JP3877350B2 - 注射薬払出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、注射薬払出装置に関し、更に詳しくは、各種病院等に設置され、且つ主としてアンプル等の注射薬を、患者毎の処方箋等に従って適宜払い出すための注射薬払出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種注射薬払出装置としては、例えば、特開平7−88159号公報所載のものが存在する。
【0003】
即ち、上記公報所載の注射薬払出装置は、注射薬収容容器(図示せず)を収納した容器ストッカ13と、各種の注射薬(図示せず)をカートリッジ14aの夫々に収納すると共に、前記容器ストッカ13から取り出されて搬送コンベア(図示せず)で搬出された注射薬収容容器に、カートリッジ14a内に収納されてなる各種注射薬を適宜の取り出し機構、片寄せ機構及び垂直コンベア(図示せず)を介して一本づつ整列させて収納する機能を有した注射薬収納庫14と、注射薬が収容された注射薬収容容器に、処方箋等の内容をトレイラベル(図示せず)に印字して貼り付ける印字ユニット15と、トレイラベルが貼り付けられた注射薬収容容器を保管する保管庫16と、使用時に前記トレイラベル等の各種諸事項を監査する監査ユニット17とから構成されてなるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、上記構成からなる注射薬払出装置に於いては、下記の様な問題点があった。
即ち、上記構成からなる注射薬払出装置は、スタート時に容器ストッカ13から注射薬収容容器を取り出し、その後搬送コンベアを介して注射薬収容容器を注射薬収納庫14まで搬送した後、該注射薬収納庫14のカートリッジ14a内に収納されてなる各種注射薬を適宜の取り出し機構、片寄せ機構及び垂直コンベアを介して一本づつ注射薬収容容器内に整列させて収納することから、注射薬収納庫14に必ず注射薬の取り出し機構、片寄せ機構及び垂直コンベアを具備させなければならず、よって注射薬収納庫14の製品コストが著しく高騰するだけでなく各種メンテナンスも煩雑なものとなる。
【0005】
更に、前記各種の機構を備えるためには、各種機構の取付けスペースも必要となり、必然的にカートリッジ14a内に収納される各種注射薬の収納数が制限されることになる。
よって、各種注射薬の収納数をある程度確保しようとすれば注射薬収納庫14を大型化しなければならず、このことは各種分野の装置が近年共通の課題とする省スペース化に大きく反するものである。
【0006】
更に、上記構成からなる注射薬払出装置は、容器ストッカ13、注射薬収納庫14及び保管庫16と順次並べられてなることから、前記容器ストッカ13への空の注射薬収容容器の収納(補充)作業と保管庫16からの注射薬が収容された注射薬収容容器の取り出し作業を離れた場所で行わなければならず、よって作業効率も著しく低下するという種々の極めて重大な問題が生じていた。
【0007】
然して、本発明は上記問題点を解決するものであり、注射薬収納庫の製品コストを低減させつつ各種メンテナンスも極めて簡単で、しかも最少のスペースに最大数の注射薬を収納することが出来るだけでなく、空トレイ収納部への空のトレイの収納(補充)作業と注射薬収容済トレイ保管部からの注射薬収納済トレイの取り出し作業に係る作業効率を確実に、且つ著しく向上させることが出来る極めて優れた注射薬払出装置を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために全く新しい注射薬払出装置を発明し、以下の手段を講じたものである。
【0009】
即ち、本発明に係る注射薬払出装置1は、処方箋等に従って順次払い出される硝子瓶を容器とする各種注射薬5を収容するための空のトレイ6を積み重ねて収納する空トレイ収納部3と、各種の注射薬5を収納すると共にその下部には排出された注射薬5を前記空トレイ収納部3側へと搬送する搬送コンベア2cが設けられた注射薬収納部2と、注射薬5を収容した注射薬収容済みトレイ6を保管する注射薬収容済トレイ保管部4とを備え、空トレイ収納部3が、注射薬収納部2と注射薬収容済トレイ保管部4との間に設けられてなると共に注射薬収納部2の横に連設され、前記空トレイ収納部3には、最下部に位置する空のトレイ6を順次落下させて排出する空トレイ排出装置7が設けられ、該空トレイ排出装置7には、搬送コンベア2cと交差する方向に設けられて該搬送コンベア2cより排出される注射薬5を受ける所定位置まで空のトレイ6を移送する位置決めコンベア3bが設けられていることから、スタート時に所定の注射薬5を注射薬収納部2から排出させ、その後排出された注射薬5を搬送コンベアによって搬送し、待ち構えるトレイ6で受けるだけでトレイ6内に順次注射薬5を落とし込むことが可能となり、よって注射薬収納部2には所定の注射薬5を排出するだけの機構があればよいことから注射薬収納部2の製品コストを低減させつつ各種メンテナンスも極めて簡単で、しかも最少のスペースに最大数の注射薬5を収納することが出来る。
【0010】
更に、空トレイ収納部3と注射薬収容済トレイ保管部4が隣合わせに位置してなることから、注射薬5を受けた注射薬収納済トレイ6を即時注射薬収容済トレイ保管部4で保管することが可能となって注射薬5の払い出しから保管までのサイクルを短縮させて装置稼動率を向上させることが出来るだけでなく、空トレイ収納部への空のトレイの収納(補充)作業と注射薬収容済トレイ保管部からの注射薬収納済トレイの取り出し作業に係る作業効率を確実に、且つ著しく向上させることが出来る極めて優れた利点を有する。
【0011】
更に、本発明の注射薬払出装置1の空トレイ収納部3と注射薬収容済トレイ保管部4とが一体的に設けられてなることから、注射薬5の払い出しから保管までのサイクルを短縮させて装置稼動率を最大に向上させることが出来るだけでなく、空トレイ収納部への空のトレイの収納(補充)作業と注射薬収容済トレイ保管部からの注射薬収納済トレイの取り出し作業に係る作業効率をも最大に向上させることが出来る極めて優れた利点を有する。
【0012】
更に、本発明の注射薬払出装置1に用いられるトレイ6が、該トレイ6の夫々を同方向に積み重ねた際に上方側に位置するトレイ6の注射薬収容部6bの外底部が下方側に位置するトレイ6の注射薬収容部6b内に重合状態に嵌入され、且つ逆方向で交互に積み重ねた際には、上方側に位置するトレイ6が下方側に位置するトレイ6の注射薬収容部6b内に所定の空間6cを有すべく該下方側に位置するトレイ6に位置決めされて載置可能なことから、空トレイ収納部3に空トレイ6を最大効率となるべく最多数に収納することが可能となり、空トレイ収納部3への空のトレイ6の収納(補充)作業の回数を必要最小限に止めることが出来るだけでなく、注射薬収容部6bに注射薬5が収容された場合には、夫々のトレイ6を確実に位置決め載置して一度に多数のトレイ6を安全に回診ワゴン等へ載せ替えたり病室まで運ぶことが出来る利点がある。
【0013】
更に、トレイ6の少なくとも一端側には、注射薬収納部2より払い出された注射薬5を滑走させて注射薬収容部6bまで案内するための案内傾斜部6aが設けられてなることから、注射薬収納部2から排出されて搬送コンベア等によって搬送され、且つ該搬送コンベア等から排出される注射薬5を案内傾斜部6aを介して確実に、且つスムーズに注射薬収容部6bまで案内してトレイ6内に収容することが出来、よって注射薬5を充填した硝子瓶等の割れやかけ等の破損を確実に防止することが出来る大きな利点を有する。
【0014】
又、本発明の注射薬払出装置1の空トレイ収納部3には、最下部に位置する空のトレイ6を順次排出する空トレイ排出装置7が設けられてなることから、注射薬収納部2から排出された注射薬5を搬送する搬送コンベア2cの注射薬5の排出部12にトレイ6を確実に、且つ極めて短時間に位置決めすることが出来る利点がある。
【0015】
更に、本発明の注射薬払出装置1の注射薬収容済トレイ保管部4には、注射薬5が収容されて順次送られて来る注射薬収容済トレイ6を順次保持して上方へと移送する注射薬収容済トレイ移送装置8が設けられてなることから、注射薬5を払い出すための処方箋等の順番と、最上部より順次取り出される注射薬収容済みトレイ6に収容された注射薬5の払い出し内容を容易に一致させてより確実な注射薬5の払い出し管理が可能になるという利点がある。
【0016】
更に、本発明の注射薬払出装置1の空トレイ収納部3又は注射薬収容済トレイ保管部4の少なくとも何れか一方には、各種患者情報や注射薬5の払い出しの有無等の処方箋情報を表示した表示体9aを、注射薬5のトレイ6への収容前又は収容後にトレイ6内へと投入する払出内容告知装置9が設けられてなることから、処方箋等の内容を印字したトレイラベル等をトレイ6に貼り付ける様な複雑な機構を全く有することなく簡単に、且つ確実にトレイ6内に投入された表示体9aを介して払い出された注射薬5等の処方箋情報の確認を行うことが出来る利点を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
<第一実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図面に従って説明する。図1に於いて、1は処方箋等の注射薬払い出し指示情報等にもとずいた装置駆動命令を順次発するホストコンピュータ(図示せず)に接続された注射薬払出装置を示し、1aは後述する各種の装置が一体的に設けられた注射薬払出装置本体を示す。
2は前記注射薬払出装置本体1aの一部を構成すると共に、硝子瓶等に充填された各種の注射薬5をスライドキャビネット2aに収納する注射薬収納部を示し、前記注射薬5の排出機構(図示せず)を有すると共に、下部には排出機構を介して排出された注射薬5を後述する空トレイ収納部側へと搬送する搬送コンベア2cが設けられてなる。尚、本実施形態に係る注射薬収納部2は、小型の各種注射薬5を正面視横三列で収納した第1注射薬収納部2Aと、大型の各種注射薬5を正面視横二列で収納した第2注射薬収納部2Bとを夫々横一列で連接した構成にしてなり、しかも前記第1注射薬収納部2Aの搬送コンベア2cと第2注射薬収納部2Bの搬送コンベア2cとは夫々の装置内で一直線状に位置決めされることで第1注射薬収納部2Aから排出された注射薬5であっても夫々の搬送コンベア2cで受渡して空トレイ収納部側へと搬送することが出来ることから、使用する注射薬5の使用量や種類に即時対応して注射薬収納部を簡単に増減することが出来るという極めて優れた汎用性を注射薬払出装置本体に具備させることが出来る利点を備えてなる。
【0018】
3は空のトレイ6を重合状態で積み重ねて収納すべく前記注射薬収納部2に連接された空トレイ収納部3を示し、該空トレイ収納部3に収納されるトレイ6は、図2及び図3に示す様に、平面視略矩形状で、且つ全体を船形に形成し、一端側に注射薬5の案内傾斜部6aを形成した注射薬収容部6bを有すべく樹脂材によって成形されると共に、該注射薬収容部6bの開口周縁には所定の幅を有した鍔部6dが周設されてなり、しかも注射薬収容部6bの長手方向側で対向する該注射薬収容部6bの外側部の夫々には、前記案内傾斜部6aと反対方向側に所定の寸法でオフセットされ、且つ所定の間隔を有すべく突出した逆三角形状の凸部6hが対向して夫々2個設けられ、且つ長手方向側で対向する前記鍔部6dの上面の夫々には、前記案内傾斜部6aよりにオフセットされ、且つ前記凸部6hの頂部6eの夫々が嵌入可能な間隔を有した矩形状の凹部6fが対向して夫々2個設けられ、しかも前記注射薬収容部6bの内底部には、該注射薬収容部6bの一端側に設けられた注射薬5の案内傾斜部6aから延設され、且つ該案内傾斜部6aを滑走してくる注射薬5を注射薬収容部6bの他端側まで一直線状に案内するための複数の凹状案内路6gが断面視略波形状となるべく並設された構成にしなることから、注射薬収納部2から排出されて搬送コンベア2cによって搬送され、且つ該搬送コンベア2cから排出される注射薬5を案内傾斜部6aを介して確実に、且つスムーズに注射薬収容部6bまで案内してトレイ6内に収容することが可能となり、よって注射薬5を充填した硝子瓶等の割れやかけ等の破損を確実に防止することが出来る大きな利点を有する。
【0019】
更に、上記構成からなるトレイ6は、図4(イ)に示す様に、各トレイ6の夫々を同方向に積み重ねた際に上方側に位置するトレイ6の注射薬収容部6bの外底部が下方側に位置するトレイ6の注射薬収容部6b内に重合状態に嵌入され、且つトレイ6の夫々を逆方向で交互に積み重ねた際には、同図(ロ)の様に、上方側に位置するトレイ6が、該トレイ6の注射薬収容部6bの外側部に突出した凸部6hの頂部6eを下方側に位置するトレイ6の鍔部6dの上面に設けられた矩形状の凹部6fに夫々嵌入させることで、下方側に位置するトレイ6の注射薬収容部6b内に所定の空間6cを有すべく位置決めされて順次載置することが出来るために、空トレイ収納部3に空トレイ6を最大効率となるべく最多数に収納することが可能となり、よって空トレイ収納部3への空のトレイ6の収納(補充)作業の回数を必要最小限に止めることが出来るだけでなく、注射薬収容部6bに注射薬5が収容された場合には、夫々のトレイ6を確実に位置決め載置して一度に多数のトレイ6を安全に回診ワゴン等へ載せ替えたり病室までより安全に運ぶことが出来る利点を備えてなる。
【0020】
尚、上記の如く空のトレイ6を重合状態で積み重ねて収納する空トレイ収納部3の下方には、図5に示す様に、最下部に位置する空のトレイ6を順次落下させて排出(矢印E)する所定の機構を有した空トレイ排出装置7が設けられ、且つ該空トレイ排出装置7には、図6(イ)に示す様に、排出される空のトレイ6を載置すると共に前記注射薬収納部2の下部に設けられた搬送コンベア2cを介して搬送されてきた注射薬5の排出部12まで移送(矢印F)する位置決めコンベア3bが前記搬送コンベア2cと交差する方向に設けられてなり、しかも該位置決めコンベア3bは、同図(ロ)に示す様に、トレイ6の注射薬収容部6bの案内傾斜部6aと交差する方向に位置する注射薬収容部6bの一方端側の凹状案内路6gが前記排出部12より排出される注射薬5を受けて案内可能とする所定の位置までトレイ6を移送して一旦停止する構成にしてなることから、注射薬収納部2から排出された注射薬5を搬送する搬送コンベア2cの注射薬5の排出部12にトレイ6を確実に、且つ極めて短時間に位置決めすることが出来る利点がある。
【0021】
更に、上記の如く位置決めされた空のトレイ6には、搬送コンベア2cを介して搬送(矢印G)されてきた注射薬5が順次搬送コンベア2cの排出部12より排出されて収容されることになるが、この時該排出部12より排出された注射薬5は、トレイ6は注射薬収容部6bの一方端側の案内傾斜部6aを滑動すると共に、該案内傾斜部6aと交差する方向に位置する注射薬収容部6bの一方端側の凹状案内路6gをも滑動して該凹状案内路6gに位置決め状態で載置されて注射薬収容部6bに収容されることになる。
【0022】
尚、上記の如く注射薬収容部6bの一方端側の凹状案内路6gに注射薬5を載置して収容したトレイ6は、同図(ハ)に示す様に、注射薬5を収容する毎に注射薬収容部6bの凹状案内路6gの幅寸法と略同じ距離に該トレイ6を移送(矢印H)しては停止する工程を繰り返す位置決めコンベア3bを介して一方端側の凹状案内路6gから他方端側の凹状案内路6gへと順次排出(矢印I)される注射薬5を載置することになる。
【0023】
よって、搬送コンベア2cの排出部12から順次排出される注射薬5は、移送,停止を繰り返す位置決めコンベア3bの各案内傾斜部6a及び凹状案内路6gの夫々に位置決め状態で個別に載置されて注射薬収容部6bに収容されることから、より確実に注射薬5を充填した硝子瓶等の割れやかけ等の破損を防止することが出来る極めて大きな利点がある。
【0024】
4は前記空トレイ収納部3に連接され、且つ前記の如く所定本数の注射薬5を収容すると共に、位置決めコンベア3bより移しかえられた注射薬収容済のトレイ6を所定の日時保管する注射薬収容済トレイ保管部を示し、該注射薬収容済トレイ保管部4には、図7(イ)に示す様に、注射薬収容済のトレイ6を順次注射薬収容済トレイ保管部の正面(前面)側へと移送(矢印J)する取り出しコンベア4bと、該取り出しコンベア4bを介して移送(矢印K)されたトレイ6の両端側の鍔部6dの夫々を下方側より夫々保持すると共に上方へと移送するための保持体8aを所定の間隔で具備した左右一対の垂直コンベアからなる注射薬収容済トレイ移送装置8が設けられてなり、しかも注射薬収容済トレイ保管部4の所定の箇所には、取り出しコンベア4bを介して移送されるトレイ6内へと各種患者情報や注射薬5の払い出しの有無等の処方箋情報を印字によって表示した紙片等の表示体9aを投入する払出内容告知装置9が設けられてなる。
【0025】
よって、前記の如く表示体9a及び所定本数の注射薬5を収容して注射薬収容済みトレイ移送装置8まで取り出しコンベア4bを介して移送されてきた注射薬収容済のトレイ6は、同図(ロ)に示す様に、注射薬収容済トレイ移送装置8の駆動(矢印L)を介して移動する一対の保持体8aによって両端側の鍔部6dの夫々を下方側より夫々保持されて上方へと順次移送(矢印M)されることから、注射薬5を払い出すための処方箋等の順番と、最上部より順次取り出される注射薬収容済のトレイ6に収容された注射薬5の払い出し内容を容易に一致させることが出来る利点を有するが、該トレイ6内には処方箋情報を印字によって表示した紙片等の表示体9aが投入されてなることから、処方箋等の内容を印字したトレイラベル等をトレイ6に貼り付ける様な複雑な機構を全く有することなく簡単に、且つ確実にトレイ6内に投入された表示体9aを介して払い出された注射薬5等の処方箋情報の確認を行うことが出来る種々の利点を有することになり、しいては注射薬5の払い出し内容を容易に一致させてより確実な注射薬5の払い出し管理が可能になるという格別な利点がある。
【0026】
更に、上記構成からなる注射薬払出装置本体1aにおいて、10は前記注射薬収納部2の上部に設けられたスライドキャビネット2aの開閉等の各種操作を行うための操作パネルを示し、11は前記空トレイ収納部3及び注射薬収容済トレイ保管部4の各種の動作不良やトレイの在庫切れ等のエラーを外部表示するエラー表示パネルを示す。尚、上記の如く連接された空トレイ収納部3及び注射薬収容済トレイ保管部4の正面(前面)側には、夫々に設けられた観音開きの開閉扉3a,4aが取り付けられた構成にしてなり、しかも前記構成からなる注射薬払出装置本体1aの下部には、前記各部に設けられた各種コンベアの作動状態や搬出される注射薬の搬送状態を随時確認することが出来る確認窓1bが夫々所定の箇所に複数設けられてなる。
【0027】
本発明に係る注射薬払出装置1によれば、処方箋等に従って順次払い出される各種注射薬5を収容するための空のトレイ6を積み重ねて収納する空トレイ収納部3が、各種の注射薬5を収納する注射薬収納部2と、処方箋等に従って該注射薬収納部2より払い出された注射薬5を収容する注射薬収容済トレイ6を保管する注射薬収容済みトレイ保管部4との間に設けられてなることから、スタート時に所定の注射薬5を注射薬収納部2から排出させ、その後排出された注射薬5を搬送コンベア2cによって搬送し、且つ該搬送コンベア2cから排出される注射薬5を待ち構えたトレイ6で受けるだけでトレイ6内に順次注射薬5を落とし込んで収容することが可能となり、よって注射薬収納部2の製品コストを低減させつつ各種メンテナンスも極めて簡単で、しかも最少のスペースに最大数の注射薬5を収納することが出来る大きな利点を有することが出来る。
【0028】
更に、本発明の注射薬払出装置1によれば、空のトレイ収納部3と注射薬収容済トレイ保管部4が隣合わせに位置決めされて一体的に連接されてなることから、注射薬5を受けた注射薬収納済トレイ6を即時注射薬収容済みトレイ保管部4で保管することが可能となって注射薬5の払い出しから保管までのサイクルを短縮させて装置稼動率を向上させることが出来るだけでなく、空トレイ収納部への空のトレイの収納(補充)作業と注射薬収容済トレイ保管部からの注射薬収納済トレイの取り出し作業に係る作業効率を確実に、且つ著しく向上させることが出来る極めて優れた利点を有する。
【0029】
更に、上記注射薬払出装置1には、取り出しコンベア4bを介して移送されるトレイ6内へと各種患者情報や注射薬5の払い出しの有無等の処方箋情報を印字によって表示した紙片等の表示体9aを投入する払出内容告知装置9が設けられてなるが、必ずしも注射薬5が収容されたトレイ内に表示体9aを投入する必要はなく、注射薬5が収容される前にトレイ内に表示体9aを投入してもよく、この場合には、表示体9aが注射薬5の下敷きになることによりトレイ移送中等における不意な表示体9aの紛失を確実に防止することが出来る利点がある。
【0030】
尚、上記実施形態において、注射薬収納部は各種の注射薬を収納した第1注射薬収納部と第2注射薬収納部とが連接され、且つ注射薬はスライドキャビネットに収納されてなるが、注射薬収納部の具体的な連接数や注射薬収納構造等も決して限定されない。
【0031】
然して、本発明に係る注射薬払出装置に用いられる注射薬収容トレイ,注射薬収納部,空トレイ収納部,注射薬収容済トレイ保管部の具体的な連接手段,形状及び構造、更に注射薬の排出及び搬送手段の具体的な形状及び構造等も決して限定されず、要は注射薬払出装置の空トレイ収納部が、各種の注射薬を収納する注射薬収納部と、処方箋等に従って該注射薬収納部より払い出された注射薬を収容する注射薬収容済みトレイを保管する注射薬収容済みトレイ保管部との間に設けられていれば各部の具体的な形状、機能、構造等も決して限定されないのは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
叙上の様に、本発明は、注射薬収納庫の製品コストを低減させつつ各種メンテナンスも極めて簡単で、しかも最少のスペースに最大数の注射薬を収納することが出来るだけでなく、空トレイ収納部への空のトレイの収納(補充)作業と注射薬収容済トレイ保管部からの注射薬収納済トレイの取り出し作業に係る作業効率を確実に、且つ著しく向上させることが出来る極めて優れた注射薬払出装置を提供することが出来るという格別な効果を有するに至った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注射薬払出装置の実施形態を示し、同図(イ)は正面図,同図(ロ)は側面図。
【図2】本発明の注射薬払出装置に用いられるトレイの実施形態を示し、同図(イ)は正面図,同図(ロ)は平面図,同図(ハ)は底面図。
【図3】本発明の注射薬払出装置に用いられるトレイの実施形態を示し、同図(イ)は図2(ロ)のA−A線断面図,同図(ロ)は図2(ロ)のB−B線断面図,同図(ハ)は図2(ロ)のC−C線断面図,同図(ニ)は図2(ロ)のD−D線断面図。
【図4】本発明の注射薬払出装置に用いられるトレイの使用状態を示し、同図(イ)は同方向に積み上げた場合の正面図,同図(ロ)は逆方向で交互に積み上げた場合の正面図。
【図5】本発明の注射薬払出装置の空トレイ収納部内を示す要部拡大説明図。
【図6】本発明の注射薬払出装置における注射薬のトレイ収容時の状態を示し、同図(イ),(ロ),(ハ)は一部断面要部拡大説明図。
【図7】本発明の注射薬払出装置の注射薬収容済トレイ保管部を示し、同図(イ)は一部断面要部拡大説明図,同図(ロ)は要部拡大説明図。
【図8】従来の注射薬払出装置を示す正面図。
【符号の説明】
1…注射薬払出装置
1a…注射薬払出装置本体
2…注射薬収納部
3…空トレイ収納部
4…注射薬収納済トレイ保管部
5…注射薬
6…トレイ
7…空トレイ排出装置
8…注射薬収容済トレイ移送装置
9…払出内容告知装置
Claims (5)
- 処方箋等に従って順次払い出される硝子瓶を容器とする各種注射薬(5)を収容するための空のトレイ(6)を積み重ねて収納する空トレイ収納部(3)と、各種の注射薬(5)を収納すると共にその下部には排出された注射薬(5)を前記空トレイ収納部(3)側へと搬送する搬送コンベア(2c)が設けられた注射薬収納部(2)と、注射薬(5)を収容した注射薬収容済みトレイ(6)を保管する注射薬収容済トレイ保管部(4)とを備え、空トレイ収納部(3)が、注射薬収納部(2)と注射薬収容済トレイ保管部(4)との間に設けられてなると共に注射薬収納部(2)の横に連設され、前記空トレイ収納部(3)には、最下部に位置する空のトレイ(6)を順次落下させて排出する空トレイ排出装置(7)が設けられ、該空トレイ排出装置(7)には、搬送コンベア(2c)と交差する方向に設けられて該搬送コンベア(2c)より排出される注射薬(5)を受ける所定位置まで空のトレイ(6)を移送する位置決めコンベア(3b)が設けられ、前記トレイ(6)の少なくとも一端側には、注射薬収納部(2)より払い出された注射薬(5)を滑走させて注射薬収容部(6b)まで案内するための案内傾斜部(6a)が設けられ、トレイ(6)の注射薬収容部(6b)には、案内傾斜部(6a)から延設され且つ案内傾斜部(6a)を滑走してくる注射薬(5)を注射薬収容部(6b)の他端側まで一直線状に案内する複数の凹状案内路(6g)が設けられ、位置決めコンベア(3b)は、注射薬(5)をトレイ(6)に収容する毎に凹状案内路(6g)の幅寸法と略同じ距離に該トレイ(6)を移送しては停止する工程を繰り返すことを特徴とする注射薬払出装置。
- 前記空トレイ収納部(3)と注射薬収容済トレイ保管部(4)とが一体的に設けられた構成にしてなることを特徴とする請求項1記載の注射薬払出装置。
- 前記トレイ(6)が、該トレイ(6)の夫々を同方向に積み重ねた際に上方側に位置するトレイ(6)の注射薬収容部(6b)の外底部が下方側に位置するトレイ(6)の注射薬収容部(6b)内に重合状態に嵌入され、且つ逆方向で交互に積み重ねた際には、上方側に位置するトレイ(6)が下方側に位置するトレイ(6)の注射薬収容部(6b)内に所定の空間(6c)を有すべく該下方側に位置するトレイ(6)に位置決めされて載置可能な構成にしてなる請求項1又は2記載の注射薬払出装置。
- 前記注射薬収容済トレイ保管部(4)には、注射薬(5)が収容されて順次送られて来る注射薬収容済みトレイ(6)を順次保持して上方へと移送する注射薬収容済みトレイ移送装置(8)が設けられた請求項1乃至3の何れかに記載の注射薬払出装置。
- 前記空トレイ収納部(3)又は注射薬収容済トレイ保管部(4)の少なくとも何れか一方には、各種患者情報や注射薬(5)の払い出しの有無等の処方箋情報を表示した表示体(9a)を、注射薬(5)のトレイ(6)への収容前又は収容後にトレイ(6)内へと投入する払出内容告知装置(9)が設けられた請求項1乃至4の何れかに記載の注射薬払出装置。
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JP11001896A JP3877350B2 (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | 注射薬払出装置 |
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JPH09253165A JPH09253165A (ja) | 1997-09-30 |
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1996
- 1996-03-25 JP JP11001896A patent/JP3877350B2/ja not_active Expired - Lifetime
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