JP3499607B2 - 刺繍データ作成方法 - Google Patents

刺繍データ作成方法

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JP3499607B2
JP3499607B2 JP24847094A JP24847094A JP3499607B2 JP 3499607 B2 JP3499607 B2 JP 3499607B2 JP 24847094 A JP24847094 A JP 24847094A JP 24847094 A JP24847094 A JP 24847094A JP 3499607 B2 JP3499607 B2 JP 3499607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サテンステッチと該サ
テンステッチの縁に沿う縁飾り縫いとを形成するために
必要な刺繍データの作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アップリケ用データは、次のよう
な手順(場合によってはさらにを含む)で作成
していた。 刺繍データ作成装置のデジタイザにアップリケ用布
片の型紙を貼り付け、この型紙の輪郭上の多数の点をボ
タン・カーソル等のポインティング・デバイスでピック
アップして輪郭データを入力し、この輪郭データから布
地へのアップリケ用布片の配置に必要な位置決め用仮縫
いデータを作成する。 続いて、前記型紙の輪郭上の多数の点を繰り返しピ
ックアップして輪郭データを再度入力し、この輪郭デー
タから布地へのアップリケ用布片の止め縫いに必要な止
め縫いデータを作成する。 次に、前記型紙の輪郭の内側に沿う内周線上の多数
の点と外側に沿う外周線上の多数の点とを交互にピック
アップして内周データと外周データとを入力し、この内
周データ及び外周データから布地へのアップリケ用布片
の刺繍縫い付けに必要なサテンステッチデータを作成す
る。
【0003】 また、前記サテンステッチの縁を装飾
して見栄えを良くしたり高級感を増したりするために、
該縁に沿って縁飾り縫いを行うことがある。この縁飾り
縫いに必要な縁飾り縫いデータもまた、前記型紙の輪郭
上の多数の点を繰り返しピックアップして輪郭データを
再々度入力し、この輪郭データから作成する。
【0004】さらに、前記アップリケ用布片を原布から
所定形状に切断するために必要な切断データは、前記刺
繍データ(仮縫いデータ、止め縫いデータ、サテンステ
ッチデータ及び縁飾り縫いデータ)とは別個に作成して
いた。すなわち、切断データ作成装置(前記刺繍データ
作成装置とは別個の装置である。)のデジタイザにアッ
プリケ用布片の型紙を貼り付け、この型紙の輪郭上の多
数の点をピックアップして輪郭データを入力し、この輪
郭データから切断データを作成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は、上記のように
刺繍データ、すなわち仮縫いデータ、止め縫いデータ、
サテンステッチデータ及び縁飾り縫いデータのそれぞれ
を作成する毎に、型紙の輪郭上の多数の点等を繰り返し
ピックアップすることによって、輪郭データ等を何回も
入力していたため、労力も時間もかかっていた。
【0006】また、何回も入力された輪郭データ等にず
れがあると、作成されるデータの相互にずれが生じ、ア
ップリケに欠陥となって現れるおそれがあった。例え
ば、止め縫いデータとサテンステッチデータとがずれる
と、実際に形成される止め縫いステッチがサテンステッ
チからはみ出ることがある。また、サテンステッチデー
タと縁飾り縫いデータとがずれると、実際に形成される
縁飾りステッチがサテンステッチの縁に正確に沿わなく
なる結果となる。
【0007】なお、本願出願人は先に、仮縫いデータ、
止め縫いデータ及びサテンステッチデータについては、
1回の入力で記憶されたアップリケ用布片の輪郭データ
に基づいて作成することを提案しているが(特願平5−
34240号)、この提案にも縁飾り縫いデータの作成
は含まれていなかった。
【0008】また、特開平4−158890号公報に
は、サテンステッチの輪郭に沿う縫目を形成するための
縁取りデータの作成方法が示されているが、その目的は
もっぱらサテンステッチの縁に起こる糸割れを隠すため
なので、その縫目は必ずサテンステッチの縁上に合致し
なければならず、またその縫目は走り縫い又は千鳥縫い
といった簡単なものにすぎなかった。積極的にサテンス
テッチの縁を装飾して見栄えを良くしたり高級感を増し
たりするためには、もっと設定の自由度の高い縁飾り縫
いを形成できるようにする必要があった。
【0009】本発明の目的は、上記課題を解決し、1回
の入力で記憶されたアップリケ用布片の輪郭データに基
づいて、アップリケ用の仮縫いデータ、止め縫いデー
タ、サテンステッチデータ及び縁飾り縫いデータを、最
少限の労力で効率的に作成するとともに、相互に正確に
対応するように作成して、アップリケに欠陥が生じない
ようにすることにある。
【0010】本発明の別の目的は、前記縁飾り縫いデー
タを作成するに当たり、モチーフの種類、モチーフの一
単位のサイズ又は進行量、縁飾り縫いデータのサテンス
テッチデータに対する相対位置等において設定の自由度
を高くし、装飾効果を高めるとともに、該縁飾り縫いデ
ータを効率的に作成することにある。
【0011】本発明のさらに別の目的は、前記仮縫いデ
ータ、止め縫いデータ、サテンステッチデータ及び縁飾
り縫いデータに加え、アップリケ用布片の切断データを
も効率的に作成することにある。
【0012】本発明のさらに別の目的は、一般的な刺繍
において、サテンステッチの縁に沿う縁飾り縫いに必要
な縁飾り縫いデータを作成するに当たり、モチーフの種
類、モチーフの一単位のサイズ又は進行量、縁飾り縫い
データのサテンステッチデータに対する相対位置等にお
いて設定の自由度を高くし、装飾効果を高めるととも
に、該縁飾り縫いデータを効率的に作成することにあ
る。
【0013】
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の刺繍データ作成方法は、1回の入力で記憶
されたアップリケ用布片の輪郭データに基づいて、布地
へのアップリケ用布片の配置に必要な位置決め用仮縫い
データと、布地へのアップリケ用布片の止め縫いに必要
な止め縫いデータと、布地へのアップリケ用布片の刺繍
縫い付けに必要なサテンステッチデータと、サテンステ
ッチの縁に沿う縁飾り縫いに必要な縁飾り縫いデータと
を作成する方法であって、記憶済の複数種のモチーフデ
ータから使用するモチーフデータを選択し、選択したモ
チーフデータの一単位のサイズ又は進行量を設定し、設
定したモチーフデータをサテンステッチデータの縁に沿
って進行するよう配列することにより、縁飾り縫いデー
タを作成し、縁飾り縫いデータを作成する際に、縁飾り
縫いデータをサテンステッチデータの縁上に合致させて
沿わせるのか又は縁から離間して沿わせるのかを設定す
るプロセスを含むことを特徴としている。
【0015】 この刺繍データ作成方法においては、縁
飾り縫いデータを作成する際に、縁飾り縫いデータをサ
テンステッチデータの外縁もしくは内縁のいずれに沿わ
せるのか又は両縁に沿わせるのかを設定することができ
る。また、縁飾り縫いデータをサテンステッチデータ
から離間して沿わせる場合にはその離間距離を設定す
ることができる。
【0016】また、これらの刺繍データ作成方法におい
ては、前記輪郭データに基づいて、アップリケ用布片の
切断データも作成可能である。
【0017】なお、アップリケ用布片の輪郭データは1
回の入力で記憶されたものであるが、その入力・記憶時
点は刺繍データの作成時に限らず、同作成時よりはるか
以前であってもよい。輪郭データの入力手段としては、
デジタイザ(小型デジタイザの指称であるタブレットも
含む。)、イメージ・スキャナ、タッチ・パネル、ライ
トペン、マウス、トラック・ボール等を例示できる。ま
た、刺繍データの作成手段としてはマイクロコンピュー
タを例示できる。
【0018】
【0019】
【0020】
【作用】本発明の刺繍データ作成方法によれば、1回の
入力で記憶されたアップリケ用布片の輪郭データに基づ
いて、アップリケ用の仮縫いデータ、止め縫いデータ、
サテンステッチデータ及び縁飾り縫いデータを作成する
ので、データの入力作業が最少限の労力で済み、データ
を効率的に作成できる。また、作成されるデータが正確
に対応して、相互にずれないので、アップリケに欠陥が
生じなくなる。
【0021】また、記憶済の複数種のモチーフデータか
ら使用するモチーフデータを選択し、選択したモチーフ
データの一単位のサイズ又は進行量を設定し、設定した
モチーフデータをサテンステッチデータの縁に沿って進
行するよう配列することにより、縁飾り縫いデータを作
成する場合には、モチーフの種類並びにモチーフの一単
位のサイズ又は進行量において設定の自由度が高くな
り、装飾効果が高まるとともに、縁飾り縫いデータを効
率的に作成できる。
【0022】さらに、この縁飾り縫いデータを作成する
際に、縁飾り縫いデータをサテンステッチデータの外縁
もしくは内縁のいずれに沿わせるのか又は両縁に沿わせ
るのかを設定したり、縁飾り縫いデータをサテンステッ
チデータの縁上に合致させて沿わせるのか又は縁から離
間して沿わせるのかを設定し、縁から離間して沿わせる
場合にはその離間距離を設定したりすることにより、縁
飾り縫いデータのサテンステッチデータに対する相対位
置において設定の自由度が高くなり、装飾効果が高ま
る。
【0023】また、前記輪郭データに基づいて、アップ
リケ用布片の切断データをも作成する場合には、仮縫い
データ、止め縫いデータ、サテンステッチデータ及び縁
飾り縫いデータに加え、切断データをも効率的に作成で
きる。
【0024】ここで、縁飾り縫いデータの作成方法につ
いて、より詳しく説明する。記憶済のモチーフデータは
特定のモチーフに限定されず、具体的には図17〜図2
5に示すようなモチーフデータD8a,D8b,D8
c,D8d,D8e,D8f,D8gを例示できる。な
お、これらの図には複数単位のモチーフデータをチェー
ン状に配列して図示してあるが、実際に記憶されている
モチーフデータは一単位である。
【0025】図17のモチーフデータD8aはトリプル
ステッチであり、各々の端部に針落ち点がある順行要素
101と戻り要素102と進行要素103とから一単位
が構成され、各要素101,102,103の長さは略
同一である。順行要素101と戻り要素102は解り易
くするために湾曲状に示してあるが、実際は相重なる直
線状である。図19のモチーフデータD8bは円形ステ
ッチであり、針幾つかの落ち点がある円要素104と進
行要素103とから一単位が構成され、進行要素103
の長さ分だけ次の単位が先へ進行する。
【0026】図21のモチーフデータD8cは三角形ス
テッチであり、各角に針落ち点がある三角要素105と
進行要素103とから一単位が構成され、進行要素10
3の長さ分だけ次の単位が先へ進行する。図22のモチ
ーフデータD8dは四角形ステッチであり、各角に針落
ち点がある四角要素106と進行要素103とから一単
位が構成され、進行要素103の長さ分だけ次の単位が
先へ進行する。
【0027】図23のモチーフデータD8eは六角形ス
テッチであり、各角に針落ち点がある六角要素107と
進行要素103とから一単位が構成され、進行要素10
3の長さ分だけ次の単位が先へ進行する。図24のモチ
ーフデータD8fは星形ステッチであり、各角に針落ち
点がある星要素108と進行要素103とから一単位が
構成され、進行要素103の長さ分だけ次の単位が先へ
進行する。
【0028】図25のモチーフデータD8gは千鳥状小
サテンステッチであり、ジグザグの各端部に針落ち点が
ある千鳥一対の小サテン要素109と進行要素103と
から一単位が構成され、進行要素103の長さ分だけ次
の単位が先へ進行する。
【0029】前述の通り、これらの記憶済のモチーフデ
ータから使用するモチーフデータを選択し、その選択し
たモチーフデータに次の設定を行なう。
【0030】 モチーフデータの一単位のサイズの設
定。例えば図18は、図17のモチーフデータD8aか
らその一単位を小さく設定したモチーフデータD8aを
示している。
【0031】 モチーフデータの一単位の進行量の設
定。例えば図20は、図19のモチーフデータD8bか
らその進行要素103を小さくすることによって、一単
位の進行量を小さく設定し、従って単位間の重なり量を
大きく設定したモチーフデータD8bを示している。
【0032】 縁飾り縫いデータをサテンステッチデ
ータの外縁もしくは内縁のいずれに沿わせるのか又は両
縁に沿わせるのかの設定。例えば、図13及び図14は
モチーフデータD8aに基づく縁飾り縫いデータD8を
サテンステッチデータD7の外縁に沿わせた例を示し、
図15及び図16は同縁飾り縫いデータD8をサテンス
テッチデータD7の内縁に沿わせた例を示している。
【0033】 縁飾り縫いデータをサテンステッチデ
ータの縁上に合致させて沿わせるのか又は縁から離間し
て沿わせるのかを設定し、縁から離間して沿わせる場合
にはその離間距離も設定する。例えば、図13及び図1
5は縁飾り縫いデータD8をサテンステッチデータD7
の外縁上に合致させて沿わせた例を示し、図14及び図
16は同縁飾り縫いデータD8をサテンステッチデータ
D7の縁から離間して沿わせた例を示している。なお、
この設定は、サテンステッチデータを基準にして行なう
こともできるが、サテンステッチデータには他の特殊な
加工を加える場合があり、その場合はサテンステッチデ
ータを基準にしにくいので、前記輪郭データを基準に
し、輪郭データから縁飾り縫いデータまでの距離によっ
て設定することが好ましい。
【0034】次に、これらの設定したモチーフデータを
サテンステッチデータの縁に沿って進行するよう配列す
ることにより、縁飾り縫いデータを作成するのである
が、その具体的な方法としては、前記モチーフデータD
8a〜D8gの進行要素103を常に輪郭データと平行
に合わせる方法を例示できる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例について、
図面を参照して説明する。まず、本実施例に使用するア
ップリケ用データの作成装置について、図1を参照して
説明すると、この作成装置の中心は制御装置1であり、
CPU、ROM、RAM、接続用バス、入出力インター
フェイス等からなるマイクロコンピュータが使用されて
いる。この制御装置1には、入力装置としてデジタイザ
2、イメージスキャナ17、データ読込装置18(フロ
ッピーディスク装置、磁気テープリーダ等)、キーボー
ド3及びマウス19が接続されている。また、表示装置
としてディスプレイ4が接続され、印刷装置としてX−
Yプロッタ5が接続され、外部記憶装置としてフロッピ
ーディスク装置6とテープパンチャ7とが接続されてい
る。
【0036】なお、前記データ作成装置の構成は一例に
過ぎず、例えば外部記憶装置として、ハードディスク装
置(リムーバブル式を含む。)、磁気テープ装置、磁気
カード装置、光磁気ディスク装置、光ディスク装置、I
Cカード装置等を使用することもできる。
【0037】10はアップリケ用布片を切断するカット
機で、原布43をセットする盤面11と、X−Y方向に
駆動されると共に必要に応じてZ軸方向に往復駆動され
るカット刃12と、操作キー13と、入力装置としての
フロッピーディスク装置14とを備えている。このフロ
ッピーディスク装置14には、前記フロッピーディスク
装置6で切断データの記録されたフロッピーディスクF
D1が挿入される。
【0038】なお、カット刃以外にも、例えば熱溶断を
行うヒートカッタ、レーザ切断装置、液体ジェット切断
装置等を使用することもできる。また、前記データ作成
装置にフロッピーディスク装置以外の前記外部記憶装置
を使用する場合には、それに対応する外部記憶装置をカ
ット機にも使用する。また、前記データ作成装置とカッ
ト機10とを伝送ケーブル又は無線伝送装置で接続し、
データ作成装置で作成された切断データをカット機10
に直接伝送することもできる。
【0039】20はアップリケ用布片を布地に刺繍縫い
付けする刺繍ミシンで、上糸が通された針を上下駆動す
る複数頭の刺繍ヘッド21と、釜及び下糸ボビンが内蔵
されたベッド22と、布地23を展張する刺繍枠24
と、該刺繍枠24の駆動装置25等とを備え、キャスタ
26付きで移動可能な台車27にはテーブル28上に配
置可能なミシン制御装置30が支持されている。このミ
シン制御装置30は、制御盤31、キーボード32、デ
ィスプレイ33、制御盤31に内蔵された入力装置とし
てのフロッピーディスク装置34等を備えている。この
フロッピーディスク装置34には、前記フロッピーディ
スク装置6で刺繍データの記録されたフロッピーディス
クFD2が挿入される。
【0040】なお、前記データ作成装置にフロッピーデ
ィスク装置以外の前記外部記憶装置を使用する場合に
は、それに対応する外部記憶装置をミシン制御装置30
にも使用する。また、前記データ作成装置とミシン制御
装置30とを伝送ケーブル又は無線伝送装置で接続し、
データ作成装置で作成された刺繍データをミシン制御装
置30に直接伝送することもできる。
【0041】この実施例のアップリケ用データの作成方
法は、図2に示すような工程順に進行する。図2におけ
る矢印付き点線はデータの流れを示している。以下、こ
れらの工程を詳述する。
【0042】(1)アップリケ用布片の輪郭データの入
力 図3(a)に示すように、前記デジタイザ2のボード面
に例えばL字の型紙8を貼り付け、このL字の輪郭を構
成する各コーナー点C1,…,C6及び円弧構成点R
1,…,R3をボタン・カーソル,スタイラス・ペン等
のポインティング・デバイス41でピックアップするこ
とにより、L字の輪郭データD1を入力し、制御装置1
のRAMに記憶する。図3(b)に示すように、ディス
プレイ4には、順にピックアップした点と点の間が線で
結ばれて表示される。
【0043】この入力において、最初のコーナー点C1
の少し手前の点を開始点Sとしてピックアップし、最後
のコーナー点C6(C1と同じ点)より少し行き過ぎた
点を終了点Eとしてピックアップすることにより、切断
初期部分と切断終期部分とが必ず交差して切り残しが無
くなるので好ましい。
【0044】なお、輪郭データD1の入力は、前記イメ
ージスキャナ17を使用して、より容易にかつ迅速に行
うこともできる。また、既に1回の入力でフロッピーデ
ィスクや磁気テープに記憶されている輪郭データD1
を、前記データ読込装置18から読込んでもよい。
【0045】(2)切断データの自動作成 制御装置1は、前記輪郭データD1から、図4に示すよ
うなL字の切断データD2を自動的に作成し、この切断
データD2はフロッピーディスク装置6によりフロッピ
ーディスクFD1に記録される。
【0046】(3)刺繍データの自動作成 次に、制御装置1は、前記輪郭データD1から、図
5に示すようなアップリケの配置に必要なL字の位置決
め用仮縫いデータD3を自動的に作成する。この仮縫い
データD3はフロッピーディスク装置6によりフロッピ
ーディスクFD2に記録される。
【0047】 次に、制御装置1は、前記輪郭データ
D1から、図6に示すようなL字の輪郭データD1に沿
う内周データD4を自動作成する。
【0048】 次に、制御装置1は、前記輪郭データ
D1から、図7に示すようなL字の輪郭データD1に沿
う外周データD5を自動作成する。
【0049】 次に、制御装置1は、前記内周データ
D4と外周データD5とから、図8に示すようなアップ
リケ用布片の止め縫いに必要なL字の止め縫いデータD
6を自動作成する。この実施例では、予めキーボート3
から制御装置1に入力したEステッチの縫い込み方向及
び縫い込みから縫い込みまでの縫目数に基づいて、Eス
テッチデータが作成された。但し、止め縫いデータはE
ステッチに限定されず、例えば図9に示すような別種類
のステッチによる止め縫いデータD6を作成することも
可能である。これらの止め縫いデータD6はフロッピー
ディスク装置6によりフロッピーディスクFD2に記録
される。
【0050】 次に、制御装置1は、前記内周データ
D4と外周データD5とから、図11に示すようなアッ
プリケ用布片を布地に刺繍縫い付けするために必要なサ
テンステッチデータD7を作成する。このとき、制御装
置1は、内周データD4と外周データD5とで挟まれた
帯部分を図10に示すように区分し、その各区分内で縫
目の方向を徐変させることによって、コーナー部で縫目
の重ならない奇麗なサテンステッチデータD7を作成す
るようにプログラムされている。このサテンステッチデ
ータD7はフロッピーディスク装置6によりフロッピー
ディスクFD2に記録される。
【0051】 最後に、制御装置1は、前記輪郭デー
タD1に基づいて、図12〜図16に示すような前記サ
テンステッチデータD7の縁に沿う縁飾り縫いに必要な
縁飾り縫いデータD8を作成する。そのために、例えば
前出の図17〜図25に示すような複数種のモチーフデ
ータD8a〜D8gが記憶されたフロッピーディスクや
磁気テープをデータ読込装置18にかけ、制御装置1及
びキーボード3の操作により所望のモチーフデータを選
択して読み込むことができるようになっている。また、
これらのモチーフデータD8a〜D8gは、制御装置1
内のROMや前記外部記憶装置等に記憶させておくこと
もできる。
【0052】そして、制御装置1は、前述したように、
これらの記憶済のモチーフデータD8a〜D8gから選
択したモチーフデータの一単位のサイズ及び進行量を設
定し、さらには、縁飾り縫いデータD8をサテンステッ
チデータD7の外縁又は内縁のいずれに沿わせるのか、
縁上に合致させて沿わせるのか又は縁から離間して沿わ
せるのか(後者の場合は離間距離も)、をそれぞれ設定
する。さらに、制御装置1は、この設定したモチーフデ
ータをサテンステッチデータD7の縁に沿って進行する
よう配列し、縁飾り縫いデータD8を作成する。
【0053】以上により、切断データD2が記録された
フロッピーディスクFD1と、位置決め用仮縫いデータ
D3、止め縫いデータD6、サテンステッチデータD7
及び縁飾り縫いデータD8の四つの刺繍データが記録さ
れたフロッピーディスクFD2とが作成される。
【0054】フロッピーディスクFD1をカット機10
のフロッピーディスク装置14に挿入して、カット機1
0を作動させることにより、切断データD2に基づいた
L字のアップリケ用布片42が原布43から切断され
る。
【0055】一方、フロッピーディスクFD2を刺繍ミ
シン20のフロッピーディスク装置34に挿入して、刺
繍ミシン20を作動させることにより、まず、位置決め
用仮縫いデータD3に基づいて布地23にL字の仮縫い
が行われる。この仮縫いに沿って布地23にアップリケ
用布片42を粘着剤等で貼り付けた後、再び刺繍ミシン
20を作動させることにより、止め縫いデータD6に基
づいてアップリケ用布片42が布地23に止め縫いされ
る。続いて、刺繍ミシン20を作動させることにより、
サテンステッチデータD7に基づいてアップリケ用布片
42が布地23に刺繍縫い付けされ、さらに、縁飾り縫
いデータD8に基づいてサテンステッチの縁に沿う縁飾
りステッチが形成される。
【0056】なお、前記実施例は、布地23にアップリ
ケ用布片42をサテンステッチで刺繍縫い付けし、その
サテンステッチの縁に沿う縁飾りステッチを形成すると
いうものであったが、本発明は、一般的な刺繍、つまり
アップリケ用布片を用いないで布地23に直接サテンス
テッチを刺繍縫いし、そのサテンステッチの縁に沿う縁
飾りステッチを形成する場合にも具体化できる。この場
合、図13〜図16のサテンステッチデータD7は、一
般的な刺繍用のデータとして見ればよい。そして、縁飾
り縫いデータD8を作成するに当っては、前記実施例と
同様に、記憶済の複数種のモチーフデータD8a〜D8
gから使用するモチーフデータを選択し、その選択した
モチーフデータを適宜設定し、その設定したモチーフデ
ータをサテンステッチデータD7の縁に沿って進行する
よう配列すればよい。
【0057】本発明は前記実施例の構成に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変
更して具体化することもできる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1,2,3
刺繍データ作成方法によれば、1回の入力で記憶された
アップリケ用布片の輪郭データに基づいて、アップリケ
用の仮縫いデータ、止め縫いデータ、サテンステッチデ
ータ及び縁飾り縫いデータを、最少限の労力で効率的に
作成できるとともに、相互に正確に対応するように作成
でき、もってアップリケの欠陥を防止できる、という優
れた効果を奏するのに加え、前記縁飾り縫いデータを作
成するに当たり、モチーフの種類、モチーフの一単位の
サイズ又は進行量、縁飾り縫いデータのサテンステッチ
データに対する相対位置等において設定の自由度が高く
なり、装飾効果が高まるとともに、該縁飾り縫いデータ
を効率的に作成できる。
【0059】
【0060】 また、請求項の刺繍データ作成方法に
よれば、前記仮縫いデータ、止め縫いデータ、サテンス
テッチデータ及び縁飾り縫いデータに加え、アップリケ
用布片の切断データをも効率的に作成できる。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用するデータ作成装置の全
体構成図である。
【図2】同実施例のデータ作成方法を示すフローチャー
トである。
【図3】(a)は輪郭データの入力工程を示す説明図、
(b)はそのときのディスプレイ表示を示す正面図であ
る。
【図4】作成された切断データを示す説明図である。
【図5】作成された位置決め用仮縫いデータの説明図で
ある。
【図6】作成された内周データを示す説明図である。
【図7】作成された外周データの説明図である。
【図8】作成された止め縫いデータを示す説明図であ
る。
【図9】止め縫いデータの別例を示す説明図である。
【図10】内周データ及び外周データの区分方法を示す
説明図である。
【図11】作成されたサテンステッチデータの説明図で
ある。
【図12】作成された縁飾り縫いデータの説明図であ
る。
【図13】サテンステッチデータの外縁上に合致して沿
う縁飾り縫いデータの説明図である。
【図14】サテンステッチデータの外縁から離れて沿う
縁飾り縫いデータの説明図である。
【図15】サテンステッチデータの内縁上に合致して沿
う縁飾り縫いデータの説明図である。
【図16】サテンステッチデータの内縁から離れて沿う
縁飾り縫いデータの説明図である。
【図17】縁飾り縫いデータのモチーフデータ(トリプ
ルステッチ)の説明図である。
【図18】サイズの小さい同モチーフデータの説明図で
ある。
【図19】別のモチーフデータ(円形ステッチ)の説明
図である。
【図20】進行量の小さい同モチーフデータの説明図で
ある。
【図21】別のモチーフデータ(三角形ステッチ)の説
明図である。
【図22】別のモチーフデータ(四角形ステッチ)の説
明図である。
【図23】別のモチーフデータ(六角形ステッチ)の説
明図である。
【図24】別のモチーフデータ(星形ステッチ)の説明
図である。
【図25】別のモチーフデータ(千鳥状小サテンステッ
チ)の説明図である。
【符号の説明】
23 布地 42 アップリケ用布片 D1 輪郭データ D2 切断データ D3 位置決め用仮縫いデータ D4 内周データ D5 外周データ D6 止め縫いデータ D7 サテンステッチデータ D8 縁飾り縫いデータ D8a,D8b,D8c,D8d,D8e,D8f,D
8g モチーフデータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 19/00 - 21/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1回の入力で記憶されたアップリケ用布
    片の輪郭データに基づいて、布地へのアップリケ用布片
    の配置に必要な位置決め用仮縫いデータと、布地へのア
    ップリケ用布片の止め縫いに必要な止め縫いデータと、
    布地へのアップリケ用布片の刺繍縫い付けに必要なサテ
    ンステッチデータと、サテンステッチの縁に沿う縁飾り
    縫いに必要な縁飾り縫いデータとを作成する方法であっ
    て、 記憶済の複数種のモチーフデータから使用するモチーフ
    データを選択し、選択したモチーフデータの一単位のサ
    イズ又は進行量を設定し、設定したモチーフデータを前
    記サテンステッチデータの縁に沿って進行するよう配列
    することにより、前記縁飾り縫いデータを作成し、 前記縁飾り縫いデータを作成する際に、縁飾り縫いデー
    タをサテンステッチデータの縁上に合致させて沿わせる
    のか又は縁から離間して沿わせるのかを設定するプロセ
    スを含む ことを特徴とする刺繍データ作成方法。
  2. 【請求項2】 前記縁飾り縫いデータを作成する際に、
    縁飾り縫いデータをサテンステッチデータの外縁もしく
    は内縁のいずれに沿わせるのか又は両縁に沿わせるのか
    を設定することを特徴とする請求項1記載の刺繍データ
    作成方法。
  3. 【請求項3】 前記プロセスで、前記縁飾り縫いデータ
    をサテンステッチデータの縁から離間して沿わせる場合
    にはその離間距離も設定することを特徴とする請求項1
    記載の刺繍データ作成方法。
  4. 【請求項4】 前記輪郭データに基づいて、アップリケ
    用布片の切断データも作成することを特徴とする請求項
    記載の刺繍データ作成方法。
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