JP3877456B2 - ミラーサイクルエンジン - Google Patents
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- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過給機で加圧し冷却器で冷却した給気を、給気ポートを介してシリンダ内に給気し、前記給気ポートに備えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じ、シリンダ内の給気の一部を前記給気ポート内に吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させるミラーサイクルエンジンの給気冷却技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関における燃費向上の手段として、ミラーサイクルエンジンが公知となっている。
普通、四ストロークエンジンは、吸入、圧縮、燃焼・膨張、排気の各行程のピストンストロークが同じである。ミラーサイクルエンジンも、機械的にはそのとおりなのだが、給気弁閉時期を変えることで給気ストロークを短くしたように見せかけ、実質上の圧縮比を上げないようにしている。膨張比より圧縮比を小さくする理由は、圧縮比より膨張比を大きくとることで、燃焼エネルギーをより有効にトルクとして活用できるからである。
このような膨張比より圧縮比を小さくする手段としては、給気行程の途中で給気弁を閉じる方法と圧縮行程で給気弁をしばらく開いたままにする方法がある。即ち、下死点より早く若しくは遅く給気弁を閉じることにより、圧縮比を膨張比よりも小さくできる。しかし、後者の遅閉じ方式は前者の早閉じ方式に比べ給気弁の流通面積が大きいために給気圧力を低くすることができる。このために給気弁遅閉じ方式のほうがエンジンの背圧の上昇を押さえエンジンのポンピングロスを小さくでき、高い熱効率が実現できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
給気弁遅閉じ方式のミラーサイクルエンジンにおいて、給気弁が圧縮行程においてもしばらく開いていることにより、一度シリンダ内に供給された給気が給気ポート内に吹き戻される。また、シリンダ内が高温であるので、吹き戻される給気は比較的高温となり、この吹き戻される給気により、給気ポート内の温度が上昇し、実際には給気温度が上昇してしまう。その結果、給気が膨張することによる給気効率の低下や、ノッキングの発生という問題が生じ、ミラーサイクルエンジンのコンセプトである高効率を実現することができなくなる。
【0004】
このような課題を解決するための手段として、例えば、特開平10−141068号、特開平8−291715号に記載されている手段がある。これらは、従来の給気冷却器とは別にシリンダ内から吹き戻される給気を冷却するために、水冷式の給気冷却器を給気ポート側に追加するという構成であり、この給気冷却器は冷却水を用いているために、冷却水の流路等を増設する必要があり、かなり複雑な構造となる。
よって、本発明は、このような事情を鑑みて、簡単な構造で吹き戻し給気による給気の温度上昇を抑制できるミラーサイクルエンジンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明による、過給機で加圧した給気を冷却器で冷却した後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するとともに、前記シリンダの前記給気ポート側に備えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させるミラーサイクルエンジンの特徴は、請求項1に記載されているように、前記過給機内部を除く前記冷却器の上流の流路である冷却器上流側流路と前記給気ポートとを前記冷却器を迂回して流通可能とするバイパス流路を備え、
前記バイパス流路に、給気の前記冷却器上流側流路から前記給気ポート側への流通を阻止する弁を備え、前記給気ポート内に吹き戻された給気を、前記給気ポートにおける前記パイパス流路の分岐部において前記バイパス流路側へ送る給気誘導手段を備えることにある。
運転中におけるシリンダ内は高温であるために、シリンダ内に給気した給気は高温となり、ミラーサイクルエンジンにおいて、その高温の給気が圧縮行程中にシリンダ内から給気ポートに吹き戻されるため、この高温状態の吹き戻し給気を冷却することが重要である。
このミラーサイクルエンジンにあっては、過給機内部を除く冷却器の上流の流路である冷却器上流側流路と給気ポートとを冷却器を迂回して流通可能とするバイパス流路を備え、バイパス流路に、給気の冷却器上流側流路から給気ポート側への流通を阻止する弁を備え、給気行程において給気が冷却器を迂回して給気されることを防ぐことができる。
更に、給気ポート内に吹き戻された給気を、給気ポートにおけるパイパス流路の分岐部においてバイパス流路側へ送る給気誘導手段を備えており、この構成によって、圧縮行程において給気ポートに吹き戻された高温の給気は、給気誘導手段によってバイパス流路側へ送られ、バイパス流路を介して冷却器上流側流路に送られ、再度冷却器によって冷却されて給気ポートに送られるので、給気ポート内の給気の温度上昇を抑制することができる。
このようなミラーサイクルエンジンにおいて、前記給気誘導手段を以下のように構成することができる。
即ち、請求項2に記載されているように、前記給気誘導手段は、前記冷却器と前記分岐部の間の冷却器下流側流路に設けた、給気の前記給気ポートから前記冷却器側への流通を阻止する弁であることができる。
圧縮行程において給気が給気ポートから前記冷却器側への流通するのを阻止することができ、吹き戻された給気を分岐部において確実にバイパス流路側へ送ることができる。よって、一層、給気ポートの温度上昇を抑制することができる。これまで説明してきた給気の所定の方向への流通を阻止する弁については、逆止弁を使用しても可能であるが、開閉弁をエンジンの動作サイクルに基づいて開閉させ、所定の方向へ給気が流れるときは閉状態とすることでも可能である。
更に、請求項3に記載されているように、前記給気誘導手段は前記バイパス流路に設けた前記バイパス流路内の給気を前記冷却器上流側流路の方向に送るブロアであることもできる。
このことによって、給気ポートに吹き戻された給気はブロアによってバイパス流路側に吸引され、確実に冷却器上流側流路に送られて、再度冷却器によって冷却されるので、吹き戻された給気による給気ポート内の温度上昇を抑制することができる。また、このブロアの駆動はエンジンと独立させて行うことができるが、エンジンのクランク軸の回転を一部使用することもでき、更に、排気によってタービンを回転させ駆動させることもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕
本願のミラーサイクルエンジン100の構造を図1に基づいて説明する。
エンジン100は、給気弁1及び排気弁2を備えたシリンダ3と、このシリンダ3内に収納されるピストン4を備えている。過給機5は互いに連結されているブロア部5aとタービン部5bを備えており、シリンダ3より排出される排気により燃料と空気の混合気である給気を加圧することが可能となっている。ブロア部5aにより加圧された給気は、冷却器6によって冷却され、給気ポート7を介してシリンダ3内に給気される。
以上の構成は、従来のミラーサイクルエンジンと同様であり、給気弁1を下死点より遅らせて閉じることによりミラーサイクルを実現することができる。
更に本発明に係るミラーサイクルエンジンは、給気ポート7と過給機5内部を除く前記冷却器の上流の流路である冷却器上流側流路11の過給機のブロア部5a出口と冷却器6入口の間を接続するバイパス流路10を備えており、このバイパス流路10の給気ポート7側に逆止弁8を、給気ポート7のバイパス流路10の分岐部13の冷却器側に逆止弁9を備えている。逆止弁8は冷却器上流側流路11側から給気ポート7側への給気の流通を阻止可能となっており、また、逆止弁9は給気ポート7側から冷却器6側への給気の流通を阻止可能となっている。
【0007】
以上が本発明に係るミラーサイクルエンジン100の特徴構成であるが、このミラーサイクルエンジン100における給気の流通状態を図1(イ)、(ロ)に基づいて説明する。
図1(イ)は給気行程のエンジン100の状態を示しており、給気弁1を開状態、排気弁2を閉状態とし、ピストン4が上死点より下死点側に動くことで、給気ポート7内の給気をシリンダ3に給気することができる。この場合、逆止弁8はその設置方向より閉状態となり、逆止弁9は開状態となる。これにより、シリンダ3内に給気される給気は冷却器6側から送られることとなる。
次に、図1(ロ)は圧縮行程において給気弁1が開状態となっている状態を示しており、給気弁1を開状態、排気弁2を閉状態とし、ピストン4が下死点より上死点側に動くことで、ミラーサイクル特有である、シリンダ内3に一度給気された給気が給気ポート7に吹き戻される。この場合、逆止弁8はその設置方向より開状態となり、逆止弁9は閉状態となる。これにより、給気ポート7に吹き戻された給気はバイパス流路10の方向に送られることになり、吹き戻された給気をバイパス流路10に誘導する手段を給気誘導手段Aと呼ぶ。
また、その他の行程においては、給気弁1は閉状態となっており、逆止弁8、9はともに閉状態となっている。
このような状態を繰り返すことにより、シリンダ3内に給気され圧縮行程において給気ポート7に吹き戻された高温の給気は給気誘導手段Aによってバイパス流路10に導かれ、冷却器上流側流路11介して冷却器6に再度送られるので、給気ポート7内の給気は常に冷却されていることになり、ミラーサイクルエンジンにおける高温の吹き戻し給気による給気ポート7内の温度上昇を抑制することができる。
例えば、従来のミラーサイクルエンジンにおいて、給気ポート内の給気温度が68℃程度まで上昇していたのに対して、本発明に係るミラーサイクルエンジンの給気ポート内の給気温度は54℃程度になり、給気ポート内の温度上昇を抑制しているのがわかる。
【0008】
〔実施例2〕
次に、別の実施例を図2に基づいて説明する。
図2のミラーサイクルエンジンは、給気誘導手段Aとして、図1の逆止弁9の代わりにバイパス流路10にバイパスブロア14を備えており、バイパス流路10内の給気を冷却器上流側流路11側へ送ることが可能となっている。その他は図1と同様であるために説明を省略する。
この構成によると、一度シリンダ3に給気され圧縮行程において給気ポートに吹き戻された高温の給気は、バイパスブロア14によってバイパス流路10側へ誘導され、バイパスブロアによって冷却器上流側流路11に送られる。その後冷却器6によって再度冷却されて給気ポートに送られるので、給気ポート7内が吹き戻された高温の給気によって温度上昇することを抑制することができ、エンジンの動作状態を良好なものに維持することができる。
【0009】
〔別実施の形態例〕
(イ) 図1に示す上記の実施例においては、給気の所定の方向への流通を阻止する弁を逆止弁として構成したが、これらの逆止弁を開閉弁にし、エンジンの動作サイクルに基づいて開閉させることでも構成できる。
例えば、バイパス流路に備えた開閉弁を、圧縮行程において給気が吹き戻されるときに開状態にして、その他は閉状態にすることで、給気行程においてバイパス流路内の給気を給気ポートへ流通することを阻止でき、冷却器と分岐部13の間に備えた開閉弁を、給気行程において給気がシリンダ内に給気されるときに開状態にすることで、給気行程においてシリンダ内に給気される給気は冷却器側からの給気のみとなる。
(ロ) 本願のミラーサイクルエンジンに使用できる燃料としては、都市ガス、ガソリン、プロパン、メタノール、水素等、任意の燃料を使用することができる。
(ハ) 給気を生成するにあたっては、燃料とこの燃料の燃焼のための酸素を含有するガスとを混合すればよいが、例えば、燃焼用酸素含有ガスとして空気を使用することが一般的である。しかしながら、このようなガスとしては、例えば、酸素成分含有量が空気に対して高い酸素富化ガス等を使用することが可能である。
(ニ) 上記の実施の形態例においては、燃料と空気との混合気である給気をシリンダ内に吸入する構造のものを示したが、燃料及び空気を別々に、例えば、実施例における給気を空気のみとし、シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射機を備えたエンジンにおいても、本願の発明は適応できる。
(ホ) 上記の実施例においては、バイパス流路10は給気ポート7と過給機5内部を除く前記冷却器の上流の流路である冷却器上流側流路11の過給機のブロア部5a出口と冷却器6入口の間を接続した構成を示したが、図1(イ)の2点破線に示すように、過給機のブロア部5a出口と冷却器6入口の間に接続する代わりに、過給機のブロア部5a入口の上流側に接続することができ、本願の目的は達成できる。
【0010】
【発明の効果】
従って、上記手法により簡単な構造で吹き戻し給気による給気の温度上昇を抑制し、エンジンの動作状態を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願のミラーサイクルエンジンの給気冷却システムの構成を示す図
【図2】本願のミラーサイクルエンジンの給気冷却システムの構成を示す図
【符号の説明】
1 給気弁
2 排気弁
3 シリンダ
4 ピストン
5 過給機
6 冷却器
7 給気ポート
8、9 逆止弁
10 バイパス流路
14 バイパスブロア
100 ミラーサイクルエンジン
A 給気誘導手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、過給機で加圧し冷却器で冷却した給気を、給気ポートを介してシリンダ内に給気し、前記給気ポートに備えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じ、シリンダ内の給気の一部を前記給気ポート内に吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させるミラーサイクルエンジンの給気冷却技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関における燃費向上の手段として、ミラーサイクルエンジンが公知となっている。
普通、四ストロークエンジンは、吸入、圧縮、燃焼・膨張、排気の各行程のピストンストロークが同じである。ミラーサイクルエンジンも、機械的にはそのとおりなのだが、給気弁閉時期を変えることで給気ストロークを短くしたように見せかけ、実質上の圧縮比を上げないようにしている。膨張比より圧縮比を小さくする理由は、圧縮比より膨張比を大きくとることで、燃焼エネルギーをより有効にトルクとして活用できるからである。
このような膨張比より圧縮比を小さくする手段としては、給気行程の途中で給気弁を閉じる方法と圧縮行程で給気弁をしばらく開いたままにする方法がある。即ち、下死点より早く若しくは遅く給気弁を閉じることにより、圧縮比を膨張比よりも小さくできる。しかし、後者の遅閉じ方式は前者の早閉じ方式に比べ給気弁の流通面積が大きいために給気圧力を低くすることができる。このために給気弁遅閉じ方式のほうがエンジンの背圧の上昇を押さえエンジンのポンピングロスを小さくでき、高い熱効率が実現できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
給気弁遅閉じ方式のミラーサイクルエンジンにおいて、給気弁が圧縮行程においてもしばらく開いていることにより、一度シリンダ内に供給された給気が給気ポート内に吹き戻される。また、シリンダ内が高温であるので、吹き戻される給気は比較的高温となり、この吹き戻される給気により、給気ポート内の温度が上昇し、実際には給気温度が上昇してしまう。その結果、給気が膨張することによる給気効率の低下や、ノッキングの発生という問題が生じ、ミラーサイクルエンジンのコンセプトである高効率を実現することができなくなる。
【0004】
このような課題を解決するための手段として、例えば、特開平10−141068号、特開平8−291715号に記載されている手段がある。これらは、従来の給気冷却器とは別にシリンダ内から吹き戻される給気を冷却するために、水冷式の給気冷却器を給気ポート側に追加するという構成であり、この給気冷却器は冷却水を用いているために、冷却水の流路等を増設する必要があり、かなり複雑な構造となる。
よって、本発明は、このような事情を鑑みて、簡単な構造で吹き戻し給気による給気の温度上昇を抑制できるミラーサイクルエンジンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明による、過給機で加圧した給気を冷却器で冷却した後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するとともに、前記シリンダの前記給気ポート側に備えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させるミラーサイクルエンジンの特徴は、請求項1に記載されているように、前記過給機内部を除く前記冷却器の上流の流路である冷却器上流側流路と前記給気ポートとを前記冷却器を迂回して流通可能とするバイパス流路を備え、
前記バイパス流路に、給気の前記冷却器上流側流路から前記給気ポート側への流通を阻止する弁を備え、前記給気ポート内に吹き戻された給気を、前記給気ポートにおける前記パイパス流路の分岐部において前記バイパス流路側へ送る給気誘導手段を備えることにある。
運転中におけるシリンダ内は高温であるために、シリンダ内に給気した給気は高温となり、ミラーサイクルエンジンにおいて、その高温の給気が圧縮行程中にシリンダ内から給気ポートに吹き戻されるため、この高温状態の吹き戻し給気を冷却することが重要である。
このミラーサイクルエンジンにあっては、過給機内部を除く冷却器の上流の流路である冷却器上流側流路と給気ポートとを冷却器を迂回して流通可能とするバイパス流路を備え、バイパス流路に、給気の冷却器上流側流路から給気ポート側への流通を阻止する弁を備え、給気行程において給気が冷却器を迂回して給気されることを防ぐことができる。
更に、給気ポート内に吹き戻された給気を、給気ポートにおけるパイパス流路の分岐部においてバイパス流路側へ送る給気誘導手段を備えており、この構成によって、圧縮行程において給気ポートに吹き戻された高温の給気は、給気誘導手段によってバイパス流路側へ送られ、バイパス流路を介して冷却器上流側流路に送られ、再度冷却器によって冷却されて給気ポートに送られるので、給気ポート内の給気の温度上昇を抑制することができる。
このようなミラーサイクルエンジンにおいて、前記給気誘導手段を以下のように構成することができる。
即ち、請求項2に記載されているように、前記給気誘導手段は、前記冷却器と前記分岐部の間の冷却器下流側流路に設けた、給気の前記給気ポートから前記冷却器側への流通を阻止する弁であることができる。
圧縮行程において給気が給気ポートから前記冷却器側への流通するのを阻止することができ、吹き戻された給気を分岐部において確実にバイパス流路側へ送ることができる。よって、一層、給気ポートの温度上昇を抑制することができる。これまで説明してきた給気の所定の方向への流通を阻止する弁については、逆止弁を使用しても可能であるが、開閉弁をエンジンの動作サイクルに基づいて開閉させ、所定の方向へ給気が流れるときは閉状態とすることでも可能である。
更に、請求項3に記載されているように、前記給気誘導手段は前記バイパス流路に設けた前記バイパス流路内の給気を前記冷却器上流側流路の方向に送るブロアであることもできる。
このことによって、給気ポートに吹き戻された給気はブロアによってバイパス流路側に吸引され、確実に冷却器上流側流路に送られて、再度冷却器によって冷却されるので、吹き戻された給気による給気ポート内の温度上昇を抑制することができる。また、このブロアの駆動はエンジンと独立させて行うことができるが、エンジンのクランク軸の回転を一部使用することもでき、更に、排気によってタービンを回転させ駆動させることもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕
本願のミラーサイクルエンジン100の構造を図1に基づいて説明する。
エンジン100は、給気弁1及び排気弁2を備えたシリンダ3と、このシリンダ3内に収納されるピストン4を備えている。過給機5は互いに連結されているブロア部5aとタービン部5bを備えており、シリンダ3より排出される排気により燃料と空気の混合気である給気を加圧することが可能となっている。ブロア部5aにより加圧された給気は、冷却器6によって冷却され、給気ポート7を介してシリンダ3内に給気される。
以上の構成は、従来のミラーサイクルエンジンと同様であり、給気弁1を下死点より遅らせて閉じることによりミラーサイクルを実現することができる。
更に本発明に係るミラーサイクルエンジンは、給気ポート7と過給機5内部を除く前記冷却器の上流の流路である冷却器上流側流路11の過給機のブロア部5a出口と冷却器6入口の間を接続するバイパス流路10を備えており、このバイパス流路10の給気ポート7側に逆止弁8を、給気ポート7のバイパス流路10の分岐部13の冷却器側に逆止弁9を備えている。逆止弁8は冷却器上流側流路11側から給気ポート7側への給気の流通を阻止可能となっており、また、逆止弁9は給気ポート7側から冷却器6側への給気の流通を阻止可能となっている。
【0007】
以上が本発明に係るミラーサイクルエンジン100の特徴構成であるが、このミラーサイクルエンジン100における給気の流通状態を図1(イ)、(ロ)に基づいて説明する。
図1(イ)は給気行程のエンジン100の状態を示しており、給気弁1を開状態、排気弁2を閉状態とし、ピストン4が上死点より下死点側に動くことで、給気ポート7内の給気をシリンダ3に給気することができる。この場合、逆止弁8はその設置方向より閉状態となり、逆止弁9は開状態となる。これにより、シリンダ3内に給気される給気は冷却器6側から送られることとなる。
次に、図1(ロ)は圧縮行程において給気弁1が開状態となっている状態を示しており、給気弁1を開状態、排気弁2を閉状態とし、ピストン4が下死点より上死点側に動くことで、ミラーサイクル特有である、シリンダ内3に一度給気された給気が給気ポート7に吹き戻される。この場合、逆止弁8はその設置方向より開状態となり、逆止弁9は閉状態となる。これにより、給気ポート7に吹き戻された給気はバイパス流路10の方向に送られることになり、吹き戻された給気をバイパス流路10に誘導する手段を給気誘導手段Aと呼ぶ。
また、その他の行程においては、給気弁1は閉状態となっており、逆止弁8、9はともに閉状態となっている。
このような状態を繰り返すことにより、シリンダ3内に給気され圧縮行程において給気ポート7に吹き戻された高温の給気は給気誘導手段Aによってバイパス流路10に導かれ、冷却器上流側流路11介して冷却器6に再度送られるので、給気ポート7内の給気は常に冷却されていることになり、ミラーサイクルエンジンにおける高温の吹き戻し給気による給気ポート7内の温度上昇を抑制することができる。
例えば、従来のミラーサイクルエンジンにおいて、給気ポート内の給気温度が68℃程度まで上昇していたのに対して、本発明に係るミラーサイクルエンジンの給気ポート内の給気温度は54℃程度になり、給気ポート内の温度上昇を抑制しているのがわかる。
【0008】
〔実施例2〕
次に、別の実施例を図2に基づいて説明する。
図2のミラーサイクルエンジンは、給気誘導手段Aとして、図1の逆止弁9の代わりにバイパス流路10にバイパスブロア14を備えており、バイパス流路10内の給気を冷却器上流側流路11側へ送ることが可能となっている。その他は図1と同様であるために説明を省略する。
この構成によると、一度シリンダ3に給気され圧縮行程において給気ポートに吹き戻された高温の給気は、バイパスブロア14によってバイパス流路10側へ誘導され、バイパスブロアによって冷却器上流側流路11に送られる。その後冷却器6によって再度冷却されて給気ポートに送られるので、給気ポート7内が吹き戻された高温の給気によって温度上昇することを抑制することができ、エンジンの動作状態を良好なものに維持することができる。
【0009】
〔別実施の形態例〕
(イ) 図1に示す上記の実施例においては、給気の所定の方向への流通を阻止する弁を逆止弁として構成したが、これらの逆止弁を開閉弁にし、エンジンの動作サイクルに基づいて開閉させることでも構成できる。
例えば、バイパス流路に備えた開閉弁を、圧縮行程において給気が吹き戻されるときに開状態にして、その他は閉状態にすることで、給気行程においてバイパス流路内の給気を給気ポートへ流通することを阻止でき、冷却器と分岐部13の間に備えた開閉弁を、給気行程において給気がシリンダ内に給気されるときに開状態にすることで、給気行程においてシリンダ内に給気される給気は冷却器側からの給気のみとなる。
(ロ) 本願のミラーサイクルエンジンに使用できる燃料としては、都市ガス、ガソリン、プロパン、メタノール、水素等、任意の燃料を使用することができる。
(ハ) 給気を生成するにあたっては、燃料とこの燃料の燃焼のための酸素を含有するガスとを混合すればよいが、例えば、燃焼用酸素含有ガスとして空気を使用することが一般的である。しかしながら、このようなガスとしては、例えば、酸素成分含有量が空気に対して高い酸素富化ガス等を使用することが可能である。
(ニ) 上記の実施の形態例においては、燃料と空気との混合気である給気をシリンダ内に吸入する構造のものを示したが、燃料及び空気を別々に、例えば、実施例における給気を空気のみとし、シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射機を備えたエンジンにおいても、本願の発明は適応できる。
(ホ) 上記の実施例においては、バイパス流路10は給気ポート7と過給機5内部を除く前記冷却器の上流の流路である冷却器上流側流路11の過給機のブロア部5a出口と冷却器6入口の間を接続した構成を示したが、図1(イ)の2点破線に示すように、過給機のブロア部5a出口と冷却器6入口の間に接続する代わりに、過給機のブロア部5a入口の上流側に接続することができ、本願の目的は達成できる。
【0010】
【発明の効果】
従って、上記手法により簡単な構造で吹き戻し給気による給気の温度上昇を抑制し、エンジンの動作状態を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願のミラーサイクルエンジンの給気冷却システムの構成を示す図
【図2】本願のミラーサイクルエンジンの給気冷却システムの構成を示す図
【符号の説明】
1 給気弁
2 排気弁
3 シリンダ
4 ピストン
5 過給機
6 冷却器
7 給気ポート
8、9 逆止弁
10 バイパス流路
14 バイパスブロア
100 ミラーサイクルエンジン
A 給気誘導手段
Claims (3)
- 過給機で加圧した給気を冷却器で冷却した後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するとともに、前記シリンダの前記給気ポート側に備えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させるミラーサイクルエンジンであって、
前記過給機内部を除く前記冷却器の上流の流路である冷却器上流側流路と前記給気ポートとを前記冷却器を迂回して流通可能とするバイパス流路を備え、
前記バイパス流路に、給気の前記冷却器上流側流路から前記給気ポート側への流通を阻止する弁を備え、前記給気ポート内に吹き戻された給気を、前記給気ポートにおける前記パイパス流路の分岐部において前記バイパス流路側へ送る給気誘導手段を備えたミラーサイクルエンジン。 - 前記給気誘導手段は、前記冷却器と前記分岐部の間の冷却器下流側流路に設けた、給気の前記給気ポートから前記冷却器側への流通を阻止する弁である請求項1に記載のミラーサイクルエンジン。
- 前記給気誘導手段は前記バイパス流路に設けた前記バイパス流路内の給気を前記冷却器上流側流路の方向に送るブロアである請求項1に記載のミラーサイクルエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00781499A JP3877456B2 (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | ミラーサイクルエンジン |
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