JP3766105B6 - ポリマー粒子製造方法 - Google Patents

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本発明は、ビニルアレーンモノマーのポリマーと物理的発泡剤とを含有するポリマー粒子を製造する方法、及び前記ポリマー粒子に係わる。
上記のようなポリマー及び発泡剤を含有する粒子は通常、発泡性ポリマー粒子として知られている。良く知られた種類の発泡性ポリマー粒子の一つに発泡性ポリスチレンが有る。発泡性ポリスチレンは懸濁重合により商業的規模で生産されている。発泡剤は普通C3〜C8炭化水素、特にペンタン異性体などの低沸点炭化水素である。発泡性ポリスチレンは、ポリスチレン粒子を発泡させることによって得られる発泡品の製造に用いられる。発泡工程において、炭化水素発泡剤は解放され、環境へ放出される場合がある。この放出は望ましくないものと看做され、その回避方法が模索されている。或る方法では、放出された炭化水素を回収し、または燃焼させる。別の方法では、発泡性ポリマー粒子中の炭化水素発泡剤の量を減らす。
米国特許第5,096,931号に、ポリスチレン、少量の極性ポリマー、幾分かの水、及び従来より少量の炭化水素発泡剤を含有する発泡性ポリスチレンが開示されている。炭化水素発泡剤の含量が低下してはいるが、十分な発泡度を達成するためにはなお前記発泡剤を存在させなければならない。
英国特許公開第1,106,143号に開示された水発泡性ポリスチレン粒子製造方法では、スチレンモノマー、水及び乳化剤をラジカル重合開始剤と激しい機械的攪拌により混合して、小さい水滴を含有する乳濁液を得る。次に、前記乳濁液を水性相中に懸濁させ、得られた懸濁液を重合させる。十分な発泡度を達成するべく、所定量の有機発泡剤を含有させる。
上記英国特許の教示の利点を証明する実験において、最初の乳濁液中に得られた微細分散水滴は重合の間に合体(coalesce)して、より大きい水滴を形成する傾向を有することが判明した。上記英国特許に示された或る実験からは、水滴が40μmより大きくなると粒子発泡後に得られる発泡品の発泡度が不十分となることが確認される。明らかにこの公知方法では、微細分散水滴を創出し、かつ維持するためには激しい攪拌を行なわなければならない。しかし、そのように大きいエネルギーを投入して行なう攪拌は商業的には好ましくない。
この理由から、水滴の合体する傾向を低減し得ることが望ましい。
驚くべきことに、水滴が大型化する傾向は、懸濁重合においてビニルアレーンモノマーの重合を完了させる前に粘稠な含水乳濁液を創出することによって低減可能であることが判明した。そのうえ、前記乳濁液の創出によって、(部分的に重合した)ビニルアレーンモノマー中に水を乳化させる際に攪拌をさほど激しく行なわなくてもよくなる。70L容の反応容器の場合、毎分500回転以下、更には毎分350回転以下のエネルギー投入で攪拌が可能となる。
従って本発明は、ビニルアレーンポリマーを含有するポリマー粒子を懸濁重合によって製造する方法であって、
a) ビニルアレーンモノマーを該モノマーに基づく変換度が20〜70%となるまで初期重合させて初期重合塊を得、この初期重合塊には該塊中に乳化した水と乳化剤とを含有させ、前記初期重合操作は水を存在させてからか、または水を添加する前に行ない、
b) 初期重合塊を水性媒質中に懸濁させて懸濁液滴を得、
c) 懸濁液滴中のビニルアレーンモノマーを重合させてモノマー変換を完了させ、それによって懸濁ポリマー粒子を得る
ことを含む方法を提供する。
初期重合塊は重合したビニルアレーンとビニルアレーンモノマーとの混合物とは異なり、即ち前者は単モード型の分子量分布を有するが、後者の分子量分布は通常二モード型である。多くの用途において上記後者の材料は、その物理特性が広い範囲にわたって変動する点で不利である。重合ビニルアレーンとビニルアレーンモノマーとの混合物の分子量分布を単モード型とするには、処理条件を非常に厳密に制御しなければならない。このことは商業的に好ましくない。
本発明の方法において得られる優れた結果は、ビニルアレーンを懸濁重合用の水性媒質中に懸濁させる前に水を乳化させた粘稠な初期重合塊を創出することによってもたらされると考えられる。乳濁水滴が移動しにくくなり、その結果該水滴が合体したり、水性懸濁媒中へと移動したりする傾向は僅かでしかなくなる。
本発明の方法は、十分な発泡特性を具えながら有機発泡剤は含有しないポリマー粒子をもたらし得る。従って本発明の方法は、C3〜C6炭化水素発泡剤を実質的に存在させずに実施することが好ましい。前記発泡剤を「実質的に存在させない」とは、ビニルアレーンモノマーの量に基づき0.5重量%未満、好ましくは0.25重量%未満の量でしか存在させず、更に好ましくは全く存在させないということである。
本発明の別の具体例では、得られたポリマー粒子を水性混合物から分離し、かつ場合によっては発泡させて予備発泡粒子を得、この粒子を場合によっては更に処理して発泡品を得る。
粘稠な初期重合塊は好ましくは、ビニルアレーンモノマーを所望の程度に塊重合させることによって創出する。出発モノマー中への水の乳化は様々な方法で実現可能である。本発明の方法の或る具体例では、水と、乳化剤と、ビニルアレーンモノマーとを攪拌して乳濁液を製造し、この乳濁液を続いて所望の変換度まで初期重合させて初期重合塊を得る。別の具体例では、まずビニルアレーンモノマーを初期重合させ、その後(部分的)初期重合ビニルアレーン混合物に水及び乳化剤を添加し、水を乳化させる。第三の具体例は、ビニルアレーンモノマーを乳化剤の存在下に初期重合させ、これに乳化させるべき水を添加することを含む。第四の具体例では、乳化剤の水の存在下にその場で製造し、得られた乳化剤にビニルアレーンモノマーを添加する。
乳化剤は、好ましくはビニルアレーンと相容性(ビニルアレーンに溶解性)のものとする。乳化剤は様々な化合物の中から選択し得る。油中水型乳濁液をもたらす乳化剤が好ましい。乳化剤はノニオン、アニオンまたはカチオン界面活性剤であり得る。
適当な乳化剤に、ソルビタンカルボキシレート、ソルビトールまたはマンニトールカルボキシレート、グリコールまたはグリセロールカルボキシレート、アルカノールアミド、アルキルフェノール及びジアルキルエーテルなどのノニオン界面活性剤が含まれる。上記乳化剤はいずれも、オキシエチレンまたはオキシプロピレン部分などのオキシアルキレン基を1〜20個伴ったポリアルコキシ鎖を有し得る。適当なアニオン性乳化剤には、長鎖(C8〜C30)カルボン酸、長鎖(C8〜C30)アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸及びスルホ琥珀酸の塩が含まれる。これらの乳化剤のカチオンは適宜、アンモニウム部分またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属イオンであり得る。適当なカチオン界面活性剤は、高分子量脂肪アミン、及び長鎖カルボン酸のアンモニウム誘導体または他の窒素誘導体の中から選択し得る。アニオン性及びカチオン性乳化剤はポリオキシアルキル基を有し得る。ビスアルキルスルホスクシネート、ソルビトール−C8〜C20カルボキシレート及び/またはC8〜C20アルキルキシレンスルホネートを用いた場合に優れた結果が得られた。ビス(2−エチルヘキシル)スルホ琥珀酸の金属塩が好ましい。
用いるべき乳化剤の量は或る程度まで、乳化させるべき水の量に左右される。乳化剤量は乳濁液中のビニルアレーンモノマーの量に基づき0.01〜5重量%とすることが適当である。乳化剤の量は好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.2〜1.5重量%とする。
望ましい乳化剤量を或る程度まで規定する、乳化させるべき水の量は広い範囲内から選択し得る。この水の量はビニルアレーンモノマー及び水の重量に基づき1〜20重量%とすることが適当である。3〜15重量%の水を乳化させれば、十分に発泡性の粒子を得ることができる。水の量が1重量%未満では発泡度が不十分となるかもしれず、一方含水量のきわめて高い粒子は潰れる恐れの有る発泡品をもたらしかねない。
乳化させるべき水には電解質を含有させ得る。適当な電解質はアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩であるが、他の無機塩を用いることも等しく可能である。電解質は液滴寸法の減小を実現し得、またイオン界面活性剤の油中水型特性を高め得る。従って、特にイオン性乳化剤を用いる場合には、水の量に基づき0.5〜5重量%の電解質を含有する水性相を用いることが有利であり得る。好ましい塩はNaCl及びKClなどのアルカリ金属ハロゲン化物である。
初期重合ステップは任意の公知方法で実施し得る。前記方法に、ラジカル重合及び熱ラジカル重合が含まれる。熱重合は、乳濁液を120〜150℃の温度に加熱することによって生起させ得る。所望の変換度に達したら温度を低下させる。初期重合ステップを、水を予め存在させて熱ラジカル重合により実施する場合は、初期重合に高い圧力は必要ない。初期重合ステップを水の添加前に熱ラジカル重合により実施した時は通常、水を添加する前に初期重合塊を冷却する。従って大抵の場合、初期重合は1種以上のラジカル重合開始剤を用いてラジカル重合により行なうことが好ましい。同じ理由から、重合ステップc)も好ましくはラジカル重合によって実施する。ラジカル重合による初期重合は、ビニルアレーン/水乳濁液に重合開始剤を添加し、40〜140℃への加熱によって重合を開始させることにより行ない得る。ステップa)の初期重合は好ましくは40〜120℃への加熱によって行なう。ステップc)の重合は好ましくは60〜140℃への加熱によって行なう。ラジカル重合は0.5〜5bar、好ましくは0.7〜1.5barの圧力下に行ない、更に好ましくは大気圧下に行なうことが適当である。その他の処理条件は当業者には良く知られている。最も好ましくは、ステップc)の重合の最終段階を高圧及び110〜140℃の高温下に行ない、それによって最終製品中に存在するモノマーの量を更に減少させる。
初期重合塊の最適変換度は、用いるモノマーに応じて様々となり得る。ビニルアレーンモノマーの場合は20〜70%の変換度が適当である。
変換度が70%を越えると初期重合塊の粘度が、該塊の取り扱いに問題が生じるほど高くなる恐れが有る。即ち、初期重合塊を水性相中に懸濁させたり、初期重合塊中に水を乳化させたりすることが厄介になりかねない。初期重合度が20%を下回る場合は懸濁液滴が不安定となりがちである。そのような場合には、大きな液滴寸法を有する不都合に大量の水性懸濁媒が取り込まれる。その結果として発泡時に気泡が潰れる。好ましくは、変換度は30〜60%とする。
最終的に得られるポリマー粒子の発泡特性を改善するべく、重合時に架橋剤を存在させることが好ましい。架橋剤はステップa)及び/またはステップc)で添加し得る。好ましくはステップa)において架橋剤を添加する。架橋剤は、少なくとも二つのオレフィン性二重結合を有する化合物の中から適宜選択する。そのような化合物の例には、ジビニルベンゼン、α,ω−アルカジエン、例えばイソプレン、アクリル酸またはメタクリル酸とジオールとのジエステル、即ちブタンジオール、ペンタンジオールまたはヘキサンジオールなどが含まれる。ビニルアレーンと相容性であるために好ましいのがジビニルベンゼンである。
有意の架橋効果を得るには、架橋剤の量は少なすぎてはならない。他方、架橋剤の量が多すぎると最終粒子の発泡度が低下する。適当な架橋剤量は、ビニルアレーンモノマーの量に基づき0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜1.5重量%である。最も好ましくは0.01〜0.5重量%の架橋剤を用いる。
更に、ビニルアレーンモノマーをポリフェニレンエーテルの存在下に重合させると有利であることも判明している。ポリフェニレンエーテルを存在させることによって、発泡した材料が冷却の間に潰れる恐れを低減できる。適当なポリフェニレンエーテルは、ヨーロッパ特許出願公開第350137号、同第403023号及び同第391499号に開示されている。ポリフェニレンエーテルはステップa)及び/またはステップc)で添加し得る。好ましくはステップa)でポリフェニレンエーテルを添加する。ポリフェニレンエーテル化合物は好ましくは、ビニルアレーンの量に基づき1〜30重量%の量で存在させる。
初期重合ステップに続いて、得られた初期重合塊を水性媒質中に懸濁させる。水性懸濁媒と初期重合塊との体積比は、当業者には理解されようが広い範囲内で変化させ得る。適当な体積比に1:1から1:10(初期重合塊:水性相)の比が含まれる。最適比は経済性を考慮して決定する。
当業者には理解されようが、水性媒質にはポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドや、ポリアクリル(メタクリル)酸、ホスホン酸または(ピロ)リン酸、マレイン酸、エチレンジアミン四酢酸等の塩などの通常の安定剤を1種以上含有させ得る。適当な塩にはアンモニウム塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が含まれる。このような塩の好ましい一例にリン酸三カルシウムが有る。好ましくは安定剤は、場合によってはアクリル酸アミド(acrylic amide)と組み合わせられたアクリル酸及び/またはメタクリル酸を主体とする。安定剤の量は、水性媒質の重量に基づき0.05〜1重量%、好ましくは0.15〜0.6重量%の範囲内で適宜変更可能である。
初期重合ステップa)の場合と同じ理由から、重合ステップc)は1種以上のラジカル重合開始剤を用いてラジカル重合により実施することが有利である。
ステップc)の重合は、懸濁液の安定性を高めることによって更に促進することができる。懸濁液の安定性向上は、初期重合塊に、既に存在する乳化剤に加えて極性ポリマーも含有させることにより実現し得る。初期重合塊に添加する極性ポリマーの例に、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドや、ポリアクリル(メタクリル)酸、ホスホン酸または(ピロ)リン酸、マレイン酸及びエチレンジアミン四酢酸の塩が有る。適当な塩にはアンモニウム塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が含まれる。安定剤として機能する極性ポリマーは好ましくは、場合によってはアクリル酸アミドと組み合わせられたアクリル酸及び/またはメタクリル酸を主体とする。極性ポリマーの添加は該ポリマーを初期重合塊と混合することによって行ない得るが、対応する極性モノマーをビニルアレーンモノマー及び水と混合しておき、使用時前記極性モノマーを重合させて所望の極性ポリマーを得ることによっても可能である。添加した極性ポリマーは後に初期重合塊の他の成分と共に懸濁化することができる。別の極性ポリマー添加方法では、対応する極性モノマーを初期重合塊に添加し、かつ後から重合させて極性ポリマーとする。極性ポリマーの量は、乳化させた水の量に基づき0.1〜10重量%とすることが適当である。
ラジカル重合開始剤は、ラジカルスチレン重合に通常用いられる重合開始剤の中から選択し得る。そのような重合開始剤には特に、過酸化物、ペルオキシカルボネート及び過酸エステルなどの有機ペルオキシ化合物が含まれる。複数のペルオキシ化合物の組み合わせを用いることも可能である。適当なペルオキシ重合開始剤の典型例に、過酸化デカノイル、過酸化ベンゾイル、過酸化オクタノイル、過酸化ステアリル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシドといったC6〜C20アシル過酸化物;過安息香酸t−ブチル、過酢酸t−ブチル、過ピバル酸t−ブチル、過イソ酪酸t−ブチル及びペルオキシラウリン酸t−ブチルなどの、C2〜C18酸とC1〜C5アルキル基とから成る過酸エステル;並びにジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、過酸化ジ−t−ブチル、過酸化ジクミルといったヒドロペルオキシド及びジヒドロカルビル(C3〜C10)過酸化物、またはこれらの組み合わせが有る。
ペルオキシ化合物以外のラジカル重合開始剤を用いることも可能である。そのような化合物の適当な例の一つにα,α′−アゾビスイソブチロニトリルが有る。ラジカル重合開始剤の量は、ビニルアレーンモノマーの重量に基づき0.01〜1重量%とすることが適当である。重合プロセスは、反応混合物を高温、例えば40〜140℃に加熱することによって適宜開始させる。
ステップc)の重合プロセスを連鎖移動剤の存在下に生起させることが適当である場合が有る。その際、連鎖移動剤を例えばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタンまたはt−ブチルメルカプタンといったC2〜C15アルキルメルカプタンなどのメルカプタンの中から選択し得ることは、当業者には理解されよう。好ましいのはペンタフェニルエタンなどの芳香族化合物で、特にα−メチルスチレンのダイマーが好ましい。
本発明は、当業者が発泡剤として水を含有する水発泡性粒子を製造することを可能にした。従って本発明は、ビニルアレーンモノマーのポリマー、液滴状の水、及び乳化剤を含有する発泡性ポリマー粒子であって、その含水量がポリマー粒子の総重量に基づき8.6〜15重量%であるポリマー粒子を提供する。本発明のポリマー粒子は、C3〜C6炭化水素発泡剤を含有することを全く必要としない。このことは、前記炭化水素発泡剤をポリマー粒子の総量に基づき0.5重量%未満、好ましくは0.25重量%未満の量でしか存在させないこと、更に好ましくは該発泡剤を全く存在させないことが可能であるということを意味する。
本発明のポリマー粒子には、幾種かの添加剤または被膜も有効量で保有させ得る。前記添加剤には染料、充填剤、安定剤、難燃化合物、核剤、帯電防止性化合物及び滑剤が含まれる。特に重要であるのが、グリセロールカルボキシレートまたは金属カルボン酸塩を含有する被膜組成物である。前記化合物は粒子の凝集する傾向を低減する。適当なカルボキシレートはグリセロールモノ、ジ及び/またはトリステアレート並びにステアリン酸亜鉛である。上述のような添加剤組成物の例が英国特許公開第1,409,285号に開示されている。被膜組成物は粒子上に公知の方法で、即ち例えばリボンブレンダーでの乾式被覆によってか、または容易に揮発する液体に加えてスラリーもしくは溶液としてデポジットする。
本発明の粒子は0.1〜6mm、好ましくは0.4〜3mmの平均直径を有利に有する。
本発明の発泡性粒子を熱風によって、または(過熱)蒸気を用いて予備発泡させ、それによって発泡または予備発泡粒子を得ることが可能である。得られる粒子の密度は小さく、例えば800から30kg/m3である。粒子が含有する水を蒸発させて発泡を実現するには、水より低い沸点を有するC3〜C6炭化水素発泡剤の時より高い温度を用いなければならないと理解される。発泡は、油中で加熱したりマイクロ波を用いたりしても実現可能である。
本発明を、以下の実施例によって更に詳述する。
実施例1
2L容のオートクレーブ内でナトリウムビス(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート(商標「AOT」下に市販)の存在下に所与量のスチレンを、スチレンに基づき0.4重量%の過酸化ジベンゾイル及びスチレンに基づき0.15重量%の過安息香酸t−ブチルと、窒素下に攪拌速度300rpmで混合した。次に、混合物を100分間90℃に加熱することによって重合させた。スチレン変換度は約55%であった。得られた初期重合塊に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する水を、800rpmでの攪拌下にゆっくり添加した。前記攪拌は5分間継続した。6.4L容のオートクレーブ内で、上記のようにして得られた乳濁液を、オランダ国Aqualon社から商標「NATROSOL 250G」の下に市販されているヒドロキシエチルセルロースを0.4重量%含有する水中に懸濁させた。水対初期重合塊の重量比は約3:1とした。重合反応を90℃で5時間持続させた。窒素圧を4barに、温度を125℃に上昇させた。懸濁液を更に5時間前記条件下に維持し、それによって重合を完了させた。生じたポリマービーズを水性相から分離し、水で洗浄した。ビーズの、ポリスチレン、水及び乳化剤の量に基づく含水量をTGA(熱重量分析)によって測定した。ホットエアガンを用い、500ml容のガラス製容器内でビーズを130℃の熱風中で発泡させた。結果を下記表1に示す。発泡能は、ビーズの発泡後体積対発泡前体積の比で表わしてある。
Figure 0003766105
比較例
2L容のオートクレーブ内で10gのナトリウムビス(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート(商標「AOT」下に市販)の存在下に900gのスチレンを、スチレンに基づき0.4重量%の過酸化ジベンゾイル及びスチレンに基づき0.15重量%の過安息香酸t−ブチルと窒素下に攪拌速度300rpmで混合した。800rpmでの攪拌下に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する水100gをゆっくり添加した。前記攪拌は5分間継続した。6.4L容のオートクレーブ内で、上記のようにして得られた混合物を、商標「NATROSOL 250G」の下に市販されているヒドロキシエチルセルロースを0.4重量%含有する水3L中に懸濁させた。水対スチレン含有塊の重量比は約3:1であった。観察によれば、目に見える独立の液滴は存在しなかった。これはおそらく、水中油型乳濁液が形成されたためである。重合反応を90℃で持続させた。約2時間後、反応容器の攪拌機を停止させた。反応容器を開けた時、乳濁液が白色の固形塊及び水に変化したことが判明した。
実施例2
6L容の容器内で40gのナトリウムビス(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート(商標「AOT」下に市販)の存在下に3600gのスチレンを、スチレンに基づき0.4重量%の過酸化ジベンゾイル及びスチレンに基づき0.15重量%の過安息香酸t−ブチルと、窒素下に攪拌速度300rpmで混合した。得られた混合物を100分間90℃に加熱することによって重合させた。スチレン変換度は約55%であった。800rpmでの攪拌下に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する水400gをゆっくり添加した。前記攪拌は5分間継続した。10L容のオートクレーブ内で、上記のようにして得られた乳濁液を、商標「NATROSOL 250G」の下に市販されているヒドロキシエチルセルロースを0.4重量%含有する水4L中に懸濁させた。懸濁媒の水対初期重合塊の重量比は約1:1であった。重合反応を350rpmでの攪拌下に90℃で5時間持続させた。窒素圧を4barに、温度を125℃に上昇させた。懸濁液を更に5時間前記条件下に維持し、それによって重合を完了させた。生じたポリマービーズを水性相から分離し、水で洗浄した。ビーズの、ポリスチレン、水及び乳化剤の量に基づく含水量をTGAによって測定した。ホットエアガンを用い、500ml容のガラス製容器内でビーズを熱風中で発泡させた。結果を下記表2に示す。
実施例3
2L容のオートクレーブ内で10.0gのソルビタントリステアレート(商標「SPAN 65」下に市販)の存在下に900gのスチレンを、スチレンに基づき0.4重量%の過酸化ジベンゾイル及びスチレンに基づき0.15重量%の過安息香酸t-ブチルと、窒素下に攪拌速度300rpmで混合した。得られた混合物を100分間90℃に加熱することによって重合させた。スチレン変換度は約55%であった。800rpmでの攪拌下に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する水100gをゆっくり添加した。前記攪拌は5分間継続した。6.4L容のオートクレーブ内で、上記のようにして得られた乳濁液を、商標「NATROSOL 250G」の下に市販されているヒドロキシエチルセルロースを0.4重量%含有する水3L中に懸濁させた。水対初期重合塊の重合比は約3:1であった。重合反応を90℃で5時間接続させた。窒素圧を4barに、温度を125℃に上昇させた。懸濁液を更に5時間前記条件下に維持し、それによって重合を完了させた。生じたポリマービーズを水性相から分離し、水で洗浄した。ビーズの、ポリスチレン、水及び乳化剤の量に基づく含水量をTGAによって測定した。ホットエアガンを用い、500ml容のガラス製容器内でビーズを熱風中で発泡させた。結果を下記表2に示す。
実施例4
2L容のオートクレーブ内で10.0gのソルビタンモノオレエート(商標「SPAN 80」下に市販)の存在下に900gのスチレンを、スチレンに基づき0.4重量%の過酸化ジベンゾイル及びスチレンに基づき0.15重量%の過安息香酸t-ブチルと、窒素下に攪拌速度300rpmで混合した。得られた混合物を100分間90℃に加熱することによって重合させた。スチレン変換度は約55%であった。800rpmでの攪拌下に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する水100gをゆっくり添加した。前記攪拌は5分間継続した。6.4L容のオートクレーブ内で、上記のようにして得られた乳濁液を、商標「NATROSOL 250G」の下に市販されているヒドロキシエチルセルロースを0.4重量%含有する水3L中に懸濁させた。水対初期重合塊の重合比は約3:1であった。重合反応を90℃で5時間接続させた。窒素圧を4barに、温度を125℃に上昇させた。懸濁液を更に5時間前記条件下に維持し、それによって重合を完了させた。生じたポリマービーズを水性相から分離し、水で洗浄した。ビーズの、ポリスチレン、水及び乳化剤の量に基づく含水量をTGAによって測定した。ホットエアガンを用い、500ml容のガラス製容器内でビーズを熱風中で発泡させた。結果を下記表2に示す。
実施例5
2L容のオートクレーブ内で900gのスチレンを10.0gのナトリウムビス(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート(商標「AOT」下に市販)と混合した。得られた混合物を60℃に加熱した。この混合物に99gの蒸留水、1gのアクリル酸及び0.03gの過硫酸カリウムを、800rpmでの攪拌下にゆっくり添加した。前記攪拌は5分間継続した。得られた乳濁液を800rpmでの攪拌下に3時間60℃に加熱し、それによってアクリル酸を重合させた。
アクリル酸を重合させた上記乳濁液に、スチレンに基づき0.4重量%の過酸化ジベンゾイル及びスチレンに基づき0.15重量%の過安息香酸t−ブチルを添加し、温度を90℃に上昇させた。この温度を100分間維持した。スチレン変換度は約55%であった。6.4L容のオートクレーブ内で、上記のようにして得られた乳濁液を、商標「NATROSOL 250G」の下に市販されているヒドロキシエチルセルロースを0.4重量%含有する水3L中に懸濁させた。懸濁媒の水対初期重合塊の体積比は約3:1であった。重合反応を350rpmでの攪拌下に90℃で5時間持続させた。窒素圧を4barに、温度を125℃に上昇させた。懸濁液を更に5時間前記条件下に維持し、それによって重合を完了させた。生じたポリマービーズを水性相から分離し、水で洗浄した。ビーズの、ポリスチレン、水及び乳化剤の量に基づく含水量をTGAによって測定した。ホットエアガンを用い、500ml容のガラス製容器内でビーズを熱風中で発泡させた。結果を下記表2に示す。
実施例6
2L容のオートクレーブ内で900gのスチレンを0.45gのジビニルベンゼン、スチレンに基づき0.4重量%の過酸化ジベンゾイル、スチレンに基づき0.15重量%の過安息香酸t−ブチル及び10.0gのナトリウムビス(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート(商標「AOT」下に市販)と混合した。得られた混合物を100分間90℃に加熱し、かつ300rpmで攪拌した。800rpmでの攪拌下に0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する蒸留水100gをゆっくり添加した。前記攪拌は5分間継続した。スチレン変換度は約55%であった。6.4L容のオートクレーブ内で、上記のようにして得られた乳濁液を、商標「NATROSOL 250G」の下に市販されているヒドロキシエチルセルロースを0.4重量%含有する水3L中に懸濁させた。重合反応を350rpmでの攪拌下に90℃で5時間持続させた。窒素圧を4barに、温度を125℃に上昇させた。懸濁液を更に5時間前記条件下に維持し、それによって重合を完了させた。生じたポリマービーズを水性相から分離し、水で洗浄した。ビーズの、ポリスチレン、水及び乳化剤の量に基づく含水量をTGAによって測定した。ホットエアガンを用い、500ml容のガラス製容器内でビーズを熱風中で発泡させた。結果を下記表2に示す。
Figure 0003766105

Claims (11)

  1. ビニルアレーンポリマーを含有するポリマー粒子を懸濁重合によって製造する方法であって、
    a) ビニルアレーンモノマーを該モノマーに基づく変換度が20〜70%となるまで初期重合させて初期重合塊を得、この初期重合塊には該塊中に乳化した水と乳化剤とを含有させ、前記初期重合は水を存在させてからか、または水を添加する前に行ない、
    b) 初期重合塊を水性媒質中に懸濁させて懸濁液滴を得、
    c) 懸濁液滴中のビニルアレーンモノマーを重合させてモノマー変換を完了させて懸濁ポリマー粒子を得る
    ことを含む方法。
  2. 得られたポリマー粒子を水性混合物から分離し、かつ発泡させて予備発泡粒子とすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 予備発泡粒子を更に処理して発泡品を得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 水と、乳化剤と、ビニルアレーンモノマーとを攪拌して乳濁液を製造し、この乳濁液を続いて所望の変換度まで初期重合させて初期重合塊を得ることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 最初にビニルアレーンモノマーを乳化剤の存在下に初期重合させ、次に得られた初期重合ビニルアレーン混合物に水を添加し、乳化させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 乳化剤をビスアルキルスルホスクシネート、ソルビトール−C8〜C20カルボキシレート及びC8〜C20アルキルキシレンスルホネートの中から選択することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 乳化剤の量をビニルアレーンモノマーの量に基づき0.01〜5重量%とすることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ステップa)で用いるべき水の量を水及びビニルアレーンモノマーの重量に基づき1〜20重量%とすることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 初期重合ステップa)及び重合ステップc)をラジカル重合によって実施することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 初期重合塊に極性ポリマーを含有させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 重合の間に架橋剤を存在させることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
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