JP3876683B2 - プリンタおよびプリンタの予熱制御方法 - Google Patents

プリンタおよびプリンタの予熱制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、発熱体を所定の温度に加熱することにより印字を行うプリンタに関し、特に発熱体を有したサーマルヘッドを印字に至らない温度に加熱する機能を備えたプリンタおよび当該プリンタの予熱制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、サーマルヘッドを用いた熱転写プリンタやファクシミリ等が知られている。これらの熱転写プリンタやファクシミリ等では、印刷の際に速やかに印字が開始できるようヘッド部分が所定温度(例えば20℃から25℃)を保つように予熱が行われている。
このようなサーマルヘッドの予熱方法として、特開平7−68827号公報の「サーマルヘッドの予熱方法」、特開平9−70992号公報の「印字装置」、特開平9−314886号公報の「蓄熱制御機能を有するサーマルプリンタ」に開示されている技術がある。これらの技術は使用されていない発熱体を印字には至らない所定の温度にするため、印字しながら必要な部分に予熱を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したようなサーマルヘッドを予熱する方法は、印字しながら予熱を行うため、サーマルヘッドの温度が低ければ、サーマルヘッド全体を所定の温度に上昇させてから印字を行うようになっているため、印字に必要な温度まで予熱を行っている間は一時的に印刷が中断するので印字速度が遅くなり、一定速度で印字できないといった問題があった。
また、A0サイズ等の大判用紙用のプリンタでは、このようなサーマルヘッドを横一列に複数個配置して、所定大の用紙に対してドット1行分の印字を用紙を送りながら繰り返すようになっている。さらに印字の際はサーマルヘッド内に一列に配置されている微小な発熱体を制御上複数に分割して加熱する方法がとられていたが、予熱に関しては全発熱体を加熱するようになっていたため、一度に消費する電力が多く、予熱に必要のない発熱体まで加熱するようになっていた。
【0004】
本願発明は、上記従来の問題点に鑑み案出されたものであって、印字中に行う未使用発熱体への予熱を、サーマルヘッドの全発熱体に対してではなく、発熱体に対する発熱制御を複数個毎に分割して、その制御単位毎に予熱する構成とすることで、必要な部分にのみ印字を行い印字品質を低下させることなく、一度に消費する電力および不要な電力の消費を防ぐことができるプリンタおよびプリンタの予熱制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願請求項1記載の発明はプリンタに係り、
複数の発熱体を有し、当該発熱体を所定温度以上に加熱することによって用紙等に印字を行うサーマルヘッドと、
印字データを記憶し、当該印字データに基づく前記発熱体に対する加熱制御を、複数個毎に分割した発熱体の集合を一制御単位として当該制御単位毎に行う制御手段と、
サーマルヘッドの温度を検出する温度検出手段とを有し
前記各制御単位内に含まれる各発熱体毎に対応した発熱の有無に関するデータを0あるいは1の数値として前記各制御単位ごとにすべて乗算し、当該乗算結果である0あるいは1で表される積によって各制御単位毎の発熱した発熱体の有無を判断し、
前記温度検出手段による検出温度に基づいて、前記発熱体を印字には至らない温度にまで加熱するために必要な予熱量を加熱時間に換算して取得し、
発熱体による印字後、当該印字を行った発熱体の属する制御単位以外の制御単位に属する発熱体に対して、前記取得した加熱時間に基づいて予熱用の加熱を行うことを特徴とする。
【0006】
また、本願請求項2に係る発明は、プリンタの予熱制御方法に係り、
複数の発熱体を有し、当該発熱体を所定温度以上に加熱することによって用紙等に印字を行うサーマルヘッドと、
印字データを記憶し、当該印字データに基づく前記発熱体に対する加熱制御を、複数個毎に分割した発熱体の集合を一制御単位として当該制御単位毎に行う制御手段と、
サーマルヘッドの温度を検出する温度検出手段とを備えたプリンタにおいて、
前記各制御単位内に含まれる各発熱体毎に対応した発熱の有無に関するデータを0あるいは1の数値として前記各制御単位ごとにすべて乗算し、当該乗算結果である0あるいは1で表される積によって各制御単位毎の発熱した発熱体の有無を判断し、
前記温度検出手段による検出温度に基づいて、前記発熱体を印字には至らない温度にまで加熱するために必要な予熱量を加熱時間に換算して取得し、
発熱体による印字後、当該印字を行った発熱体の属する制御単位以外の制御単位に属する発熱体に対して、前記取得した加熱時間に基づいて予熱用の加熱を行うことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明に係る一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る予熱制御を実現するための熱転写プリンタのブロック構成図であり、図2はサーマルヘッドの外観図、図3は予熱を行うサーマルヘッドの論理回路図である。
図1中、1はプリンタ制御手段(以下単に「制御手段」という。)、2はサーマルヘッド(以下単に「ヘッド」という。)、3は前記ヘッド2の温度を検出するサーミスタ、4は前記サーミスタ3により検出されたアナログ値の温度をデジタル値の温度に変換して取得する温度取得手段、5は前記取得した温度に基づいて前記ヘッド2を加熱する時間を算出するパルス幅算出手段、6は前記パルス幅算出手段5により演算する際に参照する温度変換テーブル、7は前記パルス幅検出手段5により求められた加熱時間により前記ヘッド2に加熱の指示を与える予熱手段、8は当該熱転写プリンタに送られた印字データが記憶される印字データ記憶手段、9は前記印字データ記憶手段8に記憶された印字データに基づいて当該熱転写プリンタに印字指示を与える印字手段である。また、10は当該熱転写プリンタの印字や予熱のための加熱を制御するCPUを備えたマイクロプロセッサであり、メモリとしてROM10aとRAM10bを有している。
【0010】
ヘッド2は、所定温度に加熱すると所定の色に変わる感熱紙に印字等を行うものであり、当該ヘッド2を複数個配列することにより熱転写プリンタとしてのプリンタ部を構成している。また、当該ヘッド2の内部には印字を行う際の発熱体となる微少な発熱抵抗体が一列に複数個設けられている。
また、印字等を行う際、各ヘッド2が有している発熱体を同時に加熱すると一度に必要とする電力が大きくなってしまうので、この場合には、大きな電力の消費に対応するために電源部品や制御部品も大容量かつ高価なものを必要としてしまう。従って、本実施の形態では、印字を行う場合一つのヘッド内の発熱体を複数個毎に分割して制御する方式が採用される。すなわち、前記分割された微小な発熱体の集合を一つの制御単位として、当該制御単位毎にわずかに時間を異ならせながら発熱用の信号(ストローブ信号)と、当該ストローブ信号と後述するラッチレジスタに書き込まれた印字データに基づく発熱指示データに基づいて、所定の発熱抵抗体に電力が供給され発熱するようになっている。このような制御方式によって、一度に要する電力を低減させるようになっている。
【0011】
図2は、上記ヘッド2の一例を表した外観図であり、幅60mm、高さ5.85mm、奥行き16mmの大きさからなり、右側にコネクタ21、左側にコネクタ22が設けられている。また、このヘッド2は、前記のようにストローブ信号による制御単位毎に印字制御されるものであり、例えば、本実施の形態では、内部の幅方向に576個(ドット)の発熱抵抗体(図2中では図示しない)が設けられており、当該発熱体を4分割(144ドット単位)して制御するようになっている。
本願発明に係るプリンタは、上記ヘッド2を用いて所定の印字データおよびストローブ信号に基づいて印字が行われるようになっている。以下、本実施の形態では、印字制御に関しての詳細な説明は省略し、ヘッドの予熱制御を中心に説明する。
【0012】
また、図3は、このようなヘッド2の論理回路図であり、所定の電子回路(積分器25、論理ゲート26、発熱抵抗27)が図示外の基板上に形成されている。また該基板には温度を検出するサーミスタ3およびコネクタ21、22が設けられている。
このコネクタ21、22は各種信号が入力される端子である。例えば、当該コネクタ21を介してシフトレジスタ23にはクロック信号SG1が入力され、ラッチレジスタ24にラッチ信号SG2が入力され、第1の制御単位となる電子回路(積分器25、論理ゲート26、発熱抵抗体27)にストローブ信号SG4が入力され、第2の制御単位となる電子回路にストローブ信号SG5が入力される。
また、コネクタ22からは第3の制御単位となる電子回路(上記同様の積分器、論理ゲート、発熱抵抗体)にストローブ信号SG6が入力され、第4の制御単位となる電子回路にストローブ信号SG7が入力される。
【0013】
クロック信号として、例えば0.1秒(100ms)間隔の信号が与えられると、印字データ記憶手段8に記憶された印字データに基づく発熱指示データがそのクロック信号に基づいて、シフトレジスタ23にドット1行分の印字データ(予熱の場合は未印字データ)として転送される。つぎにラッチ信号がラッチレジスタ24に与えられるとシフトレジスタ23からラッチレジスタ24に発熱指示データ(予熱の場合は未印字データ)が転送される。そして、ストローブ信号が論理ゲート26に与えられると、印字データに基づいて対応する発熱抵抗体27をそのストローブ信号のパルス幅に相当する時間加熱が行われる。
【0014】
本実施の形態では、前記のように制御されるヘッド2(2a、2b、2c、2d)として、例えば576個の発熱抵抗体27が設けられ、この576個を4分割した144個の発熱体を1つの制御単位とするものが用いられている。この4つの各制御単位を第1〜第4の制御単位(20a、20b、20c、20d)とすると各制御単位に対応した電子回路がそれぞれ第1〜第4の制御回路として設けられ、各制御回路にストローブ信号が与えられることで、発熱抵抗体27に所定の電力が供給され発熱する。また、前述のように各制御回路にはタイミングを異ならせながらストローブ信号が与えられ、一度に全ての発熱体が発熱しないようになっている。
そして、このように制御されるヘッド2を発熱体が横並びとなるような配置で複数設けることで、プリンタのプリンタ部が構成されている。
【0015】
サーミスタ3(3a、3b、3c、3d)は、前記ヘッド2の温度を検出する温度センサであり、ヘッド2の温度変化にともなって変化する抵抗値を利用して温度を検知するものである。すなわち、抵抗値の変化にともなってサーミスタ3の分圧電圧が変化するので、当該分圧電圧を測定することによってサーミスタ2の温度を測定することができる。
サーミスタ3に設けられた抵抗体の温度と抵抗値の関係は、次式(式1)で得ることができる。
【0016】
T=R0B(1/T-1/T0) ・・・(式1)
但し、RT:温度T(K)の時の抵抗値
0:温度T0(K)の時の抵抗値
T:絶対温度
B:サーミスタ定数
e:自然対数の底
【0017】
温度取得手段4は、前記サーミスタ3により検出された前記ヘッド2の温度を得るものであり、本実施の形態では、前記サーミスタ3の分圧電圧を測定し検出されたアナログ値ををデジタル値に変換するA/D変換手段としての機能を有し、測定した電圧値を温度に換算するものである。
すなわち、前記サーミスタ3により検出された電圧値(温度)を解像度2n(例えば、210)で変換すると電圧値(温度)をnビット(10ビット)で表したデジタル値が得られる。
図4は、測定した前記分圧電圧をデジタル値に変換した一例を示すための説明図(表)である。
図4に示すように、例えば、該温度取得手段4(A/D変換)に入力される電圧値が0.5V(ボルト)であった場合はデジタル値として「102」が得られ、また2.5V(ボルト)の場合はデジタル値「512」が、5V(ボルト)の場合はデジタル値「1024」を得ることができる。
【0018】
パルス幅算出手段5は、前記温度取得手段4によって測定されたヘッド2(サーミスタ3)の温度をもとに、ヘッドを円滑な印字が行うことができる温度にまで上昇させるために必要な加熱(予熱)時間であるパルス幅(ストローブ信号を与える時間)を算出する。以下本実施形態において「パルス幅」とは、ストローブ信号をパルスとして与え続ける時間の意味で使用する。
予熱に必要なパルス幅は、実験等により経験的に求められる。例えば、温度が一定の恒温状態中に、当該熱転写プリンタを配置し、各高温、常温、低温において作動させる。この状態において、パルス幅を変化させて印字を行うことで、印字の状態とヘッド温度とパルス幅の関係が実験結果に基づいて得られる。
図5は、前記実験結果等により導かれた、ヘッド温度とパルス幅の関係を表したグラフの説明図である。
図5に示すように、ヘッド温度(横軸)と予熱に必要なパルス幅(縦軸)の関係は、ヘッド温度が高くなるにつれてパルス幅が徐々に小さくなるといった近似曲線Wで表され、各ヘッド温度に対する印字に至らない予熱のための加熱時間をパルス幅P1、P2、P3、P4、・・・として得ることができる。
【0019】
すなわち、前記式1よりサーミスタ3の抵抗値を求め、この抵抗値による電圧からヘッド温度を求め(図4参照)、そのヘッド温度と図5のグラフ(図6の温度変換テーブルの検索)によりパルス幅を得ることができ、ヘッド温度に対して、どのくらいの時間加熱(パルス幅)すれば、印字に至らない温度にまで高めることが出来るかを得ることができる。なお、このデータはデータテーブルとして、制御手段1内部に記憶されている。
【0020】
パルス幅算出手段5は、前記温度取得手段4によって得たデジタル値に換算した温度と、当該温度に対するパルス幅の関係を規定した温度変換テーブル(予熱パルス幅変換テーブル)に基づいて、所定のパルス幅を算出するものである。
図6は、このようなデジタル値に対するパルス幅を示す温度変換テーブル6の説明図である。
図6に示すように、例えばデジタル値が「0」または「1」のとき、ストローブ幅は「10」(ms)、デジタル値が「2」または「3」のとき、ストローブ幅は「9.9」(ms)、・・、デジタル値が「512」の時にはストローブ幅は「4.7」(ms)に、デジタル値が「1024」の時にはストローブ幅は「0」となる。
【0021】
予熱手段7は、前記温度取得手段4によって得た温度に対応するパルス幅を前記パルス幅算出手段5によって取得し、当該パルス幅を設定したストローブ信号を前記発熱抵抗体27に転送する。このストローブ信号によって、発熱抵抗体27を印字に満たない程度の所定温度となるまで加熱することができる。
また、予熱手段7は、前記ヘッド2のなかで予熱が必要な部分を特定する手段でもある。
【0022】
図7は、複数設けられているヘッド(2a、2b、2c、2d)の1つである前記ヘッド2(2a)において、印字を行っていない部分(予熱が必要な部分)を特定する様子を説明する説明図である。
図7に示すように、プリンタの印字部を構成する複数の各ヘッド(本説明ではヘッド4を中心に説明する。)に、ストローブ信号ST1、ストローブ信号ST2、ストローブ信号ST3、ストローブ信号ST4が送られる。各ストローブ信号は、図3に示す発熱体27(DOT#1〜DOT#576)を144ドット(DOT)単位で分割して、各分割した単位毎に割り当てられるものである。すなわち、ストローブ信号ST1はDOT#1〜DOT#144で表されている発熱体に対するものであり、ストローブ信号ST2はDOT#145〜DOT#288で表されている発熱体に対するものであり、ストローブ信号ST3はDOT#289〜DOT#432で表されている発熱体に対するものであり、ストローブ信号ST4はDOT#433〜DOT#576で表されている発熱体に対するものである。このように一つのヘッドに対して、発熱のための信号を4分割(ST1〜ST4)したのは、前述のように一度に消費する電力を少なくすることと、後述するように予熱を行う部位を複数に分けて制御するためである。
【0023】
各ストローブ信号ST1〜ST4は、ヘッド内の微小な発熱体27(前記DOT#1〜DOT#576)毎に対応した、発熱の有無に関する情報を「0」あるいは「1」からなるビット情報として形成したものである。所定の印字を行う場合には、ストローブ信号ST1に、例えば、「100011101110・・」というデータを送る。当該ストローブ信号が送られると、当該ストローブ信号と後述するレジスタに記憶されたデータとに基づいて、対応する発熱体27の加熱が行われる。以降、ST2、ST3、ST4と同様の処理を行い、併設されている他のヘッド2b、2c、2dも順次同様の動作を行い、用紙を送りながら所定の印字処理が行われる。
この印字の際、各ストローブ信号単位で「1×0×0×0×1×1・・・1×1×0」というデータ同士の乗算を行い解を得る。すなわち、解が「0」の場合には当該ストローブ信号に対応する単位で印字(発熱)があったことを示し、「1」の場合には当該ストローブ信号に対応する部位で印字(発熱)が行われなかったことを示すようになっている。すなわち、当該例では、解が「0」であるので印字が行われたことが解る。同様にストローブ信号ST2に、例えば「100111101101」というデータが送られると、「1×0×0×1×1×1・・・0×1」により「0」の解を得て、ストローブ信号ST3に「111111111111」が送られると、「1×1×1×1・・・1×1」により「1」の解が得られる。さらに、ストローブ信号ST4に「110011101101」が送られると、「1×1×0×0×1・・・0×1」により「0」の解が得られる。
これは言い換えれば、印字データ中に「0」(印字されたドット)がある場合には乗算した値は必ず「0」となり、解が「1」の場合には印字されたドットが無いということを表している。すなわち、本実施の形態では、当該解が「0」の場合にはデータの有無にかかわらず無条件での予熱を不要とし、「1」の場合には予熱が必要であるとして予熱制御を行うようになっている。
【0024】
つぎに、上記構成のプリンタにおける、予熱制御の流れを説明する。
図8は、制御手段1による主な印字処理を示したフローチャートであり、図9は、前記印字処理中に行われる予熱制御処理を示したフローチャートである。
当該制御手段1を有するプリンタ装置(熱転写式のプリンタやFAX等)に印字開始指示が行われると、制御手段1は所定の手法で作成された印字データを受信する(ステップS1)。当該印字データは、例えばパソコンで作成したものを受信したり、プリンタ一体型のラベル印字機の場合には所定の入力操作によって作成され、印字データ記憶手段8に一時的に記憶される。
また、印字データは当該制御手段1によって、各ヘッド毎に印字用のデータに変換され、後述するように発熱指示データおよびストローブ信号として出力されるようになっている。
【0025】
次に、制御手段1は、前記ヘッド2に設けられたサーミスタ3によりヘッド2の温度を検出し、その温度が該プリンタの印字を行える範囲内か否かの判定を行う(ステップS2)。これは、該プリンタが使用可能な温度環境にあるか、故障等により過熱等の状態が生じていないかを判断するためである。
ヘッド2の温度が使用範囲でなかった場合には、エラー処理として、使用範囲の上限(例えば、前記デジタル値が800)を超えているか否かの判定を行う(ステップSE1)。上限を超えている場合には、例えば「ヘッド温度が高すぎます」等のメッセージを表示して(ステップSE2)処理を終了する。
また、使用範囲の上限でなかった場合には、ヘッド温度が使用範囲の下限か否かの判定を行い(ステップSE3)、下限であった場合には例えば「ヘッドの温度が低すぎます」等のメッセージを表示し(ステップSE4)処理を終了する。
【0026】
該プリンタの温度が使用範囲内であった場合には、次に、印字データが印字データ記憶手段8に存在するか否かの判定を行う(ステップS3)。印字データが存在しなかった場合には(例えば全データが”1”あるいは”HIGH”)、印字処理を終了する。
印字データが存在した場合には、印字データを変換した発熱指示データをシフトレジスタ23に転送し(ステップS4)、ラッチ信号をラッチレジスタ24に送る(ステップS5)。
【0027】
次に、シフトレジスタ23に記憶された発熱指示データが最初のデータであるか否かを判定するためにファーストフラグ(初期値は”0”)を設け、そのファーストフラグの値によって、シフトレジスタ23に送られたデータが印字処理開始直後のものであるか、既に印字処理が行われている状態でのデータであるかを判定する。これは、通常の場合、プリンタが印字を開始する際にはヘッド全体が冷えているのでヘッド全体を予熱する必要があり、この予熱の要否を判断するためのものである。このような目的からファーストフラグが”1”であるか否かの判定を行い(ステップS6)、”1”であった場合には、既に印字が行われているため、ヘッドが所定の温度に加熱されていると判断して、ステップS10の印字処理を行う。
”1”以外であった場合には、該ファーストフラグに”1”を設定し(ステップS7)、ヘッドが印字を行える温度であるかの判定を行い(ステップS8)、ヘッド全体が印字に至る温度となるまで加熱を行う(ステップS9)。この処理の後、ステップS10の印字処理を行う。
印字処理(ステップS10)では、既にラッチレジスタ24に発熱指示データが記憶されている状態であるので、さらにストローブ信号が送信されることにより、所定の発熱体27が発熱し、用紙等に対する印字(一ドット行分の印字)が行われる。
【0028】
(予熱処理)
前記印字処理(ステップS10)の後、予熱処理が行われる。当該予熱処理は、前述のストローブ信号単位に分割された発熱体の制御単位毎に行われ、直前の印字処理で印字が行われなかった制御単位に対して行われる。
以下、予熱処理について説明する。はじめに、ヘッド2に設けられたサーミスタ3によりヘッドの温度を検出する(ステップS11−1)。サーミスタ3により検出された温度は、前述のように温度取得手段4により、アナログ値からデジタル値に変換される(ステップS11−2)。そして、デジタル値に変換された前記温度が、使用範囲内か否かの判定を行う(ステップS11−3)。当該処理によって、ヘッド温度が規定値(例えば温度変換テーブル6に規定されている範囲)以内にない場合には、ステップ2で説明したのと同様に、エラー処理(SE1〜SE4)が行われる。
デジタル値を温度変換テーブル6の検索キーに設定し(ステップS11−4)、温度変換テーブル6を検索する(ステップS11−5)。検索の結果、該当するデジタル値(温度)があったか否かの判定を行い(ステップS11−6)該当するデータに基づいて、予熱に必要な加熱時間であるパルス幅を読み出す(ステップS11−7)。
【0029】
次に、前記予熱手段7によって、ストローブ制御単位毎に印字が行われたか否かを判断するために、前述したデータの演算を行う(ステップS11−8)。そして、演算の結果を判定し(ステップS11−9)、演算の結果が「1」であった場合には、当該制御単位がステップS10において印字が行われなかったとして、予熱分の前記パルス幅が設定されたストローブ信号を該当するストローブ制御単位の発熱体(レジスタ)に送信する(ステップS11−10)。これによって、当該制御単位の発熱体がストローブ信号としてパルスが与えられている間、発熱を行い予熱が行われる(ステップS11−11)。
また、同じヘッド内の他のストローブ制御単位20b、20c、20dでも、同様に演算を行い、印字が行われていなければ前記と同様に予熱が行われる。
一方、演算結果が「0」の場合には、ステップS10において印字が行われたことになるので、ヘッドは所定の温度に加熱されているとみなし、予熱は行わず当該予熱処理を終了する。
【0030】
そして、以上説明した一ドット行分の印字処理および予熱処理が行われた後、ステップS12において、次の印字データをシフトレジスタ23に転送し、次の一ドット行分の発熱指示データおよびストローブ信号を生成して、ステップS5以降の処理を繰り返す。
なお、説明は省略しているが、同様の処理をプリンタの印字部を構成する他のヘッドにおいても行うようになっている。
また、以上説明した実施の形態では、ヘッドを4分割してストローブ信号を転送し予熱を行うものとして説明したが、3分割、あるいは5分割でも良く、ストローブ信号の分割数は特に限定されない。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本願請求項1記載の発明は以下に述べる効果を有している。
すなわち、本願請求項1記載の発明に係るプリンタは、印字中に行う未使用発熱体への予熱を、サーマルヘッドの全発熱体に対してではなく、発熱体の制御を複数個毎に分割して、当該制御単位毎に予熱する構成となっている。したがって、予熱の単位がサーマルヘッド単位ではなく、さらに細分化された単位で行われるようになっているので、予熱の必要が無い発熱体に対して予熱を行うことがなく、不要な電力の消費を防ぎ、電力の供給に伴う使用部品を安価なものとすることができるという効果を有している。
【0032】
また、予熱単位をストローブ信号単位とし、時間を相違させながら各制御単位毎に予熱を行うようになっているので、予熱について一度に消費する電力を少なくすることが出来るという効果を有している。
【0033】
また、予熱が必要か否かの判定を、印字の際のデータを乗算することにより簡単に判断することができるので、制御手段のCPUに対して大きな負荷をかけることがないという効果を有している。
【0034】
また、請求項記載の発明は、以下に述べる効果を有している。すなわち、当該プリンタの予熱制御方法は、レジスタに印字用のデータを書き込み、ストローブ信号を付与して所定の印字を行わせる構成のサーマルヘッドを用いたプリンタであれば、上記効果と同様に、予熱の必要が無い発熱体に対して予熱を行うことがなく、不要な電力の消費を防ぎ、電力の供給に伴う使用部品を安価なものとすることができ、予熱について一度に消費する電力を少なくすることが出来、熱制御を行う際のCPUの負担を軽減することができるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施の形態に係る熱転写プリンタの予熱制御を実現するためのブロック構成図である。
【図2】本願発明の一実施の形態に係る熱転写プリンタのサーマルヘッドの外観図である。
【図3】本願発明の一実施の形態に係る熱転写プリンタのサーマルヘッドの論理回路図である。
【図4】本願発明の一実施の形態に係る熱転写プリンタの予熱制御によりアナログ電圧値の温度をデジタル値に変換する様子の説明図である。
【図5】本願発明の一実施の形態に係る熱転写プリンタのヘッド温度とストローブ幅の関係を表したグラフの説明図である。
【図6】本願発明の一実施の形態に係る熱転写プリンタの予熱制御に必要なデジタル値に対するストローブ幅を示す温度変換テーブルの説明図である。
【図7】本願発明の一実施の形態に係る熱転写プリンタの予熱制御のサーマルヘッドの印字を行っていない部分を特定する様子の説明図である。
【図8】本願発明の一実施の形態に係る熱転写プリンタのプリンタ制御手段に関するメインルーチンを示したフローチャートである。
【図9】本願発明の一実施の形態に係る熱転写プリンタのプリンタ制御手段により予熱処理に関するルーチンを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ制御手段
2 サーマルヘッド
2a サーマルヘッド
2b サーマルヘッド
2c サーマルヘッド
2d サーマルヘッド
3 温度検出手段(サーミスタ)
4 温度取得手段
5 パルス幅算出手段
6 温度変換テーブル
7 予熱手段
8 印字データ記憶手段
9 印字手段
10 マイクロプロセッサ(CPU)
10a ROM
10b RAM
20a ストローブ制御単位
20b ストローブ制御単位
20c ストローブ制御単位
20d ストローブ制御単位
21 コネクタ
22 コネクタ
23 シフトレジスタ
24 ラッチレジスタ
25 積分器
26 論理ゲート
27 発熱抵抗体

Claims (2)

  1. 複数の発熱体を有し、当該発熱体を所定温度以上に加熱することによって用紙等に印字を行うサーマルヘッドと、
    印字データを記憶し、当該印字データに基づく前記発熱体に対する加熱制御を、複数個毎に分割した発熱体の集合を一制御単位として当該制御単位毎に行う制御手段と、
    サーマルヘッドの温度を検出する温度検出手段とを有し
    前記各制御単位内に含まれる各発熱体毎に対応した発熱の有無に関するデータを0あるいは1の数値として前記各制御単位ごとにすべて乗算し、当該乗算結果である0あるいは1で表される積によって各制御単位毎の発熱した発熱体の有無を判断し、
    前記温度検出手段による検出温度に基づいて、前記発熱体を印字には至らない温度にまで加熱するために必要な予熱量を加熱時間に換算して取得し、
    発熱体による印字後、当該印字を行った発熱体の属する制御単位以外の制御単位に属する発熱体に対して、前記取得した加熱時間に基づいて予熱用の加熱を行うことを特徴とするプリンタ。
  2. 複数の発熱体を有し、当該発熱体を所定温度以上に加熱することによって用紙等に印字を行うサーマルヘッドと、
    印字データを記憶し、当該印字データに基づく前記発熱体に対する加熱制御を、複数個毎に分割した発熱体の集合を一制御単位として当該制御単位毎に行う制御手段と、
    サーマルヘッドの温度を検出する温度検出手段とを備えたプリンタにおいて、
    前記各制御単位内に含まれる各発熱体毎に対応した発熱の有無に関するデータを0あるいは1の数値として前記各制御単位ごとにすべて乗算し、当該乗算結果である0あるいは1で表される積によって各制御単位毎の発熱した発熱体の有無を判断し、
    前記温度検出手段による検出温度に基づいて、前記発熱体を印字には至らない温度にまで加熱するために必要な予熱量を加熱時間に換算して取得し、
    発熱体による印字後、当該印字を行った発熱体の属する制御単位以外の制御単位に属する発熱体に対して、前記取得した加熱時間に基づいて予熱用の加熱を行うことを特徴とするプリンタの余熱制御方法。
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