JP3877933B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電波をダイバーシティ受信する無線通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の無線通信システムを示す構成図であり、図において、1は線路の両側に布設され、基地局2の送信電波及び移動局3の送信電波を搬送する漏洩同軸ケーブル(以下、LCXという)、2は通信データを変調して電波をLCX1に出力する一方、LCX1により搬送された電波をダイバーシティ受信する基地局、3は新幹線車両に搭載され、通信データを変調して電波をLCX1に向けて発信するとともに、LCX1から漏れ出た電波をダイバーシティ受信する移動局、4はLCX1が搬送する電波を増幅する中継機である。
【0003】
次に動作について説明する。
まず、基地局2が移動局3にデータや音声に係る情報(以下、通信データという)を送信する場合、基地局2は、その通信データを変調して電波をLCX1に出力する。
これにより、上り線のLCX1と下り線のLCX1が基地局2の送信電波をそれぞれ中継機4まで搬送する。
【0004】
中継機4は、ルート別中継方式を採用しているので、上り線のLCX1により搬送された基地局2の送信電波を増幅して、上り線のLCX1に出力し、下り線のLCX1により搬送された基地局2の送信電波を増幅して、下り線のLCX1に出力する。
移動局3は、上り線のLCX1から漏れ出た電波と、下り線のLCX1から漏れ出た電波をダイバーシティ受信して、通信データを復調する。
【0005】
次に、移動局3が基地局2に通信データを送信する場合、移動局3は、その通信データを変調して電波をLCX1に向けて発信する。
これにより、上り線のLCX1と下り線のLCX1が移動局3の送信電波をそれぞれ中継機4まで搬送する。
【0006】
中継機4は、ルート別中継方式を採用しているので、上り線のLCX1により搬送された移動局3の送信電波を増幅して、上り線のLCX1に出力し、下り線のLCX1により搬送された移動局3の送信電波を増幅して、下り線のLCX1に出力する。
基地局2は、上り線のLCX1により搬送された電波と、下り線のLCX1により搬送された電波をダイバーシティ受信して、通信データを復調する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の無線通信システムは以上のように構成されているので、基地局2及び移動局3がダイバーシティ受信を実施することができるが、通常、中継機4は線路の片側に設置されるため、上り線のLCX1の長さと下り線のLCX1の長さに相違が生じる(図2の例では、下り線側に中継機4が設置されているため、上り線のLCX1が下り線のLCX1より長くなっている)。そのため、電波の到着時間に相違が生じて、ダイバーシティ受信後のビットエラーが頻発し、ダイバーシティ受信による伝送品質の改善を図ることができない課題があった。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、電波の遅延差を少なくして、ダイバーシティ受信後のビットエラーを抑制することができる無線通信システムを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る無線通信システムは、線路の片側に設置されている複数の中継機が、上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された基地局の送信電波を増幅して、増幅後の送信電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された基地局の送信電波を増幅して、増幅後の送信電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力するようにしたものである。
【0010】
この発明に係る無線通信システムは、線路の片側に設置されている複数の中継機が、上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された移動局の送信電波を増幅して、増幅後の送信電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された移動局の送信電波を増幅して、増幅後の送信電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力するようにしたものである。
【0011】
この発明に係る無線通信システムは、複数の中継機のうち、一部の中継機のみが漏洩同軸ケーブルの接続対象が入れ換えられて、上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力し、残りの中継機は上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による無線通信システムを示す構成図であり、図において、11は線路の両側に布設され、基地局12の送信電波及び移動局13の送信電波を搬送する漏洩同軸ケーブル(以下、LCXという)である。なお、線路の上り線側に布設されるLCX11が上り線側漏洩同軸ケーブルに相当し、線路の下り線側に布設されるLCX11が下り線側漏洩同軸ケーブルに相当する。
12は通信データを変調して電波をLCX11に出力する一方、LCX11により搬送された電波をダイバーシティ受信する基地局、13は新幹線車両に搭載され、通信データを変調して電波をLCX11に向けて発信するとともに、LCX11から漏れ出た電波をダイバーシティ受信する移動局、14は線路の片側に設置され(図1の例では、下り線側に設置されているが、上り線側でもよい)、LCX11が搬送する電波を増幅する中継機であり、中継機14はLCX11の接続対象を入れ換えて、上り線のLCX11と下り線のLCX11を接続する。
【0013】
次に動作について説明する。
まず、基地局12が移動局13にデータや音声に係る情報(以下、通信データという)を送信する場合、基地局12は、その通信データを変調して電波をLCX11に出力する。
これにより、上り線のLCX11と下り線のLCX11が基地局12の送信電波をそれぞれ中継機14まで搬送する。
【0014】
中継機14は、上り線のLCX11と下り線のLCX11の長さを等しくする観点から、LCX11の接続対象を入れ換えているため、上り線のLCX11により搬送された基地局12の送信電波を増幅して、下り線のLCX11に出力し、下り線のLCX11により搬送された基地局12の送信電波を増幅して、上り線のLCX11に出力する。
移動局13は、上り線のLCX11から漏れ出た電波と、下り線のLCX11から漏れ出た電波をダイバーシティ受信して、通信データを復調する。
【0015】
次に、移動局13が基地局12に通信データを送信する場合、移動局13は、その通信データを変調して電波をLCX11に向けて発信する。
これにより、上り線のLCX11と下り線のLCX11が移動局13の送信電波をそれぞれ中継機14まで搬送する。
【0016】
中継機14は、LCX11の接続対象を入れ換えているため、上り線のLCX11により搬送された移動局13の送信電波を増幅して、下り線のLCX11に出力し、下り線のLCX11により搬送された移動局13の送信電波を増幅して、上り線のLCX11に出力する。
基地局12は、上り線のLCX11により搬送された電波と、下り線のLCX11により搬送された電波をダイバーシティ受信して、通信データを復調する。
【0017】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、中継機14がLCX11の接続対象を入れ換えて、上り線のLCX11と下り線のLCX11を接続するように構成したので、中継機14が線路の片側に設置されることに伴う電波の遅延差が少なくなり、その結果、ダイバーシティ受信後のビットエラーを抑制することができる効果を奏する。
【0018】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、全ての中継機14がLCX11の接続対象を入れ換えるものについて示したが、一部の中継機14のみがLCX11の接続対象を入れ換えるようにしてもよい。例えば、LCX11の接続対象を入れ換える中継機14と、LCX11の接続対象を入れ換えない中継機14を1:2の割合で構成するようにしてもよい。
この場合、上記実施の形態1よりも、電波の遅延差が若干多くなるが、中継機14を設置する際の工事が容易になる効果を奏する。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、線路の片側に設置されている複数の中継機が、上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された基地局の送信電波を増幅して、増幅後の送信電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された基地局の送信電波を増幅して、増幅後の送信電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力するように構成したので、中継機が線路の片側に設置されることに伴う電波の遅延差が少なくなり、その結果、ダイバーシティ受信後のビットエラーを抑制することができる効果がある。
【0020】
この発明によれば、線路の片側に設置されている複数の中継機が、上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された移動局の送信電波を増幅して、増幅後の送信電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された移動局の送信電波を増幅して、増幅後の送信電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力するように構成したので、中継機が線路の片側に設置されることに伴う電波の遅延差が少なくなり、その結果、ダイバーシティ受信後のビットエラーを抑制することができる効果がある。
【0021】
この発明によれば、複数の中継機のうち、一部の中継機のみが漏洩同軸ケーブルの接続対象が入れ換えられて、上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力し、残りの中継機は上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するように構成したので、中継機を設置する際の工事が容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による無線通信システムを示す構成図である。
【図2】 従来の無線通信システムを示す構成図である。
【符号の説明】
11 LCX(漏洩同軸ケーブル)、12 基地局、13 移動局、14 中継機。
Claims (3)
- 通信データを変調して電波を送信する基地局と、線路の上り線側に布設され、上記基地局から送信された電波を搬送する上り線側漏洩同軸ケーブルと、線路の下り線側に布設され、上記基地局から送信された電波を搬送する下り線側漏洩同軸ケーブルと、線路の片側に設置され、上記上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上記下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、上記下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上記上り線側漏洩同軸ケーブルに出力する複数の中継機と、上記上り線側漏洩同軸ケーブルと上記下り線側漏洩同軸ケーブルから漏れ出る電波をダイバーシティ受信する移動局とを備えた無線通信システム。
- 通信データを変調して電波を発信する移動局と、線路の上り線側に布設され、上記移動局から発信された電波を搬送する上り線側漏洩同軸ケーブルと、線路の下り線側に布設され、上記移動局から発信された電波を搬送する下り線側漏洩同軸ケーブルと、線路の片側に設置され、上記上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上記下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、上記下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上記上り線側漏洩同軸ケーブルに出力する複数の中継機と、上記上り線側漏洩同軸ケーブルと上記下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波をダイバーシティ受信する基地局とを備えた無線通信システム
- 複数の中継機のうち、一部の中継機のみが漏洩同軸ケーブルの接続対象が入れ換えられて、上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力し、残りの中継機は上り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を上り線側漏洩同軸ケーブルに出力するとともに、下り線側漏洩同軸ケーブルにより搬送された電波を増幅して、増幅後の電波を下り線側漏洩同軸ケーブルに出力することを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線通信システム。
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