JP3876928B6 - ポリマー粒子製造方法 - Google Patents

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本発明は、ビニルアレーンモノマーのポリマーと発泡剤とを含有するポリマー粒子を製造する方法、前記ポリマー粒子、及び発泡品に係わる。
上記のようなビニルアレーンポリマー及び発泡剤を含有する粒子は通常、発泡性ポリマーとして知られている。良く知られた発泡性ポリマーの一つに発泡性ポリスチレンが有る。発泡性ポリスチレンは懸濁重合により商業的規模で生産されている。発泡剤は普通C3〜C6炭化水素、特にペンタンなどの低沸点炭化水素である。発泡性ポリスチレンは、ポリスチレン粒子を発泡させることによって得られる発泡品の製造に用いられる。発泡工程において、発泡剤は(部分的に)解放され、環境へ放出される。この放出は望ましくないものと看做され、炭化水素発泡剤の量を減らす方法が模索されている。
米国特許第5,096,931号に、少量の極性ポリマー及び幾分かの水、並びに幾分かの炭化水素発泡剤を含有する発泡性ポリスチレンが開示されている。この製品は、スチレンと極性ポリマーとの混合物を炭化水素発泡剤の存在下に懸濁重合させることによって製造される。得られる製品には、少量の水以外に炭化水素発泡剤もなお存在させなければならないという欠点が有る。
即ち、水の量を増し、その分炭化水素発泡剤の量を減らすことができればその方が望ましい。水の量を増す方法として考えられることの一つに、ポリマー粒子中の極性ポリマーの量を増やすことが有る。しかし、懸濁重合によってポリスチレン中に極性ポリマーを存在させることは困難であり、なぜなら極性ポリマーが懸濁液の水性相中へと流失するからである。そのため、得られた粒子があまりに僅かな極性ポリマーしか含有せず、従って該粒子中に取り込まれた水の量も少なすぎるという不満足な結果に終わる。
驚くべきことに、重合を二段階で生起させるとポリマー粒子中により多量の水を存在させ得ることが判明した。発泡剤として用い得る水の量は、炭化水素発泡剤を全く存在させずに済むようなものとなる。
従って本発明は、ビニルアレーンモノマーのポリマーを含有する平均粒径0.1〜6mmのポリマー粒子を製造する方法であって、
a)極性ポリマー自体の乾燥重量1g当たり少なくとも0.5gの水を吸収し得る極性ポリマーをビニルアレーンモノマーと混合し、
b)前記のようにして得られた混合物中のビニルアレーンモノマーを15〜50%の重合度まで初期重合させて初期重合塊を得、
c)初期重合塊を水性媒質中に懸濁させて懸濁粒子を得、
d)懸濁粒子を重合させてモノマー変換を完了する
ことを含む方法を提供する。
本発明の方法は、十分な発泡特性を具えながら有機発泡剤は含有しないポリマー粒子をもたらし得る。このようなポリマー粒子は、水性混合物から分離し、かつ発泡させて予備発泡粒子とすることができ、この粒子を場合によっては更に処理して発泡品を得る。
本発明の方法で用いるのに適したビニルアレーンモノマーは当業者に良く知られており、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチルスチレン、ビニルトルエン及び類似のスチレン誘導体の中から適宜選択可能である。好ましくは、ビニルアレーンはスチレンとする。
極性ポリマーは、その乾燥重量1g当たり少なくとも0.5gの水を吸収し得るものであると定義する。吸収力はASTM方法F 716−82に従うて測定する。適当な吸収力は、極性ポリマー1g当たり水0.5〜200g以上である。極性ポリマーは任意のものを用い得るが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール及びセルロース誘導体の中から選択することが適当である。好ましい極性ポリマーの一つにポリビニルピロリドン(PVP)が有る。この極性ポリマーは0〜120℃の温度範囲内で水と完全に混和する。その際、吸収力は乾燥ポリマー1g当たり水200gを上回ると考えられる。
別の好ましい極性ポリマー類に澱粉及び改質澱粉が属する。澱粉の改質はエステル化またはエーテル化によって適宜行なう。澱粉の吸水性はゼラチン化によって高め得る。澱粉は、ヒドロキシル基の一部、例えば0.1〜10%をC1〜C6アルキル基などのアルキル基でエーテル化することによっても改質可能である。ヒドロキシル基の一部をエステル化してもよい。エステルはモノカルボン酸またはジカルボン酸で形成し得る。適当な酸に、酢酸、プロピオン酸及び酪酸、並びにマロン酸、マレイン酸及び琥珀酸が含まれる。アルキルまたはアルケニル置換基を有する琥珀酸が好ましい。前記アルキルまたはアルケニル置換基は1〜16個の炭素原子を有することが適当である。ジカルボン酸は、0.1〜10%のヒドロキシル基をエステル化する量で用い得る。好ましくはモノエステルを形成し、その際残りのカルボキシル基は酸のまま放置しても、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩などの塩に変換してもよい。
澱粉の改質は、当該澱粉を本発明の方法に適用する前か、または使用時に行ない得る。後者の場合の改質は、本発明の製造方法の途中、好ましくは方法ステップa)において澱粉を改質剤化合物と接触させることにより可能である。使用時改質に好ましく用い得る改質剤化合物はアクリル酸(メタクリル酸)及びマレイン酸である。これらの化合物は、それ自体もビニルアレーンモノマーと重合し得るので好ましい。マレイン酸が特に好ましい。
2個以上のビニル基を有する架橋剤を用いることにより、ビニルアレーン株(strain)同士を架橋し得る。最も好ましい架橋剤はジビニルベンゼンである。この化合物がきわめて適当であるのは、ビニルアレーンモノマーと完全に相容性であるからである。好ましくは、比較的少量、例えばビニルアレーンの量に基づき0.001〜0.1重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%の架橋剤の存在下に重合を生起させる。架橋剤の量を上記のように決定すれば、実質的に架橋をみないままビニルアレーンポリマーの分子量を増大させることができる。そのようなポリマーは高発泡性のポリマー粒子をもたらすことが判明している。
上記架橋は架橋された極性ポリマー、例えば架橋澱粉を用いることによっても可能である。前記澱粉は二塩基酸、例えばアジピン酸などの、2〜10個の炭素原子を有するα,ω−ジカルボキシルアルカンで架橋されたものであり得る。
極性ポリマーはビニルアレーンモノマーにポリマーとして適宜添加する。しかし、極性ポリマーを使用時に製造することも可能である。そのような使用時製造の一例では、アクリル酸とビニルアレーンとの混合物を製造し、該混合物中のアクリル酸をその場で重合させ、その後ビニルアレーンを初期重合させる。
極性ポリマーの分子量は、50〜500,000,000といった広い範囲内で様々であり得る。適当な分子量(重量平均分子量)は50,000〜750,000である。
本発明は、比較的多量の極性ポリマー及び水を含有するポリマー粒子の製造を可能にする。本発明の方法で製造したポリマー粒子中の極性ポリマー及び水の量は、米国特許第5,096,931号に開示されたポリマー中に用いられる量を好ましく上回る。極性ポリマーの量が極性ポリマー及びビニルアレーンモノマーの重量に基づき2.0〜20重量%、好ましくは3.0〜7.5重量%であり、かつ製造した粒子中の水の量が予備発泡前で3重量%を越えて40重量%までであれば有利である。極性ポリマー含量が低すぎると、得られる粒子の吸水力は不十分なままとなりかねない。前記含量が高すぎる場合は、得られた粒子から製造した発泡品の機械的特性に悪影響が及ぶ恐れが有る。
初期重合ステップはいずれか公知の方法で実施可能である。前記方法に、アニオン重合、ラジカル重合及び熱重合が含まれる。モノマー変換度は、熱重合では温度の上昇または低下によって容易に制御し得る。従って、初期重合ステップとしては熱重合が好ましい。好ましくは、溶液を60〜180℃、特に110〜130℃に加熱することによって熱重合を生起させる。所望の変換度を達成したら温度を低下させ、重合を停止させる。初期重合ステップは、比較的少量のラジカル重合開始剤の存在下での熱重合によって実施することが最も好ましい。適当な重合開始剤量は、ビニルアレーンの量に基づき0.005〜0.20重量%である。少量の重合開始剤を存在させると高発泡性のポリマー粒子が得られることが判明している。
最適変換度は用いる極性ポリマー次第で変化し得る。好ましくは、変換度はビニルアレーンモノマーの15〜40%、特に25〜40%とする。初期重合を生起させることにより、得られた初期重合塊中で極性ポリマーの易動度(mobility)が低下し、それによって極性ポリマーを初期重合塊中に細かく分配することが容易になると考えられる。極性ポリマーを細かく分配することは微小液滴形態での水の取り込みに有利であろう。
初期重合ステップに続いて、得られた初期重合塊を水性媒質中に懸濁させる。水性媒質と初期重合塊との体積比は、当業者には理解されるように広い範囲内で変化させ得る。適当な体積比に1:1から1:5(初期重合塊:水性相)の比が含まれる。最適比は経済性を考慮して決定する。
当業者には理解されるように、水性媒質にはポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドや、ポリアクリル酸、リン酸またはピロリン酸、マレイン酸、エチレンジアミン四酢酸等の塩などの通常の安定剤を1種以上含有させ得る。安定剤の量は、水性媒質の重量に基づき0.1〜0.9重量%の範囲内で適宜変更可能である。ポリマー粒子完成のため、懸濁ステップc)及び重合ステップd)の間に初期重合塊に水が吸収されることが観察される。しかし、懸濁させた初期重合塊に何らかのポリマー安定剤、例えばポリビニルピロリドンやヒドロキシエチルセルロースを取り込ませることは必須ではない。
重合ステップd)は、ラジカル重合開始剤を用いるラジカル重合によって実施することが有利である。熱重合は、水が存在することから高圧下に行なわなければならないので、ラジカル重合ほど好ましくない。
ラジカル重合開始剤は、ラジカルスチレン重合に通常用いられる重合開始剤の中から選択し得る。そのような重合開始剤には特に、有機の過酸化物、ペルオキシカルボネート及び過酸エスチルなどのペルオキシ化合物が含まれる。複数のペルオキシ化合物の組み合わせを用いることも可能である。適当なペルオキシ重合開始剤の典型例に、過酸化デカノイル、過酸化ベンゾイル、過酸化オクタノイル、過酸化ステアリル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシドといったC6〜C20アシル過酸化物;過安息香酸t−ブチル、過酢酸t−ブチル、過ピバル酸t−ブチル、過イソ酪酸t−ブチル及びペルオキシラウリン酸t−ブチルなどの、C2〜C18酸とC1〜C5アルキル基とから成る過酸エステル;並びにジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、過酸化ジ−t−ブチル、過酸化ジクミルといったヒドロペルオキシド及びジヒドロカルビル(C3〜C10)過酸化物、またはこれらの組み合わせが有る。ペルオキシ化合物以外のラジカル重合開始剤を用いることも可能である。そのような化合物の適当な例の一つにα,α′−アゾビスイソブチロニトリルが有る。ラジカル重合開始剤の量は、ビニルアレーンモノマーの重量に基づき0.01〜5重量%とすることが適当である。重合プロセスは、反応混合物を高温、例えば60〜140℃に加熱することによって適宜開始させる。
ステップd)の重合プロセスを連鎖移動剤の存在下に生起させることが適当である場合が有る。その際、連鎖移動剤を例えばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタンまたはt−ブチルメルカプタンといったC2〜C15アルキルメルカプタンなどのメルカプタンの中から選択し得ることは、当業者には理解されよう。好ましいのはペンタフェニルエタンなどの芳香族化合物で、特にα−メチルスチレンのダイマーが好ましい。
ラジカル重合は60〜140℃、好ましくは80〜120℃の温度と、0.3×105〜6.0×105Pa(0.3〜6.0bar)、好ましくは2.5×105〜4.0×105Pa(2.5〜4.0bar)の圧力との下で生起させるのが適当である。このような反応条件は当業者には良く知られている。
本発明は、当業者が極性ポリマー含量及び含水量の比較的高い発泡性ポリマー粒子を製造することを可能にする。従って本発明は、ビニルアレーンモノマーのポリマーと、極性ポリマー自体の乾燥重量1g当たり少なくとも0.5gの水を吸収し得る極性ポリマーと、水とを含有するポリマー粒子であって、その含水量がビニルアレーンの量に基づき3重量%を越えて40重量%までであり、またその平均粒径は0.1〜6mmであるポリマー粒子も提供する。好ましくは、本発明の粒子は4〜16重量%の水を含有する。このような粒子はC3〜C6炭化水素発泡剤が存在しなくても発泡する。従って、本発明の粒子にはビニルアレーンの量に基づき0.5重量%未満、更に好ましくは0.25重量%未満のC3〜C6炭化水素しか含有させないことが可能である。最も好ましくは、本発明のポリマー粒子はC3〜C6炭化水素を全く含有しない。極性ポリマーの量は所望の水量に合わせて変更し得る。本発明のポリマー粒子には、極性ポリマー及びビニルアレーンに基づき2.0〜20重量%の極性ポリマーを含有させると有利である。
本発明のポリマー粒子には、幾種かの添加剤または被膜も有効量で保有させ得る。前記添加剤には染料、充填剤、安定剤、難燃化合物、核剤、帯電防止性化合物及び滑剤が含まれる。特に重要であるのが、グリセロールカルボキシレートまたは金属カルボン酸塩を含有する被膜組成物である。前記化合物は粒子の凝集する傾向を低減する。適当なカルボキシレートはグリセロールモノ、ジ及び/またはトリステアレート並びにステアリン酸亜鉛である。上述のような添加剤組成物の例が英国特許出願公開第1,409,285号に開示されている。被膜組成物は粒子上に公知の方法で、即ち例えばリボンブレンダーでの乾式被覆によってか、または容易に揮発する液体に加えてスラリーもしくは溶液としてデポジットする。
本発明の粒子は0.1〜6mm、好ましくは0.4〜3mmの平均直径を有利に有する。
本発明の発泡性粒子を通常の方法で、例えば蒸気を用いることによって予備発泡させれば、例えば80〜140kg/m3の低い密度を有する粒子を得ることができる。粒子が含有する水を蒸発させて発泡を実現するには、水より低い沸点を有するC3〜C6炭化水素発泡剤の時より高い温度を用いなければならないと理解される。蒸気を用いる場合は過熱蒸気の使用が必要となる。発泡は油、例えばシリコーン油中で加熱したり、マイクロ波を用いたりしても実現可能である。
予備発泡品はいずれか通常の方法で発泡品へと更に変換することができる。
本発明は、ビニルアレーンモノマーのポリマーと、極性ポリマー自体の乾燥重量1g当たり少なくとも0.5gの水を吸収し得る極性ポリマーとを含有する発泡品であって、極性ポリマー含量が極性ポリマー及びビニルアレーンに基づき2.0〜20重量%である発泡品にも係わる。
本発明によって得られる粒子は発泡品の製造に用い得る。
本発明を、以下の実施例によって更に詳述する。
実施例1
重量平均分子量360,000のポリビニルピロリドン(PVP)を用いて実験を行なった。用いたPVPの吸水力は、乾燥PVP 1g当たり水200gを上回った。実験は、50gのスチレンと、5.5gのPVPと、1gの重合開始剤としての過酸化ジベンゾイル(DBP)とを窒素下に1時間攪拌することによって開始した。激しく攪拌する間に混合物を窒素下に0.5時間80℃に加熱した。得られたきわめて粘稠な液体(スチレン変換度17%)を90℃において激しい攪拌下に、3gのPVP及び1gのヒドロキシエチルセルロース(HEC)(懸濁液安定化用)を300gの水に溶解させた溶液中に懸濁させた。反応混合物を8時間90℃に維持し、それによって反応を完了させた。その後、反応混合物を周囲温度に冷却してポリマービーズを生じさせ、これを濾過によって水性相から分離した。得られたビーズを150℃の熱いシリコーン油に晒すことによって発泡させた。ビーズは、NMRによって分光学的に測定したところ約10%のPVPを含有した。ビーズの含水量、及び約140℃に加熱した時の発泡能(発泡したビーズの体積対発泡前のビーズの体積の比として表わす)を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様の実験を行なったが、重合開始剤としては0.5gのDBPを用いた。初期重合反応を80℃で45分間生起させた。得られた粘稠な液体において、スチレン変換度は18%であった。初期重合塊を、1.2gのHEC、3gのPVP及び0.5mgの過硫酸カリウムを含有する300gの水から成る水性相中に懸濁させた。重合を90℃で6時間継続させ、それによって重合を完了させた。反応混合物を周囲温度に冷却してポリスチレンビーズを得た。ビーズのPVP含量はここでも10重量%であった。含水量及び発泡能を表1に示す。
実施例3
第三の類似実験を行なったが、この実験では重合開始剤としての0.55gのDBP及び0.37gの過安息香酸t−ブチルの存在下で55gのスチレン及び5gのPVPを重合させた。まず、混合物を窒素下に12時間攪拌した。次に、反応混合物を激しく攪拌しながら80℃に加熱し、それによって初期重合を惹起した。反応混合物を45分間上記温度に維持して粘稠な液体(スチレン変換度18%)を得た。この液体を90℃において、1.2gのHEC及び2gのPVPを含有する300gの水から成る水性媒質中に懸濁させた。反応混合物を5時間90℃に維持し、それによって変換を完了させた。反応混合物を周囲温度に冷却し、生じたビーズを濾別した。ビーズのPVP含量は9重量%であった。含水量及び発泡能を表1に示す。
Figure 0003876928
比較例
50gのスチレン及び5gのPVPを均質化した。得られた混合物に0.5gのDBPを添加した。この混合物を300gの水中に懸濁させた。懸濁液を攪拌しながら80℃に加熱した。懸濁液は白色のラテックスに変わり、その際明瞭な液滴の形成はみられなかった。80℃で4時間経過後、混合物を更に1時間90℃に加熱する。混合物を周囲温度に冷却して得られるのは白色のラテックスで、このラテックス中に目に見えるビーズは生じない。
実施例4
比較的大規模の実験を幾つか行ない、それらの実験ではスチレンの量を1320gとし、またPVPの量は79g、120gまたは211gとした。重合開始剤は18gのDBP及び8.9gの過安息香酸t−ブチル(TBPB)とした。初期重合は重合開始剤の不在下に120℃で2時間(モード1)か、または重合開始剤の存在下に80℃で45分間(モード2)生起させた。前者の場合、初期重合塊を懸濁媒中に分散させた後、混合物に重合開始剤を添加した。懸濁媒は、43.6gのPVP、26.1gのHEC及び36.1mgの過硫酸カリウムを含有する6550gの水とした。懸濁重合を90℃で4時間進行させ、その後120℃で2.5時間加熱した。実験結果を表2に示す。この表にはビーズの発泡能の測定結果も示してあり、該結果は140℃のシリコーン油中での容積膨張を測定することによって得た。
Figure 0003876928
実施例5
スチレン(79pbw)をステンレス鋼製反応容器に入れ、窒素下に攪拌した。5%ナトリウムn−オクテニルスクシネートで改質した澱粉(Cerestar Benelux B.V.から入手可能な「CERESTAR 062E7」)5.3pbwを15pbwのスチレン中に分散させ、これを反応容器に添加した。用いた改質澱粉の吸水力は、乾燥改質澱粉1g当たり水14gであった。反応混合物に、0.8pbwのDBP及び0.2pbwのTBPBを6pbwのスチレンに溶解させた溶液を添加した。反応容器内の温度を30分間で80℃に上昇させ、かつこの温度に155分間維持した。その後、温度を70℃に低下させ、かつこの温度に130分間維持した。初期重合塊のスチレン変換度は48%であった。次に、初期重合塊を、226pbwの脱イオン水及び0.9pbwのHECを収容した懸濁重合反応容器内に移した。懸濁液を80℃で240分間、90℃で60分間、及び120℃で60分間加熱した。その後、反応混合物を周囲温度に冷却した。生じたビーズを濾別した。ビーズの含水量は、スチレン、澱粉及び水の量に基づき7重量%であった。
約1050g/dm3の密度を有するビーズを135℃の空気流に曝露した。粒径0.9〜1.25mmのビーズが発泡し、その結果110〜140g/dm3の密度を有するフォームが得られた。
実施例6
スチレン(80pbw)と、マレイン酸無水物(3pbwのスチレン中に0.5pbw)と、0.4%アジピン酸で架橋した改質澱粉(Cerestar Benelux B.V.から入手可能な「CERESTAR 06309」)(11pbwのスチレン中に5.3pbw)とを窒素下に30℃で攪拌した。用いた架橋澱粉の吸水力は、乾燥架橋澱粉1g当たり水19gであった。得られた混合物を70分間で130℃に加熱し、かつこの温度に110分間維持して、スチレンを熱重合により変換する。その後、反応混合物を40分以内に70℃に冷却する。スチレン変換度は約39%となる。0.4pbwのDBP及び0.2pbwのTBPBを6pbwのスチレンに溶解させた溶液を添加し、混合物を70℃で均質化した。次に、混合物を、0.6pbwのHECを含有する139pbwの水中に分散させた。得られた懸濁液を80℃で240分間、90℃で60分間、及び120℃で120分間加熱し、それによってスチレン重合を完了させた。得られたビーズの含水量は8重量%、澱粉含量は4.8重量%であった。
得られたビーズは実施例5のビーズと同じ発泡挙動を示した。
実施例7
スチレン(75pbw)と、マレイン酸無水物(4pbwのスチレン中に0.5pbw)と、実施例5で用いた改質澱粉(15pbwのスチレン中に5.3pbw)とを30℃で混合した。得られた混合物の温度を60分間で120℃に上昇させ、かつこの温度に160分間維持した。その後、温度を70℃に低下させた。このようにして得られた初期重合塊のスチレン変換度は32%であった。初期重合塊に、6pbwのスチレン中の0.4pbwのDBP、0.2pbwのTBPB及び0.04pbwのジビニルベンゼンを添加した。この塊を70℃で均質化した。初期重合塊を、0.9pbwのHECを含有する226pbwの水中に懸濁させた。得られた懸濁液を80℃で240分間、90℃で60分間、及び120℃で120分間加熱し、それによってスチレン重合を完了させた。得られたビーズの含水量は10重量%、澱粉含量は4.8重量%であった。
ビーズを135℃の空気流に曝露したところ、80〜120g/dm3の密度を有する発泡フォームが得られた。
実施例8
スチレン(77pbw)と、マレイン酸無水物(3pbwのスチレン中に0.5pbw)と、TBPB(3pbwのスチレン中に0.025pbw)と、実施例5で用いた改質澱粉(11pbwのスチレン中に5.3pbw)とを30℃で攪拌した。温度を60分間で120℃に上昇させ、かつこの値に50分間維持することによって重合を開始させた。その後、温度を70℃に低下させたが、このようにして得られた初期重合塊のスチレン変換度は28%であった。
初期重合塊に、過酸化ラウロイル(0.66pbw)、TBPB(0.2pbw)及びジビニルベンゼン(0.02pbw)をスチレン(6pbw)に溶解させた溶液を添加し、均質化後に得られた混合物を、139の脱イオン水と、0.57の二リン酸三カルシウムと、0.1pbwのNatrosol(セルロース誘導体)とから成る水性媒質中に懸濁させた。得られた懸濁液を80℃で240分間、90℃で60分間、及び120℃で120分間加熱した。このようにして得られたポリスチレンビーズを懸濁液から、濾過によって分離した。ビーズはポリスチレンの量に基づき12重量%の水及び4.8重量%の澱粉を含有した。
135℃の空気に曝露したところ、上記ビーズは80〜100g/dm3の密度を有するフォームをもたらした。

Claims (12)

  1. ビニルアレーンモノマーのポリマーを含有する平均粒径0.1〜6mmのポリマー粒子を製造する方法であって、
    a)極性ポリマー自体の乾燥重量1g当たり少なくとも0.5gの水を吸収し得る極性ポリマーをビニルアレーンモノマーと混合し、
    b)前記のようにして得られた混合物中のビニルアレーンモノマーを15〜50%の重合度まで初期重合させて初期重合塊を得、
    c)初期重合塊を水性媒質中に懸濁させて懸濁粒子を得、
    d)懸濁粒子を重合させてモノマー変換を完了する
    ことを含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法により得られたポリマー粒子を水性混合物から分離し、かつ発泡させて予備発泡粒子とすることを特徴とする予備発泡粒子の製造方法。
  3. 請求項2に記載の方法により得られた予備発泡粒子を更に処理して発泡品を得ることを特徴とする発泡品の製造方法。
  4. 極性ポリマーがポリビニルピロリドンであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 極性ポリマーが澱粉、またはエステル化もしくはエーテル化によって改質された澱粉であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 極性ポリマーの量が極性ポリマー及びビニルアレーンモノマーの量に基づき2.0〜20重量%であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ビニルアレーンモノマーのポリマーと、極性ポリマー自体の乾燥重量1g当たり少なくとも0.5gの水を吸収し得る極性ポリマーと、水とを含有するポリマー粒子であって、その含水量がビニルアレーンの量に基づき3重量%を越えて40重量%までであり、またその平均粒径は0.1〜6mmであるポリマー粒子。
  8. ビニルアレーンの含量に基づきC 3 〜C 6 炭化水素の含量が0.5重量%未満であることを特徴とする請求項に記載のポリマー粒子。
  9. 3 〜C 6 炭化水素を含有しないことを特徴とする請求項7に記載のポリマー粒子
  10. 極性ポリマー含量が極性ポリマー及びビニルアレーンに基づき2.0〜20重量%であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載のポリマー粒子。
  11. ビニルアレーンモノマーのポリマーと、極性ポリマー自体の乾燥重量1g当たり少なくとも0.5gの水を吸収し得る極性ポリマーとを含有する発泡品であって、極性ポリマー含量が極性ポリマー及びビニルアレーンに基づき2.0〜20重量%であり、請求項7から10のいずれか1項に記載のポリマー粒子を用いることにより製造された発泡品。
  12. 請求項から10のいずれか1項に記載のポリマー粒子の発泡品製造への使用。
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