JP3876700B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関し、詳しくは、複数のヘッドにより構成される記録ヘッドにおける各ヘッド間の主走査方向の自動位置補正が可能なインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、記録ヘッドの複数のノズルからインク液滴(以下、単に液滴という。)を記録媒体上に吐出させることにより所望の画像を記録形成する。この場合、画像の記録は通常複数色のインク、例えばY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)等の各色のインクにより行うため、図2に示すように、各色毎の液滴を吐出するための複数のヘッド11、12、13、14を主走査方向に沿って並列状に組み合わせることにより記録ヘッド1が構成される。
【0003】
各ヘッド11〜14の下面には、主走査方向と直交する方向に沿ってそれぞれ複数のノズル11a、12a、13a、14aが開設されており、そこからそれぞれ液滴を吐出する。ここで、各ヘッド11〜14は上記のように主走査方向に沿って並列状に組み合わされているため、それによって記録される各色の画像は主走査方向に沿って位置ズレを生じることとなる。このためインクジェット記録装置では、画像の記録時に各色の液滴が記録媒体上の同一位置に着弾するように、位置ズレを補正するようにしている。
【0004】
従来、この位置ズレの補正量を入力するためには、実際に各ヘッドから液滴を吐出させて記録媒体上に所定のテストチャートを印画させ、それを目視判定しながら、そのズレがなくなるように吐出タイミングをずらすことで行うようにしている。また、自動的に補正する場合も、印画したテストチャートをフォトセンサ等の検出装置にて読み取り、そこから補正量を決定するようにしている。このため、いずれの場合も記録媒体をセットし、実際にテストチャートを印画した上でなければ位置ズレの補正量を得ることができず、特に、前者の場合には、ユーザーが印画したテストチャートを直接目で見て補正量を決定しなくてはならないため、非常に面倒であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、簡単な構成で各ヘッド間のズレ量を検出することにより、逐一テストチャートを印画する必要なく、各ヘッド間の位置ズレの補正を自動的に行うことのできるインクジェット記録装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、ノズルから記録媒体に向けて微小な液滴を吐出する複数のヘッドにより構成される記録ヘッドを有するインクジェット記録装置において、前記液滴の進行経路に交差するように該液滴の通過を検出するための検出光を出射する発光素子と該検出光を受光する受光素子とを配置してなる液滴検出手段と、前記記録ヘッド又は液滴検出手段を前記検出光の光軸と直交する方向に相対的に移動させる移動手段と、移動中の前記記録ヘッド又は液滴検出手段の位置を検出する位置検出手段と、前記記録ヘッド又は液滴検出手段の移動過程における前記液滴検出手段の検出範囲を含む範囲において前記記録ヘッドのノズルから複数の連続する液滴により構成される液滴群を所定の周波数で繰り返すように吐出し、且つ該液滴群における隣接する液滴同士の間隔をα、液滴群の最後の液滴と該液滴群に次いで吐出された液滴群の最初の液滴との間隔をβとしたとき、α<βであり、且つ、一つの液滴群を構成する液滴の数は、一塊の液滴群となったときに前記液滴検出手段の検出距離よりも短い距離となるように定められる数であるという条件を満たすように制御する吐出制御手段と、前記記録ヘッド又は液滴検出手段の移動過程における前記液滴検出手段の検出範囲を含む範囲で得られた前記液滴検出手段の検出信号の変動分を交流増幅した後に中域フィルタを経てノイズ分を除去した信号を一定値と比較し、一定値以上となる信号の有無により液滴通過の有無を判別し、液滴通過有りと判別された時の前記記録ヘッド又は液滴検出手段の位置範囲の中央位置を算出することにより、液滴の進行経路と検出光の光軸とが一致する位置を検出する光軸一致検出手段と、 記録ヘッドにおける第1のヘッドから吐出された液滴により前記光軸一致検出手段により検出された中央位置情報と、第nのヘッドから吐出された液滴により前記光軸一致検出手段により検出された中央位置情報とから、それらヘッド間のズレ量を算出することにより位置補正量を生成する補正量生成手段とを有し、前記補正量生成手段により得られた位置補正量に基づいて、各ヘッドからの液滴の吐出タイミングを補正するようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記ノズルから前記検出光の光軸までの距離は、前記ノズルから前記記録媒体までの距離にほぼ一致することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記液滴検出手段は、前記記録ヘッド又は前記液滴検出手段の移動方向と平行な方向の長さが、それと垂直方向の長さよりも短い形状の検出穴を有する遮蔽部材により、前記受光素子の受光面側が遮蔽されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置である。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記液滴検出手段は、前記ノズルの欠検出を行うための欠検出手段を兼用することを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明に係る微小液滴の通過検出装置の概略構成を示す図である。ここではインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッド(液滴吐出装置)のノズルから吐出される微小液滴の通過を検出するものについて説明する。
【0014】
図中、1は記録ヘッドであり、ここでは、図2に示すようにY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のインクにより記録を行うためのヘッド11、12、13、14が、主走査方向に沿って並列状に組み合わされている。各ヘッド11〜14の下面には、それぞれ多数のノズル11a、12a…が、記録ヘッド1の主走査方向と直交する方向に沿って一列に配列されている。
【0015】
記録ヘッド1は、図示しないキャリッジに設けられており、インクジェット記録装置本体内に設けられた制御部2により主走査モータドライバ3が制御されることで主走査モータ4が駆動制御され、この主走査モータ4によってキャリッジが主走査方向に沿って移動することにより移動する。本発明においては、これら制御部2、主走査モータドライバ3、主走査モータ4及びキャリッジによって移動手段が構成される。
【0016】
また、記録ヘッド1は、その移動の過程で、制御部2によって駆動制御されるヘッドドライバ5によって各ヘッド11〜14の各ノズル11a〜14aからそれぞれ所定のタイミングでインクを微小液滴状に、図1における下方向に吐出制御することにより、図示しない記録媒体上に所望の画像を記録形成する。ここで、制御部2及びヘッドドライバ5により、本発明における吐出制御手段が構成される。
【0017】
液滴検出手段6は、記録ヘッド1の移動経路上に配設されており、検出光Dを出射するLED等の発光素子61と、該検出光Dを受光するフォトセンサ等からなる受光素子62とが、その間に記録ヘッド1を配置可能となる距離をおいて対向状に設けられ、記録ヘッド1に対して、検出光Dの光軸が記録ヘッド1の主走査方向と直交し且つ記録ヘッド1の各ヘッド11〜14におけるそれぞれのノズル11a〜14aの配列方向と平行となるように配置されている。これにより検出光Dの光軸は、記録ヘッド1のいずれかのヘッド11〜14がこの発光素子61と受光素子62との間に位置したとき、そのヘッドのノズルから吐出される液滴の進行経路と交差する。
【0018】
また、各ヘッド11〜14におけるそれぞれのノズル11a〜14aから検出光Dの光軸までの距離(垂直距離)は、それらノズル11a〜14aから記録媒体までの距離にほぼ一致している。これにより、後述する動作によって検出される各ヘッド11〜14間の位置ズレは、そのまま記録媒体上に画像記録した際の各ヘッド11〜14間の位置ズレとみなすことができ、テストチャートを記録媒体に印画する必要なく位置補正量を取得することが可能となる。
【0019】
受光素子62はシールドケース(遮蔽部材)63内に収容されており、発光素子61から受光素子62へ向けて出射された検出光Dが照射される位置のシールドケース63に、検出穴64が開設されている。これにより、受光素子32の受光面側はシールドケース63により光遮蔽され、検出穴64から入射した検出光Dのみの光量変化を捉えることができるようになっている。
【0020】
この液滴検出手段6において、記録ヘッド1のいずれかのヘッド11〜14のノズル11a〜14aから吐出された液滴が検出光Dを横切ると、それが受光素子62により光量の変化として検出される。本発明では、これにより記録ヘッド1の各ヘッド11〜14のノズル11a〜14aから吐出される液滴の進行経路と検出光Dの光軸との一致を検出し、この一致の検出により各ヘッド11〜14間の位置ズレ量を検出する。この具体的動作については後述する。
【0021】
検出穴64は、図3に示すように、記録ヘッド1の移動方向(主走査方向)と平行な方向の長さが、それと垂直方向の長さよりも短い形状の楕円形を呈している。例えば長径2mm、短径1mmであり、その長径が記録ヘッド1からのインクの吐出方向に沿うように設けられている。これにより、液滴が受光素子62上に影を落とす距離が長くなり、より多くの液滴数を同時に検出することが可能となる一方、楕円形状であるため、受光素子62の総光量はあまり増加せず、S/Nを上げることが可能となる。
【0022】
液滴検出動作時の記録ヘッド1は、その移動過程において、制御部2によってヘッドドライバ5が駆動制御されることにより、図4において示すように、液滴検出手段6の検出範囲(受光素子62によって検出可能な範囲、即ち検出穴64)を含む範囲Wで液滴を連続して吐出する。
【0023】
好ましくは、制御部2は、インクを複数の連続する液滴により構成される液滴群とし、それを所定間隔をおいて連続して吐出するようにヘッドドライバ5を吐出制御することである。更に詳しく説明すると、図5に示すように、ノズルから複数の液滴La、La…を連続吐出することにより一塊の液滴群Lとし、この液滴群Lを複数連続して吐出する。各液滴La同士の吐出間隔と各液滴群L同士の吐出間隔との関係は、一つの液滴群Lにおいて隣接する各液滴La同士の吐出間隔をα、先に吐出された液滴群L1と次に吐出された液滴群L2との吐出間隔(液滴群L1の最後の液滴と液滴群L2の最初の液滴の間隔)をβとすると、α<βとなるように吐出を制御する。但し、αは液滴Laが受光素子62上に影を落とす距離以下の値、即ち、検出穴64の垂直方向の距離以下の値である。このようにすることで、受光素子62からの信号出力は、各液滴群Lを一滴のまとまった信号として得られることになる。
【0024】
一つの液滴群Lを構成する液滴Laの数は、一塊の液滴群Lとなったときに液滴検出手段6の検出距離(検出穴64の縦径)よりも短い距離となるように定められる数であり、液滴Laの大きさと液滴検出手段6の検出距離に応じて適宜決定することができる。
【0025】
同様に上記βもαとの関係から得られ、βがαに近づくに従い、受光素子62の信号出力は得にくくなり、従って、S/Nは悪化するが、逆に受光素子62の検出距離以上となるとS/Nにあまり変化を与えない。
【0026】
受光素子62により検出された光量変化の信号は検出部7に出力される。この受光素子62により検出される光量信号の変化は、ノズル11a〜14aから吐出される一滴の微小な液滴によるものではなく、複数の連続する液滴Laにより構成される液滴群Lによるものであるため、受光素子62では大きな液滴群Lの塊として検出され、記録ヘッド1のノズル11a〜14aから微小な液滴を吐出するにも関わらず、発光素子の光を絞ったり、検出穴の大きさを微小な液滴の大きさに応じて小さくする等の必要がなく、受光素子62でのS/Nの良好な検出が可能となる。
【0027】
特に近年、記録される画像の高画質化がますます要求されるようになり、それに伴ってノズルから吐出されるインクの液滴も一段と微小化されるに及び、受光素子62側において十分なS/Nを確保することが一段と困難となる傾向にあるが、上述のように、複数の連続する液滴Laにより構成される液滴群Lを連続して吐出するようにすれば、一つの液滴群Lを構成する液滴Laの数を増やしてやるだけで、今後予想される液滴の更なる微小化にも容易に対応していくことが可能である。
【0028】
更に、本発明に係るインクジェット記録装置の構成について、その動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明しつつ、更に説明する。
【0029】
まず、制御部2は主走査モータドライバ3を制御することで主走査モータ4を駆動させ、ホームポジションに位置している記録ヘッド1を主走査方向に沿って、まず第1のヘッド11のノズル列を検出光Dの光軸に合わせるべく移動させる(S1)。
【0030】
移動中の記録ヘッド1の位置は、図1に示すエンコーダ(位置検出手段)8により逐次検出される。従って、記録ヘッド1が移動することにより発生するエンコーダ8のパルス数をカウントすることで、記録ヘッド1の位置情報を取得することができる。制御部2は、このエンコーダ8によって取得される記録ヘッド1の位置情報により、ヘッド11のノズル列が光軸に近づいたかどうか、即ち図4に示す液滴検出手段6の検出範囲を含む範囲Wに差し掛かったかどうかを判断している(S2)。この結果、ヘッド11が上記範囲Wに差し掛かったことを検出した場合、ヘッド11のノズル11aから液滴群Lを上述したように所定間隔をおいて連続して吐出する(S3)。なお、このエンコーダ8からの出力信号を図7において▲1▼で示す。各信号上の数値は、エンコーダ位置の位置情報を表している。
【0031】
このとき液滴群Lの吐出を行うノズルは、ヘッド11の複数のノズル11a…の全て、又は任意の位置にある2以上の複数のノズルであることが好ましい。これは、各ヘッド11〜14の各ノズル11a〜14aの中にはノズル詰まりが生じて液滴が吐出されない欠ノズルが含まれている可能性があるため、この欠ノズルが含まれる割合を小さくし、確実に液滴群Lが吐出されるようにするためである。
【0032】
ここでは液滴を10発連続吐出することで一つの液滴群Lを形成し、その液滴群Lを1.2kHzで繰り返し、全てのノズル11a…から吐出するようにしている。このとき、ヘッドドライバ5により出力される吐出開始信号を図7において▲2▼で示す。
【0033】
ノズル11a…から吐出された液滴群Lは、記録ヘッド1全体が主走査方向に移動しているため、やがて液滴検出手段6の検出範囲を通過する。即ち、記録ヘッド1の主走査移動により、液滴群Lは発光素子61から出射した検出光Dを通過し、この通過時に受光素子62において検出光Dが一部遮られ、受光される光量信号が一時的に減少し、更に液滴群Lが液滴検出手段6の検出範囲から外れると、受光素子62において受光される光量信号が元に戻る。
【0034】
検出部7は、図8に示すように、受光素子62により受光された光量信号を電流増幅部71で増幅し、次いでその変動分のみを交流増幅部72において増幅し、更に中域フィルタ73で不要なノイズ分を除去する。この信号波形を図7において▲3▼で示す。
【0035】
次いで、再度、この信号を交流増幅部74において、ピークを検出し易いレベルまで増幅し、続くピークホールド部75においてこの信号のピーク値をホールドし、peak-outとして比較器76に出力する。これを図7において▲4▼で示す。このときの出力信号は、図7において▲1▼で示されるエンコーダ8の立ち上がりパルスに同期して出力される(S4)。
【0036】
比較器76では、ピークホールド部75から出力されたpeak-out信号と、ある一定値(V-ref)とを比較し、peak-out信号が一定値以上となる信号を「1」とし、それ未満の信号を「0」として制御部2に出力する。この信号出力を図7において▲5▼で示す。なお、図7において▲1▼に示すエンコーダ8からの出力信号の下の「1」又は「0」の数値は上記出力信号を表している。
【0037】
制御部2では、図9に示すように、検出部7から出力された「1」又は「0」の信号を、それに対応するエンコーダ8からの位置情報(▲1▼)と共に記憶部21に記憶する(S5)。
【0038】
ヘッド11は、液滴群Lを吐出しながら液滴検出手段6の検出範囲を含む範囲Wを通過するように移動するため、受光素子62からの出力信号は非検出→検出→非検出と推移する。制御部2には、検出部7からの出力が0→1→0と推移するに十分な距離が予め入力設定されており、この距離が終了するまで上記S3からの処理を繰り返す(S6)。
【0039】
一方、上記の推移によりヘッド11からの液滴が液滴検出手段6の検出範囲を通過したと判断されると、制御部2は、記憶部21に記憶した検出部7からの「1」又は「0」の信号とそれに対応するエンコーダ8からの位置情報を演算部22に送り、演算部22において、それら「1」又は「0」の信号と位置情報とに基づいて、出力信号が「1」となる範囲の位置情報の中央位置を算出する。
【0040】
これは出力信号が「1」となる範囲のエンコーダ8の位置情報の加重平均を算出することによって求めることができる。即ち、図7に示す例では、エンコーダ8から出力される位置情報が「5、6、8、9、10〜15」の範囲において、検出部7からの出力信号が「1」となっているため、この位置情報「5、6、8、9、10〜15」の加重平均の値「(5+6+8+9+10+…+15)/10=10.3」を求め、出力信号が「1」となる範囲の中央位置を算出する。この値から、上記の例では、ヘッド11から吐出される液滴と液滴検出手段6の検出光Dの光軸とが一致する位置は、エンコーダ位置において「10」の位置であることがわかる。制御部2は、この中央位置情報「10」をノズル位置として記憶部21に記憶しておく(S7)。このように、本発明においては制御部2及び検出部7により光軸一致検出手段が構成される。
【0041】
図7において位置情報「7」において出力信号が「0」となっている。これは、記録ヘッド1の移動中に発生する風等の影響により、液滴が一時的に液滴検出手段6の検出範囲を外れてしまう場合に発生することが想定される。上記加重平均の算出時においては、この出力信号が「0」である位置情報は算出対象から除外する。
【0042】
次いで、上記同様にS3からの処理を記録ヘッド1の第2のヘッド12、第3のヘッド13、第4のヘッド14と繰り返すことで、それぞれの記録ヘッドから吐出される液滴と液滴検出手段6の検出光Dの光軸とが一致する位置の検出を行い、その中央位置情報をそれぞれ記憶部21に記憶していく。
【0043】
以上のようにして、記録ヘッド1の全ヘッド11〜14のそれぞれの中央位置情報が取得される。次いで、制御部2は、このようにして取得された各ヘッド11〜14の中央位置情報を記憶部21から読み出し、補正量生成部(補正量生成手段)23へ送る。補正量生成部23では、上記各ヘッド11〜14のそれぞれの中央位置情報に基づいて各ヘッド11〜14間のズレ量を算出する。このズレ量が位置補正量となる。
【0044】
然して、画像記録時、制御部2は上記位置補正量に基づいて各ヘッド11〜14からの液滴の吐出タイミングを補正する。従って、記録媒体にテストチャートを逐一印画する必要なく、自動的に各ヘッド11〜14間の位置ズレの補正を行うことが可能である。
【0045】
以上の説明では、記録ヘッド1を構成する各ヘッド11〜14それぞれに対して中央位置情報を取得するための動作を繰り返し行うようしたが、記録ヘッド1の1主走査移動により、全ヘッド11〜14の中央位置情報を同時に取得するようにしてもよい。
【0046】
また、以上の説明では、固定状の液滴検出手段6に対して記録ヘッド1を主走査方向に移動させることによって検出動作を行うようにしたが、液滴検出手段6を記録ヘッド1の主走査方向に沿って移動可能に設け、停止状態にある記録ヘッド1に対して該液滴検出手段6を移動させ、位置情報をエンコーダによって取得することによって検出動作を行うようにしてもよいことはもちろんである。
【0047】
本発明において、液滴検出手段6は、各ヘッド11〜14の各ノズル11a〜14aから適正に液滴が吐出されているかどうかの検出、即ちノズルの欠検出を行う欠検出手段を兼用することが好ましい。これにより、同一構成部品を用いて各ヘッド11〜14のノズルの欠検出を行うことも可能となり、部品点数の削減を図り、コストの低減化を図ることが可能である。
【0048】
次に、かかるインクジェット記録装置において、記録ヘッド1のノズルの欠検出を行う際の動作について、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
各ヘッド11〜14のそれぞれの中央位置情報は、上述の動作によって得られている。ここで第1のヘッド11の欠検出を行う場合について説明すると、制御部2は、ヘッド11の中央位置情報を記憶部21から読み出し、主走査モータドライバ3を制御して主走査モータ4を駆動させ、記録ヘッド1を上記中央位置情報が示す位置に移動させる。これによりヘッド11のノズル列は液滴検出手段6の検出光Dの光軸と一致する(S11)。次いで、制御部2はヘッドドライバ5を駆動制御し、検出行為に入る前に良好な安定した吐出が行われるように予備吐出を行う(S12)。ここでの予備吐出は、ヘッド11の全ノズルから安定吐出が得られるまで液滴を複数発吐出することにより行う。なお、ヘッドドライバ5により与えられる吐出開始信号を図11において▲1▼で示す。
【0050】
予備吐出の後、制御部2は最初にヘッド11のノズル11a…のうちの第1番目のノズルNo.1からのインク吐出を行う(S13)。ここでは液滴を10発連続吐出することで一つの液滴群を形成し、その液滴群を1.2kHzで繰り返し吐出するようにしている。
【0051】
第1番目のノズルNo.1から吐出された液滴群は、液滴検出手段6の検出光Dを通過する。この液滴群の通過により、受光素子62において検出光Dが一部遮られ、受光される光量信号が一時的に減少する。
【0052】
ここで検出部7は、図8に示すように、前述同様、受光素子62により受光された光量信号を電流増幅部71で増幅し、次いでその変動分のみを交流増幅部72において増幅し、更に中域フィルタ73で不要なノイズ分を除去する。これにより基準信号と比較するための信号を得る。この信号波形を図11において▲2▼で示す。
【0053】
次いで、この信号を比較器77において、低域フィルタ78を経て生成された基準信号と比較する。比較器77では、基準信号よりも大きな信号変化を検出する。即ち、第1番目のノズルNo.1から液滴群が連続して吐出され、そのうちのいずれかの液滴群が検出光Dを通過すると、比較器77において基準信号よりも大きな信号変化部分の存在を検出し、defect-out(欠吐出検出)のパルス信号を出力する。このパルス信号を図11において▲3▼で示す。図11では、第1番目のノズルNo.1において3回目に吐出された液滴群の通過が検出部7により検出された場合を示している。
【0054】
制御部2では、検出部7からのパルス信号出力の有無を検出する(S14)と共に、所定のタイムアウト時間(ここでは20msecに設定されている)の経過を検出しており(S15)、このタイムアウト時間経過前にパルス信号の検出有りとされた場合(S14においYesの場合)に、第1番目のノズルNo.1からは正常にインク吐出がなされていると判断する(S16)。
【0055】
その後、第2番目のノズルNo.2、第3番目のノズルNo.3…と順次上記S3以降の検出動作を全ノズルに対して行われるまで繰り返す(S17、S18)。
【0056】
ここで、例えば図11に示すように、第3番目のノズルNo.3において、ヘッドドライバ5から連続して液滴群が吐出されるように吐出パルスが与えられたにも関わらず、実際にはノズルから液滴が吐出されない場合、受光素子62では液滴群の通過が全く検出されないため、制御部2は所定のタイムアウト時間の経過を検出した後(S15においてYesの場合)、ノズルNo.3はインクが吐出されないインク欠ノズルであると判断する(S19)。
【0057】
ここで制御部2は、図示しない警告手段に信号出力することで、ノズルNo.3の不良を警告する。
【0058】
なお、かかる欠検出動作ではヘッド11の各ノズル11a…から、所定数の液滴Laからなる液滴群Lを連続して吐出するようにしているが、例えばヘッド11のノズル数が128個で、インクの液滴の吐出間隔が30μsecであり、10発を一群とした場合、300μsec吐出、533μsec非吐出(β)の833μsec周期であるから、最短で128×833μsec程度で、全ノズルの検出にかかる時間はわずか0.2secに満たないため、その間に消費されるインク量も極く僅かな量で済み、画像記録に消費されるインク量に比較して何ら問題とはならない。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構成で各ヘッド間のズレ量を検出することにより、逐一テストチャートを印画する必要なく、各ヘッド間の位置ズレの補正を自動的に行うことのできるインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微小液滴の検出装置の概略構成を示す図
【図2】記録ヘッドのノズル構成を示す図
【図3】検出穴の構造を示す図
【図4】液滴の吐出範囲を説明する説明図
【図5】記録ヘッドのノズルから吐出される液滴及び液滴群を説明する説明図
【図6】光軸一致位置検出のための液滴検出動作を示すフローチャート
【図7】光軸一致位置検出のための液滴検出動作を示すタイミングチャート
【図8】検出部の電気的構成を示すブロック図
【図9】制御部における記憶部、演算部及び補正量生成部の構成を示すブロック図
【図10】欠検出のための液滴検出動作を示すフローチャート
【図11】欠検出のための液滴検出動作を示すタイミングチャート
【符号の説明】
1:記録ヘッド
11:ノズル
2:制御部
21:記憶部
22:演算部
23:補正量生成部
3:主走査モータドライバ
4:主走査モータ
5:ヘッドドライバ
6:液機検出手段
61:発光素子
62:受光素子
63:ケーシング
64:検出穴
7:検出部
8:エンコーダ
9:メモリ
L:液滴群
La:液滴
Claims (4)
- ノズルから記録媒体に向けて微小な液滴を吐出する複数のヘッドにより構成される記録ヘッドを有するインクジェット記録装置において、
前記液滴の進行経路に交差するように該液滴の通過を検出するための検出光を出射する発光素子と該検出光を受光する受光素子とを配置してなる液滴検出手段と、
前記記録ヘッド又は液滴検出手段を前記検出光の光軸と直交する方向に相対的に移動させる移動手段と、
移動中の前記記録ヘッド又は液滴検出手段の位置を検出する位置検出手段と、
前記記録ヘッド又は液滴検出手段の移動過程における前記液滴検出手段の検出範囲を含む範囲において前記記録ヘッドのノズルから複数の連続する液滴により構成される液滴群を所定の周波数で繰り返すように吐出し、且つ該液滴群における隣接する液滴同士の間隔をα、液滴群の最後の液滴と該液滴群に次いで吐出された液滴群の最初の液滴との間隔をβとしたとき、α<βであり、且つ、一つの液滴群を構成する液滴の数は、一塊の液滴群となったときに前記液滴検出手段の検出距離よりも短い距離となるように定められる数であるという条件を満たすように制御する吐出制御手段と、
前記記録ヘッド又は液滴検出手段の移動過程における前記液滴検出手段の検出範囲を含む範囲で得られた前記液滴検出手段の検出信号の変動分を交流増幅した後に中域フィルタを経てノイズ分を除去した信号を一定値と比較し、一定値以上となる信号の有無により液滴通過の有無を判別し、液滴通過有りと判別された時の前記記録ヘッド又は液滴検出手段の位置範囲の中央位置を算出することにより、液滴の進行経路と検出光の光軸とが一致する位置を検出する光軸一致検出手段と、
記録ヘッドにおける第1のヘッドから吐出された液滴により前記光軸一致検出手段により検出された中央位置情報と、第nのヘッドから吐出された液滴により前記光軸一致検出手段により検出された中央位置情報とから、それらヘッド間のズレ量を算出することにより位置補正量を生成する補正量生成手段とを有し、
前記補正量生成手段により得られた位置補正量に基づいて、各ヘッドからの液滴の吐出タイミングを補正するようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記ノズルから前記検出光の光軸までの距離は、前記ノズルから前記記録媒体までの距離にほぼ一致することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記液滴検出手段は、前記記録ヘッド又は前記液滴検出手段の移動方向と平行な方向の長さが、それと垂直方向の長さよりも短い形状の検出穴を有する遮蔽部材により、前記受光素子の受光面側が遮蔽されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
- 前記液滴検出手段は、前記ノズルの欠検出を行うための欠検出手段を兼用することを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。
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