて刺繍ヘッド21の針、ベッド22の釜、刺繍枠24等が駆動されるため、図11に示すように、下前身頃36に仮縫いステッチ45aが、上前身頃37に仮縫いステッチ45bが、各々歩き縫いによって生成される。
【0052】
このとき、各位置決め用仮縫いデータD3a,D3bに含まれた開始点Sa,Sbのデータにより、各仮縫いステッチ45a,45bの開始点45as,45bsが各々前身頃36,37の重合縁(ユニフォーム上着35の場合は前立て36f,37fがあるので、その縁)にくるので、この開始点45as,45bsを刺繍ミシン20の針位置に合わせやすい。もし、この開始点が重合縁から離れると、針位置に合わせにくくなる。
【0053】
▲2▼ 各仮縫いステッチ45a,45bに沿って、各前身頃36,37に各々アップリケ片16,17を粘着剤等で貼り付ける。
【0054】
▲3▼ 再び刺繍ミシン20を作動させると、止め縫いデータD5a,D5bに基づいて刺繍ヘッド21の針、ベッド22の釜、刺繍枠24等が駆動されるため、図12に示すように、止め縫いステッチ46a,46bが形成され、これによりアップリケ片16が下前身頃36に、アップリケ片17が上前身頃37に、各々止め縫いされる。
【0055】
▲4▼ 続いて刺繍ミシン20を作動させると、サテンステッチデータD7a,D7bに基づいて刺繍ヘッド21の針、ベッド22の釜、刺繍枠24等が駆動されるため、図13に示すように、下側のアップリケ片16にはサテンステッチ40aが形成され、これによりアップリケ片16が下前身頃36に刺繍縫い付けされる。また、上側のアップリケ片17には、まず重合縁19にサテンステッチ40xが形成された後、重合縁19以外の部分にサテンステッチ40bが形成され、これによりアップリケ片17が上前身頃37に刺繍縫い付けされる。
【0056】
ここで、サテンステッチ40a,40bの糸は、その色彩とアップリケ片16,17の色彩とが相異するように選ばれる。例えば、アップリケ片16,17が青色のときに、サテンステッチ40a,40bには赤色の糸が使用される。しかし、重合時に「g」字内を横切ることになる上側のアップリケ片17の重合縁19のサテンステッチ40xについては、サテンステッチデータD7a,D7bに含まれた糸替えデータにより、アップリケ片16,17の色彩と略同一の青色の糸に切替えられる。よって、このサテンステッチ40xがアップリケの見栄えを悪くすることはない。このように、この実施例では、糸替えデータにより糸を切替えて、重合縁19とそれ以外の部分(非縁部)とを同じ刺繍ミシン20で連続的に縫い付けることができ、加工効率を高めることができる。
【0057】
そして、赤色のサテンステッチ40bは、前述した通り、図15〜図17に示す第一〜第三態様で生成され、いずれの態様においても、サテンステッチ40bは、上前身頃37の縁部すなわち順ステッチ部401の生成端で終了するのではなく、順ステッチ部401の生成端から上前身頃37の非縁部へ返すように生成された返しステッチ部402で終了するので、その終了点の糸端がほつれにくい。また、アップリケ片17の重合縁19が配置誤差によって上前身頃37の縁部からはみ出した場合でも、返しステッチ部402を9針乃至15針生成することにより、返しステッチ部402の終了点の糸端をアップリケ片17のみならず上前身頃37にもかかるようにしたので、アップリケ片17の止めが利く。
【0058】
さらに、図15の第一態様によれば、返しステッチ部402が略一定ピッチの順ステッチ部401と重なるので盛り上がり、総針目数も多くなる。しかし、総針目数が多いので、縫い付け力は強くなる。
【0059】
また、図16の第二態様によれば、返しステッチ部402が順ステッチ部401のジャンプステッチ430に重なるのでほとんど盛り上がらず、見栄えが良くなり、総針目数も少なくて済む。
【0060】
また、図17の第三態様によれば、返しステッチ部402が順ステッチ部401の粗ピッチ部分に重なるのでほとんど盛り上がらず、見栄えが良くなり、総針目数も少なくて済む。
【0061】
また、上記の第一〜第三態様のいずれにおいても、返しステッチ部402の最後ステッチ402ωには、ステッチ長の短い縫い止めステッチ404が重ね縫いされ、最後ステッチ402ωの途中すなわち最終針落ち点で縫い止めステッチ404は終了しているので、最後ステッチ402ωが縫い止めステッチ404によって上前身頃37に強く止められ、糸端がさらにほつれにくくなるとともに、針落ち点が隠されて目立たなくなる。
【0062】
さらに、図18及び図19に示す縫い止めステッチ404の変更例は、最後ステッチ402ωを往復するように重ね縫いされるので、ほつれ止め効果が高く、特に図19の変更例は、縫い止めステッチ404の一部が縫い止めステッチ404の他部を押さえて浮きを防止する。
【0063】
なお、本発明は、ユニフォーム上着のアップリケ以外にも、アップリケ片の縁部が被加工地の縁部に略合致するように配置される各種アップリケにおいて具体化することができる。さらに、本発明は前記実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化できる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1記載のアップリケの刺繍データ作成方法によれば、アップリケ片の重合縁が上前身頃の縁部に略合致するように配置され、アップリケ片を上前身頃に縫い付けるサテンステッチが上前身頃の縁部の近傍で終了した場合でも、サテンステッチの糸端のほつれを防止できるとともに、アップリケ片の縁部が配置誤差により上前身頃の縁部からはみ出た場合でも、アップリケ片の止めが利くという優れた効果を奏する。
【0065】
上記効果に加え、請求項2記載のアップリケの刺繍データ作成方法によれば、アップリケ片の縁部の縫い付け力が強くなる。
【0066】
また、請求項3及び4記載のアップリケの刺繍データ作成方法によれば、返しステッチ部がほとんど盛り上がらず、見栄えが良くなり、総針目数も少なくて済む。
【0067】
また、請求項5記載のアップリケの刺繍データ作成方法によれば、サテンステッチの糸端がさらにほつれにくくなるとともに、最終針落ち点が隠されて目立たなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用する装置の全体構成図である。
【図2】本実施例の切断データ及び刺繍データの作成方法を示すフローチャート図である。
【図3】(a)は総合輪郭データ及び重合縁データの入力工程を示す説明図、(b)はそのときのディスプレイ表示を示す正面図である。
【図4】作成された切断データを示す説明図である。
【図5】作成された位置決め用仮縫いデータの説明図である。
【図6】作成された内周データを示す説明図である。
【図7】作成された止め縫いデータを示す説明図である。
【図8】止め縫いデータの別例を示す説明図である。
【図9】作成された外周データの説明図である。
【図10】(a)は作成されたサテンステッチデータの説明図、(b)は同データの部分拡大図である。
【図11】仮縫いステッチを形成した下前身頃及び上前身頃の部分正面図である。
【図12】止め縫いステッチによりアップリケ片を止め縫いした下前身頃及び上前身頃の部分正面図である。
【図13】サテンステッチによりアップリケ片を刺繍縫い付けした下前身頃及び上前身頃の部分正面図である。
【図14】同アップリケを備えたユニフォーム上着の正面図である。
【図15】図13のXV〜XVII矢示部における第一態様の拡大正面図である。
【図16】図13のXV〜XVII矢示部における第二態様の拡大正面図である。
【図17】図13のXV〜XVII矢示部における第三態様の拡大正面図である。
【図18】縫い止めステッチの変更例を示す拡大正面図である。
【図19】縫い止めステッチの別の変更例を示す拡大正面図である。
【図20】従来構造のアップリケを備えたユニフォーム上着の正面図である。
【図21】同アップリケの部分正面図である。
【図22】図21のXXII矢示部における拡大正面図である。
【符号の説明】
16 下側のアップリケ片
17 上側のアップリケ片
18 下側のアップリケ片の重合縁
19 上側のアップリケ片の重合縁
35 ユニフォーム上着
36 下前身頃
37 上前身頃
40a 下側のアップリケ片のサテンステッチ
40b 上側のアップリケ片のサテンステッチ
40x 上側のアップリケ片の重合縁のサテンステッチ
401 順ステッチ部
402 返しステッチ部
402ω 最後ステッチ
403 ジャンプステッチ
404 縫い止めステッチ
Dt 総合輪郭データ
Da 下側のアップリケ片の重合縁データ
Db 上側のアップリケ片の重合縁データ
D1a,D1b 輪郭データ
D2a,D2b 切断データ
D3a,D3b 位置決め用仮縫いデータ
D4a,D4b 内周データ
D5a,D5b 止め縫いデータ
D6a,D6b 外周データ
D7a,D7b サテンステッチデータ

Claims (5)

  1. 下前身頃(36)に重合する重合縁(19)が上前身頃(37)の縁部に略合致するように上前身頃(37)に配置されるアップリケ片(17)の輪郭データ(D1b)を入力する工程と、前記輪郭データ(D1b)に沿った内周データ(D4b)及び外周データ(D6b)を作成する工程と、前記内周データ(D4b)及び外周データ(D6b)からアップリケ片(17)を上前身頃(37)に縫い付けるためのサテンステッチデータ(D7b)を作成する工程とを含み、
    前記サテンステッチデータ(D7b)を作成する工程においては、重合縁(19)を縫い付けるサテンステッチ(40x)の糸と、重合縁(19)以外を縫い付けるサテンステッチ(40b)の糸とを切替えるための糸替えデータを作成し、従ってこれらの糸間は不連続になるとともに、
    前記重合縁(19)以外を縫い付けるサテンステッチデータ(D7b)を作成する工程においては、上前身頃(37)の非縁部から縁部へ向かって生成される順ステッチ部(401)のデータと、前記順ステッチ部(401)の最終ステッチである生成端から上前身頃(37)の非縁部へ返すようにサテンステッチで少なくとも4針生成されて終了する返しステッチ部(402)のデータとを作成することにより、前記糸間の不連続にも拘わらず、順ステッチ部(401)の終了点の糸端がほつれないようにするとともに、重合縁(19)が配置誤差によって上前身頃(37)の縁部からはみ出した場合でも、返しステッチ部(402)の終了点の糸端をアップリケ片(17)のみならず上前身頃(37)にもかかるようにすることを特徴とするアップリケの刺繍データ作成方法。
  2. 前記サテンステッチデータを作成する工程において、前記順ステッチ部のデータは、上前身頃の非縁部から縁部に到達するまで略一定のピッチで作成される請求項記載のアップリケの刺繍データ作成方法。
  3. 前記サテンステッチデータを作成する工程において、前記順ステッチ部のデータは、上前身頃の非縁部では略一定のピッチで作成され、上前身頃の縁部の手前から縁部まではジャンプステッチのデータで作成される請求項記載のアップリケの刺繍データ作成方法。
  4. 前記サテンステッチデータを作成する工程において、前記順ステッチ部のデータは、上前身頃の非縁部では略一定のピッチで作成され、上前身頃の縁部の手前から縁部まではより粗なるピッチで作成される請求項記載のアップリケの刺繍データ作成方法。
  5. 前記サテンステッチデータを作成する工程において、前記返しステッチ部の最後ステッチの生成端から該最後ステッチに重ね縫いされて該最後ステッチの途中で終了するステッチ長の短い縫い止めステッチのデータが作成される請求項1、2、3又は4記載のアップリケの刺繍データ作成方法。
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